JP4200972B2 - ガスバリア積層フィルム - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、食品及び医薬品や電子部材等の非食品等の包装分野に用いられる包装用のプラスチックフィルム積層体において、特に高いガスバリア性を持つことで、大気中の酸素や水蒸気から内容物を遮断し、内容物の劣化や変質を抑制するガスバリア積層フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食品及び医薬品や電子部材等の非食品等の包装に用いられる包装材料は内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
【0003】
そのため、従来のガスバリア層としては、ポリビニルアルコールとエチレンビニル共重合体やポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、これらの樹脂をコーティングしたプラスチックフィルム、あるいはアルミ等の金属からなる金属箔やそれら金属蒸着フィルム等が主に用いられてきた。
【0004】
樹脂フィルムとしては、例えば日本国特許第2556940号公報に、樹脂からなる基材上に、Si(O−CH3)4等のアルコキシシランと、エポキシシラン等のシランカップリング剤と、ポリビニルアルコールを含む組成物をゾル−ゲル法により重縮合して得られる積層フィルムが開示されている。しかしながら、この被覆層は、水素結合からなるため、水により膨潤して溶解しやすかった。このため、ボイルやレトルト処理等の過酷な条件下ではガスバリア性が劣化し易かった。
【0005】
一方、金属箔や金属蒸着フィルムは、ガスバリア性に優れるけれども、包装材料を透視して内容物が確認できないこと、検査の際に金属探知器が使用できないこと、及び廃棄の際に不燃物として処理しなければならないこと等の課題があった。また、ガスバリア性樹脂フィルム、及びガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムは、温湿度依存性が大きく、十分なガスバリア性を維持できない。更に、ガスバリア性樹脂として使用される塩化ビニリデンやポリアクリロニトリル等は、廃棄・焼却の際に有害物質の原料となりうる可能性がある。
【0006】
このようなことから、例えば日本国特許第2790054号公報に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、(1)水溶性高分子と、(2)I)1種類以上の金属アルコキシドまたは金属アルコキシド加水分解物、あるいはII)塩化錫を含む、水溶液、または水アルコール混合溶液とを主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱、乾燥してなるガスバリア被覆層を第2層として順次積層したガスバリア性包材が提案されている。このガスバリア包材は、高いガスバリア性を示し、かつ耐水性、耐湿性を有すると共に、ある程度の耐熱性は有するけれども、ガスバリア包材の被膜第2層は金属アルコキシド加水分解物と水酸基を有する水溶性高分子との水素結合からなるため、ボイル及びレトルト殺菌のような処理が必要な包材として使用すると、被膜層が膨潤し、ガスバリア性が劣化するという問題があった。このような包材は、例えば輸液の一次包装袋などの非常に高いガスバリア性が要求される包材に関しては、多少の劣化でも使用することができない。
【発明の開示】
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、透明性に優れ、内容物が透視可能であり、且つ金属探知器に適用可能であり、高温高湿下でのガスバリア性を持ち、ボイル及びレトルト包材として使用可能であり、環境を破壊する物質を使用せず、包装材料として最適なガスバリア機能のあるフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明のガスバリア積層フィルムは、樹脂基材と、
該樹脂基材上に設けられ、主に無機化合物を含むガスバリア蒸着層と、
該ガスバリア蒸着層上に設けられ、
一般式Si(OR1)4…(1)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち1つ、
一般式(R2Si(OR3)3)n…(2)で表されるケイ素化合物、及びその加水分解物のうち1つ
(但し、R1,R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3、R2は有機官能基)、及び
水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を塗布、加熱、及び乾燥して得られたガスバリア被覆層とを含み、
前記一般式(R 2 Si(OR 3 ) 3 ) n …(2)は、式(NCO−R 4 Si(OR 3 ) 3 ) 3 (但し、式中R 4 は(CH 2 ) n 、nは1以上)で表される三量体1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートであることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のガスバリア積層フィルムは、2つの主面を有する樹脂基材の少なくとも一方の主面上に、無機化合物を含むガスバリア蒸着層と、ガスバリア被覆層との積層を有し、かつ
