JP4144946B2 - バスケット型把持鉗子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内に挿入して結石などの異物を把持するバスケット型把持鉗子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば胆道や膀胱などの体腔内に発生した結石等の異物を把持するバスケット鉗子の一例として特公昭52−25672号公報や、実開平4−88918号公報に示されるように体内に挿入される細長い可撓性を備えた挿入部の先端部に複数の弾性線の線束を略螺旋形にねじって膨らませたバスケット部を設けたものが知られている。これらのバスケット鉗子ではバスケット部を構成する弾性線が単線のワイヤによって形成されている。そして、バスケット部を形成する弾性線はスリーブを介して挿入部の後方側に延出されている。
【0003】
また、特開平10−127648号公報や、特開平10−192296号公報には、バスケット部を形成する弾性線を撚り線ワイヤによって形成するとともに、各撚り線ワイヤを略螺旋形状に捻じってバスケット部を形成した構成のバスケット鉗子が示されている。
【0004】
さらに、実公昭60−25229号公報には、弾性の強さの違うワイヤを交互に配設して形成したバスケット部を開示している。この実公昭60−25229号公報では、バスケット形状が螺旋形であることや、ワイヤが撚り線であるか単線であるかは開示していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭52−25672号公報や、実開平4−88918号公報のような構成のバスケット鉗子では、バスケット部が単線で構成されているため、バスケット部後方にワイヤを延出した場合、内視鏡の鉗子起上台で起上させた際に著しく折れ曲がりやすい問題がある。さらに、バスケット部が硬く、異物がバスケット部内に入りにくい問題もある。
【0006】
また、特開平10−127648号公報や、特開平10−192296号公報のような構成のバスケット鉗子では、バスケット部を形成するワイヤが撚り線ワイヤであるため、バスケット開時の開く強さが弱く、狭い管腔でバスケットの開き巾を確保することが難しい問題がある。
【0007】
さらに、実公昭60−25229号公報ではバスケット部を形成するワイヤを、弾性の強いものと弱いものを交互に配設したものを開示しているが、バスケット部が螺旋形状に形成されていない為、バスケット部による異物の捕捉能力に問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、シースとの摩擦抵抗を少なくし、作動力量を軽減することができ、狭い管腔でもバスケット部を確実に開くことができ、かつ異物をバスケット部の内部に取り込みやすいバスケット型把持鉗子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、シース内に進退自在に挿通した操作ワイヤの先端に、複数の弾性ワイヤを間隔をおいて結束し、結束部間に複数の屈曲点を設けて拡開及び収縮自在に構成したバスケットを設け、このバスケットをシース先端から出し入れするようにしたバスケット型把持鉗子において、前記屈曲点のうち先端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該先端結束部とその隣接屈曲点との間のワイヤは、該先端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成され、かつ前記バスケットの前面側に配置され、該先端結束部の隣接屈曲点から立ち上がる前記弾性ワイヤの前面側の立ち上がり部分に前記バスケットの中心線に対して直角に近い角度の前面側立ち上がり部を設けたことを特徴とするバスケット型把持鉗子である。
請求項2の発明は、前記屈曲点のうち後端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該後端結束部と隣接屈曲点との間のワイヤは、該後端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成されることを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子である。
請求項3の発明は、上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに曲がり癖を付けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子である。
