JP4177971B2 - カメラのレンズ保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沈胴式の撮影レンズを有する写真カメラやデジタルカメラに好適なレンズ保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のカメラでは、ズームレンズ、単焦点レンズのいずれであれ、携帯時のコンパクト性を高めるために不使用時には撮影レンズをカメラボディ内に沈胴させるようにしたものが多い。さらに、撮影レンズが傷ついたり汚れたりすることを防ぐために、撮影レンズが沈胴した後にレンズ出入り用の開口をレンズバリアで塞ぐことも一般に行われている。
【0003】
撮影レンズが出入りする開口をレンズバリアで開閉する構成にする場合、特にレンズバリアの開閉を手動操作で行うようにしたものでは、レンズ鏡筒が完全に沈胴する前にレンズバリアの閉じ操作が行われると、レンズ鏡筒にレンズバリアが衝突するという問題が生じる。これを避けるために、これまではレンズ鏡筒が完全に沈胴位置まではレンズバリアの閉じ操作ができないように、レンズバリアを開き位置にロックしておくのが通常となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成を採る場合には、レンズバリアを開き位置にロックするためのロック部材と、レンズ鏡筒が完全に沈胴したことに応答して前記ロック部材をロック位置から解除位置に移動させる連動機構とが必須となる。このため、部品点数及び組み立て工数が増加し、またレンズバリア回りの構造が複雑化し、コストダウンやコンパクト化の妨げとなっている。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、簡単な構造のもとで、レンズ鏡筒の沈胴動作中にレンズバリアが急激に閉じ操作されても、レンズバリアとレンズ鏡筒とが干渉することがないようにしたカメラのレンズ保護装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するにあたり、沈胴中にレンズバリアが閉じ操作されたときには、その閉じ操作力を利用してレンズ鏡筒をカメラボディ内に引き込むことによって両者が干渉することがないように工夫してある。このため本発明では、モータの駆動により光軸方向に進退する移動部材をレンズ鏡筒とは別体に構成される。レンズ鏡筒は付勢手段により突出方向に付勢され、レンズ鏡筒に一体的に設けられた当接部を前記移動部材の背面側に当接させている。移動部材がモータの駆動で前進したときにはレンズ鏡筒はこれに追従して突出方向に移動し、移動部材が後退したときには移動部材の押圧により付勢に抗してレンズ鏡筒が後退する。さらに、レンズバリアの閉じ操作に連動する鏡筒引き込み手段が設けられ、レンズバリアが開閉される開口からレンズ鏡筒が未だ引っ込んでいない状態でレンズバリアが閉じ操作されると、前記付勢手段の付勢に抗してレンズ鏡筒を引っ込み方向に強制的に移動させるようにしている。
【0007】
前記移動部材として、モータで回転されるリードスクリューに回転止めされた状態で螺合してモータの回転により進退するコマ部材を用い、レンズ鏡筒の当接部としては、レンズ鏡筒に一体に設けられ、光軸方向に延びたガイドバーに係合してレンズ鏡筒の光軸方向への移動を安定化させる係合部材の外周に突設した当接片を利用するのがスペース上有利である。また、付勢手段としてコイルバネを用いるとともに、その一端をコマ部材に、他端を前記当接片よりも後方で前記係合部材から突出させた支持片に止めるのが簡便である。さらに、鏡筒引き込み手段としては、レンズバリアの閉じ方向への移動により一端が押圧を受けて回動し、他端が前記ガイドスリーブの外周に突設した押圧片を後退方向に押し込む回動レバーを用いるのが構造を簡略化して省スペース化を図る上で好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したデジタルカメラの外観を示す斜視図である。このデジタルカメラ2を構成するカメラボディ3の前面にはレンズバリア4が設けられている。このレンズバリア4は、開位置又は閉位置のいずれか一方に位置している。このレンズバリア4には、図示しないバネの一端が取り付けられており、図中左方向に向けて付勢している。例えば、レンズバリア4を開位置へと移動させる場合には、閉位置(図2参照)からロック切替位置に(図中右方向に)移動させロックを解除する。ロックが解除されると、レンズバリア4がバネの付勢を受けて図中左方向にスライドし開位置で保持される。このレンズバリア4の底面には、直方体形状の突起5(図3参照)が形成されており、レンズバリア4の開位置へのスライド時に鏡筒動作用スイッチ6(図5参照)をオンにする。