このガスバリア被覆層は、
i)一般式Si(OR1)4…(1)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、
ii)一般式(R2Si(OR3)3)n…(2)で表されるケイ素化合物、及びその加水分解物のうち少なくとも1つ、
(但し、R1,R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3、R2は有機官能基)及び
iii)水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を塗布、加熱、及び乾燥して得られる。
【0009】
本発明によれば、ガスバリア被覆層は、この3つの成分を含むことにより、十分に不溶化される。一般式(2)のR2Si(OR3)3は加水分解により、一般式(1)のSi(OR1)4及び水溶性高分子と水素結合を形成するため、バリアの孔になり難く、また一方で、有機官能基はネットワークをつくることで、水溶性高分子が、その水素結合に水が付加することにより膨潤することを防ぎ、耐水性を著しく向上させる。
【0010】
なお、バリアの孔とは、膜の中で緻密なネットワークを作らず気体の透過を容易にする部分をいう。
【0011】
また、基材上に、上記ガスバリア被覆層を、上記ガスバリア蒸着層と組み合わせて設けることにより、高いガスバリア性が得られる。さらに、たとえ基材と無機化合物蒸着層との間に、密着性コーティング層いわゆるプライマー層、あるいは特殊処理層が無くても、ボイル殺菌処理及びレトルト殺菌処理後も、酸素透過率、及びラミネート強度等の劣化が見られず、さらに、蒸着層が基材から剥離することがほとんどない、安価で実用性の高い積層フィルムを提供することができる。
【0012】
図1に、本発明のガスバリア積層フィルムの一例を表す断面図を示す。
【0013】
図示するように、このガスバリア積層フィルムは、樹脂基材1上に、例えば酸化アルミニウム等を蒸着して得られた透明なガスバリア蒸着層2、及び上記i),ii),及びiii)の3つの成分を含む塗布液を塗布、乾燥させて得られたガスバリア被覆層3を積層した構成を有する。
【0014】
基材1上にガスバリア蒸着層2とガスバリア被覆層3とを順次積層することで高いガスバリア性が発現される。
【0015】
また、図2に、本発明のガスバリア積層フィルムの他の一例を表す断面図を示す。図示するように、このガスバリア積層フィルムは、樹脂基材1とガスバリア蒸着層2との間に、例えばアクリルポリオール、イソシアネート、及びシランカップリング剤を含むプライマー層4を設けること以外は、図1と同様の構成を有する。
【0016】
このようなプライマー層4を設けることにより、樹脂基材1とガスバリア蒸着層2との間に安定した高い密着性が得られる。
【0017】
また、図1及び図2に記載の積層フィルムにおいて、ガスバリア被覆層3表面上に、さらにヒートシール層を設けることにより、包装材料として実用的かつ優れた適性を有する積層フィルムが得られる。
【0018】
一般式(1)中、R1は、CH3,C2H5,C2H4OCH3等で表せるものであればいずれも使用することができる。なかでも、テトラエトキシシランが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるため好ましい。
【0019】
金属アルコキシドは加水分解後に縮合し、セラミック膜を形成する。しかし金属酸化物は硬く、さらに縮合時の体積縮小による歪みによりクラックが入りやすいため、フィルム上に薄く透明で均一な縮合体被膜を形成することは非常に困難である。そこで、高分子を添加することによって構造体に柔軟性を付与しクラックを防止して造膜することができる。しかし高分子の添加は目視では均一でも、微視的にはケイ素または金属酸化物と高分子部分とに分離している事が多く、ガスバリア性が低下しやすい。
【0020】
金属アルコキシドに高分子を添加する事によって構造体に柔軟性を付与しクラックを防止して造膜する事ができる。しかし高分子の添加は目視では均一でも、微視的には金属酸化物と高分子部分とに分離している事が多く、ガスバリア包材ではバリアの孔になりやすい。そこで、水酸基をもつ高分子を添加する事により、高分子の水酸基と金属アルコキシドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、金属酸化物が縮合に際し高分子との間にうまく分散してセラミックに近い高いガスバリア性を発現する。また、この被膜を無機化合物からなる蒸着層の上に積層することで、それぞれ単層によって得られる効果よりも、非常に高いガスバリア性、耐水性、耐湿性を示す。しかし、金属アルコキシドあるいはその加水分解物と水酸基を有する水溶性高分子の混合からなるガスバリア被覆層は、水素結合からなるため、水により膨潤して溶解する。蒸着層との積層構造による相乗効果があってもボイルやレトルト処理等の過酷な条件下ではガスバリア性が劣化し易い。
【0021】
これに対し、本願発明では、上記一般式(2)の化合物を添加することにより、この膨潤を防ぐことができる。
【0022】
一般式(2)は、その有機官能基(R2)が、ビニル、エポキシ、メタクリロキシ、ウレイド、及びイソシアネート等の非水性官能基であることが好ましい。非水官能基は、官能基が疎水性であるため、耐水性はさらに向上する。
【0023】
