JP4216089B2 - 感光感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光感熱記録材料に関し、とりわけ発色性に優れ、地発色の少ない記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フルカラー画像を形成する方法として、銀塩写真、感熱記録(熱溶融型、昇華型)、電子写真、インクジェットなどの方式が知られている。銀塩写真、感熱記録方式は高画質ではあるものの、現像液やインクリボンなどの廃棄物が出るという欠点がある。電子写真方式にはトナーが、インクジェット方式にはインクが必要である。そこで、廃棄物をなくすという観点から、自己発色型の記録媒体が検討されている。1つは感光感圧方式といわれるもので、露光により、感光性マイクロカプセルの硬化した部分と硬化しない部分を生じさせ、その後、加圧により硬化しなかったマイクロカプセルを破壊し、着色した内包物を紙に転写するもの、あるいは染料前駆体である内包物とマイクロカプセルの外に準備された顕色剤とを反応させ発色させ、画像を得るものである(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
他に、感熱方式のTA紙(富士写真フィルム(株)製)といわれるものが開発されている。これは染料前駆体であるジアゾニウム塩を内包させた熱応答性マイクロカプセルを熱で制御することで、内包物とカプセル外に準備された顕色剤(カプラー)、有機塩基化合物との接触、すなわち、反応を制御することにより、染料の形成を制御するものである。つぎに紫外線を照射することで染料前駆体を分解し、発色できなくすることで定着するものである。フルカラーを得るために熱応答性マイクロカプセルとジアゾニウム塩に工夫がなされている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
従来の自己発色型記録媒体において、感光感圧方式は、加圧によりカプセルを破壊する必要があるため、カプセルを小粒径化することができず、また、破壊により解像度を劣化させ、画質が粗くなるといった欠点があった。また、感熱感光方式のTA紙は書き込みエネルギーの異なる、少なくともY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)の3層の感熱層、および、定着に波長の異なる紫外線が必要であり、熱ヘッドによる書き込み、紫外線による定着のため、記録エネルギーが多くなるといった欠点があった。
【0005】
また、発色にかかわる成分のうちいずれか1種をカプセルに内包し、該発色成分と反応して発色する他の成分、塩基性物質および増感剤を用いることにより、熱応答性、発色性向上に優れる記録材料もあるが、感熱記録材料であるため、熱書き込みに要する消費エネルギーが大きく、記録ドットの大きさ、解像性がサーモヘッドの機能に依存し、高解像度が困難であるという欠点があった(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、発色にかかわる成分の内、いずれか1種を熱応答性マイクロカプセルに内包し、さらに、光重合可能な重合性化合物とともに、マイクロカプセルに内包した多重カプセル型記録媒体の発明により、生保存性に優れた記録媒体を得ることができた(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、マイクロカプセル壁の隔離能を向上すると、熱応答性が低下し、高速記録時の発色不足や、発色温度の高温化、必要加熱エネルギーの増加による高消費電力化などが生じ、発色濃度、発色体の堅牢性、地肌部の保存安定性の改善が望まれていた。そこで、発色温度を低下させる、または、必要とする加熱エネルギーを低減するために、熱増感剤を記録層に含有することにより、これらの一部を改善したが、さらに、色のにじみや耐環境性の向上のため、外カプセルの隔離性の向上が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−216787号公報
【特許文献2】
特開2000−218944号公報
【非特許文献1】
「電子写真学会1992年度第1回研究会予稿集」,電子写真学会,1992年,p.47
【非特許文献2】
高橋恭介,入江正浩監修「プリンタ材料とケミカルス」,シーエムシー,1995年
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カプセルの隔離能、発色性に優れ、光による書き込みが可能で、地発色の少ない、高解像度、低消費エネルギーの感光感熱記録材料を提供する。
【0010】
すなわち、本発明は、ジアゾニウム塩、カプラーのいずれかを熱応答性マイクロカプセルに内包し、熱応答性マイクロカプセル、熱応答性マイクロカプセルに内包されなかったジアゾニウム塩、カプラーのいずれか、重合性化合物、光重合開始剤をすべて内包するマイクロカプセルを含む記録層、および支持体からなる感光感熱記録材料において、マイクロカプセルの内側に、熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質を含有し、
熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質が重合性化合物である感光感熱記録材料に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の記録媒体は、ジアゾニウム塩、カプラーのいずれかを熱応答性マイクロカプセルに内包し、熱応答性マイクロカプセル、熱応答性マイクロカプセルに内包されなかったジアゾニウム塩、カプラーのいずれか、重合性化合物、光重合開始剤をすべて内包するマイクロカプセルを含む記録層、および支持体からなる感光感熱記録材料であって、熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質をマイクロカプセル内に含む。ここで、熱応答性マイクロカプセルとは、カプセルの内外に隔離された物質の透過量が熱によって変化するマイクロカプセルである。
