JP4139064B2 - スケジューリング装置およびプログラム - Google Patents

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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スケジューリング装置およびプログラムに関し、特に所定のルールを用いて複数のジョブ候補から適切なジョブを選択し、選択したジョブを時間軸上で作業工程を管理するガントチャート情報へ割り付けるスケジューリング装置およびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工場などの生産現場において、機械や装置など多数の生産設備を効率よく利用する場合、これら生産設備で行う仕事すなわちジョブを時間軸上に割り付けて管理するガントチャートが用いられる。
このガントチャートは、図11に示すように、横軸にタイムフレーム(時間軸)をとり、縦軸に生産設備(リソース)や製品(オーダー)をとって、それぞれ遂行すべきジョブに関する時間的流れを棒図表の形で図表化したものである。このようなガントチャートを前もって作成しておくことにより、ジョブの効率的な処理が実現される。
【0003】
ガントチャートを作成する場合、時間軸上に予め配置された所定の割付タイミングごとに、次にどの生産設備に対して、処理待ち状態にある複数のジョブ候補からどのようなジョブを選択して割り付けるかを決定する必要があり、この決定をディスパッチング(dispatching)という。
このようなディスパッチングでは、作業員が経験に基づき手作業でジョブをガントチャートに割り付ける場合が多い。従来、このディスパッチングの自動化を目的として、例えば納期が迫っているジョブから優先して割り当てるというような、所定の単一ルールに基づきジョブを並び替えるスケジューリング装置も利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のスケジューリング装置では、単一ルールに基づいて、処理待ち状態にある複数のジョブ候補を並び替えて選択しているため、それぞれの作業工程の生産制約を遵守しながら、ガントチャートの管理対象となるそれぞれの作業工程について柔軟に対応することができず、適切にジョブを割り付けることができないという問題点があった。例えば、互いの処理順序が規定されているような複数の生産設備を用いる作業工程や異なる種別のジョブを一括して取り扱う作業工程では、単一ルールだけで適切にジョブを割り付けられない場合もあり、また結果としてあまり効率よく生産設備を利用できていない場合もあるため、このような場合、実際には細かな修正が必要となり、手作業とさほど変わらない結果しか得られなかった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、それぞれの作業工程に対して柔軟に対応でき、ジョブを適切にガントチャート情報へ割り付けることができるスケジューリング装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかるスケジューリング装置は、所定のルールを用いて複数のジョブ候補から適切なジョブを選択し、時間軸上で作業工程を管理するガントチャート情報へ選択したジョブを割り付けるスケジューリング装置において、ガントチャート情報へ割り付ける各ジョブを記憶するジョブ記憶部と、所定の論理演算で複合された複数のルールからなる複合ルールを記憶する複合ルール記憶部と、この複合ルール記憶部に記憶されている複合ルールに基づき、その複合ルールで指定されているルールを論理演算に従って用いることにより、ジョブ記憶部に記憶されている各ジョブから割付候補となるジョブを選択する論理演算処理部と、この論理演算処理部で選択されたジョブをガントチャート情報へ割り付けるガントチャート割付部とを備えるものである。そして、論理演算処理部については、個々の論理演算ごとに設けられ、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行う複数の論理フィルタからなるフィルタ処理部と、複合ルール記憶部から取り出した複合ルールで用いている論理演算を解析し、フィルタ処理部のうちその論理演算に対応する論理フィルタへ、複合ルールで指定されたルールを論理演算に従って用いるよう論理演算処理を指示するロジック解析部とを用いて構成したものである。
【0006】
のときフィルタ処理部に、指定されたルールで用いるジョブ選択基準に基づき、複数のジョブを複数のクラスタに分割するとともに、いずれかのクラスタに属するジョブを選択するクラスタフィルタを、論理フィルタの1つとして設けてもよい。
