JP4174904B2 - 電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー - Google Patents

電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真トナーの帯電性を制御するための電荷調整剤及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法の原理を利用した複写機及びプリンター等においては、セレン等の無機光導電体、又はポリビニルカルバゾール等の有機光導電体で構成された感光体上に静電潜像が形成され、これに予め帯電させた乾式トナーが供給されて可視画像とする現像方法が採られている。一般に、この乾式トナーは、鉄粉等の磁性粉体を内添させた一成分系の場合には、トナー粒子相互の摩擦等によって、また、二成分系の場合には、トナー粒子が磁性粉体と共に混合攪拌して、各々トナー粒子表面を帯電させている。トナー粒子の帯電特性(例えば、帯電立ち上がり性、帯電経時安定性、飽和帯電量等)によって、静電印刷の品質が大きく左右されるので、これらの物性を制御し、常時、安定した状態で用いるために、通常、トナー粒子を製造する際に、正電荷又は負電荷付与性の電荷調整剤が内添されることが多い。
【0003】
従来、トナーに負電荷を付与する電荷調整剤として、特公平2−16916号公報などには、アゾ系金属キレート錯体が、特公平2−60183号公報などには、サリチル酸及びその誘導体系キレート錯体が、特公平7−13765号公報などには、ベンジル酸系キレート錯体、などが提案されている。
【0004】
これらの中でも、アゾ系金属キレート錯体は、有色のために、本質的にカラートナーには適用できず、また、その構造上、重金属を含む場合が多く、環境への影響が懸念され、さらに、トナー混練時の機械的衝撃あるいは温湿度条件によって分解もしくは変質し、電荷調整剤本来の機能が低下するという問題点があった。
【0005】
一方、サリチル酸、その誘導体系キレート錯体及びベンジル酸系キレート錯体の中でも、特にホウ素系キレートは、それ自体が無色ないし淡色の化合物であるので、カラートナー用負帯電性電荷調整剤としてしばしば適用されているが、温湿度変化に対する帯電安定性、経時安定性、トナー樹脂に混練分散させた際の結晶粒径の大きさ、などに未だ課題があり、その上、これらはいずれもかなり高価であるので、カラートナー用にしか適用できない、という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、無色ないし淡色で、有害重金属を含まず、優れた帯電特性を有し、且つ安価で汎用性のある電荷調整剤は未だ見い出されていないのが現状である。本発明が解決しようとする課題は、有害な重金属を含まず、着色が殆どなく、黒/カラーを問わずあらゆるトナーにおいて適用でき、帯電特性(特に、帯電立ち上がり性、経時安定性)に優れた電荷調整剤及びそれを含有する静電荷像現像用負帯電性トナーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、カルボキシル基を有していても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマーを必須の構成成分とする重合体からなる負帯電性電荷調整剤を採用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、上記課題を解決するために、(1)カルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマー(以下、「カルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマー」を「ジフェニル基を有するモノマー」と省略する。)を含有する重合性組成物の重合体からなる負帯電性電荷調整剤を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記課題を解決するために、(2)トナー樹脂、着色剤及び電荷調整剤を含有するトナーにおいて、電荷調整剤として、上記(1)記載の負帯電性電荷調整剤を用いる静電荷像現像用負帯電性トナーを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下の説明において、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を(メタ)アクリル酸エステルと指称するものとする。
【0011】
本発明で使用する「ジフェニル基を有するモノマー」は、例えば、ジフェン酸無水物、2−フェニルベンゾイルクロライド又は4−フェニルベンゾイルクロライドを、側鎖に、水酸基、フェノール性水酸基又はメルカプト基を有する(メタ)アクリレート、N−置換(メタ)アクリルアミド誘導体又はN−置換マレイミド誘導体の如き活性水素を有するモノマーと反応させる方法、あるいは、グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーと、2−フェニ安息香酸又は4−フェニ安息香酸とを付加反応させる方法、により容易に製造することができる。これらの合成方法の中でも、グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーと、2−、及び/又は4−フェニル安息香酸とを付加反応させることにより容易に合成可能であるが、これらの中でも、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、上記酸無水物又は酸塩化物との反応生成物が特に好ましい。
【0012】
