JP4186151B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体滴を吐出させる液体噴射装置に係り、とりわけ、駆動パルスに基づいてノズル開口から液体滴を吐出可能な液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種)は、記録ヘッド(ヘッド部材)を主走査方向に沿って移動させると共に記録紙(液体被噴射媒体の一種)を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像(文字)を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】
圧力発生室の膨張・収縮は、例えば、圧電振動子の変形を利用して行われる。このような記録ヘッドでは、供給される駆動パルスに応じて圧電振動子が変形し、これにより圧力室の容積が変化し、この容積変化によって圧力室内のインクに圧力変動が生じて、ノズル開口からインク滴が吐出する。
【0004】
このような記録装置では、パルス波形を有する周期信号である駆動信号が生成される。一方、吐出データが記録ヘッドに送信される。そして、当該送信された吐出データに基づいて、必要なパルス波形のみが前記駆動信号から選択されて圧電振動子に供給される。すなわち、インク滴をノズル開口から吐出させるか否かを、吐出データによって制御している。
【0005】
駆動信号の一例を図14に示す。図14に示すような駆動信号は、例えばDAC回路等によって生成される。DAC回路については、例えば特開2000−1001号公報(特に段落0066及び0067)に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、記録ヘッドが静止している状態でインク滴が吐出されるならば、当該インク滴はノズル開口の直下の位置に着弾する。しかしながら、一般には、高速記録を実施するために、インク滴の吐出は記録ヘッドの移動中に実施される。このように移動中の記録ヘッドから吐出されるインク滴は、当該記録ヘッドの移動に起因する慣性を受け、インク滴吐出時のノズル開口の直下の位置からずれた位置に着弾する。
【0007】
このような着弾位置のずれを考慮して記録精度を向上させた従来技術は存在しない。本件発明者は、前記着弾位置のずれに着目し、記録精度の顕著な向上を目的として鋭意検討を重ねた。
【0008】
前記着弾位置のずれについて、図6を参照してより詳細に説明する。
【0009】
図6に示すように、記録ヘッドが静止している状態でのインク滴の吐出速度がv(m/s)であり、記録ヘッドの移動速度がV(m/s)であり、ノズル開口から記録紙までの距離がG(m)である場合、インク滴吐出時のノズル開口の直下の位置P0から実際の着弾位置P1までのずれ量ΔL(m)は、以下の式で現すことができる。
【0010】
ΔL=V×G/v …(1)
従って、所望の着弾位置よりも予めずれ量ΔLだけ後方の位置においてインク滴を吐出させれば、当該所望の着弾位置に当該インク滴を着弾させることができるのである。
【0011】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、記録ヘッドの移動に起因する慣性を考慮して、極めて高い精度での記録を実現することができるインクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて設定する位相設定部と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0013】
本発明によれば、位相設定部が、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を設定するため、液体滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【0014】
一般に、液体噴射装置は、ヘッド部材のノズル開口に対向すると共に当該ノズル開口から略等距離だけ離れるように液体被噴射媒体を保持する被噴射媒体保持部、を更に備えている。この場合、位相設定部は、駆動パルスによる液体滴の液体被噴射媒体上の着弾位置が所望の位置となるように、駆動パルスの位相を設定可能であることが好ましい。これにより、液体被噴射媒体上に精度良く液体滴を吐出させることができる。
【0015】
具体的には、位相設定部は、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算する演算部と、演算部による演算結果に基づいて、駆動パルスの位相を設定する設定本体部と、を有している。
【0016】
この場合、着弾位置のずれを正確に反映させた好適な駆動パルスの位相を適宜に設定することができる。
【0017】
ここで、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度は、当該液体滴の質量に略比例することが知られている(図7参照)。従って、演算部は、駆動パルスによって吐出される液体滴の質量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算するようになっていてもよい。
【0018】
なお、一般に、液体被噴射媒体はノズル開口と逆側において支持される。従って、液体被噴射媒体の厚み等が変われば、ノズル開口と液体被噴射媒体との距離が変化することになる。このように、ノズル開口と液体被噴射媒体との距離が可変の場合には、当該距離を取得する距離取得部を備えていることが好ましい。
【0019】
この場合、位相設定部の演算部は、距離取得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との距離、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算するようになっていることが好ましい。
【0020】
あるいは、位相設定部の演算部は、距離取得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との距離、駆動パルスによって吐出される液体滴の質量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する駆動パルスの位相を演算するようになっていることが好ましい。