【0007】
複合ルール記憶部で各種複合ルールを記憶する場合、ガントチャート情報で管理する作業工程種別に特有の複合ルールを記憶する特定アプリケーション用複合ルール記憶部と、各作業工程種別に共通の複合ルールを記憶する共通アプリケーション用複合ルール記憶部とを設けて、作業工程種別に特有の複合ルールと各作業工程種別に共通の複合ルールを区別して記憶してもよい。
【0008】
また、本発明にかかるプログラムは、所定のルールを用いて複数のジョブ候補から適切なジョブを選択し、時間軸上で作業工程を管理するためのガントチャート情報へ選択したジョブを割り付けるスケジューリング処理手順を実行するプログラムであって、所定の論理演算で複合された複数のルールからなる複合ルールを記憶する複合ルール記憶部から複合ルールを取り込む第1のステップと、取り込んだ複合ルールで指定されているルールを論理演算に従って用いることにより、ガントチャート情報へ割り付ける各ジョブから割付候補となるジョブを選択する第2のステップと、選択されたジョブをガントチャート情報へ割り付ける第3のステップとを実行し、第2の実行ステップでは、個々の論理演算ごとに設けられた論理フィルタで、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行うステップと、複合ルール記憶部から取り出した複合ルールで用いている論理演算を解析し、フィルタ処理部のうちその論理演算に対応する論理フィルタへ、複合ルールで指定されたルールを論理演算に従って用いるよう論理演算処理を指示するステップとを実行するためのものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかるスケジューリング装置を示すブロック図である。
このスケジューリング装置10は、全体としてパソコンなどの情報処理装置からなり、所定の処理プログラムを実行するCPUを用いて実現される制御部2、各種情報を記憶するハードディスクやメモリあるいは記録媒体で実現される記憶部1、制御部2での処理結果を画面で表示出力する画面表示部4、および作業員が制御部2へ各種指示を入力するための操作入力部5が設けられている。
【0010】
制御部2には、記憶部1に記憶されている複合ルールに基づく論理演算を行うことにより、所望の作業工程(産業分野あるいは生産形態)を管理するためのガントチャート情報へ割り付けるジョブ候補を選択する論理演算処理部2A、この論理演算処理部2Aで最終的に選択されたジョブをガントチャート情報に割り付けるガントチャート割付部2B、このガントチャート記憶部2Bに記憶されているガントチャート情報の内容に基づき作業工程の状態を逐次更新管理する状態管理部2Cが設けられている。これら論理演算処理部2A、ガントチャート割付部2Bおよび状態管理部2Cの各機能処理部は、CPUやメモリなどのハードウェア資源と後述の処理プログラムからなるソフトウェア資源とが協動することにより実現されている。
【0011】
本実施の形態では、単一の基準でジョブを選択する複数のルールを、所定の論理演算で複合し、これを複合ルールとしてジョブの選択に用いている。
記憶部1には、このような複合ルールを記憶する複合ルール記憶部11、ガントチャート情報へ割り付ける各ジョブを記憶するジョブ記憶部12、論理演算処理部2Aで選択されたジョブ候補を一時的に記憶するジョブ候補記憶部13、論理演算処理部2Aで最終的に選択されたジョブが割り付けられるガントチャート情報を記憶するガントチャート記憶部14が設けられている。なお、ガントチャート情報では、各ジョブごとに、少なくともそのジョブを処理する生産設備、およびそのジョブを実行するタイミングを示す情報が関連付けられて記述されている。
【0012】
このほか、記憶部1には、生産設備の処理能力や作業手順などの各種作業工程条件や状態管理部2Cで逐次更新される作業工程の状態を記憶する工程情報記憶部15、論理演算処理部2Aおよびガントチャート割付部2Bを実現するために制御部2で実行される処理プログラムを記憶するプログラム記憶部16が設けられている。なお、この処理プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、メモリカードなどの記憶媒体17に保存して取り扱い、全体としてパソコンなどの情報処理装置からなるスケジューリング装置10の記憶媒体インターフェース部(図示せず)を介してプログラム記憶部16へ読み込むようにしてもよい。
また、複合ルール記憶部11には、ガントチャート情報で管理する作業工程種別に特有の複合ルールを記憶する特定アプリケーション用複合ルール記憶部11Aと、各作業工程種別に共通の複合ルールを記憶する共通アプリケーション用複合ルール記憶部11Bとが設けられている。
