JP4155472B2 - 記録方法および記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録ヘッドが記録媒体の表面を主走査及び副走査することにより、記録媒体の表面に記録を行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドが主走査方向と副走査方向に走査しながら記録を行う記録装置としては、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等がある。この種のプリンタ、特にインクジェットプリンタ、における画質向上のための技術の一つとして、米国特許第4,198,642号や特開昭53−2040号公報等に開示されている「インターレース方式」と呼ばれる技術がある。
【0003】
図22は、インターレース方式の一例を示す説明図である。この明細書では、記録方式を規定するパラメータとして、以下のものを用いている。
【0004】
N:ノズル個数[個],
k:ノズルピッチ[個],
s:スキャン繰り返し数,
D:ノズル密度[個/インチ],
L:副走査ピッチ[インチ],
w:ドットピッチ[インチ]。
【0005】
ノズル個数N[個]は、ドットの形成に使用されるノズルの個数である。図22の例ではN=3である。ノズルピッチk[個]は、記録ヘッドにおけるノズルの中心点間隔が、記録画像のピッチ(ドットピッチw)の何個分であるかを示している。図22の例では、k=2である。スキャン繰り返し回数s[回]は、何回の主走査で各主走査ラインをドットで埋めつくすか、を示す回数である。図22の例では、1回の主走査で各主走査ラインが埋めつくされているので、s=1である。後述するように、sが2以上の時には、主走査方向に沿って間欠的にドットが形成される。ノズル密度D[個/インチ]は、記録ヘッドのノズルアレイにおいて、1インチ当たり何個のノズルが配列されているかを示している。副走査ピッチL[インチ]は、1回の副走査で移動する距離を示している。ドットピッチw[インチ]は、記録画像におけるドットのピッチである。なお、一般に、w=1/(D・k)、k=1/(D・w)が成立する。
【0006】
図22において、2桁の数字を含む丸は、それぞれドットの記録位置を示している。凡例に示すように、丸の中の2桁の数字の中で、左側の数字はノズル番号を示しており、右側の数字は記録順番(何回目の主走査で記録されたか)を示している。
【0007】
図22に示すインターレース方式は、記録ヘッドのノズルアレイの構成と、副走査の方法とに特徴がある。即ち、インターレース方式では、隣り合うノズルの中心点間隔を示すノズルピッチkは2以上の整数に設定され、かつ、ノズル個数Nとノズルピッチkとが互いに素の関係にある整数に選ばれる。また、副走査ピッチLは、N/(D・k)(=N・w)に設定される。
【0008】
このインターレース方式には、ノズルのピッチやインク吐出特性等のばらつきを、記録画像上で分散させることができるという利点がある。従って、ノズルのピッチや吐出特性にばらつきがあっても、これらの影響を緩和して画質を向上させることができるという効果を奏する。
【0009】
カラーインクジェットプリンタにおける画質改善を目指した別の技術として、特開平3−207665号公報や特公平4−19030号公報等に開示された「シングリング方式」又は「マルチスキャン方式」と呼ばれる技術がある。
【0010】
図23は、シングリング方式の一例を示す説明図である。このシングリング方式では、8個のノズルを2組のノズル群に分類している。1組目のノズル群は、ノズル番号(丸の中の左側の数字)が偶数である4個のノズルで構成されており、2組目のノズル群は、ノズル番号が奇数である4個のノズルで構成されている。1回の主走査では、各組のノズル群をそれぞれ間欠的タイミングで駆動することにより、主走査方向に(s−1)ドットおきにドットを形成する。図23の例では、s=2なので、1ドットおきにドットが形成される。また、各組のノズル群は、主走査方向にそれぞれ異なる位置にドット形成するように、それぞれの駆動タイミングが制御されている。すなわち、図23に示すように、第1のノズル群のノズル(ノズル番号8,6,4,2)と、第2のノズル群のノズル(ノズル番号7,5,3,1)とは、記録位置が主走査方向に1ドットピッチ分だけずれている。そして、このような主走査を複数回行い、その都度各ノズル群の駆動タイミングをずらすことにより、主走査ライン上の全ドットの形成を完成させる。
【0011】
このシングリング方式では、各主走査ライン上のドットが同一のノズルで記録されず、複数のノズルを用いて記録される。従って、ノズルの特性(ピッチや吐出特性等)にばらつきがある場合にも、特定のノズルの特性の影響が1つの主走査ラインの全体に及ぶことを防止でき、この結果、画質を向上させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
プリンタ等の記録装置において高い画質を得るためには、ノズルのピッチや吐出特性のばらつきによる画質低下を防止することが要求される。従来は、このために、上述したインターレース方式やシングリング方式が用いられていた。
【0013】
しかし、従来のインターレース方式と従来のシングリング方式とを単純に組合わせた場合には、走査速度を増大するのが困難であるという問題がある。即ち、シングリング方式を行うためには、例えば偶数番のノズルのドット位置と奇数番のノズルのドット位置の両方を区別可能な駆動信号Sdot'(図23)を、各記録ヘッドに供給しなければならない。すなわち、主走査方向に沿ったすべてのドット位置を区別可能な駆動信号Sdot'を、記録ヘッドに供給しなければならない。
【0014】
記録ヘッドの主走査速度(「キャリッジ速度」とも呼ばれる)を高めた場合には、この駆動信号Sdot'の駆動周波数も同じ比率で高める必要がある。また、パーソナルコンピュータ等の印刷データ作成装置からプリンタに供給するための印刷データも、各ドット位置に対応するデータを、プリンタに供給しなければならない。このため、従来は、ノズルの駆動周波数や印刷データの供給速度によって、記録ヘッドの主走査速度が限定されてしまう場合があるという問題があった。
【0015】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、画質の向上と走査速度の増大の双方を達成することができる記録装置及び方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による装置は、記録ヘッドが記録媒体の表面を主走査及び副走査することにより前記記録媒体の表面に記録を行う装置であって、
前記記録ヘッドの前記記録媒体に対面する箇所に、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイと、
前記記録ヘッドの主走査を行う主走査駆動手段と、
前記ドット形成要素アレイを駆動するための印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
前記印刷データに従って前記主走査の最中に前記ドット形成要素アレイを駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段と、
前記主走査が終わる度に前記副走査を一定距離だけ行う副走査駆動手段とを備え、
前記ヘッド駆動手段は、
1回の主走査中に、主走査方向に沿って1個のドットの形成を許容した後に(s−1)ドット(sは2以上の所定の整数)分のドットの形成を禁止する間欠的なドット形成タイミングで各ドット形成要素に駆動信号を供給するとともに、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ前記N個のドットを主走査方向に沿って順次形成可能なように前記ドット形成要素アレイを駆動する間欠駆動手段と、
前記記録媒体上の所望の記録領域を複数のドットで埋めつくすことが可能なように、少なくとも一部の主走査において、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置をドットピッチの整数倍の単位で移動させるように調整する記録位置調整手段と、
を備え、
前記N個のドット形成要素の副走査方向におけるピッチは、記録画像のドットピッチのk倍(kは整数)に設定されており、
前記記録位置調整手段は、
