JP4176352B2 - 静電荷像現像用カラートナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の感光体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、該トナー像を紙等の記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
【0003】
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
【0004】
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱しトナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。この方法は熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点がある反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後剥離するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
【0005】
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラー表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されている。この方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しコスト高になってしまう。このためモノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
【0006】
しかし、前述したように、カラートナーでは色再現性を向上させるために定着画像の表面を平滑にする必要があるため溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。また、トナー中に離型剤を含有させるとトナーの付着性が高まり転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下し、トナーの流動性が低下することにより、トナーホッパーから現像器へのトナー補給が不十分となるといった問題が発生する。
【0007】
これらトナー付着性の問題に対する解決策として、無機微粒子または/及び樹脂微粒子を外添する方法がある。しかし、付着性軽減に効果がある程度の該微粒子量を添加すると、トナー表面から剥離した該微粒子がトナー中で多量に遊離し、感光体上に形成された電気的潜像をトナーにより現像する際に、トナーと共に感光体上に移行しやすく、トナー画像を感光体上から紙などの転写材に転写した後も感光体上にとどまり、クリーニングされずに感光体上に付着することがしばしば認められる。遊離した該微粒子が感光体上に蓄積されると、感光体上にフィルミングが生じ、転写材に転写されたトナー画像の画像欠陥や画像濃度の低下の原因となり、耐久性も劣るようになり、また感光体表面に傷をつけ感光体の寿命が低下する原因にもなっている。また、感光体上の電気的潜像をトナーにより現像する際に、遊離した該微粒子が現像器内からこぼれ落ちて複写機内などを汚染するという問題もある。また、遊離した該微粒子を多く含むトナーは、現像器内でストレスを受けた時、初期との付着状態の変化が大きく、現像器内にトナーが追加された際、追加トナーと帯電レベルが異なり、地汚れや画像濃度低下が発生しやすい。
【0008】
また、前述したカラートナーは熱に変形しやすいため、経時における現像ユニット内での攪拌により外添した無機微粒子または/及び樹脂微粒子が埋没して、有効に機能できる該微粒子の割合が減少し、流動性低下、地汚れ、トナー飛散等が生じる。これは、現像ユニット内では雰囲気下の熱やキャリア同士やキャリアとトナー間での摩擦熱が生じ、現像ユニット内での攪拌によりトナーに対して摩砕力・衝撃力・剪断力が加えられるため、トナー表面の粘弾性が低下し外添した該微粒子が埋め込まれやすくなるためである。そのため所望のトナー特性を得るためにさらに該微粒子の添加量を増やさねばならなくなるが、過度の添加により、付着力の弱い、あるいは未付着の遊離した該微粒子が増えるため、感光体に移行して付着する割合が増加し、画像欠陥が発生する恐れがある。
【0009】
このような状況において、従来提案されている事柄は、例えば特開平8−220808号公報では軟化点90〜120℃の線型ポリエステル樹脂とカルナバ離型剤を用いたトナーが、特開平9−106105号公報では互いに相溶する軟化点の異なる樹脂と離型剤からなるトナーが、特開平9−304964号公報ではポリエステル樹脂と離型剤の溶融粘度を規定したトナーが、特開平10−293425号公報では軟化点90〜120℃のポリエステル樹脂とライス離型剤、カルナバ離型剤及びシリコーンオイル含有したトナーが、特開平5−61242号公報では離型剤内包型の重合法トナーが提案されているが、適度な光沢を持たせながら、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とした定着方法でも十分なオフセット防止性があると同時に転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性に優れたトナーとはなっていない。
【0010】
転写性、耐久性、流動性、現像性、帯電性、保存性(耐ブロッキング性)等の改善を目的として、母体トナー粒子に添加剤を外添することは頻繁に行われており、転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すことと、トナー表面を添加剤で覆い接触面積が低下することにより、この効果が得られる。
それら添加剤としては、例えば特開昭52−30437号公報では疎水性シリカ等を代表とする疎水性微紛末が、特開昭60−238847号公報ではシリカ微粒子に酸化アルミニウムや酸化チタン微粒子等を混入したものが、或いは特開昭57−79961号公報ではアルミナ被覆チタニア微粒子等が提案されている。また、酸化チタンについては、特開昭60−112052号公報ではアナターゼ型の結晶構造を有するものが、特開昭57−79961号公報では酸化アルミニウム被覆酸化チタンが、さらに特開平4−40467公報、及び特開平3−348354号公報では酸化チタン微粒子をカップリング剤で表面処理したものが提案されているが、一般的には流動性付与効果が最も高いシリカが用いられている。
【0011】
これらシリカ等の疎水性微粉末を添加剤として使用する事によって、保存性、搬送性、現像性、転写性はかなり改善されるが、これらの改善に十分な量を使用すると、経時安定化や環境特性等の帯電性に悪影響を及ぼすのみならず、定着性も悪くなるという問題があった。すなわち、帯電性に関しては、帯電量、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性、及び環境安定性等の要求を満足する事が求められ、シリカ等を使用した場合には、帯電量については充分に得られるが、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性及び環境安定性に悪影響を及ぼし、場合によっては画像チリ等の現象も見られるという問題があった。
【0012】
また、トナーに添加剤を用いたものとして、例えば、特公平2−27664号公報、特開昭62−129866号公報、特開平2−43564号公報、特開平8−194335号公報及び特開平9−146293号公報等には、シリカとチタニアとを添加付着させたトナーが記載されている。しかしながら特公平2−27664号公報及び特開昭62−129866号公報には、これらの添加剤が母体トナーにどの程度付着したものかについては何ら記載がなく、また、特開平2−43564号公報、特開平8−194335号公報及び特開平9−146293号公報記載のトナーは、これら添加剤として、大きさの異なる微粒子を使用したものであるが、特開平2−43564号公報には、これら添加剤が母体トナーにどの程度付着したものかについては何ら記載がなく、特開平8−194335号公報及び特開平8−146293号公報記載のトナーは、遊離の添加剤の割合が高く、地汚れや画像濃度低下、フィルミングの発生等を充分防止しうるものではない。
【0013】
