JP4160364B2 - 試薬容器および自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、試薬容器および自動分析装置に関し、さらに詳しくは、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる試薬容器および自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動分析装置においては、試薬が入っている試薬容器は、試薬庫内に回転動作可能に設けられた載置台上に円周状に複数本配置され収納されているのが一般的である。試薬の分注が必要な場合には、上記載置台を回転させ、その分注点に試薬容器を移動させてから、試薬プローブをその試薬容器内に降下させ、必要量の試薬を吸引するように構成されている。また、上記試薬庫は、試薬容器を開栓したままで保存する場合には、試薬の質的劣化を防止するために、ほぼ5〜10℃に保冷されているのが一般的である。
【0003】
しかしながら、低温では、試薬容器の周囲が低湿度になるため、試薬が蒸発し、その濃度が変化してしまうという欠点がある。また、試薬庫内に複数の異種試薬を設置した場合、試薬内のたとえば酸の成分が蒸発し、他の試薬を変質させたり、試薬庫内部を発錆させるなどの欠点がある。
【0004】
さらに、試薬用の上部開口部をプラスチックやゴムのような弾性膜で密封し、試薬吸引時にはこの弾性膜を試薬プローブで突き刺して吸引を行うことがある。いわゆるピアッシング分注である。しかしながら、この操作では、試薬の蒸発は防止できるが、試薬吸引の都度、プローブに力学的負荷がかかるため、プローブを強固にしたり、試薬分注機構を高剛性にする必要がある。また、プローブ先端に弾性膜の破片が着く可能性があり、分注精度に支障を来してしまうという欠点がある。
【0005】
そこで、このような事情に鑑みて、試薬保冷庫のカバー部に蒸発防止用のパッキンを取り付けた技術が提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−271311号公報
【特許文献2】
特開2000−105240号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、試薬保冷庫のカバー部に蒸発防止用のパッキンを取り付けた従来技術にあっては、試薬容器の開口部上面に試薬が付着していた場合には、パッキン材にこれらの試薬が付着してしまい、別の試薬容器の開口部がこのパッキン材に触れることにより汚染を引き起こす可能性があり、これらが異種試薬であった場合には、分析データに異常を来してしまうという課題があった。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用の試薬容器を提供することを目的とする。
【0009】
また、この発明は、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、第1の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップとを備え、前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに外部から筒状部材を押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該筒状部材を介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、第2の発明による試薬容器は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップと、外部から前記キャップ方向に押圧自在に形成され、かつ、当該押圧力を解除された際に押圧前の位置に復帰するように付勢された筒状のガイドパイプと、前記容器本体の開口部に前記キャップを覆って装着され、かつ、前記ガイドパイプの上部開口部を外部に露出させた状態で当該ガイドパイプを進退自在に保持する試薬容器蓋とを備え、前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに前記ガイドパイプを外力によって押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該ガイドパイプを介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、第3の発明による自動分析装置は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップとを備え、前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに外部から筒状部材を押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該筒状部材を介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されている試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、前記試薬容器の前記キャップを筒状部材たるガイドパイプによって選択的に開放する蓋開放装置と、前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置のガイドパイプを駆動して前記キャップの切り込み部分を押圧変形することにより当該キャップに開口部を形成するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ前記ガイドパイプ内を挿通し、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、第4の発明による自動分析装置は、開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップと、外部から前記キャップ方向に押圧自在に形成され、かつ、当該押圧力を解除された際に押圧前の位置に復帰するように付勢された筒状のガイドパイプと、前記容器本体の開口部に前記キャップを覆って装着され、かつ、前記ガイドパイプの上部開口部を外部に露出させた状態で当該ガイドパイプを進退自在に保持する試薬容器蓋とを備え、前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに前記ガイドパイプを外力によって押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該ガイドパイプを介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されている試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、前記試薬容器の前記キャップを前記ガイドパイプを押圧することによって選択的に開放する蓋開放装置と、前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置を駆動して前記ガイドパイプを押圧し、前記キャップの切り込み部分を押圧変形することにより当該キャップに開口部を形成するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ前記ガイドパイプ内を挿通し、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる試薬容器および自動分析装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる試薬容器および自動分析装置を示す断面図、図2は、試薬容器のキャップがガイドパイプによって開けられた様子を示す断面図、図3は、試薬容器のキャップを示す平面図、図4は、図3に示したキャップのA−A断面を示す断面図である。
【0016】
図1〜図4に示すように、試薬容器1は、上部に開口部3を有した容器本体2と、この容器本体2の開口部3に装着され、円板状の弾性部材からなり中央部に十字状の切り込み4aを形成することにより弾性変形可能な4つのキャップ片4bを有したキャップ4とを備えている。なお、容器本体2は、たとえばポリエチレンやポリプロピレンなどにより形成され、キャップ4は、たとえばゴムなどの弾性部材により形成されている。
【0017】
すなわち、この試薬容器1は、キャップ4に外力が加わらないときには、4つのキャップ片4bが閉じた状態(図4参照)が維持されて容器本体2内の試薬液の蒸発を防止し、後述するガイドパイプ6によってキャップ4の切り込み4aを下方に押圧されたときには、そのガイドパイプ6の進入に伴って4つのキャップ片4bが下方に弾性変形して折れ曲がり、試薬容器1に開口が形成されるように構成されている(図2参照)。
【0018】
したがって、図2に示すように、ガイドパイプ6の開口部6aを通じて試薬容器1の内外が連通することとなり、この開口部6aから試薬吸引用のプローブ30を挿通させることにより、プローブ30とキャップ4(キャップ片4b)とが接触することなく、プローブ30先端部を試薬容器1内に進入させることができる。
【0019】
一方、プローブ30による試薬吸引が終了し、プローブ30およびガイドパイプ6が上昇すると、キャップ片4bがガイドパイプ6の押圧力から解放されるので、キャップ片4bは弾性変形する前の閉状態に復帰し、試薬液の蒸発が防止される。
【0020】
つぎに上記試薬容器1を適用する自動分析装置について図1および図2に基づいて説明する。同図に示すように、自動分析装置は、回動可能に形成され複数の試薬容器1を円周状に配列載置する載置台9と、この載置台9に載置された複数の試薬容器1を冷却手段(図示せず)を用いて一定温度(たとえば、5〜10℃に保冷)で格納する格納ケース10と、試薬容器1の開口部3を閉塞するキャップ4を選択的に開放する蓋開放装置20と、前記載置台9に載置された試薬容器1の位置を検出する位置検知センサ(図示せず)と、試薬容器1に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサ(図示せず)と、前記各センサからの信号を受けて前記載置台9を回動させ、所望の試薬容器1を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置20を駆動してキャップ4を開放するとともに、これに同期させてプローブ30を降下させ、試薬容器1内に進入させる制御装置(図示せず)とを備えている。
【0021】
格納ケース10は、試薬庫11と、プローブ30挿通用の開口部12aを有した蓋12とから構成されている。また、載置台9は軸受13によって回転自在に支持された軸14に連結され、回転可能に形成されている。この軸14はギヤ15を備え、このギヤ15はモータ16に連結されたギヤ17と噛み合っている。すなわち、この載置台9は、図示しない制御装置の指令によりモータ16が動作し、ギヤ17,15を介した軸14が回転することにより、所定量回動するように構成されている。
【0022】