また、本発明で使用する「ジフェニル基を有するモノマー」としては、例えば、一般式(I)
【0013】
【化4】
Figure 0004174904
【0014】
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は2価の有機基を表わす。]で表わされるラジカル重合性モノマー、一般式(II)
【0015】
【化5】
Figure 0004174904
【0016】
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は2価の有機基を表わす。]で表わされるラジカル重合性モノマー及び一般式(III)
【0017】
【化6】
Figure 0004174904
【0018】
[式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は2価の有機基を表わす。]で表わされるラジカル重合性モノマーが好ましい。
【0019】
一般式(I)で表わされるラジカル重合性モノマーは、例えば、ジフェン酸無水物(1モル)と、末端に水酸基を有するモノマー(1モル)とを開環反応させることにより、容易に製造することができる。
【0020】
また、一般式(II)で表わされるラジカル重合性モノマーは、2−フェニルベンゾイルクロライド(1モル)と、末端に水酸基を有するモノマー(1モル)とをトリエチルアミンの如き3級アミン(1.1モル)の存在下に反応させる方法、あるいは、グリシジル(メタ)アクリレート(1モル)と2−フェニル安息香酸(1.5モル)とを第4級アンモニウム塩存在下に反応させる方法によって、容易に製造することができる。
【0021】
さらに、一般式(III) で表わされるラジカル重合性モノマーは、4−フェニルベンゾイルクロライド(1モル)と、末端に水酸基を有するモノマー(1モル)とをトリエチルアミンの如き3級アミン(1.1モル)の存在下に反応させる方法、あるいは、グリシジル(メタ)アクリレート(1モル)と4−フェニル安息香酸(1.5モル)とを第4級アンモニウム塩存在下に反応させる方法によって、容易に製造することができる。
【0022】
末端に水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド変性物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸プロピレンオキサイド変性物、これらの変性物を更にε−カプロラクトンで変性した化合物、などが挙げられる。
【0023】
一般式(I)〜(III) で表わされるラジカル重合性モノマーの具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
【0024】
一般式(1)
【化7】
Figure 0004174904
【0025】
一般式(2)
【化8】
Figure 0004174904
【0026】
一般式(3)
【化9】
Figure 0004174904
【0027】
一般式(4)
【化10】
Figure 0004174904
【0028】
一般式(5)
【化11】
Figure 0004174904
【0029】
一般式(6)
【化12】
Figure 0004174904
【0030】
一般式(7)
【化13】
Figure 0004174904
【0031】
一般式(8)
【化14】
Figure 0004174904
【0032】
一般式(9)
【化15】
Figure 0004174904
【0033】
一般式(10)
【化16】
Figure 0004174904
【0034】
一般式(11)
【化17】
Figure 0004174904
【0035】
一般式(12)
【化18】
Figure 0004174904
【0036】
一般式(13)
【化19】
Figure 0004174904
【0037】
一般式(14)
【化20】
Figure 0004174904
【0038】
一般式(15)
【化21】
Figure 0004174904
【0039】
一般式(16)
【化22】
Figure 0004174904
【0040】
一般式(17)
【化23】
Figure 0004174904
【0041】
一般式(18)
【化24】
Figure 0004174904
【0042】
一般式(19)
【化25】
Figure 0004174904
【0043】
一般式(20)
【化26】
Figure 0004174904
【0044】
一般式(21)
【化27】
Figure 0004174904
【0045】
一般式(22)
【化28】
Figure 0004174904
【0046】
一般式(23)
【化29】
Figure 0004174904
【0047】
一般式(24)
【化30】
Figure 0004174904
【0048】
一般式(25)
【化31】
Figure 0004174904
【0049】
一般式(26)
【化32】
Figure 0004174904
【0050】
本発明の電荷調整剤は、「ジフェニル基を有するモノマー」を単独で重合させた重合物であっても良いが、「ジフェニル基を有するモノマー」と共重合可能な他のラジカル重合性モノマーを併用して共重合させた重合体であっても良い。
【0051】
本発明において電荷調整剤として用いられる重合体の製造方法は特に限定されないが、例えば、有機溶媒中でラジカル重合を行なう溶液重合、分散安定剤共存下での懸濁重合、反応性及び/又は非反応性乳化剤の存在下での乳化重合、などが挙げられる。これらの中でも、溶液重合が最も平易な方法として好ましい。
【0052】