また、トナーの表面に表面処理用の微粒子を混合するにあたり、表面処理用の微粒子をトナーの表面に処理するようにした場合、トナー粒子の表面にこれらの表面処理用の微粒子が互いに均一に分散されず、固まった状態でトナー粒子の表面に存在するため、製造されたトナーにばらつきが生じ、トナーの帯電性不安定・流動性低下等の問題があった。このため、特開昭63−85756号公報、特開昭63−244056号公報等に示されるように、結着樹脂を主成分とするトナー粒子の表面に着色剤や荷電制御剤等の表面処理用の微粒子を衝撃力が主体となる機械的、熱的エネルギーによって固定化させることが検討されたが、微粒子は固まった状態で固定化されるため、製造されたトナーにバラつきが生じ、トナーの帯電性が安定しなくなると共に流動性が悪くなる等の問題があった。また、特開平05−034970号公報、特開平05−034971号公報、特開平05−040362号公報、特開平05−040363号公報記載のトナーでは、トナー芯粒子の表面に表面処理用の微粉末を混合、固定化/成膜化さたものであるが、本発明のトナーのような、溶融時の粘弾性が低い構成のトナーにおける考慮がなされていなかった。
【0014】
また、従来、カラートナーにはポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の低分子量で光沢が得られ易い結着樹脂が用いられてきたが、これらの結着樹脂は親水性基を含有するため湿度による帯電量の変化が大きいという欠点を有していた。さらに、最近は高画質を得るためにトナーを小粒径化する傾向にあるが、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂は従来からモノクロトナー用結着樹脂として用いられてきたスチレン系樹脂に比べ粉砕性が劣るという欠点を有している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、適度な画像光沢があり色再現性に優れ、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、或いはオイル塗布量をごく微量とした定着方法でも十分なオフセット防止性があると同時に、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性、フィルミングの発生防止等に優れた静電荷像現像用カラートナーを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定の特性を持った2種以上の結着樹脂と離型剤を特定の相分離構造とした静電荷像現像用カラートナーとすることにより、その目的を達成できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、少なくとも着色剤、2種類以上の結着樹脂、及び離型剤を含有する静電荷像現像用カラートナーにおいて、前記2種類以上の結着樹脂と離型剤とが互いに非相溶で海島状の相分離構造を有し、該相分離構造は、連続相の海状結着樹脂中に島状結着樹脂が分散し、該島状結着樹脂中に実質的に離型剤を内包したものであり、該海状結着樹脂は、THF不溶解成分を含有せず、GPCによる重量平均分子量が10000〜90000であり、少なくとも比表面積が60〜400m/gの範囲に当てはまる無機微粒子が1種以上外添されたものであり、メカノケミカル法または高速気流中衝撃法のいずれかを用いた処理工程のうち添加した微粒子を予備分散させる工程と、予備分散させた微粒子をトナー母体粒子表面に固定化させる工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
【0017】
本発明によれば、該処理工程が、添加した微粒子を予備分散させる工程と、予備分散させた微粒子をトナー母体粒子表面に固定化させる工程と、添加した微粒子を固定化したトナーに更に微粒子を添加混合し分散させる工程とを含むことを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
【0018】
本発明によれば、前記添加した微粒子を固定化したトナーに更に微粒子を添加混合し分散させる工程で、更に加える微粒子が疎水化処理されたシリカであることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、少なくとも前記無機微粒子の1種以上が、疎水化処理された酸化チタンであることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、少なくとも前記無機微粒子の1種以上が、疎水化処理されたシリカであることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、少なくとも前記無機微粒子の1種類以上が、比表面積20〜80m/gの範囲の、疎水化処理されたシリカ粒子または/及び樹脂微粒子であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
【0019】
本発明によれば、前記海状結着樹脂が、ポリエステル樹脂または/及びポリオール樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、前記島状結着樹脂が、THF不溶解成分を含まず、GPCによる重量平均分子量が10000〜60000であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、前記島状結着樹脂が、離型剤成分をビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
本発明によれば、前記離型剤の融点が70〜125℃で、針入度が5以下であることを特徴とする静電荷像現像用カラートナーとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下より、本発明の実施の形態について図に基づき説明する。
本発明における静電荷像現像用カラートナーの最も大きな特徴は、少なくとも2種類以上の結着樹脂及び離型剤を含有し、それらが互いに非相溶で海島状の相分離構造をとり、連続相である海状の結着樹脂A中に、島状の他の結着樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中に離型剤が内包されており、且つ、少なくとも無機微粒子または/及び樹脂微粒子を1種以上外添しており、該外添剤の遊離が少ないことである。
【0021】
この構造を確実に形成し、さらに本発明の課題を達成するためには、
(1)結着樹脂A、結着樹脂B及び離型剤のSP値が、結着樹脂AのSP値>結着樹脂BのSP値>離型剤のSP値であり、結着樹脂Aと結着樹脂BのSP値差が0.6以上であり、トナー中の結着樹脂及び離型剤の合計量に対して結着樹脂Aが55〜96重量%、結着樹脂Bが2〜44重量%、離型剤が2〜15重量%であること、
(2)静電荷像現像用カラートナーの製造工程において、混合工程を工夫して該外添剤遊離率を低減する、
上記(1)、(2)双方を満たすことが重要である。
【0022】
従来の、結着樹脂に離型剤が島状に分散した海島構造のトナーでは、粉砕時に結着樹脂と離型剤の界面に粉砕応力が集中し易いため、結着樹脂と離型剤の界面で粉砕され易く、粉砕されたトナーの表面には添加した離型剤の割合以上に離型剤が露出しており、このことが転写性や耐久性を低下させる原因となっていた。本発明のトナーでは、海状結着樹脂Aに島状結着樹脂Bが分散し、島状結着樹脂Bの中に離型剤が内包されている構造とすることにより、粉砕応力が結着樹脂Aと結着樹脂Bとの界面にも集中させることができ、粉砕されたトナー表面への離型剤の露出量を減少させ、転写性、耐久性に優れたトナーとすることができ、しかも離型剤はトナー表面近傍に存在するため耐オフセット性の低下もほとんどない。また、応力の集中する非相溶面の増加により粉砕性が向上し、小粒径のトナーを生産効率よく製造することができる。
【0023】
但し、カラートナーに用いられる結着樹脂は、モノクロトナーの結着樹脂と比べて柔らかく、更に離型剤を含有させることによりトナー粒子の付着力が増大して転写紙への転写性が低下する。トナー付着性を軽減する対策として無機微粒子あるいは/及び樹脂微粒子を外添する方法がある。付着性軽減に効果がある程度の該微粒子量を添加すると、トナー表面から剥離した該微粒子がトナー中で多量に遊離し、トナーの飛散や帯電不良を生じる。
【0024】
また、本発明のカラートナーは、その製造工程において、トナー表面に外添させる無機微粒子をメカノケミカル法または高速気流中衝撃法または熱気中改質法のいずれかの処理工程のうち、処理工程回数を2回以上含む、若しくは処理工程中に処理条件を変化させる。これにより、トナー表面における添加剤埋没を抑制し、また、トナー表面からの添加剤の剥離を抑え、トナーの飛散や帯電不良を防止することができる。特に、本発明のトナー母体の構成のような、溶融時の粘弾性が低い特徴を持つトナーにおいては、その効果が著しく大きい。
【0025】
