JP4212759B2 - 磁気信号再生装置,磁気信号再生方法及び磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体を昇温させながら磁気的に再生を行うことにより、高密度再生を実現する磁気信号再生装置及び磁気信号再生方法並びに磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア技術が発達し、より大容量の情報を扱うために、より大容量のメモリデバイス需要が高まっており、中でも書き換え可能な光ディスクや磁気ディスク、磁気テープを中心にその高密度化技術の検討が活発に進められている。
【0003】
その中で、温度により磁気特性の変化する磁気記録媒体を用い、光を照射するなどの手段で媒体に局所的に昇温領域を設け、昇温領域のみを選択的に磁気的に記録もしくは再生することで、高密度記録再生を可能とするような磁気信号記録再生方法(本願ではこれを熱アシスト磁気信号記録再生方法と呼び、またその再生方法を熱アシスト磁気信号再生方法と呼ぶ)が提案されている。
【0004】
熱アシスト磁気信号記録再生方法の一例としては、記録媒体として室温近傍に磁化がゼロとなる温度(本願ではこれを磁気補償点温度と呼ぶ)を有するフェリ磁性体を用いて、記録時には、記録媒体における記録すべき領域に光ビームを照射してキュリー温度近傍に昇温させるとともに、記録用ヘッドにより外部磁場を印加して情報を記録し、再生時には、記録媒体における再生すべき領域に光ビームを照射して昇温して再生部位の磁化を大きくした上で、そこから漏れ出る磁束を再生用ヘッドにより検知して、情報を再生するという方法が提案されている(特開平4−176034号公報)。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の熱アシスト磁気信号再生方法(特開平4−176034号公報)では、記録媒体が昇温された領域の全てから磁化が発生するため、この領域を超えた狭い範囲の再生を行おうとすると、この磁化が再生信号に混入してしまう。そして、この混入信号が、再生を望む領域より得られる信号に比べて無視できるほど小さいなどの理由で許容できる範囲までしか再生領域を小さくできない。
【0006】
つまり、従来の熱アシスト磁気信号再生方法では、さらに信号再生密度を高くするために、信号再生領域幅を昇温領域幅と同等より小さくすると、再生信号のS/N比が下がってしまうという問題がある。以下に具体的に示す。
【0007】
磁化の極性の正負を2値に対応させることで磁気記録媒体上に記録された磁化情報を、一般的な矩形の磁化情報検出領域を持つ再生手段(以後、再生ヘッドと呼ぶ)を用いて、前述の熱アシスト磁気信号再生方法によって再生することを考える。図20は、この磁気記録媒体上における磁化情報の記録状態(ビットパターン)と、再生ヘッドの磁化情報検出領域4と局所昇温装置(ここではレーザー光を用いている)により媒体上に形成された昇温領域9を模式的に示した図である。
【0008】
同図では、異なる3種類のパターンに磁化したことで記録された3領域5a,5b,5cの磁化情報を示している。ここでは、磁気記録媒体が交互に逆の極性で磁化されている様子をハッチングの向きで表している。以後、この磁化の極性により一連の情報を記録したビットパターンをトラック5と呼ぶ。すなわち、この例では中央に1トラック(5b)、その両側に1トラック(5a,5c)ずつ、計3つのトラックに磁化情報が存在する。
【0009】
このような磁化情報が記録された媒体のうち、中央の1トラック(5b)の磁気情報を、トラック幅方向において1トラック幅よりも大きな形状を有する再生ヘッド信号検出領域4を持つ再生ヘッド(例えばMRヘッド等)を用いて再生する場合を考える。
【0010】
但し、磁気記録媒体は、その磁気補償点温度が昇温を行わない状態での再生ヘッド直下付近の媒体温度と略一致する一般的なn型フェリ磁性体であるとする。この磁気記録媒体の磁化の温度特性を図21に示す。
【0011】
また、各トラック5a,5b,5cの幅はほぼ等しく、隣接トラック間の距離もほぼ等しいものとする。このトラックの幅とトラック間の距離の和をトラックピッチと呼ぶ。この磁気記録媒体の記録密度はトラックピッチに反比例する。
【0012】
磁気記録媒体の温度は、厚さ方向にはほぼ一定である。また、再生手段における磁化情報検出領域4のトラック方向の長さは温度分布の広がりに比べて小さいので、トラック方向でも温度はほぼ一定である。再生信号に寄与するのは再生ヘッドの磁化情報検出領域4に対向する再生関与領域の温度分布のみであり、以後、磁化情報検出に関与する温度分布は、上記再生関与領域内におけるトラック幅方向の分布のみを扱う。
【0013】
図20の中央トラック5bのみを熱アシスト磁気信号再生方法によって再生する場合、その中央トラック5bのみを光ビーム等で昇温する。このとき、光ビームにより磁気記録媒体は図3に示すような温度分布となり、この温度分布に応じた磁化が現われる。以後、磁気記録媒体において、この昇温された領域9と、再生ヘッドの磁化情報検出領域4により磁化検出がなされる再生関与領域との重なる部分を再生部位と呼ぶ。この再生部位に中央トラック5bのみが存在すれば、中央トラック5bのみの磁化情報を再生できることになる。そして、光ビームによる昇温領域9と再生ヘッドの磁化情報検出領域4を、その相対位置を略固定したまま、トラック5に沿って移動させていくとこの中央トラック5bの磁化情報全てを検出することができることになる。
【0014】
図22は、昇温領域9のトラック幅方向の幅とトラック幅の大小による磁化信号の変化を示す図である。(a)は昇温領域9の幅がトラック幅よりも小さい場合、(b)は昇温領域9の幅がトラック幅よりも大きい場合を示している。
【0015】
昇温領域9の幅がトラック幅よりも小さい場合(図22(a))、再生信号は、中央トラック5bからの信号によりほとんど占められており、隣接トラック5a,5cからの混入信号はあまりない。一方、昇温領域9の幅がトラック幅よりも大きい場合(図22(b))、再生信号には隣接トラック5a,5cからの信号が大きく混入することになる。この混入する信号がある程度以上大きくなると、中央トラック5bの磁化情報を正しく再生できなくなる。
【0016】
よって、より高密度での磁化情報再生を行うため、混入信号を低く抑えたままトラックピッチを小さくするには磁気記録媒体における昇温領域9の幅を小さくする必要があるが、これは非常に困難であり、従来提案されている熱アシスト磁気信号再生方法では、隣接トラックからの混入信号を低く抑えたままトラックピッチを小さくすることができなかった。
【0017】
また、昇温手段の一つである、コヒーレント光を収束照射するレーザー光においても、その光強度分布は波長と同等以上の広がりを持ち、熱分布はそれより更に広がってしまうため、これを抑制することは困難であるという問題もあった。
【0018】
また、上述の熱アシスト磁気記録再生方法では、再生時の再生ヘッドの磁化情報検出領域4における磁気記録媒体の温度は、非昇温時には磁気補償点温度と略一致している必要があるが、装置の置かれた環境温度そのものが季節、時刻によって数十℃の変化を持ち、装置内部の電子部品の発熱もある。その上、再生ヘッドの発熱などの、非常に微小な領域での発熱の影響もある。これらの熱の変化全てが磁気記録媒体温度に影響するため、上述の非昇温時における再生関与領域での磁気記録媒体の温度を磁気補償点温度に略一致させるには、再生関与領域における磁気記録媒体という、微小な領域の温度を計測、制御する必要があり、これは非常に難しく、現実的なコストでは解決できないという問題もあった。
【0019】