「ジフェニル基を有するモノマー」は、1種類で用いることも、2種類以上を併用することもできる。また、一般式(I)〜(III) で表わされる重合性モノマーも、それらの中から1種類を用いることも、2種類以上を併用することもできる。
【0053】
「ジフェニル基を有するモノマー」と共重合可能な他のラジカル重合性モノマーを併用する場合、「ジフェニル基を有する重合性モノマー」を含有する重合性組成物中の「ジフェニル基を有する重合性モノマー」の割合には、特に制限がないが、1〜70重量%の範囲が好ましい。「ジフェニル基を有する重合性モノマー」の割合が1重量%よりも少ない場合、電荷調整剤としての電荷供与性に劣り、70重量%を越えると該重合体のガラス転移温度(以下、Tgと省略する。)が下がりすぎる傾向にあるので好ましくない。
【0054】
「ジフェニル基を有するモノマー」には、スチレン又はα−メチルスチレンを併用することが好ましい。スチレン又はα−メチルスチレンを併用する場合の「ジフェニル基を有する重合性モノマー」を含有する重合性組成物中の割合は、5〜90重量%の範囲が好ましく、10〜70%の範囲がより好ましい。組成物中のスチレン又はα−メチルスチレンの割合が、5重量%よりも少ない場合、電荷調整剤として用いる重合体のTgが下がり過ぎ、また、90重量%を越えると逆にTgが高くなり過ぎる傾向があるので、好ましくない。
【0055】
さらに、「ジフェニル基を有するモノマー」には、アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを併用することが好ましい。アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーは、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、フェノール性水酸基の如き酸性基、あるいは、これらの酸性基を中和した塩を分子中に有するラジカル重合性モノマーを指称する。
【0056】
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルの無水フタル酸変性物、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルの無水フタル酸変性物、(メタ)アクリル酸のε−カプロラクトン変性物、フマル酸及びそのモノエステル、マレイン酸及びそのモノエステル、などが挙げられる。
【0057】
スルホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、などが挙げられる。
【0058】
リン酸基又はホスホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ビニルホスホン酸、などが挙げられる。
【0059】
フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、例えば、N−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、2−メタクリロイルオキシエチルp−ヒドロキシベンゾエート、などが挙げられる。
【0060】
「ジフェニル基を有するモノマー」に、アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを併用する場合、上記したモノマーは、単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
【0061】
本発明の共重合体からなる電荷調整剤は、その構造中にアニオン性基を有しないにもかかわらず、優れた負帯電特性を示す。また、アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを併用すること必須の要件ではないが、ポリマー構造中に酸価を有すると、該共重合体からなる電荷調整剤のトナー樹脂への分散性が向上し、更には帯電特性向上などに多少とも効果があるので、そうした観点から、アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを併用して得られる共重合体からなる電荷調整剤がより好ましい。
【0062】
アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを併用する場合の「ジフェニル基を有する重合性モノマー」を含有する重合性組成物中の割合は、得られる共重合体の酸価(塩構造の場合、酸に換算した際の相当酸価)が5〜100の範囲となる割合が好ましく、共重合体の酸価が20〜60の範囲となる割合がより好ましい。共重合体の酸価が5よりも低い場合、上記のような効果がなく、共重合体の酸価が100を越えると吸湿性が高くなり、飽和帯電量の低下等の悪影響が生じる傾向にあるので、好ましくない。
【0063】
「ジフェニル基を有する重合性モノマー」を含有する重合性組成物には、上記モノマーの他に、更に任意成分として「ジフェニル基を有する重合性モノマー」と共重合可能なその他のラジカル共重合性モノマーを併用することもできる。そのような「ジフェニル基を有する重合性モノマー」と共重合可能なその他のラジカル共重合性モノマーは、共重合に使用される他の原料モノマー類との共重合性があって、且つ、該モノマー類及び/又は反応溶媒に溶解性があれば特に制限はない。そのような「ジフェニル基を有する重合性モノマー」と共重合可能なその他のラジカル共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル等のアルキルエステル、シクロヘキシル等の脂環式エステル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルの如きヒドロキシアルキルエステル;ベンジルエステル、フェニルエステル、グリシジルメタクリレートのフェノール変性物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド変性物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性物、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、N−フェニルマレイミド、N−アクリロイルモルホリン、などが挙げられる。これらの共重合性モノマーを使用する場合には、1種を混合して用いることも、2種以上を混合して用いることもできる。
