JP4144978B2 - 1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料に用いられる写真用有用性化合物や、医薬品あるいは農薬などの合成中間体として有用な化合物である1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法は種々の方法が知られており、Advances in Heterocyclic Chemistry 5, 119(1965),Advances in Heterocyclic Chemistry 32, 285(1982)等の総説あるいはそこに引用された文献等に記載がある。しかしながら、1,2,4−ジアジアゾール誘導体の合成においては、N−S結合を形成するために酸化的な条件を用いるのが一般的であり、置換基として酸化条件下で酸化されてしまうような置換基を有する1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成においては、その酸化されやすい置換基を1,2,4−チアジアゾール化合物に後から導入するか、あるいは酸化されやすい置換基を一旦保護してから、1,2,4−チアジアゾール環を形成し、その後、脱保護するというルートがとられていた。例えば、3位がヒドラジノ基である1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成は、Chem. Ber., 95 1983(1962), Chem. Ber., 97,225(1964) に記載されているように、3位がクロルの1,2,4−チアジアゾール誘導体にヒドラジンを反応させて合成しているが、この3位がクロルの1,2,4−チアジアゾール誘導体は、ClSCCl3 という試薬を用いて合成しており、その臭気に問題があるとともに、工程が長いという問題があった。また3位がヒドラジノ基である1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成の別法として、Indian. J.Chem., Sect. B, 20,825(1981)に記載されているようにヒドラジノ基がケトンとの縮合により保護された形態、すなわちヒドラゾン基が3位に結合した化合物を合成し、これを加水分解によりヒドラジノ基に変換する方法もあるが、これも、保護、脱保護の工程があることにより、全体の合成工程が長くなるという問題があった。
従って、臭気等の問題のない入手の容易な原料から短工程、かつ高収率で1,2,4−チアジアゾール誘導体を合成できる合成法、特にアニリン類、ヒドラジン類、セミカルバジド類など酸化されやすい置換基を有する場合でも、短工程、かつ高収率で1,2,4−チアジアゾール誘導体を合成できる合成法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
臭気等の問題がなく、入手容易な原料から、短工程にて簡便な操作で、高収率で1,2,4−チアジアゾール誘導体を合成する合成法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく鋭意検討を行い、以下のような合成法にて、1,2,4−チアジアゾール誘導体が収率良く得られることを見い出し、本発明に至った。すなわち、
(1) 一般式(I)で表わされる化合物と、一般式IIで表わされる求核剤とを反応させることを特徴とする一般式(III)で表わされる1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
【0005】
【化5】
【0006】
式中、Xはアルキルスルホニルオキシ基、またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。R1 はアリール基を表わす。
【0007】
【化6】
【0008】
式中、L1 は、-O- 、-N(R2)-、-C(R3)(R4)-または-S- を表わす。R2 は水素原子、またはアルキル基を表わす。R3、R4 はそれぞれ ハメットの置換基定数σ p 値が0より大きい電子吸引性の置換基を表わす。L2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはカルバモイル基を表わす。
【0009】
【化7】
【0010】
式中、R1 はアリール基を表わし、L1は-O- 、-N(R2)-、-C(R3)(R4)-または-S- を表わす。R2 は水素原子、またはアルキル基を表わす。R3、R4 はそれぞれハメットの置換基定数σ p 値が0より大きい電子吸引性の置換基を表わす。L2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはカルバモイル基を表わす。
(2) 一般式(II) および一般式(III)において、L1 が-N(R2)-(R2 は水素原子を表わす)であることを特徴とする(1)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
(3) 一般式(II) で表わされる求核剤が、置換あるいは無置換のヒドラジン誘導体であることを特徴とする(1)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
(4) 式(II) で表わされる求核剤が置換あるいは無置換のセミカルバジド誘導体であることを特徴とする(1)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
(5) 一般式(IV) で表わされるN−置換イミドイルハライドと、チオシアン酸塩とを反応させて生成する一般式(I)で表わされる化合物を用いることを特徴とする(1)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
【0011】
【化8】
【0012】
式中Yはハロゲン原子を表わし、Xはアルキルスルホニルオキシ基、またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。R1 は、アリール基を表わす。
