JP4206353B2 - ステアリングダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は,自動二輪車等の小型車両に用いられるステアリングダンパ装置に関するものである。
自動二輪車においては,ハンドル操作によって,前輪を支持するフロントフォークを,車体フレーム前端のヘッドパイプに回動自在に挿通されたステアリングステムを中心として回動させることにより,ステアリングが行われるようになっている。そのような自動二輪車には,ハンドル操作によって回動するステアリング側部材と,ハンドル操作によっても回動しない車体側部材との間に,ステアリングダンパ装置が装備されることがある。その場合,そのステアリングダンパ装置には,ハンドルの切れ角が小さくかつ角速度の遅い通常の走行においては減衰モーメントをほとんど発生させないこと,ハンドルの切れ角が大きくかつ角速度が速い領域では高い減衰モーメントを発生させること,スピードが遅く,細かなターンが連続して比較的ハンドル切れ角が大きくなるような状況では,低速域の減衰モーメントを小さく設定することによりハンドル操作の負担が極力抑えられるようにすること,操舵されたステアリングを戻すときには減衰モーメントをほとんど発生させないようにすること,などが求められる。そのために,従来の自動二輪車用ステアリングダンパ装置の中には,揺動型ダンパを用い,複雑に減衰力を変化させるバイパスを設けることによって上述のような要求に応えるようにしているものがある。
しかしながら,そのような揺動型ダンパを用いたステアリングダンパ装置は,構造が複雑で,価格が高く,しかも,大型で重量も大きくなるために,他の部品の配置等が制約される場合も生じることが考えられる。
自動二輪車用のステアリングダンパ装置を,単純な構造で価格も低い筒型ダンパによって構成するようにしたものも古くから知られている(例えば,特許文献1参照)。そのステアリングダンパ装置は,ダンパケースと,そのダンパケース内を摺動するダンパロッドとからなる筒型ダンパを用いたもので,そのダンパケースが車体側部材であるヘッドパイプあるいはステアリング側部材であるフォークブリッジのいずれか一方に回動可能に連結され,ダンパロッドがその他方に回動可能に連結される。その場合,フォークブリッジ側の連結点は,そのフォークブリッジの左右いずれかの端部寄りの位置とされる。
そのようなステアリングダンパ装置によれば,例えばハンドルを右回りに切ると筒型ダンパが収縮し,左回りでは伸長するので,いずれの側でもダンパ作用を発生させることができる。そして,それによって,その回動限で減衰力を得ることができる。
実公昭64−4633号公報
一般に,筒型ダンパは,そのダンパの収縮行程あるいは伸長行程において一様の減衰力を発生させる。したがって,上記特許文献1に記載されているように,ハンドルの回動方向に応じて,一方側では筒型ダンパを収縮させ,他方側では伸長させるようにしたものでは,ハンドルを操舵角0°から右に切ったときと左に切ったときとで同様の特性にすることは可能であるが,ハンドルを操舵角0°から操舵するときと操舵角0°に戻すときとで異なる減衰力が得られるようにすることは困難である。また,ハンドル操舵角に対して角度依存特性を持たせることも困難である。しかも,上記特許文献1に記載されているようなものでは,その構造上,長いダンパストロークが必要となるので,コンパクトなレイアウトとすることができない。
本発明は,かかる事情に鑑みてなされたもので,構造の簡単な通常の筒型ダンパを用いながら,所望の特性を持たせることのできるステアリングダンパ装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために,請求項1に係る本発明は,ダンパロッドがダンパケース内を摺動する筒型ダンパを,ハンドル操作によりステアリングステムを中心として回動するステアリング側部材と,ハンドル操作によっても回動しない車体側部材との間に設けてなるステアリングダンパ装置において,前記ステアリングステムを回動自在に支持する前記車体側部材としてのヘッドパイプの前方にそのヘッドパイプの長手方向に沿って前記筒型ダンパが配置されるとともに,この筒型ダンパの一端部が前記ヘッドパイプに,またその他端部が,前記ヘッドパイプにその軸方向で隣接する前記ステアリング側部材にそれぞれ回動自在に連結され,ハンドル操舵角が0°から増加するのに応じて前記筒型ダンパが最短位置から前記ヘッドパイプの長手方向に沿って伸長することを特徴とする。
また,請求項2に係る本発明は,上記請求項1に係るステアリングダンパ装置において,ハンドル操舵角が0°の近傍においては前記筒型ダンパの中心軸線が前記ステアリングステムの中心軸線を含む平面上にほぼ位置するように,前記筒型ダンパが配設されていることを特徴とする。
さらに,請求項3に係る本発明は,上記請求項2に係るステアリングダンパ装置において,ハンドル操舵角がの近傍において前記筒型ダンパの中心軸線が車体前後方向に延びる車体中心面にほぼ沿うように,前記筒型ダンパが配設されていることを特徴とする。
さらにまた,請求項4に係る本発明は,上記請求項1に係るステアリングダンパ装置において,前記筒型ダンパが,ハンドル操舵角が0°の位置からハンドルを左右いずれの側に操舵したときにも前記ダンパロッドが前記ダンパケース内を同一の方向に摺動するようにして取り付けられていることを特徴とする。
さらにまた,請求項5に係る本発明は,上記請求項4に係るステアリングダンパ装置において,前記ダンパロッドのハンドル操舵角に対する摺動量が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされていることを特徴とする。