【0013】
図2に論理演算処理部2Aの詳細ブロック図を示す。論理演算処理部2Aには、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行う複数の論理フィルタからなるフィルタ処理部22、複合ルール記憶部11に記憶されている複合ルール文を読み出し、その複合ルール文で用いられている論理演算を解析し、フィルタ処理部22のうちその論理演算に対応する処理部へ、複合ルールで指定されたルールを用いた論理演算処理を指示するロジック解析部21、フィルタ処理部22の処理結果に応じてジョブ候補の選定終了を判定する候補選定終了判定部23が設けられている。
【0014】
フィルタ処理部22には、論理フィルタとして、所定の条件に応じてルールを切り替えて適用するIF_THENフィルタ31、所定ルールで用いるジョブ選択基準に基づき各ジョブを複数のクラスタに分割するとともに、そのクラスタ単位でジョブを選択するΩフィルタ32、2つのルールを階層的に適用するANDフィルタ33、2つのルールでそれぞれ選択したジョブのいずれか一方を作業員の指示に応じて選択するORフィルタ34、2つのルールに共通のジョブを選択する∧フィルタ35、2つのルールで選択されたすべてのジョブを選択する∨フィルタ36、所定ルールの逆論理ルールを適用する¬フィルタ37、基本的な単一ルールに基づきジョブを選択する基本ルール処理部38が設けられている。なお、フィルタ処理部22を構成する個々の論理フィルタについては、上記各フィルタに限定されるものではなく、必要に応じて不要なフィルタを削除してもよく、他の機能を有するフィルタを追加してもよい。
【0015】
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかるスケジューリング装置の動作について説明する。図3はジョブ割付処理手順を示すフローチャートである。以下では、所定のジョブ割付タイミングにおけるジョブ割付処理動作について説明する。なお、制御部2では、予め記憶部1のプログラム記憶部16から処理プログラムを読み込んで実行しており、論理演算処理部2A、ガントチャート割付部2Bおよび状態管理部2Cの各機能処理部での処理動作が実現されているものとする。また、ジョブ候補記憶部13には、ジョブ記憶部12に記憶されているジョブのすべてまたは一部がすでに格納されているものとする。
【0016】
まず、論理演算処理部2Aのロジック解析部21では、複合ルール記憶部11から複合ルール文を取り込んで(ステップ60:第1のステップ)、その複合ルール文で使用されている論理演算を解析する(ステップ61)。そして、解析結果に基づいて、フィルタ処理部22のうち、複合ルール文で使用されている論理演算に対応する論理フィルタに対して、その複合ルール文に含まれるルールを用いた論理演算処理を指示する(ステップ62)。なお、ロジック解析部21では、取り込んだ複合ルール文が複数の論理演算の組み合わせから構成されている場合、公知の演算式計算方法に基づく順序でそれぞれの論理演算に対応する論理フィルタに対してフィルタ処理を指示する。
【0017】
この指示に応じてフィルタ処理部22の論理フィルタ31〜37のいずれかで、複合ルール文に含まれるルールを論理演算に従って適用することにより、ジョブ候補記憶部13に記憶されている各ジョブ候補を絞り込むフィルタリング処理を行い、その処理結果を候補選定終了判定部23へ通知する(ステップ63:第2のステップ)。
候補選定終了判定部23では、フィルタ処理部22からの処理結果に応じて、フィルタリング処理によりジョブ候補が1つに絞り込まれ、ジョブ候補の選定が終了したかどうか判定する(ステップ64)。そして、その選定終了に応じて(ステップ64:YES)、最終的に選定されたジョブをガントチャート割付部2Bへ渡す。ガントチャート割付部2Bでは、これに応じて対応する割付タイミング位置にそのジョブの割り付けを行い、更新されたガントチャート情報をガントチャート記憶部14へ格納し(ステップ65:第3のステップ)、一連の処理を終了する。
【0018】
一方、ステップ64において、ジョブ候補が複数存在し、その選定が終了していない場合は(ステップ64:NO)、すべての複合ルール文に対する処理が終了していない場合に(ステップ66:NO)、ステップ60へ戻って次の複合ルール文に対する処理を継続する。
また、すべての複合ルール文に対する処理が終了した場合は(ステップ66:NO)、画面表示部4を制御して、作業員に対して残存するジョブ候補からいずれかのジョブの選択を促す画面表示を出力する(ステップ67)。そして、操作入力部5を介した作業員からの指示に応じてジョブを最終選択し(ステップ68)、ステップ65へ移行して、ジョブの割り付けを行う。