無機微粒子は概ね球形をしているものの他に、多面体、紡錘、板状、針状、不定形の形状を持つものがあり、平均半径という基準では粒子の大きさを規定し難く、比表面積で表すのが妥当である。少なくとも比表面積が60〜400m2/gの範囲に当てはまる該微粒子に、衝撃力が主体となる機械的、熱的エネルギーを2回以上加える、若しくは処理工程中に処理条件を変化させる必要があり、好ましくは、該処理工程の1回目の処理に加えた総エネルギー量(E1)と2回目以降の処理に加えた総エネルギー量(E2x、但しx:該処理工程x番目)とした時、E2x/E1>2(x:2、3、4、…)を満たすE1、E2xの組み合わせが1つ以上存在するのが望ましい。結果、微粒子が均一に分散され且つ経時安定な状態で存在することで、帯電安定性や流動性等に優れた静電潜像現像用トナーが得られるようになる。
【0026】
上記処理工程は、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、スーパーミキサー(川田製作所製)、Qミキサー(三井鉱山製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械制作所社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)、オングミル(ホソカワミクロン社製)等の混合・処理装置を1種類又は2種類以上用いて行う。必要に応じて、100μm程度以下の目開きの篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子等の除去をする。
【0027】
更に、離型剤を含有させた結着樹脂はモノクロトナーと比べて柔らかいが、上記処理工程を行うことにより結着樹脂内部の表面近傍に添加剤を存在させることができ、トナー表面の該微粒子がトナー中に遊離するのを抑え且つトナー表面上該微粒子の経時存在状態の変化が起こりにくくすることができる。比表面積が100m/g〜400m/gの範囲を外れる無機微粒子は、流動性や経時安定性に問題があり、単独で使用するのは本発明において適切とは言えない。
【0028】
本発明トナーの上記処理工程において、少なくとも、該微粒子を予め分散させ(以下、「予備混合」と呼ぶ)たのち、衝撃力が主体となる機械的、熱的エネルギーによって固定化(以下、「固定化」と呼ぶ)させ、更に微粒子を添加混合し分散させ(以下、「後混合」と呼ぶ)る必要があり、好ましくは、「予備混合」時に加えるエネルギーよりも「固定化」時に加えるエネルギーの方が大きくなることが望ましい。より好ましくは「予備混合」と「後混合」の混合条件が同じであり、更に、該微粒子の分散固定化工程が上記3工程で成り立っているのが望ましい。これらの処理工程は、帯電特性、粉体特性、コスト、添加剤の凝集状態、遊離添加剤によるデフェクト等で優位性がある。
【0029】
さらに、本発明トナーの該処理工程における「予備混合」「固定化」「予備混合」における混合工程を工夫することにより、同一の混合機を用いて前記3工程を達成する事ができる。すなわち、混合条件の単位時間エネルギーを制御することにより、清掃・切り替え等を行う必要がなくなり、生産性向上につながる。
【0030】
本発明のトナーにおいて、母体トナー粒子に外添する無機微粒子または/及び樹脂微粒子の代表例としては、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等があり、樹脂微粒子は後記結着樹脂を含有しており、必要に応じて、前記顔料、前記荷電制御剤を該トナー母体に内添、若しくは前記無機微粒子を該トナー母体に内添または該トナー表面に外添させる。
【0031】
本発明のカラートナーにおいて、それら添加剤としては、該微粒子が表面疎水化処理されていることが好ましく、これによって流動性の付与と帯電の安定化を同時に満足し得ることが可能となる。すなわち疎水化処理されていることにより、帯電量を左右する因子である水分の影響を除外し、高湿下及び低湿下での帯電量の格差を低減することで環境特性を向上させることが可能になる点と、製造工程の中で疎水化処理を入れることで一次粒子の凝集を防ぐことが可能となり、トナーに均一な帯電付与を行うことが可能になる。
【0032】
さらに本発明では、1種類以上の該微粒子が、疎水化処理された酸化チタンまたはシリカであることを特徴とする。
シリカ微粒子がそれ自身強い負帯電性であるのに対して、酸化チタン微粒子はほぼ中性の帯電性であり、疎水化処理の程度によっては、目的とする帯電のレベルにコントロールできることに起因する。
【0033】
本発明に用いられる疎水化処理剤としては、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロール、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシラン、シロキサン、シラン、シリコーンオイル等のシラン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が熱分解しないものが良い。
【0034】
具体的には、カップリング剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合基の双方を有しているRoxy Si (R:アルキル基、フェニル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基等の炭化水素基、Roxy:アルコキシ基)、より疎水性を高めたR oxy SiやR oxySi、反応性を高めたR oxy SiX(R:アルキル基、フェニル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基等の炭化水素基、Roxy:アルコキシ基、X:ハロゲン元素、X+Y+Z=4を満たす)が挙げられる。
【0035】
上記疎水化処理剤の代表例としては、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられる。この他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。
【0036】
またその処理量は、酸化チタン微粒子に対して重量比3〜30%、好ましくは10〜22%とし、疎水化度を30〜90%、好ましくは40〜80%にすれば良い。
すなわち、疎水化度は30%を下回ると、高湿下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハード側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化は避けられない。また、疎水化度が90%を超えると、酸化チタン微粉体自身の帯電コントロールが難しくなり、結果として低湿下でトナーがチャージアップしやすく好ましくない。
【0037】
本発明のカラートナーでは、トナー母体に外添する無機微粒子として少なくとも疎水化処理された酸化チタンが1種以上必要であるが、好ましくは疎水化処理剤がRoxy 3Si(R:アルキル基、フェニル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基等の炭化水素基、Roxy:アルコキシ基)、より好ましくはアルキルトリアルコキシシラン、更に好ましくはアルキルトリアルコキシシラン(C2n+1)(C2m+1O)Si(n=4〜12の自然数、m=1〜3の自然数)、特に好ましくはアルキルトリメトキシシラン(C2n+1)(CHO)Si(n=4or6)が望ましい。
疎水化処理剤としてアルコキシシランが好ましい理由には、Roxy Si (R:アルキル基、フェニル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基等の炭化水素基、Roxy:アルコキシ基)に比べ、疎水性基及び反応性の両立がしやすいことが挙げられる。
【0038】
疎水化処理剤としてアルキルトリアルコキシシラン(C2n+1)(C2m+1O)Si(n=4〜12の自然数、m=1〜3の自然数)が更に好ましいのは、nが4より小さいと、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくいためである。また、nが13より大きいと疎水性は十分になるが、微粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしまう傾向を示す。また、mは3より大きいと反応性が低下して良好な疎水化が得られにくい。nの値が好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、mの値が好ましくは1〜3、より好ましくは1か2が良い。特に好ましくは、nの値が4若しくは6、mの値が1、であるのが望ましい。
【0039】