一般式(2)で表される化合物が多量体である場合は、三量体が好ましく、より好ましくは、一般式(NCO−R4Si(OR3)3)3(式中、R4は(CH2)n、nは1以上)で表される1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートである。これは、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランの縮合体である。
【0024】
この1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、イソシアヌレート部には化学的反応性はなくなるけれども、ヌレート部の極性により反応と同様の性能を示すことが知られている。一般的には、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランと同様に接着剤などに添加され、接着性向上剤として知られている。よって、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートをSi(OR1)4と、水酸基を有する水溶性高分子に添加することにより、水素結合に基づきガスバリア積層フィルムが水による膨潤することを防ぎ、耐水性を向上させることができる。また、3−イソシアネートアルキルアルコキシシランは、反応性が高く、液安定性が低いのに対し、ヌレート部はその極性により水溶性ではないが、水系液中に分散しやすく、液粘度を安定に保つことができ、その耐水性性能は3−イソシアネートアルキルアルコキシシランと同等である。さらに、ヌレート部は耐水性があるのみでなく、その極性によりSi(OR1)4と、水酸基を有する水溶性高分子はバリアの孔になりにくい。
【0025】
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3−イソシアネートプロピルアルコキシシランの熱縮合により製造されるものもあり、原料の3−イソシアネートプロピルアルコキシシランが含まれる場合もあるが、特に問題はない。さらに好ましくは、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートであり、さらにまた好ましくは、下記構造式(3)に示す1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである。
【化1】
【0026】
このメトキシ基は、加水分解速度が早く、また、プロピル基を含むものは比較的安価に入手し得ることから、上記構造式(3)で表される化合物は実用上有利である。
【0027】
また、一般式(2)の有機官能基R2として、3−グリシドキシプロピル基、あるいは2−(3,4エポキシシクロヘキシル)基が好ましく使用できる。これらの有機官能基は、加水分解により、一般式(1)のSi(OR1)4及び水溶性高分子と水素結合を形成するために、バリアの孔になり難く、ガスバリア性を損なうことなく耐水性を向上することができる。
【0028】
しかしながら、上述のようなエポキシ系シラン化合物の一部は、変異原性を有する場合がある。また、有機官能基(R2)が、ビニル及びメタクリロキシの場合、製造過程で紫外線または電子線等の照射が必要となり設備及び工程の増加によりコスト高を招く傾向がある。有機官能基(R2)が、ウレイドの場合は、特有の臭気があり、また、イソシアネートの場合は、反応性が高く、ポットライフが短い。このようなことなどから、本発明に使用されるii)の成分としては、1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートがより好ましいと考えられる。
【0029】
本発明に使用される基材は樹脂材料からなり、好ましくは透明である。このような樹脂材料として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、66−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等があげられる。この樹脂材料は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。この樹脂材料はフィルム状に加工して基材として使用される。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましく用いられる。更に、包装材料に使用する場合、価格面、防湿性、充填適性、風合い、及び廃棄性を考慮すると、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムが好ましいが、中でもポリエステルフィルムフィルムがより好ましい。
【0030】
基材の厚さは特に制限を受けるものでないが、包装材料としての適性、および加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmが好ましく、より好ましくは6〜30μmである。
【0031】
また、この基材の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤を、必要に応じて適用することができる。
【0032】
密着性を良くするために、基材の表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理などを施すことができる。更に、基材の表面に薬品処理、及び溶剤処理等を施すことができる。特に、プラズマ処理は基材表面と次に積層させる無機化合物からなる蒸着層との密着を強固にするため好ましい。