【0021】
設定本体部は、例えば、前記吐出データ及び前記吐出駆動信号の両方の位相を調整することで、駆動パルスの位相を設定するようになっている。あるいは、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、駆動パルスの位相を設定するようになっている。あるいは、吐出駆動信号の一周期が複数の同一のパルス波形で構成されている場合、設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらすことで、駆動パルスの位相を設定するようになっている。
【0022】
なお、移動機構は、ヘッド部材を移動させる速度が可変に構成されていてもよい。この場合、移動機構によるヘッド部材の移動速度を取得する速度取得部を備えていることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、複数のノズル開口を有するヘッド部材と、各ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、各ノズル開口の吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、前記各駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される各駆動パルスの位相を、選択されたノズル開口毎に設定する位相設定部と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0024】
本発明によれば、位相設定部が、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を選択されたノズル開口毎に設定するため、選択されたノズル開口毎に液体滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【0025】
選択されたノズル開口は、そこから吐出される液体滴の速度が略同一であることが好ましい。あるいは、選択されたノズル開口は、例えば、同一種類の液体を使用するノズル開口であることが好ましい。
【0026】
また、液体滴の速度は、液体の種類の他に、当該液体滴の吐出のために駆動される圧力変動手段の特性に依存する。従って、選択されたノズル開口は、対応する圧力変動手段の特性が同一であることが好ましい。圧力変動手段、例えば圧電振動子は、各列毎に同一の工程で製造されることが多い。この場合には、従って、選択されたノズル開口は同一列に配置されたノズル開口であることが好ましい。
【0027】
具体的には、位相設定部は、各駆動パルスによって吐出される液体滴の速度及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位相を前記選択されたノズル開口毎に演算する演算部と、演算部による演算結果に基づいて、前記選択されたノズル開口毎に各駆動パルスの位相を設定する設定本体部と、を有している。
【0028】
この場合、着弾位置のずれを正確に反映させた好適な各駆動パルスの位相を前記選択されたノズル開口毎に適宜に設定することができる。
【0029】
前記のように、各駆動パルスによって吐出される液体滴の速度は、当該液体滴の質量に略比例することが知られている(図7参照)。従って、演算部は、各駆動パルスによって吐出される液体滴の質量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位相を前記選択されたノズル開口毎に演算するようになっていてもよい。
【0030】
また、ノズル開口と液体被噴射媒体との距離が可変の場合には、当該距離を取得する距離取得部を備えていることが好ましい。
【0031】
この場合、位相設定部の演算部は、距離取得部により取得されたノズル開口と液体被噴射媒体との距離、各駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量及び所望の着弾位置から、当該着弾位置を実現する各駆動パルスの位相を演算するようになっていることが好ましい。
【0032】
設定本体部は、例えば、前記吐出データ及び前記吐出駆動信号の両方の位相を調整することで、各駆動パルスの位相を設定するようになっている。あるいは、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号の周期単位でずらすことで、各駆動パルスの位相を設定するようになっている。あるいは、吐出駆動信号の一周期が複数の同一のパルス波形で構成されている場合、設定本体部は、前記吐出データの位相を前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらすことで、各駆動パルスの位相を設定するようになっている。
【0033】
なお、移動機構は、ヘッド部材を移動させる速度が可変に構成されていてもよい。この場合、移動機構によるヘッド部材の移動速度を取得する速度取得部を備えていることが好ましい。
【0034】
前記の制御装置あるいは制御装置の各要素手段は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0035】
また、コンピュータシステムに各装置または各手段を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0036】
ここで、記録媒体とは、フロッピーディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0038】
図1に示すように、本実施の形態のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)は、インクジェット式プリンタ1であり、複数のインクカートリッジ2を保持可能なカートリッジホルダ部3と記録ヘッド4とを有するキャリッジ5を備えている。記録ヘッド4は、カラー記録に対応している。キャリッジ5は、ヘッド走査機構によって、主走査方向に沿って往復移動されるようになっている。