s回の主走査を最小サイクルとして、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置の前記調整を各最小サイクル毎に周期的に行うとともに、
各主走査時における記録位置の移動量として前記ドットピッチの0〜(s−1)倍のs種類の値を利用し、前記最小サイクルのs回の主走査において前記s種類の移動量による記録位置の調整をそれぞれ1回ずつ実行することを特徴とする。
また、前記整数sは、主走査方向の連続ラインを印刷するのに要する主走査の回数を示すスキャン繰り返し回数であり、また、
1回の副走査の前記一定距離を副走査ピッチL、前記N個の各ドットの中心点間距離を記録画像のドットピッチの倍数で表した値を要素ピッチk、及び、前記N個のドットに関して副走査方向に沿って測った単位距離当たりのドットの個数を要素密度Dとそれぞれ定義した時、
前記スキャン繰り返し回数sとして、N未満3以上の任意の整数が選定され、
前記要素ピッチkとして、N/sと互いに素の関係にあるN未満2以上の任意の整数が選定され、かつ、
前記副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値が選定されている。
【0017】
ここで、「N個のドットを…形成可能」とは、N個のドットのすべてを形成すべきことを示す駆動信号が与えられた場合に、N個のドットを記録媒体上に記録することを意味している。ある記録位置においてドットを形成すべきでないことを示す駆動信号が与えられた場合には、もちろん、その記録位置にドットが形成されることはない。「複数のドットで埋めつくすことが可能」という語句も、同様である。
【0018】
この記録装置によれば、1回の主走査中に、主走査方向に沿って1個のドットの形成後に(s−1)ドット分ずつドットの形成を禁止するので、ドットが間欠的に形成される。このため、ドットが隣接する場合に発生するドットの滲みを低減することができ、この結果、画質を向上させることができる。また、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶN個のドットを主走査方向に沿って順次形成していくので、ドットが形成される主走査位置に応じた駆動周波数でドット形成アレイを駆動すればよい。すなわち、第1の発明では、従来のシングリング方式のように、主走査方向に沿ったすべてのドット位置を区別可能な駆動周波数でドット形成アレイを駆動する必要がないので、走査速度を増大することが可能である。さらに、本発明では、s回の連続した主走査で構成される最小サイクルにおいて0〜(sー1)のs種類の値をそれぞれ1回ずつ採用するので、連続した2回の主走査で形成されるドットが上下に隣接することがなく、ドットの隣接によって滲みが発生する可能性が少ないという効果がある。
【0025】
また、前記整数sは、主走査方向の連続ラインを印刷するのに要する主走査の回数を示すスキャン繰り返し回数であり、また、
1回の副走査の前記一定距離を副走査ピッチL、前記N個の各ドットの中心点間距離を記録画像のドットピッチの倍数で表した値を要素ピッチk、及び、前記N個のドットに関して副走査方向に沿って測った単位距離当たりのドットの個数を要素密度Dとそれぞれ定義した時、
前記スキャン繰り返し回数sとして、N未満2以上の任意の整数が選定され、
前記要素ピッチkとして、N/sと互いに素の関係にあるN未満2以上の任意の整数が選定され、かつ、
前記副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値が選定されていることが好ましい。
【0026】
1個のドットの形成後に(s−1)ドット分ずつドットの形成を禁止するようにすれば、1回の主走査中に、主走査方向にドットが隣接して形成されることがない。また、ドットピッチkを2以上とすれば、1回の主走査中に、副走査方向にもドットが隣接して形成されることがない。従って、ドットが隣接する場合に発生するドットの滲みを低減することができるので、さらに画質を向上させることができる。また、副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値を選定すれば、所望の記録領域を隙間無く埋めつくすように、ドットを形成していくことができる。
【0027】
上記記録装置において、前記1個のドットの形成後に(s−1)ドット分ずつドットの形成を禁止する間欠的記録モードの他に、
ドットの形成を禁止すること無く、主走査方向のすべてのドットの形成を許容する非間欠的記録モードを備えており、
前記主走査駆動手段は、
前記間欠的記録モードにおいて、前記非間欠的記録モードに比べてs倍の速度で前記記録ヘッドの主走査を行うことが好ましい。
【0028】
こうすれば、間欠的記録モードにおいて、記録ヘッドの走査速度を高めることができる。
【0029】
上記記録装置において、さらに、スキャン繰り返し回数sの値が異なる複数の記録モードの中から、一つの記録モードを選択する記録モード選択手段を備えることが好ましい。
【0030】
スキャン繰り返し回数sが大きいほど記録速度は大きくなるが、逆に、画質は劣化する。従って、スキャン繰り返し回数sが異なる複数の記録モードの中から1つを選択できるようにすれば、ユーザが、画質と記録速度のいずれを優先するかに応じて、所望の記録モードで記録を実行することができる。
【0034】
前記ヘッド駆動手段は、前記主走査の往路期間及び復路期間の双方において、前記ドット形成要素アレイを駆動する手段を備え、
前記副走査駆動手段が、前記往路期間及び前記復路期間の各々が終わる度に、前記副走査を一定距離だけ行なう手段を備えることが好ましい。
【0035】
こうすれば、往路と復路でそれぞれ記録を行えるので、記録速度をさらに高めることができる。
【0036】
本発明による記録方法は、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを用いて、記録媒体の表面に記録を行う方法において、
(a)前記記録ヘッドの主走査を行う工程と、
(b)前記主走査の最中に前記ドット形成要素アレイを駆動してドットの形成を行わせる工程と、
(c)前記主走査が終わる度に前記副走査を一定距離だけ行う工程と、を備え、
前記工程(b)は、
1回の主走査中に、主走査方向に沿って1個のドットの形成を許容した後に(s−1)ドット(sは2以上の所定の整数)分のドットの形成を禁止する間欠的なドット形成タイミングで各ドット形成要素に駆動信号を供給するとともに、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ前記N個のドットを主走査方向に沿って順次形成可能なように前記ドット形成要素アレイを駆動するとともに、
前記記録媒体上の所望の記録領域を複数のドットで埋めつくすことが可能なように、少なくとも一部の主走査において、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置をドットピッチの整数倍の単位で移動させるように調整し、
前記N個のドット形成要素の副走査方向におけるピッチは、記録画像のドットピッチのk倍(kは整数)に設定されており、
前記工程(b)は、さらに、
s回の主走査を最小サイクルとして、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置の前記調整を各最小サイクル毎に周期的に行うとともに、
各主走査時における記録位置の移動量として前記ドットピッチの0〜(s−1)倍のs種類の値を利用し、前記最小サイクルのs回の主走査において前記s種類の移動量による記録位置の調整をそれぞれ1回ずつ実行することを特徴とする。
また、前記整数sは、主走査方向の連続ラインを印刷するのに要する主走査の回数を示すスキャン繰り返し回数であり、また、
1回の副走査の前記一定距離を副走査ピッチL、前記N個の各ドットの中心点間距離を記録画像のドットピッチの倍数で表した値を要素ピッチk、及び、前記N個のドットに関して副走査方向に沿って測った単位距離当たりのドットの個数を要素密度Dとそれぞれ定義した時、
前記スキャン繰り返し回数sとして、N未満3以上の任意の整数が選定され、
前記要素ピッチkとして、N/sと互いに素の関係にあるN未満2以上の任意の整数が選定され、かつ、
前記副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値が選定されている。