【0033】
蒸着層に使用される無機化合物としては、例えばケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、及びマグネシウムなどの酸化物、それらの窒化物、及びそれらの弗化物、及びこの酸化物、窒化物、及び弗化物の複合物があげられる。
【0034】
この蒸着層は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法などの真空プロセスにより形成され得る。特に、酸化アルミニウムは、無色透明であり、ボイル・レトルト殺菌処理による耐水性にも優れ、広範囲の用途に使用することができることから、好ましく使用できる。
【0035】
酸化アルミニウムは、アルミニウム(Al)と酸素(O)の存在比は、Al:O=1:1.5〜1:2.0であることが好ましい。
【0036】
例えば酸化アルミニウム蒸着層は、アルミニウムを蒸発材料にして、酸素、炭酸ガスと不活性ガスなどとの混合ガスの存在下で薄膜形成を行う反応性蒸着、反応性スパッタリング、反応性イオンプレーティングにより形成することができる。この時アルミニウムを酸素と反応させれば、化学量論的にはAl2O3であることから、Al:O=1:1.5であるはずである。しかし蒸着方法によって、一部アルミニウムのまま存在するものや、または過酸化アルミニウムで存在するものもあり、X線光電子分光分析装置(ESCA)等を用いて蒸着層の元素の存在比を測定すると、一概にAl:O=1:1.5とは言えないことがわかる。一般にAl:O=1:1.5より酸素が少なくアルミニウム量が多いものは、級密な膜を形成するために良好なガスバリア性が得られるが、蒸着膜が黒く着色し、光線透過量が低くなる傾向がある。逆にAl:O=1:1.5より酸素が多くアルミニウム量が低いものは、疎な膜を形成し、ガスバリア性は悪いが光線透過量は高く透明なものが得られる。
【0037】
ボイル及びレトルト殺菌処理に好適な本発明のガスバリア積層フィルムは、蒸着層と、次に説明するガスバリア被覆層3との組み合わせにより実現するため、Al:O=1:1.5〜2.0であることが好ましい。
【0038】
蒸着層の膜厚は、用途や、ガスバリア被覆層の膜厚によって多少異なるが、数十Åから5000Åの範囲がのぞましい。しかし50Å以下では薄膜の連続性に問題があり、また3000Åを超えるとクラックが発生しやすく、可撓性が低下するため、好ましくは50〜3000Åである。
【0039】
基材と蒸着層の間にプライマー層を設けると、無機化合物からなる蒸着層が均一に形成されてガスバリア性が向上し得る。また蒸着層の組成および存在比に影響されることなく、密着性が安定して得られるため、プライマー層を設けることが好ましい。
【0040】
プライマー層としては、例えばアクリルポリオール、ポリビニルアセタール、ポリ−スチルポリオール、及びポリウレタンポリオール等から選択されるポリオール類と、イソシアネート化合物との2液反応によって得られる有機高分子、またはポリイソシアネート化合物および水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、また有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、シランカップリング剤およびその加水分解物のような有機シラン化合物を主剤とするものなどが挙げられる。特にアクリルポリオールとイソシアネート化合物、シランカップリング剤の組み合わせが好ましい。この組み合わせからなるプライマー層を用いると、基材と蒸着層の間に、安定したさらに高い密着性を得ることができる。
【0041】
プライマー層の厚みは、一般的には乾燥後の厚さで、0.005〜5μmの範囲になるようにコーティングする事が望ましく、より好ましくは0.01〜1μmである。0.01μm未満の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難く、逆に1μmを越える場合は不経済となる傾向がある。
【0042】
また、Si(OR1)4をSiO2に、R2Si(OR3)3をR2Si(OH)3に換算した場合、R2Si(OH)3の固形分が全固形分に対し1〜50重量%であることが好ましい。この範囲であれば、ガスバリア被覆層は、ボイル及びレトルト殺菌処理のような過酷な処理にも劣化しない耐水性の高いガスバリア性が得られる。1重量%未満であると耐水性効果が低くなる傾向があり、50重量%を超えると、官能基がガスバリア被覆層の孔となるために、ガスバリア性が低下する傾向がある。ボイル、レトルト殺菌処理に必要な耐水性と、高いガスバリア性をより良好にするためには、より好ましくは、上記固形分は全固形分に対し5〜30重量%である。
【0043】
Si(OR1)4をSiO2に、R2Si(OR3)3をR2Si(OH)3に換算した場合固形分の配合比が重量比でSiO2/(R2Si(OH)3/水溶性高分子)100/100〜100/30の範囲内であれば、ボイル及びレトルト殺菌処理に必要な耐水性と高いガスバリア性はもちろん、包装材料として考えた場合の被膜柔軟性によるフレキシブル性が十分付与され好ましい。
【0044】
