JP4164975B2 - 給電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄電池から電力を受けたインバータと電力系統とが協働して負荷に給電する給電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
昼夜間の電力需要を平準化するためのシステムとして、従来より揚水発電が知られているが、最近ではこれに代えて、夜間電力を蓄電池に蓄え、これを昼間に利用する給電システムの実用化が検討されている。その理由としては、揚水発電は発電所にしか設置できないが、蓄電池を利用したシステムは、小型化が可能であるので、工場や一般家庭にも設置可能となり、ひいては電力系統(例えば、AC100Vの商用電源)が停電したときの無停電化が可能になるからである。
【0003】
図7には、蓄電池を利用した給電システムを一般家庭に設置した場合の一例が示されており、このシステムは、蓄電池1に連なる双方向インバータ2(以下、単に、「インバータ2」という)の出力を、電力系統4(例えば、AC100Vの商用電源)と負荷3(例えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫等を合わせた負荷群)との共通接続点に接続してなる。そして、夜間には、インバータ2を順変換運転(交流から直流への変換)して、電力系統4からの受電電力を蓄電池1に蓄える一方、昼間には、インバータ2を逆変換運転して蓄電池1の出力を交流電力に変換し、電力系統4と協働して負荷3に給電する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記給電システムでは、電力系統4からの受電電力を監視せずに、インバータ2が交流電力を出力しているから、インバータ2の出力が電力系統4に逆潮流する事態が生じ得る。
【0005】
また、上記給電システムは、実用化に当たり、一般家庭ごとの需要電力に対応させた仕様にする必要があるが、容量が異なる複数種類のインバータ及び蓄電池を揃えると、汎用性が損なわれて製造費が高くなる。このため、図8に示すように、前記蓄電池1及びインバータ2を備えた交流電源装置5を、所望台数(同図では2台)備えて、これらを電力系統4に並列接続し、各一般家庭ごとの需要電力に対応させる構成が考えられる。また、この場合、汎用性の観点から、全インバータ2を1つの制御回路で統括的に制御するより、各交流電源装置5が、個々に、インバータ2による変換電力を制御する構成が好ましい。
【0006】
そこで、本願発明者は、電力系統4からの受電電力を検出して各交流電源装置5,5に取り込み、各交流電源装置5,5が、前記受電電力が所定の基準電力になるように、各インバータ2,2の変換電力を制御する構成を検討した。ところが、同じように基準受電電力を設定しても、インバータ2,2の特性のばらつきにより(図6参照)、インバータ2,2が実際に出力する電力が一致しない場合がある。具体的には、系統への蓄電池電力の流出を防止するために、各インバータの変換電力を制御した場合、受電電力の値が各インバータに一括して配分されているため、各インバータ内の基準受電電力の設定値の誤差等により、各インバータの変換電力に差異が発生する。たとえば、わずかに設定値の大きいインバータが先に変換電力を絞ってしまい、極端な場合、電力を変換するインバータと全く変換しないインバータが発生する。このような状態が生じると、それぞれのインバータに接続された蓄電池の充放電量に差異が発生し、蓄電池寿命に差異が発生するという問題があった。
また、変換電力が常に大きいインバータが発生するので、インバータの信頼性が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、インバータから電力系統への逆潮流を防ぐと共に、複数の交流電源装置を備えた場合に、それら各電源装置の寿命及び信頼性を高くすることができる給電システムの提供を目的とする。
【0008】
請求項1に係る給電システムは、蓄電池と前記蓄電池から電力を受けるインバータとを備えた複数の交流電源装置を、電力系統とそれに連なる負荷との共通接続点に並列接続し、前記交流電源装置と前記電力系統とが協働して負荷に給電する給電システムにおいて、前記電力系統から受けた受電電力を検出する系統電力検出手段を備え、前記各交流電源装置には、前記インバータが出力した電力を検出するインバータ出力電力検出手段と、前記インバータ出力電力検出手段から検出信号を受け、前記インバータが出力する電力が小さくなる程、基準受電電力を小さく変更する基準変更手段と、前記系統電力検出手段から検出信号を受け、前記受電電力が前記基準受電電力より小さいときに前記インバータからの出力電力を低下させ、かつ、前記受電電力が前記基準受電電力より大きいときには前記インバータからの出力電力を上昇させるように前記インバータを制御するインバータ出力制御手段とを備えたことを特徴とする給電システムである。
