JP4201400B2 - 加工品回収装置及びそれを備えた自動旋盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に付設可能な加工品回収装置に関する。さらに本発明は、加工品回収装置を備えた自動旋盤に関する。本明細書で自動旋盤とは、NC旋盤等の、自動旋削加工を実施できるあらゆる工作機械を意味する。
【0002】
【従来の技術】
自動旋盤等の工作機械において、加工の完了した加工品を回収するための加工品回収装置を付設したものは知られている。従来の簡易構造の加工品回収装置は、工作機械の機台上の工具による加工作業位置の下方で、加工の完了した加工品を受け取るシュート状の排出部材と、排出部材の排出側に設置され、多数の加工品を収容可能な回収箱とから構成される。回収箱は通常、機台上に画成された加工作業室内又はその近傍に固定的に設置されるので、作業者は必要に応じて加工作業室に近寄り、回収箱に収容された加工品を手作業で回収する。
【0003】
このような加工品回収装置では、加工品は重力作用により排出部材を伝って回収箱に投入されるので、回収箱内での加工品同士の衝突等により加工品が損傷する危惧がある。そこで、特に寸法公差や表面粗さに高精度が要求される加工品に対しては、排出部材から排出された加工品を1つずつ受け取って順次所定の回収位置へ搬送するコンベア装置を、排出部材の排出側に近接して設置する場合がある。この種のコンベア装置は、例えば複数の工作機械を並設したワークショップにおいて、作業者が各工作機械の加工作業室に近寄る煩雑さを解消する目的で、各工作機械で加工された加工品を加工作業室から離れた加工品回収の容易な所望位置へ搬送するためにも有効に利用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の加工品回収装置に使用されるコンベア装置は、一般にその専用駆動源として、小形でかつ制御が容易な電動機を使用している。そのために、電動機の駆動及び制御用の設備として、電源ケーブルやケーブル端子台等の電力供給設備及び駆動信号等の制御信号の供給設備が必要となり、結果として加工品回収装置の価格が高騰する傾向があった。また、電動機は発熱源となるので、機台上の加工作業室の近傍に電動機を設置した場合は、工作機械の加工機能部品への熱伝達や加工作業室内の温度上昇により、加工精度に影響が及ぼされる危惧があった。このような電動機の発熱による影響は、コンベア装置を断続的に駆動すべく電動機のオンオフを頻繁に繰返す制御を行う場合に特に顕著になる。
【0005】
したがって本発明の目的は、工作機械に付設される加工品回収装置において、加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置の駆動機構の発熱が工作機械の加工精度に及ぼす影響を排除でき、しかも安価に作製できる加工品回収装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような加工品回収装置を備え、加工精度に影響を及ぼすことなく加工品の容易な回収を可能にする安価でかつ高性能の自動旋盤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、機台上に設置される主軸と、主軸の前方で機台上に設置され、主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する加工機能装置とを備えた工作機械に付設され、工作機械での加工が完了した加工品を回収するための加工品回収装置において、工作機械から受け取った加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置を具備し、コンベア装置が、工作機械の加工機能装置の制御軸方向への移動動作に連動して駆動されることを特徴とする加工品回収装置を提供する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加工品回収装置において、コンベア装置が、主軸から離れる制御軸方向への加工機能装置の移動距離に線形対応した距離だけ加工品を搬送する加工品回収装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の加工品回収装置において、コンベア装置が、制御軸方向への加工機能装置の往復移動動作の繰り返しに従って加工品を漸進的に搬送する加工品回収装置を提供する。