【0037】
この記録方法によっても、上記記録装置と同様に、画質の向上と走査速度の増大の双方を実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例にかかるシリアルスキャン型のカラーインクジェットプリンタの主要部の機械的構成を示す概略斜視図である。このプリンタは、用紙スタッカ2と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ3と、プラテン板5と、印刷ヘッド15K,15CMYを保持するキャリッジ7と、ステップモータ9と、ステップモータ9によって駆動される牽引ベルト11と、キャリッジ7のためのガイドレール13とを備えている。
【0041】
印刷用紙1は、用紙スタッカ2から紙送りローラ3によって巻き取られて、プラテン板5の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ7は、ステップモータ9により駆動される牽引ベルト11に牽引されて、ガイドレール13に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0042】
キャリッジ7上には、黒(K)インクを有した印刷ヘッド15Kと、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のカラーインクを有した印刷ヘッド15CMYとが取付けられている。これらの印刷ヘッド15K、15CMYは、主走査方向に並べられている。尚、カラーインクの印刷ヘッド15CMYは、各色インク毎に別体の印刷ヘッドとして構成されてもよい。
【0043】
図2は、印刷ヘッド15K、15CMYにおけるインクジェットノズルの配列を示す説明図である。図2(A)に示すように、第1の印刷ヘッド15Kには、Kインクを噴射するノズルアレイ17Kが設けられている。また、第2の印刷ヘッド15CMYには、Cインク、Mインク及びYインクをそれぞれ噴射するノズルアレイ17C、17M、17Yが設けられている。これらの4つのノズルアレイ17K、17C、17M、17Yの副走査方向の位置は、互いに完全に一致している。また、4つのノズルアレイ17K、17C、17M、17Yは、この順に主走査方向に並べられている。
【0044】
ノズルアレイ17K、17C、17M、17Yの各々は、副走査方向に沿って一定のノズルピッチkで千鳥状に配列された多数のインクノズル191、192、…を備えている。なお、各ノズルアレイに含まれるインクノズル191、192、…は、千鳥状に配列されている必要はなく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図2(A)に示すように千鳥状に配列すれば、ノズルピッチkを小さく設定することができるという利点がある。
【0045】
図2(B)は、1つのノズルアレイによって形成される複数のドットの配列を示している。この実施例では、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関わらず、1つのノズルアレイによって形成される複数のドットは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶように、各ノズルに駆動信号が供給される。例えば、図2(A)のようにノズルアレイが千鳥状に配列されている場合において、図の右方向にノズルアレイ17Yが走査されてドットを形成していく場合を考える。この時、先行するノズル群192,194…は、後追するノズル群191,193…よりも、d/v[秒]だけ早いタイミングで駆動信号が与えられる。ここで、d[インチ]は、ノズルアレイ17Yにおける2つのノズル群の間のピッチ(図2(A)参照)であり、v[インチ/秒]は印刷ヘッド15CMYの走査速度である。
【0046】
ところで、この実施例では、走査方式として、主走査と副走査とを交互に繰り返す方式が採用される。即ち、単方向印刷の場合には、印刷ヘッド15K、15CMYが主走査方向に1回往復走行する間に、その往路でのみノズルアレイが駆動されて用紙1表面にドットを形成する。そして、各回の往復走行が終わる度に、用紙1が副走査方向に一定距離だけ送られる。一方、双方向印刷の場合には、印刷ヘッド15K、15CMYが主走査方向に1回往復走行する間に、その往路及び復路の双方でノズルアレイが駆動されてドットを形成する。そして、各回の往路の走行が終わる度、及び各回の復路走行が終わる度に、用紙1が一定距離だけ副走査方向に送られる。
【0047】
以下では、まず、この発明によるドット記録方式の種々の実施例について説明する。
【0048】
B.第1実施例:
図3は、第1実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。図3の上部に示す各パラメータは、従来技術において説明したものと同じ意味を有している。すなわち、ノズル個数Nはドットの形成に使用されるノズルの個数である。ノズルピッチk[個]は、ノズルアレイにおけるノズルの中心点間隔が、記録画像のピッチ(ドットピッチw)の何個分であるかを示している。スキャン繰り返し回数s[回]は、何回の主走査で各主走査ラインをドットで埋めつくすか、を示す回数である。ノズル密度D[個/インチ]は、ノズルアレイにおいて、1インチ当たり何個のノズルが配列されているかを示している。副走査ピッチL[インチ]は、1回の副走査で移動する距離を示している。ドットピッチw[インチ]は、記録画像におけるドットのピッチである。
【0049】
この発明においては、スキャン繰り返し回数sは、N未満2以上の任意の整数に設定される。また、ノズルピッチkは、N/sと互いに素の関係にあるN未満1以上の任意の整数に設定されるが、特に、N未満2以上の整数に設定することが好ましい。
【0050】
第1実施例は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sが共に偶数の場合である。具体的には、k=s=2である。また、ノズル個数Nは6である。N/s=3であり、この値はノズルピッチk(=2)と互いに素の関係にある。
【0051】
図3の例では、簡単のために、1つのノズルアレイに含まれる多数のノズルのうちで、6個のノズル191〜196のみを使用している。すなわち、ノズル個数Nは6である。このように、ノズル個数Nは、1つのノズルアレイに含まれるノズルの総数ではなく、ドットの形成に使用されるノズルの個数であるとして定義される。もちろん、ノズル個数Nは、同じ色のドットを形成するために使用されるノズルの個数である。従って、4色のドットを形成する場合には、全体として4N個のノズルが使用される。
【0052】
図3の左半分は、6回の主走査におけるノズルアレイの副走査位置を模式的に示している。また、丸の中の2桁の数字の中で、左側の数字はノズル番号を示し、右側の数字は記録順番(何回目の主走査か)を示している。図3の右半分は、6回の主走査で形成され得るドットの位置を示している。例えば、1回目の主走査では、61〜11の数字を含む丸の位置にドットが形成される。なお、図3の右半分において、「ダミードット」と記されている範囲は、ドットで埋めつくされることがないので、実際にはドットの形成が禁止される範囲を示している。ダミードットの範囲よりも下の範囲は、実際に記録を行える有効記録範囲(有効印刷範囲)である。
【0053】
図3から理解できるように、1回目の主走査では、6個のノズル191〜196のそれぞれは、主走査方向に1ドットの間隔で間欠的に駆動されて、1ドット置きに1ドットを形成する。スキャン繰り返し数sの定義から解るように、1本の主走査ライン上のすべてのドットは、s(=2)回の主走査によって記録される。従って、1回の主走査において、主走査方向に沿ってドットの形成が禁止される間隔は、(s−1)ドット分に相当する。すなわち、主走査方向に沿って1ドット形成した後に、(s−1)ドット分だけドットの形成が禁止され、次の1ドットが形成される。第1実施例では、s=2なので、ドットの形成が禁止される間隔は1ドット分である。
【0054】
1回目の主走査が終わると、副走査ピッチL[インチ]の距離だけ副走査が行われる。この発明では、副走査ピッチLは、次の(1)式を満たすように設定される。
L=N/(s・D・k) …(1)
【0055】
