JP4158043B2 - インサート成形装置並びにインサート成形方法 - Google Patents

インサート成形装置並びにインサート成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、インサート成形装置並びにそれを用いたインサート成形方法に関する。
従来、金型により形成したキャビティにインサートを収容した状態で成形を行うインサート成形が知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなインサート成形では、型開された金型のキャビティ形成部分へインサートを搬送してセットするために、人手又は成形装置とは別の搬送装置が用いられている。
特開2004−98323号公報
上述のように人手又は搬送装置によってインサートを搬送する場合、その搬送と金型の駆動とが別々に行われるため、生産効率が悪い。さらに、人手又は搬送装置によってインサートを搬送する場合、その搬送が完了するまで金型の型閉駆動が待たれるが、人又は搬送装置と金型との干渉を避けるには、そうした待ち時間を長く取る必要があるため、生産効率がさらに悪化する。しかも、人手によってインサートを搬送する場合、人件費が嵩み、また搬送装置によってインサートを搬送する場合、搬送装置と成形装置との作動タイミングを制御するシステムを構築する必要があるため、それらいずれの場合でもコストが高騰する。
また、上述のようにインサートを型開状態の金型にセットする場合、当該セット後の金型の型閉駆動時にインサートのセット位置がずれ、金型が破損したり、製品品質が低下するという問題が生じてしまう。
以上説明した問題に鑑み、本発明は、生産効率を向上し、コストを低減するインサート成形装置並びにインサート成形方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、製品品質を向上するインサート成形装置並びにインサート成形方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によると、第一型体、第二型体、プッシャー及び貫通孔を有する金型が用いられる。ここでプッシャーは、型閉駆動時における第一型体の第二型体に対する相対移動方向(以下、第一型体の相対移動方向という)へ第一型体の第二型体との型合わせ面から突出している。また、貫通孔は、第二型体に形成されて第一型体の相対移動方向に沿って延び、第二型体の第一型体との型合わせ面と金型のキャビティとの間を接続している。このようなプッシャー及び貫通孔の採用により、型開閉手段による金型の型閉駆動時には、貫通孔に供給されたインサートをプッシャーが第一型体の相対移動方向へ押圧することで、当該インサートが貫通孔内をキャビティへ向かって搬送される。これにより、金型の型閉駆動と同時にインサートをキャビティまで搬送することが可能となるので、生産効率が向上する。また、金型に設けられたプッシャーの作用によってインサートが搬送されるので、金型の型閉駆動を制御するだけでインサートの搬送も制御できる。そのため、金型の駆動制御並びにインサートの搬送制御に関わるコストが低減する。
尚、第一型体と第二型体とは、位置固定された一方に対して他方が接近移動並びに離間移動するものであってもよいし、双方が互いに接近移動並びに離間移動するものであってもよい。
また、第二型体は、一部材で構成されていてもよいし、複数部材の複合体で構成されていてもよい。
請求項2に記載の発明によると、貫通孔は、金型の型閉駆動時にインサートが嵌入して摺動する形状に形成されるので、インサートを貫通孔の内壁によって案内することができる。これにより、インサートをその姿勢を保ったままキャビティまで搬送することが可能となるので、製品品質が向上する。
請求項3に記載の発明によると、貫通孔は、金型の型閉駆動時にプッシャーが嵌入して摺動する形状に形成されるので、プッシャーを貫通孔の内壁によって案内することができる。これによりプッシャーの動きが安定するので、金型のスムーズな型閉が実現される。
請求項4に記載の発明によると、金型の型閉駆動の完了後に貫通孔は、インサート及びプッシャーの少なくとも一方により閉塞される。これにより、キャビティに充填される成形原料が貫通孔を通じて外部へ漏出することを防止できる。
請求項5に記載の発明によると、金型の型閉駆動時にプッシャーは、その突出側端部によりインサートに嵌合して当該インサートを押圧する。これにより、インサートをその姿勢を保ったままキャビティまで搬送することが可能となるので、製品品質が向上する。