本発明の目的は、従来の熱アシスト磁気信号再生方法における上述のような問題点を解決し、レーザースポットの直径より狭いトラックピッチでの信号再生における混入信号を低減させ、従来の熱アシスト磁気信号再生方法を超える高密度の磁気信号再生を高いS/N比で可能にし、かつ、環境温度などの変化による磁気記録媒体の温度遷移に対応することのできる磁気信号再生装置及び磁気信号再生方法並びに磁気記録媒体を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気信号再生装置は、第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、昇温時に第1温度を境にして磁化の極性が反転する磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段と、を備えてなり、前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする。
【0021】
また、上記磁気信号再生装置において、前記局所昇温手段は、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域を、前記磁気記録媒体における再生目標領域外に形成することが好ましい。
【0022】
また、本発明の磁気信号再生装置は、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして、磁化情報の極性が反転するよう形成された磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段と、を備えてなり、前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁気記録媒体における前記磁化情報検出領域に対向する領域内であって再生目標領域の外部に、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする。
【0023】
また、上記磁気信号再生装置において、前記磁気記録媒体には、情報を記録する複数のトラックが形成されており、前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁化情報検出領域に対向する領域内における再生目標トラック以外のトラックそれぞれに、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする。
【0024】
また、上記磁気信号再生装置において、前記局所昇温手段は、前記低温の温度領域及び前記高温の温度領域の平均温度が、前記磁気補償点温度と略同一となるよう昇温することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の磁気信号再生装置は、情報を記録する複数のトラックが形成されており、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、該磁気記録媒体にレーザ光を照射して、該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有し、トラック幅方向において、前記レーザ光の中心と前記磁化情報検出領域の中心が略一致するよう配置された再生手段と、を備えてなり、前記磁化情報検出領域は、トラック幅方向に、前記磁気記録媒体の3本のトラックとそれぞれ少なくとも一部において対向する幅を有しており、再生動作時に、前記局所昇温手段により、前記磁化情報検出領域に対向する中央のトラックを前記磁気補償点温度より高い温度に昇温させるとともに、前記中央のトラックに隣接する2つのトラック内の前記磁化情報検出領域に対向する領域それぞれの平均温度が前記磁気補償点温度と略一致するよう昇温させることを特徴とする。
【0026】
また、上記磁気信号再生装置において、前記局所昇温手段は、前記磁気記録媒体に、前記磁気補償点温度を超える少なくとも2つの極大値を有する温度分布を形成することを特徴とする磁気信号再生装置。
【0027】
また、上記磁気信号再生装置において、前記局所昇温手段の動作を制御して、前記磁気記録媒体の昇温状態を変化させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0028】
また、上記磁気信号再生装置において、前記磁気記録媒体に、前記局所昇温手段による昇温状態を制御するための既知データが記録された昇温状態制御用領域が設けられており、前記制御手段は、前記昇温状態制御用領域から再生された再生信号に基づき、前記局所昇温手段の動作を制御することを特徴とする。
【0029】
また、上記磁気信号再生装置において、前記昇温状態制御領域は、前記磁気記録媒体における線速度が略同じである領域の、少なくとも1箇所に形成されていることを特徴とする。
【0030】
さらに、上記磁気信号再生装置において、前記昇温状態制御用領域は、前記再生手段の走査方向に垂直な方向に少なくとも前記磁化情報検出領域の幅以上の幅を有する昇温状態制御用ブロックを構成してなることを特徴とする。
【0031】
また、上記磁気信号再生装置において、前記磁気記録媒体の使用環境温度を測定する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、前記局所昇温手段の動作を制御することを特徴とする。
【0032】
本発明の磁気信号再生方法は、第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、昇温時に第1温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体を局所昇温手段により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域を形成するように、前記磁気記録媒体を昇温することを特徴とする。
【0033】
また、上記磁気信号再生方法において、前記低温の温度領域における全体の磁化と、前記高温の領域における全体の磁化が略同一となるように昇温することを特徴とする。
【0034】
また、上記磁気信号再生方法において、前記低温の温度領域における平均の磁化の絶対値と、前記高温の領域における平均の磁化の絶対値が略同一となるように昇温することを特徴とする。
【0035】
また、本発明の磁気信号再生方法は、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして、磁化情報の極性が反転するよう形成された磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体を局所昇温手段により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、再生動作時に、前記磁気記録媒体における前記磁化情報検出領域に対向する領域内であって再生目標領域の外部に、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成するように、前記磁気記録媒体を昇温することを特徴とする。
【0036】