請求項4の発明は、上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに小さな副屈曲点を設けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。図1は本実施の形態のバスケット型把持鉗子1を示すものである。本実施の形態のバスケット型把持鉗子1には細長い可撓性シース2と、この可撓性シース2内に進退自在に挿通される操作ワイヤ3と、この操作ワイヤ3の先端に配設された異物把持用のバスケット部4とが設けられている。ここで、可撓性シース2は内視鏡の鉗子チャンネル25(図15(B)参照)内を挿通可能な樹脂製のシース等からなる。
【0011】
また、バスケット部4には、複数、例えば4本の弾性を有する弾性ワイヤ5が設けられている。これらの弾性ワイヤ5の前端部は先端チップ6、後端部は後端チップ7でそれぞれ結束されている。
【0012】
さらに、バスケット部4には、図1及び図2に示すように各弾性ワイヤ5の両端間の中途部を略螺旋形に捻じって外側に膨らませた状態で籠状(バスケット状)に弾性変形させた螺旋形状部(成形部)8が形成されている。
【0013】
また、各弾性ワイヤ5には、撚り線構造の2本の弾性ワイヤ5aと、単線構造の2本の弾性ワイヤ5bで構成されている。そして、バスケット部4には、撚り線構造の弾性ワイヤ5aと、単線構造の弾性ワイヤ5bとが交互に配置されている。さらに、各弾性ワイヤ5の外径寸法は例えば、撚り線構造の弾性ワイヤ5aが0.3mm以上、単線構造の弾性ワイヤ5bが0.1〜0.3mm程度にそれぞれ設定されている。
【0014】
また、バスケット部4の後端部は、後端チップ7によって結束されて操作ワイヤ3に接続されている。ここで、バスケット部4を形成した2本の撚り線ワイヤ5aのうち、少なくとも1本は後端チップ7より後方に延出され、手元側まで至っている。
【0015】
さらに、バスケット部4は操作ワイヤ3の操作にともない可撓性シース2内に出し入れ可能に収納されるようになっている。ここで、操作ワイヤ3を手元側に引張ることにより、バスケット部4が後方に移動され、可撓性シース2内に引き込まれるようになっている。このとき、螺旋状にねじられた各弾性ワイヤ5が円滑に可撓性シース2内に収納され、これと共にバスケット部4の膨らんだ形状が小さくなる状態で、可撓性シース2内に収納されるようになっている。
【0016】
また、操作ワイヤ3を先端側に押出し操作することにより、バスケット部4が可撓性シース2の先端から外部側に突出されるようになっている。このように可撓性シース2の先端からバスケット部4が外部側に突出された状態では、各弾性ワイヤ5の螺旋形状部8のばね力によってバスケット部4は外側に膨らませた元のバスケット形状に弾性変形して復帰し、このバスケット形状を弾性的に保持するようになっている。つまり、操作ワイヤ3を介してバスケット部4を可撓性シース2内に出し入れする操作にともないバスケット部4の各弾性ワイヤ5を操作ワイヤ3の軸心方向へ螺旋状に伸縮自在にし、バスケット部4を操作ワイヤ3の軸心方向へ開閉自在にしている。
【0017】
また、可撓性シース2の基端部には図示しない送液用の口金が設けられている。そして、この口金から可撓性シース2の内部に送液できるようになっている。さらに、この口金の基端部には、図示しない操作部が設けられている。そして、この操作部の操作により可撓性シース2内の操作ワイヤ3を進退し、その先端のバスケット部4を可撓性シース2内に出し入れ操作することにより、バスケット部4をバスケット形状に膨らませて結石等の異物を収納したり、或いは膨らませたバスケット形状を小さくすることにより、異物をバスケット部4内で把持したりする把持鉗子の機能を持たせるようになっている。
【0018】
次に、上記構成の本実施の形態のバスケット型把持鉗子1の作用を、例えば胆管結石を回収する場合について説明する。この場合には、本実施の形態のバスケット型把持鉗子1は予めバスケット部4を可撓性シース2に収納した状態にセットされる。この状態で、例えば側視型の鉗子起上台付きの内視鏡のチャンネル25を介して本実施の形態のバスケット型把持鉗子1が体腔内に導入される。そして、その内視鏡のチャンネル25の先端開口部からバスケット型把持鉗子1の挿入部の先端部が内視鏡のチャンネル25の外部に突き出されて、例えば、十二指腸乳頭から胆管内へ挿入される。
【0019】
続いて、バスケット型把持鉗子1の操作部を操作して操作ワイヤ3を前進させ、バスケット部4を可撓性シース2から突出させる。このとき、各弾性ワイヤ5の螺旋形状部8のばね力によってこのバスケット部4が外側に膨らませた元のバスケット形状に弾性変形して復帰し、このバスケット形状が弾性的に保持される。
【0020】
その後、このように拡開したバスケット部4内に結石を取り込む。このとき、結石はバスケット部4の各弾性ワイヤ5の間の部分からバスケット部4内に取り込まれる。この状態で、操作部の操作によって操作ワイヤ3を牽引して、バスケット部4の後端部側を可撓性シース2内に引き込むことにより、バスケット部4を縮小させる。これにより、バスケット部4内の結石を確実に保持し、しかる後、内視鏡と共にバスケット型把持鉗子1を体腔内から引き抜き、結石を回収する。
