JP4179802B2 - 半導体レーザ素子とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子とその製造方法に関し、特に光情報機器等の光源に適用して好適なGaN系半導体レーザ素子の製造歩留まりの改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
III族元素のAl、Ga、In等とV族元素のNとを含むGaN系半導体は、そのバンド構造や化学的安定性の観点から発光素子用やパワーデバイス用の化合物半導体材料として期待され、その応用が試みられてきた。特に、次世代の光学情報記録装置用光源として、たとえばサファイア基板上にGaN系半導体層を積層して青色半導体レーザを作製する試みが盛んに行われている。
【0003】
これら青緑色半導体レーザのうちで、リッジ導波路の境界で屈折率差を生じさせることによってその導波路内に光を閉じこめてレーザ発振を行わせている例が、図14の模式的な断面図に示されている(例えば Jpn. J. Appl. Phys., Vol.37 (1998) pp.L309−L312、および Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 39, (2000) pp.L647−650 など参照)。この従来のGaN系半導体レーザ500においては、(0001)面サファイア基板(図示せず)上にGaN厚膜を形成してサファイア基板を除去し、その(0001)面GaN基板501上に、n型GaNバッファ層502、n型GaNコンタクト層503、n型AlGaNクラッド層504、n型GaNガイド層505、InGaNを利用した多重量子井戸活性層506、p型AlGaN蒸発防止層507、p型GaNガイド層508、p型AlGaNクラッド層509、およびp型GaNコンタクト層510が順次積層されている。
【0004】
半導体レーザ500は、p型AlGaNクラッド層509の上部とp型GaNコンタクト層510により構成された直線状のリッジストライプ511を有し、活性層506に平行な方向にステップ状の屈折率分布を作り付けることによって水平横モードの閉じ込めを行う。
【0005】
リッジストライプ511の両側面には、活性層506からの光を吸収しないSiO2絶縁膜512が堆積され、リッジストライプ511の頂面のみから電流注入するように電流狭窄層が形成されている。
【0006】
リッジストライプ511の頂面上およびSiO2絶縁膜512上にはp型電極513が堆積される。また半導体レーザ500の上部では、リッジストライプ511と平行な端部を有するメサ515が形成され、n型GaNコンタクト層503の一部が露出させられる。そのn型GaNコンタクト層503の露出部上にn型電極514が堆積され、これは半導体レーザ500に電流を注入する役割を果たす。
【0007】
共振器端面はドライエッチングにより形成され、その後に、リッジストライプ511と平行にウエハを分割して半導体レーザ素子500が得られる。この半導体レーザ素子500では、リッジストライプ部511でのステップ状屈折率分布により光閉じ込めを行い、低閾値で安定した水平横モードの発振が得られている。また、素子寿命についても10000時間以上が達成されており、素子寿命についての信頼性に関してはほぼ技術が完成されていると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図14に示されているようなGaN系半導体レーザでは、リッジストライプは1〜3μmの範囲内の幅に形成される。このようなレーザ素子において所望の光学的特性を得ようとすれば、ストライプ幅を±0.1μm以内程度の精度に収めることが、素子歩留まりを向上させるために必要である。
【0009】
ところで、GaN系半導体レーザにおいて、リッジストライプを形成する方法としては、次の2通りの方法が知られている。
【0010】
1つ目は、基板上に第一のクラッド層と活性層と第二のクラッド層とを含むレーザ用の層構造を有機金属化学気相堆積(MOCVD)法等で形成した上にストライプ状のフォトレジストを形成し、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチングにより、フォトレジストで保護されたストライプ部以外の部分について第二のクラッド層の所望の深さまで掘り込む方法である。
【0011】
2つ目は、MOCVD法等で第一のクラッド層と活性層と第二のクラッド層とを含む層構造を形成した上に絶縁物等の誘電体膜を被覆し、フォトリソグラフィを利用してその誘電体膜にストライプ状の開口部を設け、この開口部に第三のクラッド層をMOCVD法等で選択結晶成長させる方法である。
【0012】
しかしながら、1つ目の方法では、エッチング条件やフォトレジストの形状などの因子に依存して、リッジストライプの幅が容易にずれてしまうことが知られている。2つ目の方法においても、選択結晶成長中に誘電体膜の開口部縁が食われてその開口部が広がってしまうという問題が生じることがある。また、誘電体膜に設ける開口部の初期幅の精度についても問題が残る。さらに、GaN系デバイスでは比較的大きく格子定数が異なる化合物半導体層を積層するのでウエハが反りやすく、なお一層フォトプロセスの精度が落ちるという問題がある。
【0013】
以上のように、ストライプ幅の精度を確保するためには製造ロットごとに毎回製造条件を見極めるなどの煩雑な手続きを必要とする上、それでもなおストライプ幅の精度に問題が生ずる場合が多かった。
【0014】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、条件出しなどの煩雑な手続きを必要とせずかつストライプ幅に高い精度が要求される場合でも歩留まりよく作製しうる半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様によれば、半導体レーザ素子は、複数の層により構成された半導体積層構造を含み、異ならしめた幅を有する複数のストライプ状導波路がその半導体積層構造中に含まれており、それら複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴としている。なお、複数のストライプ状導波路の幅の最小から最大までの変化量は、0.6μmの範囲内にあることが好ましい。