【0039】
ヘッド走査機構は、ハウジング11の左右方向に架設されたガイド部材6と、ハウジングの一方側に設けられたパルスモータ(ステップモータ)7と、パルスモータ7の回転軸に接続されて回転駆動される駆動プーリー8と、ハウジングの他方側に取付けられた逆転プーリー9と、駆動プーリー8及び逆転プーリー9の間に掛け渡されると共にキャリッジ5に結合されたタイミングベルト10と、パルスモータ7の回転を制御するプリンタコントローラ44(図4参照)と、を有している。これにより、パルスモータ7を作動させることによって、キャリッジ5、即ち、記録ヘッド4を、記録紙12の幅方向である主走査方向に往復移動させることができる。
【0040】
また、プリンタ1は、記録紙12等の記録用媒体(液体被噴射媒体の一例)を紙送り方向(副走査方向)に送り出す紙送り機構を有する。この紙送り機構は、紙送りモータ13及び紙送りローラ14等から構成される。記録紙12等の記録媒体は、記録動作(主走査)に連動して、順次送り出される。
【0041】
キャリッジ5(記録ヘッド4)の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域には、ホームポジションと待機ポジションとが設定されている。図2に示すように、ホームポジションは、記録ヘッド4が移動し得るヘッド移動範囲の一側(図の右側)端部に設定されている。また、待機ポジションは、ホームポジションに対して記録領域側に略隣接して設定されている。
【0042】
ホームポジションは、電源オフ時や長時問に亘って記録が行われなかった場合に記録ヘッド4が移動して留まる場所である。記録ヘッド4がホームポジションに位置する時には、キャップ部材15がノズルプレート28(図3参照)に当接してノズル開口25(図3参照)を封止する。キャップ部材15は、ゴム等の弾性部材を上面が開放した略四角形トレー状に成型した部材であり、内部にはフェルト等の保湿材が取り付けられている。記録ヘッド4がキャップ部材15により封止されることで、キャップ内部が高湿度に保たれて、ノズル開口25からのインク溶媒の蒸発が防止される。
【0043】
待機ポジションは、記録ヘッド4を主走査する際の起点となる位置である。即ち、記録ヘッド4は、通常、この待機ポジションで待機し、記録動作時に待機ポジションから記録領域側へ走査され、記録動作が終了すると待機ポジションに戻る。
【0044】
さらに、本実施の形態では、待機ポジションと記録領域との間に、加速領域が設定されている。加速領域は、記録ヘッド4の走査速度を所定速度まで加速させるための領域である。
【0045】
次に、記録ヘッド4の構造について説明する。例示した記録ヘッド4は、図3に示すように、ケース21と、ケース21の先端面に接合された流路ユニット22と、を有している。ケース21の内部には、振動子ユニット23が収納されている。振動子ユニット23は、流路ユニット22の圧力室24に圧力変動を生じさせて、ノズル開口25からインク滴を吐出するようになっている。
【0046】
ケース21の内部には、振動子ユニット23を収容する収容室26が形成されている。ケース21は、例えば樹脂材によって、箱状体に成型されている。ケース21内に設けられた収容室26は、流路ユニット22との接合面側で開口している。
【0047】
流路ユニット22は、スペーサ27の一方の面にノズルプレート28を、スペーサ27の他方の面に振動板29を接合した構成とされる。スペーサ27は、シリコンウエハー等から構成され、エッチング加工によって所定パターンに形成されている。所定パターンとは、この場合、各ノズル開口25と連通する複数の圧力室24、共通インク室31、共通インク室31から各圧力室24へ連通する複数のインク供給路32等を形成する隔壁パターンである。なお、共通インク室31は、接続口を介してインク供給管33と接続しており、インクカートリッジ2に蓄えられたインクがこの接続口を通じて共通インク室31に供給されるようになっている。
【0048】
ノズルプレート28には、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口25…が列状に開設されている。これらのノズル開口25…によって形成されるノズル列は、紙送り方向、つまり、副走査方向に並んでいる。
【0049】
振動板29は、ステンレス板35にPPS膜等の弾性体膜36を積層した二重構造である。各圧力室24に対応する部分は、ステンレス板35側が環状にエッチング加工されて、環内にアイランド部37が形成されている。
【0050】
振動子ユニット23は、圧力発生素子の一種である圧電振動子40と固定基板41とから構成されている。圧電振動子40は、圧電体と電極層とを交互に積層した一枚の圧電振動子板に、流路ユニット22の各圧力室24…に対応した所定ピッチでスリット部を形成することにより櫛歯状に形成されている。すなわち、1列分の圧力振動子40が同時に同一材質で形成されている。
【0051】
また、固定基板41は、この櫛歯状振動子40の基端部分に固着されている。この振動子ユニット23は、圧電振動子40の先端が開口から臨む姿勢でケース21の収容室26内に挿入され、固定基板41を収容室26の内壁へ固着させることによりケース21に取り付けられている。この取付状態において、圧電振動子40の各櫛歯状先端は、振動板29の対応するアイランド部37に固着されている。
【0052】
各圧電振動子40は、対向する電極間に電位差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手方向に伸縮する。これにより、圧力室24を区画する弾性体膜36が変位する。即ち、圧電振動子40を長手方向に伸長させることにより、アイランド部37がノズルプレート28側へ押され、アイランド部周辺の弾性体膜36が変形して圧力室24が収縮する。また、圧電振動子40を長手方向に縮小させることにより、弾性体膜36が変位して圧力室24が膨張する。この圧力室24の膨張・収縮に伴って、圧力室24内に充填されたインクに圧力変動が生じて、ノズル開口25からインク滴が吐出される。
【0053】