【0021】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子1によれば、螺旋形状部8を有する弾性ワイヤ5を、撚り線構造のワイヤ5aと単線構造のワイヤ5bとを混在させ、交互に配してバスケット部4を形成したので、単線ワイヤ5bの拡開力で狭い管腔でもバスケット部4を確実に開くことができ、かつ撚り線ワイヤ5aの箇所から結石を取り込みやすい。
【0022】
また、バスケット部4の後端部は、後端チップ7によって結束されて操作ワイヤ3に接続されるとともに、バスケット部4を形成した2本の撚り線ワイヤ5aのうち、少なくとも1本は後端チップ7より後方に延出され、手元まで導くようにしたので、後端チップ7がバスケット部4の後端部から外れてもバスケット部4が脱落することがない。
【0023】
また、4本の弾性ワイヤ5のうち、撚り線構造の弾性ワイヤ5aを後端チップ7より後方に延出しているので、内視鏡の鉗子起上台の起上操作にも変形を受けることがない。
【0024】
このように、バスケット部4に撚り線構造の弾性ワイヤ5aと単線構造の弾性ワイヤ5bとを混在させることにより、バスケット部4は、単線ワイヤ5bの形状保持性と、撚り線ワイヤ5aの異物の取り込み易さとを備えることができる。
【0025】
また、図3乃至図5は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1および図2参照)のバスケット型把持鉗子1の構成を次の通り変更したものである。
【0026】
すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子1のバスケット部4には図3および図4に示すように6本の弾性ワイヤ5が設けられている。これらの弾性ワイヤ5は、3本の撚り線構造のワイヤ5aと3本の単線構造のワイヤ5bとから構成されている。そして、バスケット部4はこれらの3本の撚り線構造のワイヤ5aと3本の単線構造のワイヤ5bとが交互に配設されて形成されている。
【0027】
また、図3に示すようにバスケット部4を形成する3本の撚り線構造の弾性ワイヤ5aは、後端チップ7より後方位置に配置された最後端チップ9まで延出され、この最後端チップ9で操作ワイヤ3に固定されている。
【0028】
さらに、図5に示すように操作ワイヤ3は、例えば撚り線構造で、その中心に配置された芯線ワイヤ3aが最後端チップ8よりその前方の後端チップ7まで延出されている。そして、この後端チップ7で、操作ワイヤ3の芯線ワイヤ3aの先端部と3本の撚り線構造の弾性ワイヤ5a及び3本の単線構造のワイヤ5bの後端部とが固着されている。なお、それ以外の部分は第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子1と略同じである。
【0029】
また、本実施の形態のバスケット型把持鉗子1による結石等を把持する作用は第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子1とほぼ同様であり、ここではその説明を省略する。
【0030】
そこで、本実施の形態によれば、第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態では特に、操作ワイヤ3の芯線3aを露出させ、露出した芯線3aの両端で弾性ワイヤ5と接続したので、後端チップ7又は最後端チップ9の一方が外れてもバスケット部4が脱落することがない。
【0031】
また、図6は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第2の実施の形態(図3乃至図5参照)のバスケット型把持鉗子1におけるバスケット部4の構成を次の通り変更したものである。
【0032】
すなわち、本実施の形態ではバスケット部4を構成する6本の弾性ワイヤ5を2本の撚り線構造のワイヤ5aと、4本の単線構造のワイヤ5bとで形成したものである。ここで、2本の撚り線構造のワイヤ5aは対向して配設されている。そして、2本の撚り線構造のワイヤ5aの少なくとも1本は後端チップ7の後方に延出されている。
【0033】
そこで、本実施の形態によれば、第1、第2の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。また、本実施の形態では特に、バスケット部4を構成する弾性ワイヤ5には、単線構造のワイヤ5bが多いので、バスケット部4の拡開力をより確実に維持できる効果がある。
【0034】
また、図7(A),(B)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態(図6参照)のバスケット型把持鉗子1におけるバスケット部4の構成を次の通り変更したものである。
【0035】