【0016】
複数のストライプ状導波路は互いに電気的に分離されており、選択された一つの導波路に電力が供給されるようにワイヤが接続され得る。他方、複数のストライプ状導波路の上方には電極層が形成され、選択された一つのストライプ状導波路の上方では電極層下に電流阻止層が形成されず、他のストライプ状導波路の上方では電極層下に電流阻止層が形成されていてもよい。電極層は、電流阻止層の少なくとも一部に接して形成され得る。電流阻止層は、酸化物、窒化物、金属間化合物、およびノンドープ半導体から選択しうる絶縁体または抵抗率の大きい物質で形成し得る。
【0017】
複数のストライプ状導波路のうちで選択されて電力が供給される導波路は、レーザ素子の中央部に位置していることが好ましい。また、ストライプ状導波路上方の電極において、電力を供給するためのワイヤを取り付けるための幅広領域が設けら得る。
【0018】
半導体レーザ素子の活性層がAlXGaYIn1-X-YN(0≦X≦1;0≦Y≦1;0≦X+Y≦1)からなる量子井戸構造をなし、その活性層がクラッド層により挟まれていることが好ましい。他方、半導体レーザ素子の活性層がAlXGaYIn1-X-YP1-ZAsZ(0≦X≦1;0≦Y≦1;0≦Z≦1;0≦X+Y≦1)からなる量子井戸構造をなし、その活性層がクラッド層により挟まれていてもよい。
【0019】
本発明の他の態様によれば、GaN系半導体レーザ素子は、GaN系半導体からなるクラッド層に挟まれた活性層を含む半導体積層構造を有し、両側方の領域に比べて実効的に大きい屈折率を有する複数のストライプ状領域が互いに幅を異ならしめて半導体積層構造中に設けられており、それら複数のストライプ状領域の異なる幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴としている。なお、それらのストライプ状領域は、結晶の選択成長を利用して形成され得る。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、GaN系半導体レーザ素子は、GaN系半導体からなるクラッド層に挟まれた活性層を含む半導体積層構造を有し、この半導体積層構造中で長手方向に少なくとも一つの狭隘部とその狭隘部に比べて幅の大きな幅広部とを含むストライプ状導波路の複数が形成されており、これら複数のストライプ状導波路は狭隘部と幅広部の設計値幅が互いに同じ変化幅または変化割合で異ならしめられた導波路を含み、それら複数のストライプ状導波路の異なる設計値幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴としている。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、GaN系レーザウエハは、基板上に堆積されたGaN系半導体レーザ積層構造を有していてこの積層構造をチップに分割すべき複数のチップ領域を含み、これらチップ領域の各々は幅を異ならしめた複数のストライプ状導波路を含み、それら複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーが設けられており、それらのストライプ状導波路の選択手段を備えていることを特徴としている。なお、その選択手段は、レーザウエハの一部領域に設けられた共振器を含むレーザ素子構造であり得る。
【0022】
本発明のさらに他の態様によれば、GaN系半導体レーザの製造方法は、基板上にGaN系半導体レーザ積層構造を堆積する工程と、少なくともいくつかの幅を互いに異ならしめた複数のストライプ状導波路をレーザ積層構造中に形成する工程と、それら複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーを設定する工程と、それら複数のストライプ状導波路の各々に対応して共振器を含むレーザ構造を作製する工程と、その共振器を含むレーザ構造を利用して複数のストライプ状導波路を選択する工程とを含むことを特徴としている。
【0023】
なお、ストライプ状導波路を選択する工程は、共振器を含むレーザ構造に電流を注入して出射されたレーザ光を観察することによってなされ得る。他方、ストライプ状導波路を選択する工程は、レーザ構造に励起光を照射することによって出射されたレーザ光を観察することによってもなされ得る。
【0024】
【発明の実施の形態】
(用語の定義)
まずはじめに、本願明細書に用いられる用語の意義を明確にしておく。
【0025】
「GaN系半導体」とは、少なくともGaとNを含むIII−V族化合物半導体であって六方晶構造を有するものを意味する。
【0026】
「ストライプ方向」とは、リッジストライプなどのストライプ状導波路と平行な方向を意味し、「活性層に平行方向」とは、ストライプ方向と活性層の法線とに対して直角をなす方向を意味する。
【0027】
リッジストライプの「幅」とは、そのリッジストライプ底部における幅を意味し、活性層に平行方向に沿って測定される。また、リッジストライプの底部とは半導体層の堆積開始側を指す。このように幅を規定するのは、製法上の都合等に起因して、リッジストライプの底部と頂部で幅が異なることがあるからである。
【0028】
(問題の調査)
まず、本発明者らは、図14に示す従来例と同様な構造においてどの程度の問題が生じているか調査した。この従来例においては、レーザ素子中の各層を結晶成長させた後に、リッジストライプをドライエッチングにより形成している。
【0029】
そこで、ストライプ幅の設定値1.5μm、2.0μm、および2.5μmでリッジストライプ構造を形成し、それらの実際の幅を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した。図13は、設定ストライプ幅(μm)を横軸に表し、実測されたストライプ幅(μm)を縦軸に表してプロットしたグラフである。どの設定値幅に関しても、それらの幅に±0.3μmものばらつきがあることがわかる。また、設定値幅に対して実際のストライプ幅が実用上問題のない±0.1μm以内の誤差範囲内にに収まっているウエハの歩留まりは、おおよそ3割程度しかないことが判った。