また、本発明のカラートナーでは、トナー母体に外添する無機微粒子として少なくとも疎水化処理されたシリカ粒子が1種以上必要であるが、疎水化処理剤は先に代表例として示したものを用いる。好ましくは、比表面積が60〜400m/gの範囲に当てはまる疎水化処理されたシリカ粒子または/及び樹脂微粒子、更に好ましくは比表面積が80〜300m/gの範囲に当てはまる疎水化処理されたシリカ粒子、特に好ましくは比表面積が80〜300m/gの範囲に当てはまり、疎水化処理でヘキサメチルジシラザンを処理剤として用いたシリカ粒子が外添されるのが望ましい。該疎水化処理においては必要に応じてヘキサメチルジシラザンによる処理とシリコーンオイルを併用する場合もある。
【0040】
さらに、上記の無機微粒子と併用して、従来用いられていた添加剤より大きな粒径の添加剤をトナーに外添することにより、耐久性を向上させることができる。
トナーに外添された金属酸化物微粒子は、現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電して現像に供される過程で、母体トナー粒子に埋め込まれてしまう傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができる。
樹脂微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ブタンジエン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリフッ化ビニリデン等の樹脂の微粒子、脂肪酸、脂肪酸金属塩及び脂肪酸エステル等の微粒子を挙げることが出来る。
【0041】
本発明カラートナーでは、少なくとも比表面積20〜80m/gの範囲に当てはまる疎水化処理されたシリカ粒子あるいは/及び樹脂微粒子が1種以上外添され、好ましくは比表面積が25〜50m/gの範囲に当てはまる疎水化処理されたシリカ粒子あるいは/及び樹脂微粒子、更に好ましくは比表面積が25〜50m/gの範囲に当てはまる疎水化処理されたシリカ粒子、特に好ましくは比表面積が25〜50m/gの範囲に当てはまり、疎水化処理でヘキサメチルジシラザンを処理剤として用いたシリカ粒子が外添されるのが望ましい。該疎水化処理においては必要に応じてヘキサメチルジシラザンによる処理とシリコーンオイルを併用する場合もある。
【0042】
本発明のカラートナーに使用される結着樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、スチレン、パラクロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)タクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル酸、(メタ)アクリアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重量体、又は、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹脂、水添石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
【0043】
本発明のカラートナー内に形成される相分離構造における、連続相の海状結着樹脂Aと、実質的に離型剤を内包し、海状結着樹脂A中に分散している島状結着樹脂Bにおいて、以下のことが言える。
【0044】
海状結着樹脂Aとしては、従来からカラートナーに用いられているポリエステル樹脂やポリオール樹脂が適している。なお、ポリオール樹脂としては、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいい、エポキシ樹脂、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテル、エポキシ基と反応する活性水素を有する化合物を反応させ得られるポリオール樹脂が好適に用いられる。
【0045】
島状結着樹脂Bとしては、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性に優れたスチレン系樹脂、特にスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が好適に用いられる。さらに、島状結着樹脂Bとしてワックス成分をビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤を用いることによりワックスが微分散され、トナー表面に露出するワックス量がさらに減少し、転写性、耐久性が向上する。
【0046】
なお、海状結着樹脂Aと島状結着樹脂BのSP値差を求めるとき、海状結着樹脂Aが2種類の場合の海状結着樹脂Aと島状樹脂BとのSP値差は、海状結着樹脂A1と海状結着樹脂A2の配合比率を考慮したSP値の平均値と島状結着樹脂BのSP値との差となる。
【0047】
また、色再現性の面から、画像の光沢は5%以上、より好ましくは10%以上あることが好ましく、海状結着樹脂AはTHF不溶分を含有せず重量平均分子量が90000以下、より好ましくは50000以下、島状樹脂BはTHF不溶分を含有せず重量平均分子量が60000以下とすることにより達成可能となる。また、海状結着樹脂A、島状結着樹脂Bともに重量平均分子量が10000以下では十分なオフセット防止効果が得られない。
【0048】
本発明のカラートナーに用いられる離型剤としてのワックス類は、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステルワックス等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
これらのワックスの内、カルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステルワックスが好適に用いられる。その理由はポリエステル樹脂やポリオール樹脂に対してカルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステルワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。またこれらワックス類を1種又は2種以上を併用して用いることもできる。
【0049】
本発明のカラートナーに用いられる離型剤として、融点が70〜125℃の範囲のものを使用するのが好ましい。融点を70℃以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の使用量は、トナーに対して2〜15重量%が好適である。2重量%以下ではオフセット防止効果が不十分であり、15重量%以上では転写性、耐久性が低下する。さらにワックスの選択において重要な点は島状結着樹脂Bに対して非相溶であることである。
【0050】
ただし、転写性や耐久性からトナー中のワックスの最大分散粒径が長軸径でトナーの最大粒径の1/2以下であることが好ましく、より好ましくはワックスの最大分散粒径が長軸径でトナーの最大粒径の1/3以下である。ただし、ワックスの最大分散粒径が長軸径で0.5μm以下となると定着時にワックスがしみ出し難くなりオフセット防止効果が不十分となる。
なお、ワックスの最大分散粒径の測定方法としては、結着樹脂は溶解するがワックスは溶解しない溶剤にトナーを入れ、結着樹脂を溶解させた後、光学顕微鏡で1000倍で観察し最大分散粒径を求める。トナーの最大粒径はコールターカウンターにて最大粒子の存在するチャンネルの平均値とする。なお、ワックスのSP値は、SP値既知の溶剤に対する溶解性から求める。
【0051】
本発明のカラートナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な、公知の顔料や染料を使用することができる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
【0052】
本発明のカラートナーは必要に応じ荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.BasicViolet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、モノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。
ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
【0053】
本発明のカラートナーは一成分現像用、二成分現像用ともに用いることができる。
トナーを二成分現像剤用として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで被覆処理した物などが挙げられ、粒径は体積平均粒径で25〜200μmが好ましい。
【0054】
本発明のトナーの製造法は従来公知の方法が適用できるが、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
