JP4150603B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に血管(つまり管腔組織)に対する超音波探触子の姿勢調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波ビームを電子的に又は機械的に走査すると、所定形状をもった走査面が形成される。その走査面上で得られたエコーデータを二次元的にマッピングすることにより断層画像(Bモード画像)が形成される。管腔組織としての血管の診断を行う場合、例えば変位計測、流量演算などのために、血管の中心軸にできるだけ正確に直交するように走査面を設定する必要がある。具体的には、超音波画像を観察しながら、超音波探触子をその軸周りで回転させ、あるいは、超音波探触子を傾斜(揺動回転)させ、これによって走査面が位置決めされる。なお、特許文献1には、探触子の姿勢を変化させて血流量を正確に求めるための構成が示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−248304号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような主観的な手法では、熟練を要し、位置決めの再現性が悪く、その測定結果が客観的でないという問題がある。診断者間で測定条件にバラツキが存在すると、測定結果の対比等において信頼性が低下し、ひいては疾病診断精度に影響を与える。
【0005】
本発明の目的は、管腔組織に対して超音波探触子の姿勢を容易に最適化できるようにすることにある。
【0006】
本発明の他の目的は、超音波探触子の姿勢調整に際してユーザーの便宜を図ることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、血管に直交する走査面の設定をより迅速かつ正確に行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、生体表面に当接され、血管に対して超音波の送受波を行う超音波探触子と、前記超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて、各フレームの断層画像を形成する断層画像形成手段と、前記各フレームの断層画像に基づいて、各心拍ごとに前記血管の断面積の大きさを表す参照値を演算する参照値演算手段と、前記超音波探触子の姿勢を変化させた場合における前記各心拍ごとの参照値に基づいて、心拍間における参照値の差分を演算する差分演算手段と、前記心拍間における参照値の差分を評価して、前記超音波探触子の姿勢を調整する操作を支援する情報をユーザーに提供する手段であって、前記差分が負である場合にそれを表す負情報を提供し、前記差分が正である場合にそれを表す正情報を提供する操作支援手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上記構成において、断層画像を観察しながら、血管の横断面が概ね走査面内に含まれるように、超音波探触子を生体表面に当接させた状態において、ユーザーによって超音波探触子をその中心軸回りに回転させあるいは傾斜(揺動回転)させると、各心拍ごとに血管の断面積の大きさを指標する参照値が演算され、また心拍間での参照値の差分が演算される。そして、その差分の符号が評価され、つまり、心拍間で面積の増減が分析され、その時の状況に応じて、負情報又は正情報が表示される。ユーザーは、そのような超音波探触子の姿勢調整のための操作支援情報を認識することにより、最適な姿勢を探し出すことが可能となる。つまり、負情報が提供されている場合には、超音波探触子の姿勢変化の方向が適当であると認知でき、正情報が提供されている場合には、超音波探触子の姿勢変化の方向が不適当であると認知できる。例えば、超音波探触子の正逆回転を繰り返えせば、適正角度を見出すことが容易にできる。
【0010】
上記構成においては、各心拍ごとに参照値という代表値を利用するので、1心拍内における血管の拍動による断面積の変化(生理学的な面積変化)に影響されずに適切な操作支援を行うことができる。心拍間での参照値の差分が利用されるので、超音波探触子の姿勢可変は心拍周期を考慮してゆっくりと行うのが望ましい。特に出来る限り一定の速度で姿勢が変化するように操作を行うのが望ましい。
【0011】
望ましくは、前記心拍間における前記超音波探触子の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段を含み、前記操作支援手段は、前記心拍間において前記超音波探触子の姿勢変化が生じた場合にだけ前記差分について評価を行う。