請求項6に記載の発明によると、プッシャーの突出側端部は、その最先端へ向かうに従い階段状に縮径する段付部を形成しており、型閉駆動時において、段付部の小径側はインサートの孔部に嵌入し、段付部の大径側はインサートの孔部の外周側に係合する。これにより、搬送中のインサートの姿勢がより安定して保たれるようになり、製品品質のさらなる向上が図られる。
請求項7に記載の発明は、インサートを貫通孔に自動供給する供給手段をさらに備えるので、インサートを搬送するために金型の型閉駆動を待つ必要がなくなる。したがって、生産効率のさらなる向上が図られる。
請求項8に記載の発明によると、供給手段は、複数のインサートを整列させて保持する保持手段と、当該整列方向の最端部のインサートを貫通孔における供給位置へ案内する案内手段とから構成される。これにより、複数のインサートを保持手段に保持させておくだけで、それら複数のインサートを一つずつ貫通孔に供給して位置決めすることができる。
請求項9に記載の発明によると、案内手段の案内壁は、保持手段の収容孔の直下において貫通孔におけるインサートの供給位置を取り囲んでいる。これにより、略鉛直方向へ整列させて収容孔に収容した複数のインサートのうち最下端部のインサートを、案内壁により案内しつつ、重力作用によって貫通孔の供給位置にまで導くことができる。このような請求項9に記載の発明によれば、インサートを貫通孔に自動供給する供給手段を、重力作用を利用した簡素な構成により実現することができる。
請求項10に記載の発明によると、案内手段の移動体は、略水平方向の両側へ往復移動することで、上側へ開く凹部を保持手段の収容孔の直下と貫通孔におけるインサートの供給位置との間において変位させる。これにより、略鉛直方向へ整列させて収容孔に収容した複数のインサートのうち最下端部のインサートを、重力作用によって収容孔直下の凹部まで導いた後、移動体の移動によって貫通孔の供給位置にまで搬送することができる。このような請求項10に記載の発明によれば、インサートを貫通孔に自動供給する供給手段を、収容孔の高い配設自由度をもって実現することができる。
請求項11に記載の発明によると、案内手段の回転体は、略水平方向へ延びる軸線を中心に間欠回転することで、外周側へ開く凹部を保持手段の収容孔の直下と貫通孔におけるインサートの供給位置との間において変位させる。これにより、略鉛直方向へ整列させて収容孔に収容した複数のインサートのうち最下端部のインサートを、重力作用によって収容孔直下の凹部まで導いた後、回転体の間欠回転によって貫通孔の供給位置にまで搬送することができる。このような請求項11に記載の発明によれば、インサートを貫通孔に自動供給する供給手段を、収容孔の高い配設自由度をもって実現することができる。
請求項12に記載の発明によると、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発明たるインサート成形装置を用い、金型を型開閉手段により型閉駆動することで、貫通孔に供給されたインサートをプッシャーにより第一型体の相対移動方向へ押圧した後、キャビティに成形原料を充填する。このような請求項12に記載の発明によれば、用いた請求項1〜11のいずれか一項に記載の発明による効果を享受することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態によるインサート成形装置を図2及び図3に示す。図2は、インサート成形装置10の金型20を完全に型閉した状態を示し、図3は、インサート成形装置10の金型20を完全に型開した状態を示している。尚、図2及び図3において、上下方向及び左右方向はそれぞれ、インサート成形装置10の鉛直方向及び水平方向を表している。
インサート成形装置10は、金型20と、金型20を型開駆動並びに型閉駆動する型開閉装置60と、金型20へ成形原料を射出する射出機70とを備えている。
金型20は、型開閉装置60による型閉駆動によって型合わせされる複数のプレート22、24、26を有している。第一プレート22は、第二プレート24を第三プレート26との間に挟む形態で配置されている。第一プレート22は、第二プレート24との型合わせ面32とは反対側において型開閉装置60の固定盤62に取り付けられ、位置固定されている。第二プレート24は、第一プレート22に設けられたガイドピン(図示しない)上を摺動する構成であり、第一プレート22に対して接近移動並びに離間移動可能となっている。ここで、第一プレート22に対する第二プレート24の接近移動は、型開閉装置60による金型20の型閉駆動時に実現される。したがって、金型20の型閉駆動時における第一プレート22の第二プレート24に対する相対移動方向X(以下、単に第一プレート22の相対移動方向Xという)は、図3に白抜矢印で示される略水平方向となる。第三プレート26は、第二プレート24との型合わせ面36とは反対側において型開閉装置60の可動盤66に取り付けられ、第二プレート24に対して接近移動並びに離間移動可能となっている。金型20が完全に型閉された図2の状態において第二プレート24と第三プレート26とは、それらの型合わせ面33、36間にキャビティ38を形成する。