【0019】
このように、単一ルールを論理的に複合してジョブ候補の選択に適用するようにしたので、従来のように1つの単一ルールに基づき、処理待ち状態にある複数のジョブ候補を並び替えて選択する場合と比較して、極めて高度な複合ルールを実現することができる。したがって、それぞれの作業工程に対して柔軟に対応でき、最適なジョブをガントチャート情報へ割り付けることができる。
【0020】
また、複合ルール記憶部において各種複合ルールを記憶する場合、ガントチャート情報で管理する作業工程種別に特有の複合ルールを記憶する特定アプリケーション用複合ルール記憶部11Aと、各作業工程種別に共通の複合ルールを記憶する共通アプリケーション用複合ルール記憶部11Bとを設けて、作業工程種別に特有の複合ルールと各作業工程種別に共通の複合ルールを区別して記憶するようにしてもよい。
これにより、どのようなアプリケーションにも使用できる共通ルールを、実際にスケジューリングを行う特定アプリケーションごとに入力し直す必要がなくなり、汎用性に富んだスケジューリング装置を容易に実現できる。また、ルールを分類できることから、ルール数が多くなった場合でも、その修正や管理を容易に行うことができる。
【0021】
次に、フィルタ処理部22を構成する各論理フィルタについて説明する。
まず、IF_THENフィルタ31について説明する。図4はIF_THENフィルタを示す説明図である。IF_THENフィルタ31は、所定の条件に応じてルールを切り替えて適用する分岐フィルタである。
例えば、割付タイミングにおいて装置#1でジョブaが終了していない場合は、ジョブ候補のうち後から登録された(生じた)ジョブを優先して装置#2で処理し、ジョブaが終了していた場合は、先に登録されたジョブから優先して装置#2で処理したいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#1>に示すように、ジョブaが終了したかどうか、すなわち「a is Finished」を条件としてIF_THENフィルタ31を用いて、条件成立(THEN)の場合は、ルールFIFO(First In First Out)をジョブ選択に適用し、条件不成立(ELSE)の場合は、ルールLIFO(Last In First Out)をジョブ選択に適用すればよい。
【0022】
これにより、動作111に示すように、割付タイミングTがジョブa終了前であった場合は、ルールLIFOに基づいてジョブ候補b,cのうち後から登録されたジョブcが優先して選択される。また、動作112に示すように、割付タイミングTがジョブa終了後であった場合は、ルールFIFOに基づいてジョブ候補b,cのうち先に登録されたジョブbが優先して選択される。なお、ルールFIFO,LIFOなどの単一ルールについては、個別のフィルタから基本ルール処理部38を呼び出してフィルタリング処理される。
このように、IF_THENフィルタ31を用いることにより、所定の条件下では適用するルールを切り替えることができる。なお、単一ルールの代わりに複合ルールを切り替えるようにしてもよい。
【0023】
次に、Ωフィルタ32について説明する。図5はΩフィルタを示す説明図である。Ωフィルタ32は、所定ルールで用いるジョブ選択基準に基づき、複数のジョブを複数のクラスタに分割するとともに、いずれかのクラスタに属するすべてのジョブを選択するクラスタフィルタである。
例えば、比較的納期が迫っているジョブを選択したいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#2>に示すように、個々のジョブのうち納期余裕時間が最も短いジョブを選択するルールEDD(Earliest Due Date)をΩフィルタ32に従って適用すればよい。
【0024】
これにより、動作121に示すように、各ジョブa〜hがそれぞれの納期余裕時間順でこの場合は2つのクラスタに分割され、そのうち最も納期余裕時間の短いクラスタが選択される。
このように、Ωフィルタ32を用いることにより、従来のようにいずれか1つのジョブを選択する単一ルールと比較して、ジョブ選択条件に幅を持たせることができ、後述のようにこのΩフィルタ32を他のルールとさらに複合させることにより、多彩なルールを実現できる。
なお、ΩnEDDは、ルールEDDに基づきn個のクラスタに分割する複合ルールであるが、パラメータnの利用方法としては、クラスタ数に限定されるものではなく、例えば選択する最大ジョブ数としてnを用いてもよく、所望のクラスタを規定するためのしきい値としてnを用いてもよい。
【0025】
次に、ANDフィルタ33について説明する。図6はANDフィルタを示す説明図である。ANDフィルタ33は、2つのルールを階層的に適用する階層選択フィルタである。