【0012】
上記構成によれば、姿勢が適正でないのに、姿勢が適正であると誤判定してしまう問題を防止できる。例えば一定の微小角度以上の角度変化をもって姿勢変化と認定してもよい。
【0013】
望ましくは、前記姿勢変化検出手段は、前記超音波探触子に設けられたセンサである。このセンサとしては加速度センサなどを用いることができる。
【0014】
望ましくは、前記差分に基づいて適正姿勢状態を判定する判定手段と、前記適正姿勢状態を表す適正情報をユーザーに提供する適正情報提供手段と、を含む。この構成によれば、変化の方向を認識させるだけでなく、適正状態自体を認識させることができる。
【0015】
望ましくは、前記判定手段は、前記差分が所定値よりも小さくなった場合に前記適正姿勢状態を判定する。つまり、差分が極小条件を満たしたことをもって、適正状態を判定するものである。
【0016】
望ましくは、前記所定値を可変設定する手段を含む。例えば、血管の大きさ、判定精度、姿勢変化の速度などに応じて、所定値を可変設定するのが望ましい。
【0017】
望ましくは、前記判定手段は、前記差分が負から正へ切り替わった場合に前記適正姿勢状態を判定する。つまり、最小側の変曲点の判定である。
【0018】
望ましくは、前記負情報、前記正情報及び前記適正情報はそれぞれ異なる表示態様によって画面上に表現される。色、形、線種を代えたり、点滅の有無を利用したりすることができる。更に、文字表現を行ってもよいし、音や光などを利用して情報提供を行ってもよい。
【0019】
望ましくは、前記参照値は、1心拍内における血管の断面積の最大値、最小値又は平均値である。つまり、各心拍において相互に比較可能な客観性ある数値が利用される。これにより1心拍内における拍動による面積増減を無視できる。
【0020】
(2)本発明は、生体表面に当接され、血管に対して超音波の送受波を行う超音波探触子と、前記超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて、各フレームの断層画像を形成する断層画像形成手段と、前記各フレームの断層画像に基づいて、各心拍ごとに前記血管の断面積の大きさを表す参照値を演算する参照値演算手段と、前記超音波探触子の姿勢を変化させた場合における前記各心拍ごとの参照値に基づいて、心拍間における参照値の差分を演算する差分演算手段と、前記心拍間における参照値の差分を評価して、前記超音波探触子の姿勢を調整する操作を支援する情報をユーザーに提供する手段であって、前記差分が極小条件を満たした時点で前記超音波探触子が適正姿勢にあることを表す適正情報を提供する操作支援手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
上記構成において、断層画像を観察しながら、血管の横断面が概ね走査面内に含まれるように、超音波探触子を生体表面に当接させた状態において、ユーザーによって超音波探触子をその垂直中心軸回りに回転させあるいは傾斜(揺動回転)させると、各心拍ごとに血管の断面積の大きさを指標する参照値が演算され、また心拍間での参照値の差分が演算される。そして、その差分が極小条件を満たした時点で、適正情報が提供される。ユーザーは、そのような超音波探触子の姿勢調整のための操作支援情報を認識することにより、最適な姿勢を探し出すことが可能となる。つまり、適正情報が得られた場合に、超音波探触子の姿勢が最適化されたことを認識できる。
【0022】
望ましくは、前記心拍間における前記超音波探触子の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段を含み、前記操作支援手段は、前記心拍間において前記超音波探触子の姿勢変化が生じた場合にだけ前記差分について評価を行う。この構成によれば、超音波探触子が動かない場合の誤判定を防止できる。
【0023】
超音波探触子の軸周り回転角度及び揺動(傾斜)角度の両者を最適化する場合には、一方の角度を固定しならがら他方の角度を最適化し、その上で、他方の角度を固定しつつ一方の角度を最適化すればよい。本発明によれば、血管の中心軸に対して走査面を容易に直交させることができるので、客観的で再現性がよく、血管面積などの計測精度を向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