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の加工品回収装置において、コンベア装置が、機台上で一対の支持輪に支持される無端搬送部材と、少なくとも一方の支持輪に一方向クラッチを介して連結される回転軸と、加工機能装置の制御軸方向への移動動作を回転軸に伝達する動力伝達機構とを具備する加工品回収装置を提供する。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工品回収装置において、工作機械の工具による加工作業位置の近傍で受け取った加工品を重力作用によりコンベア装置に排出する排出部材をさらに具備し、排出部材が、工作機械の機台上で、加工作業位置の下方の加工品受取位置と、加工品受取位置から離れた待機位置との間で移動可能である加工品回収装置を提供する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、機台上に設置される主軸と、主軸の前方で機台上に設置され、主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する加工機能装置と、機台上に設置され、加工が完了した加工品を回収するための加工品回収装置とを具備する自動旋盤において、加工品回収装置は、受け取った加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置を具備し、コンベア装置が、加工機能装置の制御軸方向への移動動作に連動して駆動されることを特徴とする自動旋盤を提供する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の自動旋盤において、コンベア装置が、主軸から離れる制御軸方向への加工機能装置の移動距離に線形対応した距離だけ加工品を搬送する自動旋盤を提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の自動旋盤において、コンベア装置が、制御軸方向への加工機能装置の往復移動動作の繰り返しに従って加工品を漸進的に搬送する自動旋盤を提供する。
【0012】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の自動旋盤において、コンベア装置が、機台上で一対の支持輪に支持される無端搬送部材と、少なくとも一方の支持輪に一方向クラッチを介して連結される回転軸と、加工機能装置の制御軸方向への移動動作を回転軸に伝達する動力伝達機構とを具備する自動旋盤を提供する。請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1項に記載の自動旋盤において、機台上に配置され、工具による加工作業位置の近傍で受け取った加工品を重力作用によりコンベア装置に排出する排出部材をさらに具備し、排出部材が、機台上で、加工作業位置の下方の加工品受取位置と、加工品受取位置から離れた待機位置との間で移動可能である自動旋盤を提供する。
【0013】
請求項11に記載の発明は、請求項6〜10のいずれか1項に記載の自動旋盤において、加工機能装置が、機台上に移動可能に設置される刃物台装置からなる自動旋盤を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は本発明の一実施形態による加工品回収装置10を備えた自動旋盤12の概略斜視図、図2は自動旋盤12の部分拡大斜視図である。自動旋盤12は、機台14上に固定的に設置され、主軸16を回転可能に支持する主軸台18と、主軸台18の前方(図で右方)で機台14上に移動可能に設置される刃物台装置20とを備える。
【0015】
主軸16は、被加工素材としての棒材を掴持して、図示しない主軸モータにより回転駆動される。主軸16は中空筒状の構造を有し、その前端領域に、棒材を掴持可能な開閉式のチャック(図示せず)が設置される。このような主軸16の構成は周知のものであるから、詳細な説明を省略する。なお、主軸台18の後方(図で左方)には、機台14に隣接して、主軸16に棒材を供給する周知の棒材供給装置(図示せず)を設置できる。
【0016】
刃物台装置20は、機台14上で、主軸16の中心軸線16aに平行な第1軸方向へ移動する送り台22と、送り台22上で、主軸16の中心軸線16aに直交する第2軸方向へ移動する移動台24と、移動台24上に固定される刃物取付台26とを備える。本明細書では、送り台22の移動方向(第1軸方向)に対応する制御軸を機台14上の直交3軸座標系におけるZ軸、移動台24の移動方向(第2軸方向)に対応する制御軸を同Y軸と規定する。