さらにまた,請求項6に係る本発明は,上記請求項4に係るステアリングダンパ装置において,前記筒型ダンパから前記ステアリング側部材に作用する減衰力が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされていることを特徴とする。
さらにまた,請求項7に係る本発明は,上記請求項1に係るステアリングダンパ装置において,前記ヘッドパイプに,前方に向けて突出するステーが設けられ,このステーに前記筒型ダンパの前記一端部が連結されることを特徴とする。
さらにまた請求項8に係る本発明は,上記請求項1又は6に係るステアリングダンパ装置において,前記ステアリング側部材に,前方に向けて突出するステーが設けられ,このステーに前記筒型ダンパ10の前記他端部が連結されることを特徴とする。
また,請求項9に係る本発明は,ダンパロッドがダンパケース内を摺動する筒型ダンパを,ハンドル操作によりステアリングステムを中心として回動するステアリング側部材と,ハンドル操作によっても回動しない車体側部材との間に設けてなるステアリングダンパ装置において,前記ステアリングステムを回動自在に支持する前記車体側部材としてのヘッドパイプの前方にそのヘッドパイプの長手方向に沿って前記筒型ダンパが配置されるとともに,この筒型ダンパの一端部が前記ヘッドパイプに,またその他端部が,前記ヘッドパイプにその軸方向で隣接する前記ステアリング側部材にそれぞれ回動自在に連結され,ハンドル操舵角が0°から増加するのに応じて前記筒型ダンパが最短位置から前記ヘッドパイプの長手方向に沿って伸長するとともに,ハンドル操舵角が0°から増加するとき,操舵角に対する前記筒型ダンパの伸び量が操舵初期には小さく,操舵中盤では漸次増大し,操舵後半では,前記ステアリング軸まわりのモーメントアームの大幅な減少により減衰モーメントの上昇が鈍くなることを特徴とする。
上記請求項1に係る本発明によれば,操舵角0°からハンドルを右に切るときと左に切るときとのいずれにおいても,筒型ダンパは,最短位置からヘッドパイプの長手方向に沿って伸長することになるので,左右対称の特性を持たせることができる。そして,ハンドルを戻すときにはその逆となるが,筒型ダンパは,収縮行程と伸長行程とでは異なる減衰力特性を設定することができるので,ハンドルを切るときには減衰モーメントが発生し,ハンドルを戻すときには減衰モーメントが小さくなるようにすることができる。したがって,自動二輪車等のステアリングダンパ装置に求められる前述のような要求を満足させることができる。
また,筒型ダンパがヘッドパイプの前方にその長手方向に沿って設けられるので,そのステアリングダンパ装置によって車両のデザイン等が妨げられることを軽減することができる。
上記請求項2に係る本発明によれば,筒型ダンパの中心軸線がステアリングステムの中心軸線を含む平面上に位置するように筒型ダンパが配設されることにより,その筒型ダンパは,操舵角0°からハンドルを右に切るときと左に切るときとで対称に伸縮することになるので,そのステアリングダンパ装置に左右対称の特性を持たせることができる。
上記請求項3に係る本発明によれば,筒型ダンパが車体前後方向の中心面にほぼ沿って設けられるので,そのステアリングダンパ装置が車体の左右に大きくはみ出すことが防止されることになり,そのステアリングダンパ装置全体をコンパクトに配置することができる。
上記請求項4に係る本発明によれば,操舵角0°からハンドルを右に切るときと左に切るときとのいずれにおいても,筒型ダンパは伸長のみをすることになるので,前述した請求項1に係る本発明の効果と同様の効果を得ることができる。
上記請求項5に係る本発明によれば,ハンドル操舵角が0°から離れるに従ってハンドル操舵角に対するダンパロッドの摺動量が大きくなるようにされるので,ハンドル切れ角が大きくかつ角速度が速い領域では高い減衰モーメントを発生させることができ,自動二輪車等のステアリングダンパ装置に求められる前述した要求を満足させることができる。
上記請求項6に係る本発明によれば,筒型ダンパからステアリング側部材に作用する減衰力が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされるので,ハンドルの切れ角が小さい領域では減衰力はほとんど発生させず,ハンドル切れ角の大きい領域では大きな減衰力を発生させることができ,自動二輪車等のステアリングダンパ装置に求められる前述した要求を満足させることができる。
上記請求項9に係る本発明によれば,請求項1に係る発明の効果を達成する上,筒型ダンパからステアリング側部材に作用する減衰力は,ハンドル操舵角0°から操舵初期に小さく,操舵中盤で漸次増加していき,そして操舵後半では,ステアリング軸まわりのモーメントアームが大幅に小さくなるので,減衰モーメントの上昇が鈍くなり,かくしてステアリングダンパ装置に求められる要求特性を満足させることができる。
以下,本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。
図中,図1〜図8は本発明によるステアリングダンパ装置の実施例を示すもので,図1はそのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車の要部を示す側面図,図2は図1の矢印2方向から見たフロントフォーク部の正面図,図3は図2の3−3線に沿う筒型ダンパ部分の断面図,図4および図5はその筒型ダンパの作用を説明するための拡大図,図6はハンドルを左に切ったときの状態を示す図2と同様の正面図,図7は図6の7−7線に沿う断面図,図8はそのステアリングダンパ装置の特性曲線図である。