【0009】
一方、レンズバリア4を開位置から閉位置へと移動させる場合には、レンズバリア4をバネの付勢に抗して開位置からロック切替位置に移動させる。ロック切替位置に到達するとロックがかかり、バネの付勢に抗してレンズバリア4は閉位置で保持される。なお、符号7は、突起5用のガイド穴である。
【0010】
デジタルカメラ2の前面には、撮影レンズ10及びレンズ鏡筒11、ストロボ発光部12が設けられており、レンズバリア4が閉位置に保持されるときにはレンズバリア4に被覆されている。レンズ鏡筒11は、レンズバリア4の開位置へのスライドによりカメラボディ3の前面に設けられた開口13から突出するようになっている。デジタルカメラ2の右上方には、対物側ファインダ窓14が設けられている。また、デジタルカメラ2の上面には、このデジタルカメラ2の主電源となる電源スイッチ15、レリーズボタン16が設けられている。
【0011】
図3は、デジタルカメラに内蔵されるレンズ鏡筒11及びレンズ保護装置17の構成を示すものである。レンズ保護装置17は、レンズ鏡筒11のガイド部18、鏡筒駆動機構19、沈胴レバー(回動レバー)20、カム21から構成される。ガイド部18には、撮影レンズ10の光軸方向が軸方向となるガイド穴18aが形成されており、レンズ鏡筒11の近傍に設けられたガイドバー22にガイド穴18aを挿通させることにより、レンズ鏡筒11が光軸方向にスライド自在となる。なお、レンズ鏡筒11のガイド部は、図示はしないが、レンズ鏡筒11の側面に2箇所ないし3箇所設けられている。
【0012】
鏡筒駆動機構19は、フォーカスモータ25、コマ部材26等から構成される。フォーカスモータ25には例えばステッピングモータが用いられており、レンズ鏡胴11の沈胴及び突出の際の駆動ステップ数が予め決定されている。このフォーカスモータ25の回転軸には、リードスクリュー27が取り付けられており、このリードスクリュー27はコマ部材26と螺合している。また、リードスクリュー27は、コの字状に形成された金属片28に回転自在に取り付けられている。この金属片28には、ガイドバー29がリードスクリュー27に対して一定の間隔を置いて、且つリードスクリュー27と平行に取り付けられている。
【0013】
コマ部材26は、略直方体形状に形成されている。このコマ部材26は、レンズ鏡筒11がカメラボディ3の内部に収納される第1位置と、レンズ鏡筒の一部がカメラボディ3の開口13から突出する第2位置との間で移動自在に設けられる。このコマ部材26は、前記リードスクリュー27の回転により第1位置と第2位置との間で移動する。このコマ部材26にはU字状に切り欠きが設けられたガイド片32が形成されており、このガイド片32の切欠きには、金属片28に保持されたガイドバー29が挿通される。これにより、リードスクリュー27の回転に同期して、コマ部材26が回転するのを防止するともに、コマ部材26を光軸方向にガイドする。
【0014】
このコマ部材26にはL字型の当接片33が形成されており、この当接片33にはコイルバネ34の一端が取り付けられる。また、この当接片33の下面には、レンズ鏡筒11のガイド部18に形成された当接片18bの上面が当接する。コイルバネ34の他端は、レンズ鏡筒11のガイド部18に形成された支持片18cに取り付けられている。これにより、コマ部材26の第1位置から第2位置への移動の際には、コイルバネ34の付勢を受けてレンズ鏡筒11がカメラボディ3の前面から突出し、当接片33にガイド部18の当接片18bが当接することで、レンズ鏡筒11が所定位置に保持される。
【0015】
レンズ鏡筒11の近傍には、鏡筒引き込み手段として沈胴レバー20が設けられている。この沈胴レバー20は略L字状に形成されており、その両端に押圧片20a,20bが形成されている。沈胴レバー20にはカメラボディ3の内部のピン36にネジ37を介して取り付けられている。この沈胴レバー20にはバネ38の一端が取り付けられており、図中反時計方向に付勢している。これにより、沈胴レバー20の押圧片20aは常にカム21の側面に当接する。また、レンズバリア4の閉位置への移動の際にはカム21の押圧を受けて図中時計回り方向に回動し、ガイド部18の押圧片18dをコイルバネ34の付勢に抗して図中下方向に押し下げる。