(6) 一般式(IV) においてYが塩素原子であることを特徴とする(5)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
(7) 塩基として含窒素6員環芳香族ヘテロ環類の存在下で一般式(IV) で表わされる化合物とチオシアン酸塩の反応を行うことを特徴とする(5)に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。によって上記課題が達成された。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明について詳細に説明する。
本発明は以下の反応スキームに示すように一般式(I)で表わされる化合物と一般式(II) で表わされる求核剤との反応で、一般式(III)で表わされる1,2,4−チアジアゾール誘導体を合成するものである。
【0014】
【化9】
【0015】
好ましくは、一般式(I)で表わされる化合物は、一般式(IV) で表わされる化合物と、チオシアン酸塩との反応によって合成され、好ましくは一般式(I)で表わされる化合物は単離されることなく、一貫で一般式(II) で表わされる求核剤と反応させることにより、一般式(III)で表わされる1,2,4−チアジアゾール誘導体が合成される。すなわち次のスキームのように2工程を一貫法により反応させることが好ましい。
【0016】
【化10】
【0017】
次に本発明で使用される一般式(I)、一般式(II) 、一般式(III)、および一般式(IV) で表わされる化合物について詳しく述べる。一般式(I)、一般式(III)、および一般式(IV) において、R1 は炭素数6〜50の単環もしくは縮合環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントリル等)を表わす。
R1 は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、炭素数1〜50の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル、メチル、エチル、プロピル、ヘプタフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、炭素数2〜50の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルケニル基(例えば、ビニル、t−メチルビニル、シクロヘキセン−1−イル等)、総炭素数2〜50のアルケニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル等)、炭素数6〜50のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等)、炭素数1〜50のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、
【0018】
炭素数1〜50のカルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ等)、炭素数1〜50のカルボンアミド基(例えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド等)、炭素数1〜50のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、炭素数1〜50のカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカルバモイル等)炭素数0〜50のスルファモイル基(例えば、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−(4−メトキシフェニル)スルファモイル等)、炭素数1〜50のアルコキシ基(例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ等)、炭素数6〜50のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等)、
【0019】
炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数1〜50のN−アシルスルファモイル基(例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜50のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクチルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘキシルデシルスルホニル等)、炭素数6〜50のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルスルホニル等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニルアミノ等)、炭素数0〜50のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、アニリノ、モルホリノ等)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカプト基、炭素数1〜50のアルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等)、炭素数6〜50のアリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル、4−クロロフェニルスルフィニル、p−トルエンスルフィニル等)、炭素数1〜50のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、炭素数6〜50のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