図1および図2に示すように,自動二輪車の前輪1を支持するフロントフォーク2は,左右のフォークパイプ3,3と,その上端部を連結するフォークブリッジ4とを備えている。フォークブリッジ4は,上下に離間して平行に配置されたトップブリッジ4aとボトムブリッジ4bとからなり,それらブリッジ4a,4bの左右方向中央部間には,それらを一体に連結するステアリングステム5が配置された。そのステアリングステム5は,車体フレーム6の前端に設けられるヘッドパイプ6hに回動自在に支承されている。そして,トップブリッジ4aに,ステアリング用のハンドル7が取り付けられている。こうして,ハンドル7の操作により,フロントフォーク2がステアリングステム5を中心として左右に回動し,そのフロントフォークに支持されている前輪1がそれとともに回動することによって,自動二輪車のステアリングが行われるようになっている。
ヘッドパイプ6hには,その下端部寄りの位置に,前方に向けて突出するステー8が設けられている。そのステー8は,車体前後方向に延びる車体中心面上に配置されている。また,ボトムブリッジ4bにも,その左右方向中央部に,前方に向けて突出するステー9が設けられている。そして,それらのステー8,9間に,筒型ダンパ10が配設されている。すなわち,筒型ダンパ10は,ヘッドパイプ6hの前方に,そのヘッドパイプ6hの長手方向に沿うようにして配設されている。
図3に示すように,筒型ダンパ10は,ダンパケース11と,そのダンパケース11内を摺動するダンパロッド12とからなるもので,そのダンパケース11が球面継手13を介してヘッドパイプ6h側,すなわち車体側のステー8に回動自在に連結され,ダンパロッド12が球面継手14を介してボトムブリッジ4b側,すなわちステアリング側のステー9に回動自在に連結されている。そして,ダンパケース11内を摺動するダンパロッド12の中心軸線,すなわち筒型ダンパ10の中心軸線D1が,球面継手13,14の各中心を通るようにされている。このようにして,筒型ダンパ10は,ハンドル7の操作時にも回動しない車体フレーム6と,ハンドル7の操作に伴って回動するフロントフォーク2との間に取り付けられている。図2に示すように,その筒型ダンパ10は,ハンドル7が中立位置にあるとき,すなわちハンドル操舵角が0°のとき,最も収縮した状態,すなわちダンパロッド12が最短位置となり,しかも,筒型ダンパ10の中心軸線D1がステアリングステム5およびヘッドパイプ6hの中心軸線Sに平行となるようにされている。したがって,そのときには,筒型ダンパ10の中心軸線D1が,ステアリングステム5の中心軸線Sを含む車体前後方向の平面,すなわち車体前後方向に延びる車体中心面上に位置するようになっている。 筒型ダンパ10のダンパケース11は,図3に示すように,ダンパ室15と,そのダンパ室15に油路16を介して連通するリザーバ室17とを備えている。それらダンパ室15およびリザーバ室17内にはオイルが封入されている。リザーバ室17の下面はピストン18によって形成され,そのピストン18が,その下方のガス室に封入される圧縮ガス19により上方に向けて押圧付勢されている。また,ダンパ室15は,ダンパロッド12の先端に取り付けられたピストン20によって上下の2室15a,15bに区画されている。そのピストン20には,上下に貫通する複数の開口21,21…とその開口21の下端を開閉制御するバルブ22とが設けられている。図4および図5に示すように,そのバルブ22は,比較的小径の弁孔23aを有する弁板23と,その弁孔23aを開閉するゴム板24と,弁板23を開口21の閉塞位置に向けて付勢する板ばね25とによって構成されている。さらに,ピストン20には,開口21とダンパ室15の下室15bとを常に連通させるオリフィス26が設けられている。
このような構成を有する筒型ダンパ10においては,伸長するときには,ダンパロッド12の先端に取り付けられているピストン20がダンパ室15の下方側に向けて摺動することにより,そのダンパ室15の下室15b内の圧力が高くなるので,図4に矢印で示すように,下室15b内のオイルが弁孔23aを通り,開口21を経て上室15aへと流れる。そして,その弁孔23aを通るときの抵抗により,減衰力が発生する。また,収縮するときには,ダンパ室15の上室15a内の圧力が高くなるので,図5に仮想線で示すように,弁板23が板ばね25の付勢力に抗して下方に変形する。その結果,開口21が開くことになり,上室15a内のオイルが開口21を通って下室15bへと流れる。したがって,このときには,減衰力はほとんど発生しない。
次に,このように構成されたステアリングダンパ装置の作用について説明する。
上述のように,ハンドル7が中立位置にあるとき,すなわちハンドル操舵角が0°のときには,筒型ダンパ10は最も収縮した最短の状態にある。この状態で,ハンドル7を例えば左に切ると,図6に示すように,フロントフォーク2が,車体フレーム6のヘッドパイプ6hに回動自在に挿通されているステアリングステム5を中心として左方向に回動する。したがって,フロントフォーク2のフォークブリッジ4を構成するボトムブリッジ4bも同様に回動し,その左右方向の中央部に設けられているステー9と筒型ダンパ10のダンパロッド12とを連結する球面継手14が車体前後方向の車体中心面上から外れる。一方,ヘッドパイプ6hに設けられているステー8と筒型ダンパ10のダンパケース11とを連結する球面継手13は,ハンドル7の操作をしてもヘッドパイプ6hが回動しないので,元の位置,すなわち車体前後方向の車体中心面上にある。その結果,筒型ダンパ10が伸長して,ダンパロッド12がダンパケース11内を図3において下方に摺動することになり,減衰力が発生する。
また,ハンドル7を右に切ったときにも,筒型ダンパ10は同様に伸長し,ダンパロッド12がダンパケース11内を図3において下方に摺動する。したがって,減衰力が発生する。このように,この筒型ダンパ10は,ハンドル操舵角が0°の位置からハンドル7を左右いずれの側に操舵したときにも,ダンパロッド12がダンパケース11内を同一の方向に摺動するようにして設けられている。