【0016】
カム21は、レンズバリア4に設けられた突起5の側面に当接しており、レンズバリア4のスライドに応じて所定量回転するようになっている。このカム21は、レンズバリア4が開位置に位置するときには、突起5の側面5aに当接する。そして、レンズバリア4を閉位置にスライドさせたときには、突起5の押圧を受けて図中時計方向に回転し、突起5の側面5bと当接するようになっている。このカム21の回転時に、沈胴レバー20の押圧片20aを押圧し、沈胴レバー20を図中時計回り方向に回動させる。
【0017】
次に、本実施形態の作用を説明する。デジタルカメラ2の使用時には、電源スイッチ13をオンにし、まず、レンズバリア4を閉位置から開位置にスライドさせる。このときには、一旦ロック切替位置(図中右方向)にレンズバリア4をスライドさせた後にバネの付勢を利用して開位置にスライドさせる。レンズバリア4が開位置に移動すると、レンズバリア4の背面に形成された突起5により鏡筒動作用スイッチ6がオンとなる。このとき、カム21は突起5の側面5bに当接されているが、所定量突起5がスライドされることで、カム21が図中反時計方向に回動し、突起5の側面5aに当接する。また、沈胴レバー20はバネ38の付勢により図中反時計方向に回動する。この回動時にも、カム21の側面と沈胴レバー20の押圧片20aは当接している。
【0018】
この鏡筒動作用スイッチ6がオンとなると、フォーカスモータ25が駆動し、リードスクリュー27が回転し始める。この回転に合わせて、また、ガイドバー29のガイドにより、コマ部材26がコイルバネ34の付勢に抗して第1位置から第2位置に向けて(図中上方に)移動を開始する。コマ部材26の第2位置への移動により、コイルバネ34の復帰力が強くなると、ガイド部18の支持片18cが光軸方向に引っ張られ、レンズ鏡筒11がガイドバー22のガイドにより光軸方向に向けて移動を開始する。そして、コマ部材26が第2位置に到達すると、コイルバネ34の付勢によりコマ部材26の当接片33にガイド部18の当接片18bが当接し停止する。このとき、レンズ鏡胴11がカメラボディ3の開口13から所定量突出する。なお、フォーカスモータ25の駆動は所定のステップ数に到達すると停止するようになっている。
【0019】
デジタルカメラ2での撮影時には、レリーズボタン16の操作によりフォーカス調整が行われる。つまり、フォーカスモータ25が駆動し、コマ部材26が図中上下に微動させる。例えば、撮影レンズ10を被写体側に微動させる場合には、コマ部材26がフォーカスモータ25の駆動により図中上方に移動し、レンズ鏡筒11がコイルバネ34の付勢により突出する。また、撮影レンズ10をカメラボディ3側に微動させる場合には、フォーカスモータ25を逆回転させ、コマ部材26を図中下方に移動させる。このときコマ部材26の当接片33がガイド部18の当接片18bを押圧し、レンズ鏡筒11をカメラボディ3側に収納する。
【0020】
撮影が行われた後に、電源スイッチ15がオフされると、フォーカスモータ25が逆回転し、コマ部材26が第2位置から第1位置へ向けてスライドする。このとき、コマ部材26の当接片33がガイド部18の当接片18bを押圧し、レンズ鏡筒11をカメラボディ3の内部に沈胴させる。その後、レンズバリア4の閉位置へのスライドが行われる。
【0021】
一方、電源スイッチ15をオフしない場合には、レンズバリア4を閉じ位置へスライドさせると、突起5によりカム21が押圧され、さらにカム21の回動により沈胴レバー20の押圧片20aが押圧される。これにより、沈胴レバー20がバネ38の付勢に抗して図中時計方向に回動する。この沈胴レバー20が回動する際に、押圧片20bがレンズ鏡胴11のガイド部18に形成された押圧片18dを押圧する。この押圧片20bによる押圧を受けて、レンズ鏡胴11は図中下方向に移動し、レンズ鏡筒11がカメラボディ3の内部に収納される。
【0022】