【0064】
本発明において電荷調整剤をトナーに内添する方法には特に制限がないが、例えば、共重合樹脂からなる電荷調整剤を予備粉砕し、必要ならば更に分級した後、この粉体をトナー樹脂、着色剤、その他トナー構成成分と共に、混合、溶融混練する方法が挙げられる。
【0065】
本発明の電荷調整剤をトナー中に内添する際の添加量は、トナー樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲が好ましく、1〜10重量部の範囲が特に好ましい。トナー中の電荷調整剤の割合が0.1重量部より少ない場合、帯電の際の立ち上がり性が悪くなり、あるいは、トナーが飛散しやすくなる傾向がある。一方、トナー中の電荷調整剤の割合が15重量部より多い場合、摩擦帯電した際のトナーの帯電量が経時的に下がりやすくなり、帯電安定性が劣る傾向にあるので、好ましくない。
【0066】
また、本発明のトナーには、当該電荷調整剤の性能及びトナーの用途目的を損なわない範囲で、その他の電荷調整剤を併用することもできる。
【0067】
本発明のトナーに用いるトナー樹脂(結着樹脂)としては、従来公知の電子写真用に用いられているトナー樹脂がいずれも使用でき、特に制限はない。そのようなトナー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。通常、これらの樹脂の1種を用いるが、必要ならば2種以上を併用することもできる。
【0068】
本発明のトナーに用いる着色剤としては、従来公知の種々の有機顔料、無機顔料、染料等が使用できる。具体例としては、カーボンブラック、ランブラックの如き黒色顔料;フタロシアニンブルー、アニリンブルー、ウルトラマリーンブルーの如き青色顔料;マラカイトグリーン、フタロシアニングリーン、ブリリアントグリーンの如き緑色顔料;ローズベンガル、パーマネントレッド、イルガシンレッド、トルイジンレッドの如き赤色顔料;ベンチジンイエロー、キノリンイエロー、ファーストイエローG、ハンザイエローの如き黄色顔料;トリアリールメタン系染料、アゾ系染料、ニグロシン系染料、などが挙げられる。
【0069】
本発明のトナーには、これら以外に、更に従来公知の添加剤、例えば、高級脂肪酸及びその金属塩、天然又は合成ワックス類、などを必要に応じて添加することもできる。
【0070】
本発明の負帯電性トナーは、二成分現像剤及び一成分現像剤のいずれにも適用可能である。
【0071】
本発明のトナーを二成分現像剤として用いる場合、該トナーをキャリア粉と混合して用いられるが、その際に用いられるキャリア粉としては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性粉体、硝子ビーズ、などのほか、これらの表面を樹脂で処理したコーティングキャリア、などが挙げられる。
【0072】
また、本発明のトナーを一成分現像剤として用いる場合、トナー製造の際に、例えば、鉄粉、フェライト粉等の磁性微粉体を適量添加し、分散させて用いられる。
【0073】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
【0074】
(合成例1)
還流冷却管、温度計、滴下ロート、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた容量1リットルの四ツ口フラスコに、メチルエチルケトン270gを仕込み、一方、滴下ロートに、スチレン50.0g、n−ブチルメタクリレート107.5g、nが1である前記一般式(2)で表わされる化合物(2)22.5g及び「ABN−E」(日本ヒドラジン工業(株)製の熱重合開始剤)2.0gからなるモノマー溶液を仕込んだ。次いで、窒素導入下に攪拌しながらメチルエチルケトンを78〜80℃まで加熱し、同温度を維持しながら、3時間かけて滴下ロート中のモノマー混合物を滴下した後、更に6時間攪拌を継続して溶液重合を行った。反応終了後、減圧蒸留することによって、反応溶媒及び未反応モノマーを留去した。次いで、反応生成物を取り出し、冷却後、粗粉砕して共重合体A−1を得た。
【0075】
(合成例2)
合成例1において、n−ブチルメタクリレート107.5gに代えて、n−ブチルメタクリレート100.5g及びメタクリル酸7.0gを用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−2を得た。
【0076】
(合成例3)
合成例1において、モノマー溶液をして、スチレン48.0g、n−ブチルメタクリレート100.0g、nが1である前記一般式(3)で表わされる化合物(3)25.0g及び「ABN−E」2.0gからなるモノマー溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−3を得た。
【0077】
(合成例4)
合成例1において、モノマー溶液をして、スチレン50.0g、n−ブチルメタクリレート108.0g、nが1である前記一般式(6)で表わされる化合物(6)22.0g及び「ABN−E」2.0gからなるモノマー溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−4を得た。