【0017】
機台14はその上面14aに、主軸16の中心軸線16aに平行に直線状に延びる一対のレール28を固定して備える。また主軸台18から離れた側の機台14の端壁14bには、送り台22の駆動源であるZ軸サーボモータ30が固定的に支持される。Z軸サーボモータ30の出力軸にはねじ軸32が連結され、ねじ軸32は、一対のレール28の間で機台14の上方空間に、それらレール28に平行に延設される。
【0018】
送り台22は、相互に平行な上面22a及び下面を有し、その下面に、互いに平行に直線状に延びる一対の案内溝34が凹設される。これら一対の案内溝34は、機台14の一対のレール28にそれぞれ摺動可能に嵌合してリニアガイドを構成し、送り台22を機台14上でZ軸方向へ案内する。さらに送り台22には、一対の案内溝34の間でそれら案内溝34に平行に延びるねじ穴(図示せず)が一側面から穿設される。このねじ穴は、Z軸サーボモータ30のねじ軸32に円滑に螺合して、好ましくはボールねじからなるねじ送り機構を構成する。したがって送り台22は、ねじ送り機構を介して直線運動に変換されるZ軸サーボモータ30の出力により、リニアガイドに沿って機台14上でZ軸方向へ円滑に移動する。
【0019】
送り台22はまた、その上面22aに、下面の案内溝34に直交して直線状に延びる一対のレール36を固定して備える。送り台22の上面22aにはさらに、それらレール36に略直交する一側面に沿って支壁22bが立設され、支壁22bに、移動台24の駆動源であるY軸サーボモータ38が固定的に支持される。Y軸サーボモータ38の出力軸にはねじ軸40が連結され、ねじ軸40は、一対のレール36の間で送り台22の上方空間に、それらレール36に平行に延設される。
【0020】
移動台24は、相互に平行な上面24a及び下面を有し、その下面に、互いに平行に直線状に延びる一対の案内溝42が凹設される。これら一対の案内溝42は、送り台22の一対のレール36にそれぞれ摺動可能に嵌合してリニアガイドを構成し、移動台24を送り台22上でY軸方向へ案内する。さらに移動台24には、一対の案内溝42の間でそれら案内溝42に平行に延びるねじ穴44が一側面から穿設される。このねじ穴44は、Y軸サーボモータ38のねじ軸40に円滑に螺合して、好ましくはボールねじからなるねじ送り機構を構成する。したがって移動台24は、ねじ送り機構を介して直線運動に変換されるY軸サーボモータ38の出力により、リニアガイドに沿って送り台22上でY軸方向へ円滑に移動する。その結果、移動台24は機台14上で、Z軸とY軸とが成す二次元空間を所定の範囲内で移動できる。
【0021】
刃物取付台26は、例えばボルト46等の固定手段により、移動台24の上面24aに固定される。刃物取付台26には、その一対の側面26aにそれぞれ1つずつの取付溝48が設けられ、それら取付溝48の各々にバイト等の切削工具50、52が装着されて、例えば固定ボルト54により固定される。図示実施形態では、主軸16に掴持された棒材の外周面を加工する外丸削りバイト50と、加工の完了した加工品を棒材から切離す突切りバイト52とが、刃物取付台26に装着されている。さらに刃物取付台26には、側面26aに略直交する他の側面26bに2個の取付穴56が穿設され、それら取付穴56の各々にドリル、タップ等の端面穴加工工具58が装着されて、例えばクランプねじ60により固定される。
【0022】
刃物取付台26は、機台14上で移動台24と共にZ軸とY軸とが成す二次元空間を移動できる。刃物取付台26のZ軸移動は、加工中に工具50、52、58を棒材の軸線方向へ送る動作であり、また刃物取付台26のY軸移動は、工具50、52、58を選択する動作及び加工中に工具50、52を棒材の径方向へ送る動作である。このような刃物取付台26の二次元移動により、棒材を所望形状に加工するとともに、加工の完了した加工品を残りの棒材から切離すことができる。
【0023】
加工品回収装置10は、機台14上に設置され、刃物取付台26上の各種工具50、52、58による棒材加工作業位置の近傍すなわち下方で、棒材から切離された加工品を受け取って重力作用により排出するシュート状の排出部材62と、排出部材62の排出側に近接して機台14上に設置され、排出部材62から排出された加工品を1つずつ受け取って順次所定の回収位置64へ搬送するコンベア装置66とを備える。自動旋盤12では、主軸16の先端部分及び刃物取付台26上の各種工具を包囲する機台14上の空間に、図示しないハウジングによって加工作業室が画成されるが、回収位置64は、この加工作業室から離れた機台14の前端(図で右端)位置に設定される。