【0012】
熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質は、加熱時のカプセル壁の隔離能を下げる働きをし、この結果、発色温度が低下する。つまり、必要とする発色濃度を得るために必要な加熱エネルギーが低減することとなる。以下、この物質を熱増感剤という。
【0013】
本発明の記録媒体において使用するマイクロカプセルを図1〜3に示す。図1は、熱応答性マイクロカプセル5がジアゾニウム塩1を包含し、熱応答性マイクロカプセル、カプラー2、重合性化合物3、重合開始剤4、および熱増感剤22が外カプセル6に包含されているマイクロカプセルを、図2は、熱増感剤が熱応答性マイクロカプセル壁材表面に付着しているマイクロカプセルを、図3は熱増感剤および重合性化合物の代わりに熱増感作用のある重合性化合物23が含まれたマイクロカプセルを表わす。
【0014】
ここで、外カプセルとは、熱応答性マイクロカプセルを内包する外側のカプセル、つまりマイクロカプセルの外殻を形成するカプセル部分をいう。
【0015】
前記マイクロカプセルには少なくとも3種類あり、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に発色するようジアゾニウム塩とカプラーが組み合わされている。これによって、多色発色が可能となる(図4)。
【0016】
さらに、重合性化合物が、異なる波長領域の光に応答し、重合を開始するように、各マイクロカプセルに含まれる光重合開始剤と波長増感剤を選択しており、これにより、3つ以上の異なる波長によるマイクロカプセルの発色制御が可能となり、多色記録できる。これら複数のマイクロカプセルを混合して支持体上に塗布する(図4)、または各色別々に積層する(図5)ことにより、カラー記録媒体を作製できる。
【0017】
本発明の記録媒体を用いた記録原理は、画像信号を持った波長の異なる3波長の可視光、たとえばB(波長λ1)、G(波長λ2)、R(波長λ3)を本発明の記録媒体に照射すると、それぞれの光に感受性を持つマイクロカプセル内で重合反応が開始し、その内包物が硬化する。このとき、未露光部は流動性がある(図6(a))。次に、熱応答性マイクロカプセル外壁の透過性が変化する温度(ガラス転移点と相関がある温度)以上まで記録媒体を加熱することにより、熱応答性マイクロカプセル壁の物質隔離能力が低下し、ジアゾニウム塩と未露光部のカプラー(あるいはカプラーと未露光部のジアゾニウム塩)が接触、反応し、発色する。
【0018】
一方、露光により硬化した部分のカプラーはジアゾニウム塩(あるいは硬化したジアゾニウム塩とカプラー)と接触できないため発色しない(図6(b))。必要に応じて、全面に紫外線を照射し、未発色ジアゾニウム塩を分解し定着することで、画質の保存安定性を増すことができる(図6(c))。
【0019】
本発明のマイクロカプセルの製法としては、公知のマイクロカプセル化法、例えば、近藤朝士著、「マイクロカプセル」日刊工業新聞社(1970年発行)に記載のin situ重合法、界面重合法、コアセルベーション法、スプレードライング法、液中乾燥法などを用いることができる。特に熱応答性マイクロカプセルを形成する方法としては界面重合法や、in situ重合法が好ましい。多重または多核マイクロカプセルを製造する方法としては、例えば内カプセルと外カプセル内包物を混合し、in situ重合法やコアセルベーション法、液中乾燥法を用いてカプセル化することができる。
【0020】
マイクロカプセルの製造は、油相/水相乳化液を作製後、または、水相/油相乳化液を作製後、熱応答性マイクロカプセルを作製し、さらに、油相/水相/油相の乳化液、水相/油相/水相の乳化液から、外カプセルを作製する。または、熱応答性マイクロカプセルを油相に分散し、油相/水相乳化液からカプセル化、または、熱応答性マイクロカプセルを水相に分散し、水相/油相乳化液からカプセル化することにより、外カプセルを作製してもよい。
【0021】
熱応答性マイクロカプセル、外カプセルの素材としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンーメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどがあげられ、これらを2種以上併用しても良い。これらのうち、熱応答性マイクロカプセルとしては、ポリウレタン、ポリウレアのカプセルが特に好ましい。
【0022】
例えば、ポリウレア、または、ポリウレタンをカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネートをカプセル化すべき油性液体中に、それと反応しカプセル壁を形成する物質(例えば、水、ポリオール、アミン)を水中、または、油性溶媒中に混合し、乳化分散し、つぎに温度を30〜100℃に調整し、油滴界面で高分子化反応を起こして、マイクロカプセル壁を形成する。
【0023】
ポリウレア、または、ポリウレタンのマイクロカプセルを作製するための、壁膜形成物質の1つである多価イソシアネートとして、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート、4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートなどのトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物などのイソシアネートプレポリマーなどがあげられる。ただし、これらに限られるものではない。