また、本発明の磁気信号再生方法は、情報を記録する複数のトラックが形成されており、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体をレーザ光照射により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段の磁化情報検出領域により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、前記磁化情報検出領域は、トラック幅方向に、前記磁気記録媒体の3本のトラックとそれぞれ少なくとも一部において対向する幅を有しており、前記再生手段を、トラック幅方向において、前記レーザ光の中心と前記磁化情報検出領域の中心が略一致するよう配置し、再生動作時に、前記磁化情報検出領域に対向する中央のトラックを前記磁気補償点温度より高い温度に昇温させるとともに、前記中央のトラックに隣接する2つのトラック内の前記磁化情報検出領域に対向する領域それぞれの平均温度が前記磁気補償点温度と略一致するよう昇温させることを特徴とする。
【0037】
本発明の磁気記録媒体は、局所的に昇温されるとともに、その昇温部位における磁化情報が磁気的に再生される磁気記録媒体において、第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性層を有し、前記磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段とを備えてなる磁気信号再生装置の前記局所昇温手段が、再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域とを形成することによって、昇温時に前記磁気補償点温度を境にして磁化の極性が反転するよう形成され、昇温状態を制御するための、既知データが記録された昇温状態制御用領域が設けられてなることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本実施の形態では、レーザ光により記録媒体を昇温するとともに、その昇温部位の少なくとも一部と対向配置された磁化情報検出領域を有する再生ヘッド(再生手段)により磁化情報を再生する磁気信号再生装置について説明する。以下、本実施の形態の磁気信号再生装置について、
▲1▼原理
▲2▼装置構成
▲3▼レーザ光パワーの設定
▲4▼磁気記録媒体の使用条件(磁気記録媒体の設計)
▲5▼トラッキング制御
▲6▼その他
の順に説明する。
【0039】
▲1▼原理
まず、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式の原理について説明する。
【0040】
本実施の形態で使用する磁気記録媒体は、温度上昇時に第1温度を境に磁化の極性が変化するものである。例えば、図5に示すように、室温(T1)からキュリー温度(Tc)までの間に磁気補償点温度(Tcomp;例えば約100℃)のある磁性層を含む構成のものである。
【0041】
このような磁気記録媒体では、極性が変化する温度(図5の磁気記録媒体で磁気補償点温度Tcomp)では磁化が略0となり、それより低い温度,高い温度では逆方向の磁化を有することになる。本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式では、再生時に、再生ヘッドの磁化情報検出領域に対向する磁気記録媒体の再生関与領域(再生ヘッドの磁化情報検出領域直下の、磁化情報が読み取られる領域)内に上記変化する温度より高温の領域と低温の領域を形成するように、磁気記録媒体を昇温することで、高密度再生を実現する。以下、図1,2に基づき本実施の形態の原理を詳述する。
【0042】
図1は本発明の原理を説明する図であり、図2は磁気記録媒体に記録されたビットパターン、及び、再生ヘッドの磁化情報検出領域(磁気記録媒体の磁化を検出する領域)とレーザスポットの位置関係を示す図である。なお、これらの図において、磁気記録媒体2は3トラック5a,5b,5cのみを記載している。
【0043】
図1,2において、レーザスポット9は、磁気記録媒体2上の中央トラック5b(再生目標トラック(再生目標領域))の略中央にレーザー光を収束照射することにより、図3(または図1(a))に示す温度分布を形成するものとする。一方、再生ヘッドの磁化情報検出領域4における磁化情報検出感度は磁化情報検出領域内において一定であり、再生信号は再生関与領域における磁気記録媒体2の単位面積当たりの磁化と、この再生ヘッド検出感度の積を、磁化情報検出領域にて領域積分した値に比例するものとする。但し、磁化についてはその極性の正負を磁化の符号の正負とする。
【0044】
ここで、図2に示すように、再生ヘッドの磁化情報検出領域4が磁気記録媒体2の3トラック(5a,5b,5c)分の幅を有しており、且つ、照射するレーザスポット9により1トラックの幅よりも大きな領域から再生信号に影響を与える漏洩磁束が生じる場合に、その再生ヘッドとレーザ光(レーザスポット)を用いて、中央のトラック5bに記録された情報を再生する例について説明する。なお、磁気記録媒体2の各トラック間は消磁されているものとする。
【0045】
従来の技術の項で説明したように、従来の熱アシスト磁気信号再生方式では、図2のように磁化情報検出領域4が複数のトラックに跨がっており、且つ、漏洩磁束の発生領域(昇温領域)も複数のトラックに跨がっていると、再生の目標であるトラック(中央トラック5b)のみならず隣接トラック(トラック5a,5c)に記録された情報をも、磁化情報検出領域4から信号として混入してしまい、再生信号の品質が劣化してしまうという問題がある。
【0046】
一方、本実施の形態では、上述のような磁気記録媒体(図1の場合、図1(a)に示すようにTcompが室温からキュリー温度までに存在する磁気記録媒体)を用いており、再生時に、中央トラック5bを中心としたレーザ光照射により、中央トラック5bの再生関与領域4b(中央トラック5bの磁化情報検出領域4直下部分)をTcompより高温に昇温する。また、このとき、隣接トラック5a,5cの磁化情報検出領域4の直下部分をTcompより高温の領域(再生関与領域4ah,4ch)、及び、Tcompより低温の領域(再生関与領域4al,4cl)が形成されるように昇温する。
【0047】
図1(b)は、上記のように昇温したときの、均一方向に磁化た場合の、磁気記録媒体2の再生関与領域(4al,4ah,4ch,4cl)における磁化を示す図である。また、図1(d)は、図2に示したビットパターンを再生した際に、磁気記録媒体2に現われた磁化の極性の正負をハッチングの向きで示す図である。これらの図から分かるように、隣接トラック5a,5cにおいては、それぞれの再生関与領域内に正方向と負方向の磁化を有することになることが分かる。
【0048】
図4を用いてより詳細に説明する。図4は、図2に示したビットパターンの位置P1,P2,P3,P4における記録時における磁化方向と、その位置での再生時に現れる磁化をグラフ化した図である。各位置において、隣接トラック5a,5cにおいては、その内部において磁化の極性が反転する。すなわち両端トラックにおいては、各トラック内部において、温度の低い側が負の、温度の高い側が正の極性を持つ。これら極性が逆である磁化は、再生信号において逆符号で寄与するため、このトラックにおける磁化情報は再生信号において、互いに相殺し、減少する。例えば、位置P1においては、記録時にトラック5aには正方向の磁化が、トラック5b,5cには負方向の磁化が記録されているが、トラック5bの再生時には、トラック5bは磁気補償点温度以上の高温に昇温されたことにより大きな磁化を持つようになるが、トラック5a,5cではその内部で正負両方の磁化を持ち、全体として磁化が減少(さらには後述するように相殺)されることになる。
【0049】
このように、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式によれば、隣接トラック5a,5cでは、再生時に、正方向と負方向の磁化を有することになり、全体としては磁化が弱くなる。よって、隣接トラック5a,5cからの信号は弱いものとなり、中央トラック5bからの再生信号を品質良く再生することが可能となる。