すなわち、本実施の形態ではバスケット部4を構成する6本の弾性ワイヤ5を2本の撚り線構造のワイヤ5aと、4本の単線構造のワイヤ5bとで形成し、かつ4本の単線構造のワイヤ5bを太さの異なる2種のワイヤ5b1、5b2から形成したものである。ここで、一方の単線ワイヤ5b2の外径寸法は他方の単線ワイヤ5b1の外径寸法より細い。
【0036】
さらに、2本の撚り線構造のワイヤ5a、2本の太い単線ワイヤ5b1、2本の細い単線ワイヤ5b2は同じ種類のワイヤ同士がそれぞれ対向して配設されている。そして、2本の撚り線構造のワイヤ5aの少なくとも1本は後端チップ7の後方に延出されている。
【0037】
そこで、上記構成の本実施の形態によれば、第1、第2、第3の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態の構成によれば、特に、4本の単線構造のワイヤ5bを太さを変え、2本の太い単線ワイヤ5b1と、2本の細い単線ワイヤ5b2とから形成したことにより、弾性ワイヤ5の結束部、例えば後端チップ7で、ワイヤ5の配列の隙間に他のワイヤ5を挿入できるので、バスケット部4を構成する弾性ワイヤ5の数を増やすことができる。それによって、小さい結石も確実に捕捉することができる。
【0038】
また、図8乃至図10は本発明の第5の実施の形態のバスケット型把持鉗子11を示すものである。本実施の形態のバスケット型把持鉗子11は第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子1のバスケット部4の構成を次の通り変更したものである。
【0039】
すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11のバスケット部12には複数の撚り線構造の弾性ワイヤ13が設けられている。これらの弾性ワイヤ13の先端部は先端チップ14、後端部は後端チップ15でそれぞれ結束されている。
【0040】
さらに、各弾性ワイヤ13上には先端チップ14と後端チップ15との間に複数の屈曲点16が設けられている。ここで、先端チップ14に一番近い最先端屈曲点16aは内向きに略山形に屈曲された状態で形成されいる。そして、図9に示すように先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間の弾性ワイヤ屈曲部13aは、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間を結ぶ基準直線O1の内側に湾曲される状態に曲がり癖がつけられている。
【0041】
また、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11による結石等を把持する作用は第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子1とほぼ同様であり、ここではその説明を省略する。
【0042】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間の弾性ワイヤ屈曲部13aに、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間を結ぶ基準直線O1の内側に湾曲される状態に曲がり癖をつけたので、図10に示すように、バスケット部12を本実施の形態のバスケット型把持鉗子11のシース2内に収納した際に、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間の弾性ワイヤ屈曲部13aの部分が膨らむことなく、バスケット部12全体の外径寸法を小さく弾性変形させて円滑にシース2内に引き込むことができる。そのため、シース2内に収納されているバスケット部12をシース2から突き出す際の摩擦抵抗を小さくできる。
【0043】
また、図11に示す本発明の第5の実施の形態(図8乃至図10参照)の変形例のように、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間の弾性ワイヤ屈曲部13aに他の屈曲点16より小さな副屈曲点17を設けることにより、先端チップ14の後端部と最先端屈曲点16aとの間を結ぶ基準直線O1の内側に配置される構成にしてもよい。
【0044】
また、図12は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図8乃至図10参照)のバスケット型把持鉗子11のバスケット部12の構成を次の通り変更したものである。
【0045】
すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11のバスケット部12では後端チップ15に一番近い最後端屈曲点16bが内向きに略山形に屈曲された状態で形成されいる。そして、後端チップ15の前端部と最後端屈曲点16bとの間の弾性ワイヤ屈曲部13bは、後端チップ15の前端部と最後端屈曲点16bとの間を結ぶ基準直線の内側に湾曲される状態に曲がり癖がつけられている。
【0046】