例えば、納期を遵守しつつ、できるだけ在庫を少なくしたいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#3>に示すように、個々のジョブのうち納期余裕時間が最も短いジョブを選択するルールEDDをΩフィルタ32に従って適用する複合ルールと、ジョブの作業時間が最も短いジョブを選択するルールSPT(Shortest Processing Time)とを、ANDフィルタ33に従って適用すればよい。
【0026】
これにより、動作131に示すように、まずΩEDDで納期が迫っているジョブクラスタが選択され、その選択結果のうちから、動作132に示すように、ルールSPTで最も作業時間の短いジョブcが選択される。
このように、ANDフィルタ33を用いることにより、従来の単一ルールが持つ個々の特徴をうまく組み合わせることができ、より製造現場の要求に合致した効果的なルールを実現できる。
【0027】
次に、ORフィルタ34について説明する。図7はORフィルタを示す説明図である。ORフィルタ34は、2つのルールでそれぞれ選択したジョブのいずれか一方を作業員の指示に応じて選択する選択指示フィルタである。
例えば、できるだけ総生産時間を短くしたいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#4>に示すように、個々のジョブのうち余裕時間比が最も小さいジョブを選択するルールSDT(Smallest ratio obtained by Dividing the processing Time of the imminent operation by the total processing time)と、ジョブの余裕時間長が最も短いジョブを選択するルールSIO(Shortest Imminent Operation time)とを、ORフィルタ34に従って適用すればよい。
【0028】
これにより、動作141に示すように、ルールSDTで余裕時間比が最も小さいジョブcが選択され、また動作142に示すように、ルールSIOで最も作業時間の短いジョブaが選択される。そして、動作143に示すように、これら選択結果のうち、いずれかを選択するように画面表示部4へ表示出力され、これに応じていずれか一方のジョブが、作業員による操作入力部5からの選択指示に基づき選択される。
このように、ORフィルタ34を用いることにより、必要に応じて作業員の指示を反映させることができ、極めて柔軟なルールを実現できる。
【0029】
次に、∧フィルタ35について説明する。図8は∧フィルタを示す説明図である。∧フィルタ35は、2つのルールでそれぞれ選択したジョブに共通するジョブを選択する論理積フィルタである。
例えば、装置#1の稼働率を上げたいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#5>に示すように、個々のジョブのうち残作業時間が最も大きいジョブを選択するルールMRO(Most Remaining Operation)をΩフィルタ32に従って適用する複合ルールと、装置#1で行えるジョブを選択する”E1”ルール(発明者らにより作成したルール)とを、∧フィルタ35に従って適用すればよい。
【0030】
これにより、動作151に示すように、ルールΩ2MORで残作業時間が大きいジョブクラスタが選択され、また動作152に示すように、ルール”E1”で装置#1で行えるジョブが選択される。そして、動作153に示すように、これら選択結果のうち、両方の選択結果に共通するジョブa,dが選択される。
このように、∧フィルタ35を用いることにより、従来の単一ルールが持つ個々の特徴をうまく組み合わせることができ、より製造現場の要求に合致した効果的なルールを実現できる。
【0031】
次に、∨フィルタ36について説明する。図9は∨フィルタを示す説明図である。∨フィルタ36は、2つのルールでそれぞれ選択したすべてのジョブを選択する論理和フィルタである。
例えば、特急品または納期の迫っている製品を優先したいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#6>に示すように、個々のジョブのうち特急品に関するジョブを選択するルール”TPP”(Top Priority Product:発明者らにより作成したルール)をΩフィルタ32に従って適用する複合ルールと、納期余裕時間が最も短いジョブを選択するルールEDDをΩフィルタ32に従って適用する複合ルールとを、さらに∨フィルタ36に従って適用すればよい。
【0032】