【0050】
また、図1,図4の例において、隣接トラック5a,5cに再生時に現れる正負の磁化が互いに相殺されるように設定しておけば、隣接トラック5a,5cからの混入信号を略0とすることができる。具体的には、隣接トラック5a,5cに対応する温度範囲内では、磁気記録媒体2の磁化は、その温度の一次関数で近似できる(図5参照)ので、各トラックにおける平均温度を磁気記録媒体2の補償点温度Tcomp(例えば約100℃)と略一致するように昇温させれば、このトラックにおける磁化情報の再生信号への寄与はほぼゼロとなる。この場合、温度分布の広がりによる隣接トラック(この場合は両端トラック)5a,5cから混入する磁化情報を相殺することができるため、中央トラック5bのみの磁化情報を再生信号として得ることができる。これにより、磁気記録媒体2に形成された昇温領域幅よりも狭いトラック幅での磁化情報の検出を高精度に行うことが可能となる。
【0051】
なお、ここでは再生ヘッド3の磁化情報検出感度が磁化情報検出領域4内で一定であり、かつ、磁気補償点温度近傍では、磁気記録媒体2の磁化は温度の一次関数として表されるものとしたが、そうでない場合でも、隣接トラック5a,5cどちらかにおける磁化の極性が互いに逆である領域の、再生信号における寄与が相殺するレーザーパワーは存在する。例えば、再生ヘッド磁化情報検出感度が、磁化情報検出領域4内において一定でない場合、平均温度として、再生ヘッド磁化情報検出感度に応じた重み付けをした平均温度を用いれば良い。この場合、隣接トラック5a,5cそれぞれにおいて、磁気的補償点温度より高い温度領域と低い温度領域の(再生ヘッド磁化情報検出感度に応じた重み付けをした)平均の磁化の絶対値は略同一になる。
【0052】
また、本実施の形態のように、再生ヘッド磁化情報検出感度と、磁気記録媒体2の温度が磁化情報検出領域4内において略対称な分布をしているならば、図2における隣接トラック5a,5cの磁化情報を同じレーザ光パワーにて相殺することができる。この場合、レーザスポットの照射位置の中心をトラック5bの中央と一致させれば、磁化情報を相殺する領域を最大限に大きくとることができる。このため、上述の例(図1等)ではそのように設定している。しかしながら、再生ヘッド磁化検出感度の分布によってはこの限りではない。図6は、再生ヘッド磁化情報検出感度が磁化情報検出領域4において非対称な分布をしている(図6(a)参照)場合を示す例である。この場合、磁気記録媒体2の温度分布の位置(レーザスポットの中心)を移動させる(図6(b)参照)ことにより、図2における両端トラックの磁化情報を同じレーザ光パワーで相殺することができる。なお、このようなレーザスポットの中心の移動は、後述するトラッキング制御と同様の手法により行える。
【0053】
▲2▼装置構成
本実施の形態で用いる磁気記録媒体2は、上述(図5参照)のような構成を有する、磁気補償点温度Tcompが約100℃のn型フェリ磁性体からなる。このフェリ磁性体としては、例えばTbFeCo,GdFeCo等が使用できる。ここでは、Tb25%,Fe10%,Co65%のTbFeCoからなる磁性体を使用した。
【0054】
また、磁気記録媒体2には、図2に示すごとく、トラック幅0.5μm、トラック間隔0.1μm、トラックピッチ0.6μmで、磁化の極性の正負に対応して記録されている。トラック間は消磁されている。また、各トラックにおける記録状態はその幅方向には略一様である。
【0055】
次に、図7と図8を参照して装置構成を説明する。図7は、本磁気信号再生装置におけるレーザー光照射部分及び磁気信号再生部分の拡大図であり、図8は、本磁気信号再生装置の全体構成を示す概略図である。
【0056】
これらの図に示すように、磁気記録媒体2(上述の図5の特性を有する磁気記録媒体)を挟んで、局所昇温装置1と再生ヘッド3が配置されている。局所昇温装置1は制御装置8からのレーザー制御信号により、磁気記録媒体2上にレーザー光を収束照射する。再生ヘッド3はスライダ15を介して再生ヘッド移動装置16に固定されており、磁気記録媒体2の磁化情報を検出できるように配置されている。また、磁気記録媒体回転装置13と再生ヘッド移動装置16によって、再生ヘッド3は、磁気記録媒体2における任意の磁化情報記録領域に移動できるようになっている。再生ヘッド移動装置16は、制御装置8からの再生ヘッド位置制御信号によって駆動される。
【0057】
なお、再生ヘッド3は、1.8μm幅(3トラック分)の磁化情報検出領域4を有するものからなり、局所昇温装置1はビーム径が1μmの収束レーザー光にて局所昇温するものからなる。
【0058】
信号処理装置7は、再生ヘッド3の検出した磁化情報を制御装置8の処理できる信号に変換し、制御装置8に出力する。制御装置8は信号処理装置7より入力された信号から、局所昇温装置1にレーザー制御信号を、再生ヘッド移動装置16に再生ヘッド位置制御信号を出力する機能を有する。
【0059】
再生動作は、以下のようにして行われる。まず、磁気記録媒体回転装置13が磁気記録媒体2を回転させる。そして、その磁気記録媒体を局所昇温装置1により昇温し、その昇温部位からの磁束を再生ヘッド3の磁化情報検出領域から読み取る。その読み取った信号を信号処理装置7により上述の処理を行うことで、情報を再生する。この際、制御装置8によりレーザ光パワーの制御(後述)がなされるとともに、トラッキング制御(後述)が実行される。
【0060】
▲3▼レーザ光パワーの設定
上述の原理の項で説明したように、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式では、磁気記録媒体2として昇温時に所定温度(本実施の形態ではTcomp)を境にして磁化の向きが反転するものを用い、再生時に、磁気記録媒体2の再生関与領域(再生ヘッド3の磁化情報検出領域4直下の、磁化情報が読み取られる領域)内に上記所定温度より高温の領域と低温の領域を形成するように、磁気記録媒体2を昇温する。より望ましくは、再生目標のトラックの他のトラックからの磁束がほぼ0となるように、具体的には上述の隣接トラック5a,5cの平均温度がTcomp近傍となるように、磁気記録媒体2を昇温する。
【0061】
このような本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式では、局所昇温装置1による昇温状態の制御が非常に重要であり、昇温が強すぎても弱すぎても、再生目標のトラックの他のトラックからの磁束(磁化情報)をも再生ヘッド3で読み取ってしまうことになり再生信号品質が劣化することになる。
【0062】
使用する熱アシスト磁気信号再生装置が、常に磁気記録媒体2を一定の温度に保つことが可能なものであれば、上述のような昇温状態を実現するレーザ光パワー(標準パワー)を予め求めておき、再生時に制御装置8により局所昇温装置1のレーザ光パワーが上記標準パワーとなるように調整することができる。例えば、(a)熱アシスト磁気信号再生装置に上記標準パワーを内部メモリに記憶しておいて、再生時に制御装置8がその標準パワーを読み取って、その標準パワーに基づきレーザ光パワー制御を行ったり、(b)磁気記録媒体2の所定領域(例えば情報記録領域の内周または外周の一部)に上記標準パワーを記録しておいて、再生時に磁気記録媒体2から再生した上記標準パワーに基づき、レーザ光パワーの制御を行う。
【0063】
しかしながら、通常の使用条件では同一レーザ光パワーで局所昇温しても、環境温度の変化、また、磁気記録媒体2の線速度の変化等から、常に磁気記録媒体2が所望の温度になるとは限らない。そこで、これらの変化に対応するためには、レーザ光パワーを変動させて調整することが望ましい。