【0024】
一方、これらと反応して膜を形成する第2の壁膜形成物質としては、脂肪族、芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、水などがあげられる。
【0025】
本発明に用いるカプセルの芯を形成するための疎水性溶媒としては、高沸点有機溶媒が好ましく、たとえば、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、ジフェニルエタンアルキル付加物リン酸系誘導体、マレイン酸エステル類、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフイン、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンなどが用いられる。
【0026】
具体的には、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフイン、ジイソプロピルナフタレン、1,1’−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリンなどがあげられる。これらのうち、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレジル、フタル酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのエステル系の溶媒が特に好ましい。
【0027】
これら高沸点溶媒に対するジアゾニウム塩やカプラーの溶解性が充分でない場合には、低沸点溶媒を併用することができる。
【0028】
低沸点溶媒は、具体的に、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレンクロライド、テトラヒドロフランおよびアセトンなどがあげられる。
【0029】
また、これら溶媒を2種以上混合してもよく、水溶性化合物を内包するカプセルを形成する場合には、水を溶媒とすることが好ましい。
【0030】
本発明における熱応答性マイクロカプセルの粒径は、0.3〜3μmであることが好ましい。0.3μm未満であると、製造コストが高くなり、3μmをこえると、解像度が劣化する傾向にある。
【0031】
一方、マイクロカプセルの粒径は、0.5〜50μmであることが好ましい。0.5μm未満であると、製造コストが高くなり、50μmをこえると、解像度が劣化する傾向にある。
【0032】
熱応答性マイクロカプセルの添加量は、マイクロカプセル中1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%である。1重量%より少なかったり、80重量%より多いとマイクロカプセル化が困難となる傾向がある。
【0033】
ジアゾニウム塩は、一般に、フェノール化合物あるいは、活性メチレンを有する化合物などのカプラーと反応し、色素を形成する。また、光(一般的には紫外線)照射により分解し、脱窒素してその活性を失う性質をもつ。
【0034】
本発明に用いられるジアゾニウム塩としては、特開昭60−184880号公報、特開昭61−172789号公報、特開平2−147285号公報、特開平6−328853号公報、特開平7−9661号公報、特開平7−125446号公報に記載された化合物が使用できる。
【0035】
具体的には、4−(4’−メチルフェニルチオ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−ピロリヂノ−3−メチルベンゼンジアゾニウム、4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム、4−モルフォリノベンゼンジアゾニウム、4−モルフォリノ−2,5−オクトキシベンゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4−N,N−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウム、3−(2−オクチルオキシエトキシ)モルフォリノベンゼンジアゾニウム、4−N−ヘキシル−N−トリルアミノ−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウムなどの塩があげられる。ただし、これらに限られるものではない。
【0036】
また、ジアゾニウム塩の酸アニオンとしては、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、1,5−ナフタレンスルホネート、パーフルオロアルキルカルボネート、パーフルオロアルキルスルフォネート、塩化亜鉛、塩化スズなどを用いることができる。カプセルの製造工程において、水に溶解する必要がある場合には、特に塩化亜鉛塩とすることが好ましい。また、カプセルの製造工程において、有機溶剤に溶解する場合には、溶解性の点でヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、1,5−ナフタレンスルホネートを酸アニオンとする塩が好ましい。また、本発明においては異なる2種類以上のジアゾニウム塩を任意の比率で混合して用いても良い。
【0037】
また、ジアゾニウム塩の自然分解を防止するためにクエン酸や酒石酸を添加しても良い。
【0038】
ジアゾニウム塩の添加は、固体そのままでもよいが、溶剤に溶解することが好ましい。溶剤に溶解する場合、濃度は、0.1〜50重量%が好ましい。0.1重量%未満であると、充分な発色が得られない傾向にあり、50重量%をこえると、材料が有効に利用されない傾向にある。
【0039】