上述したように、1/(D・k)は、記録画像のドットピッチw[インチ]に等しい。従って、上記(1)式は、副走査ピッチLを、ドットピッチwのN/s倍に設定することを意味する。第1実施例ではN/s=3なので、副走査ピッチLは3wに等しい。
【0056】
2回目の主走査においては、N個のドットの記録位置を、ドットピッチwの整数倍の単位で主走査方向に沿って移動させるように調整している。図3の例では、2回目の主走査で記録されるドットの位置(62〜12の数字を含む丸の位置)が、1ドットピッチ分だけ右方向にずれている。
【0057】
図4は、第1実施例における各主走査のドットの記録開始位置を示す説明図である。ここでは、各主走査が図4の右方向に行われる単方向印刷の場合を考える。このとき、2回目の主走査における記録開始位置(丸内の数字が62の位置)は、1回目の主走査における記録開始位置(丸内の数字が61の位置)よりも、1ドットピッチ分だけ主走査方向に移動している。また、3回目の主走査における記録開始位置は、2回目と同じであり、4回目および5回目の主走査における記録開始位置は、1回目と同じである。
【0058】
図4において、太い矢印で示す記録開始位置の移動パターンが終了すると、これと同一の移動パターンが繰り返される。すなわち、1回目から4回目までの4回の主走査が、記録開始位置に関する1つのサイクルを構成しており、これ以降は同じ記録開始位置の調整が周期的に繰り返される。なお、1回の主走査の後には必ず副走査が行われるので、4回の副走査によって1サイクルが構成されていると見ることもできる。
【0059】
双方向印刷を行う場合にも、図4で示される記録位置の調整が使用できる。この場合には、副走査の度に主走査の方向(すなわち往路と復路)が交換されるので、往路と復路における記録位置がそれぞれ図4に示される位置にくるように、それぞれの記録位置が調整される。
【0060】
このように、第1実施例では、副走査ピッチLの距離だけ副走査を行い、また、この副走査の度に、N個のドットの主走査方向に沿った記録位置を、ドットピッチwの整数倍(0も含む)の単位で移動(シフト)させるように調整している。このような副走査送りと主走査記録位置の調整とは、有効記録領域(図3)をドットで埋めつくすことが可能なように設定されている。
【0061】
図3の右端に示されているように、主走査方向sドット×副走査方向kドット(図3では2×2)のサイズを有するドットマトリクスDM内のs×k個のドットは、s×k(=4)回の主走査によって形成される。このことは、ドットマトリクスDM内の各ドットの右側の数字(記録順番を示す)が、1〜4の異なる値であることから理解できる。有効記録領域は、このs×kドットマトリクスDMによって、タイル状に分割されている。また、ドットマトリクスDM内の各ドットは、異なるノズルによって形成されることも理解できる。すなわち、ドットマトリクスDM内のs×k個の各ドットは、異なる主走査時に異なるノズルによって形成される。
【0062】
このように、「ドットマトリクスDM内のs×k個の各ドットを異なる主走査時に異なるノズルによって形成するようにしている」ことは、図4に示す1サイクルの4回の走査が、s×k回の主走査を含むことと対応している。図4に示す第1実施例では、s=k=2なので、1サイクルは4回の主走査を含んでいる。さらに、この発明では、主走査方向の記録位置の移動量(調整量)は、0〜(s−1)・wのs種類であるという特徴がある。第1実施例では、s=2なので、主走査方向の記録位置の移動量は、0と、wとの2種類だけである。ここでは、1回目の主走査時と同じ記録位置を基準位置としており、その移動量を0としている。また、この発明では、1サイクルの間に、s種類の移動量の調整が、それぞれk回ずつ行われるという特徴もある。図4の場合には、移動量0の調整が2回、移動量wの調整が2回行われている。
【0063】
図5は、第1実施例において1回目の主走査時に形成されるドットと、2回目の主走査時に形成されるドットをそれぞれ別個に描いた説明図である。図5(A)は、1回目の主走査時に形成されるドット(61〜11)を示し、図5(B)は2回目の主走査時に形成されるドット(62〜12)を示す。図5(B)において、斜線を付したドットは、1回目の主走査時に形成されたものである。この発明においては、1回の主走査の間では、N個のドットは副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成される。従って、1回の主走査では、ドットが形成される位置に対応した周波数を有する駆動信号Sdot でノズルアレイを駆動すればよい。図5(B)の下端に示す駆動信号Sdot'は、従来のシングリング方式を採用した場合の駆動信号である。図23においても説明したように、従来のシングリング方式では、例えば、図5(A)に示す1回目の主走査時の記録ドットと図5(B)に示す2回目の主走査時の記録ドットとが1回の主走査の間に両方とも形成される。従って、このような従来のシングリング方式におけるノズルアレイの駆動信号Sdot'は、第1実施例における駆動信号Sdot の2倍の周波数を有する必要がある。
【0064】
このように、この発明では、1回の主走査の間において、N個のドットを副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成しているので、従来のシングリング方式に比べて低い駆動周波数でノズルアレイを駆動すればよい。後述するように、コンピュータシステムのプリンタドライバは、ノズルアレイのオン/オフを制御するための印刷データを作成し、プリンタにその印刷データを供給する処理を行う。この印刷データは、プリンタの駆動周波数に対応した転送速度でプリンタに供給される。この発明においては、ドットが形成されない位置のデータは、プリンタに供給する必要がないので、1回の主走査では、(s−1)ドット置きのドット形成位置のデータのみを転送すればよいことになる。例えば、s=2の場合には、ある主走査では偶数列の印刷データのみを転送すればよく、他の主走査では奇数列の印刷データのみを転送すればよい。従って、プリンタドライバも、その主走査ライン上のすべての印刷データを作成する必要は無く、ドットが形成される位置の印刷データを形成すれば済み、その処理時間が短くなるという利点がある。
【0065】
上述したように、この発明では、従来に比べてノズルアレイの駆動周波数が低くてすみ、また、印刷データの転送速度も遅くてよい。ところで、プリンタのキャリッジ速度は、ノズルアレイの駆動周波数や、プリンタへのデータ転送速度が律速となっていることが多い。このような場合にも、この発明によれば、キャリッジ15の走査速度を従来よりも高めることが可能である。また、キャリッジ速度が従来と同一の場合には、駆動信号周波数や印刷データの転送速度を、従来よりも低下させることが可能である。なお、プリンタの運転モードとしては、(s−1)ドットおきに1ドットの記録を行う間欠的記録モードのみでなく、ドットを飛び越すこと無しに主走査ライン上のすべてのドットを順次形成していく非間欠的記録モードも備えている。(s−1)ドットおきの間欠的記録モードは、非間欠的記録モードに比べて、s倍のキャリッジ速度で主走査を行うことが可能である。
【0066】
C.第2実施例:
図6は、第2実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。第2実施例は、ノズルピッチkが偶数で、スキャン繰り返し数sが奇数の場合である。具体的には、k=2,s=3である。また、ノズル個数Nは9である。N/s=3であり、この値はノズルピッチkと互いに素の関係にある。
【0067】
1回の主走査では、9個のノズルのそれぞれは、主走査方向に2ドットの間隔で間欠的に駆動されて、2ドット置きに1ドットを形成する。すなわち、主走査方向に沿って1ドット形成した後に、(s−1)=2ドット分だけドットの形成が禁止されて、次の1ドットが形成される。
【0068】
図6の右端に示されているように、ドットマトリクスDM内のs×k(=3×2)個のドットは、異なる主走査時に異なるノズルによって形成される。
【0069】