【0064】
例えば、環境温度が上昇することで磁気記録媒体2の磁化情報検出領域における非昇温時の温度(以下、基準温度という)が上昇した際には、図9(b)に示すように、レーザ光パワーを下げる(最高到達温度を下げる)。こうすれば、再生を望まないトラック(隣接トラック)の平均温度を磁気補償点温度近傍(約100℃)にして、そこの磁化情報を相殺することが可能である。逆に、磁気記録媒体2の温度が下がった場合は、図9(a)のように、レーザ光パワーをある値に上げて(最高到達温度を下げて)、再生を望まないトラックの平均温度を約100℃にできる。
【0065】
環境温度変化に伴うレーザ光パワーの調整は、熱アシスト磁気信号再生装置内のある位置における温度と、隣接トラック5a,5cの平均温度を略磁気補償点温度(Tcomp=約100℃)にするレーザ光パワーの関係が求まっている場合は、磁気記録媒体2の温度(または環境温度)をサーミスタ等により検出し、その検出温度に基づき、レーザ光パワーを調整することで行える。
【0066】
また、磁気記録媒体2の線速度の変化に伴うレーザ光パワーの調整は、再生目標トラックに応じてレーザ光パワーを変化させることで行える。例えば、熱磁気記録装置が、各トラックとそのトラック毎に要求されるレーザ光パワーをテーブルとして内部メモリに記憶しておき、再生時にその内部メモリを参照して、制御装置8が局所昇温装置1を動作させることで実現できる。
【0067】
また、さらに有効な手法としては、磁気記録媒体2に、レーザ光パワーを制御するためパワー制御用領域(昇温状態制御用領域)を設けておく方法がある。それについて、図10に基づき説明する。
【0068】
図10は、レーザ光パワー制御用領域50を説明する図である。なお、ここでは簡単のため3トラック(図1におけるトラック5a,5b,5c)について、その一部のみを示している。レーザ光パワー制御用領域50は情報データを記録する情報記録領域51の中の既知位置に配置されている。また、レーザ光パワー制御用領域50は、トラック幅方向(再生走査方向に垂直な方向)に少なくとも磁化情報検出領域4の幅と同等以上の幅を有するレーザ光パワー制御用ブロック(ここではトラック5a,5b,5cのレーザ光パワー制御用領域50)54を構成している。また、トラック5a,5b,5cのレーザ光パワー制御用領域50には、それぞれ異なる周期(トラック5a:1T周期,トラック5b:2T周期,トラック5c:4T周期)のビットパターンで磁化情報が記録されている。
【0069】
中央トラック5bを再生する際、レーザ光パワーが適性値であれば、レーザ光パワー制御用領域50からは2T周期の信号のみが再生されるはずであるが、レーザ光パワーが適性値からずれていると、1T周期,4T周期の信号が重畳される(図10(b)にその信号例を示す)。
【0070】
このため、この図10(b)のような信号がどのような周期の信号を含んでいるかをフィルタ等を用いて検出して、1T周期,4T周期の信号が検出されない(または非常に低いレベルのものとなる)ように、レーザ光パワーを調整すれば適正なレーザ光パワーを得ることができる。
【0071】
また、レーザ制御用領域50からの再生信号の位相を検出することによっても、レーザ光パワーの検出が可能になる。
【0072】
なお、図10では、3トラック(5a,5b,5c)それぞれに異なるビットパターンが記録しているが、レーザ制御用領域50には隣のトラックと異なるビットパターンが記録されていれば良く、トラック5a,5cに記録するビットパターンは同じであっても良い。
【0073】
図11に、レーザ光パワー制御用領域の他の例を示す。このレーザ光パワー制御用領域50’は、トラックbとトラックa,cとが同一方向に磁化された領域(Q1,Q3,…)と、逆方向に磁化された領域(Q2,Q4,…)を有するようにビットパターンが形成されている。このようなレーザ光パワー制御用領域50’を有する磁気記録媒体2においては、レーザ光パワー制御用領域50’を再生して、Q1(またはQ3)からの再生信号とQ2(またはQ4)からの再生信号との差分を取り、その信号が正であるか負であるかにより、レーザ光パワーの制御を行うことができる。
【0074】
なお、以上説明したようなレーザ光パワーの制御は、トラッキングずれが生じていると有効に機能しない。このため、レーザ光パワー制御用領域50において同時に、またはレーザ光パワー制御用領域50の直前で、後述するようなトラッキング制御を行うが望ましい。
【0075】
また、レーザ光パワー制御用領域50(50’)は、磁気記録媒体の所定位置(例えばディスク内周、外周の一部)に記録しておけば良いが、磁気記録媒体2の線速度が再生位置により変化する場合には、少なくとも線速度が変化する部位毎に設ける(例えば、ブロック毎,トラック毎,セクタ毎に設ける)ことがレーザ光パワーの精密制御の上で望ましい。なお、線速度が変化する毎にレーザ光パワー制御用領域50を設けていなくても、線速度に応じて(再生位置に応じて)レーザ光パワーをテーブルや演算を用いて調整すれば、概ね適正なレーザ光パワーを得ることができる。
【0076】
また、レーザ光パワー制御用領域50(50’)は、上述した図10,図11の例のように、隣接トラック5a,5cからの再生信号の混入の有無でレーザ光パワーの制御を行う場合には、少なくともトラック幅方向(走査方向に垂直な方向)において磁化情報検出領域4と同等以上の幅を有するレーザ光パワー制御用ブロック54単位で設けておく必要がある。このようにすれば、例えばトラック5bにおけるレーザ光パワー制御用領域50からの再生信号振幅に基づきレーザ光パワーを制御するよりも、精密制御を実現できる。
【0077】
以上説明した、レーザ光パワー制御用領域50を用いたレーザ光パワーの調整制御によれば、磁気記録媒体2の環境温度変化や線速度変化に対応することができ、さらに、再生ヘッド3の磁化情報検出感度が熱により磁化情報検出領域において変化した場合にも、それを補正することができる。
【0078】
▲4▼磁気記録媒体2の使用条件(磁気記録媒体2の設計)
本実施の形態では、非昇温時における再生ヘッド3の磁化情報検出領域4直下における磁気記録媒体2の温度(規準温度)が磁気記録媒体2の磁気補償点温度より高い領域では両端トラックにおける磁化情報を相殺することは原理的にできない。それに加えて信号品質の観点から、再生を望むトラック(5b)における温度は、再生ヘッド3が検出できる程度以上の大きさの磁化を生じせしめる温度範囲でなくては再生が行えない。また、磁気記録媒体2における温度がそのキュリー温度近傍に達すると磁化情報が不安定になり、消滅してしまう恐れがあるため、局所昇温における最高到達温度はこのキュリー温度近傍に達してはならない。よって、本実施の形態では、規準温度がある範囲内にある必要がある。
【0079】
逆に、想定される規準温度と再生ヘッドの検出できる磁化の大きさから磁気記録媒体2の温度特性を設計することもできる。以下に具体的に示す。
【0080】
計算を簡略にするため温度上昇の分布を図12のごとく一次関数の組み合わせで近似するものとする。また、この上昇温度の分布幅は一定で、上昇温度のみレーザーパワーに比例するものとする。さらに、磁気記録媒体2において、温度が最高となる点は再生ヘッド3における磁化情報検出領域の略中央に位置し、この温度を最高到達温度と呼ぶものとする。
【0081】
規準温度が約50℃、磁気記録媒体2における磁気補償点温度が約100℃であった場合に、図2における両端トラック5a,5cの平均温度が約100℃であるための最高到達温度が約200℃である例について考える。
【0082】