格納ケース10内に設けられた蓋開放装置20は、試薬容器1のキャップ4を開け、プローブ30の試薬容器1内への進入スペースを確保するとともに、当該プローブ30とキャップ4との接触を防止する円筒状のガイドパイプ6と、このガイドパイプ6を保持するアーム5と、このアーム5を介してガイドパイプ6を上下にスライドさせるためのスライド軸21と、このスライド軸21を連結部22を介して上下動させるロータリー式のソレノイド23と、スライド軸21を案内するガイド24とから構成されている。
【0023】
つぎに動作について説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が載置されている。選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ30の真下に配置されるように、図示しない制御装置により指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0024】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ30の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、ソレノイド23に通電してスライド軸21およびアーム5を下降させ、ガイドパイプ6の下端部によって試薬容器1のキャップ4の切り込み4a部分を下方に押圧する。これにより、ガイドパイプ6の進入に伴って4つのキャップ片4bが下方に弾性変形して折れ曲がり、試薬容器1に開口が形成されるので、ガイドパイプ6の開口部6aを通じて試薬容器1の内外が連通する。
【0025】
つぎに、図示しない駆動装置によりプローブ30を下降してガイドパイプ6内を挿通し、試薬容器1内部に進入させ、試薬を吸引する。このとき、ガイドパイプ6によってプローブ30の試薬容器1内への進入スペースが確保されているので、プローブ30とキャップ4(キャップ片4b)とが接触することがない。
【0026】
したがって、つぎの試薬を吸引する前に行うプローブ30の洗浄は、試薬に漬かる部分のみでよく、洗浄が容易で洗浄液の節約にもなり、洗浄で生じる廃液も減らすことができる。また、キャリーオーバー発生の影響もなく、プローブ30に付着した洗浄液の持ち込みにより、試薬液を希釈するおそれもない。
【0027】
そして、吸引動作の終了したプローブ30は、図示しない駆動装置により上昇する。これと同時に、ソレノイド23に通電してスライド軸21およびアーム5を上昇させ、ガイドパイプ6を所定量上昇させる。すると、ガイドパイプ6の下端部がキャップ4から離れていくので、弾性変形しているキャップ片4bがガイドパイプ6の押圧力から解放され、弾性変形する前の閉状態に復帰する。
【0028】
すなわち、試薬容器1の開口部3がキャップ4によって再び閉塞され、試薬容器1内の試薬の蒸発が防止される。なお、プローブ30によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0029】
以上のように、この実施の形態1にかかる試薬容器1および自動分析装置によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3がキャップ4によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。また、各試薬容器1毎にキャップ4が設けられているので、コンタミネーションの発生を防止できる。
【0030】
また、自動分析装置は、試薬吸引時のプローブ30の進退動作と、キャップ4の開閉動作とが同期するように構成されているので、多項目の試薬分析を効率良く行うことができる。また、蓋開放装置20は、ソレノイド23やスライド軸21、アーム5、ガイドパイプ6等を組み合わせた簡易な構成としてあるので、容易かつ安価に作製することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態1においては、スライド軸21等の駆動手段としてソレノイド23を用いるものとして説明したが、これに限定されず、たとえば、モータにより駆動してもよい。また、試薬容器1の形状も図示例のもの(円筒形)に限定されず、直方体等であってもよい。
【0032】
また、キャップ4の切り込み4aは、十字状に形成するものとして説明したが、これに限定されず、少なくとも1つ以上の切り込みがあればよく、ガイドパイプ6の進入時にキャップ4の開口部が適切に形成できる形状であれば、いかなる形状であってもよい。
【0033】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2にかかる試薬容器のキャップが閉じた状態を示す断面図、図6は、試薬容器のキャップが開いた状態を示す断面図、図7は、試薬容器および自動分析装置を示す断面図、図8は、蓋開放装置および試薬容器を示す要部断面図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【0034】
まず、試薬容器1について図5〜図8に基づいて説明する。容器本体2の開口部3の外周縁部には、ねじ部2aが設けられ、開口部3にはキャップ4が装着されている。試薬容器蓋7は、容器本体2のねじ部2aにねじ部7bをねじ込んで装着され、その天井面7cに開口部7aを有している。
【0035】
試薬容器蓋7の開口部7aから出没自在に形成されたガイドパイプ8は、上記実施の形態1で示したガイドパイプ6に相当するものであり、キャップ4を開閉し、プローブ30の試薬容器1内への進入スペースを確保するとともに、当該プローブ30とキャップ4との接触を防止するためのものである。このガイドパイプ8は、内パイプ部8aと、これよりも短寸の外パイプ部8bとからなる二重パイプ構造となっており、両者は開口部8cを有する天井面8dにて連結されている。