まず図2〜図5を用いて血管12と走査面Sとの関係について説明する。各図において、血管を横切る方向(短軸方向)をx軸とし、血管の中心軸方向(長軸方向)をy軸とし、それらの軸に垂直な軸をz軸としている。ここにおいて、血管断面の形状を長軸長さDx、短軸長さDzの楕円形と仮定すると、断面積Sは、
S=πDxDz ・・・(1)
で計算される。
【0026】
しかし、走査面Sが血管中心軸方向(長軸y方向)と直交しない場合(図2のように中心軸回りに回転している場合や図4のように傾斜回転している場合)には、走査面S上における血管断面の長軸長さ及び短軸長さについては以下のように考えられる。
【0027】
図2には、血管を上から(体表側から)見た様子が模式的に示されている。プローブ10をその中心軸周りに(x−y面内で)回転させた場合における走査面Sとx軸との間の角度はαである。この場合には、角度αの変化によっても短軸長さDzは変わらず、一方、長軸長さDx’は以下のようになる。
【0028】
Dx’=Dx/cosα ・・・(2)
つまり、角度αが大きくなるに従って、図3の(a)から(b)へ示すように血管断面の形状が横長になる。
【0029】
図4には、血管を横から見た様子が模式的に示されている。プローブ10をy−z面内で傾斜回転させた場合における走査面Sとz軸との間の角度はβである。この場合には、角度βの変化によっても長軸長さDxは変わらず、一方、短軸長さDz’は以下のようになる。
【0030】
Dz’=Dz/cosβ ・・・(3)
つまり、角度βが大きくなるに従って、図5の(a)から(b)へ示すように血管断面の形状が縦長に増大する。
【0031】
一般に、プローブ10を生体に当接した初期状態では、角度α及び角度βの両者が同時に存在するので、次の関係が成り立つ。
【0032】
S’=S/(cosα)(cosβ) ・・・(4)
以上から理解できるように、α=0且つβ=0の場合に、S’が最小となり、それは実際の面積Sと等しくなる。したがって、血管の断層画像において、血管の断面積の大きさが最小となるように、プローブ10の姿勢を設定すれば、走査面Sを血管に対して正しく設定することができる。また、プローブ10の姿勢を可変させた場合における面積の増減を識別することにより、現在の姿勢可変の方向が適当か否かを判定でき、それに基づいてユーザーに対して姿勢調整を支援するための情報を提供できる。ただし、心拍に連動して血管自体も拍動し、1心拍内で断面積は変化する。そこで、各心拍ごとに客観的な基準をもって参照値(代表値)を求め、それらの相互を比較することが望まれる。
【0033】
なお、実際には、エッジ抽出法などを利用して血管内膜の自動トレースを実行し、そこに囲まれる領域の画素数をカウントすることなどによって血管断面積を演算することができる。
【0034】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。
【0035】
プローブ10は、本実施形態においてユーザーによって把持され、その先端面である送受波面が生体表面上に当接される。プローブ10は複数の振動素子からなるアレイ振動子を有しており、そのアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、その超音波ビームが電子走査される。電子走査方式としては電子リニア走査や電子セクタ走査などをあげることができる。
【0036】
図1には、超音波ビームBを電子リニア走査することによって形成される走査面Sが示されている。プローブ10を最初に位置決めする場合においては、表示される断層画像を見ながら血管12が走査面S内に含まれるように、かつ、走査面Sが血管の中心軸に対して大凡直交するようにプローブ10の姿勢や位置が調整される。符号12Aは血管12の外膜を示しており、符号12Bは血管12の内膜を示している。血管12の断面積としては通常は内膜12B内の面積として定義される。
【0037】
プローブ10は加速度センサなどによって構成される動き検出センサ13を有している。すなわちこの動き検出センサ13によってプローブ10の姿勢が変化したことを電気的に検出することが可能である。このような動き検出センサ13によらずに、例えば受信信号などに基づいて動きの検出を行ってもよい。
【0038】
送信部14は送信ビームフォーマーとして構成され、アレイ振動子に対して所定の遅延関係をもって複数の送信信号を供給する。また、受信部16は受信ビームフォーマーとして構成され、アレイ振動子から出力される複数の受信信号に対して整相加算処理を実行する。
【0039】