しかも,ハンドル7を右に切ったときも左に切ったときも,そのハンドル7の切れ角,すなわち操舵角が同じであれば,筒型ダンパ10の伸び量は同じとなる。したがって,その減衰力特性は,図8に示すように,左右対称となる。
そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も,筒型ダンパ10は収縮し,ダンパロッド12がダンパケース11内を図3において上方に摺動することになる。上述のように,その筒型ダンパ10は,収縮時にはほとんど減衰力を発生しないようにされている。したがって,操舵されたステアリングを戻すときには,減衰力はほとんど生じない。このようにして,このステアリングダンパ装置により,ハンドル7を操舵角0°から右あるいは左に切るときにはいずれの場合にも減衰力が発生し,ハンドル7を操舵角0°に戻すときには減衰力が小さくなるようにすることができる。
図8は,筒型ダンパ10をある位置に取り付けて,ハンドル7をある一定速度で左右に操舵したときの減衰モーメントを計算により求めた結果を示すものである。ダンパ10の減衰力は,ダンパ10の伸縮速度に対して一定の割合で増加していく特性とした。
図8に示すように,このステアリングダンパ装置によれば,ハンドル7の切れ角が小さいところでは発生する減衰モーメントは小さく,切れ角が大きくなるに従って大きな減衰モーメントが発生する。すなわち,筒型ダンパ10からステアリング側部材であるフロントフォーク2に作用する減衰力は,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなる。しかも,その間は滑らかに連続する。
このように,ハンドル7を中立位置から操舵していくとき,その初期には減衰モーメントがほとんど発生しない理由は,ハンドル7の中立位置近辺ではハンドル7の切れ角に対して筒型ダンパ10の伸び量が小さいことによる。そして,中盤では,ハンドル7の切れ角に対してダンパストロークが漸次増大するので,減衰力も徐々に大きくなる。すなわち,このステアリングダンパ装置においては,ダンパロッド12のハンドル操舵角に対する摺動量が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされている。また,後半は,ステアリング軸まわりのモーメントアームが大幅に小さくなるので,減衰モーメントの上昇が鈍くなる。
このようにして,このステアリングダンパ装置により,自動二輪車のステアリングダンパ装置に求められる前述したような要求を満足させることが可能となる。
また,ヘッドパイプ6hの前方に比較的短い筒型ダンパ10を取り付けるのみでよいので,コンパクトかつ軽量に構成することができ,デザイン等を阻害するおそれも少ない。しかも,筒型ダンパ10は,生産性が高いので,そのコストも低減させることができる。
参考例1
図9〜図13は本発明の一要素の筒型ダンパを備えるステアリングダンパ装置の第1参考例を示すもので,図9はそのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車の要部を示す側面図,図10は図9の矢印10方向から見たフロントフォーク部の平面図,図11は図10の11−11線に沿う筒型ダンパの断面図,図12はハンドルを左に切ったときの状態を示す図10と同様の平面図,図13は図12の13−13線に沿う断面図である。
なお,この第1参考例において,前記実施例と対応する部分には同一の符号を付すことにより,重複する説明は省略する。
図9および図10に示すように,この第1参考例の場合には,フォークブリッジ4の上部をなすトップブリッジ4aの上面中央部の,ステアリングステム5よりも前方の位置に,上方に突出するステー28が設けられている。また,車体フレーム6のヘッドパイプ6hには,その上端部から後方に向けて延出する延出部6jが設けられ,その延出部6jの上面に,上方に突出するステー29が設けられている。そして,それらのステー28,29間に,筒型ダンパ30が配設されている。図11に示すように,その筒型ダンパ30は,ダンパケース31と,そのダンパケース31内を摺動するダンパロッド32とからなるもので,そのダンパケース31が球面継手33を介してステアリング側部材であるトップブリッジ4a側のステー28に回動自在に連結され,ダンパロッド32が球面継手34を介して車体側部材であるヘッドパイプ6h側のステー29に回動自在に連結されている。しかも,ダンパロッド32の中心軸線,すなわち筒型ダンパ30の中心軸線D2が,球面継手33,34の各中心を通るようにされている。このようにして,筒型ダンパ30は,ハンドル7の操作時にも回動しない車体フレーム6と,ハンドル7の操作に伴って回動するフロントフォーク2との間に取り付けられている。図10に示すように,その筒型ダンパ30は,ハンドル7が中立位置にあるとき,すなわちハンドル操舵角が0°のとき,最も伸長した状態すなわちダンパロッド32が最長位置となり,しかも,ステアリングステム5およびヘッドパイプ6hを跨いで,車体前後方向の車体中心面上に位置するようにされている。したがって,そのときには,筒型ダンパ30の中心軸線D2が,ステアリングステム5の中心軸線Sを含む車体前後方向の平面,すなわち車体前後方向に延びる車体中心面上に位置するようになっている。
筒型ダンパ30の構造は,バルブ35が,筒型ダンパ30の収縮時に減衰力を発生し,筒型ダンパ30の伸長時には減衰力をほとんど発生しない構成とされている以外は,前記実施例の筒型ダンパ10と同様であるので,その詳細な説明は省略する。また,その他の構成も前記実施例と同様である。