【0014】
【発明の作用及び効果】
本発明の給電システムでは、インバータの特性のばらつきにより、各インバータからの出力に差異が生じた場合、各インバータに備えたインバータ出力電力検出手段が各インバータからの出力を検出し、その検出結果に応じて基準変更手段が各インバータ内の基準受電電力を変更することで、各交流電源装置ごとに、基準受電電力が異なる設定となり、各インバータからの出力のばらつきをなくすことができる。
【0015】
本発明では、インバータが出力する電力が小さくなる程、基準変更手段が前記基準受電電力を小さくするように構成しているから複数の交流電源装置のうち出力電力が小さいインバータに係る基準受電電力は、基準変更手段によって小さくされ、この結果、そのインバータからの出力が上がり、電力系統からの受電電力は下がる。すると、出力電力が大きいインバータでは、電力系統からの受電電力が基準受電電力より小さいと判断され、そのインバータからの出力が下がる。即ち、出力電力が小さかったインバータからの出力は上がる一方、出力電力が大きかったインバータからの出力は下がり、各インバータからの出力がバランスされる。
【0016】
このように、発明によれば、複数のインバータを備えた給電システムでも、各交流電源装置の出力をバランスさせて、各交流電源装置に備えた蓄電池の寿命の差異を抑制すると共に、インバータの信頼性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<参考例>
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の理解の参考となる参考例に係る給電システムについて説明する。このシステムは、蓄電池1に連なる双方向インバータ7(以下、単に「インバータ7」という)の出力を、電力系統4と負荷3との共通接続点に接続してなり、夜間には、インバータ7を順変換運転して、電力系統4からの受電電力を蓄電池1に蓄える一方、昼間には、インバータ7を逆変換運転して蓄電池1の出力を交流電力に変換し、電力系統4と協働して負荷3に給電する。
【0018】
インバータ7には、例えば、CPU15を備えたインバータ出力制御回路7Aが設けられ、このCPU15からインバータ駆動回路8に指令値を渡して、インバータ2に所定の電力を出力させる。
【0019】
電力系統4から負荷3への出力ラインの途中には、電力測定器6が接続されており、この電力測定器6は、例えば電圧計と電流計とを備え、それらの測定値の積を電力として算出し、これを例えばデジタルデータにして、前記CPU15に与える。
【0020】
インバータ出力制御回路7Aには、電力系統4から供給される最低電力を、基準受電電力W3として予め一定の値(例えば、100W)に設定し、これを例えばCPU15に連なるROM15Aに書き込んである。また、インバータ7に出力させる基準電力を(例えば、400Wに)決めて、この基準電力と上記基準受電電力W3とを加えた値(500W=100W+400W)を、インバータ出力起動受電電力W1として設定してある。さらに、インバータ7からの出力を停止するか否かを判別するための基準値としてのインバータ出力停止出力電力W2が、W2+W3がインバータ出力起動受電電力W1より小さな値(400W)になるように設定されている。
【0021】
上述した各基準値(W1,W2,W3)は、下記にまとめた具体的な電力値として、前記CPU15に連なるROM15Aに記憶されている。
・インバータ出力起動受電電力W1=500[W]
・インバータ出力停止出力電力W2=300[W]
・基準受電電力W3 =100[W]
【0022】
そして、CPU15が、図2に示したフローに従い、上記基準値(W1,W2,W3)と、実測した受電電力P1及びインバータ出力電力P2とを比較し、以下のようにインバータ7から出力される電力を制御する。
【0023】
即ち、本参考例の給電システムは、充電モードから放電モードに切り替わると、受電電力計測器6にて電力系統4からの受電電力P1が検出され、この検出結果としての受電電力P1が電力監視回路30に備えたCPU15に取り込まれる。なお、充電モードから放電モードに切り替わった時点では、インバータ7はまだ起動していない。
【0024】
CPU15は、受電電力P1を取り込むと、図2のSTEP1に示したように、受電電力P1がインバータ出力起動受電電力W1(=500W)より大きいか否かが判別される。この時点でインバータ7は出力を行っていないから、受電電力P1が負荷電力そのものの大きさとなり、結果として、負荷電力がインバータ出力起動受電電力W1(=500W)以上か否かが判別される。