図7は、第2実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を示す説明図である。第2実施例では、副走査ピッチLは3w(wはドットピッチ)となる。2回目の主走査における記録開始位置(丸内の数字92の位置)は、1回目の主走査における記録開始位置(丸内の数字91の位置)よりも、1ドットピッチ分だけ主走査方向に移動している。また、3回目の走査における記録開始位置は、2回目の走査よりもさらに1ドットピッチ分だけ主走査方向に移動している。4回目の走査における記録開始位置は、1回目と同じである。また、5回目、6回目の走査における記録開始位置は、2回目、3回目とそれぞれ同じである。こうして、太い矢印で示すs×k=6回の記録開始位置の移動パターンが、1サイクルを構成している。すなわち、第2実施例では、6回の主走査を1サイクルとしており、主走査方向に沿った記録開始位置の調整が、各サイクル毎に周期的に繰り返される。
【0070】
前述したように、この発明では、各主走査時における記録位置の移動量は、0〜(s−1)・w(wはドットピッチ)のs種類である。また、1サイクルの間に、s種類の移動量の調整がそれぞれk回行われる。第2実施例では、s=3,k=2なので、主走査方向の移動量は、0と、wと、2wの3種類であり、1サイクルの間にこれらの移動量の調整がそれぞれ2回ずつ行われている。
【0071】
なお、図7の例では、1回目から3回目までの走査時の記録開始位置が、4回目から6回目までの走査時の記録開始位置と同じである。すなわち、第2実施例では、3回の走査が最小のサイクルを構成しており、この最小サイクルが周期的に繰り返されるものと考えることもできる。しかし、この場合にも、s×k回の主走査が1サイクルを構成していることには変わりがない。この1サイクルにおけるs×k個の記録開始位置は、その順番を任意に変更することが可能である。例えば、2回目の主走査の記録開始位置(基準位置からwだけ移動した位置)と、3回目の主走査の記録開始位置(基準位置から2wだけ移動した位置)とを交換することもできる。このような場合には、3回の主走査で1つの最小サイクルを構成することはならないが、s×k回の主走査によって1サイクルが構成されることには変わりがない。
【0072】
なお、第2実施例においても、1回の主走査の間において、N個のドットを副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成している。従って、第1実施例について図5で説明した場合と同様に、キャリッジ15の走査速度を高速化することが可能である。
【0073】
また、第2実施例においても、第1実施例と同様に、双方向印刷を行うことが可能であり、また、複数色のインクを用いたカラー印刷にも適用できる。
【0074】
D.第3実施例:
図8は、第3実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。第3実施例は、ノズルピッチkが奇数で、スキャン繰り返し数sが偶数の場合である。具体的には、k=3,s=2である。また、ノズル個数Nは8である。N/s=4であり、この値はノズルピッチkと互いに素の関係にある。
【0075】
1回の主走査では、8個のノズルのそれぞれは、主走査方向に1ドットの間隔で間欠的に駆動されて、1ドット置きに1ドットを形成する。すなわち、主走査方向に沿って1ドット形成した後に、(s−1)=1ドット分だけドットの形成が禁止されて、次の1ドットが形成される。
【0076】
図8の下部右端に示されているように、ドットマトリクスDM内のs×k(=2×3)個のドットは、異なる主走査時に異なるノズルによって形成される。
【0077】
図9は、第3実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を示す説明図である。第3実施例では、副走査ピッチLは4w(wはドットピッチ)となる。この第3実施例では、偶数回目の主走査における記録開始位置(丸の中の数字が82、84、86の位置)は、1回目の主走査における記録開始位置(丸の中の数字が81の位置)よりも、1ドットピッチ分だけ主走査方向に移動している。また、奇数回目の走査における記録開始位置(丸の中の数字が83、85、87の位置)は、1回目の主走査と同じである。すなわち、第3実施例では、2回の走査によって、記録開始位置の移動パターンの最小サイクルが構成されている。但し、太い矢印で示すs×k=6回の主走査の移動パターンが、1サイクルを構成していることには変わりがない。すなわち、第3実施例では、6回の主走査を1サイクルとしており、主走査方向に沿った記録開始位置の移動が、各サイクル毎に周期的に繰り返される。
【0078】
前述したように、この発明では、各副走査時における主走査方向に沿った記録位置の移動量は、0〜(s−1)・w(wはドットピッチ)のs種類である。また、1サイクルの間に、s種類の移動量の調整がそれぞれk回行われる。第3実施例では、s=2,k=3なので、主走査方向の移動量は、0と、wの2種類であり、1サイクルの間にこれらの移動量の調整がそれぞれ3回ずつ行われている。
【0079】
なお、第3実施例においても、1回の主走査の間において、N個のドットを副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成している。従って、第1実施例について図5で説明した場合と同様に、キャリッジ15の走査速度を高速化することが可能である。
【0080】
また、第3実施例においても、第1実施例と同様に、双方向印刷を行うことが可能であり、また、複数色のインクを用いたカラー印刷にも適用できる。
【0081】
E.第4実施例:
図10は、第4実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。第4実施例は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sが共に奇数の場合である。具体的には、k=3,s=3である。また、ノズル個数Nは12である。N/s=4であり、この値はノズルピッチkと互いに素の関係にある。
【0082】
1回の主走査では、12個のノズルのそれぞれは、主走査方向に2ドットの間隔で間欠的に駆動されて、2ドット置きに1ドットを形成する。すなわち、主走査方向に沿って1ドット形成した後に、(s−1)=2ドット分だけドットの形成が禁止されて、次の1ドットが形成される。なお、図10の左半分において、一部のノズルが図示の便宜上省略されている。
【0083】
図10の右端に示されているように、ドットマトリクスDM内のs×k(=3×3)個のドットは、異なる主走査時に異なるノズルによって形成される。
【0084】
図11は、第4実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を抽出して示す説明図である。第4実施例では、副走査ピッチLは4w(wはドットピッチ)となる。また、第4実施例では、太い矢印で示すs×k=9回の主走査が、1サイクルを構成している。すなわち、第4実施例では、9回の主走査を1サイクルとしており、主走査方向に沿った記録開始位置の移動が、各サイクル毎に周期的に繰り返される。
【0085】
前述したように、この発明では、各副走査時における主走査方向に沿った記録位置の移動量は、0〜(s−1)・w(wはドットピッチ)のs種類である。また、1サイクルの間に、s種類の移動量の調整がそれぞれk回行われる。第4実施例では、s=3,k=3なので、主走査方向の移動量は、0と、wと、2wの3種類であり、1サイクルの間にこれらの移動量の調整がそれぞれ3回ずつ行われている。
【0086】
なお、第4実施例においても、1回の主走査の間において、N個のドットを副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成している。従って、第1実施例について図5で説明した場合と同様に、キャリッジ15の走査速度を高速化することが可能である。
【0087】
また、第4実施例においても、第1実施例と同様に、双方向印刷を行うことが可能であり、また、複数色のインクを用いたカラー印刷にも適用できる。
【0088】
F.第5実施例:
図12は、第5実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。また、図13は、第5実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を示す説明図である。この第5実施例は、前述した第3実施例とほぼ同様であり、主走査方向に沿った移動パターンが異なるだけである。
【0089】