以上、第一プレート22が「第一型体」に相当し、第二プレート24が「第二型体」に相当する。
第一プレート22には、第二プレート24との型合わせ面32から第一プレート22の相対移動方向Xへ突出するプッシャー40が一体に形成されている。プッシャー40は、第一プレート22の相対移動方向Xに沿って直延する円柱状に形成されている。プッシャー40においてその突出側端部は、最先端へ向かうに従い階段状に縮径する段付部41を形成している。段付部41の小径側42は、インサート成形に用いられる円環状インサート80の孔部82に対し同軸に嵌入可能な外径を有している。段付部41の大径側43は、インサート80と略同一の外径を有している。これにより段付部41の大径側43は、段付部41の小径側42がインサート80の孔部82に嵌入するとき、当該孔部82の外周側をなすインサート80の一端面83に係合可能である。プッシャー40において段付部41より基端部側は、段付部41の大径側43と略同一の外径を有している。
第二プレート24には、第一プレート22の相対移動方向Xに沿ってプッシャー40と同軸上に直延する貫通孔50が形成されている。貫通孔50は、その軸方向に垂直な断面において円形の円筒孔であり、プッシャー40において段付部41の小径側42より基端部側部分とインサート80とが同軸に嵌入可能な内径を有している。また、貫通孔50は、プッシャー40において段付部41の小径側42より基端部側部分と略同一の長さを軸方向に有している。貫通孔50は、第二プレート24の第一プレート22との型合わせ面34と、第二プレート24の第三プレート26との型合わせ面33との間を接続している。上述したように金型20の完全型閉状態において第二及び第三プレート24、26の型合わせ面33、36間にはキャビティ38が形成されるので、貫通孔50は、第二プレート24の型合わせ面34とキャビティ38との間を接続するものでもある。
第二プレート24には、略鉛直方向へ直延する収容孔54が形成されている。収容孔54は、その軸方向に垂直な断面において矩形を呈し、鉛直方向及び第一プレート22の相対移動方向Xにそれぞれ径方向及び軸方向を略一致させたインサート80が嵌入可能な内法を有している。また、収容孔54は、インサート80の外径の複数倍(ここでは5倍)となる長さを軸方向に有している。収容孔54は、貫通孔50の第一プレート22側の端部51と第二プレート24の外周面35との間を接続している。
図2〜図4に示すように収容孔54には、インサート80を第二プレート24の外周面35側から導入可能である。収容孔54は、それに導入された複数のインサート80を略鉛直方向へ整列して収容し、その内壁56によって各インサート80を保持する。収容孔54の下端部55に達したインサート80、即ち整列方向の最下端部のインサート80は、その直下に位置する貫通孔50の端部51に別のインサート80及びプッシャー40が共に存在しなくなったとき、重力作用によって当該端部51に自動的に供給される。この自動供給時においてインサート80は、貫通孔50の端部51の内壁52によって外周側を案内されて、当該端部51に位置決めされる。
以上、本実施形態では、収容孔54と貫通孔50の端部51が「供給手段」に相当し、収容孔54が「保持手段」に相当し、貫通孔50の端部51が「案内手段」に相当し、収容孔54の直下となる貫通孔50の端部51においてインサート80が位置決めされる位置が「挿入位置」に相当し、貫通孔50の端部51の内壁52がインサート80の位置決め位置を取り囲む「案内壁」に相当する。
型開閉装置60は、固定盤62、可動盤66、駆動源67及び制御部68を有している。固定盤62は、第一プレート22を位置固定する。可動盤66は、駆動源67により発生された駆動力を第三プレート26及び第二プレート24へ伝達することで、それらプレート26、24を駆動する。制御部68はマイクロコンピュータ等の電気回路を主体に構成され、駆動源67に電気的に接続されている。制御部68は駆動源67の作動を制御することで、金型20の型開駆動並びに型閉駆動を制御する。