【0036】
この外パイプ部8bの長さは、図6に示すように、ガイドパイプ8が後述する押圧アーム35に押圧され、ガイドパイプ8の天井面8dと試薬容器蓋7の天井面7cとが面一となれる程度に設定されている。また、内パイプ部8aの長さは、図6に示すように、ガイドパイプ8が後述する押圧アーム35に押圧され、ガイドパイプ8の天井面8dと試薬容器蓋7の天井面7cとが面一となったときに、ガイドパイプ8でキャップ片4bを完全に押し広げることができる程度に設定されている。すなわち、キャップ片4bの先端部が、ガイドパイプ8の開口部8c内側に露出しないようにし、プローブ30進入時にキャップ片4bとプローブ30との接触を防止するためである。
【0037】
また、内パイプ部8aの外周には、ガイドパイプ8を上方に付勢する圧縮コイルばね32が巻かれている。外パイプ部8bの下端周縁には、試薬容器蓋7の天井面7cに引っかけるためのストッパ部8eが設けられ、圧縮コイルばね32によって付勢されたガイドパイプ8の上限位置を規制している。
【0038】
キャップ4上には、座金穴33aを有する座金33が載置されている。この座金穴33aの内径は、内パイプ部8aの外径よりも若干大きく形成され、内パイプ部8aが挿通可能に形成されているとともに、座金穴33aの外周縁部で圧縮コイルばね32の下端部を係止できるように形成されている。
【0039】
つぎに、自動分析装置について説明する。上記実施の形態1の図1で示した構成と異なる点は、図7および図8に示すように、スライド軸21の下端部に、ガイドパイプ8を押圧するための押圧アーム35が設けられている点である。この押圧アーム35には、プローブ30を挿通するための開口部35aが、蓋12の開口部12aおよびガイドパイプ8の開口部8cと同軸となるように設けられている。その他の構成は、上記実施の形態1で示したものと同様であるので、重複説明を省略する。
【0040】
つぎに動作について主に図7に基づいて説明する。自動分析装置の載置台9には、複数種類の分析項目を分析するために、項目の異なる試薬の入った試薬容器1が載置されている。選択された分析項目に対応した試薬容器1がプローブ30の真下に配置されるように、図示しない制御装置により指令を出してモータ16を駆動し、ギヤ17,15を介して軸14を回転させ、載置台9を所定量回転させる。
【0041】
すなわち、選択された試薬容器1がプローブ30の真下に配置されたら、モータ16の動作を止めるとともに、ソレノイド23に通電してスライド軸21および押圧アーム35を下降させ、押圧アーム35の下端部によって試薬容器1のガイドパイプ8の天井面8dを押圧する。
【0042】
すると、図6および図7に示すように、この押圧力によりガイドパイプ8の圧縮コイルばね32は圧縮され、ガイドパイプ8が押し下げられるので、ガイドパイプ8の下端部がキャップ4の切り込み4a部分を下方に押圧する。このようにガイドパイプ8の進入に伴って4つのキャップ片4bが下方に弾性変形して折れ曲がり、試薬容器1に開口が形成されるので、ガイドパイプ8の開口部8cを通じて試薬容器1の内外が連通する。
【0043】
つぎに、図示しない駆動装置によりプローブ30を下降してガイドパイプ8内を挿通し、試薬容器1内部に進入させ、試薬を吸引する。このとき、ガイドパイプ8によってプローブ30の試薬容器1内への進入スペースが確保されているので、プローブ30とキャップ4(キャップ片4b)とが接触することがない。
【0044】
したがって、つぎの試薬を吸引する前に行うプローブ30の洗浄は、試薬に漬かる部分のみでよく、洗浄が容易で洗浄液の節約にもなり、洗浄で生じる廃液も減らすことができる。また、キャリーオーバー発生の影響もなく、プローブ30に付着した洗浄液の持ち込みにより、試薬液を希釈するおそれもない。
【0045】
そして、吸引動作の終了したプローブ30は、図示しない駆動装置により上昇する。これと同時に、ソレノイド23に通電してスライド軸21および押圧アーム35を上昇させる。すると、ガイドパイプ8は、押圧アーム35の押圧力から解放されるので、圧縮コイルばね32の付勢力によって持ち上がり、図5に示した位置に復帰する。これと同時に、ガイドパイプ8の下端部がキャップ4から離れていくので、弾性変形しているキャップ片4bがガイドパイプ8の押圧力から解放され、弾性変形する前の閉状態に復帰する(図5参照)。
【0046】
すなわち、試薬容器1の開口部3がキャップ4によって再び閉塞され、試薬容器1内の試薬の蒸発が防止される。なお、プローブ30によって吸引された試薬は、図示しない反応容器に吐出され、分析される。このような動作を繰り返すことにより、複数種類の分析項目につき、連続分析が可能となる。
【0047】
また、オペレータは、試薬の使用時に装着していた試薬容器蓋7を容器本体2から取り外し、キャップ4を容器本体2の開口部3に装着し、試薬容器蓋7、ガイドパイプ8、圧縮コイルばね32および座金33で構成される新しい蓋を装着し直すことにより、上述した効果と同様の効果が得られるとともに、キャップ4の裏面に付着した試薬のコンタミネーションの影響も受けずに、良好な分析データを得ることができる。
【0048】
以上のように、この実施の形態2にかかる試薬容器1および自動分析装置によれば、簡易な構成となっているので、容易かつ安価に作製できるとともに、試薬容器1の開口部3がキャップ4によって確実に閉塞されるので、試薬の蒸発・変質を防止することができる。また、キャリーオーバーによる試薬間コンタミネーションの発生を防止できる。