そこで、上記構成のものにあってはバスケット部12を本実施の形態のバスケット型把持鉗子11のシース2内に収納した際に、後端チップ15の前端部と最後端屈曲点16bとの間の弾性ワイヤ屈曲部13bの部分が膨らむことなく、バスケット部12全体の外径寸法を小さく弾性変形させて円滑にシース2内に引き込むことができる。そのため、第5の実施の形態と同様にシース2内に収納されているバスケット部12をシース2から突き出す際の摩擦抵抗を小さくできる効果がある。
【0047】
また、図13乃至図15(A),(B)は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図8乃至図10参照)のバスケット型把持鉗子11のバスケット部12の構成を次の通り変更したものである。
【0048】
すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11のバスケット部12は、複数の撚り線構造の弾性ワイヤ13によってかご状に構成されている。さらに、このかご状のバスケット部12の各弾性ワイヤ13の先端部を結束する先端チップ14と、後端部を結束する後端チップ15との間の弾性ワイヤ13上には複数の屈曲点16a〜16dが設けられている。
【0049】
また、本実施の形態では中心軸に対して角度をなして実質上、かごを形成している各屈曲点16a〜16d間の弾性ワイヤ屈曲部13a〜13dの長さの総和よりも、先端チップ14と後端チップ15との間の弾性ワイヤ13の長さが長くなるように設定されている。そして、最後端屈曲点16dと後端チップ15との間に寸法吸収部18が設けられている。
【0050】
なお、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11による結石等を把持する際の作用は第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子1とほぼ同様であり、ここではその説明を省略する。
【0051】
また、図15(A)は本実施の形態のバスケット型把持鉗子11全体の概略構成、図15(B)は本実施の形態のバスケット型把持鉗子11の使用状態をそれぞれ示すものである。なお、図15(B)中で、参照符号21は内視鏡である。この内視鏡21には患者の体腔内に挿入される軟性の細長い挿入部22と、この挿入部22の基端部に連結された手元側の操作部23とが設けられている。さらに、操作部23には鉗子挿入口24が形成されている。この鉗子挿入口24は内視鏡21の挿入部22内に形成された鉗子チャンネル25の基端部に連結されている。
【0052】
また、鉗子チャンネル25の先端部は挿入部22の先端部側に延出され、この挿入部22の先端部に形成されたチャンネル口25aに連通されている。そして、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11は図15(B)に示すように可撓性シース2が内視鏡21の鉗子挿入口24から鉗子チャンネル25内に挿入され、この可撓性シース2の先端部がチャンネル口25aから内視鏡21の外部に突出されるようになっている。
【0053】
また、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11の可撓性シース2には図15(A)に示すようにこの可撓性シース2の先端部が内視鏡21のチャンネル口25aから外部に突出する位置を示す指標19が設けられている。この指標19は内視鏡21の鉗子挿入口24から鉗子チャンネル25内にバスケット型把持鉗子11の可撓性シース2が挿入された際にこの可撓性シース2の先端が内視鏡21の先端のチャンネル口25aから突出する状態、又は突出する直前の状態の時に内視鏡21の鉗子挿入口24の位置に相当するシース2の外周面上に配置されている。さらに、この指標19は例えば、塗料(蛍光発色するものを含む)の塗布、或いは着色したチューブの被覆などの手段で設けられている。
【0054】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11では、バスケット部12の弾性ワイヤ13の各屈曲点16a〜16d間の弾性ワイヤ屈曲部13a〜13dでの寸法のばらつきの積算を、寸法吸収部18で調整できるので、バスケット部12の形状を安定して形成できる。そのため、弾性ワイヤ13のいずれかの屈曲点16a〜16dが極端に尖ったりすることを防止することができるので、バスケット部12の作動に悪影響を及ぼすことがない。
【0055】
また、本実施の形態のバスケット型把持鉗子11の可撓性シース2の外周面上にはこの可撓性シース2の先端部が内視鏡21のチャンネル口25aから外部に突出する位置を示す指標19が設けられているので、内視鏡21の鉗子挿入口24から鉗子チャンネル25内にバスケット型把持鉗子11の可撓性シース2を挿入した際に内視鏡21の鉗子挿入口24の位置に可撓性シース2には指標19が達した状態を目視することにより、この可撓性シース2の先端が内視鏡21の先端のチャンネル口25aから突出した状態、又は突出する直前の状態となっていることが確認できる。そのため、内視鏡21の鉗子挿入口24から鉗子チャンネル25内にバスケット型把持鉗子11の可撓性シース2を挿入した際に、バスケット型把持鉗子11の先端が内視鏡21の先端のチャンネル口25aから急激に突き出されることを予防することができる。