本実施の形態では、記録ヘッド4は、異なる複数の色を吐出可能なカラー記録用に構成されている。即ち、ノズルプレート28には、ノズル列が主走査方向に複数列(例えば、4列)設けられている。そして、各ノズル列に対応させて、圧力室24、振動子ユニット23等の構成要素がそれぞれ設けられている。そして、カートリッジホルダ部3には、ブラックインクを貯留したブラックインクカートリッジ2aと、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクの各インクを個別に貯留したカラーインクカートリッジ2bと、が装着されている。これにより、各色のインクを対応するノズル列から吐出させて印刷を行うようにしている。
【0054】
ブラックインクカートリッジ2a及びカラーインクカートリッジ2bには、それぞれ制御用IC18(図4参照)が搭載されている。制御用IC18は、種類情報記憶手段として機能するものであり、カートリッジに貯留されたインクの種類を示すインク種類情報を記憶する。
【0055】
インク種類情報は、例えば、使われている色材(色素)の種類やインクの色等の情報を示すID情報によって構成される。従って、ブラックインクカートリッジ2aの制御用IC18には、染料系のブラックインク、或いは、顔料系のブラックインクを示すID情報が記憶される。また、カラーインクカートリッジ2bの制御用IC18には、第1ブロック=染料系のイエローインク、第2ブロック=染料系のマゼンタインク、第3ブロック=染料系のシアンインク、というように、各ブロックに貯留されたインクに対する色材の種類やインクの色等の情報を示すID情報が記憶される。
【0056】
一方、カートリッジホルダ部3には、インクカートリッジ2が装着された状態で制御用IC18に電気的に接続される情報読取端子19(図4参照)が設けられている。情報読取端子19は、制御用IC18に記憶されたインク種類情報を読み出すための端子である。なお、情報読取端子19は、プリンタコントローラ44の制御部49に電気的に接続されている。これにより、制御部49は、情報読取端子19を通じてインク種類情報(ID情報)を取得することができる。
【0057】
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図4に示すように、このインクジェット式プリンタ1は、プリンタコントローラ44とプリントエンジン45とを備えている。
【0058】
プリンタコントローラ44は、外部インターフェース(外部I/F)46と、各種データを一時的に記憶するRAM47と、制御プログラム等を記憶したROM48と、CPU等を含んで構成された制御部49と、クロック信号を発生する発振回路50と、記録ヘッド4の圧電振動子40へ供給するための駆動信号COMや微振動信号VSを発生する駆動信号発生回路51と、駆動信号COMや、印刷データ(吐出データ)に基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン45に送信する内部インターフェース(内部I/F)52と、を備えている。
【0059】
外部I/F46は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、ビシー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、外部I/F46を通じて、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0060】
RAM47は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリと(図示せず)を有している。そして、受信バッファは、外部I/F46を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは、制御部49により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
【0061】
ROM48には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。さらにROM48は、メンテナンス動作用の設定データをも記憶している。
【0062】
制御部49は、ホストコンピュータ等から受信した印刷データをドットパターンデータに展開したり(記録動作制御)、1回の主走査(単位走査)毎になされる微振動動作を制御する。
【0063】
制御部49は、記録動作制御時において、受信バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部49は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM48に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部49は、必要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを出力バッファに記憶させる。
【0064】
ドットパターンデータにおける各ドット(1画素)のデータは、3ビットの印字データによって構成されている。各印字データ(ビット)は、後述する駆動信号COM(図5参照)から対応する駆動パルス(DP1〜DP3)を選択するための選択信号として機能する。印字データの詳細については、後述する。
【0065】
記録ヘッド4の1回の主走査により記録可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファから内部I/F52を通じて順次記録ヘッド4の電気駆動系39に出力され、キャリッジ5が走査されて1行分(単位走査分)の印刷が行われる。出力バッファから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0066】
駆動信号発生回路51は、駆動信号発生手段として機能し、可変量のドットによって記録を行うべく、複数の駆動パルスを時系列に一連に並べた駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、記録動作時に、内部I/F52を介して記録ヘッド4の電気駆動系39へ出力される。