その整相加算後の受信信号は信号処理ユニット24へ送られる。この信号処理ユニット24は複数の演算部を有しており、図1においてはそのうちで特に断層画像形成部26が示されている。この断層画像形成部26はBモード画像を形成するための信号処理や座標変換処理などを実行する演算部である。
【0040】
信号処理ユニット24から出力される信号(画像データ)は表示処理部28へ出力される。この表示処理部28は各種画像の合成機能を有している。表示処理部28から出力される画像データは表示部30に出力され、表示部30における表示画面上に断層画像などが表示される。
【0041】
心電計18は被検体から心電信号を検出するための計測部であり、その心電信号は操作支援ユニット32へ出力されている。
【0042】
操作支援ユニット32は、血管の中心軸に対して走査面Sを直交状態として適正に設定するために、ユーザーに対して支援情報を提供するユニットである。本実施形態においては、走査支援ユニット32は面積演算部34、参照面積演算部36、差分演算部40及び判定部38を有している。ちなみにそれらのモジュールはハードウエアによって構成してもよいし、ソフトウエアによってその機能を実現するようにしてもよい。面積演算部34は、各フレームの断層画像ごとに血管の断面積を演算するモジュールである。具体的には、例えば、血管の重心点から放射状に複数の参照ラインを設定し、各参照ライン上でエッジ検出を行うことにより血管12の内膜12Bを検出し、各内膜12Bの検出点を互いに連結することにより内膜12Bの自動トレースを行っている。その自動トレースによって得られた閉ループ内の例えば画素数をカウントすることにより面積を演算することが可能である。ちなみにこの手法自体は公知である。
【0043】
参照面積演算部36は、各心拍ごとに、心拍内に含まれる複数のフレームにおける血管についての最大面積、最小面積または平均面積などを参照面積として演算するモジュールである。すなわち、血管12は心拍に伴ってそれ自体拍動し、すなわち生理学的に面積の増減が生じている。この場合、プローブ10をゆっくりと回転させた場合において、単純に各フレーム間の面積差分を求めると、上述の拍動の影響を受けてしまう。そこで、本実施形態においては各心拍ごとに代表値としての参照面積を特定し、それらを相互に比較することにより、プローブ10の姿勢変化が適当であるか否かを判定するようにしている。そのための同期信号として心電信号が用いられている。
【0044】
差分演算部40は、前述したように、心拍間すなわち隣り合う2つの心拍について求められた2つの参照面積の差分(差分面積)を演算するモジュールである。このような差分の増減を見ることにより現在行っているプローブの回転走査がより最適な方向に向いているかあるいはそうでないかを判断することができる。そしてそのような判断は判定部38によって行われている。
【0045】
すなわち、判定部38は、差分の符号が負である場合にはプローブ10の回転の向きが適正な方向であると判断し、それを表す情報を表示処理部28に出力している。また、差分が正である場合にはプローブ10の回転が適当でない方向へ向いていると判断し、それを表す情報を表示処理部28へ出力している。また、本実施形態では、走査面38は、上述した角度αあるいは角度βがゼロになったあるいはゼロとみなせる状態になったことを適正姿勢状態として判定する機能を有している。適正姿勢状態の判定はいくつかの方式によって実現することができ、例えば後に詳述するように、差分が一定値以下になったことをもってその判定を行ってもよいし、差分の極性が負から正に切り替わる時点をもってその判定を行ってもよい。適正姿勢の判定が行われるとそれを表す情報が表示処理部28へ出力される。
【0046】
ところで、以上のような操作支援ユニット32の動作に当たっては、ユーザーによりプローブ10の角度すなわち上記の角度αあるいは角度βが理想的にはゆっくりと一定の速度で可変される。ただし、ユーザーがそのような操作を行わなかったり、あるいはプローブの動きが極めて小さいような場合、上記の差分が結果としてゼロあるいはゼロに近くなってしまう。すなわち角度αあるいは角度βがゼロに近くなくても、差分が小さくなってしまうという問題がある。そこで、本実施形態では上述した動き検出センサ13が設けられており、プローブ10に動きがあったとみなせる場合についてのみ差分の演算(あるいは判定)を行っている。操作支援ユニット32の具体的な動作例については後に図8及び図9を用いて説明する。
【0047】
本実施形態において、表示処理部28は、操作支援ユニット32から出力される情報に基づきユーザーのプローブ操作を支援するための情報を表示部30に表示させている。具体的には、差分が負であることを示す負情報、差分が正であることを示す正情報及び上記の適正姿勢状態になったことを示す適正情報を表示部30に表示させている。