【0056】
なお、指標19は、バスケット型把持鉗子11に限らず、例えば造影チューブ、パピロトミーナイフ、バルーンカテーテル、ドレナージチューブ挿入補助具などにも適用できる。
【0057】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 可撓性シースと、この可撓性シースに進退自在に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤの先端に設けられ、複数の弾性ワイヤから構成されたバスケット部とを具備するバスケット型把持鉗子において、前記バスケット部を構成する弾性ワイヤは、単線ワイヤと撚り線ワイヤが混在し、前記バスケット部は、前記弾性ワイヤをらせん形にねじって膨らませた形状を有していることを特徴とするバスケット型把持鉗子。
【0058】
(付記項2) 上記バスケット部を構成する撚り線ワイヤは、上記バスケット部の後方に延出することを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
(付記項3) 上記バスケット部を構成する弾性ワイヤは、上記単線ワイヤと撚り線ワイヤが交互に配されていることを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
【0059】
(付記項4) 上記バスケット部は1種類の単線ワイヤと1種類の撚り線ワイヤで構成されることを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
(付記項5) 上記バスケット部を構成する上記単線ワイヤと撚り線ワイヤは太さが異なることを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
【0060】
(付記項6) 上記撚り線ワイヤは、上記単線ワイヤより太さが太いことを特徴とする付記項5記載のバスケット型把持鉗子。
(付記項7) 上記撚り線ワイヤは、外径0.3mm以上で、上記単線ワイヤは外径0.1〜0.3mmであることを特徴とする付記項5記載のバスケット型把持鉗子。
【0061】
(付記項8) 上記バスケット部は、単線ワイヤの本数が撚り線ワイヤより多いことを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
(付記項9) 上記バスケット部の単線ワイヤは、2種以上の太さのワイヤであることを特徴とする付記項1記載のバスケット型把持鉗子。
【0062】
(付記項10) シース内に進退自在に挿通した操作ワイヤの先端に、複数の弾性ワイヤを間隔をおいて結束し結束部間に複数の屈曲点を設けて拡開及び収縮自在に構成したバスケットを設け、このバスケットをシース先端から出し入れするようにしたバスケット型把持鉗子において、
前記屈曲点のうち先端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該先端結束部とその隣接屈曲点との間のワイヤは、該先端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成されることを特徴とするバスケット型把持鉗子。
【0063】
(付記項11) 前記屈曲点のうち後端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該後端結束部と隣接屈曲点との間のワイヤは、該後端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成されることを特徴とする付記項10記載のバスケット型把持鉗子。
【0064】
(付記項12) 上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに曲がり癖を付けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする付記項10記載のバスケット型把持鉗子。
【0065】
(付記項13) 上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに小さな副屈曲点を設けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする付記項10記載のバスケット型把持鉗子。
【0066】
(付記項14) シース内に進退自在に挿通した操作ワイヤの先端に、複数の弾性ワイヤを間隔をおいて結束し結束部間に複数の屈曲点を設けて拡開及び収縮自在に構成したバスケットを設け、このバスケットをシース先端から出し入れするようにしたバスケット型把持鉗子において、