本発明でガスバリア被覆層中の水酸基を有する水溶性高分子とは、ポリビニルアルコール、でんぷん、セルロース類が好ましい。特にポリビニルアルコール(以下PVA)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。なぜならPVAはモノマー単位中に最も多く水酸基を含む高分子であるため加水分解後の金属アルコキシドの水酸基と非常に強固な水素結合をもつ。ここで言うPVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分ケン化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAまでを含む。PVAの分子量は重合度が300〜数千まで多種あるが、どの分子量のものを用いても効果に問題はない。しかし一般的にケン化度が高く、また重合度が高い高分子量のPVAは耐水性が高いため好ましい。
【0045】
Si(OR1)4の加水分解方法は、一般に知られているように、酸またはアルカリ触媒とアルコール、水を用いて行われる。好ましくは、酸による加水分解が制御しやすく好ましい。このとき、加水分解をさらに制御するために一般的に知られている触媒、塩化錫やアセチルアセトナートなどを添加しても問題ない。
【0046】
コーティング溶液の混合方法では、加水分解したSi(OR1)4、水酸基をもつ水溶性高分子、及びR2Si(OR3)3を、どの順番で混合しても効果は発現する。R2Si(OR3)3は、混合して、コーティング溶液中で分散せずに油滴状に存在するような場合は、上述のように加水分解を行い、微分散させることが好ましい。特にSi(OR1)4とR2Si(OR3)3を別々に加水分解してから水溶性高分子に添加すれば、SiO2の微分散およびSi(OR1)4の加水分解効率を考慮すると望ましい。
【0047】
ガスバリア被覆層を形成するためのコーティング溶液へは、インキ、接着剤との密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物や、安定化剤、着色剤、粘度調整剤などの公知の添加剤などを、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加する事ができる。
【0048】
乾燥後のガスバリア被覆層の厚みは特に限定しないが、厚みが50μm以上を越えるとクラックが生じ易くなる可能性があるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
【0049】
ガスバリア被覆層3の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗工方式を用いて蒸着層の上に塗化する。
【0050】
ガスバリア被覆層の乾燥法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射などガスバリア被覆層に熱をかけて、水分子を飛ばす方法であれば、これらのいずれでも、またこれらを2つ以上組み合わせてもかまわない。
【0051】
本発明のガスバリア被覆層側には、ヒートシール層を設けることで、より実用性の高い包装材料を提供できる。ヒートシール層は袋状包装体などを形成する際の接着部に利用されるものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸ニステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。また包装体の形状により基材側にヒートシール層を設けることもできる。
【0052】
ヒートシール層の形成方法としては、上述樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントドライラミネート法、上述した樹脂を加熱溶融させ、カーテン状に押し出し、貼り合わせるエキストルージョンラミネート法等いずれも公知の積層方法により形成することができる。
【0053】
ヒートシール層とガスバリア被覆層との間には、例えば延伸ナイロン、延伸ポリエステル、及び延伸ポリプロピレン等の緩和層を設けることができる。このような層を設けることにより、さらに、耐ピンホール性、耐衝撃性、及び耐熱性を付与することが可能となる。
【0054】
ガスバリア被覆層上には必要に応じて、印刷層を積層する事も可能である。あるいは、接着剤を介して複数の樹脂を積層する事も可能である。また、基材のガスバリア被覆層と反対面にも印刷層、ヒートシール層、接着剤を介する複数の樹脂の積層が可能である。
【0055】
以下本発明のガスバリア積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0056】
実施例1−8
厚さ12μmの片面にコロナ処理を施した二軸延伸PET(東レ(株)製、P60)を基材とし、そのコロナ処理された面にアルミニウムを蒸着源とし、電子線加熱方式により加熱蒸着させ、酸素ガスを導入しながら所定の膜組成になるよう調整し、膜厚150Åの酸化アルミニウム蒸着層を形成した。
【0057】
上記酸化アルミニウム蒸着層のアルミニウムと酸素とによる膜組成は、X線光電子分光分析装置(ESCA)(日本電子(株)製、JPS−90SXV)にて、アルゴンエッチングを用いたDepth Profiling法により測定を行い、調整した膜組成が以下のものを用いた。
【0058】
実施例1〜5,8および比較例・Al:O=1:1.8
実施例6・・・・・・・・・Al:O=1:1.0
実施例7・・・・・・・・・Al:O=1:2.2