【0078】
(合成例5)
合成例1において、モノマー溶液をして、スチレン50.0g、n−ブチルメタクリレート108.0g、メタクリル酸8.0g、nが1である前記一般式(10)で表わされる化合物(10)22.0g及び「ABN−E」2.0gからなるモノマー溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−5を得た。
【0079】
(合成例6)
合成例3において、化合物(3)25.0gに代えて、nが1である前記一般式(12)で表わされる化合物(12)25.0gを用いた以外は、合成例3と同様にして、共重合体A−6を得た。
【0080】
(合成例7)
合成例1において、モノマー溶液をして、スチレン60.0g、n−ブチルメタクリレート83.0g、メタクリル酸7.0g、nが2である前記式(1)で表わされる化合物(1B)30.0g及び「ABN−E」2.0gからなるモノマー溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−7を得た。
【0081】
(合成例8)
合成例7において、化合物(1B)30.0gに代えて、nが1である前記一般式(13)で表わされる化合物(13)30.0gを用いた以外は、合成例7と同様にして、共重合体A−8を得た。
【0082】
(合成例9)
合成例7において、化合物(1B)30.0gに代えて、nが1である前記一般式(21)で表わされる化合物(21)30.0gを用いた以外は、合成例7と同様にして、共重合体A−9を得た。
【0083】
(合成例10)
合成例1において、モノマー溶液をして、スチレン55.0g、n−ブチルメタクリレート88.0g、メタクリル酸7.0g、nが1である前記一般式(1)で表わされる化合物(1A)10.0g、合成例10で用いた化合物(21)20.0g及び「ABN−E」2.0gからなるモノマー溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、共重合体A−10を得た。
【0084】
【表1】
Figure 0004174904
【0085】
(上表において、MEKはメチルエチルケトンを、n−BuMAはn−ブチルメタクリレートを、MAAはメタクリル酸を、ABN−Eは日本ヒドラジン工業製の重合開始剤をそれぞれ表わす。また、「本発明の化合物」とは、請求項1記載のカルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマーであり、同欄における括弧内の数字は、化合物番号を表わす。)
【0086】
(比較合成例1)
還流冷却管、温度計、滴下ロート、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた容量1リットルの四ツ口フラスコに、メチルエチルケトン270.0gを仕込み、一方、滴下ロートに、スチレン50.0g、n−ブチルメタクリレート123.0g、メタクリル酸7.0g及び「ABN−E」(日本ヒドラジン工業(株)製の熱重合開始剤)2.0gからなるモノマー溶液を仕込んだ。次いで、窒素導入下に攪拌しながらメチルエチルケトンを78〜80℃まで加熱し、同温度を維持しながら、3時間かけて滴下ロート中のモノマー混合物を滴下した後、更に6時間攪拌を継続して溶液重合を行った。反応終了後、内容物を減圧下に脱溶剤/乾燥させ、溶融樹脂を室温まで放冷した後、粗粉砕機で粉砕して、共重合体B−1を得た。
【0087】
(比較合成例2)
還流冷却管、温度計、滴下ロート、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた容量1リットルの四ツ口フラスコに、メチルエチルケトン270.0gを仕込み、一方、滴下ロートに、スチレン35.0g、n−ブチルメタクリレート120.2g、「ビスコート#2100」(大阪有機化学工業(株)製の2−ヒドロキシエチルアクリレートの無水フタル酸変性物)24.8g及び「ABN−E」(日本ヒドラジン工業(株)製の熱重合開始剤)2.0gからなる溶液を仕込んだ。次いで、窒素導入下に攪拌しながらメチルエチルケトンを78〜80℃まで加熱し、同温度を維持しながら、3時間かけて滴下ロート中のモノマー混合物を滴下した後、更に6時間攪拌を継続して溶液重合を行った。次いで、内容物を減圧下に脱溶剤/乾燥させ、溶融樹脂を室温まで放冷した後、粗粉砕機で粉砕して、共重合体B−2を得た。
【0088】
(実施例1〜10、及び比較例1〜2)
合成例1〜10及び比較合成例1〜2で得た共重合体(A−1〜10及びB−1〜2)のいずれか3部、ポリエステル樹脂(Tg=65.6℃、酸価=約10、Mw=約10,000、Mn=約3,200)100部、カーボンブラック(三菱化学(株)製、MA−100)5部及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコール550P」)2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで加熱ロールミルで溶融混練し、室温まで冷却した後、ジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径10μmの粉末とした。このトナー粉末3部を鉄粉キャリア(パウダーテック製、TSV−201)97部と混合し、二成分現像剤を調製した。
【0089】
(トナーの評価方法)
各例で得た現像剤を以下に示した方法により評価した結果を表3〜5にまとめて示した。
【0090】
(1)帯電量測定;