【0067】
本実施の形態の駆動信号COMは、図5に示すように、所定の印字周期T0内に、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、及び、第3駆動パルスDP3を、この順序で一連に並べた周期信号である。各駆動パルスDP1〜DP3は、この場合、同一のパルス信号である。この印字周期T0は、1画素を記録するための設定時間であり、記録動作(主走査)における同期合わせの基本タイミングとなる。そして、後述するように、印字周期T0の期間内に配置された各駆動パルスDP1,DP2,DP3が適宜に選択されて、圧電振動子40に供給される。これにより、記録ヘッド4のノズル開口25から各画素あたりに異なる量のインク滴が適宜に吐出され得る。
【0068】
また、本発明の主眼である駆動パルスの位相調節のために、制御部49は、記録ヘッド4の移動速度Vを取得する速度取得手段49aを有している。速度取得手段49aは、ユーザ等によって設定された記録ヘッド4の移動速度の設定値、または、何らかの公知のセンサ(図示せず)によって計測される記録ヘッド4の移動速度の計測値を取得するようになっている。
【0069】
また、厚みの異なる複数種類の記録紙12(記録媒体)を用いることが可能な場合、制御部49は、ノズル開口13と記録紙12との間の距離Gを取得する距離取得手段49bを有している。距離取得手段49bは、ユーザ等によって設定された紙種類に対応した距離の設定値、または、何らかの公知のセンサ(図示せず)によって計測される前記距離の計測値を取得するようになっている。
【0070】
そして、制御部49は、記録ヘッド4の基準位置(後述)の通過タイミングにおける駆動パルスの位相を設定する位相設定部49cを有している。位相設定部49cは、距離取得手段49bにより取得されるノズル開口13と記録紙12との間の距離G(m)、駆動パルスによって吐出されるインク滴の速度v(m/s)(後述する吐出速度取得手段49fにより取得される)、速度取得手段49aにより取得された記録ヘッド4の移動速度V(m/s)及び所望の着弾位置Xから、当該着弾位置を実現するための前記駆動パルスの位相を演算する演算部49dを有している。
【0071】
図6に示すように、ノズル開口13から吐出されるインク滴は、吐出からG/v(s)経過後に記録紙12上に着弾する。この間に、インク滴はV×G/v(m)だけ水平方向に移動する。従って、着弾位置Xに対してV×G/v(m)だけ先行する位置において、インク滴が吐出されるべきである。演算部49dは、そのような条件を満たすように、駆動パルスの位相を求める。
【0072】
位相設定部49cは、演算部49dによる演算結果に基づいて駆動パルスの位相を設定する設定本体部49eを備えている。設定本体部49eによって設定された位相に基づく駆動パルスの例については、後述する。
【0073】
ここで、インク滴の吐出速度v(m/s)とは、記録紙12に向かう方向の速度成分を意味しており、各種インクの特性及び各ノズル開口13の圧電振動子40に対応して予めテーブル状に記憶された実測値が用いられることが好ましい。インクの特性情報については、前記の制御用IC18から得ることができる。従って、各圧電振動子の特性に、制御用IC18から得たインクの特性情報を加味することによって、インク滴の吐出速度v(m/s)を得ることができる。
【0074】
本実施の形態では、制御部49に設けられた吐出速度取得手段49fが、各列毎の圧電振動子40(同時に同一材料で形成されている)に対応して、予め測定した種々のインク種についての吐出速度をテーブルデータの態様で記憶している。そして、吐出速度取得手段49fは、情報読取端子19を介して得られたインクの特性(種類)から、前記テーブルデータを検索して、当該インクについての吐出速度v1(m/s)を得るようになっている。
【0075】
もっとも、使用するインクの特性が常に一定である場合には、インク滴の吐出特性は各圧電振動子の特性のみに依存する。
【0076】
なお、精度の点では、各個別の圧電振動子毎にインク滴の吐出特性を実測して対応することが最も好ましいが、本実施の形態のように一列分の圧電振動子が同一材質から作成されているような場合、当該列毎にインク滴の吐出特性を定義することで十分に有効である。
【0077】
プリントエンジン45は、紙送り機構としての紙送りモータ13と、ヘッド走査機構としてのパルスモータ7と、記録ヘッド4の電気駆動系39と、を含んで構成してある。
【0078】
次に、記録ヘッド4の電気駆動系39について説明する。電気駆動系39は、図4に示すように、順に電気的に接続されたシフトレジスタ回路54、ラッチ回路55、レベルシフタ回路56、スイッチ回路57及び圧電振動子40を備えている。これらのシフトレジスタ回路54、ラッチ回路55、レベルシフタ回路56、スイッチ回路57は、それぞれ櫛歯状の圧電振動子40(各ノズル開口25に対応)に対応して設けられている。
【0079】
記録ヘッド4は、プリンタコントローラ44から電気駆動系39に送られたドットパターンデータに基づき、各画素毎にインク量が異なる複数のインク滴を吐出する。
【0080】
ドットパターンデータ(SI)は、発振回路50からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F52を介してシフトレジスタ54にシリアル伝送される。このシリアル伝送されたドットパターンデータの印字データは、一旦、ラッチ回路55によってラッチされる。ラッチされた印字データが「1」であれば、それは電圧増幅器であるレベルシフタ56によってスイッチ57を駆動可能な電圧まで昇圧される。昇圧されたデータは、スイッチ57に供給される。スイッチ57の入力側には、駆動信号発生回路51からの駆動信号COMが入力されており、スイッチ57の出力側には、圧電振動子40が接続されている。これにより、スイッチ57に加わる印字データが「1」である期間中は、駆動信号発生回路51が発生した駆動信号COMが圧電振動子40に供給され、この駆動信号COMに応じて圧電振動子40は変形する。一方、スイッチ57に加わる印字データが「0」の期間中は、圧電振動子26への駆動信号の供給が遮断される。