本発明に用いるカプラーとしては、特開平1−67379号公報、特開平2−54250号公報、特開平4−53794号公報、特開平7−223367号公報、特開平7−223368号公報などに記載されたものが使用できる。たとえば、分子内に活性メチレンを有する化合物、芳香族アミン系化合物、分子内に塩基性基を有する芳香族ヒドロキシ化合物などをあげることができる。ピラゾロン誘導体、β−ジケトン誘導体、オキシジフェニル誘導体、ナフトール誘導体、フェノール誘導体などがあげられる。
【0040】
具体的には、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルフォニルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−N−ドデシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸テトラデシルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−3’−モルフォリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−2’−ジエチルアミノエチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−3−ピペリジノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−3’−ピペリジノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−p−(3’−N’−シアノグアニジノプロピル)オキシアニリド、サリチル酸−p−(3’−モルフォリノプロピル)オキシアニリド、1−ナフトール−4−スルホン酸−3’−ジエチルアミノプロピルアミド、8−ヒドロキシキノリン−4−スルホン酸−2’−ジエチルアミノエチルアミドおよび2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−3’−モルフォリノプロピルアミドのトリクロロ酢酸塩、1−ナフトール−4−スルホン酸−3’−ジエチルアミノプロピルアミドのフェニルチオ酢酸塩などがある。
【0041】
活性メチレン系化合物としては、アセトアニリド、アセトアセトアニリド、2,4−ジメトキシアセトアセトアニリド、2,4−ジエトキシアセトアセトアニリド、2,5−ジメトキシアセトアセトアニリド、2,5−ジエトキシアセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド、2−クロロ−5−オクチルアセトアセトアニリド、N−フェニル−N−ドデシルバルビツール酸、N−フェニル−N−(3−ステアリルオキシ)ブチルバルビツール酸、1,3−ジドデシルバルビツール酸、1,3−ジシクロヘキシルバルビツール酸、1−オクチル−3−ステアリルバルビツール酸などがあげられる。
【0042】
芳香族アミン系化合物としては、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アニリノ−ナフタレン、2−アニリノ−ナフタレン、3−アミノ−ジフェニルアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジシクロヘキシルアニリン、2−アミノカルバゾール、2−フェニルインドール、1−フェニル−2−メチルインドールおよびN,N−ジメチルアニリンのp−トルエンスルホン酸塩、α−ナフチルアミン塩酸塩などのような芳香族アミンの有機酸塩や無機酸塩などがあげられる。
【0043】
その他、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−フェニル−3−フェニルアセトアミド−5−ピラゾロン、1−(2−ドデシルオキシフェニル)−2−メチルカーボネイトシクロヘキサン−3,5−ジオン、1−(2−ドデシルオキシフェニル)シクロヘキサン−3,5−ジオン、1,3−ビス(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3−ビス(ピバロイルアセトトアミノメチル)ベンゼン、3−ヘキシルカルバノイル−1−フェニルピラゾロン、3−ミリストイルアミノ−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾロン、1,3−シクロヘキサンジオン酸、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−4−フェニル−1,3−シクロヘキサンジオンなどをあげることができる。
【0044】
これらのカプラーは、2種以上併用し目的の発色色相を得ることもできる。これらを混合して目的の発色色相を得ることもできる。
【0045】
カプラーの添加量は、ジアゾニウム塩1モルに対して、0.5〜20モルが好ましく、1〜10モルがより好ましい。
【0046】
本発明に用いる重合性物質としては、たとえば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸類、マレイン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類などがあげられる。これらのうち、透明度が高い点と重合速度が速い点から、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好ましい。具体的には、2−ブチルアミノカルボニルオキシエチルアクリレート、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−t−ブチルアミノエチルアクリレート、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、4,2−アリルアミノカルボチオニルカルボヒドラゾノイルフェニル−3,2−クロロフェニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどがあげられる。また、これらのモノマーおよびオリゴマーを、単独もしくは、2種以上を混合して用いることができる。