そして、レンズバリア4を閉位置にスライドさせた後に、レンズ鏡筒11がカメラボディ3の内部に収納されたことを図示しないリセットスイッチにより検知すると、フォーカスモータ25が所定のステップ数だけ駆動し、リードスクリュー27を逆方向に駆動させる。これにより、コマ部材26が第2位置から第1位置まで移動する。これにより、レンズバリア4を閉位置にスライドさせる際に、機械的にレンズ鏡筒11をカメラボディ3の内部に収納することで、レンズバリアとレンズ鏡筒との干渉を防止することができる。
【0023】
なお、電源スイッチ13がオンとならない場合にレンズバリア4を閉位置から開位置にスライドさせた場合には、スライド後の電源スイッチ13のオン操作によりレンズ鏡筒11が突出する。このときのフォーカスモータ25、コマ部材26及びレンズ鏡胴11の動作は上記記載と同様である。
【0024】
また、電源スイッチをレンズバリアの内側に設け、レンズバリアの開閉動作だけで、自動的にレンズ鏡筒の繰り出しができるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカメラのレンズ保持装置によれば、モータの駆動により光軸方向に進退する移動部材と、レンズ鏡筒を開口から突出する方向に付勢し、レンズ鏡筒に一体に設けられた当接部を前記移動部材の背面側に当接させて移動部材の前進に追従してレンズ鏡筒を突出させる付勢手段と、レンズバリアの閉じ方向への移動に連動し、レンズ鏡筒が前記開口から突出しているときにはレンズ鏡筒を前記付勢手段の付勢に抗して開口から引っ込むように後退させる鏡筒引き込み手段とを設けたので、レンズバリアの閉動作とともにレンズ鏡筒を機械的に、且つ、レンズバリアとレンズ鏡筒とが干渉することなしに、レンズ鏡筒をカメラ本体に収納させることができる。また、少ない部品点数からレンズ保護装置を構成したので、レンズバリア回りの構造を簡素化できるとともに、コストダウンやコンパクト化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラのレンズバリアが開位置にある状態の外観を示す斜視図である。
【図2】レンズバリアが閉位置にある状態の外観を示す斜視図である。
【図3】レンズ鏡筒及びレンズ保持装置の構成を示す斜視図である。
【図4】レンズバリアが閉位置にある場合のレンズ保持装置を示す斜視図である。
【図5】レンズバリアが開位置にある場合のレンズ保持装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 デジタルカメラ
3 カメラボディ
4 レンズバリア
5 突起
6 鏡筒動作用スイッチ
11 レンズ鏡筒
17 レンズ保持装置
18 ガイド部
18b,33 当接片
18c 支持片
18d 押圧片
19 鏡筒駆動機構
20 沈胴レバー
21 カム
22,29 ガイドバー
25 フォーカスモータ
26 コマ部材
27 リードスクリュー
28 金属片
32 ガイド片
34 コイルバネ
38 バネ
Claims (3)
- モータの駆動により、カメラボディに形成された開口を通してレンズ鏡筒が、光軸方向に延びたガイドバーに沿って進退し、手動操作によりレンズバリアを光軸と垂直な面内で移動させて前記開口を開閉するカメラのレンズ保護装置において、
前記モータの駆動により光軸方向に進退する移動部材と、
前記レンズ鏡筒を前記開口から突出する方向に付勢し、前記レンズ鏡筒に一体に設けられた当接部を前記移動部材の背面側に当接させて前記移動部材の前進に追従して前記レンズ鏡筒を突出させる付勢手段と、
前記レンズバリアの閉じ方向への移動により一端が押圧を受けて回動し、前記レンズ鏡筒が前記開口から突出しているときには、前記ガイドバーに係合する、前記レンズ鏡筒に一体に設けられた係合部材の外周に突設した押圧片を、他端で後退方向に押し込み、前記レンズ鏡筒を前記付勢手段の付勢に抗して前記開口から引っ込むように後退させる回動レバーとを有することを特徴とするカメラのレンズ保護装置。 - 前記移動部材は、前記モータで回転されるリードスクリューに螺合するとともに回転止めされたコマ部材であり、
前記当接部は、前記係合部材の外周に光軸と直交するように突設した当接片であることを特徴とする請求項1記載のカメラのレンズ保護装置。 - 前記付勢手段は、一端が前記コマ部材に止められ、他端が前記当接片よりも後方で前記係合部材の外周に突設させた支持片に止められたコイルバネであることを特徴とする請求項2記載のカメラのレンズ保護装置。
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