ここで、負荷電力が小さい場合は、受電電力P1がインバータ出力起動受電電力W1より小さくなり、STEP2に進み、インバータ7は出力が停止されたままとなる(図3のグラフにおいて、負荷=0〜500W参照)。
【0025】
一方、負荷電力が大きい場合は、受電電力P1がインバータ出力起動受電電力W1より大きくなり、STEP3に進み、インバータ7が出力を行う。
これに伴い、インバータ7が出力したインバータ出力電力P2が検出されて、これがCPU15に取り込まれる。すると、CPU15は、図2のSTEP4において、インバータ出力電力P2が、インバータ出力停止出力電力W2(=300W)より大きいか否かを判別し、インバータ7の出力電力が、インバータ出力停止出力電力W2より大きいときには、STEP6に進んで、受電電力P1が基準受電電力W3(=100W)より大きいか否かを判別する。そして、受電電力P1が基準受電電力W3(=100W)より大きいときには、インバータ7の出力電力を上げ(STEP7)、小さいときにはインバータ7の出力電力を下げて(STEP8)、受電電力P1が基準受電電力W3(=100W)に一致するように制御する。
尚、インバータ出力がインバータの最大出力に達すると、インバータ出力は、最大出力で一定となり、受電電力が増加する。
【0026】
また、CPU15は、STEP4において、インバータ7の出力電力が、インバータ出力停止出力電力W2より小さいと判断した場合には、STEP5に進んで、インバータ7の出力が停止される(STEP5)。
【0027】
このように本参考例の給電システムによれば、インバータ7が起動してから、そのインバータ7からの出力が最大になるまでは、電力系統4からの受電電力が一定値(=100W)になるように制御されるから(図3参照)、換言すれば、インバータ7が電力を出力しているときには、電力系統4は必ず基準受電電力W3(=100W)以上の電力を出力することとなり、電力系統4がインバータ7から電力を受けて逆潮流するような事態が確実に防がれる。
【0028】
<実施形態>
本発明の実施形態の給電システムは、図4に示されており、一対の交流電源装置21,21を備える。これら交流電源装置21,21は、同一の構成をなし、蓄電池1に連なるインバータ7の出力を、電力系統4と負荷3との共通接続点に接続して備え、電力系統4と協働して負荷3に給電する。
各インバータ7には、CPU16を備えたインバータ出力制御回路10が設けられ、このCPU16からインバータ駆動回路8に指令値を渡して、インバータ2に所定の電力を出力させる。
【0029】
また、電力系統4から負荷3への出力ラインの途中には、参考例と同様の構成の電力測定器6が接続されており、この電力測定器6の出力をデジタルデータにしてCPU16に取り込んでいる。さらに、各交流電源装置21のうちインバータ7からの出力部分には、電力測定器9が接続されており、この電力測定器9は、やはり電圧計と電流計とを備えて、それらの測定値の積を電力として算出している。そして、この電力測定器9の出力を、やはりデジタルデータにしてCPU16に取り込んでいる。
【0030】
さて、各交流電源装置21,21のCPU16に連なるROM16Aには、下記にまとめた所定の基準値(W1,W2。参考例参照)が記憶されている。
・インバータ出力起動受電電力W1=500[W]
・インバータ出力停止出力電力W2=300[W]
【0031】
ここで、参考例では、基準受電電力W3も所定値(=100[W」)に固定してROMに記憶されていたが、本実施形態では、CPU16が、電力測定器9にて検出したインバータ7の出力に基づき、基準受電電力を逐一変更する構成となっている。そのために、ROM16Aには、インバータ出力電力と、基準受電電力とを予め対応づけたデータテーブルが記録されている。このデータテーブルにおける、各インバータ出力電力の値及び各基準受電電力の値は、互いに図5のグラフに示すように、インバータ出力電力と基準受電電力との間に成立する関係を満たすように設定されている。
尚、基準受電電力の設定値は、電力系統4から受電できる電力または契約電力の3〜5%の大きさとなるように設定するのが好ましい。また、2つのインバータで設定値に差があるのは、誤差であり、同じになるように装置を構成した場合に、結果として生じた誤差が現れたものである。
【0032】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の給電システムは、やはり、夜間には充電モードとなり、電力系統4からの受電電力でもって両交流電源装置21,21に備えた両蓄電池1,1を充電する。