このような構成を有するステアリングダンパ装置においては,上述のように,ハンドル7が中立位置にあるときには,筒型ダンパ30は最も伸長した最長の状態にある。この状態から,ハンドル7を例えば左に切ると,図12に示すように,フロントフォーク2が,車体フレーム6のヘッドパイプ6hに回動自在に挿通されているステアリングステム5を中心として左方向に回動する。したがって,フロントフォーク2のフォークブリッジ4を構成するトップブリッジ4aも同様に回動し,その左右方向の中央部に設けられているステー28と筒型ダンパ30のダンパケース31とを連結する球面継手33が車体前後方向の車体中心面上から外れる。一方,ヘッドパイプ6hの延出部6jに設けられているステー29と筒型ダンパ30のダンパロッド32とを連結する球面継手34は,ハンドル7の操作をしてもヘッドパイプ6hが回動しないので,元の位置,すなわち車体前後方向の車体中心面上にある。その結果,筒型ダンパ30が収縮して,ダンパロッド32がダンパケース31内を図11において左方に摺動することになり,減衰力が発生する。また,ハンドル7を右に切ったときにも,筒型ダンパ30は同様に収縮し,ダンパロッド32がダンパケース31内を図11において左方に摺動する。したがって,減衰力が発生する。このように,この筒型ダンパ30も,ハンドル操舵角が0°の位置からハンドル7を左右いずれの側に操舵したときにも,ダンパロッド32がダンパケース31内を同一の方向に摺動するようにして設けられている。
しかも,ハンドル7を右に切ったときも左に切ったときも,そのハンドル7の切れ角,すなわち操舵角が同じであれば,筒型ダンパ30の収縮量は同じとなる。したがって,その減衰力特性は左右対称となる。
そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も,筒型ダンパ30は伸長し,ダンパロッド32がダンパケース31内を図11において右方に摺動することになる。上述のように,その筒型ダンパ30は,伸長時にはほとんど減衰力を発生しないようにされている。したがって,操舵されたステアリングを戻すときには,減衰力はほとんど生じない。このようにして,この第1参考例のステアリングダンパ装置によっても,ハンドル7を切るときには減衰力が発生し,ハンドル7を戻すときには減衰力が小さくなるようにすることができる。 しかも,このステアリングダンパ装置においても,ダンパロッド32のハンドル操舵角に対する摺動量は,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなる。また,筒型ダンパ30からステアリング側部材であるフロントフォーク2に作用する減衰力は,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなる。したがって,このステアリングダンパ装置により,自動二輪車のステアリングダンパ装置に求められる前述したような要求を満足させることが可能となる。
また,筒型ダンパ30が前後方向に設けられるので,そのステアリングダンパ装置は車体フレーム6にほぼ沿うように配置されることになり,そのステアリングダンパ装置によって他の部品の配置等が制限されることを少なくすることができる。
参考例2
図14および図15は本発明の一要素の筒型ダンパを備えるステアリングダンパ装置の第3実施例を示すもので,図14はそのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車のフロントフォーク部の平面図,図15は図14の矢印15方向から見た側面図である。
なお,この第2参考例において,第1参考例と対応する部分には同一の符号を付すことにより,重複する説明は省略する。
図14および図15に示すように,この第2参考例の場合には,ヘッドパイプ6hの上端部から後方に向けて延出する延出部6jの上面に,ほぼ三角形をなすリンクレバー38が,水平軸39を介して回動自在に支持されている。そして,そのリンクレバー38と,ヘッドパイプ6hとともに車体フレーム6を構成する左右のメインフレーム6m,6m間のダウンチューブ6dとの間に,筒型ダンパ40が配設されている。その筒型ダンパ40は,ダンパケース41と,そのダンパケース41内を摺動するダンパロッド42とからなるもので,そのダンパケース41が水平軸43を介してリンクレバー38の後端部に回動自在に連結され,ダンパロッド42が水平軸44を介してダウンチューブ6dの上端面に回動自在に連結されている。一方,リンクレバー38の前端部上面には,リンクロッド45が球面継手46を介して回動自在に連結されており,そのリンクロッド45の他端が,フォークブリッジ4の上部をなすトップブリッジ4aの上面中央部の,ステアリングステム5よりも前方の位置に,球面継手47を介して回動自在に連結されている。
このようにして,筒型ダンパ40は,ハンドル操作によりステアリングステム5を中心として回動するステアリング側部材のフォークブリッジ4に連結されるとともに,リンクレバー38とリンクロッド45とを介して,ハンドル操作によっても回動しない車体フレーム6に連結されている。そのリンクロッド45は,ハンドル7が中立位置にあるとき,すなわちハンドル操作角が0°のとき,リンクロッド45の両端の連結部である球面継手46,47の各中心を結ぶ直線L1が,ステアリングステム5の中心軸線Sを含み車体前後方向に延びる車体中心面上に位置するように配設されている。
また,その筒型ダンパ40は,収縮するとき減衰力を発生し,伸長するときにはほとんど減衰力を発生しないものとされている。
その他の構成は第1参考例と同様である。
このように構成されたステアリングダンパ装置においては,例えば左にハンドル7を切ると,フロントフォーク2がステアリングステム5の中心軸線Sを中心として左方向に回動し,トップブリッジ4aが図14の二点鎖線位置へと回動するので,そのトップブリッジ4aの前部中央に結合されている球面継手47が,図14に矢印で示すように移動する。その結果,その球面継手47に連結されているリンクロッド45により,リンクレバー38に結合されている球面継手46が後方に向けて押圧されることになり,そのリンクレバー38が,水平軸39を中心として図15に矢印で示すように回動する。したがって,筒型ダンパ40が収縮し,その筒型ダンパ40からステアリング側部材のトップブリッジ4aに減衰力が加えられる。また,ハンドル7を右に切ったときにも,リンクレバー38側の球面継手46が後方に向けて押されるので,同様に筒型ダンパ40が収縮し,減衰力が発生する。
そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も筒型ダンパ40が伸長するので,減衰力はほとんど生じない。
このようにして,この第2参考例のステアリングダンパ装置によっても,操舵するときには減衰力が発生し,操舵されたステアリングを戻すときには減衰力がほとんど生じないようにすることができる。そして,このステアリングダンパ装置の場合には,ステアリング側部材の運動がリンクロッド45およびリンクレバー38を介して筒型ダンパ40に伝えられるようになるので,筒型ダンパ40をステアリング側部材から離して,しかも任意の方向に配置することが可能となり,上記実施例のように,メインフレーム6m,6m間のデッドスペース等を利用した筒型ダンパ40の配置を図ることも可能となる。
第3参考例
図16および図17は本発明の一要素の筒型ダンパを備えるステアリングダンパ装置の第3参考例を示すもので,図16はそのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車の,フロントフォークのフォークブリッジ部分の側面図,図17は図16の矢印17方向から見た正面図である。
なお,この第3参考例において,前記実施例と対応する部分には同一の符号を付すことにより,重複する説明は省略する。
図16および図17に示すように,この第3参考例の場合には,ヘッドパイプ6hの上下方向中央部から前方に向けて突出するステー8aの前端部に,ほぼ三角形をなすリンクレバー48が,水平軸49を介して回動自在に支持されている。そして,そのリンクレバー48と,ヘッドパイプ6hの上端部との間に,筒型ダンパ50が配設されている。その筒型ダンパ50は,ダンパケース51と,そのダンパケース51内を摺動するダンパロッド52とからなるもので,そのダンパケース51が水平軸53を介してヘッドパイプ6hの上端部前面に回動自在に連結され,ダンパロッド52が水平軸54を介してリンクレバー48の前端部に回動自在に連結されている。一方,リンクレバー48の下端部前面には,リンクロッド55が球面継手56を介して回動自在に連結されており,そのリンクロッド55の他端が,フォークブリッジ4の下部をなすボトムブリッジ4bの左右方向中央部前面に,球面継手57を介して回動自在に連結されている。
このようにして,筒型ダンパ50は,ハンドル操作によっても回動しない車体フレーム6に連結されるとともに,リンクレバー48とリンクロッド55とを介して,ハンドル操作によりステアリングステム5を中心として回動するステアリング側部材のフォークブリッジ4に連結されている。そのリンクロッド55は,ハンドル7が中立位置にあるとき,すなわちハンドル操舵角が0°のとき,リンクロッド55の両端の連結部である球面継手56,57の各中心を結ぶ直線L2が,ステアリングステム5の中心軸線Sを含み車体前後方向に延びる車体中心面上に位置するように配設されている。
また,その筒型ダンパ50は,伸長するとき減衰力を発生し,収縮するときにはほとんど減衰力を発生しないものとされている。
その他の構成は前記実施例と同様である。
このように構成されたステアリングダンパ装置においては,例えば左にハンドル7を切ると,フロントフォーク2がステアリングステム5の中心軸線Sを中心として左方向に回動し,ボトムブリッジ4bが同様に回動するので,そのボトムブリッジ4bの前部中央に結合されている球面継手57が,図17に二点鎖線で示す位置へと移動する。その結果,その球面継手57に連結されているリンクロッド55により,リンクレバー48に結合されている球面継手56が引き下げられることになり,そのリンクレバー48が,水平軸49を中心として図16に矢印で示すように回動する。したがって,筒型ダンパ50が伸長し,その筒型ダンパ50からステアリング側部材のボトムブリッジ4bに減衰力が加えられる。また,ハンドル7を右に切ったときにも,リンクレバー48側の球面継手56が引き下げられるので,同様に筒型ダンパ50が伸長し,減衰力が発生する。 そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も筒型ダンパ50が収縮するので,減衰力はほとんど生じない。
このようにして,この第3参考例のステアリングダンパ装置によっても,操舵するときには減衰力が発生し,操舵されたステアリングを戻すときには減衰力がほとんど生じないようにすることができる。そして,このステアリングダンパ装置の場合には,ステアリング側部材の運動がリンクロッド55およびリンクレバー48を介して筒型ダンパ50に伝えられるようになるので,筒型ダンパ50をステアリング側部材から離して,しかも任意の方向に配置することが可能となる。したがって,筒型ダンパ50の配置の自由度を一層高めることができる。
参考例4
図18は本発明の一要素の筒型ダンパを備えるステアリングダンパ装置の第4参考例を示すもので,そのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車のフロントフォーク部の平面図である。
なお,この第4参考例は,前述した第1参考例における筒型ダンパ30の配置の位置および方向を変えただけの変形例であり,ほとんどの構成は第1参考例と同様であるので,第1参考例と対応する部分には同一の符号を付すこととして,重複する説明は省略する。