上記酸化アルミニウム蒸着層に、下記方法にて調液した塗布液用溶液(A)〜(E)を下記の割合で混合し、これを塗布液とした。これをバーコーターにより得られた蒸着層の上面に塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmのガスバリア被覆層を形成し、図1と同様の構成を有するガスバリア積層フィルムを得た。
【0059】
ガスバリア被覆層用溶液
(A):テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4、以下TEOSと称す)17.9gと、メタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液
(B):ポリビニルアルコールの5%(重量比)、水/メタノールアルコール=95/5(重量比)水溶液
(C):β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランとイソプロピルアルコール(IPA溶液)に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間撹拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
【0060】
(D):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間撹拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
【0061】
(E):1,3,5−トリス(3−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレートを、水/IPA=1/1溶液で、固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に希釈、調整した溶液。
【0062】
(F):ビニルトリメトキシシランとIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間撹拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
【0063】
ガスバリア被覆層塗布液の成分配合比
A:TEOSのSiO2固形分(換算値)
B:PVA固形分
C:β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランのR2Si(OH)3固形分(換算値)
D:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのR2Si(OH)3固形分(換算値)
E:1,3,5−トリス(3−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレートのR2Si(OH)3固形分(換算値)
F:ビニルトリメトキシシランのR2Si(OH)3固形分(換算値)
配合比はすべて固形分重量比率である。
【0064】
実施例1および実施例6、7
・・・A/B/C=70/20/10
実施例2・・・A/B/D=70/20/10
実施例3・・・A/B/F=70/20/10
実施例4・・・A/B/C=20/20/60
実施例5・・・A/B/C=90/5/5
実施例8・・・A/B/E=100/20/10
比較例1・・・A/B/C=70/30/0
得られたガスバリア積層フィルムのガスバリア被覆層側に、ラミネート機により厚さ15μmの延伸ナイロン(ユニチカ(株)製 ONMB−RT)をポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製A515/A50)を用いてラミネートし、さらに、延伸ナイロンの上に厚さ70μmの無延伸ポリプロピレン(ヒートシール層)(東セロ(株)製 RXC−18)を、ポリウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製A515/A50)を用いてラミネートし、図3に示すような包装フィルムを作成した。
【0065】
図示するように、得られた包装フィルムは、基材1上に、酸化アルミニウム蒸着層2、ガスバリア被覆層3、図示しない接着剤層を介して延伸ナイロン層5、及び図示しない接着剤層を介してヒートシール層6が順に積層された構成を有する。
【0066】
このようにして作成した包装フィルムを用いて、そのフィルムの4辺をシール部とするパウチを作成し、内発物として水を充填した。その後、121℃、30分間レトルト殺菌処理を行い、レトルト処理前後の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製OXTRAN−2/20)を用いて、30℃、相対湿度70%中の雰囲気下で測定した。またこのラミネートした包装フィルムを15mm幅で切断して、90度剥離をテンシロン(引っ張り試験機オリエンテック社製)を用いて行い、レトルト殺菌処理前後の剥離強度を求めた。なお剥離速度300mm/min、23℃、相対湿度65%の雰囲気で行った。さらに、レトルト殺菌処理後のパウチシール部を180度折り曲げ、シーラント層と蒸着層2との問の剥離状態を目視で観察した。
【0067】
目視評価基準
○:剥離発生なし
×:一部剥離発生
その結果を表1に示す。
【0068】
実施例9
酸化アルミニウム蒸着層の代わりに、蒸発源を酸化ケイ素とし、電子線加熱方式により加熱蒸着させ、酸素ガスを導入しながらSi:O組成比が1:1.6になるよう調整し、膜厚400Åの酸化ケイ素蒸着層を形成し、ガスバリア被覆層塗布液の配合比A/B/Cを70/20/10とすること以外は、実施例1と同様にして、包装フィルムを形成した。