以上、型開閉装置60が「型開閉手段」に相当する。
射出機70は制御部68に電気的に接続されており、当該制御部68の指令に従って成形原料を完全型閉状態の金型20へと射出する。この射出された成形原料は、第一及び第二プレート22、24に形成されたランナ及びゲート(共に図示しない)を通じてキャビティ38に充填される。尚、成形原料としては、例えば溶融樹脂、溶融金属等が用いられる。
次に、インサート成形装置10の作動について説明する。
図3に示すように、金型20が完全に型開された状態で複数のインサート80が第二プレート24の収容孔54に導入されると、自動的に又はオペレータの指令を受けて型開閉装置60の制御部68が金型20の型閉駆動を開始する。
具体的に金型20の型閉駆動では、まず、駆動源67の駆動力が可動盤66から第三プレート26へ伝達されて、第三プレート26が第二プレート24に対して接近移動する。この接近移動により第三プレート26が第二プレート24と型合わせされ、それらプレート26、24の型合わせ面36、33間にキャビティ38が形成される。
この後、金型20の型閉駆動では、駆動源67の駆動力が可動盤66から第三及び第二プレート26、24へ順次伝達されて、それらプレート26、24が一体となって第一プレート22に対して接近移動する。すると、まず、プッシャー40が段付部41の小径側42から貫通孔50の端部51に嵌入する。続いて、貫通孔50の端部51に位置決めされているインサート80の孔部82に段付部41の小径側42が嵌入すると共に、当該インサート80の端面83に段付部41の大径側43が当接し係合する。さらに続いて、段付部41の大径側43がインサート80の端面83を第一プレート22の相対移動方向Xへ押圧することで、図1に示すようにインサート80とプッシャー40とが貫通孔50内をキャビティ38へ向かって摺動する。そして、図2に示すように第二プレート24が第一プレート22と型合わせされると、インサート80が段付部41の小径側42に嵌合した状態でキャビティ38の所定位置に位置決めされる。尚、このとき段付部41の最先端面44は、第三プレート26の型合わせ面36に密着する。
このようにして金型20の型閉駆動が完了すると、制御部68による駆動源67の制御によって型締力が金型20に及ぼされた状態で、射出機70が制御部68の指令を受けて成形原料を射出する。これにより、射出機70から射出された成形原料がキャビティ38に充填されて、当該キャビティ38に収容されているインサート80を包み込む。このとき貫通孔50は、それに嵌入した段付部41の大径側43によって閉塞されるため、キャビティ38に充填された成形原料が貫通孔50を通じて外部へ漏出することがない。
キャビティ38に充填された成形原料が冷却固化するのを待った後、制御部68は金型20の型開駆動を開始する。
具体的に金型20の型開駆動では、まず、図5に示す駆動源67の駆動力が可動盤66から第三プレート26へ伝達され、さらにキャビティ38内のインサート成形品90を通じて第二プレート24へも伝達されて、それらプレート26、24が第一プレート22に対して離間移動する。すると、プッシャー40が貫通孔50内を第一プレート22の相対移動方向Xとは逆方向Yへ摺動することで、図5に示すようにまず、段付部41の小径側42がインサート成形品90のインサート80から抜出された後、プッシャー40の全体が貫通孔50から抜出される。プッシャー40が貫通孔50から抜出されると、収容孔54に収容されているインサート80のうち最下端部のインサート80が貫通孔50の端部51に自動供給されて位置決めされる。尚、図示はしないが、プッシャー40が貫通孔50から抜出されるとき第一プレート22と第二プレート24との間には、プレート22、24に形成されたランナ及びゲート内の固化物が現れるようになっている。そして、かかる固化物は、例えばランナロックピン等の作用によって除去される。
この後、金型20の型開駆動では、ガイドピンの作用によって第二プレート24の移動が止められる一方、第三プレート26の移動が継続されて、第三プレート26が第二プレート24に対して離間する。これにより、インサート成形品90が第三プレート26に保持されつつキャビティ38が開かれる。この第三プレート26に保持されたインサート成形品90は、例えばイジェクタピン等の作用によって第三プレート26から離型され、完成品とされる。