【0030】
以上のような調査に基づいて、本発明の実施形態について、以下において図面を参照しつつ説明する。なお、本願の各図において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を示している。
【0031】
(実施形態1)
図1の断面図と図2の上面図は実施形態1におけるGaN系半導体レーザ素子を模式的に図解している。また、図3は実施形態1におけるGaN系半導体レーザウエハを模式的に図解しており、(A)は上面図を表し、(B)は断面図を表している。
【0032】
実施形態1のレーザ素子の作製に際しては、まず(0001)主面を有する厚さ400μmのn型GaN基板101を洗浄し、MOCVD装置内において水素(H2)雰囲気中で約1100℃の高温クリーニングを行う。その後に基板温度を600℃に下げ、シラン(SiH4)、アンモニア(NH3)、およびトリメチルガリウム(TMG)をキャリアガスのH2とともにを導入し、n型GaN基板101の第一の主面に厚さ0.03μmのn型GaNバッファ層102を成長させる。なお、バッファ層102はGaN基板の表面歪の緩和のため、表面モフォロジや凹凸の改善(平坦化)のためなどを目的に設けられるが、GaN基板の結晶性が優れている場合にはバッファ層102が省略されてもよい。
【0033】
次に、N2とNH3を流しながら約1050℃まで昇温し、その後にキャリアガスH2とともにTMGとSiH4を導入して、n型GaNコンタクト層103を厚さ4μmに成長させる。そして、TMGとトリメチルアルミニウム(TMA)を所定流量で導入して、厚さ0.95μmのn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層104を堆積する。さらに、TMAの供給を停止してTMGを導入し、n型GaNガイド層105を厚さ0.1μmに成長させる。
【0034】
その後にTMGの供給を停止し、キャリアガスをH2からN2に代えて700℃まで降温し、トリメチルインジュウム(TMI)およびTMGを導入し、InVGa1-VN(0≦V≦1)よりなる障壁層を成長させる。次に、TMIの供給を所定量まで増加させ、InWGa1-WN(0≦W≦1;V<W)よりなる井戸層を成長させる。これを繰り返してInGaN障壁層とInGaN井戸層との交互積層構造(障壁層/井戸層/・・・井戸層/障壁層)からなる多重量子井戸活性層106を形成する。障壁層および井戸層を形成するInGaNの組成比および膜厚は、発光波長が370〜430nmの範囲内になるように設計し、井戸層の層数は3である。
【0035】
InGaN多重量子井戸活性層106の形成が終了するれば、TMIおよびTMGの供給を停止して、再び1050℃まで昇温し、キャリアガスを再びN2からH2に代えて、TMG、TMA、およびp型ドーピング原料であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を流し、厚さ0.02μmのp型Al0.2Ga0.8N蒸発防止層107を成長させる。p型AlGaN蒸発防止層107の成長後、TMAの供給を停止し、TMGの供給量を調整して、厚さ0.1μmのp型GaN光ガイド層108を成長させる。次に、TMAを所定量導入してTMGの流量を調整し、厚さ0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層109を堆積する。
【0036】
最後に、TMAの供給を停止してTMGの供給量を調整し、厚さ0.1μmのp型GaNコンタクト層110の形成を行い、これによってエピタキシャル結晶成長を終了する。結晶成長の終了後、TMGおよびCp2Mgの供給を停止して降温し、室温でウエハをMOCVD装置より取り出す。
【0037】
続いて、エピタキシャル成長の終了したウエハをレーザ素子にするために加工する。本実施形態1では、幅2.0μm±0.1μmのリッジストライプを有する素子を作製する。そのために、5本のストライプ状レジストの幅の中心値を2.0μmとして、1.7μmから2.3μmまで0.15μm刻みの設定幅で、GaN基板の<1−100>方向に平行にそれらのストライプ状レジストを形成する。このとき、ウエハ全面上において、各設定幅ごとに1本づつ計5本のレジストストライプが80μm間隔で平行に配置されたブロックが繰り返して並べられる。すなわち、素子に分割すべき一つの領域内に設定幅1.7μmから2.3μmのレジストストライプが1本ずつ(合計5本)形成される。なお、このようなレジストストライプは、フォトレジストマスクにより自由に設計することが可能である。
【0038】
この後、レジストストライプで保護されている以外の部分において、p型AlGaNクラッド層109が0.05μm程度の厚さになるまでRIEによってエッチングして、リッジストライプ111a〜111eの形成を行う。
【0039】
以上のようなストライプ状レジストの形成およびリッジストライプ111の形成のプロセスでは、日々のわずかな条件の変化により、ストライプ幅の実測値には設定値からのずれが生じる。すなわち、実際に形成されるリッジストライプの幅は、設定値からずれていることが多い。
【0040】
次に、電流狭窄のためにSiO2からなる誘電体膜112を0.25μm程度の厚さに蒸着する。これにより、レーザ発振に必要な電力はリッジストライプ111a〜111eの頂上のみから供給され得るようになる。次いでレジストを剥離してp型GaNコンタクト層110の上面を露出させたのち、各リッジストライプ間を電気的に分離するために、新たなレジストラインパターンをリッジストライプ111a〜111eのそれぞれの間に形成する。これらのレジストラインをマスクとしてPd/Mo/Auの順序で蒸着してp型用電極113を形成することによって、各リッジストライプ間を電気的に分離する。このとき、図2に示されているようにp型用電極113の上面形状を、狭隘部と幅広部が繰り返しパターンになるようにする。これは、ストライプ状導波路111の間隔が80μmしかないので、後にレーザ素子に電力を供給するためのワイヤボンディングを行う領域を確保するためである。最後にn型GaN基板101の第二の主面上にTi/Alの順序で蒸着し、n型用電極114を形成する。