【0024】
図3に概略で示すように、排出部材62は、上記した加工作業位置の下方の加工品受取位置(実線で示す)と、加工品受取位置から離れた待機位置(鎖線で示す)との間で移動できるように構成される。図示実施形態では、排出部材62はその排出端に近接して設置された電気式又は空気式のアクチュエータ68の駆動により、Z軸に略平行な軸68aを中心に揺動して、加工品受取側の上方部分を加工品受取位置と待機位置との間で変位させる。このような構成により、排出部材62は、刃物取付台26上の各種工具50、58による加工作業中は待機位置に配置され、切り粉の堆積や切削油による汚染が防止される。そして加工品の加工が完了したときに、突切りバイト52による加工品の切離しに先立って加工品受取位置へ移動し、その状態で加工品を受取る。
【0025】
コンベア装置66は、刃物台装置20の側方で機台14上に固定的に設置される一対のガイド板70と、それらガイド板70の長手方向両端でそれぞれ両ガイド板70間に回転可能に軸支される一対の支持輪72と、それら支持輪72を取巻いて両支持輪72間に支持される無端搬送部材74とを備える。無端搬送部材74は、好ましくは平ベルトからなり、機台14上で上記加工作業室と回収位置64との間にZ軸方向へ延長して配置される。なお好ましくは、無端搬送部材74の無端ループの上側に位置する搬送部分は、両ガイド板70の間に固定的に配置される支持板75(図6)によって摺動可能に支持される。
【0026】
図4に断面図で示すように、コンベア装置66はさらに、一対の支持輪72の各々を担持する回転軸76を備える。各回転軸76は、一組の軸受78を介して一対のガイド板70に回転可能に支持される。各支持輪72と対応の各回転軸76との間にはそれぞれ一方向クラッチ80が設置され、それにより支持輪72と回転軸76とは、回転軸76を中心とした一方向へのみ、相互間で回転動作を伝達できるようになっている。
【0027】
一対の回転軸76は、チェーン82及び一対のスプロケット84からなる動力伝達機構を介して、刃物台装置20の送り台22に連結される。各スプロケット84は、刃物台装置20に近い方のガイド板70の外側すなわち各支持輪72の反対側で、各回転軸76の一端に固定される(図4及び図5)。チェーン82は、それらスプロケット84を取巻いて架設され、両端で刃物台装置20の送り台22の一側面に、例えばアタッチメント86を介して固定的に連結される。チェーン82及び一対のスプロケット84からなる動力伝達機構は、刃物台装置20のZ軸方向への移動動作を一対の回転軸76に伝達し、それによりコンベア装置66が、刃物台装置20のZ軸方向への移動動作に連動して駆動される。
【0028】
刃物台装置20から一対の回転軸76に伝達された駆動力は、上記した一方向クラッチ80の作用により、刃物台装置20の送り台22がZ軸に沿って主軸16から離れる方向へ移動するときだけ、一対の支持輪72に図2矢印A方向の回転力として伝達される。それによりコンベア装置66は、無端搬送部材74の無端ループの上側に位置する搬送部分が加工作業室から回収位置64へ移動する方向(図2矢印B方向)にのみ駆動される。このように加工品回収装置10では、コンベア装置66の駆動源は刃物台装置20のZ軸サーボモータ30であるから、コンベア装置専用のサーボモータが不要になる。
【0029】
上記構成により、コンベア装置66は、機台14上で送り台22がZ軸に沿って主軸16から離れる方向へ移動するときに作動して、送り台22の移動距離に対応した距離だけ加工品を加工作業室から回収位置64へ向けて搬送する。反対に、送り台22がZ軸に沿って主軸16に接近する方向へ移動するときには、コンベア装置66は作動せずに停止し、加工品はそのときの位置に滞留する。したがって、機台14上で送り台22がZ軸方向へ往復移動を繰り返すことにより、コンベア装置66は間欠的に作動し、加工品を回収位置64へ向けて漸進的に搬送する。なお、送り台22が主軸16に接近する方向へ移動する際に、一方向クラッチ80が適正に作用せずに支持輪72が回転軸76に連れ回ってしまうことを防止するための一手段として、前述した支持板75により無端搬送部材74を上方へ僅かに押し上げて、それらの間の摩擦により無端搬送部材74を停止させる構成とすることができる。
【0030】