これにより、動作161に示すように、ルールΩ”TPP”で特急品に関するジョブクラスタが選択され、また動作162に示すように、ルールΩEDDで納期余裕時間が少ないジョブクラスタが選択される。そして、動作163に示すように、これら選択結果に含まれるすべてのジョブa,b,c,d,fが選択される。
このように、∨フィルタ36を用いることにより、従来の単一ルールが持つ個々の特徴をうまく組み合わせることができ、より製造現場の要求に合致した効果的なルールを実現できる。
【0033】
次に、¬フィルタ37について説明する。図10は¬フィルタを示す説明図である。¬フィルタ36は、任意のルールが有する選択基準の逆論理でジョブを選択する逆論理フィルタである。
例えば、最も作業時間の長いジョブを選択したいという命題があったとする。このような場合は、<Rule#7>に示すように、個々のジョブのうち作業時間が最も短いジョブを選択するルールSPTを、¬フィルタ37に従って適用すればよい。
これにより、動作171に示すように、ルールSPTの選択基準の逆論理、すなわち作業時間が最も長いジョブが選択される。このように、¬フィルタ37を用いることにより、従来の単一ルールでは用意されていなかった新たなルールを容易に作成することができ、多彩なルールを実現できる。
【0034】
以上の説明では、作業工程について、ある程度の期間、例えば1週間分や1ヶ月分の期間をもって予めスケジューリング(オフライン・スケジューリング)を行う場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部2の状態管理部2C(図1参照)で、実際に稼働している作業工程の状況を逐次管理して、その稼働状況を示す工程情報を工程情報記憶部15へ格納したり、処理待ちジョブをジョブ記憶部13やジョブ候補記憶部13へ格納することにより、作業工程の稼働と平行したスケジューリング(オンライン・スケジューリング)を行うことも可能である。
【0035】
また以上では、工場などの生産現場における作業工程を管理するガントチャート情報に対するジョブの割り付けを例として説明したが、作業工程としてこのような物品・情報・ソフトウェアを生産する場合に限定されるものではなく、各種の産業分野や生産形態を管理するガントチャート情報、例えば、任意のサービスを提供する作業工程や任意のプロジェクトの進捗を管理するガントチャート情報に対するジョブの割り付けにも本発明を適用でき、前述と同様の作用効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、複合ルール記憶部に記憶されている複合ルールに基づき、その複合ルールで指定されているルールを論理演算に従って用いることにより、ジョブ記憶部に記憶されている各ジョブから割付候補となるジョブを選択する論理演算処理部を設け、この論理演算処理部で選択されたジョブをガントチャート情報へ割り付け、論理演算処理部については、個々の論理演算ごとに設けられ、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行う複数の論理フィルタからなるフィルタ処理部と、複合ルール記憶部から取り出した複合ルールで用いている論理演算を解析し、フィルタ処理部のうちその論理演算に対応する論理フィルタへ、複合ルールで指定されたルールを論理演算に従って用いるよう論理演算処理を指示するロジック解析部とを用いて構成するようにしたので、従来のように1つの単一ルールに基づき、処理待ち状態にある複数のジョブ候補を並び替えて選択する場合と比較して、極めて高度な複合ルールに基づき適切なスケジューリングを実現することができる。したがって、それぞれの作業工程の生産制約を遵守しながら、それぞれの作業工程に対して柔軟に対応でき、最適なジョブをガントチャート情報へ割り付けることができる。
【0037】
また、複合ルール記憶部に、ガントチャート情報で管理する作業工程種別に特有の複合ルールを記憶する特定アプリケーション用複合ルール記憶部と、各作業工程種別に共通の複合ルールを記憶する共通アプリケーション用複合ルール記憶部とを設け、作業工程種別に特有の複合ルールと各作業工程種別に共通の複合ルールを区別して記憶するようにしたので、どのようなアプリケーションにも使用できる共通ルールを、実際にスケジューリングを行う特定アプリケーションごとに入力し直す必要がなくなり、汎用性に富んだスケジューリング装置を容易に実現できる。また、ルールを分類できることから、ルール数が多くなった場合でも、その修正や管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態にかかるスケジューリング装置を示すブロック図である。
【図2】 論理演算処理部の詳細を示すブロック図である。