【0048】
例えば、それらの情報はある表示部分の色を変える、形を変える、点滅の有無などを利用する、などの各種の手法をもって表現することができる。本実施形態では、1つの表現方式として、負情報については所定の表示部分の色を赤色で表示し、正情報については所定の表示部分の色を青色で表示している。さらに、適正情報については所定の表示部分を点滅表示させている。これによってユーザーはそのような色変化あるいは点滅表現を観察することにより、プローブ10の角度が最適化方向を向いているのか否か及び最適化されたのか否かを直感的に理解することが可能となる。
【0049】
これを図6を用いて説明すると、図6における横軸は時間軸であり、縦軸は角度α又は角度βを変化させた場合における上記の参照面積を示している。あるいはこの縦軸が各フレームごとの面積であってもよい。図6に示されるように、周期的に角度を振動させると、参照面積が徐々に小さくなっていく場合においては、表示画面上の所定の表示部分が青色で表示され、その一方、参照面積が徐々に増大していく場合には表示画面上における所定の表示部分が赤色で表示される。また参照面積が最小となった状態においては、例えば所定の表示部分が点滅表現される。
【0050】
図7には、図1に示した表示部30において表示される表示例が示されている。表示画面100内にはBモード画像としての断層画像102が表示されている。その断層画像102は血管の断面を示しており、符号104Aは血管の外膜を示し、符号104Bは血管の内膜を示している。その内部のエリア104が面積演算の対象となる領域である。この場合において、内膜104Bを自動的トレースしてそのトレースラインを表示させる場合においては、そのラインの色を上記のようなルールに従って変更し、あるいは点滅表示させるのが望ましい。また、色の変更に代えて、トレースラインの線の種類を代えるようにしてもよい。また、表示画面100上には、領域104の面積が符号106で示されるように数値によって表示されるが、その数値表示の点滅によって最適姿勢状態であることを表すようにしてもよいし、表示画面100上に最適姿勢状態になったことを示すOK表示108を登場させるようにしてもよい。すなわち、画面観察しているユーザーに対して負情報、正情報及び最適情報が明確に伝達されるように表示内容を変更するのが望ましい。
【0051】
この実施形態においては表示内容の変更を行ったが、もちろんそれに代えてあるいはそれと共に音を出力するようにしてもよい。すなわち音色の変化あるいはメッセージ出力などによってユーザーに現在の状態を認知させるものである。
【0052】
なお、図1において、制御部20は装置内における各構成の動作制御を行っており、その制御部20には操作パネルなどによって構成される入力部22が接続されている。
【0053】
次に、図8及び図9を用いて本実施形態に係る超音波診断装置の動作例を説明する。まず、図8において、S101では変数i及びjに対して初期値としてゼロが代入される。S102では、i心拍内においてjを1つずつインクリメントさせつつ、各フレームごとに面積S[i,j]の計算を開始する。つまり、各心拍ごとに複数のフレームが形成され、それぞれのフレームごとに面積が演算されることになる。
【0054】
S103では、i番目の心拍について上述した参照面積Sr[i]の計算が実行される。具体的には、i番目の心拍において面積S[i,j]のうちの最大値が参照面積Sr[i]とされる。もちろん、上述したように参照面積としては最大面積に代えて最小面積であってもよいし、平均面積であってもよい。またそれ以外の客観的に特定される代表値を利用するようにしてもよい。
【0055】
S104では、iが0であるか否かが判断され、iが0である場合には初期フレームであるためにS113においてiを1つインクリメントさせて上記のS102以降の各工程が実行される。
【0056】
一方、S105においては、上述した動き検出センサの出力信号に基づいて、i−1番目の心拍とi番目の心拍との間でプローブの動きがあったか否かが判断される。すなわち、ユーザーは図8に示す工程の実行中においては図6に示すようなプローブについての角度の変更を行っているが、そのような操作がなされていない場合に誤判定が生じるため、このS105の工程が設けられている。ここで、プローブについての動きがない、すなわち姿勢が維持されていると判断された場合には、S113を介してS102以降の工程が実行される。
【0057】