前記結束部間の長さを、前記バスケットを実質的に形成する屈曲点間のワイヤ部の長さの総和より長くし、最後端屈曲点と後端結束部の間に、前記屈曲点間のワイヤ部の寸法のばらつきを吸収する調整区間を設けたことを特徴とするバスケット型把持鉗子。
【0067】
(付記項1の従来技術) 本発明は、体腔内に挿入して結石などの異物を把持するバスケット型把持鉗子に関する。胆道や膀胱などの体腔内に発生した結石等の異物を把持するバスケット鉗子は一例として特公昭52−25672号公報や実開平4−88918号公報に示されるような複数の弾性線の線束をらせん形にねじって膨らませたものが知られている。これらのバスケット鉗子のバスケット部は、これを構成する弾性線が単線のワイヤから成っている。
【0068】
そして、バスケット部を形成する弾性線はスリーブを介して後方側に延出されている。
また、特開平10−127648号公報や特開平10−192296号公報には、バスケット部を形成する弾性線を撚り線ワイヤにしたらせん形状のバスケット鉗子が示されている。
【0069】
さらに、実公昭60−25229号公報には、弾性の強さの違うワイヤを交互に配設して形成したバスケット部を開示している。この実公昭60−25229号公報では、バスケット形状がらせん形であることやワイヤが撚り線であるか単線であるかは開示していない。
【0070】
(付記項1が解決しようとする課題) しかしながら、特公昭52−25672号公報や実開平4−88918号公報のようなバスケット鉗子では、バスケット部が単線で構成されているため、バスケット部後方にワイヤを延出した場合、内視鏡の鉗子起上台で起上させると著しく折れ曲がりやすいという欠点があった。さらに、バスケット部が硬く、異物がバスケット部内に入りにくかった。
【0071】
また、特開平10−127648号公報や特開平10−192296号公報のようなバスケット鉗子は、バスケット部を形成するワイヤが撚り線ワイヤであるため、バスケット開時の開く強さが弱く、狭い管腔でバスケットの開き巾を確保するのが難しかった。
【0072】
一方、実公昭60−25229号公報はバスケット部を形成するワイヤを、弾性の強いものと弱いものを交互に配設したものを開示しているが、らせん形状に形成されていない為、バスケットの捕捉能力に問題があった。
【0073】
(付記項1の目的) 本発明は前述した課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、バスケット部を形成するワイヤをバスケット部後方に延出しても、鉗子起上台で折れ曲がることがなく、狭い管腔でも確実に開くことができ、異物を取り込みやすい、らせん形状のバスケット部を有するバスケット型把持鉗子を提供することにある。
【0074】
(付記項1の課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明のバスケット型把持鉗子は、可撓性シースに進退自在に挿通された操作ワイヤの先端に単線ワイヤと撚り線ワイヤを混在して結束し、それらをらせん形に膨らませてバスケット部を形成するようにし、撚り線ワイヤをバスケット部の後方に延出するようにした。そして、鉗子起上台で折れ曲がることがなく、狭い管腔でも確実に開くことができ、異物を取り込みやすいようにした。
【0075】
(付記項1の効果) 本発明によれば、可撓性シースと、この可撓性シースに進退自在に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤの先端に設けられ、複数の弾性ワイヤをらせん形にねじって膨らませた形状を有するバスケット部とを具備するバスケット型把持鉗子において、前記弾性ワイヤは、単線ワイヤと撚り線ワイヤが混在し、前記撚り線ワイヤを前記バスケット部の後方に延出しているので、鉗子起上台で折れ曲がることがなく、狭い管腔でも確実に開くことができ、異物を取り込みやすい。
【0076】
(付記項1、3、4の目的) 狭い管腔でも確実に開き、かつ、結石を取り込みやすいバスケット型把持鉗子を提供する。
(付記項1、3、4の効果) 上記目的を達成する。
【0077】
(付記項2の目的) 鉗子起上台の起上により変形を受けることなく、バスケットの脱落を防止する。
(付記項2の効果) 上記目的を達成する。
【0078】
(付記項5〜7の目的) バスケットが硬くなりすぎないようにする。
(付記項5〜7の効果) 上記目的を達成する。
(付記項8の目的) バスケットの形状維持、開き力の確保をより確実にする。
【0079】
(付記項8の効果) 上記目的を達成する。
(付記項9の目的) 全体の径を大きくせずにバスケットのワイヤの本数を増やす。
【0080】
(付記項9の効果) 上記目的を達成する。
(付記項10〜13の目的) シースとの摩擦抵抗を少なくし、作動力量を軽減する。
【0081】