以上説明したインサート成形装置10によると、金型20の型閉駆動時には、貫通孔50に供給されたインサート80をプッシャー40が第一プレート22の相対移動方向Xへ押圧することで、当該インサート80が貫通孔50内をキャビティ38へ向かって搬送される。したがって、金型20の型閉駆動と同時にインサート80をキャビティ38まで搬送することができるので、生産効率が向上する。また、金型20に設けられたプッシャー40の作用によってインサート80が搬送されるため、金型20の型閉駆動を制御するだけでインサート80の搬送も制御できる。そのため、そうした制御に関するコストが低減される。
また、インサート成形装置10によると、金型20の型閉駆動時には、プッシャー40における段付部41の小径側42に嵌合したインサート80が当該段付部41の大径側43により押圧されて、貫通孔50内を摺動する。これによりインサート80は、その姿勢を保ったままキャビティ38まで搬送されるため、金型20を破損させることなく、キャビティ38の所定位置に正規の姿勢で位置決めされる。したがって、インサート80を精確に埋設してなるインサート成形品を得ることができるので、製品品質が向上する。
さらに、インサート成形装置10によると、金型20の型閉駆動時には、プッシャー40が貫通孔50に嵌入して摺動する。これにより、プッシャー40の動きが安定することとなり、金型20のスムーズな型閉駆動が実現される。
さらにまた、インサート成形装置10によると、略鉛直方向へ整列して収容孔54に収容されたインサート80のうち最下端部のインサート80が、貫通孔50の端部51の内壁52により案内されつつ、重力作用によって当該端部51にまで導かれる。これにより、インサート80は貫通孔50に自動供給されて位置決めされることとなるので、インサート80の搬送のために金型20の型閉駆動を待つ必要がなくなり、生産効率の向上が図られる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態によるインサート成形装置を図6及び図7に示す。第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第二実施形態のインサート成形装置100では、第一プレート22の相対移動方向Xに垂直な略水平方向へ直延する案内孔110が形成されている。案内孔110は、その軸方向に垂直な断面において矩形を呈している。案内孔110の一方の端部111は貫通孔50の端部51に接続され、案内孔110の中途部112は収容孔54の下端部55に接続されている。即ちインサート成形装置100では、収容孔54が貫通孔50に直接接続されず、貫通孔50に対して略水平方向へずれている。そのため、収容孔54の配設自由度が高くなっている。
案内孔110には、その軸方向に一致する略水平方向の両側へ往復摺動可能に矩形柱状の移動体120が嵌入されている。制御部68により制御される往復駆動機構(図示しない)によって移動体120は、図7(A)に示す第一位置と図7(B)に示す第二位置との間を往復駆動される。移動体120には、上側及び幅方向両側へ開く凹部122が形成されている。凹部122は、鉛直方向及び第一プレート22の相対移動方向Xにそれぞれ径方向及び軸方向を略一致させたインサート80が嵌入可能な内径を有している。図7(A)の第一位置において凹部122は、収容孔54の直下に位置する。したがって、収容孔54に収容されているインサート80のうち最下端部のインサート80は、その直下に到達した凹部122にインサート80が存在していないとき、重力作用によって当該凹部122に自動的に嵌入する。一方、図7(B)の第二位置において凹部122は、貫通孔50の端部51を形成する。したがって、本実施形態では、凹部122にインサート80が嵌入した移動体120が往復駆動機構の作用により第二位置まで駆動されることで、インサート80が貫通孔50の端部51に自動供給される。
以上、本実施形態では、収容孔54、案内孔110及び移動体120が「供給手段」に相当し、収容孔54が「保持手段」に相当し、案内孔110及び移動体120が「案内手段」に相当し、第二位置の移動体120における凹部122の位置が「挿入位置」に相当する。
次に、インサート成形装置100の特徴的な作動について説明する。
インサート成形装置100では、金型20が完全に型開されているとき、移動体120が第一位置に定位し、凹部122にインサート80が保持された状態となる。この状態で、金型20の型閉駆動が制御部68により開始されると、第三プレート26の駆動に先立ち制御部68が往復駆動機構を制御して移動体120を第二位置まで駆動し、インサート80を保持する凹部122により貫通孔50の端部51を形成する。この後、第一実施形態と同様にして、第三プレート26の単独駆動と第三及び第二プレート26、24の一体駆動とが順次実施され、プッシャー40の作用を受けたインサート80がキャビティ38の所定位置に位置決めされる。