自動旋盤12における通常の加工工程では、刃物台装置20の刃物取付台26に装着した種々の工具50、58により1つの加工品の加工が完了すると、最後に突切りバイト52がY軸動作により棒材の残部から加工品を切離す。この加工品は、加工作業室内で加工作業位置の下方に配置された排出部材62を伝って、停止中のコンベア装置66に排出される。その後、送り台22をZ軸に沿って主軸16から離れる方向へ移動すると、それに連動してコンベア装置66が作動し、排出部材62から受け取った加工品を所定距離だけ回収位置64へ向けて搬送する。このときの送り台22のZ軸移動は、加工品を切離した後に主軸16から送り出された棒材の次の被加工部分の加工作業に備えるための、送り台22の必須の戻り動作によって実現できる。したがって、Z軸サーボモータ30に対し、コンベア装置66の駆動だけを目的とする独立した制御を行う必要はない。
【0031】
コンベア装置66が加工品を所定距離だけ回収位置64へ向けて搬送した後、刃物台装置20の工具50、58により次の加工を実施する際に、送り台22がZ軸に沿って主軸16に接近する方向へ移動する間は、コンベア装置66は作動せず、加工品はそのときの位置に滞留する。そして、次の加工品の加工が実質的に完了すると、その最終段階で、上記したように突切りバイト52が次の加工品を棒材残部から切離す。次の加工品は、やはり排出部材62を伝って停止中のコンベア装置66に排出されるが、このとき先の加工品はすでに所定距離だけ回収位置64へ向けて移動しているので、加工品同士の衝突は確実に回避される。このようにして、自動旋盤12における加工作業の進行に伴い、複数の加工品がコンベア装置66の無端搬送部材74の上面に自動的に間隔を空けて整列配置され、回収位置64へ順次漸進的に搬送されることになる。
【0032】
送り台22のZ軸移動に連動してコンベア装置66が加工品を搬送する距離は、上記したように送り台22の移動距離に対応する。このとき、無端搬送部材74を支持する支持輪72の外径寸法と、チェーン82に係合するスプロケット84の外径寸法とを適宜選択して設計することにより、送り台22の移動距離と加工品の搬送距離との関係を適当に設定できる。例えば図6に示すように、支持輪72の外径をスプロケット84の外径よりも大きくすると、送り台22の移動に伴ってチェーン82上の任意の点が位置P1から位置P2まで移動する場合、無端搬送部材74上の位置P1にある加工品Wは、位置P2よりも遠い位置P3まで移動する。このようにして、棒材の次の被加工部分の長さに対応して決まる送り台22の上記した戻り動作距離を、適宜拡大した長さに、コンベア装置66による加工品の搬送距離を調整できる。また、1つの加工品の連続加工プロセスにおいて、送り台22がZ軸往復動作を繰り返す場合もある。したがって加工品回収装置10では、コンベア装置66によって搬送される複数の加工品の間隔を、無端搬送部材74上での加工品同士の衝突を確実に防止可能な長さに拡大して設定することができる。
【0033】
上記構成を有する加工品回収装置10は、以下のような格別の作用効果を奏する。まず、コンベア装置66の駆動源として刃物台装置20のZ軸サーボモータ30を併用できるので、コンベア装置専用の電動機が不要になり、それに伴い、コンベア装置のための電力供給設備及び制御信号供給設備が不要になるので、安価で単純構造の加工品回収装置10が提供される。また、Z軸サーボモータ30は自動旋盤12に本来必須に装備されているものであり、コンベア装置66を間欠的に駆動する場合にも、Z軸サーボモータ30の発熱が自動旋盤12の加工精度に影響を及ぼす危惧はない。しかも、素材を連続加工する際の送り台22の必須の戻り動作によってコンベア装置66を駆動できるので、Z軸サーボモータ30に対し、コンベア装置66の駆動だけを目的とする独立した制御を行う必要はない。
【0034】
また、加工品回収装置10はコンベア装置66を備えるので、特に寸法公差や表面粗さに高精度が要求される加工品に対し、排出部材62から排出された加工品を1つずつ間隔を空けて受け取ることができ、それにより加工品同士の衝突による加工品の損傷を防止できる。この場合、回収位置64に、加工品を1つずつ受容できる容器を間欠送りする他のコンベア装置(図示せず)を設置して、コンベア装置66からそれら容器に加工品を順次受取るようにすることもできる。高精度が要求されない加工品に対しては、回収位置64に多数の加工品を収容可能な回収箱88(図7)を設置すればよい。
【0035】