【0041】
n型用電極114まで形成したウエハについて、形成後のストライプ幅が2.0μmに最も近いリッジストライプを選択する。図3(A)は本実施形態1に係るウエハの上面図であり、(B)は断面図である。リッジストライプの選択を行うため、図3に示されるようにウエハの端近くにおいて共振器長500μm程度のストライプ選択用のレーザ部115と、後に完成品として分割すべき素子レーザ部116とを作製する。このために、まず、ストライプ選択用レーザ部115の共振器となるべき領域以外において、ウエハをレジストでコーティングする。続いて、スパッタリングやウェットエッチングによってレジスト非被覆領域のp型用電極や誘電体膜を部分的に除去し、ドライエッチングにてn型GaN基板101に至る程度まで掘り込んでエッチドミラーを形成する。その後、レジストを除去して、ストライプ選択用レーザ部115が完成する。
【0042】
図3から判るように、ストライプ選択用レーザ部115中の各共振器は、分割すべき素子レーザ部116内の一つのリッジストライプと関係付けられている。すなわち、形成されたストライプ選択用レーザ部115に通電して発振させ、ファーフィールドパターン(FFP)を観察することによって、最も設計値幅に近いリッジストライプを選択することができる。なお、ストライプ選択用レーザ部115の作製時に、図3に示されているようにエッチングの深さを十分深くしてレーザ積層体10より深い位置まで掘り込むか、またはストライプ選択用の共振器をウエハ端に十分近い位置に形成するなどして、FFPが観察できるようにすれば、FFPの解析が容易となる。
【0043】
ストライプの選択のためには、1.7μm〜2.3μm範囲の設定で形成したリッジストライプ5本分について測定すればよい。実際に最も2.0μmに近い幅を有するリッジストライプとしては、リッジストライプ形成プロセスに依存して、全てのリッジストライプが太めになれば設定値が細いリッジストライプが該当し、逆の場合には設定値が太いストライプが該当する。本実施形態ではストライプ幅を0.15μm刻みで形成しているので、リッジストライプ幅の精度は2.0μm±0.075μmとなり、必要な精度を満たすことができる。
【0044】
次に、電極まで形成したウエハをGaN基板の<11−20>方向へ劈開してバー状に分割し、ストライプ方向に直交するレーザ共振器端面を形成する。実施形態1では、共振器長は500μmにされる。
【0045】
バー状の分割後、各バーをストライプ方向に素子分割する。スクライブ時の針圧(バーに針を押し当てる時の荷重)を大きくし、押し割ることで素子分割し得る。この際に、選択されたリッジストライプがチップの中央になるように素子分割する。こうすることによって、異なるウエハから切り出された素子間において、放射されるレーザ光の位置がチップに関して大きく変動することがないので、レーザチップを支持台にマウントするときに位置の制御が容易になる。また、素子に電力を供給するためのワイヤをボンディングする位置を素子ごとに変更する必要がないので、工程中のエラーによって歩留まりを下げる可能性が小さくなる。
【0046】
以上のプロセスにより得られたレーザ素子100が、図1の模式的な断面図に示されている。なお図1では中央のリッジストライプを含めて3本分だけが描かれ、他の部分は図示省略されている。図2は図1に示されたレーザ素子100の上面図である。それぞれの設定幅のリッジストライプ111a〜111eが形成されている。また、p型用電極113の上面形状は、狭隘部と幅広部が繰り返され、レーザを実装する際のワイヤボンディングを幅広領域に行うことができる。ただし、各リッジストライプ間の間隔を大きく取った場合には、隣接するp型用電極間を直線的に分離してもよい。
【0047】
最後に、素子を支持台にマウントし、選択されたリッジストライプのみに電力が供給されるようにワイヤボンディングを行って、素子を動作可能にさせる。
【0048】
以上のように構成されたGaN系レーザ素子100では、リッジストライプ111に対応する部分とその両側の部分との実効屈折率差により水平方向の光場がリッジストライプ111に対応する部分に閉じ込められ、いわゆる実屈折率導波路が実現される。リッジストライプ111の形成時において、ストライプ幅の設定値として中心値±0.3μm幅の範囲内で逐次的に変化させられた幅のレジストストライプを形成してからリッジストライプ111の形成を行っているので、プロセスが内包する誤差精度±0.3μmをキャンセルすることができる。本実施形態では所望のリッジストライプ幅に対して±0.075μmの精度で形成が行えるので、レーザの光学的特性に対する誤差を許容範囲内に押えることができる。これにより、実用上問題のないストライプ幅を持ったウエハの歩留まりを9割以上にまで高めることが可能となる。
【0049】
(実施形態2)
図4の断面図は図1に類似しているが、実施形態2によるGaN系半導体レーザ素子200を模式的に図解している。本実施形態においても、2.0μm±0.1μmの範囲の実測値幅を有するリッジストライプを形成する場合について説明する。
【0050】
実施形態2が実施形態1と異なる第1の点は、リッジストライプ111を形成する際のレジストストライプの幅が、2.0μmを中心値として1.6μmから2.4μmまで0.1μm刻みの設定値にされることである。これに伴い、各リッジストライプ111間の間隔を50μmとする。この結果、ストライプ幅の誤差精度を±0.05μmに高めることができる。
【0051】
実施形態2が実施形態1と異なる第2の点は、選択されたリッジストライプのみの頂上から電力を供給するために、他のリッジストライプの上面が、電力の供給を妨げる電流阻止層で覆われることである。このような構造は、以下のようにして作製され得る。
【0052】