【0055】
以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20μmに粒度調整される。
【0056】
以下、本発明における物性値の定義及び測定方法を記載する。
本発明のカラートナーに用いられる樹脂のSP値(溶解性パラメーター:δ)はHildebrand−Scatchardの溶液理論において次式で定義される。
δ=(ΔEv/V)1/2
(ここでΔEvは蒸発エネルギー、Vは分子容、ΔEv/Vは凝集エネルギー密度を示す。)
SP値(溶解性パラメーター)の求め方は各種あるが、本発明では、主にモノマー組成からFedorらの方法を用いて計算により求めた値を用いる。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
(ここでΔeiは原子または原子団の蒸発エネルギー、Δviは原子または原子団のモル体積を示す。)
【0057】
<THF不溶解分>
THF不溶解分の測定は、トナー1.0gを秤量し、これにTHF50gを加えて20℃で24時間静置する。これをJIS規格(JIS P 3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。乾燥後ろ紙残渣を秤量し、着色剤、荷電制御剤等のトナー中に含有するTHFに不溶な固形分量(計算値)を差し引き樹脂成分中のTHF不溶分を求めトナー中の樹脂重量に対する百分率(重量%)で表わす。着色剤、荷電制御剤等の固形物の含有量が未知の場合は熱分析等により別途求める。
【0058】
<GPCによる分子量の測定>
GPCによる分子量の測定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0059】
【実施例】
実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例内に記載されている粉砕性は、一定の条件としたエアー式粉砕機で粉砕し、粉砕された粒子径を測定し、粒径が小さいものほど粉砕性が良いと評価している。
【0060】
<実施例1>
ポリエステル樹脂(A1)80重量部/スチレン−メチルアクリレート樹脂(B1)15重量部/ポリエチレン離型剤(融点99℃、針入度1.5、SP値8.1)5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部
(ただし、A1:THF不溶分0、重量平均分子量が17000、Tgが59℃、SP値が10.8、B1:THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが62℃、SP値が9.3、樹脂B1の粉砕性は樹脂A1及びポリエチレン離型剤より高い)
【0061】
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し、体積平均粒径約7.5μmのシアン色の母体トナーを得た。
母体トナー100重量部に対して、外添剤として球形アルミナ粒子(比表面積:120m/g、シリコーンオイル未処理)0.5重量部をヘンシェルミキサーにて混合(800rpm、5分間)後、ハイブリダイゼーションシステムで処理(5000rpm、3分間)を行ない、目開き63μmの篩で風篩し、シアン色のトナーを得た。
【0062】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は16μm、トナー中の離型剤の最大長軸径は7μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に結着樹脂B1が島状に分散し、さらに結着樹脂B1中に離型剤が内包されていることが確認された。
【0063】
このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部とを混合攪拌して二成分現像剤を作製し、光沢度、オフセット性、転写性、地汚れ、流動性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性を評価した。結果を表1に示す。表から十分な光沢とオフセット性を得られながら、転写性、流動性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともにすぐれ、地汚れが少なくなっていることがわかる。
【0064】
<実施例2>
実施例1において、ヘンシェルミキサーによる混合及びハイブリダイゼーションシステムによる処理を行うところを、ヘンシェルミキサーによる混合(800rpm5分間攪拌後、2000rpm4分間)とした以外は実施例1と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢とオフセット性を得られながら、転写性、流動性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともにすぐれ、地汚れが少なくなっていることがわかる。
【0065】
<実施例3>
実施例1のトナー処方に、母体トナー100重量部に対して添加剤として球形アルミナ粒子(比表面積:120m/g、シリコーンオイル未処理)0.5重量部を外添し、実施例1と同条件で、ヘンシェルミキサーによる混合、ハイブリダイゼーションシステムによる処理を行ない、更に球形アルミナ粒子(比表面積:120m/g、シリコーンオイル未処理)0.2重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合(800rpm、5分間)後、目開き63μmの篩で風篩し、シアン色のトナーを得た。このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部を混合攪拌し二成分現像剤を作製し実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、地汚れが改善されている。
【0066】
<実施例4>
実施例3において、ハイブリダイゼーションシステム処理後、さらに外添する添加剤として加える球形アルミナ粒子の代りに、疎水化処理されたシリカ微粒子(比表面積:300m/g、ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品)を用いた以外は実施例3と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、流動性が向上している。
【0067】
<実施例5>
実施例4において、ヘンシェルミキサー混合前に外添する添加剤に、球形アルミナ粒子の代わりに疎水化処理された酸化チタン微粒子(比表面積:95m/g、ヘキシルトリメトキシシランで処理)を用いた以外は実施例4と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、実施例4より帯電安定性が優れていることがわかる。
【0068】
<実施例6>
実施例4において、ヘンシェルミキサー混合前に外添する添加剤に、球形アルミナ粒子の代わりに疎水化処理されたシリカ微粒子(比表面積:300m/g、ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品)を用いた以外は実施例4と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、実施例4より流動性が優れていることがわかる。
【0069】
<実施例7>
実施例4において、ヘンシェルミキサー混合前に外添する添加剤に、球形アルミナ粒子0.5重量部の代わりに疎水化処理された酸化チタン微粒子(比表面積:95m/g、ヘキシルトリメトキシシランで処理)0.5重量部及び疎水化処理されたシリカ微粒子(比表面積:300m/g、ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品)0.8重量部とした以外は実施例4と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、実施例4より帯電安定性、流動性に優れ、実施例5、実施例6と比べて、帯電安定性及び流動性のバランスが良いことがわかる。
【0070】
<実施例8>
実施例7において、ヘンシェルミキサー混合前に外添する添加剤に、疎水化処理された酸化チタン微粒子0.5重量部、疎水化処理されたシリカ微粒子0.8重量部及び疎水化処理されたシリカ粒子(比表面積:30m/g、ヘキサメチルジシラザンで処理)2.5重量部、とした以外は実施例7と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、耐久性に優れていることがわかる。
【0071】
<実施例9>