【0047】
重合性化合物の添加量は、カプセル内包物全体に対して、10〜99重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。10重量%未満であると、印画物の画質が低下する傾向にあり、99重量%をこえると、発色材料を充分に添加することができない傾向にある。
【0048】
熱増感作用のある重合性化合物としては、例えば、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アルキルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレートなどの水酸基をもつアクリレート化合物などがあげられ、これらのモノマーおよびオリゴマーを、単独もしくは、2種以上を混合して用いることができ、その他の重合性化合物と混合して用いることもできる。
【0049】
この中でも、熱増感効果の点から、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどが好ましい。
【0050】
熱増感作用のある重合性化合物の添加量は、カプセル内の重合性化合物に対して、0.1〜100重量%であることが好ましく、2〜50重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満であると、充分な効果が得られない傾向にある。
【0051】
熱増感作用のある重合性化合物を使用することは、増感剤そのものが硬化することから、重合度、重合速度の維持の点から好ましい。
【0052】
本発明に用いる光重合開始剤としては、たとえば、芳香族カルボニル化合物、アセトフェノン類、トリアジン類、有機過酸化物、有機ハロゲン化物、アゾ化合物、染料−ボレート錯体、金属アレーン錯体、色素誘導体ヨードニウム塩、色素誘導体アルキルホウ酸塩、などが用いられる。例えば、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(1+)ヘキサフルオロホスフェート(1−)、4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−[7−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3,5−ヘプタデントリエニル]−3H−インドリウムブチルトリフェニルボレート、2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジンがあげられる。
【0053】
特に、可視光領域に感度をもつ光重合開始剤としては、チタノセン類、金属アレーン錯体と色素の混合物や分子内電子移動反応により可視光領域の光励起によって、ラジカルを発生する化合物、例えば、色素誘導体のアルキルホウ酸塩などがあげられる。中でも、シアニン色素誘導体のブチルトリフェニルボレートが感度の点で好ましい。また、紫外光〜可視光領域に感度をもつ光重合開始剤に波長増感剤を組み合わせたものも使用することができる。
【0054】
光重合開始剤の添加量は、重合性物質に対して0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。光開始剤の添加量は、0.1重量%より少ないと重合反応が進行しにくい傾向にあり、20重量%より多いと感度の向上がほとんど見られない傾向にある。
【0055】
本発明に用いる光重合開始剤は、単独で用いてもよいが、重合開始剤の感光波長を調整する目的で波長増感剤を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0056】
本発明に用いる波長増感剤としては、使用する露光源の特定波長を吸収するものを選択すればよい。たとえば、アクリルオレンジ系染料、ベンゾフラン系染料、メロシアニン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、フェニルメタン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、ピラゾリン系染料、スチルベン系染料、キノリン系染料、ローダミン系染料、サフラニン系染料、マラカイトグリーン系染料、メチレンブルー系染料、クマリン系染料、スクワリリウム系染料、色素誘導体アルキルホウ酸塩があげられる。このなかでも、R光用としてはスクワリリウム色素、G光用としてはシアニン染料、B光用としてはクマリン染料、メロシアニン系染料が好ましい。
【0057】
波長増感剤の添加量は、重合性物質に対して、0.1〜100重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重量%未満であると、増感剤としての効力が不充分であり、100重量%をこえると重合度が低下する傾向にある。
【0058】
必要に応じて、ジアゾニウム塩のカップリング反応を促進する発色助剤を加えてもよい。発色助剤としては、無機および、有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素、チオ尿素、およびその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類などの塩基性物質、もしくは、加熱溶解することによって、塩基性を示す物質があげられる。
【0059】