すなわち、実施形態1におけるように誘電体膜112の形成後に図3に例示されたようなストライプ選択用レーザ部115を設け、本実施形態2では光励起等でFFPを観察する。そして、実測値で2.0μm幅にもっとも近いリッジストライプのみを残して、他の全領域上にSiO2等の電流阻止層117を成膜する。そして、ウエハの全面上に、p型用電極113を成膜する。
【0053】
その後、ウエハを分割しやすくするように、基板101の第二主面を研磨するなどによって厚さを約150μmに調整する。そして、その基板101の第二主面上にn型用電極が形成される。さらに、実施形態1と同様に、選択したリッジストライプが中央に位置するように素子を分割する。
【0054】
本実施形態2においては、リッジストライプ間の間隔が狭くても電力供給用のワイヤをp型用電極113上へ容易にボンディングすることが可能となる。なお、電流阻止層117の材料としては、誘電体膜112として使用できる絶縁性のものの他、コンタクト層110と逆の導電型を有する半導体であってもよい。また、リッジストライプ111をドライエッチングにより形成するときに、設定ストライプ幅を判別できるマーカーを形成しておけば、ストライプ選択後の目印として使用できるので、分割やワイヤボンディング時にエラーを起こす可能性を低くすることができる。
【0055】
以上のプロセスによりGaN系レーザ素子200が得られる。本実施形態2に係るレーザウエハの歩留まりは実施形態1と同様にすることができ、このことは後の実施形態においても同様である。
【0056】
(実施形態3)
図5の上面図は、図2に類似しているが、実施形態3によるGaN系レーザ素子300を模式的に図解している。なお、GaN系レーザ素子300の断面図として、図4を流用参照することができる。本実施形態においても、2.0μm±0.1μmの範囲内の実測値幅を有するリッジストライプを形成する場合について説明する。
【0057】
実施形態3が実施形態1および2と異なる点は、リッジストライプ111を形成する際のレジストストライプ幅が2.0μmを中心値として1.6μmから2.4μmまで0.1μm刻みの設計値にされ、かつ各幅のものが5本ずつ含まれるようにされることである。すなわち、幅1.6μmから2.4μmまでの間に45本のストライプが形成される。この結果、ストライプ幅以外の要因(例えばゴミなど)によって、幅が適正なリッジストライプの4本までが使用できなくても、残りの1本を使用することによって歩留まりの低下を食い止めることができる。
【0058】
実施形態3では、一つの素子にリッジストライプが多数存在するので、実施形態2で述べたように、レーザ素子への電力供給を一つのリッジストライプから行うための電流阻止層117を形成することが好ましい。
【0059】
なお図5では、リッジストライプ111を判りやすくするために、誘電体膜112およびp型用電極113は図示省略されている。また、リッジストライプにに関しても、中央付近の4本と周辺付近の2本のみについて描かれ、他の部分は図示省略されている。
以上により、実施形態3ではウエハの歩留まりを実施形態1と同様にすることができる上に、ウエハから切り出せる素子の歩留まり向上をも図ることができる。
【0060】
(実施形態4)
図6の断面図は、図1に類似しているが、実施形態4によるGaN系半導体レーザ素子400を模式的に図解している。また、図7の上面図は、実施形態4のレーザ素子400の製造工程途中におけるウエハの様子を模式的に図解している。なお、GaN系半導体レーザ素子400の上面図として、図2を流用参照することができる。本実施形態4においても、2.0μm±0.1μmの範囲の実測値幅を有するリッジストライプを形成する場合について説明する。
【0061】
本実施形態4が実施形態1〜3と異なっている点は、リッジストライプ111が選択結晶成長にて形成されることである。これに伴って、ストライプ幅の設定値を±0.3μm程度の範囲内で変化させてリッジストライプを形成する手法に変更が生じる。
【0062】
まず、実施形態1と同様に基板101上にp型GaN光ガイド層108までを成長させる。続いて、p型AlGaNクラッド層109aを0.05μm程度の厚みで成長させ、その後にMOCVD装置からウエハを取り出し、SiO2誘電体膜112を0.2μm程度の厚みに形成する。この後、幅2.0μmを中心値として1.7μmから2.3μmまで0.15μm刻みの設定値幅の開口部を有するストライプ状のレジストを形成する。続いてフッ酸などによるエッチングを行い、誘電体膜112に窓部120を設ける(図7参照)。
【0063】
レジストを剥離後、ウエハをMOCVD装置内に戻し、誘電体膜112の窓部120からp型AlGaNクラッド層109bを選択的に厚さ0.5μmに成長させる。すなわち、誘電体膜112がマスクとなり、選択結晶成長が行われる。続いて、厚さ0.01μmのp型GaNコンタクト層110を成長させ、リッジストライプ111の形成を完了する。この後p型用電極113およびn型用電極114を実施形態1と同様の手法で形成して素子分割すれば、本実施形態4のGaN系半導体レーザ400を得ることができる。
【0064】
選択成長で形成されたリッジストライプ111の幅は、誘電体膜112に設けられた窓部120の幅で決定されるが、窓部120もエッチングで形成されるので、幅の設定値と実測値にずれが生じる。さらに、リッジの選択成長中に窓部120のエッジが食われることもあり、リッジの幅を正確に制御することは難しい。そこで、複数の窓部120の幅を中心値から±0.3μm程度の範囲内で逐次的に変化させて設定しておくことによって、所望のストライプ幅を得ることが可能となる。
【0065】
(実施形態5)
図8の断面図と図9の上面図は、それぞれ図1と図2に類似しているが、実施形態5によるGaN系半導体レーザ素子600を模式的に図解している。また、製造工程中のウエハを模式的に表す上面図として図7を流用参照し得る。本実施形態においても、2.0μm±0.1μmの範囲内の実測値幅を有するリッジストライプを形成する場合について説明する。
【0066】