上記の二成分現像剤について、20℃/45%RHの条件下に5分間摩擦帯電させた後、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を用いて初期帯電量(μC/g)を測定した。 5000枚複写テスト後の該現像剤についても、同様の方法で帯電量を測定した。
【0091】
(2)複写テスト;
上記の現像剤を用いて、市販の複写機で複写テストを行い、画像濃度、カブリ、フィルミングについて以下の基準で評価を行った。
画像濃度;ベタ印刷画像部分についてマクベス光学濃度計で光学濃度(OD)を測定した。
カブリ;同じ光学濃度計を用いて、原稿の白地部分の現像画像濃度と使用転写紙の光学濃度(OD)の差を測定した。
○;OD=0〜0.015未満
×;OD=0.015以上
フィルミング;感光体の汚れの有無を目視で観察した。
○;汚れなし
×;トナー汚れあり
【0092】
(3)帯電立ち上がり性評価;
複写開始後10枚目のベタ印刷画像部分の光学濃度(OD)を測定した。
○;OD=1.25以上
×;OD=1.25未満
【0093】
【表2】
Figure 0004174904
【0094】
【表3】
Figure 0004174904
【0095】
【表4】
Figure 0004174904
【0096】
(実施例11〜13)
合成例1、2及び5で得た共重合体(A−1、A−2及びA−5)のいずれか3部、ポリエステル樹脂(実施例1〜10と同じ材料)100部、「KET BLUE 106 C.I.Pig.No.B-15-4」(大日本インキ化学工業(株)製)5部及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコール550P」)2部を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして、トナー及び二成分現像剤を調製し、同様の評価を行なった。
【0097】
(実施例14〜16)
合成例2、4及び6で得た各共重合体(A−2、A−4及びA−6)のいずれか3部、ポリエステル樹脂(実施例1〜10と同じ材料)100部、「KET RED 309 C.I.Pig.No.R-122」(大日本インキ化学工業(株)製)5部及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコール550P」)2部を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして、トナー及び二成分現像剤を調製し、同様の評価を行なった。
【0098】
(実施例17〜20)
合成例1、2、6、及び8で得た各共重合体(A−1、A−2、A−6及びA−8)のいずれか3部、スチレン/アクリル共重合樹脂(Tg63.6℃、酸価約20、Mw約40,000、Mn約7,800)100部、カーボンブラック(三菱化学(株)製の「MA−100」)5部及びポリプロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコール550P」)2部を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして、トナー及び二成分現像剤を調製し、同様の評価を行なった。
【0099】
実施例11〜20の評価結果を表6〜7にまとめて示した。
【0100】
【表5】
Figure 0004174904
【0101】
【表6】
Figure 0004174904
【0102】
【発明の効果】
本発明の電荷調整剤は、カルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマーを導入した重合体であるので、負帯電特性が促進され、該電荷調整剤をトナー樹脂と混練することにより、帯電立ち上がり性、帯電経時安定性等に優れたトナーを提供することができる。また、該電荷調整剤は着色が殆どないため、カラートナーに用いた場合に、鮮明なカラー画像を得ることができる。従って、本発明の電荷調整剤は、全く着色のない、且つ又、帯電立ち上がり性、帯電経時安定性に優れた負帯電性トナーの電荷調整剤として有用である。

Claims (5)

  1. カルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマーを含有する重合性組成物の重合体からなる負帯電性電荷調整剤。
  2. カルボキシル基で置換されていても良いジフェニル基を有するラジカル重合性モノマーが、下記一般式(I)、(II)及び(III) で表わされる化合物からなる群から選ばれるラジカル重合性モノマーである請求項1記載の負帯電性電荷調整剤。
    一般式(I)
    Figure 0004174904
    一般式(II)
    Figure 0004174904
    一般式(III)
    Figure 0004174904
    [上記一般式(I)〜(III) において、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2は2価の有機基を表わす。]
  3. 重合性組成物が、さらにスチレン又はα−メチルスチレン、を含有する重合性組成物である請求項1又は2記載の負帯電性電荷調整剤。
  4. 重合性組成物が、さらにアニオン性基を有するラジカル重合性モノマーを含有する重合性組成物である請求項1、2又は3記載の負帯電性電荷調整剤。
  5. トナー樹脂、着色剤及び電荷調整剤を含有するトナーにおいて、電荷調整剤として、請求項1、2、3又は4記載の負帯電性電荷調整剤を用いることを特徴とする静電荷像現像用負帯電性トナー。
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