、炭素数1〜50のウレイド基(例えば、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウレイド等)、炭素数2〜50のヘテロ環基(ヘテロ原子としては例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環で、例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノリル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル等)、炭素数1〜50のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル等)、炭素数0〜50のスルファモイルアミノ基(例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファモイルアミノ等)、炭素数3〜50のシリル基(例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、トリフェニルシリル等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げられる。これらの置換基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。
上記の置換基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、ここで挙げた置換基が挙げられる。
【0020】
一般式(I)および一般式(IV) において、Xは、炭素数1〜50のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ、ベンジルスルホニルオキシ等)、炭素数6〜50のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等)を表わす。最も好ましくはアルキルスルホニルオキシ基である。
【0021】
一般式(II)および一般式(III)において、L1 は -O-、-N(R2)-、-C(R3)(R4)-、または -S-を表わす。R2 は水素原子、またはアルキル基を表わす。R3 、R4 はともにハメットの置換基定数σp 値が0より大きい電子吸引性の置換基である。
【0022】
なお、ハメットの置換基定数σp については、例えば稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲矢忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル・レビュー(91巻),165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
【0023】
好ましくは、L1 は -O-、-N(R2)-、-S- であり、より好ましくは、-N(R2)-である。
【0024】
一般式(II) および一般式(III)においてL2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはカルバモイル基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、アミノ基である。L2 は置換基を有していてもよく、置換基の例としては前記R1 が有していてもよい置換基として挙げたものが挙げられる。
【0025】
好ましくは、一般式(II) で表わされる求核剤は置換あるいは無置換のヒドラジン誘導体であり、より好ましくは置換または無置換のセミカルバジド誘導体である。
本発明で用いられる一般式(II)で表わされる求核剤は、H−L1 −L2 の形で反応させてもよいし、解離させて、 -L1-L2 の形で反応させてもよい。また種々の酸との塩の形で使用してもよい。
【0026】
一般式(IV) においてYはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表わす。好ましくはYは塩素原子または臭素原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
一般式(I)および一般式(IV) において、XはR1 に対して cisの位置でもtrans の位置でもよいが、XがR1 に対して cisであることが好ましい。
次に本発明の合成法によって得られる一般式(III)で表わされる化合物について具体例を挙げるが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0031】
一般式(I)で表わされる化合物は、前述の一般式(IV) で表わされる化合物と、チオシアン酸塩との反応により合成する合成法の他に、J. Organomet. Chem., 281, 135(1985) に記載されているようにニトリルオキシド誘導体とイソチオシアナトシラン誘導体との反応により合成する方法等によって合成してもよい。
【0032】
一般式(IV) で表わされる化合物の合成法としては、Can. J. Chem., 44, 297(1966)に記載されているように、オキシム誘導体を種々のハロゲン化剤によってハロゲン化した後、スルホニルハライド類、アシルハライド類、シリルハライド類、酸無水物、混合酸無水物等と反応させる方法、あるいはニトリルオキシド誘導体とスルホニルハライド類、アシルハライド類等とを反応させる方法等の合成法が利用できる。
次にスキーム2に示される反応の反応条件等について詳しく述べる。
【0033】
スキーム2の第1工程においては、一般式(IV) とチオシアン酸塩とを反応させる。このチオシアン酸塩のカチオン成分としては、種々の金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン(例えばテトラエチルアンモニウム等)等を用いることができる。また、チオシアン酸と、種々の塩基を用いて反応系中でチオシアン酸塩としてもよい。