本実施形態5が実施形態1〜4と異なる第1の点は、2.0μmを中心値として1.7μmから2.3μmまで0.15μm刻みの設定値幅で形成される誘電体膜112の窓部120が各幅につき3本ずつ設けられており、これらの窓部120からリッジストライプ111が選択成長にて形成されることである。その形成法は、実施形態4と同様に行えばよい。また、GaN系半導体レーザ素子600への電力の供給源となるp型用電極は、選択されたリッジストライプ111のみから電力注入できるようにされる。そのために、実施形態2に述べたのと同様に、電流阻止層117を形成してからp型用電極113を形成する。また、各リッジストライプ111は、30μm程度の間隔で並べればよい。なお、図8においては、本実施形態5を判りやすくするために、電力が供給されるリッジストライプ111を含めて2本のストライプのみが示されている。
【0067】
本実施形態5が実施形態1〜4と異なる第2の点は、GaN系半導体レーザ600の基板として、ノンドープのGaN基板201が使用されていることである。これに伴って、n型用電極114を形成するために、ドライエッチング等でn型GaNコンタクト層103の一部が露出されるまで掘り込むことによって、活性層を含むメサ119を形成する。そして、メサ119側面にショートしないように注意しながら、n型GaNコンタクト層103の露出部上にn型用電極114を形成する。なお、メサ119の形成をストライプ選択後に行えば、電力を供給するためのリッジストライプをメサ端に対して自由に位置させることが可能であり、後のプロセスが容易となる。また、メサ形成用エッチングの際に、不要となったリッジストライプを含めて掘り込めば、チップサイズを大きくする必要がなく、ウエハからの素子の取れ数に影響を与えることがない。
【0068】
本実施形態5が実施形態1〜4と異なっている第3の点は、各ストライプ幅を指し示すマーカー118がリッジストライプ111に関連して設けられていることである。図9では、マーカー118が判りやすいように、p型用電極113および電流阻止層117が図示省略されている。このようなマーカーは、誘電体膜112にリッジストライプ形成のための窓部120を設ける際に形成することが可能である。具体的には、マーカーとなりうる形状で誘電体膜112に開口部を設ければよい。このようにすることで、電流阻止層117の形成時に、選択されたリッジストライプを間違うことがなく、プロセスエラーを防ぐことができる。なお、マーカー118から電流漏れが生じる危険を避けるため、電流阻止層117がそれらのマーカー上にかぶさるように形成される。
【0069】
(実施形態6)
図10の断面図と図11の上面図は、それぞれ図1と図2に類似しているが、実施形態6によるGaN系半導体レーザ素子700を模式的に図解している。本実施形態においても、2.0μm±0.1μmの範囲内の実測値幅を有するリッジストライプを形成する場合について説明する。
【0070】
本実施形態6が実施形態1〜5と異なっている点は、2.0μmを中心値として1.7μmから2.3μmまで0.15μm刻みの設定値幅で100μm置きに形成される誘電体膜112の窓部120の間隙に、幅80μmの広いダミー開口部121が設けられ、この開口部121からp型AlGaNクラッド層109bが選択成長にて形成されることである。このときの様子が図11に示されている。図11では、本実施形態6を判りやすくするために、誘電体膜112、窓部120、および開口部121が描かれており、p型AlGaNクラッド109b、p型GaNコンタクト層110、電流阻止層117およびp型用電極113は図示省略されている。このようにすることで、選択成長により形成された半導体層の厚さや組成の制御性が向上する。なお、形成法については実施形態4と同様である。また、GaN系半導体レーザ素子700への電力の供給方法は、実施形態5と同様である。すなわち、電流阻止層117を実施形態3に述べたのと同様に形成してからp型用電極113を形成する。なお図10では、本実施形態6を判りやすくするために、電力が供給されるリッジストライプ111と、その両隣にあるダミー開口部121から成長されたp型AlGaNクラッド層109bの一部領域のみを示している。
【0071】
(実施形態7)
図12の上面図は図2に類似しているが、実施形態7によるGaN系半導体レーザ素子800を模式的に図解している。なお、GaN系半導体レーザ800の断面図として図4を流用参照することができる。本実施形態7では、リッジストライプ111の形成および電力の供給を実施形態2と同様な手法で行う。
【0072】
本実施形態が実施形態1〜6と異なる第1の点は、リッジストライプ111のレーザ光出射側に狭隘部が設けられていることである。すなわち、レーザ出射側のストライプ幅w1の設定値の中心値が1.5μmであり、共振器中央部のストライプ幅w2の設定値の中心値が2.5μmにされていることである。これは、レーザ光出射面において導波路の端面が、半導体接合面に垂直な方向に比べて平行な方向に非常に広いことに起因するFFPの非対称性を改善するためである。ストライプ幅を狭くすることにより、上下方向に縦長のFFPを水平方向に広げてパターンの対称性を改善することができ、素子を光学装置に組み込むのが容易になる。他方、ストライプ幅を狭くすればレーザ素子の閾値電圧上昇が問題となるが、共振器中央部の幅を比較的広くすることによってこれを解決し得る。
【0073】
本実施形態7が実施形態1〜6と異なる第2の点は、リッジストライプ111を形成する際のレジストストライプが、w1として1.5μmを中心値として1.2μmから1.8μmまで0.15μm刻みの設定値幅で、w2として2.5μmを中心値として2.2μmから2.8μmまで0.15μm刻みの設定値幅で形成されることである。すなわち、w1=1.5μmとw2=2.5μmの実測値幅のリッジストライプ111を得るために、複数のリッジストライプの幅として全体的に細いものから逐次的に太いものを用意することによって、プロセスが内包する誤差をキャンセルすることができる。各リッジストライプ111間の間隔は100μmとする。ストライプ選択は、w1の精度で決定するようにし、光学系に組み込む際の歩留まりが向上するようにする。
【0074】
なお、本実施形態7では設定幅の刻みをw1とw2の双方について0.15μmとしたが、これをw1とw2との割合に応じて変更してもよい。