具体的には、酢酸アンモニウム、トリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフエニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロ酢酸塩、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルフォリン、モルフォリニウムトリクロロ酢酸塩、2−アミノ−ベンゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラジノ−ベンゾチアゾールなどがあげられる。これらの塩基性物質は、2種以上併用して用いてもよい。
【0060】
発色助剤の添加量は、ジアゾニウム塩とカプラーの組み合わせ、および、その塩基性強度によって異なる適当な量を添加することが好ましい。
【0061】
本発明で使用する熱増感剤としては、熱増感性を有する重合性化合物の他に、分子状、結晶状、アモルファス状であってもよく、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族メトキシ化合物、アミン化合物、アミド化合物、水分を分子中に取り込む化合物などを使用することができる。これらは、高分子化された物であっても良い。
【0062】
具体的には、フェノール化合物として、p−ベンジルオキシフェノール、p−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、カテコール、p−オクチルフェノール,4−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノール)−m−キシレノール、2,5−ジメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、p−ベンジルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、p−(α−クミル)フェノール、p−(ジフェニルメチル)フェノール、p−(α、α−ジフェニルエチル)フェノール、o−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−メトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、p−ヘプチルオキシフェノール、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、バニリン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,2‘−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどがあげられる。
【0063】
また、アルコール化合物として、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、レゾルシノールジ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルアルコール化合物シノールモノ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、サリチルアルコール、1,4−ジ(ヒドロキシ)ベンゼン、p−キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、ジフェニルメタノール、1,1−ジフェニルエタノール、トリメチロールプロパン(別名2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、トリメチロールエタン(別名2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール、2,6−ジヒドロキシメチル−p−クレゾールベンジルエーテル、3−(o−メトキシフェノキシ)−1,2−プロパンジオールなどがあげられる。
【0064】
カルバミン酸エステル化合物の具体例としては、N−フェニルカルバミン酸ベンジルエステル、N−フェニルカルバミン酸エチルエステル、N−フェニルカルバミン酸フェネチルエステル、カルバミン酸ベンジルエステル、カルバミン酸ブチルエステル、カルバミン酸イソプロピルエステルなどがあげられる。
【0065】
芳香族メトキシ化合物の例としては、2−メトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシフェニル酢酸、2−メトキシナフタレン、1,3,5−トリメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、p−ベンジルオキシメトキシベンゼンなどがあげられる。
【0066】
他に、尿素、ステアリン酸アミド、トリイソプロパノールアミン、N−フェニルモルフォリン、トリオキサン、ε−カプロラクタム、トルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ゼラチンなどをあげることができる。
【0067】
これらの中でも、熱増感効果の点から、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、p−ベンジルオキシフェノールが好ましい。
【0068】
これらの化合物は、マイクロカプセルの壁材によって、1種または、2種以上選択して用いることができる。
【0069】
熱増感剤の添加量は、マイクロカプセル材料および使用する増感剤の種類によって異なるが、カプセル固形分100重量部に対して、0.5〜100重量部が好ましく、2〜20重量部がより好ましい。0.5重量部より少ないと増感剤としての効果が不充分であり、100重量部より多いと重合度が低下する傾向にある。