また、インサート成形装置100では、制御部68による金型20の型開駆動において、プッシャー40が貫通孔50から抜出された後の所定時期になると、制御部68が往復駆動機構を制御して移動体120を第一位置まで駆動する。すると、収容孔54において最下端部のインサート80がその直下の空の凹部122に嵌入して保持され、次回の成形に備えられる。
このようにインサート成形装置100によると、略鉛直方向へ整列して収容孔54に収容されたインサート80のうち最下端部のインサート80が、重力作用によって収容孔54直下の凹部122まで導かれ、当該凹部122の変位によって貫通孔50の端部51に至る。これにより、インサート80は貫通孔50に自動供給されて位置決めされることとなるので、生産効率の向上が図られる。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態によるインサート成形装置を図8及び図9に示す。第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第三実施形態のインサート成形装置200では、第一プレート22の相対移動方向Xに垂直な略水平方向を軸方向とする案内孔210が形成されている。案内孔210は、その軸方向に垂直な断面において円形の円筒孔である。案内孔210の最下部211は貫通孔50の端部51に接続され、案内孔210の最上部212は収容孔54の下端部55に接続されている。即ちインサート成形装置100では、収容孔54が貫通孔50に直接接続されず、貫通孔50に対して上側へ離間している。そのため、収容孔54の配設自由度が高くなっている。
案内孔210には、その軸方向に一致した略水平方向へ延びる軸線Oを中心に回転摺動可能に円盤状の回転体220が嵌入されている。制御部68により制御される回転駆動機構(図示しない)によって回転体220は、軸線Oまわりに等間隔(ここでは、60°間隔)に間欠回転駆動される。回転体220には、外周側及び軸方向両側へ開く凹部222が複数(ここでは、三つ)形成されている。各凹部222は、軸線Oまわりに等間隔に配置されている。各凹部222は、鉛直方向及び第一プレート22の相対移動方向Xにそれぞれ径方向及び軸方向を略一致させたインサート80が嵌入可能な内径を有している。回転体220の間欠回転位置には、図9(A)に示すようにいずれか一つの凹部222が収容孔54の直下に位置する第一位置と、図9(B)に示すようにいずれの凹部122も収容孔54の直下から外れる第二位置とがある。これら第一位置と第二位置とは、回転体220の回転方向Rにおいて交互に現れる。
回転体220が図9(A)の第一位置へ回転することで案内孔210の最上部212に達した凹部222にインサート80が存在していないときには、収容孔54内の最下端部のインサート80が重力作用によって当該凹部222に自動的に嵌入する。一方、回転体220が図9(B)の第二位置へ回転することで案内孔210の最下部211に達した凹部222は、貫通孔50の端部51を形成する。したがって、本実施形態では、回転体220が回転駆動機構の作用により第二位置まで駆動されて、インサート80の嵌入した凹部222が案内孔210の最下部211に達することで、インサート80が貫通孔50の端部51に自動供給される。
以上、本実施形態では、収容孔54、案内孔210及び回転体220が「供給手段」に相当し、収容孔54が「保持手段」に相当し、案内孔210及び回転体220が「案内手段」に相当し、案内孔210の最下部211に達した凹部222の位置が「挿入位置」に相当する。
次に、インサート成形装置200の特徴的な作動について説明する。
インサート成形装置200では、金型20が完全に型開されているとき、回転体220が第一位置に定位し、案内孔210の最上部212に達した凹部222と、当該凹部222より回転方向Rの前側に位置する凹部222(以下、この凹部222を特に凹部222aという)とにインサート80が保持された状態となる。この状態で、金型20の型閉駆動が制御部68により開始されると、第三プレート26の駆動に先立ち制御部68が回転駆動機構を制御して回転体220を第二位置まで回転駆動し、インサート80を保持する凹部222aにより貫通孔50の端部51を形成する。この後、第一実施形態と同様にして、第三プレート26の単独駆動と第三及び第二プレート26、24の一体駆動とが順次実施され、プッシャー40の作用を受けたインサート80がキャビティ38の所定位置に位置決めされる。