ここで環境温度が低下することにより規準温度が約25℃となった場合、両端トラックの平均温度を約100℃とするための最高到達温度は約250℃、中央トラック5bの平均温度は212.5℃となる。逆に、環境温度の上昇により規準温度が約75℃となった場合には、両端トラックの平均温度を約100℃とするための最高到達温度は同様に約150℃、中央トラック5bの平均温度は137.5℃となる。図13は、このような規準温度と最高到達温度,中央トラックの平均温度の関係を示す図である。
【0083】
この図から、磁気記録媒体2の使用条件を割り出すことができる。例えば、磁気記録媒体2のキュリー温度が250℃であり、再生ヘッドが磁化情報を検出できる中央トラック5bの平均温度の下限が約137.5℃であれば、磁気記録媒体2における磁化情報を不安定にすること無く磁化情報の検出が行える規準温度の範囲は約25℃以上約75℃以下であることが分かる。
【0084】
逆に、ある一定範囲の規準温度内において磁気記録媒体2を使用したい場合には、上記と逆の作業により、磁気記録媒体2の磁気補償点温度,キュリー温度,再生ヘッドが磁化情報を検出できる中央トラック5bの平均温度の下限値を求め、それを満足するものを選択すれば良い。
【0085】
また、レーザーパワーを変化させると上述の3トラック(5a,5b,5c)のいずれも温度分布が変化するが、再生を望むトラック5bの温度が、この磁気記録媒体2の磁化の温度による変化が小さい温度付近(図5におけるTpeak付近)であるように磁気記録媒体2の磁化の温度特性を設計しておけば、再生を望むトラックの磁化が大きく変化せずに済む。特に一般的なn型フェリ磁性体の場合これは磁化の極大付近であり、再生を望むトラック5bにおける磁化の絶対値も大きく取れるため、有利である。
【0086】
▲5▼トラッキング制御
次に、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式におけるトラッキング制御について説明する。
【0087】
図14はトラッキング制御を説明する図である。図14(a)はトラッキングずれがない場合を、図14(b),(c)はトラッキングずれが生じている場合を示している。なお、図14における媒体磁化はトラック5a,5b,5cそれぞれに同一方向の磁化が記録されている場合について示している。また、図14における再生信号強度は、トラック5a,5b,5cそれぞれから得られる再生信号をトラック毎に分離して記載している(磁化の方向は無視している)。
【0088】
図14(a)の場合、磁気記録媒体温度は中央トラック5bを中心に分布しており、磁気記録媒体の磁化はトラック5a,5cでは全体として打ち消しあって略0となる。このため、そのトラック5a,5cからは再生信号は得られない。
【0089】
一方、図14(b),(c)の場合には、磁気記録媒体温度は中央トラック5bの中心からずれて分布している。このため、トラック5a,5cのどちらも大きな磁化を有することになり、再生信号が発生する。この場合、この隣接トラック5a,5cからの再生信号はノイズとなる。したがって、図14(b),(c)のようにトラッキングずれが生じると再生信号品質が劣化することになる。
【0090】
このため、本実施の形態ではトラッキング制御が非常に重要である。トラッキング制御方法としては種々あるが、ここでは、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式の特質を利用してトラッキング制御を行う方法について説明する。
【0091】
図15は、このトラッキング制御方法を説明する図である。なお、ここでは簡単のため3トラック(図1におけるトラック5a,5b,5c)について、その一部のみを示している。情報データを記録する情報記録領域51の中にトラッキング制御用領域52を設けている。このトラッキング制御用領域52は、既知位置に配置され、トラック5a,5b,5cにそれぞれ異なる周期(トラック5a:1T周期,トラック5b:2T周期,トラック5c:4T周期)のビットパターンで既知の磁化情報が記録されている。
【0092】
中央トラック5bを再生する際、トラッキングずれがなければ、トラッキング制御用領域52からは2T周期の信号のみが再生されるはずであるが、トラッキングずれが生じていると、1T周期,4T周期の信号が重畳される。よって、トラッキング制御用領域52からの再生信号がどのような周期の信号を含んでいるかをフィルタ等を用いて検出すれば、その検出結果に基づきトラッキング制御が可能となる。
【0093】
具体的には、1T周期の信号(トラック5a)と4T周期の信号(トラック5c)の強度を比較する。そして、それらの強度が同じならばトラッキングずれがないと判断し、逆に、どちらか強度が大きい場合には、その大きい方にレーザスポットの中心(及び再生ヘッド3の中心)がずれていることになるので、強度が小さい側にレーザスポットの中心(及び再生ヘッド3の中心)を動かして、トラッキングずれを解消する。
【0094】
▲6▼その他
以上説明した本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式(磁気信号再生装置,磁気信号再生方法,磁気記録媒体)は一例であって、本実施の形態についてはその主旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【0095】
例えば、本実施の形態におけるトラックピッチ、レーザースポット径、トラック間隔等についてはこの限りではない。
【0096】
また、磁気記録媒体についても、磁化の極性が温度により反転する特性を有するものならば本実施の形態の限りではない。なお、上記例とは異なり、Tb21%,Fe68%,Co13%の組成近傍のTbFeCoを用いれば高密度記録に適している。
【0097】
さらに、再生ヘッド3の磁気記録媒体に対する相対位置の移動機構に関しては、磁気記録媒体に記録された磁化情報を再生ヘッドによって余すところなく検出できる機構であれば、本実施の形態の限りではない。また、上述の実施の形態では磁気記録媒体2を挟んで再生ヘッド3と局所昇温装置1を配置したが、磁気記録媒体2に対して一方側に再生ヘッド3と局所昇温装置1の両方を配置しても良いことは言うまでもない。
【0098】
また、ここでは、再生ヘッド3の磁化情報検出領域4のトラック幅方向の幅をトラック3本分の幅としたが、これに限るものではなく、トラック1本分より大きくトラック3本分程度のものであれば、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生方式を適用できる。ただし、磁化情報検出領域4のトラック幅方向の幅をトラック3本分程度にすれば、本実施の形態の手法において最も高密度再生が実現できる。
【0099】
また、上述したレーザ光パワー制御用記録領域50及びトラッキング制御用記録領域52は、同一の領域であっても良い。すなわち、同一の既知のビットパターンを用いて、レーザ光パワー制御とトラッキング制御を行っても良い。また、レーザ光パワー制御用記録領域50とトラッキング制御用記録領域52に記録されるビットパターンの少なくとも一方は、アドレス情報であっても良い。これらの場合、既知データの記録エリアを小さくすることができ情報データの記録領域を増やすことができる。さらに、言うまでもないが、上記ビットパターンは図10,11,15に示したものには限らない。
【0100】
[実施の形態2]