図13から解るように、第5実施例では、k(=3)回の主走査の間は、主走査方向の記録位置を一定に保ち、k回の主走査が終了した後に、記録位置の調整を行っている。そして、その後のK回の主走査は、主走査方向の記録位置を同一に保っている。換言すれば、第5実施例では、k回の主走査毎に、主走査方向の記録位置の調整を行っている。これは、前述した第1ないし第4実施例において、このような規則性が無かったことと異なる点である。
【0090】
第5実施例では、第1ないし第4実施例よりも、記録位置の調整が少なくて済むという利点がある。しかし、第5実施例では、連続した2回の主走査の間に形成されるドットが、上下に隣接する可能性が高くなる。これに対して、例えば、第3実施例のように、1回の主走査毎(すなわち1回の副走査毎に)に、主走査方向の記録位置の調整を行うようにすれば、連続した2回の主走査で形成されるドットが上下に隣接することがない。従って、ドットの隣接によって滲みが発生する可能性が少ないという利点がある。なお、1回の主走査毎に主走査方向の記録位置の移動を行う場合においても、この記録位置の移動は、少なくとも各サイクルの中において行えばよく、或るサイクルの最後の主走査と次のサイクルの最初の主走査との間では、主走査方向の記録位置の移動を行わなくても良い。
【0091】
図14は、第5実施例における主走査方向の記録位置の調整手順を示すフローチャートである。ステップT1では、まず主走査を1回実行する。ステップT2では、スキャン回数(主走査回数)をノズルピッチkで除算した答えの余りが0であるか否かを判断する。余りが0でなければステップT1に戻り、次の主走査を行う。もちろん、この主走査の前に副走査が行われる。一方、ステップT2において、余りが0ならば、k回の主走査を行ったことになるので、ステップT3において、主走査方向の記録位置の調整を実行する。次のステップT4では、スキャン回数を(k・s)で除算した答えの余りが0であるか否かを判断する。余りが0でなければ、ステップT1に戻り、次の主走査を行う。一方、ステップT4で余りが0ならば、k×s回の主走査で構成されている1サイクルが終了したことになるので、ステップT5において、主走査方向の記録位置の調整がリセットされて、最初の基準位置に戻る。ステップT6では、印刷処理が終了したか否かが判断され、終了していなければ、ステップT1に戻る。こうして、ステップT1〜T6が繰り返されることによって、印刷が完了する。
【0092】
G.第6実施例:
図15は、第6実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を示す説明図である。第6実施例は、実際のインクジェットプリンタに適用した好適な実施例である。ノズルピッチkは8、スキャン繰り返し数sは2であり、ノズル個数Nは30である。また、N/s=15であり、この値はノズルピッチkと互いに素の関係にある。副走査ピッチLは、ドットピッチwの15倍である。図15に示されているように、ドット密度Dを90[ドット/インチ]とすると、副走査ピッチLは15/720[インチ]となり、また、ドットピッチwは1/720[インチ]となる。すなわち、第6実施例は、720[dpi]の記録密度を達成している。なお、第6実施例によって形成されるドットパターン(図3に相当するもの)は、図示の便宜上省略する。
【0093】
図15から解るように、第6実施例では、上述した第5実施例と同様に、k(=8)回の主走査の間は、主走査方向の記録位置を一定に保ち、次の副走査で記録位置の調整を行う。そして、その後のK回の主走査は、主走査方向の記録位置を同一に保っている。換言すれば、k回の主走査毎に、主走査方向の記録位置の調整を行っている。そして、s×k(=16)回の主走査によって、1サイクルが構成されており、主走査方向に沿った記録開始位置の移動が、各サイクル毎に周期的に繰り返されている。
【0094】
H.第7実施例:
図16は、第7実施例におけるドット記録方式を示す説明図である。第7実施例は、ノズルピッチkが1である点で、上述した第1ないし第6実施例とは異なっている。スキャン繰り返し数sは2であり、ノズル個数Nは4である。N/s=2である。ノズルピッチkは1であるが、この場合にも、N/sの値とノズルピッチkとは互いに素の関係にあると言うことができる。
【0095】
1回の主走査では、4個のノズルのそれぞれは、主走査方向に1ドットの間隔で間欠的に駆動されて、1ドット置きに1ドットを形成する。図16の右端に示されているように、ドットマトリクスDM内のs×k(=2×1)個のドットは、異なる主走査時に異なるノズルによって形成される。
【0096】
図17は、第7実施例において、各主走査で形成されるドットの記録開始位置を示す説明図である。第7実施例では、副走査ピッチLは2w(wはドットピッチ)となる。また、第7実施例では、太い矢印で示すs×k=2回の主走査の移動パターンが、1サイクルを構成している。すなわち、第7実施例では、2回の主走査を1サイクルとしており、主走査方向に沿った記録開始位置の移動が、各サイクル毎に周期的に繰り返される。
【0097】
なお、第7実施例においても、1回の主走査の間において、N個のドットを副走査方向に沿ったほぼ一直線上に並ぶように形成している。従って、第1実施例について図5で説明した場合と同様に、キャリッジ15の走査速度を高速化することが可能である。但し、第7実施例では、N個のドットが互いに隣接して形成される。従って、隣接したドット同士が干渉して滲む可能性がある。この意味では、上述した第1ないし第6実施例のように、副走査方向に並ぶN個のドットが互いに離間している(すなわち、少なくとも1ドット以上の一定間隔で配列されている)ことが好ましい。この場合には、ドットピッチkは、N未満2以上の任意の整数の中から選択される。
【0098】
なお、第7実施例においても、第1実施例と同様に、双方向印刷を行うことが可能であり、また、複数色のインクを用いたカラー印刷にも適用できる。
【0099】
上記の種々の実施例の説明から理解できるように、この発明によれば、キャリッジ15の走査速度を高速化することが可能である。スキャン繰り返し回数sは、2以上N未満の任意の整数に設定できる。スキャン繰り返し回数sが多いほど、ヘッドの特性のばらつきによる画像のムラが解消されるので、画質を向上させることができる。一方、スキャン繰り返し回数sが少ないほど、記録速度は向上する。従って、実際のスキャン繰り返し回数sは、画質と記録速度のバランスに応じた適切な値に設定される。スキャン繰り返し回数sは、N未満2以上の任意の整数の中から選択できるが、2〜4回に設定することが好ましく、s=2が特に好ましい。
【0100】
なお、上述の実施例のような複数の記録モードの選択肢をプリンタドライバの設定として予め登録しておき、ユーザが、その中から選択できるようにすることも可能である。例えば、スキャン繰り返し回数sの大きな高画質モード(例えばs=2,N=6,k=2)と、スキャン繰り返し回数sの小さな高速モード(例えばs=1,N=7,k=2)を予め選択可能にしておくようにしてもよい。こうすれば、画質優先か速度優先かに応じて、所望の記録モード(印刷モード)をユーザが選択することができる。
【0101】
I.プリンタの内部構成と動作:
図18は、プリンタの内部構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ51のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モードに基づいて、上述のような各種のパラメータ値を決定する。プリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタに転送する。例えば、スキャン繰り返し回数sが2の場合には、1回の主走査のために、N本の各主走査ライン上の1ドット置きの各記録位置において、それぞれのドットを形成すべきか否かを示す印刷データがプリンタドライバによって順次生成され、プリンタに転送される。なお、プリンタドライバによる画像データの処理手順については後述する。転送された印刷データは一旦、受信バッファメモリ53に蓄えられる。
【0102】
プリンタ内では、システムコントローラ55が、受信バッファメモリ53から印刷データを読込み、これに基づいて、主走査駆動ドライバ57、副走査駆動ドライバ61及びヘッド駆動ドライバ69に対して制御信号を送る。
【0103】