また、インサート成形装置200では、制御部68による金型20の型開駆動において、プッシャー40が貫通孔50から抜出された後の所定時期になると、制御部68が駆動機構を制御して回転体220を第一位置まで回転駆動する。すると、収容孔54において最下端部のインサート80が、案内孔210の最上部212に達した空の凹部222に嵌入して保持され、次々回の成形に備えられる。
このようにインサート成形装置200によると、略鉛直方向へ整列して収容孔54に収容されたインサート80のうち最下端部のインサート80が、重力作用によって収容孔54直下の凹部222まで導かれ、当該凹部222の変位によって貫通孔50の端部51に至る。これによりインサート80は、貫通孔50に自動供給されて位置決めされることとなるので、生産効率の向上が図られる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるべきではない。
例えば、上述の複数の実施形態では、一つのインサート80が埋設されたインサート成形品を製造するためのインサート成形装置10、100、200に本発明を適用した例について説明した。これに対し、二以上のインサートが埋設されたインサート成形品を製造するためのインサート成形装置に本発明を適用してもよい。尚、その場合、インサートの個数に応じて、プッシャー40、貫通孔50、収容孔54、移動体120又は移動体120の凹部122、回転体220の凹部222の各個数が適宜設定される。
また、上述の複数の実施形態では、円環状のインサート80が埋設されたインサート成形品を製造するためのインサート成形装置10、100、200に本発明を適用した例について説明した。これに対し、円環状以外の各種形状のインサートが埋設されたインサート成形品を製造するためのインサート成形装置に本発明を適用してもよい。そして、いずれの場合でも、プッシャーの形状はインサートを押圧できる形状であればよく、インサートの形状に応じて、インサートに嵌合する形状又は嵌合しない形状とされる。
さらに、上述の複数の実施形態では、プッシャー40が一体に形成された第一型体としての第一プレート22が位置固定され、貫通孔50が形成された第二型体としての第二プレート24が第一プレート22に対して接近駆動並びに離間駆動されるように構成している。これに対し、第二プレート24を位置固定し、第一プレート22が第二プレート24に対して接近駆動並びに離間駆動されるように構成してもよいし、第一及び第二プレート22、24の双方が互いに接近駆動並びに離間駆動されるように構成してもよい。
またさらに、上述の複数の実施形態では、第一及び第二型体としてプレート22、24を採用しているが、第一及び第二型体の少なくとも一方として、プレートの駆動方向に対し交差する方向へ駆動されるスライドコアを採用してもよい。
さらにまた、上述の第三実施形態では、案内孔210の最下部211に達した回転体220の凹部222が貫通孔50の端部51を形成するように構成している。これに対し、案内孔210の外周縁上において最上部212を除く箇所に達した回転体220の凹部222が貫通孔50の端部51を形成するように構成してもよい。
第一実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 第一実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 第一実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 図3のIV−IV断面図である。 第一実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 第二実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 図6の移動体が第一位置(A)及び第二位置(B)に定位した状態を示す断面図であって、図6のVII−VII断面図に相当する図である。 第三実施形態によるインサート成形装置を示す断面図である。 図8の回転体が第一位置(A)及び第二位置(B)に定位した状態を示す断面図であって、図8のIX−IX断面図に相当する図である。
符号の説明