【0069】
得られた包装フィルムについて、同様に、酸素透過度及びレトルト殺菌処理前後の剥離強度の測定、及び180度折り曲げ試験を行った。
【0070】
得られた結果を下記表1に示す。
【表1】
【0071】
配合比:固形分重量比、透過度:酸素透過度 cm3/m2・day・atm、ラミ強度:ラミネート強度N/15mm幅
表1より、レトルト殺菌処理前では、上記実施例1〜9および比較例1により得られた包装フィルムは酸素バリア性および密着に問題ないが、処理後では、比較例1は、ガスバリア被覆層3の耐水性が低いため、酸素バリア性が悪く、また密着も低くなり、外観も一部剥離が観察された。これに対し、実施例1〜9は、高い酸素バリア性、密着性を保ち、外観も良好であった。
【0072】
実施例10
厚さ12μmの片面にコロナ処理を施した二軸延伸PET(東レ(株)製 P60)を基材とし、そのコロナ処理片面にアルミニウムを蒸着源とし、電子線加熱方式により加熱蒸着させ、酸素ガスを導入しながら膜組成Al:O=1:1.8、膜厚150Åの薄膜の酸化アルミニウム蒸着層を形成した。
【0073】
得られた蒸着層上面に、実施例1と同様のガスバリア被覆層塗布液をグラビアコート法により乾燥膜厚0.3μmとなるように塗布乾燥して、ガスバリア被覆層を形成し、実施例10として、図1に示すようなガスバリア積層フィルムを得た。
【0074】
また、比較例1と同様の方法で調製したガスバリア被覆層塗布液をグラビアコート法により乾燥膜厚0.3μmとなるように塗布、乾燥して、ガスバリア被覆層を形成し、比較例2として図1と同様の構成を有するガスバリア積層フィルムを得た。
【0075】
実施例10と比較例2にて得られたそれぞれガスバリア積層フィルムのガスバリア被覆層の表面に、実施例1と同様にして延伸ナイロン層及びシーラント層を形成し、図3と同様の構成を有する包装フィルムを作成した。
【0076】
このようにして作成した実施例10および比較例2の包装フィルムの剥離強度を測定した。このラミネートした上記包装フィルムを15mm幅で切断して、実施例1と同様にして90度剥離を実施した。さらに、蒸着層2とシーラント層との剥離界面に少量の水道水を垂らしながら同様に剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0077】
また、実施例8と同様の構成を有する包装フィルムについても同様の90度剥離試験を行なった。その結果を併せて下記表2に示す。
【表2】
【0078】
実施例11−15
厚さ12μmの片面にコロナ処理を施したPETを基材とし、そのコロナ処理された面に下記プライマー層塗布液(G)を膜厚0.1μmになるようにグラビアコーターにて塗工し、プライマー層を設けた。
【0079】
(G):アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5wt%になるよう酢酸エチルで希釈し、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5wt%添加して混合した溶液。
【0080】
プライマー層上に、実施例1と同様にして酸化アルミニウム蒸着層を形成した。さらに、上記(A)〜(E)の溶液を下記の組成で組み合わせ、混合してなる塗布液を調製し、酸化アルミニウム蒸着層上にこの塗布液をバーコーターにより塗布し、乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmのガスバリア被覆層を形成し、図2と同様の構成を有するガスバリア積層フィルムを得た。
【0081】
ガスバリア被覆層塗布液の成分配合比
配合比はすべて固形分重量比率である。
【0082】
実施例11・・・・・A/B/C=70/20/10
実施例12・・・・・A/B/D=70/20/10
実施例13・・・・・A/B/E=70/20/10
実施例14・・・・・A/B/C=20/20/60
実施例15・・・・・A/B/C=90/5/5
比較例3・・・・・・A/B=70/30
得られたガスバリア積層フィルムのガスバリア被覆層の表面に、油性ペン(黒)で3cm×3cmの正方形を書いて塗りつぶし、該被膜層3表面を上にして、積層体の4方を台紙に固定後、121℃、30分間レトルト処理を行った。処理後、ガスバリア被覆層3表面の油性ペン(黒)の状態を目視で観察し、ガスバリア被覆層の耐水性を評価した。その結果を下記表3に示す。
【0083】
目視評価基準
1:ガスバリア被覆層表面が溶けて、インキが全く残っていない。
【0084】
2:ガスバリア被覆層表面の一部インキが残っている。
【0085】
3:ガスバリア被覆層表面のインキが完全な状態で残っている。
【0086】
さらに、得られたガスバリア積層フィルムを用いて、実施例1と同様に包装フィルムを作成した。
【0087】
得られた包装フィルムを図4に示す。
【0088】
図示するように、この包装フィルムは、基材1上に、プライマー層4、酸化アルミニウム蒸着層2、ガスバリア被覆層3、図示しない接着剤層を介して延伸ナイロン層5、及び図示しない接着剤層を介してヒートシール層6が順に積層された構成を有する。
【0089】
また、得られた包装フィルムを用いて、実施例1と同様にパウチを作成し、同様にして、レトルト処理前後の酸素透過度、90度剥離を行い、そのときの剥離強度を求めた。
【0090】
その結果を下記表3に示す。