【0081】
本実施の形態では、3ビットの印字データの値に応じて、駆動信号COM中に含まれる各駆動パルスDP1,DP2,DP3が選択的に圧電振動子40に供給される。即ち、最上位ビットD1が第1駆動パルスDP1に対応しており、2番目のビットD2が第2駆動パルスDP2に対応しており、最下位ビットD3が第3駆動パルスDP3に対応している。このような印字データによって構成されるドットパターンデータが記録ヘッド4に送信されることにより、各駆動パルスDP1,DP2,DP3が選択的に圧電振動子40に供給されるのである。
【0082】
例えば、図5に示すように、マイクロドットを形成し得るインク滴(例えば、約10pLのインク滴)をノズル開口25から吐出させる場合には、印字データはD1=0,D2=1,D3=0に設定される。この時、第2駆動パルスDP2のみが選択的に圧電振動子40に供給される。また、ミドルドットを形成し得るインク滴(例えば、約20pLのインク滴)をノズル開口25から吐出させる場合には、印字データはD1=1,D2=0,D3=1に設定される。この時、第1駆動パルスDP1と第3駆動パルスDP3とが選択的に圧電振動子40に供給される。同様に、ラージドットを形成し得るインク滴(例えば、約30pLのインク滴)をノズル開口25から吐出させる場合には、印字データはD1=1,D2=1,D3=1に設定される。この時、全ての駆動パルスDP1〜DP3が圧電振動子40に供給される。
【0083】
次に、記録動作に先立って行われる駆動パルスの位相調整について説明する。
【0084】
図7に、あるノズル開口から図5に示す吐出駆動信号COMの1つのパルス波形(DP1乃至DP3のいずれか)によって吐出されるある種のインク滴の重量と吐出速度との相関関係の一例を示す。この場合、パルス波形の周波数は、28.8kHzであり(駆動信号COMの周波数は9.6kHz)、キャリッジ3(記録ヘッド4)の移動速度は200cps(=508mm/s)であった。
【0085】
図7に示すように、当該ノズル開口において、インク滴の重量と吐出速度とは、略比例している。これにより、吐出されるインク滴の重量を測定することにより、インク滴の吐出速度を得ることができる。
【0086】
本実施の形態では、種々のインク種について予め測定したインク滴の吐出重量から、当該種々のインク種についての吐出速度を求めている。そして、吐出速度取得手段49fが、前述のように、当該種々のインク種の各々とそれらについての吐出速度とを対応させたテーブルデータを記憶している。
【0087】
そして、吐出速度取得手段49fは、情報読取端子19を介して得られたインクの特性(特性)から、前記テーブルデータを検索して、当該インクについての吐出速度v1(m/s)を得る。
【0088】
一方、速度取得手段49aが、前述のように記録ヘッド4の移動速度V(m/s)を取得する。さらに、距離取得手段49bが、前述のように、ノズル開口13と記録紙12との間の距離Gを取得する。
【0089】
演算部49dは、ノズル開口13と記録紙12との間の距離G(m)、駆動パルスによって吐出されるインク滴の速度v1(m/s)、記録ヘッド4の移動速度V(m/s)及び印字開始地点X(基準位置の一例、始端印字データによる着弾位置)から、当該印字開始地点Xから遡ることV×G/v1(m)の地点を通過する時に始端印字データに対応する駆動パルスが供給されるように、駆動パルスの位相を演算する。
【0090】
図8に示すように、設定本体部49eは、演算部49dによる演算結果を受けて、印字開始地点Xから遡ることV×G/v1(m)の地点(V×G/v1(m)だけ後方の地点)を通過する時に始端印字データに対応する駆動パルスが供給されるように、吐出駆動信号COMの生成開始タイミング及び印字データに先んじて所定数が与えられるダミー印字データ「0」の供給開始タイミングを設定する。
【0091】
なお、記録ヘッド4の移動速度V(m/s)が、印字開始地点Xから遡ることV×G/v1(m)の地点において、すでに定速状態である場合、前記タイミングの制御は時間に関しての制御であるから、ノズル開口が印字開始地点Xを通過する前G/v1(s)のタイミングを、吐出駆動信号の生成開始タイミング及びダミー印字データの供給開始タイミングとすることができる。すなわち、このような場合には、記録ヘッド4の移動速度V(m/s)の情報が不要である。
【0092】
ここで、インク滴の吐出速度がより大きい場合、すなわち、インク滴の吐出速度v2が前記速度v1よりも大きい場合を考える。この場合、V×G/v2(m)<V×G/v1(m)であるから、図9に示すように、図8の場合よりも先行の程度が軽減されて吐出駆動信号の生成及びダミー印字データの供給が開始されるように、駆動パルスの位相が設定される。
【0093】
逆に、インク滴の吐出速度がより小さい場合、すなわち、インク滴の吐出速度v3が前記速度v1よりも小さい場合を考える。この場合、V×G/v3(m)>V×G/v1(m)であるから、図10に示すように、図8の場合よりも更に先行して吐出駆動信号の生成及びダミー印字データの供給が開始されるように、駆動パルスの位相が設定される。
【0094】
前記の図9及び図10の場合では、吐出駆動信号の生成開始とダミー印字データの供給開始との両方のタイミングを補正することによって、これらから形成される駆動パルスの基準位置通過時における位相を補正している。しかしながら、吐出駆動信号の生成開始タイミングを補正することを回避したい場合がある。このような場合には、以下のような態様で駆動パルスの位相が補正され得る。すなわち、図11及び図12に示すように、吐出駆動信号の生成開始タイミング及びダミー印字データ「0」の供給開始タイミングは固定されている一方、印字前のダミー印字データのデータ数を増減することによって、結果的に駆動パルスの位相を補正することができる。
【0095】