本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生装置は、非昇温状態より高い磁気補償点温度を持つn型フェリ磁性体を用いて、磁気信号再生方法により、等間隔、等トラックピッチで記録された磁気記録情報を、そのトラックピッチの略5倍の再生ヘッド磁化情報検出領域を持つ再生ヘッドにて、その再生ヘッド磁化情報検出領域略中央部分に位置するトラックのみの磁化情報を再生する。但し、局所昇温手段として高次の回折光を含むレーザー光を照射する。
【0101】
尚、本実施の形態においては、実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0102】
図16は、本実施の形態の熱アシスト磁気信号再生装置の構成を示す図である。本熱アシスト磁気信号再生装置では、図7に記した実施の形態1の熱アシスト磁気信号再生装置とは異なり、局所昇温装置11を採用している。
【0103】
局所昇温装置11は、図17に示すような強度分布のレーザスポットを磁気記録媒体2上に形成する。なお、図17には、比較のため、実施の形態1の局所昇温装置1によるレーザスポットの強度分布も記している。この図に示すように、本実施の形態では高次の回折光を含むレーザ光を磁気記録媒体2上に照射する。すなわち、中央の主光束に加えてその両側の補助光束を有するレーザ光を照射する。なお、この場合、同一波長、同一開口径の光学系を用いても、回折現象により、局所昇温装置11における中央光束の径の方が、実施の形態1の局所昇温装置1におけるそれよりも小さくなる。
【0104】
再生ヘッド3の磁化情報検出領域4とレーザスポットとの位置関係は、図17に示すとおりであり、光強度が最も高くなる位置(中央位置)と磁化情報検出領域4の中心が略一致するように設定されている。
【0105】
図18は、局所昇温装置11によるレーザスポットの照射により、磁気記録媒体2上に現われる温度分布を示す図である。この図に示すように、磁気記録媒体2上には、レーザスポット中心部分とその両側の3箇所に高温部分が現れる。その高温部分の温度は、磁気記録媒体2は磁気補償点温度Tcomp(約100℃)よりも高く設定されている。
【0106】
図19は、磁気記録媒体2の温度分布(図19(a))、及び、均一方向に磁化された場合の磁気記録媒体2の昇温時の磁化(図19(b))を、磁化情報検出領域4,昇温領域9(図19(d))及び磁気記録媒体2に形成されたトラック5(図19(d))とともに示す図である。本実施の形態では再生ヘッド3の磁化情報検出領域4内に5本のトラック5d,5e,5f,5g,5hが存在する。この図に示すように、局所昇温装置11は、磁気記録媒体2の中央トラック(再生目標トラック)5fをTcomp以上に加熱し、トラック5d,5e,5g,5hの平均温度がTcomp近傍となるように加熱する。例えば、図19(a)に示す、磁気記録媒体2において温度が略Tcompとなる地点(X1,X2,X3,X4)は、X1とX2の間及びX3とX4の間が略トラック幅に、X2とX3の間がトラック幅の略2倍となるように加熱する。
【0107】
このとき、中央トラック5fからは磁束が発生し再生信号が得られるが、トラック5c,5d,5g,5hはそれぞれ全体として磁化が相殺され略0となるため、再生信号が発生しない。したがって、中央トラック5fのみの磁化情報を再生することが可能となる。
【0108】
なお、本実施の形態においても、レーザ光パワーの制御,トラッキング制御,使用条件の設定等は、実施の形態1と同様に行うことが可能である。
【0109】
さらに、本実施の形態も実施の形態1と同様に様々な変形が可能である。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、再生手段の磁化情報検出領域への昇温領域内の磁化情報の再生信号への寄与を減少さらには相殺させることができるので、昇温領域よりも更に狭い範囲における磁化情報を検出する際に、混入情報を低減し、高いS/N比での磁化情報検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の高密度再生原理を説明する説明図である。
【図2】実施の形態1の磁気記録媒体のビットパターンと、磁化情報検出領域及びレーザスポットの位置関係を示す図である。
【図3】レーザスポットの照射により磁気記録媒体に形成される温度分布を説明する図である。
【図4】磁気記録媒体のビットパターンと、記録時の磁化方向、及び再生昇温時の磁化を示す図である。
【図5】実施の形態1の磁気記録媒体の磁気特性を示す図である。
【図6】磁化情報検出感度に分布があるときの再生方法を説明する図である。
【図7】実施の形態1の磁気信号再生装置の主要構成を示す概略図である。
【図8】実施の形態1の磁気信号再生装置の全体構成を示す概略図である。
【図9】規準温度の変化時における再生方法を説明する図である。
【図10】レーザ光パワー制御用領域を説明する図である。
【図11】レーザ光パワー制御用領域の他の例を説明する図である。
【図12】磁気記録媒体の温度分布の近似方法を説明する図である。
【図13】磁気記録媒体の使用状態の設定方法を説明する図である。
【図14】ラッキング制御の方法を説明する図である。
【図15】トラッキング制御用領域を説明する図である。
【図16】実施の形態2の磁気信号再生装置の主要構成を示す概略図である。
【図17】実施の形態2の局所昇温装置から発せられるレーザ光スポットの光強度分布を説明する図である。
【図18】実施の形態2の局所昇温装置により磁気記録媒体に形成される温度分布を説明する図である。
【図19】実施の形態2の磁気信号再生方法を説明する図である。
【図20】磁気記録媒体のビットパターンと磁化情報検出領域とレーザスポットの位置関係を示す図である。
【図21】従来の磁気記録媒体の磁気特性を示す図である。
【図22】従来の熱アシスト磁気信号再生方法の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1,11 局所昇温装置
2 磁気記録媒体
3 再生ヘッド
4 磁化情報検出領域
5 トラック
5b 中央トラック(再生目標トラック)
5a,5c 隣接トラック
9 レーザースポット
50,50’ レーザ光パワー制御用領域
52 トラッキング制御用領域
54 レーザ光パワー制御用ブロック
Tcomp 磁気補償点温度
Claims (17)
- 第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、昇温時に第1温度を境にして磁化の極性が反転する磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、
該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、
前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段と、を備えてなり、
前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして、磁化情報の極性が反転するよう形成された磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、
該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段と、を備えてなり、
前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁気記録媒体における前記磁化情報検出領域に対向する領域内であって再生目標領域の外部に、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項2に記載の磁気信号再生装置において、