図18に示すように,この第4参考例の場合には,第1参考例におけるステー28と同様に上端に球面継手33が取り付けられたステー(図示せず)が,フォークブリッジ4のトップブリッジ4aの上面の,左右方向中央部から左側に偏った位置に設けられている。そして,その球面継手33により,筒型ダンパ30のダンパケース31が,ロッド58を介して回動自在に連結支持されている。一方,車体フレーム6には,その右側面から右方に向けて延出する延出部6kが設けられており,その延出部6kの上面に,第1参考例におけるステー29と同様の上方に突出するステー(図示せず)が設けられている。そして,そのステーに,筒型ダンパ30のダンパロッド32が球面継手34を介して回動自在に連結されている。
このようにして,この参考例の場合には,ハンドル操舵角が0°のときにも筒型ダンパ30の中心軸線D2が車体中心面に対して角度をなすように,筒型ダンパ30が配設されている。ただし,その場合にも,ハンドル操舵角が0°のときには,筒型ダンパ30の中心軸線D2がステアリングステム5の中心軸線Sと交わるようにされる。すなわち,ハンドル操舵角が0°のとき,筒型ダンパ30の中心軸線D2とステアリングステム5の中心軸線Sとが同一平面上に位置するようにされる。
筒型ダンパ30がこのように配設されたステアリングダンパ装置においても,ハンドル操舵角が0°の状態からハンドル7を例えば左に切ると,ステアリング側のトップブリッジ4aがステアリングステム5の中心軸線Sを中心として左側に回動して,図18に二点鎖線で示すような状態となるので,球面継手33が矢印で示すように車体後方側に移動する。したがって,筒型ダンパ30が収縮し,減衰力が発生する。また,ハンドル7を右に切ったときにも,筒型ダンパ30は同様に収縮するので,減衰力が発生する。そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も筒型ダンパ30が伸長することになるので,減衰力はほとんど発生しないようにすることができる。
このように,第1参考例のようなステアリングダンパ装置の場合にも,その筒型ダンパ30は,必ずしもハンドル7が中立位置にあるとき車体の前後方向中心面上に位置するように配置する必要はなく,車体の前後方向中心面から多少ずらして配置することもできる。
さらに,筒型ダンパ30は,フォークブリッジ4のボトムブリッジ4b下面と車体フレーム6との間に設けるようにすることもできる。
参考例5
図19は本発明の一要素の筒型ダンパを備えるステアリングダンパ装置の第5参考例を示すもので,そのステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車のフロントフォーク部の正面図である。
なお,この第5参考例は,前述した前記実施例における筒型ダンパ10の配置位置を変えただけの変形例であり,その他の構成は前記実施例と同様であるので,前記実施例と対応する部分には同一の符号を付すこととして,重複する説明は省略する。
図19に示すように,この第5参考例の場合には,ヘッドパイプ6hの左側面に,左方向に向けて突出するステー59が設けられている。また,ボトムブリッジ4bの上面には,その左右方向中央部から左側に偏った位置に,上方に向けて突出するステー60が設けられている。そして,ヘッドパイプ6h側のステー59に,球面継手13を介して筒型ダンパ10のダンパケース11が回動自在に連結され,ボトムブリッジ4b側のステー60に,球面継手14を介して筒型ダンパ10のダンパロッド12が回動自在に連結されている。その筒型ダンパ10は,ハンドル操舵角が0°のとき筒型ダンパ10の中心軸線D1がステアリングステム5の中心軸線Sと平行となるようにするなどにより,ハンドル操舵角が0°の近傍において筒型ダンパ10の中心軸線D1とステアリングステム5の中心軸線Sとがほぼ同一平面上に位置するようにされている。
筒型ダンパ10をこのような配置としたステアリングダンパ装置においても,ハンドル7を操舵角0°から左右いずれかの側に切ると,筒型ダンパ10は常に伸長する。そして,右あるいは左に切ったハンドル7を中立位置に戻すときには,いずれの場合も筒型ダンパ10は収縮する。したがって,ハンドル7を切るときには減衰力が発生し,切られたハンドル7を戻すときにはほとんど減衰力が発生しないようにすることができる。
このように,筒型ダンパ10を車体中心面から離して配置したステアリングダンパ装置によっても,前記実施例の基本的な効果と同様の効果は得ることができる。すなわち,ハンドル操舵角が0°の近傍において筒型ダンパ10の中心軸線D1とステアリングステム5の中心軸線Sとがほぼ同一平面上に位置するようにされてさえいれば,車体の前後方向中心面からは多少ずれていてもよい。
さらに,筒型ダンパ10は,フォークブリッジ4のトップブリッジ4aと車体フレーム6との間に設けるようにすることもできる。
以上,本発明の好適実施例について説明したが,本発明はその実施例に限定されることなく,本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば,筒型ダンパ10は,前記実施例のようにダンパ室15の一側部にリザーバ室17を設けたもののほか,ダンパ室の外周にリザーバ室を設けた二重管式のものを用いることもできる。また,リザーバ室17側に設けられるピストン18付勢用の圧縮ガス19の代わりに圧縮スプリングを用いてもよく,それらを両用してもよい。さらに,本発明は,上記実施例のような自動二輪車のほか,四輪バギー車などの他の車両にも適用することができる。