S105においてプローブについての動きがあったと判断された場合には、i−1番目の心拍とi番目の心拍との間において参照面積の差分ΔS[i]が計算される。具体的には、Sr[i]−Sr[i−1]を計算し、その計算結果をΔS[i]に代入する。
【0058】
S107では、差分ΔS[i]が正か負かすなわち符号判定が行われる。ここで、正と判定された場合にはS110が実行され、一方、負と判定された場合にはS108において現状において最小条件が満たされているか否かが判断される。すなわち、この最小条件とは上述した適正姿勢状態を判断するための条件である。
【0059】
例えば、最小条件としては、ΔSr[i−1]が<0かつΔS[i]<εという条件が用いられる。すなわち1つ前のフレームについての差分が負又は0であり、かつ現在のフレームについての差分(あるいは絶対値)がε未満であるという条件である。ここで一定値εは判定のためのしきい値であり、計測精度あるいは血管の面積といった条件によって可変設定するのが望ましい。もちろんユーザーによってそれを可変設定できるようにしてもよい。
【0060】
ここで、S108において最小条件が満たされればS111が実行され、最小条件が満たされなければS109が実行される。
【0061】
S109では、上述したように所定の表示部分が青色で表示され、S110においては所定の表示部分が赤色で表示され、S111においては所定の表示部分が点滅表示される。もちろん、赤色表示又は青色表示とは別の表示部分をS111において点滅表示させるようにしてもよい。つまり、各場合ごとに異なる表示形態がとられるようにする。
【0062】
S112ではこのルーチンを終了させるか否かが判断され、終了させない場合においてはS113を介して上述したS102以降の工程が繰り返し実行される。したがって、S102以降の工程は各心拍ごとに実行されることになり、表示画面上における情報の表示は各心拍ごとに更新される。
【0063】
図9には他の動作例が示されている。ちなみにS201〜S206の各工程は、上記のS101〜S106と同様であり、またS209〜S213の各工程はS109〜S113の各工程と同一である。そこで、以下においてはS208の工程について説明する。
【0064】
S208では、差分ΔS[i]が正であって、しかも負から正へ変化したか否かが判断されている。すなわち、変曲点の判定を行っている。そして、その変曲点であればS211において点滅表示処理が実行され、変曲点でなければS209の工程が実行される。このような手法を用いても最適状態の判定すなわち最小条件の判定を行うことが可能となる。ちなみに、図8あるいは図9に示した動作例は角度αについて及び角度βについてそれぞれ個別的に実行されるのが望ましい。すなわちまず角度βを意識的に固定しておいて角度αをユーザーによって徐々に変更させ、角度αについて適正状態と判断された後に、その角度αを維持させつつ、角度βを変更してその角度βについての適正状態を判定させるものである。
【0065】
ちなみに、上記の実施形態において、S109及びS110、S209及びS210の工程が実行されることを前提として、S111、S211の工程を省略することも可能である。すなわち表示が青色から赤色へ変更することをもって最適状態を判断することが可能である。あるいは、それらの色変化の工程を設けることなくS111及びS211のみの工程を設けるようにしてもよい。この場合においては姿勢変化の方向についての情報は提供されないが、最適状態に合致した時点で点滅表示が行われるためその状態をユーザーが認知することができる。ただし、よりユーザーの便宜を図るためには上記のような図8あるいは図9に示した動作例を採用するのが望ましい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、管空組織に対して超音波探触子の姿勢を容易に最適化できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示すブロック図である。
【図2】 角度αを説明するための図である。
【図3】 角度αを変更させた場合の断面形状を説明するための図である。
【図4】 角度βを説明するための図である。
【図5】 角度βを変更させた場合の断面形状を説明するための図である。
【図6】 ユーザーによって周期的に角度を変更させた場合における参照面積の変化を示す図である。
【図7】 表示例を示す図である。