【図3】 ジョブ割付処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 IF_THENフィルタを示す説明図である。
【図5】 Ωフィルタを示す説明図である。
【図6】 ANDフィルタを示す説明図である。
【図7】 ORフィルタを示す説明図である。
【図8】 ∧フィルタを示す説明図である。
【図9】 ∨フィルタを示す説明図である。
【図10】 ¬フィルタを示す説明図である。
【図11】 ガントチャートを示す説明図である。
【符号の説明】
10…スケジューリング装置、1…記憶部、11…複合ルール記憶部、12…ジョブ記憶部、13…ジョブ候補記憶部、14…ガントチャート記憶部、15…工程情報記憶部、16…処理プログラム記憶部、17…記憶媒体、2…制御部、2A…論理演算処理部、21…ロジック解析部、22…フィルタ処理部、23…候補選定終了判定部、2B…ガントチャート割付部、2C…状態管理部、4…画面表示部、5…操作入力部、31…IF_THENフィルタ、32…Ωフィルタ、33ANDフィルタ、34…ORフィルタ、35…∧フィルタ、36…∨フィルタ、37…¬フィルタ、38…基本ルール処理部。

Claims (4)

  1. 所定のルールを用いて複数のジョブ候補から適切なジョブを選択し、時間軸上で作業工程を管理するガントチャート情報へ選択した前記ジョブを割り付けるスケジューリング装置において、
    ガントチャート情報へ割り付ける各ジョブを記憶するジョブ記憶部と、
    所定の論理演算で複合された複数の前記ルールからなる複合ルールを記憶する複合ルール記憶部と、
    この複合ルール記憶部に記憶されている複合ルールに基づき、その複合ルールで指定されている前記ルールを前記論理演算に従って用いることにより、前記ジョブ記憶部に記憶されている各ジョブから割付候補となるジョブを選択する論理演算処理部と、
    この論理演算処理部で選択されたジョブをガントチャート情報へ割り付けるガントチャート割付部とを備え
    前記論理演算処理部は、
    個々の論理演算ごとに設けられ、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行う複数の論理フィルタからなるフィルタ処理部と、
    前記複合ルール記憶部から取り出した複合ルールで用いている論理演算を解析し、前記フィルタ処理部のうちその論理演算に対応する論理フィルタへ、前記複合ルールで指定されたルールを論理演算に従って用いるよう論理演算処理を指示するロジック解析部とを有することを特徴とするスケジューリング装置。
  2. 請求項記載のスケジューリング装置において、
    前記フィルタ処理部は、
    指定されたルールで用いるジョブ選択基準に基づき、複数のジョブを複数のクラスタに分割するとともに、いずれかのクラスタに属するジョブを選択するクラスタフィルタを、前記論理フィルタの1つとして有することを特徴とするスケジューリング装置。
  3. 請求項1記載のスケジューリング装置において、
    前記複合ルール記憶部は、
    ガントチャート情報で管理する作業工程種別に特有の複合ルールを記憶する特定アプリケーション用複合ルール記憶部と、
    各作業工程種別に共通の複合ルールを記憶する共通アプリケーション用複合ルール記憶部とを有することを特徴とするスケジューリング装置。
  4. 所定のルールを用いて複数のジョブ候補から適切なジョブを選択し、時間軸上で作業工程を管理するためのガントチャート情報へ選択したジョブを割り付けるスケジューリング処理手順を実行するプログラムであって、
    所定の論理演算で複合された複数の前記ルールからなる複合ルールを記憶する複合ルール記憶部から複合ルールを取り込む第1のステップと、
    取り込んだ前記複合ルールで指定されている前記ルールを前記論理演算に従って用いることにより、ガントチャート情報へ割り付ける各ジョブから割付候補となるジョブを選択する第2のステップと、
    選択されたジョブをガントチャート情報へ割り付ける第3のステップとを実行し、
    前記第2の実行ステップでは、個々の論理演算ごとに設けられた論理フィルタで、指定されたルールをそれぞれの論理演算に従って用いることによりジョブ候補の絞り込みを行うステップと、前記複合ルール記憶部から取り出した複合ルールで用いている論理演算を解析し、前記フィルタ処理部のうちその論理演算に対応する論理フィルタへ、前記複合ルールで指定されたルールを論理演算に従って用いるよう論理演算処理を指示するステップとを実行するためのプログラム。
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