実施例7において、ヘンシェルミキサー混合前に外添する添加剤に、疎水化処理された酸化チタン微粒子0.5重量部、疎水化処理されたシリカ微粒子0.8重量部及び樹脂微粒子(比表面積:50m/g、ポリメチルメタクリレート微粒子)重量部、とした以外は実施例7と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表から十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、耐久性に優れていることがわかる。
【0072】
<実施例10>
実施例7のトナー処方を、ポリエステル樹脂(A1)80重量部/スチレン−ブチルアクリレート樹脂(B2)15重量部/遊離脂肪酸除去カルナウバワックス(融点83℃、針入度1、SP値8.9)5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部/(ただし、A1:THF不溶分0、重量平均分子量が17000、Tgが59℃、SP値が10.8、B2:THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが61℃、SP値9.0)と変更した以外は実施例7と同様にしてトナーを作製した。
【0073】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックス(離型剤)の最大粒径は2μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に結着樹脂B2が島状に分散し、さらに結着樹脂B2の中にワックスが内包されていることが確認された。
【0074】
このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部とを混合攪拌し、二成分現像剤を作製して実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表のごとく十分な光沢とオフセット性が得られながら、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともに優れており、特に転写性、耐久性が非常に優れている。
【0075】
<実施例11>
実施例7のトナー処方を、ポリエステル樹脂(A2)70重量部/ポリエステル樹脂(A3)10重量部/スチレン−ブチルアクリレート樹脂(B2)15重量部/遊離脂肪酸除去カルナウバワックス(融点83℃、針入度1、SP値 8.9)5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部/(ただし、A2:THF不溶分0、重量平均分子量が12000、Tgが59℃、SP値10.8、A3:THF不溶分0、重量平均分子量が48000、Tgが59℃、SP値11.3、B2:THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが61℃、SP値9.0)と変更した以外は実施例7と同様にしてトナーを作製した。
【0076】
結着樹脂B2の粉砕性は結着樹脂A2、A3及び遊離脂肪酸除去カルナウバワックスワックスより高かった。このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大粒径は2μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A3と結着樹脂A4との混合樹脂中に結着樹脂B2が島状に分散し、さらに結着樹脂B2中にワックスが内包されていることが確認された。
【0077】
このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部とを混合攪拌し、二成分現像剤を作製して実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。十分な光沢が得られながら、オフセット性が向上している。
【0078】
<実施例12>
実施例7において、ポリエステル樹脂A1の代りにポリオール樹脂A4を用いた以外は実施例7と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。なお、ポリオール樹脂A4はビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加体のグリシジル化物、ビスフェノールF、p−クミルフェノールより合成され、THF不溶分0、重量平均分子量が18000、Tgが60℃、SP値が11.1であった。
【0079】
このの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大粒径は5μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A4中に結着樹脂B1が島状に分散し、さらに結着樹脂B1の中にワックスが内包されていることが確認された。結果を表1に示す。十分な光沢とオフセット性が得られながら、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともに優れていた。
【0080】
<実施例13>
実施例7において、結着樹脂B1の代りにポリエチレンワックスにスチレンとブチルアクリレート及びアクリロニトリル共重合樹脂をグラフト化した結着樹脂B3を用いた以外は実施例7と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結着樹脂B3は、THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが63℃、SP値が10.2であった。
【0081】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大粒径は1μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に結着樹脂B3が島状に分散し、さらに結着樹脂B3中にワックスが内包されていることが確認された。結果を表1に示す。十分な光沢とオフセット性が得られながら、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともに優れていた。特に転写性、耐久性が非常に優れている。
【0082】
<実施例14>
実施例13において、ポリエチレンワックスの代りに合成エステルワックスを用いた以外は実施例13と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。すなわち、ポリエステル樹脂 ( A1 ) にポリエチレンワックスをビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤 ( B3 ) と合成エステルワックスを用いた。合成エステルワックスは、融点84℃、針入度1、SP値8.8であった。
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大粒径は0.7μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に結着樹脂B3が島状に分散し、さらに結着樹脂B3中にワックスが内包されていることが確認された。
評価結果を表1に示したが、十分な光沢とオフセット性が得られながら、転写性、耐久性、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性ともに優れていた。特に転写性、耐久性が非常に優れている。
【0083】
<実施例15>
実施例14のトナー処方に、母体トナー100重量部に対し外添剤として、疎水化処理された酸化チタン微粒子0.5重量部及び疎水化処理されたシリカ微粒子0.8重量部を加え、Qミキサーによる混合(2000rpm5分間攪拌後、5000rpm15分間)を行い、目開き63μmの篩で風篩し、シアン色のトナーを得た。結果を表1に示す。得られたトナーは実施例14とほぼ同じ特性であったが、6時間当たりの生産量は6.2倍になった。
【0084】
<比較例1>
実施例1のトナー構成材料からスチレン−メチルアクリレート樹脂(B1)を除いた下記材料にて実施例1と同様にトナーを作製した。ポリエステル樹脂(A1)95重量部/ポリエチレン離型剤(融点99℃、針入度1.5、SP値8.5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部。
【0085】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中の離型剤の最大粒径は9μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に離型剤が島状に分散し、離型剤の分散粒径が実施例1より大きいことが観察された。このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部を混合攪拌し二成分現像剤を作製し実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表のごとく転写性、耐久性、粉砕性、湿度に対する帯電の安定性が不足し、地汚れも発生した。