ゲートアレイ65は、受信バッファメモリ53から印刷データを読込み、これを基にK、C、M、Y各色のイメージデータを作成して各色用のイメージバッファ67に書込む。そして、ヘッド駆動ドライバ65が、システムコントローラ55からの制御信号に従って、イメージバッファ67から各色イメージデータを読出し、これに応じて各色ノズルアレイ17K、17C、17M、17Yを駆動する。各色のイメージデータは、前述した図5に示す駆動信号Sdot に相当する。主走査駆動ドライバ57及び副走査駆動ドライバ61は、システムコントローラ55からの制御信号に従って、キャリッジモータ59及び紙送りモータ63をそれぞれ駆動する。
【0104】
なお、図18のヘッド駆動ドライバ69は、この発明におけるヘッド駆動手段に相当する。なお、ヘッド駆動ドライバ69は、ドットを間欠的に形成するようにドットアレイを駆動する間欠駆動手段としての機能と、記録位置を主走査方向に沿って調整する記録位置調整手段としての機能も有している。主走査駆動ドライバ57とキャリッジモータ59は、この発明における主走査駆動手段に相当する。また、副走査駆動ドライバ61と紙送りモータ63は、この発明における副走査駆動手段に相当する。
【0105】
図19は、印刷動作の流れを示すフローチャートである。まず、ホストコンピュータ51のプリンタドライバが、ユーザの指定した印刷モードに従って画像データを処理し(S1)、処理結果の印刷データをプリンタの受信バッファ53に転送する(S2)。プリンタでは、ゲートアレイ65が受信バッファ53から印刷データを読込み(S3)、これを基にK、C、M、Y各色の印刷用のイメージデータを作成してイメージバッファに書込む(S4)。次にシステムコントローラ55による制御の下で、キャリッジモータ59、紙送りモータ63及び各色ノズルアレイ17K、17C、17M、17Yが駆動されて印刷が実行される(S5)。
【0106】
以上の動作が、印刷が完了するまで繰り返され、印刷が完了すると(S6)、ホストコンピュータ51において、ユーザより印刷モードの変更が入力されたか否かをチェックする(S7)。変更がなければ処理を終了し、変更があれば変更後の印刷モードで上記の一連の処理を再実行する。
【0107】
図20は、ホストコンピュータ51のプリンタドライバによる画像データ処理(図19のステップS1)の流れを示すフローチャートである。なお、プリンタドライバは、画像データから、プリンタを駆動するための印刷データを作成してプリンタに供給する印刷データ作成手段としての機能を有するコンピュータプログラムである。まず、ユーザからの印刷モードの選択を受付け(S11)、選択された印刷モードに応じて、スキャン繰り返し回数s等の上述した各種のパラメータを含む印刷パラメータ値を決定する(S12)。次に、必要に応じてスケーリング処理を行う、つまり、アプリケーションが作成した元の画像データを、選択された印刷モードにおいて設定された解像度の画像データに変換する(S13)。
【0108】
次に、インクリダクション処理を行う。インクリダクション処理とは、ユーザの選択した印刷用紙の種類に応じて、その用紙上のインク受容量の制約に基づき、画像データに対してデューティ制限を加える処理である(S14)。次に、その画像データ(一般に、RGB表現で各色256階調)に色補正及び2値化処理を行い、CMY表現の2値化データに変換することによって、印刷データを生成する(S15)。
【0109】
次に、以上の処理を終えた印刷データが最適か否かをチェックし(S16)、最適でなければ再度印刷モードの選択から処理をやり直し、最適であれば、印刷モードに応じた各色ドット形成の順序に適合するように印刷データを並び変えて(S17)、画像データ処理を終了する。
【0110】
図21は、システムコントローラ55の制御の下で行われる走査及び印刷の処理(図19のステップS5)の流れを示すフローチャート。まず、最初の印刷行から印刷を開始できるように印刷ヘッドと印刷用紙との位置合せを行う(S21)。次に、イメージバッファ67から各色のイメージデータ(印刷データ)を読込み(S22)、そして、キャリッジを走行させつつそのイメージデータに従って各色ノズルを駆動して印刷を行う(S23)。主走査が終わると、印刷用紙を副走査ピッチLだけ移動させる(S24)。1ページの印刷が終了するまで、ステップS22からS24を繰り返す。
【0111】
以上の処理を前ページの印刷が完了するまで繰り返し、完了すると(S25)、以上の走査及び印刷処理を終了する。
【0112】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0113】
(1)この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドットで表現することにより多階調を表現する印刷にも適用できる。また、ドラムスキャンプリンタにも適用できる。尚、ドラムスキャンプリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、N個のドット形成要素アレイを有する記録ヘッドが、記録媒体の表面を主走査及び副走査することにより記録媒体の表面に記録を行う記録装置に適用することができる。ここで、「ドット形成要素」とは、インクジェットプリンタにおけるインクノズルのように、ドットを形成するための構成要素を意味する。
【0114】
(2)上記の各実施例では、副走査方向に並ぶN個のノズルのそれぞれが、主走査方向に(s−1)ドットの間隔で間欠的に駆動されており、この結果、(s−1)ドット置きに1ドットが形成されていた。すなわち、主走査方向に沿って、1ドットの形成を許容した後に、(s−1)ドット分だけドットの形成が禁止されていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるシリアルスキャン型のカラーインクジェットプリンタの主要部の機械的構成を示す概略斜視図。
【図2】印刷ヘッド15K、15CMYにおけるインクジェットノズルの配列を示す説明図。
【図3】第1実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図4】第1実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図5】第1実施例において1回目の主走査時に形成されるドットと2回目の主走査時に形成されるドットをそれぞれ別個に描いた説明図。
【図6】第2実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図7】第2実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図8】第3実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図9】第3実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図10】第4実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図11】第4実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図12】第5実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図13】第5実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図14】第5実施例における主走査方向の記録位置の調整手順を示すフローチャート。
【図15】第6実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図16】第7実施例におけるドット記録方式を示す説明図。
【図17】第7実施例における各主走査時のドットの記録開始位置を示す説明図。
【図18】プリンタの内部構成を示すブロック図。
【図19】全体の印刷動作の流れを示すフローチャート。
【図20】ホストコンピュータ51のプリンタドライバによる画像データ処理の流れを示すフローチャート。
【図21】システムコントローラ55の制御の下で行われる走査及び印刷の処理の流れを示すフローチャート。
【図22】従来のインターレース記録方式の一例を示す説明図。
【図23】従来のシングリング記録方式の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…印刷用紙