【0075】
図12においては、リッジストライプ111を判りやすくするために、誘電体膜112およびp型用電極113は図示省略されている。また、リッジストライプについても中央付近の1本と、周辺付近の1本ずつについて描かれ、他の部分は図示省略されている。
【0076】
なお、以上の実施形態で述べた作製法やレーザウエハおよび素子の材質等は、以下のように変更されてもよい。
【0077】
まず、量子井戸層の数は、2〜6の範囲から選択すればよい。リッジストライプの設定幅の中心値は1.0μm程度から3.0μm程度までの間で所望の値に設定することができ、幅を変化させる刻みも所望の値に設定することができる。各リッジストライプ間の間隔も、用途に合わせて自由に設計することができる。また、p型用電極113の材料としては、Pd/Pt/Au、Pd/Au、またはNi/Au等を用いてもよく、n型用電極114の材料としては、Hf/Al、Ti/Mo、あるいはHf/Au等を用いてもよい。
【0078】
素子レーザ部116については、劈開により共振器面を形成するかわりに、ストライプ選択用の共振器作製時に同時にエッチドミラーとして形成してもよい。この場合、バー状の分割は、素子分離のためだけに行うことになる。また、共振器長も500μmに限定されるわけではない。さらに、素子分割については、スクライブ後にブレークする手法やダイシング等で行ってもよい。
【0079】
さらに、GaN系半導体レーザ素子の各層厚は、実施形態中で述べたものに限定されず、適宜に変更しても本発明の効果になんら影響を与えるものではないことは言うまでもない。また、上述の各実施形態において、レーザ構造を形成する各半導体層の導電型を逆にしてもよいことは言うまでもない。さらに、各実施形態の特徴を他実施形態の特徴と適宜に組み合わせることも可能である。
【0080】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、本願明細書では半導体レーザ素子のストライプ状導波路構造をリッジストライプ構造として説明したが、電極ストライプ構造、セルフ・アラインド・ストラクチャ(SAS)構造を始めとして、チャネルド・サブストレイト・プレイナ(CSP)構造など、他のストライプ状導波路構造としても、複数のストライプ状導波路構造を逐次的に幅を変えて形成することで歩留まり向上の効果が得られる。
【0081】
次に、本願明細書ではGaN系半導体レーザを例に示したが、この発明の技術的思想を他の材料系のレーザに適用することも可能である。この場合、レーザの各層をその材料系のものに変更すればよい。例えば、赤外や赤色のレーザとして用いられているAlXGaYIn1-X-YP1-ZAsZ(0≦X≦1;0≦Y≦1;0≦Z≦1;0≦X+Y≦1)のような材料を使用し、活性層にこの材料系を使用した量子井戸構造が形成されているレーザ素子にも本発明の適用が可能である。
【0082】
また、上述の実施形態では、GaN系半導体素子の基板としてn型GaN基板またはノンドープGaN基板を用いているが、これら以外にもサファイア基板、他のGaN系基板、スピネル基板、SiC基板、GaAs基板、ZrB2基板またはGaP基板などを使用してもよい。あるいは、これらの基板上にGaN系半導体層が成長された基板、またはこれらを基礎基板としてGaN系半導体層を成長させた後にその基礎基板を除去したGaN系半導体層のみの基板などを用いても、発明の本質にかかわるものではないことは言うまでもない。
【0083】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、設定幅が逐次的に異なるリッジストライプを一つのレーザ素子中に形成することにより、プロセスが内包する誤差のために最適幅のリッジストライプが形成されなくて歩留まりが低下することを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【図2】 図1のGaN系半導体レーザ素子に対応する模式的な上面図である。
【図3】 (A)は本発明の実施形態1によるGaN系半導体レーザウエハの模式的な上面図であり、(B)は断面図である。
【図4】 本発明の実施形態2によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【図5】 本発明の実施形態3によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な上面図である。
【図6】 本発明の実施形態4によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【図7】 本発明の実施形態4によるGaN系半導体レーザ素子の製造工程におけるウエハの模式的な上面図である。
【図8】 本発明の実施形態5によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【図9】 図8のGaN系半導体レーザ素子に対応する模式的な上面図である。
【図10】 本発明の実施形態6によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【図11】 図10のGaN系半導体レーザ素子に対応する模式的な上面図である。
【図12】 本発明の実施形態7によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な上面図である。
【図13】 従来技術によるGaN系レーザ素子のストライプ幅の分布を示すグラフである。
【図14】 従来技術によるGaN系半導体レーザ素子の模式的な断面図である。
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600、700 GaN系半導体レーザ素子、101 n型GaN基板、201、501 ノンドープGaN基板、102、502 n型GaNバッファ層、103、503 n型GaNコンタクト層、104、504 n型AlGaNクラッド層、105、505 n型GaNガイド層、106、506 多重量子井戸活性層、107、507 p型AlGaN蒸発防止層、108、508 p型GaN光ガイド層、109、509p型AlGaNクラッド層、110、510 p型GaNコンタクト層、111、511 リッジストライプ、112、512 誘電体膜、113 p型用電極、114 n型用電極、115 ストライプ選択用レーザ部、116 素子レーザ部、117 電流阻止層、118 マーカー、119 メサ、120 窓部。