【0086】
<比較例2>
実施例1のトナー構成材料から離型剤量を増加させた下記材料にて実施例1と同様にトナーを作製した。ポリエステル樹脂(A1)65重量部/スチレン−メチルアクリレート樹脂(B1)15重量部/ポリエチレン離型剤(融点99℃、針入度1.5、SP値8.1)20重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部。
【0087】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中の離型剤の最大粒径は10μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A1中に結着樹脂B1が島状に分散しているが、離型剤は結着樹脂A及び結着樹脂B中に島状に分散していることが確認された。このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部とを混合攪拌し、二成分現像剤を作製して実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表のごとくオフセット性には優れるが、転写性、流動性、耐久性が不足し、地汚れが発生した。
【0088】
<比較例3>
実施例1のトナー構成材料でポリエステル樹脂A1の代りに低分子量のポリエステル樹脂A5を用いた下記材料にて実施例1と同様にトナーを作製した。ポリエステル樹脂(A5)85重量部/スチレン−メチルアクリレート樹脂(B1)15部/ポリエチレン離型剤(融点99℃、針入度1.5、SP値8.1)5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部(ただし、A5:THF不溶分0、重量平均分子量が7000、Tgが60℃、SP値10.8)。
【0089】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中の離型剤の最大粒径は8μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A5中に結着樹脂B1が島状に分散し、さらに樹脂B1中に離型剤が内包されていることが観察された。このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部とを混合攪拌し、二成分現像剤を作製して実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。表のごとくオフセット性が不足している。
【0090】
<比較例4>
実施例1のトナー構成材料でポリエステル樹脂A1の代りにTHF不溶解分を2重量%含有する高分子量のポリエステル樹脂A6を用いた下記材料にて実施例1と同様にトナーを作製した。ポリエステル樹脂(A6)85重量部/スチレン−メチルアクリレート樹脂(B1)15重量部/ポリエチレン離型剤(融点99℃、針入度1.5、SP値8.1)5重量部/帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩)2重量部/着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料)2.5重量部(ただし、A6:THF不溶分2重量%、重量平均分子量が100000、Tgが61℃、SP値10.8)。
【0091】
このトナー中結着樹脂のTHF不溶分は1%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中の離型剤の最大粒径は5μmであった。また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、結着樹脂A7中に結着樹脂B1が島状に分散し、さらに結着樹脂B1中に離型剤が内包されていることが観察された。このトナー5重量部とシリコン樹脂コートキャリア95重量部を混合攪拌し二成分現像剤を作製し実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。表のごとくオフセット性は非常に優れていたが、画像光沢が低く、定着温度を10℃高め、線速を1/2としても十分な光沢が得られなかった。
【0092】
<比較例5>
実施例1で得られた母体トナー(外添剤無添加)を用い実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示したが、表1のごとく実施例1に対して転写性、流動性、耐久性が劣っており、地汚れも発生した。
【0093】
<比較例6>
実施例1において、ハイブリダイゼーションシステムによる処理を除く以外は実施例1と同様にしてトナーを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。比較例5に対して転写性、流動性、耐久性が向上したが、地汚れが発生した。
【0094】
以下に実施例における評価の方法及び条件を示す。
(1)光沢度
定着ローラーをPFAチューブ被覆ローラーに交換し、シリコーンオイル塗布装置を除去したリコー製カラー複写機プリテール650改造機を用いて、1.0±0.1mg/cmのトナーが現像される様に調整を行ない、定着ローラー表面温度が160℃ の時のベタ画像サンプルの光沢度を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。なお、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。この光沢度は、値の高い程、光沢があり、鮮明で色再現性に優れた画像を得るには、約10%以上の光沢度が必要である。
なお、定着ローラーは、厚さ2mmのシリコンゴムに25μmのPFAチューブを被覆してあり、定着圧力は80Kgであり、ニップ幅は8mm、ニップの形状は定着ローラー側に凹んでいる。定着ローラーのヒーター出力は650W、加圧ローラーのヒーター出力は400Wを用いた。
【0095】
(2)オフセット性
光沢度の評価に用いたリコー製カラー複写機プリテール650改造機を用い、定着ローラーの温度を5℃づつ変化させ、オフセットの発生し始める温度を測定した。なお、定着ローラーには、オイルを塗布しない条件で評価を行ない、転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000<70Wを用いた。 評価結果は以下のように表した。
◎:非常に高温までオフセットが発生せず非常に耐オフセット性に優れる
○:高温までオフセットが発生せずに耐オフセット性に優れる
△:耐オフセット性が不十分だが、微量のシリコンオイル(0.5〜1mg/A4サイズ)を塗布すれば耐オフセット性は満足する。
×:低温からオフセットが発生し、微量のシリコンオイルを塗布塗布しても耐オフセット性に劣る
【0096】
(3)転写性
光沢度の評価と同様の複写機を用い、転写紙への転写中に複写機を停止させ、中間転写ベルト上に残存しているトナー量を目視で確認し以下のランク付けを行った。
◎:転写残トナーが非常に少なく転写性に優れる
○:転写残トナーが少なく転写性に優れる
△:従来の離型剤含有カラートナーと同等の転写性
×:転写残トナーが非常に多く転写性に劣る
【0097】
(4)地汚れ
光沢度の評価と同様の複写機を用い、画像面積10%のテストチャートを5万枚複写し、非画像部における地汚れの発生程度を目視で確認し以下のランク付けを行った。
◎:非画像部における地汚れが全く発生していない
○:非画像部における地汚れが発生していない
△:従来の離型剤含有カラートナーと同等の地汚れ
×:非常に多く地汚れが発生している
【0098】
(5)流動性
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用い、目開き63μm、45μm、および22μmの篩をこの順に上から並べ、目開き63μmの篩で風篩した2gのトナーを投入して、振幅lmmで30秒間振動を与え、振動後の各篩上のトナー重量を測定し、それぞれに0.5、0.3および0.1の重みをかけ加算して100分率で算出した。ここで、得られた値が小さいほどトナーの流動性が良好であることを示す。
【0099】
(6)耐久性
光沢度の評価と同様の複写機を用い、画像面積10%のテストチャートを5万枚複写し現像剤の帯電量の低下度合いで評価した。
◎:帯電量の低下が非常に少なく耐久性に優れる
○:帯電量の低下が少なく耐久性に優れる
△:従来の離型剤含有カラートナーと同等の耐久性
×:帯電量の低下が非常に多く耐久性に劣る
【0100】
(7)湿度に対する帯電の安定性