2…用紙スタッカ
3…紙送りローラ
5…プラテン板
7…キャリッジ
9…モータ
11…牽引ベルト
13…ガイドレール
15…キャリッジ
15K,15CMY…印刷ヘッド
17C,17M,17Y,17K…ノズルアレイ
51…ホストコンピュータ
53…受信バッファ
55…システムコントローラ
57…主走査駆動ドライバ
59…キャリッジモータ
61…副走査駆動ドライバ
63…紙送りモータ
65…ゲートアレイ
65…ヘッド駆動ドライバ
67…イメージバッファ
69…ヘッド駆動ドライバ
191〜196…インクノズル
Claims (8)
- 記録ヘッドが記録媒体の表面を主走査及び副走査することにより前記記録媒体の表面に記録を行う装置において、
前記記録ヘッドの前記記録媒体に対面する箇所に、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイと、
前記記録ヘッドの主走査を行う主走査駆動手段と、
前記ドット形成要素アレイを駆動するための印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
前記印刷データに従って前記主走査の最中に前記ドット形成要素アレイを駆動してドットの形成を行わせるヘッド駆動手段と、
前記主走査が終わる度に前記副走査を一定距離だけ行う副走査駆動手段とを備え、
前記ヘッド駆動手段は、
1回の主走査中に、主走査方向に沿って1個のドットの形成を許容した後に(s−1)ドット(sは2以上の所定の整数)分のドットの形成を禁止する間欠的なドット形成タイミングで各ドット形成要素に駆動信号を供給するとともに、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ前記N個のドットを主走査方向に沿って順次形成可能なように前記ドット形成要素アレイを駆動する間欠駆動手段と、
前記記録媒体上の所望の記録領域を複数のドットで埋めつくすことが可能なように、少なくとも一部の主走査において、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置をドットピッチの整数倍の単位で移動させるように調整する記録位置調整手段と、
を備え、
前記N個のドット形成要素の副走査方向におけるピッチは、記録画像のドットピッチのk倍(kは整数)に設定されており、
前記記録位置調整手段は、
s回の主走査を最小サイクルとして、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置の前記調整を各最小サイクル毎に周期的に行うとともに、
各主走査時における記録位置の移動量として前記ドットピッチの0〜(s−1)倍のs種類の値を利用し、前記最小サイクルのs回の主走査において前記s種類の移動量による記録位置の調整をそれぞれ1回ずつ実行し、
前記整数sは、主走査方向の連続ラインを印刷するのに要する主走査の回数を示すスキャン繰り返し回数であり、また、
1回の副走査の前記一定距離を副走査ピッチL、前記N個の各ドットの中心点間距離を記録画像のドットピッチの倍数で表した値を要素ピッチk、及び、前記N個のドットに関して副走査方向に沿って測った単位距離当たりのドットの個数を要素密度Dとそれぞれ定義した時、
前記スキャン繰り返し回数sとして、N未満3以上の任意の整数が選定され、
前記要素ピッチkとして、N/sと互いに素の関係にあるN未満2以上の任意の整数が選定され、かつ、
前記副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値が選定されている、記録装置。 - 請求項1記載の記録装置であって、
前記1個のドットの形成後に(s−1)ドット分ずつドットの形成を禁止する間欠的記録モードの他に、
ドットの形成を禁止すること無く、主走査方向のすべてのドットの形成を許容する非間欠的記録モードを備えており、
前記主走査駆動手段は、
前記間欠的記録モードにおいて、前記非間欠的記録モードに比べてs倍の速度で前記記録ヘッドの主走査を行う、記録装置。 - 請求項2記載の記録装置であって、さらに、
前記スキャン繰り返し回数sの値が異なる複数の記録モードの中から、一つの記録モードを選択する記録モード選択手段を備える、記録装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置であって、
前記ヘッド駆動手段が、前記主走査の往路期間及び復路期間の双方において、前記ドット形成要素アレイを駆動する手段を備え、
前記副走査駆動手段が、前記往路期間及び前記復路期間の各々が終わる度に、前記副走査を一定距離だけ行なう手段を備える、記録装置。 - 副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色のN個(Nは2以上の整数)のドットを形成するためのN個のドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを用いて、記録媒体の表面に記録を行う方法において、
(a)前記記録ヘッドの主走査を行う工程と、
(b)前記主走査の最中に前記ドット形成要素アレイを駆動してドットの形成を行わせる工程と、
(c)前記主走査が終わる度に前記副走査を一定距離だけ行う工程と、を備え、
前記工程(b)は、
1回の主走査中に、主走査方向に沿って1個のドットの形成を許容した後に(s−1)ドット(sは2以上の所定の整数)分のドットの形成を禁止する間欠的なドット形成タイミングで各ドット形成要素に駆動信号を供給するとともに、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶ前記N個のドットを主走査方向に沿って順次形成可能なように前記ドット形成要素アレイを駆動するとともに、
前記記録媒体上の所望の記録領域を複数のドットで埋めつくすことが可能なように、少なくとも一部の主走査において、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置をドットピッチの整数倍の単位で移動させるように調整し、
前記N個のドット形成要素の副走査方向におけるピッチは、記録画像のドットピッチのk倍(kは整数)に設定されており、
前記工程(b)は、さらに、
s回の主走査を最小サイクルとして、前記N個のドットの主走査方向に沿った記録位置の前記調整を各最小サイクル毎に周期的に行うとともに、
各主走査時における記録位置の移動量として前記ドットピッチの0〜(s−1)倍のs種類の値を利用し、前記最小サイクルのs回の主走査において前記s種類の移動量による記録位置の調整をそれぞれ1回ずつ実行し、
前記整数sは、主走査方向の連続ラインを印刷するのに要する主走査の回数を示すスキャン繰り返し回数であり、また、
1回の副走査の前記一定距離を副走査ピッチL、前記N個の各ドットの中心点間距離を記録画像のドットピッチの倍数で表した値を要素ピッチk、及び、前記N個のドットに関して副走査方向に沿って測った単位距離当たりのドットの個数を要素密度Dとそれぞれ定義した時、
前記スキャン繰り返し回数sとして、N未満3以上の任意の整数が選定され、
前記要素ピッチkとして、N/sと互いに素の関係にあるN未満2以上の任意の整数が選定され、かつ、
前記副走査ピッチLとして、L=N/(s・D・k)なる関係式を満たす値が選定されている、記録方法。 - 請求項5記載の記録方法であって、
前記1個のドットの形成後に(s−1)ドット分ずつドットの形成を禁止する間欠的記録モードの他に、
ドットの形成を禁止すること無く、主走査方向のすべてのドットの形成を許容する非間欠的記録モードを備えており、
前記工程(a)は、
前記間欠的記録モードにおいて、前記非間欠的記録モードに比べてs倍の速度で前記記録ヘッドの主走査を行う、記録方法。 - 請求項6記載の記録方法であって、さらに、
前記スキャン繰り返し回数sの値が異なる複数の記録モードの中から、一つの記録モードを選択する工程、を備える記録方法。 - 請求項5ないし7のいずれかに記載の記録方法であって、
前記工程(b)は、前記主走査の往路期間及び復路期間の双方において、前記ドット形成要素アレイを駆動するとともに、
前記工程(c)は、前記往路期間及び前記復路期間の各々が終わる度に、前記副走査を一定距離だけ行なう、記録方法。
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