【0091】
また、実施例8と同様の構成を有する包装フィルムについても同様のレトルト処理前後の酸素透過度、90度剥離試験を行なった。その結果を併せて下記表3に示す。
【表3】
【0092】
表3より、比較例3により得られたガスバリア積層フィルムは、実施例8,11〜15により得られたガスバリア積層フィルムに比べ、レトルト処理において、そのガスバリア被覆層が単膜では溶けてしまうのに対し、実施例8,11〜15のガスバリア積層フィルムのガスバリア被覆層は、被膜の耐水性が向上しているため溶けないことがわかった。また、比較例3は、レトルト処理後の酸素透過度は劣化するのに対し、実施例8,11〜15では、レトルト処理前の酸素バリア性は、バリアの孔になることなく、高いバリア性を示し、また、レトルト処理後も良好な酸素バリア性を維持し続け、ほとんど劣化しないことがわかった。またラミネート強度を損なうこともないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、高いガスバリア性を有し、ボイル・レトルト殺菌処理後もガスバリア性が劣化しない、密着性も良好なガスバリア性フィルムの作成が可能となり、これを用いて印刷工程やドライラミネート、溶融押し出しラミネート、熱圧着ラミネートなどの後加工を行い、食品及びレトルト食品、医薬品や電子部材等の非食品缶等の包装に用いられる実用範囲の広い包装材料を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】 本発明のガスバリア積層フィルムの一−例を表す断面図。
【図2】 本発明のガスバリア積層フィルムの他の一例を表す断面図
【図3】 本発明のガスバリア積層フィルムを用いた包装材の一例を表す断面図
【図4】 本発明のガスバリア積層フィルムを用いた包装材の他の一例を表す断面図
【符号の説明】
【0095】
1…基材、2…ガスバリア蒸着層、3…ガスバリア被覆層、4…プライマー層、5…ナイロン層、6…ヒートシール層
Claims (10)
- 樹脂基材と、
該樹脂基材上に設けられ、主に無機化合物を含むガスバリア蒸着層と、
該ガスバリア蒸着層上に設けられ、
一般式Si(OR1)4…(1)で表されるケイ素化合物及びその加水分解物のうち1つ、
一般式(R2Si(OR3)3)n…(2)で表されるケイ素化合物、及びその加水分解物のうち1つ
(但し、一般式(1)および(2)中、R1,R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3、R2は有機官能基を表す)、及び
水酸基を有する水溶性高分子を含有する塗布液を塗布、乾燥して得られたガスバリア被覆層とを含むガスバリア積層フィルムであって、
前記一般式(R 2 Si(OR 3 ) 3 ) n …(2)は、式(NCO−R 4 Si(OR 3 ) 3 ) 3 (但し、式中R 4 は(CH 2 ) n 、nは1以上)で表される三量体1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートであることを特徴とするガスバリア積層フィルム。 - 前記無機化合物は、透明性を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記無機化合物は、酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記酸化アルミニウムは、アルミニウムと酸素との存在比が、Al:O=1:1.5〜1:2.0で表されることを特徴とする請求項3記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記一般式Si(OR1)4…(1)は、その加水分解性基(R1)がC2H5であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
- Si(OR 1 ) 4 をSiO 2 に、R 2 Si(OR 3 ) 3 をR 2 Si(OH) 3 に換算した場合、R 2 Si(OH) 3 の固形分が全固形分に対し1〜50重量%であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記有機官能基(R 2 )が3−グリシドキシプロピル基、及び2−(3,4エポキシシクロヘキシル)基のうち1つであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
- Si(OR 1 ) 4 をSiO 2 に、R 2 Si(OR 3 ) 3 をR 2 Si(OH) 3 に換算した場合、固形分の配合比が重量比率でSiO 2 /(R 2 Si(OH) 3 /水溶性高分子)=100/100〜100/30の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記基材と前記ガスバリア蒸着層との間に、アクリルポリオール、イソシアネート、及びシランカップリング剤からなるプライマー層をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記前記一般式(R 2 Si(OR 3 ) 3 ) n …(2)は、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のガスバリア積層フィルム。
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