ここで、各交流電源装置21に備えた各CPU16は、電力測定器6,9にて検出した受電電力及びインバータ出力電力を値を取り込み、これらを第1実施形態と同様に、図2に示したフローに従って、インバータ出力起動受電電力W1、インバータ出力停止出力電力W2及び基準受電電力と比較し、インバータ7からの出力を制御する。
【0033】
ところで、基準受電電力の設定値設定時の誤差やインバータ回路特性のバラツキ等により、インバータ出力電力と基準受電電力との関係がインバータにより異なる場合がある。本実施形態でも、図5に示すように、2つのインバータで誤差が生じている。ところが、本実施形態では、両インバータ7,7に設定された基準受電電力は、インバータ出力電力に応じて逐一変更される。即ち、CPU16は、電力測定器9からインバータ出力電力としての検出信号を受け、その検出信号に対応した基準受電電力を、予め設定したデータテーブルから取り出す。そして、電力系統4からの受電電力が基準受電電力より下回らないように、インバータ7からの出力を制御する。これにより、各インバータ7からの出力のばらつきをなくすことができる。
【0034】
このように本実施形態によれば、一対のインバータ7,7を備えた給電システムでも、各インバータの出力をバランスさせて、各蓄電池1,1の寿命の差異を抑制すると共に、インバータ7の信頼性を向上させることができる。
【0035】
なお、CPU16による制御方式としては、例えばインバータ7が出力する電力が、小さくなる程、基準受電電力を小さくする方式を採用してもよい。この方式によれば、一方のインバータ7からの出力電力が小さいと、そのインバータ7に係る基準受電電力がCPU16によって小さくされ、この結果、そのインバータからの出力が上がる。これにより、電力系統4からの受電電力が下がり、すると、出力電力が大きい他方のインバータ7で、電力系統4からの受電電力が基準受電電力より小さいと判断されて、そのインバータ7からの出力が下げられる。これにより、出力電力が小さかったインバータ7からの出力は上がる一方、出力電力が大きかったインバータ7からの出力は下がり、各インバータ7,7からの出力がバランスされる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記参考例及び実施形態では、基準受電電力及び基準出力電力に関する情報をROMに記憶して設定していたが、例えば分圧回路の出力電圧値として、設定してもよい。
【0037】
(2)前記参考例及び実施形態の給電システムは、インバータ7によって、夜間は蓄電池1を充電する構成であったが、蓄電池への充電機能を備えない給電システムに本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の給電システムを示すブロック図
【図2】 その動作を示すフローチャート
【図3】 受電電力とインバータ出力と負荷電力と関係を示すグラフ
【図4】 本発明の実施形態の給電システムを示すブロック図
【図5】 インバータの特性のばらつきを示すグラフ
【図6】 インバータの特性のばらつきを示すグラフ
【図7】 従来の給電システムを示すブロック図
【図8】 複数の交流電源装置を備えた給電システムを示すブロック図
【符号の説明】
1…蓄電池
3…負荷
4…電力系統
6…電力測定器(系統電力検出手段)
7…インバータ
7A,10…インバータ出力制御回路(インバータ出力制御手段)
9…電力測定器(インバータ出力電力検出手段)
15…CPU(インバータ出力制御手段)
16…CPU(インバータ出力制御手段、基準変更手段)
20,21…交流電源装置
P1…受電電力
W3…基準受電電力

Claims (1)

  1. 蓄電池と前記蓄電池から電力を受けるインバータとを備えた複数の交流電源装置を、電力系統とそれに連なる負荷との共通接続点に並列接続し、前記交流電源装置と前記電力系統とが協働して負荷に給電する給電システムにおいて、
    前記電力系統から受けた受電電力を検出する系統電力検出手段を備え、
    前記各交流電源装置には、
    前記インバータが出力した電力を検出するインバータ出力電力検出手段と、
    前記インバータ出力電力検出手段から検出信号を受け、前記インバータが出力する電力が小さくなる程、基準受電電力を小さく変更する基準変更手段と、前記系統電力検出手段から検出信号を受け、前記受電電力が前記基準受電電力より小さいときに前記インバータからの出力電力を低下させ、かつ、前記受電電力が前記基準受電電力より大きいときには前記インバータからの出力電力を上昇させるように前記インバータを制御するインバータ出力制御手段とを備えたことを特徴とする給電システム。
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