【0049】
また、自動分析装置は、試薬吸引時のプローブ30の進退動作と、キャップ4の開閉動作とが同期するように構成されているので、多項目の試薬分析を効率良く行うことができる。また、蓋開放装置20は、ソレノイド23やスライド軸21、押圧アーム35等を組み合わせた簡易な構成としてあるので、容易かつ安価に作製することができる。
【0050】
なお、上記実施の形態2においては、ガイドパイプ8の復帰手段として圧縮コイルばね32を用いるものとして説明したが、これに限定されず、たとえば、所定の弾性力を得られるものであれば、板ばねやゴム、スポンジ等を用いることもできる。
【0051】
また、試薬容器蓋7は、容器本体2にねじ込み式で装着するものとして説明したが、これに限定されず、係止爪等を設けることなどにより、ワンタッチ着脱式としてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置用の試薬容器を提供することができる。また、この発明によれば、試薬の蒸発・変質を防止できるとともに、コンタミネーションの発生を防止でき、容易かつ安価に作製できる自動分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる試薬容器および自動分析装置を示す断面図である。
【図2】試薬容器のキャップがガイドパイプによって開けられた様子を示す断面図である。
【図3】試薬容器のキャップを示す平面図である。
【図4】図3に示したキャップのA−A断面を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる試薬容器のキャップが閉じた状態を示す断面図である。
【図6】試薬容器のキャップが開いた状態を示す断面図である。
【図7】試薬容器および自動分析装置を示す断面図である。
【図8】蓋開放装置および試薬容器を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 試薬容器
2 容器本体
2a ねじ部
3 開口部
4 キャップ
4a 切り込み
4b キャップ片
5 アーム
6 ガイドパイプ
6a 開口部
7 試薬容器蓋
7a 開口部
7b ねじ部
7c 天井面
8 ガイドパイプ
8a 内パイプ部
8b 外パイプ部
8c 開口部
8d 天井面
8e ストッパ部
9 載置台
10 格納ケース
11 試薬庫
12 蓋
12a 開口部
13 軸受
14 軸
15、17 ギヤ
16 モータ
20 蓋開放装置
21 スライド軸
22 連結部
23 ソレノイド
24 ガイド
30 プローブ
32 圧縮コイルばね
33 座金
33a 座金穴
35 押圧アーム
35a 貫通穴

Claims (2)

  1. 開口部を有する容器本体と、
    前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップと、
    外部から前記キャップ方向に押圧自在に形成され、かつ、当該押圧力を解除された際に押圧前の位置に復帰するように付勢された筒状のガイドパイプと、
    前記容器本体の開口部に前記キャップを覆って装着され、かつ、前記ガイドパイプの上部開口部を外部に露出させた状態で当該ガイドパイプを進退自在に保持する試薬容器蓋と、
    を備え、
    前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに前記ガイドパイプを外力によって押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該ガイドパイプを介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されていることを特徴とする試薬容器。
  2. 開口部を有する容器本体と、前記容器本体の開口部に装着され、当該開口部を閉塞する弾性材からなるキャップと、外部から前記キャップ方向に押圧自在に形成され、かつ、当該押圧力を解除された際に押圧前の位置に復帰するように付勢された筒状のガイドパイプと、前記容器本体の開口部に前記キャップを覆って装着され、かつ、前記ガイドパイプの上部開口部を外部に露出させた状態で当該ガイドパイプを進退自在に保持する試薬容器蓋とを備え、前記キャップは切り込みを有し、当該切り込みに前記ガイドパイプを外力によって押圧し挿通することにより当該切り込み部分の近傍を弾性変形させ、当該ガイドパイプを介して前記容器本体の内外とが連通するように形成されている試薬容器を円周状に複数配列載置し回動自在に形成された載置台と、
    前記載置台に載置された前記試薬容器を一定温度で格納する格納ケースと、
    前記試薬容器の前記キャップを前記ガイドパイプを押圧することによって選択的に開放する蓋開放装置と、
    前記載置台に載置された試薬容器の位置を検出する位置検知センサと、
    前記試薬容器に収容されている試薬の種類を検出する試薬検知センサと、
    前記各センサからの信号を受けて前記載置台を回動させ、所望の試薬容器を分注位置に位置決めした後、前記蓋開放装置を駆動して前記ガイドパイプを押圧し、前記キャップの切り込み部分を押圧変形することにより当該キャップに開口部を形成するとともに、これに同期させて分注用のプローブを降下させ前記ガイドパイプ内を挿通し、当該試薬容器内に進入させる制御装置とを備えたことを特徴とする自動分析装置。
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