本実施の形態では、1つの印字データ(ダミーを含む)が、吐出駆動信号COMの一周期中の1つのパルス波形に対応している。従って、図11に示すように、印字前ダミー印字データの数を図8の場合のn個から(n+1)個に増やすことにより、始端印字データの供給をパルス波形の周期1つ分だけ遅らせることができる。同様に、図12に示すように、印字前ダミー印字データの数を図8の場合のn個から(n−1)個に減らすことにより、始端印字データの供給をパルス波形の周期1つ分だけ早まらせることができる。
【0096】
ダミー印字データの増減の数は、インクの吐出速度に応じて決定される。ここで、図7を用いて説明した条件において、7[m/s]の吐出速度のインクのために図8のn個の印字前ダミー印字データが用いられている場合を仮定すると、ノズル開口13と記録紙12との間の距離が1.2mmである場合(記録紙が普通紙である場合の一般例)、印字データの増減の数は、表1のようになる。
【0097】
【表1】
印字データの増減による着弾位置の補正の概略を図13に示す。
【0098】
また、同様の仮定の下で、ノズル開口13と記録紙12との間の距離が2.4mmである場合(記録媒体がCD−Rである場合の一般例)、印字データの増減の数は、表2のようになる。
【0099】
【表2】
なお、表1及び表2の吐出速度を、図7の相関関係を用いてインク重量の比に置換すると、それぞれ下記の表3及び表4となる。
【0100】
【表3】
【表4】
以上のように、本実施の形態によれば、位相設定部49cが、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて、記録ヘッド4の移動に起因する慣性を考慮して、駆動パルスの位相を設定するため、インク滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【0101】
より高い着弾位置の補正精度を得るためには、図9及び図10を用いて説明したようなタイミング補正が有効であるが、制御が簡易であるという点で、図11及び図12を用いて説明したダミー印字データのデータ数増減による補正も有効である。
【0102】
なお、吐出駆動信号の一周期が複数の異なるパルス波形を有している場合には、出駆動信号の周期単位で駆動パルスの位相を補正することができる。
【0103】
また、インク滴の吐出速度は、前述のようにノズル開口の特性とインクの特性とに依存する。従って、個々のノズル開口の各々についてインク種−吐出速度テーブルを生成することが好ましいが、それは面倒である。本実施の形態のように、圧電振動子40が各列毎に同一の工程で製造されている場合には、列毎にノズル開口の吐出特性は同一であると仮定して、各列毎にノズル開口の特性を試験しておけば足りる。
【0104】
なお、圧力室24に圧力変動を生じさせる圧力発生素子としては、圧電振動子40以外にも、発熱素子や磁歪素子等を使用することができる。
【0105】
また、プリンタコントローラ44はコンピュータシステムによって構成されているが、コンピュータシステムに前記各要素を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体201も、本件の保護対象である。
【0106】
さらに、前記の各要素が、コンピュータシステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラム(第2のプログラム)を制御する各種命令を含むプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体202も、本件の保護対象である。
【0107】
ここで、記録媒体201、202とは、フロッピーディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0108】
なお、以上の説明はインクジェット式記録装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア等が用いられ得る。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、位相設定部が、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を設定するため、液体滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【0110】
また、本発明によれば、位相設定部が、駆動パルスによって吐出される液体滴の速度または質量に基づいて、ヘッド部材の移動に起因する慣性を考慮して駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を選択されたノズル開口毎に設定するため、選択されたノズル開口毎に液体滴を所望の着弾位置に着弾させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェット式プリンタの概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの移動範囲について説明する図である。
【図3】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。
【図4】記録ヘッドの電気駆動系を説明するブロック図である。
【図5】駆動信号の一例を示す図である。
【図6】吐出されるインク滴に対する慣性の影響について説明する図である。
【図7】吐出されるインク滴の重量と速度との相関関係の一例を示す図である。
【図8】調整された駆動パルスの位相の一例について説明する図である。
【図9】調整された駆動パルスの位相の他の例について説明する図である。
【図10】調整された駆動パルスの位相の他の例について説明する図である。
【図11】調整された駆動パルスの位相の他の例について説明する図である。
【図12】調整された駆動パルスの位相の他の例について説明する図である。
【図13】着弾位置の補正について説明する図である。
【図14】駆動信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 インクカートリッジ
3 カートリッジホルダ部
4 記録ヘッド
5 キャリッジ
6 ガイド部材
7 パルスモータ
8 駆動プーリ
9 逆転プーリ
10 タイミングベルト
11 ハウジング
12 記録紙
13 紙送りモータ
14 紙送りローラ