【図8】 装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】 装置の他の動作例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 プローブ、12 血管、13 動き検出センサ、14 送信部、16 受信部、26 断層画像形成部、28 表示処理部、32 操作支援ユニット、34 面積演算部、36 最小面積演算部、38 判定部、40 差分演算部。
Claims (11)
- 生体表面に当接され、血管に対して超音波の送受波を行う超音波探触子と、
前記超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて、各フレームの断層画像を形成する断層画像形成手段と、
前記各フレームの断層画像に基づいて、各心拍ごとに前記血管の断面積の大きさを表す参照値を演算する参照値演算手段と、
前記超音波探触子の姿勢を変化させた場合における前記各心拍ごとの参照値に基づいて、心拍間における参照値の差分を演算する差分演算手段と、
前記心拍間における参照値の差分を評価して、前記超音波探触子の姿勢を調整する操作を支援する情報をユーザーに提供する手段であって、前記差分が負である場合にそれを表す負情報を提供し、前記差分が正である場合にそれを表す正情報を提供する操作支援手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記心拍間における前記超音波探触子の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段を含み、
前記操作支援手段は、前記心拍間において前記超音波探触子の姿勢変化が生じた場合にだけ前記差分について評価を行うことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記姿勢変化検出手段は、前記超音波探触子に設けられたセンサであることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記差分に基づいて適正姿勢状態を判定する判定手段と、
前記適正姿勢状態を表す適正情報をユーザーに提供する適正情報提供手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記判定手段は、前記差分が所定値よりも小さくなった場合に前記適正姿勢状態を判定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項5記載の装置において、
前記所定値を可変設定する手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記判定手段は、前記差分が負から正へ切り替わった場合に前記適正姿勢状態を判定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項4記載の装置において、
前記負情報、前記正情報及び前記適正情報はそれぞれ異なる表示態様によって画面上に表現されることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記参照値は、1心拍内における血管の断面積の最大値、最小値又は平均値であることを特徴とする超音波診断装置。 - 生体表面に当接され、血管に対して超音波の送受波を行う超音波探触子と、
前記超音波の送受波により得られた受信信号に基づいて、各フレームの断層画像を形成する断層画像形成手段と、
前記各フレームの断層画像に基づいて、各心拍ごとに前記血管の断面積の大きさを表す参照値を演算する参照値演算手段と、
前記超音波探触子の姿勢を変化させた場合における前記各心拍ごとの参照値に基づいて、心拍間における参照値の差分を演算する差分演算手段と、
前記心拍間における参照値の差分を評価して、前記超音波探触子の姿勢を調整する操作を支援する情報をユーザーに提供する手段であって、前記差分が極小条件を満たした時点で前記超音波探触子が適正姿勢にあることを表す適正情報を提供する操作支援手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項10記載の装置において、
前記心拍間における前記超音波探触子の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段を含み、
前記操作支援手段は、前記心拍間において前記超音波探触子の姿勢変化が生じた場合にだけ前記差分について評価を行うことを特徴とする超音波診断装置。
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