10℃/15%RH及び30℃/90%RHの条件で二成分現像剤を作製し、ブローオフ法で測定した帯電量の絶対値をそれぞれL、H(μc/g)とすると、環境変動率は次式で表される。環境変動率は少なくとも40%程度以下が望まれ、より好ましくは20%以下である。
環境変動率=2(L−H)/(L+H)×100 (%)
表1における評価基準を以下に示す。
◎:環境変動率が20%以下
○:環境変動率が21〜40%
△:環境変動率が41〜70%
×:環境変動率が71%以上
【0101】
(8)トナー構造の確認
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、超薄切片を作成し、RuO等により染色した後、透過型電子顕微鏡にて観察する。
【0102】
【表1】
Figure 0004176352
【0103】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、海状結着樹脂中に島状結着樹脂が分散し、島状結着樹脂中に離型剤が内包されているため、トナー表面への離型剤露出量が減少し、従来より離型剤量を多く含有させることができるのでオフセット性が改善され、しかも離型剤を含有するトナー特有の転写性や耐久性の低下を抑制することができるとともに、トナーの粉砕性が向上するため小粒径のトナーの生産性を高くすることができ、また、海状結着樹脂がTHF不溶解成分を含有せず、GPCによる重量平均分子量が10000〜90000であり、且つ少なくとも比表面積が60〜400m/gの範囲に当てはまる無機微粒子が1種以上外添され、該トナーの製造工程において、メカノケミカル法または高速気流中衝撃法または熱気中改質法のいずれかの処理工程のうち、処理工程回数を2回以上含むことを特徴としているため、適度な画像光沢があり色再現性に優れた画像が得られながら、転写性や耐久性に優れ、地汚れが少ない静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
【0104】
また、本発明によれば、添加した微粒子を予備分散させる工程、予備分散させた添加微粒子をトナー母体粒子表面に固定化させる工程を行った後に更に微粒子を添加混合し分散させる工程を含むことで、十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、流動性に優れる静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
【0105】
さらに、本発明によれば、添加した微粒子を固定化したトナーに更に微粒子を添加混合し分散させる工程で、更に加える微粒子を疎水化処理されたシリカとすることで、十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、さらに流動性に優れ、地汚れのない静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、少なくとも外添する無機微粒子の1種以上を疎水化処理された酸化チタンとすることで、十分な光沢、オフセット性、転写性が得られ、帯電安定性に優れる静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、少なくとも外添する無機微粒子の1種以上を疎水化処理されたシリカとすることで、十分な光沢、オフセット性、転写性が得られ、流動性に優れる静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、少なくとも平均粒径20〜80m/g範囲に当てはまる、疎水化処理されたシリカ粒子または/及び樹脂微粒子を1種以上外添することで、十分な光沢、オフセット性、転写性が得られながら、耐久性が優れる静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
【0106】
さらに、本発明によれば、海状結着樹脂をポリエステル樹脂または/及びポリオール樹脂とすることで、光沢性(色再現性)に優れると同時にオフセット性にも優れる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、島状結着樹脂がTHF不溶解成分を含有せず、GPCによる重量平均分子量が10000〜60000とすることで、光沢性、色再現性、オフセット性に優れる静電荷像現像用カラートナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、島状結着樹脂を離型剤成分をビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤とすることで、トナー中の離型剤が微分散されトナー表面に露出する離型剤量がより減少し、転写性及び耐久性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
さらに、本発明によれば、離型剤の融点が70〜125℃で針入度が5以下であるので、オフセット性、転写性、耐久性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも着色剤、2種類以上の結着樹脂、及び離型剤を含有する静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記2種類以上の結着樹脂と離型剤とが互いに非相溶で海島状の相分離構造を有し、
    該相分離構造は、連続相の海状結着樹脂中に島状結着樹脂が分散し、該島状結着樹脂中に実質的に離型剤を内包したものであり、
    該海状結着樹脂は、THF不溶解成分を含有せず、GPCによる重量平均分子量が10000〜90000であり、
    少なくとも比表面積が60〜400m/gの範囲に当てはまる無機微粒子が1種以上外添されたものであり、
    メカノケミカル法または高速気流中衝撃法のいずれかを用いた処理工程のうち添加した微粒子を予備分散させる工程と、予備分散させた微粒子をトナー母体粒子表面に固定化させる工程とを有する
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  2. 請求項1記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    該処理工程が、添加した微粒子を予備分散させる工程と、予備分散させた微粒子をトナー母体粒子表面に固定化させる工程と、添加した微粒子を固定化したトナーに更に微粒子を添加混合し分散させる工程とを含む
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  3. 請求項2記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記添加した微粒子を固定化したトナーに更に微粒子を添加混合し分散させる工程で、更に加える微粒子が疎水化処理されたシリカである
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
    以上
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    少なくとも前記無機微粒子の1種以上が、疎水化処理された酸化チタンである
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    少なくとも前記無機微粒子の1種以上が、疎水化処理されたシリカである
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    少なくとも前記無機微粒子の1種類以上が、比表面積20〜80m /gの範囲の、疎水化処理されたシリカ粒子または/及び樹脂微粒子である
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記海状結着樹脂が、ポリエステル樹脂または/及びポリオール樹脂である
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記島状結着樹脂が、THF不溶解成分を含まず、GPCによる重量平均分子量が10000〜60000である
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記島状結着樹脂が、離型剤成分をビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤である
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    前記離型剤の融点が70〜125℃で、針入度が5以下である
    ことを特徴とする静電荷像現像用カラートナー。
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