一般式(IV) で表わされる化合物と、チオシアン酸塩とは一般に100:1〜1:100のモル比で使用され、好ましくは10:1〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは2:1〜1:2のモル比で使用される。
【0034】
スキーム2の第1工程および第2工程はそれぞれあるいは一貫して無溶媒で行ってもよいし、適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えばメタノール、イソプロパノール)、塩基系溶媒(例えばジクロロメチレン)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル)、スルホン系溶媒(例えばジメチルスルホン、スルホラン)、リン酸アミド系溶媒(例えばヘキサメチルホスホリックトリアミド)または炭化水素系溶媒(例えばシクロヘキサン、ノルマルヘキサン)が挙げられる。
【0035】
これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また一貫法で行う時は、第2工程の時に別の溶媒を加えてもよい。
溶媒の使用量は第1工程においては一般式(IV)で表わされる化合物の1重量部当たり、第2工程においては一般式(I)で表わされる化合物の1重量部当たり、それぞれ0.1〜1000重量部好ましくは、0.5〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部の割合である。
【0036】
チオシアン酸塩は酸性あるいは加熱等の条件下でシアン化水素を発生する危険性があることが知られているため、本発明の方法においては第1工程においてあるいは第2工程において、好ましくは第1工程、第2工程ともに塩基を使用することが好ましい。本発明に用いることのできる塩基としては、例えば水酸化化合物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム)、炭酸化合物(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸テトラブチルアンモニウム)、アミン類(例えば、アンモニア、トリエチルアミン)、アニリン類(例えば、ジエチルアニリン)、芳香族ヘテロ環類(例えば、ピリジン、イミダゾール)、グアニジン類(例えばテトラメチルグアニジン)、重炭酸化合物(例えば重曹)、含窒素ヘテロ環類(例えば1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン)、酢酸化合物(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム)、有機化合物の金属塩(例えばナトリウムメトキシド)などが挙げられる。
【0037】
これらの塩基は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0038】
このうち、含窒素芳香族ヘテロ環類を使用することが好ましく、6員環の含窒素芳香族ヘテロ環類を使用することがさらに好ましく、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、ピコリン、ルチジンを使用することが特に好ましく、ピリジンを使用することが最も好ましい。含窒素芳香族ヘテロ環類を使用することにより、これと一般式(IV) で表わされる化合物との反応により活性な中間体が生成し、より温和な条件で収率よく一般式(I)で表わされる化合物が合成できる。 塩基の使用量は第1工程においては一般式(IV) で表わされる化合物の1モル当たり、第2工程においては一般式(I)で表わされる化合物の1モル当たり、それぞれ0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モル、さらに好ましくは0.2〜10モル、特に好ましくは1〜5モルの割合である。
【0039】
第2工程において、一般式(II) で表わされる求核剤の使用量は一般式(I)で表わされる化合物の1モル当たり0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モル、さらに好ましくは0.2〜20モル、特に好ましくは0.5〜10モルの割合である。
【0040】
第2工程においては、第1工程において調製した一般式(I)で表わされる化合物の溶液中に、一般式(II) で表わされる求核剤を添加してもよいし、逆に一般式(II) で表わされる化合物の溶液に一般式(I)で表わされる化合物の溶液を添加してもよいが、後者が好ましい。
本反応の反応温度は第1工程、第2工程ともに特に制限はないが、−50℃から150℃の範囲で実施可能であり、好ましくは−10℃から80℃の範囲で実施でき、特に好ましくは0℃〜50℃の範囲で実施できる。
【0041】
【実施例】
以下本発明の具体的合成例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1.例示化合物(1)の合成
以下の反応スキームのように合成した。
【0042】
【化15】
【0043】
Can. J. Chem., 44, 297(1966)に記載の方法に従って合成した化合物(A−1)5.57g(0.020モル)をアセトニトリル20mlに溶解し、40℃にてピリジン4.9ml(0.060モル)を5分間で滴下した。さらに40℃にて、チオシアン酸ナトリウム1.54g(0.019モル)をアセトニトリル15mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。40℃にて30分間攪拌し、化合物(A−2)を合成した。化合物(A−2)は単離することなく、反応溶液のまま次工程に使用した。氷冷下、化合物(A−3)2.56g(0.02モル)をアセトニトリル10mlに溶解した溶液を2分間で先に調整した化合物(A−2)の溶液に添加し、室温にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル、テトラヒドロフラン混合溶媒にて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサン混合溶液から晶析し、例示化合物(1)4.59g(0.0140モル)を淡橙色結晶として得た。m.p. 167〜168 ℃。収量 73.6%。 1H−NMR(CDCl3);11.0(S,1H) 、8.9(S,1H)、8.6(d,1H) 、8.4(d,1H)、7.8(t,1H) 、7.5(d,2H) 、7.0(d,2H) 、3.8(S,3H) 。