前記磁気記録媒体には、情報を記録する複数のトラックが形成されており、
前記局所昇温手段は、再生動作時に、前記磁化情報検出領域に対向する領域内における再生目標トラック以外のトラックそれぞれに、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項2または請求項3に記載の磁気信号再生装置において、
前記局所昇温手段は、前記低温の温度領域及び前記高温の温度領域の平均温度が、前記磁気補償点温度と略同一となるよう昇温することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 情報を記録する複数のトラックが形成されており、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体から情報を再生する磁気信号再生装置において、
該磁気記録媒体にレーザ光を照射して、該磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、
前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有し、トラック幅方向において、前記レーザ光の中心と前記磁化情報検出領域の中心が略一致するよう配置された再生手段と、を備えてなり、
前記磁化情報検出領域は、トラック幅方向に、前記磁気記録媒体の3本のトラックとそれぞれ少なくとも一部において対向する幅を有しており、
再生動作時に、前記局所昇温手段により、前記磁化情報検出領域に対向する中央のトラックを前記磁気補償点温度より高い温度に昇温させるとともに、前記中央のトラックに隣接する2つのトラック内の前記磁化情報検出領域に対向する領域それぞれの平均温度が前記磁気補償点温度と略一致するよう昇温させることを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の磁気信号再生装置において、
前記局所昇温手段は、前記磁気記録媒体に、前記磁気補償点温度を超える少なくとも2つの極大値を有する温度分布を形成することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の磁気信号再生装置において、
前記局所昇温手段の動作を制御して、前記磁気記録媒体の昇温状態を変化させる制御手段を備えたことを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項7に記載の磁気信号再生装置において、
前記磁気記録媒体に、前記局所昇温手段による昇温状態を制御するための既知データが記録された昇温状態制御用領域が設けられており、
前記制御手段は、前記昇温状態制御用領域から再生された再生信号に基づき、前記局所昇温手段の動作を制御することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項8に記載の磁気信号再生装置において、
前記昇温状態制御領域は、前記磁気記録媒体における線速度が略同じである領域の、少なくとも1箇所に形成されていることを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の磁気信号再生装置において、
前記昇温状態制御用領域は、前記再生手段の走査方向に垂直な方向に少なくとも前記磁化情報検出領域の幅以上の幅を有する昇温状態制御用ブロックを構成してなることを特徴とする磁気信号再生装置。 - 請求項7に記載の磁気信号再生装置において、
前記磁気記録媒体の使用環境温度を測定する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、前記局所昇温手段の動作を制御することを特徴とする磁気信号再生装置。 - 第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、昇温時に第1温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体を局所昇温手段により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、
再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域を形成するように、前記磁気記録媒体を昇温することを特徴とする磁気信号再生方法。 - 請求項12に記載の磁気信号再生方法において、
前記低温の温度領域における全体の磁化と、前記高温の領域における全体の磁化が略同一となるように昇温することを特徴とする磁気信号再生方法。 - 請求項12に記載の磁気信号再生方法において、
前記低温の温度領域における平均の磁化の絶対値と、前記高温の領域における平均の磁化の絶対値が略同一となるように昇温することを特徴とする磁気信号再生方法。 - 磁気補償点温度を有する磁性膜を有し、温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして、磁化情報の極性が反転するよう形成された磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体を局所昇温手段により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、
再生動作時に、前記磁気記録媒体における前記磁化情報検出領域に対向する領域内であって再生目標領域の外部に、前記磁気補償点温度より低温の温度領域と、前記磁気補償点温度より高温の温度領域を形成するように、前記磁気記録媒体を昇温することを特徴とする磁気信号再生方法。 - 情報を記録する複数のトラックが形成されており、磁気補償点温度を有する磁性膜を有し温度変化時に前記磁気補償点温度を境にして磁化情報の極性が反転する磁気記録媒体を使用し、該磁気記録媒体をレーザ光照射により局所的に昇温するとともに、昇温された部位の少なくとも一部と対向する磁化情報検出領域を有する再生手段の磁化情報検出領域により前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁気信号再生方法であって、
前記磁化情報検出領域は、トラック幅方向に、前記磁気記録媒体の3本のトラックとそれぞれ少なくとも一部において対向する幅を有しており、
前記再生手段を、トラック幅方向において、前記レーザ光の中心と前記磁化情報検出領域の中心が略一致するよう配置し、
再生動作時に、前記磁化情報検出領域に対向する中央のトラックを前記磁気補償点温度より高い温度に昇温させるとともに、前記中央のトラックに隣接する2つのトラック内の前記磁化情報検出領域に対向する領域それぞれの平均温度が前記磁気補償点温度と略一致するよう昇温させることを特徴とする磁気信号再生方法。 - 局所的に昇温されるとともに、その昇温部位における磁化情報が磁気的に再生される磁気記録媒体において、
第1温度としての磁気補償点温度を有する磁性層を有し、
前記磁気記録媒体を局所的に昇温する局所昇温手段と、前記磁気記録媒体に記録された磁化情報を磁気的に検出する磁化情報検出領域を有する再生手段とを備えてなる磁気信号再生装置の前記局所昇温手段が、再生動作時に、前記磁気記録媒体における再生目標領域外であって前記磁化情報検出領域に対向する領域内に、第1温度より低温の温度領域と、第1温度より高温の温度領域とを形成することによって、昇温時に前記磁気補償点温度を境にして磁化の極性が反転するよう形成され、
昇温状態を制御するための、既知データが記録された昇温状態制御用領域が設けられてなることを特徴とする磁気記録媒体。
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