10 インサート成形装置、20 金型、22 第一プレート(第一型体)、24 第二プレート(第二型体)、26 第三プレート、32、34 型合わせ面、38 キャビティ、40 プッシャー、41 段付部、42 小径側、43 大径側、50 貫通孔、51 端部(供給手段、案内手段)、52 内壁(案内壁)、54 収容孔(保持手段)、60 型開閉装置(型開閉手段)、68 制御部、70 射出機、80 インサート、82 孔部、83 端面、90 インサート成形品、100 インサート成形装置、110 案内孔(供給手段、案内手段)、120 移動体(供給手段、案内手段)、122 凹部、200 インサート成形装置、210 案内孔(供給手段、案内手段)、220 回転体(供給手段、案内手段)、222(a) 凹部

Claims (12)

  1. インサートを収容するキャビティを形成する金型と、前記金型を型開駆動並びに型閉駆動する型開閉手段とを備えたインサート成形装置であって、
    前記金型は、
    前記型閉駆動により型合わせされる第一型体及び第二型体と、
    前記型閉駆動時における前記第一型体の前記第二型体に対する相対移動方向へ前記第一型体の前記第二型体との型合わせ面から突出するプッシャーと、
    前記第二型体に形成されて前記相対移動方向に沿って延び、前記第二型体の前記第一型体との型合わせ面と前記キャビティとの間を接続する貫通孔と、
    を有し、
    前記型閉駆動時に前記プッシャーは、前記貫通孔に供給された前記インサートを前記相対移動方向へ押圧することを特徴とするインサート成形装置。
  2. 前記貫通孔は、前記型閉駆動時に前記インサートが嵌入して摺動する形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形装置。
  3. 前記貫通孔は、前記型閉駆動時に前記プッシャーが嵌入して摺動する形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインサート成形装置。
  4. 前記型閉駆動の完了後に前記貫通孔は、前記インサート及び前記プッシャーの少なくとも一方により閉塞されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインサート成形装置。
  5. 前記型閉駆動時に前記プッシャーは、突出側端部により前記インサートに嵌合して当該インサートを押圧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインサート成形装置。
  6. 前記突出側端部は、最先端へ向かうに従い階段状に縮径する段付部を形成しており、
    前記型閉駆動時において、前記段付部の小径側は前記インサートの孔部に嵌入し、前記段付部の大径側は前記インサートの前記孔部の外周側に係合することを特徴とする請求項5に記載のインサート成形装置。
  7. 前記インサートを前記貫通孔に自動供給する供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインサート成形装置。
  8. 前記供給手段は、
    複数の前記インサートを整列させて保持する保持手段と、
    当該整列方向の最端部の前記インサートを前記貫通孔における供給位置へ案内する案内手段と、
    から構成されることを特徴とする請求項7に記載のインサート成形装置。
  9. 複数の前記インサートを略鉛直方向へ整列させて収容する収容孔を前記保持手段は有し、
    前記収容孔の直下において前記供給位置を取り囲む案内壁を前記案内手段は有することを特徴とする請求項8に記載のインサート成形装置。
  10. 複数の前記インサートを略鉛直方向へ整列させて収容する収容孔を前記保持手段は有し、
    上側へ開く凹部が形成され、略水平方向の両側へ往復移動することで前記凹部を前記収容孔の直下と前記供給位置との間において変位させる移動体を前記案内手段は有することを特徴とする請求項8に記載のインサート成形装置。
  11. 複数の前記インサートを略鉛直方向へ整列させて収容する収容孔を前記保持手段は有し、
    外周側へ開く凹部が形成され、略水平方向へ延びる軸線を中心に間欠回転することで前記凹部を前記収容孔の直下と前記供給位置との間において変位させる回転体を前記案内手段は有することを特徴とする請求項8に記載のインサート成形装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインサート成形装置を用い、前記金型を前記型開閉手段により型閉駆動することで、前記貫通孔に供給された前記インサートを前記プッシャーにより前記相対移動方向へ押圧した後、前記キャビティに成形原料を充填することを特徴とするインサート成形方法。
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