図7に示すように、複数の自動旋盤12を並設したワークショップにおいて、加工品回収装置10は、各自動旋盤12で加工された加工品を加工作業室から離れた加工品回収の容易な回収位置64へ搬送できるので、作業者が各自動旋盤12の加工作業室に近寄る煩雑さを解消することができる。特に、機械設置空間を縮小すべく、それぞれに棒材供給装置90を付設した複数の自動旋盤12を図示のように並列配置する場合にも、通路92に面した各自動旋盤12の前端(図で右端)に回収位置64を設定して回収箱88を設置できるので、加工品回収が極めて容易になる。
【0036】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る自動旋盤は、上記実施形態に限定されず、以下のような変形が可能である。
例えば加工品回収装置10において、コンベア装置66の一方の回転軸76が、対応の支持輪72に対し両方向に空転できるようにすることにより、刃物台装置20による駆動力をコンベア装置66の他方の支持輪72のみに伝達する構成とすることもできる。
【0037】
また図8(a)、(b)に示すように、刃物台装置20のZ軸方向への移動動作をコンベア装置66の回転軸76に伝達する動力伝達機構として、上記したチェーン82及び一対のスプロケット84の代わりに、送り台22の側面に固定的に突設した押圧部94と、コンベア装置66の一方(図では回収位置64に近い方)の回転軸76に固定的に連結されるレバー96とからなる機構を採用することができる。この場合、送り台22の押圧部94はレバー96の自由端の突起96aに係合できる位置に形成される。またレバー96は、引張ばね98を介して初期位置(図8(b)実線)に付勢される。
【0038】
この構成では、送り台22が主軸16(図1)から離れるZ軸方向へ移動するときに、レバー96の突起96aを押圧して、レバー96を図8(b)で時計方向に揺動させる。このレバー96の揺動は、一方向クラッチ80を介して支持輪72に図示矢印A方向への駆動力として伝達され、無端搬送部材74を図示矢印B方向へ移動させる。送り台22が主軸16(図1)に接近するZ軸方向へ移動すると、レバー96は引張ばね98の付勢により初期位置へ自動的に復帰する。このときのレバー96の揺動は、一方向クラッチ80の作用により、支持輪72には伝達されない。このようにして、送り台22のZ軸移動に連動してコンベア装置66を間欠駆動することができる。この動力伝達機構を採用すれば、送り台22が主軸16(図1)に接近するZ軸方向へ移動するときに、送り台22にチェーン82等による余分な負荷が掛からないので、動力伝達機構が自動旋盤12の加工作業に影響を及ぼす危惧を排除できる利点がある。
【0039】
上記実施形態では、自動旋盤12の刃物台装置20がコンベア装置66に駆動力を付与する構成としたが、これに限らず、主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する他の加工機能装置によって駆動力を付与する構成とすることもできる。そのような他の加工機能装置としては、複数の工具を回転割出しできるタレット形刃物台や、旋盤機台上で主軸に対向配置された状態で、主軸から放出された棒材を受け取って掴持する第2の主軸(一般に背面主軸と称する)を、例として挙げることができる。
【0040】
また上記実施形態では、加工品回収装置10を備えた自動旋盤12を説明したが、主軸の前方で主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する加工機能装置を備えた種々の工作機械に、本発明に係る加工品回収装置を後付けにより選択的に付設する構成とすることもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、工作機械に付設される加工品回収装置において、加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置の専用の駆動モータを排除できるので、コンベア装置の駆動機構の発熱が工作機械の加工精度に及ぼす影響を排除できるとともに、加工品回収装置を安価に作製することが可能になる。また、そのような加工品回収装置を自動旋盤に付設することにより、自動旋盤の加工精度に影響を及ぼすことなく加工品の容易な回収が可能になり、安価でかつ高性能の自動旋盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による加工品回収装置を備えた自動旋盤の概略斜視図である。
【図2】図1の自動旋盤の主要部の拡大斜視図である。