本発明の実施例のステアリングダンパ装置を装備した自動二輪車を示す要部の側面図 図1の矢印2方向から見たフロントフォーク部の正面図 図2の3−3線に沿う筒型ダンパ部分の断面図 図3の筒型ダンパの作用を説明するための,図3の矢印4部分の拡大図 図3の筒型ダンパの作用を説明するための,図4と同様の拡大図 ハンドルを左に切ったときの状態を示す図2と同様の正面図 図6の7−7線に沿う断面図 そのステアリングダンパ装置の特性曲線図 本発明の第1参考例のステアリングダンパ装置を装備した自動二輪車を示す要部の側面図 図9の矢印10方向から見たフロントフォーク部の平面図 図10の11−11線に沿う断面図 ハンドルを左に切ったときの状態を示す図10と同様の平面図 図12の13−13線に沿う断面図 本発明の第2参考例のステアリングダンパ装置を装備した自動二輪車のフロントフォーク部の平面図 図14の矢印15方向から見た側面図 本発明の第3参考例のステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車の,フロントフォークのフォークブリッジ部分の側面図 図16の矢印17方向から見た正面図 本発明の第4参考例のステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車のフロントフォーク部の平面図 本発明の第5参考例のステアリングダンパ装置を備えた自動二輪車のフロントフォーク部の正面図
符号の説明
1・・前輪
2・・フロントフォーク
4・・フォークブリッジ(ステアリング側部材)
4a・・トップブリッジ
4b・・ボトムブリッジ
5・・ステアリングステム
6・・車体フレーム(車体側部材)
6h・・ヘッドパイプ
10・・筒型ダンパ
11・・ダンパケース
12・・ダンパロッド
D1・・筒型ダンパの中心軸線
S・・ステアリングステムの中心軸線

Claims (9)

  1. ダンパロッド(12)がダンパケース(11)内を摺動する筒型ダンパ(10)を,ハンドル操作によりステアリングステム(5)を中心として回動するステアリング側部材(4)と,ハンドル操作によっても回動しない車体側部材(6)との間に設けてなるステアリングダンパ装置において,
    前記ステアリングステム(5)を回動自在に支持する前記車体側部材(6)としてのヘッドパイプ(6h)の前方にそのヘッドパイプ(6h)の長手方向に沿って前記筒型ダンパ(10)が配置されるとともに,この筒型ダンパ(10)の一端部が前記ヘッドパイプ(6h)に,またその他端部が,前記ヘッドパイプ(6h)にその軸方向で隣接する前記ステアリング側部材(4)にそれぞれ回動自在に連結され,ハンドル操舵角が0°から増加するのに応じて前記筒型ダンパ(10)が最短位置から前記ヘッドパイプ(6h)の長手方向に沿って伸長することを特徴とする,ステアリングダンパ装置。
  2. ハンドル操舵角が0°の近傍においては前記筒型ダンパ(10)の中心軸線(D1)が前記ステアリングステム(5)の中心軸線(S)を含む平面上にほぼ位置するように,前記筒型ダンパ(10)が配設されていることを特徴とする,請求項1記載のステアリングダンパ装置。
  3. ハンドル操舵角が0°の近傍において前記筒型ダンパ(10)の中心軸線(D1)が車体前後方向に延びる車体中心面にほぼ沿うように,前記筒型ダンパ(10)が配設されていることを特徴とする,請求項2記載のステアリングダンパ装置。
  4. 前記筒型ダンパ(10)が,ハンドル操舵角が0°の位置からハンドルを左右いずれの側に操舵したときにも前記ダンパロッド(12)が前記ダンパケース(11)内を同一の方向に摺動するようにして取り付けられていることを特徴とする,請求項1記載のステアリングダンパ装置。
  5. 前記ダンパロッド(12,32)のハンドル操舵角に対する摺動量が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされていることを特徴とする,請求項4記載のステアリングダンパ装置。
  6. 前記筒型ダンパ(10)から前記ステアリング側部材(4)に作用する減衰力が,ハンドル操舵角が0°の近傍においては小さく,ハンドル操舵角が0°から離れるに従って大きくなるようにされていることを特徴とする,請求項4記載のステアリングダンパ装置。
  7. 前記ヘッドパイプ(6h)に,前方に向けて突出するステー(8)が設けられ,このステー(8)に前記筒型ダンパ(10)の前記一端部が連結されることを特徴とする,請求項1記載のステアリングダンパ装置。
  8. 前記ステアリング側部材(4)に,前方に向けて突出するステー(9)が設けられ,このステー(9)に前記筒型ダンパ(10)の前記他端部が連結されることを特徴とする,請求項1又は6記載のステアリングダンパ装置。
  9. ダンパロッド(12)がダンパケース(11)内を摺動する筒型ダンパ(10)を,ハンドル操作によりステアリングステム(5)を中心として回動するステアリング側部材(4)と,ハンドル操作によっても回動しない車体側部材(6)との間に設けてなるステアリングダンパ装置において,
    前記ステアリングステム(5)を回動自在に支持する前記車体側部材(6)としてのヘッドパイプ(6h)の前方にそのヘッドパイプ(6h)の長手方向に沿って前記筒型ダンパ(10)が配置されるとともに,この筒型ダンパ(10)の一端部が前記ヘッドパイプ(6h)に,またその他端部が,前記ヘッドパイプ(6h)にその軸方向で隣接する前記ステアリング側部材(4)にそれぞれ回動自在に連結され,ハンドル操舵角が0°から増加するのに応じて前記筒型ダンパ(10)が最短位置から前記ヘッドパイプ(6h)の長手方向に沿って伸長するとともに,ハンドル操舵角が0°から増加するとき,操舵角に対する前記筒型ダンパ(10)の伸び量が操舵初期には小さく,操舵中盤では漸次増大し,操舵後半では,前記ステアリング軸まわりのモーメントアームの大幅な減少により減衰モーメントの上昇が鈍くなることを特徴とする,ステアリングダンパ装置。
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