【0044】
実施例2.例示化合物(2)の合成
以下の反応スキームのように合成した。
【0045】
【化16】
【0046】
化合物(A−1)5.57g(0.020モル)をアセトニトリル20mlに溶解し、40℃にてピリジン4.9ml(0.060モル)を5分間で滴下した。さらに40℃にてチオシアン酸ナトリウム1.54g(0.019モル)をアセトニトリル15mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。40℃にて30分間攪拌し、化合物(A−2)を合成した。化合物(A−2)は単離することなく反応溶液のまま次工程に使用した。氷冷下化合物(A−4)3.41g(0.020モル)をジメチルアセトアミド15mlに溶解した溶液を2分間で先に調整した化合物(A−2)の溶液に添加し、室温にて1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒から晶析し、例示化合物(2)5.86g(0.0156モル)を白色結晶として得た。収率82.1%。m.p.>200℃。 1H─NMR(DMSO);11.3(s,1H) 、10.9(s,1H) 8.8(s,1H) 、8.5(d,1H) 、8.3(d,1H) 、8.0(d,2H) 、7.8(t,1H) 、7.6(d,2H) 。
【0047】
実施例3.例示化合物(3)の合成
以下の反応スキームのように合成した。
【0048】
【化17】
【0049】
化合物(A−1)6.69g(0.024モル)をアセトニトリル24mlに溶解し、30℃にてピリジン9.7ml(0.120モル)を5分間で滴下した。さらに30℃にてチオシアン酸ナトリウム1.85g(0.0228モル)をアセトニトリル16mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。30℃にて45分間攪拌し、化合物(A−2)を合成した。化合物(A−2)は単離することなく反応溶液のまま次工程に使用した。氷冷下、化合物(A−5)7.53g(0.024モル)をジメチルアセトアミド7mlに溶解した溶液に30分間で先に調製した化合物(A−2)の溶液を滴下した。30分攪拌後30℃まで加温して20分間攪拌した後、酢酸7ml、水28mlを混合した水溶液を30℃で30分間で滴下した後、20分間氷冷した。析出した結晶を吸引濾過し、アセトニトリル/水の混合液で洗浄した後、乾燥し、例示化合物(3)10.8g(0.0208モル)を白色結晶として得た。収率91.3% m.p.149℃。 1H−NMR(DMSO);10.4(s,1H)、8.8(s,H)、8.6(s,1H) 、8.5(d,1H) 、8.3(d,1H) 、7.8(t,1H) 、6.6〜6.4(m,1H) 、3.8〜3.5(m,1H) 、1.7〜0.6(m,34H)。
【0050】
【発明の効果】
臭気等の問題がなく、入手容易な原料から短工程にて、簡便な操作で高収率で1,2,4−チアジアゾール誘導体を合成することができる。
Claims (7)
- 一般式(I)で表わされる化合物と、一般式IIで表わされる求核剤とを反応させることを特徴とする一般式(III)で表わされる1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
式中、Xはアルキルスルホニルオキシ基、またはアリールスルホニルオキシ基を表わす。R1 はアリール基を表わす。
式中、L1 は、-O- 、-N(R2)-、-C(R3)(R4)-または-S- を表わす。R2 は水素原子、またはアルキル基を表わす。R3、R4 はそれぞれハメットの置換基定数σ p 値が0より大きい電子吸引性の置換基を表わす。L2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはカルバモイル基を表わす。
式中、R1 はアリール基を表わし、L1は-O- 、-N(R2)-、-C(R3)(R4)-または-S- を表わす。R2 は水素原子、またはアルキル基を表わす。R3、R4 はそれぞれハメットの置換基定数σ p 値が0より大きい電子吸引性の置換基を表わす。L2 は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはカルバモイル基を表わす。 - 一般式(II) および一般式(III)において、L1 が-N(R2)-(R2 は水素原子を表わす)であることを特徴とする請求項1に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
- 一般式(II) で表わされる求核剤が、置換あるいは無置換のヒドラジン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
- 式(II) で表わされる求核剤が置換あるいは無置換のセミカルバジド誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
- 一般式(IV) においてYが塩素原子であることを特徴とする請求項5に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
- 塩基として含窒素6員環芳香族ヘテロ環類の存在下で一般式(IV) で表わされる化合物とチオシアン酸塩の反応を行うことを特徴とする請求項5に記載の1,2,4−チアジアゾール誘導体の合成法。
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