【図3】図1の加工品回収装置の主要部の概略正面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿ったコンベア装置の断面図である。
【図5】図1の加工品回収装置の動力伝達機構を示す概略平面図である。
【図6】図4の線VI−VIに沿ったコンベア装置の部分断面図である。
【図7】図1の自動旋盤を複数台並設した状態を示す概略平面図である。
【図8】図1の加工品回収装置の動力伝達機構の変形例を示す図で、(a)概略平面図、(b)線VIII−VIIIに沿ったコンベア装置の部分断面図である。
【符号の説明】
10…加工品回収装置
12…自動旋盤
16…主軸
20…刃物台装置
22…送り台
30…Z軸サーボモータ
52…突切りバイト
62…排出部材
64…回収位置
66…コンベア装置
68…アクチュエータ
70…ガイド板
72…支持輪
74…無端搬送部材
76…回転軸
80…一方向クラッチ
82…チェーン
84…スプロケット
94…押圧部
96…レバー
98…引張ばね
Claims (9)
- 機台上に設置される主軸と、該主軸の前方で該機台上に設置され、該主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する加工機能装置とを備えた工作機械に付設され、該工作機械での加工が完了した加工品を回収するための加工品回収装置において、
前記工作機械から受け取った加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置を具備し、該コンベア装置が、一対の支持輪に支持される無端搬送部材と、少なくとも一方の該支持輪に一方向クラッチを介して連結される回転軸と、前記加工機能装置の前記制御軸方向への移動動作を該回転軸に伝達する動力伝達機構とを具備することを特徴とする加工品回収装置。 - 前記コンベア装置が、前記主軸から離れる前記制御軸方向への前記加工機能装置の移動距離に対応した距離だけ加工品を搬送する請求項1に記載の加工品回収装置。
- 前記コンベア装置が、前記制御軸方向への前記加工機能装置の往復移動動作の繰り返しに従って加工品を漸進的に搬送する請求項1又は2に記載の加工品回収装置。
- 前記工作機械の工具による加工作業位置の近傍で受け取った加工品を重力作用により前記コンベア装置に排出する排出部材をさらに具備し、該排出部材が、前記工作機械の前記機台上で、前記加工作業位置の下方の加工品受取位置と、該加工品受取位置から離れた待機位置との間で移動可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工品回収装置。
- 機台上に設置される主軸と、該主軸の前方で該機台上に設置され、該主軸の中心軸線に平行な制御軸方向へ移動する加工機能装置と、前記機台上に設置され、加工が完了した加工品を回収するための加工品回収装置とを具備する自動旋盤において、
前記加工品回収装置は、受け取った加工品を回収位置へ搬送するコンベア装置を具備し、該コンベア装置が、一対の支持輪に支持される無端搬送部材と、少なくとも一方の該支持輪に一方向クラッチを介して連結される回転軸と、前記加工機能装置の前記制御軸方向への移動動作を該回転軸に伝達する動力伝達機構とを具備することを特徴とする自動旋盤。 - 前記コンベア装置が、前記主軸から離れる前記制御軸方向への前記加工機能装置の移動距離に対応した距離だけ加工品を搬送する請求項5に記載の自動旋盤。
- 前記コンベア装置が、前記制御軸方向への前記加工機能装置の往復移動動作の繰り返しに従って加工品を漸進的に搬送する請求項5又は6に記載の自動旋盤。
- 前記機台上に配置され、工具による加工作業位置の近傍で受け取った加工品を重力作用により前記コンベア装置に排出する排出部材をさらに具備し、該排出部材が、前記機台上で、前記加工作業位置の下方の加工品受取位置と、該加工品受取位置から離れた待機位置との間で移動可能である請求項5〜7のいずれか1項に記載の自動旋盤。
- 前記加工機能装置が、前記機台上に移動可能に設置される刃物台装置からなる請求項5〜8のいずれか1項に記載の自動旋盤。
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- 1998-10-20 JP JP29849898A patent/JP4201400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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