15 キャップ部材
18 制御用IC
19 情報読取端子
21 ケース
22 流路ユニット
23 振動子ユニット
24 圧力室
25 ノズル開口
26 収容室
27 スペーサ
28 ノズルプレート
29 振動板
31 共通インク室
32 インク供給路
33 インク供給管
35 ステンレス板
36 弾性体膜
37 アイランド部
39 記録ヘッドの電気駆動系
40 圧電振動子
41 固定基板
44 プリンタコントローラ
45 プリントエンジン
46 外部インターフェース
47 RAM
48 ROM
49 制御部
50 発振回路
51 駆動信号生成回路
52 内部インターフェース
54 シフトレジスタ回路
55 ラッチ回路
56 レベルシフタ回路
57 スイッチ回路
200 記録媒体
201 記録媒体
Claims (11)
- ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の液体種類に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号の周期単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
パルス波形を有する周期信号であり複数の同一のパルスを一周期内に有する吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の液体種類に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、前記ノズル開口と被噴射媒体との距離に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号の周期単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
パルス波形を有する周期信号であり複数の同一のパルスを一周期内に有する吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、前記ノズル開口と被噴射媒体との距離に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - ノズル開口と液体被噴射媒体との距離を取得する距離取得部を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体噴射装置。 - 前記位相設定部は、ノズル開口毎に駆動パルスの位相を設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。 - 前記位相設定部は、ノズル開口列毎に駆動パルスの位相を設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の液体種類に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号の周期単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする制御装置として少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムを動作させるプログラム。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
パルス波形を有する周期信号であり複数の同一のパルスを一周期内に有する吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、当該駆動パルスによって吐出される液体滴の液体種類に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする制御装置として少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムを動作させるプログラム。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
パルス波形を有する周期信号である吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、前記ノズル開口と被噴射媒体との距離に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号の周期単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする制御装置として少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムを動作させるプログラム。 - ノズル開口を有するヘッド部材と、
ノズル開口部分の液体の圧力を変動させて液体滴を吐出させる圧力変動手段と、
基準位置を通過するようにヘッド部材を移動させる移動機構と、
を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
パルス波形を有する周期信号であり複数の同一のパルスを一周期内に有する吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
吐出開始前の非吐出に対応するダミーデータを含む吐出データ及び前記吐出駆動信号に基づいて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
前記駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
前記ヘッド部材の前記基準位置の通過タイミングにおける、前記駆動パルス生成手段により生成される駆動パルスの位相を、前記ノズル開口と被噴射媒体との距離に基づき、前記ダミーデータのデータ数を変更することで前記吐出データを前記吐出駆動信号のパルス波形単位でずらす位相設定部と、
を備えたことを特徴とする制御装置として少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムを動作させるプログラム。
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