Claims (18)
- 複数の層により構成された半導体積層構造を有する半導体レーザ素子であって、
異ならしめた幅を有する複数のストライプ状導波路が前記半導体積層構造中に含まれており、
前記複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴とする半導体レーザ素子。 - 前記複数のストライプ状導波路の幅の最小から最大までの変化量が0.6μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
- 前記複数のストライプ状導波路は互いに電気的に分離されており、選択された一つの導波路に電力が供給されるようにワイヤが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
- 前記複数のストライプ状導波路の上方には電極層が形成されており、選択された一つのストライプ状導波路の上方では前記電極層下に電流阻止層が形成されておらず、他のストライプ状導波路の上方では前記電極層下に電流阻止層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
- 前記電極層は、前記電流阻止層の少なくとも一部に接して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ素子。
- 前記電流阻止層は、酸化物、窒化物、金属間化合物、およびノンドープ半導体から選択しうる絶縁体または抵抗率の大きい物質からなることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
- 前記複数のストライプ状導波路のうちで選択されて電力が供給される導波路が前記レーザ素子の中央部に位置していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
- 前記ストライプ状導波路上方の電極において、電力を供給するためのワイヤを取り付けるための幅広領域が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
- 前記半導体レーザ素子の活性層がAlXGaYIn1-X-YN(0≦X≦1;0≦Y≦1;0≦X+Y≦1)からなる量子井戸構造をなし、前記活性層がクラッド層により挟まれていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
- 前記半導体レーザ素子の活性層がAlXGaYIn1-X-YP1-ZAsZ(0≦X≦1;0≦Y≦1;0≦Z≦1;0≦X+Y≦1)からなる量子井戸構造をなし、前記活性層がクラッド層により挟まれていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
- GaN系半導体からなるクラッド層に挟まれた活性層を含む半導体積層構造を有するGaN系半導体レーザ素子であって、両側方の領域に比べて実効的に大きい屈折率を有する複数のストライプ状領域が互いに幅を異ならしめて前記半導体積層構造中に設けられており、前記複数のストライプ状領域の異なる幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴とするGaN系半導体レーザ素子。
- 前記ストライプ状領域が結晶の選択成長を利用して形成されていることを特徴とする請求項11に記載のGaN系半導体レーザ素子。
- GaN系半導体からなるクラッド層に挟まれた活性層を含む半導体積層構造を有するGaN系半導体レーザ素子であって、前記半導体積層構造中で長手方向に少なくとも一つの狭隘部とその狭隘部に比べて幅の大きな幅広部とを含むストライプ状導波路の複数が形成されており、前記複数のストライプ状導波路は前記狭隘部と前記幅広部の設計値幅が互いに同じ変化幅または変化割合で異ならしめられた導波路を含み、前記複数のストライプ状導波路の異なる前記設計値幅に対応したマーカーが設けられていることを特徴とするGaN系半導体レーザ素子。
- 基板上に堆積されたGaN系半導体レーザ積層構造を有していて前記積層構造をチップに分割すべき複数のチップ領域を含むGaN系レーザウエハであって、前記チップ領域の各々は幅を異ならしめた複数のストライプ状導波路を含み、前記複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーが設けられており、それらのストライプ状導波路の選択手段を備えていることを特徴とするGaN系半導体レーザウエハ。
- 前記選択手段は、前記レーザウエハの一部領域に設けられた共振器を含むレーザ素子構造であることを特徴とする請求項14に記載のGaN系半導体レーザウエハ。
- 基板上にGaN系半導体レーザ積層構造を堆積する工程と、少なくともいくつかの幅を互いに異ならしめた複数のストライプ状導波路を前記レーザ積層構造中に形成する工程と、前記複数のストライプ状導波路の異なる幅に対応したマーカーを設定する工程と、前記複数のストライプ状導波路の各々に対応して共振器を含むレーザ構造を作製する工程と、その共振器を含むレーザ構造を利用して前記複数のストライプ状導波路を選択する工程とを含むことを特徴とするGaN系半導体レーザの製造方法。
- 前記ストライプ状導波路を選択する工程は、前記共振器を含むレーザ構造に電流を注入して出射されたレーザ光を観察することによってなされることを特徴とする請求項16に記載のGaN系半導体レーザの製造方法。
- 前記ストライプ状導波路を選択する工程は、前記レーザ構造に励起光を照射することによって出射されたレーザ光を観察することによってなされることを特徴とする請求項16に記載のGaN系半導体レーザの製造方法。
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