(付記項10〜13の効果) 上記目的を達成する。
(付記項14の目的) 屈曲点間の寸法のばらつきによる、バスケット形状の異形化を防止する。
(付記項14の効果) 調整区間で屈曲点間の寸法のばらつきを吸収でき、バスケット形状を安定して形成できる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、シースとの摩擦抵抗を少なくし、作動力量を軽減することができ、狭い管腔でもバスケット部を確実に開くことができ、かつ異物をバスケット部の内部に取り込みやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子における先端部の概略構成を示す縦断面図。
【図2】 第1の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部を示す正面図。
【図3】 本発明の第2の実施の形態のバスケット型把持鉗子における先端部の概略構成を示す縦断面図。
【図4】 第2の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部を示す正面図。
【図5】 第2の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部の後端部構造を示す縦断面図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部を示す正面図。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、(A)はバスケット型把持鉗子におけるバスケット部を示す正面図、(B)はバスケット型把持鉗子におけるバスケット部の後端部構造を示す横断面図。
【図8】 本発明の第5の実施の形態のバスケット型把持鉗子における先端部の概略構成を示す側面図。
【図9】 第5の実施の形態のバスケット型把持鉗子のバスケット部を示す要部の側面図。
【図10】 第5の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部をシース内に収納した状態を示す要部の縦断面図。
【図11】 第5の実施の形態のバスケット型把持鉗子のバスケット部の変形例を示す要部の側面図。
【図12】 本発明の第6の実施の形態のバスケット型把持鉗子における先端部の概略構成を示す側面図。
【図13】 本発明の第7の実施の形態のバスケット型把持鉗子における先端部の概略構成を示す側面図。
【図14】 第7の実施の形態のバスケット型把持鉗子におけるバスケット部の寸法吸収部によるバスケット部の形状調整状態を示す側面図。
【図15】 (A)は第7の実施の形態のバスケット型把持鉗子全体の斜視図、(B)は第7の実施の形態のバスケット型把持鉗子の使用状態を示す概略構成図。
【符号の説明】
2 可撓性シース
3 操作ワイヤ
4 バスケット部
5 弾性ワイヤ
5a 撚り線ワイヤ
5b 単線ワイヤ
8 螺旋形状部(成形部)

Claims (4)

  1. シース内に進退自在に挿通した操作ワイヤの先端に、複数の弾性ワイヤを間隔をおいて結束し、結束部間に複数の屈曲点を設けて拡開及び収縮自在に構成したバスケットを設け、このバスケットをシース先端から出し入れするようにしたバスケット型把持鉗子において、
    前記屈曲点のうち先端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該先端結束部とその隣接屈曲点との間のワイヤは、該先端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成され、
    かつ前記バスケットの前面側に配置され、該先端結束部の隣接屈曲点から立ち上がる前記弾性ワイヤの前面側の立ち上がり部分に前記バスケットの中心線に対して直角に近い角度の前面側立ち上がり部を設けたことを特徴とするバスケット型把持鉗子。
  2. 前記屈曲点のうち後端結束部に隣接する屈曲点は内側向きに設けられ、該後端結束部と隣接屈曲点との間のワイヤは、該後端結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らんで形成されることを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子。
  3. 上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに曲がり癖を付けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子。
  4. 上記結束部と隣接屈曲点との間のワイヤに小さな副屈曲点を設けることにより、該ワイヤを、結束部と隣接屈曲点とを結ぶ直線の内側に膨らませて形成することを特徴とする請求項1に記載のバスケット型把持鉗子。
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