【0070】
熱増感剤は、熱応答性マイクロカプセルの芯物質と共に、熱応答性マイクロカプセルを作るか、熱応答性マイクロカプセル製造直後のカプセルスラリー液に添加し、水分を除去するなどの方法により、熱応答性マイクロカプセル壁材表面に付着もしくは浸透させ、熱応答性マイクロカプセルに物理的または化学的に結合させることができる。
【0071】
熱増感剤を熱応答性マイクロカプセル壁材表面に付着もしくは浸透させ、熱応答性マイクロカプセルに物理的または化学的に結合させることは、作用点の近くに熱増感剤を配置することができる点で好ましく、熱増感剤を重合性化合物に溶解、混合または分散させることは、製造上の容易さの点から好ましい。
【0072】
また、熱応答性マイクロカプセルと外カプセルの間の重合性化合物に溶解、混合または分散させることにより、マイクロカプセル内に添加することもできる。
【0073】
また、重合度が低下しない程度であれば、熱増感作用のある重合性化合物と熱増感剤を併用しても構わない。
【0074】
記録媒体の熱応答温度に関しては、充分な発色濃度が得られるには、60〜170℃の温度が好ましく、70〜130℃がより好ましい。応答温度が60℃未満であると保存安定性が悪くなる傾向にあり、170℃をこえると色相が悪くなる傾向にある。
【0075】
記録媒体は、各色発色用のカプセルを混合し、発色記録層を1層としてもよく、また、発色記録層を2層以上積層しても良い。
【0076】
記録層のバインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビヤゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体および、これらの各種エマルジョンを用いることができる。
【0077】
本発明では、光堅牢性を向上させるために感光層の上に保護層を設けてもよい。前記保護層としては水溶性高分子、あるいは疎水性高分子のエマルジョンを塗布することが好ましい。
【0078】
本発明において、必要であれば、発色記録層と支持体の間や、積層した発色記録層の間に、色再現性を向上するために、中間層を設けても良い。これらの素材として、水溶性高分子、あるいは疎水性高分子のエマルジョンを塗布することが好ましい。
【0079】
本発明に用いる支持体としては、たとえば、紙、上質紙、コート紙等の紙類、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどのフィルムおよび樹脂類、紙類と樹脂類からなる合成紙があげられる。これらの中で、ポリエチレンコート紙、ポリエチレンテレフタレートのフィルムが平面平滑性、強度面から好ましい。また、感光感度を向上させるために、支持体の表面にアルミ蒸着などにより、反射層を形成してもよい。
【0080】
本発明の記録媒体を前記支持体に塗工するには、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、エアナイフコーターなどを用いることができる。
【0081】
本発明の記録方法において、使用する光は可視光でも赤外光でも、紫外光でもよく、材料の選択によって、これらの感光波長を調節することができる。
【0082】
本発明の記録媒体の最高発色濃度は、1.0以上であることが好ましく、より好ましくは、1.5以上である。発色濃度が、1.0より小さいと充分な色再現ができない傾向にある。
【0083】
【実施例】
以下、本発明の実施例を述べるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0084】
(発色濃度測定)
各実施例、比較例で得られた発色媒体について、加熱温度20〜170℃の範囲で温度制御したホットスタンプで加熱し、マクベス濃度計RD918(マクベス(Macbeth)社製)を用いて、発色濃度を測定した。
【0085】
実施例1
(1)ジアゾニウム塩を内包する熱応答性マイクロカプセルの製造
4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム(ダイトーケミックス製DH−300PF6)3重量部をフタル酸ジブチル19重量部に溶解した。ついで、この混合液に、キシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)8重量部を加えて均一に混合し、A液を得た。
【0086】
別途、n−オクチルグルコシド(日本精化(株)製ScuraphAG−8)0.2重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液64重量部を用意し、上記A液を添加し、ホモジナイザーを用いて8,000r.p.m、5分間乳化分散した。得られた乳化物に水20重量部を加えた後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで60℃まで昇温、60℃で3時間カプセル化反応を行なった。その後、35℃まで液温を下げ、イオン交換樹脂アンバーライトIRA67(オルガノ製)6.5重量部、イオン交換樹脂アンバーライトIRC50(オルガノ製)13重量部を加え、さらに1時間撹拌した。ついで、イオン交換樹脂を濾過し、カプセル液を得た。このカプセル溶液を、遠心分離およびデカンテーションにより濃縮し、増感剤として、トリメチロールプロパンをカプセル固体量の10重量%にあたる量を加え、乾燥させ、熱増感剤が表面に付着したカプセルAを得た。カプセルの平均粒径は1.0μmであった。
【0087】
(2)C発色カプセルの製造
トリメチロールプロパントリアクリレート80重量部に、カプラーとして2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボキシ−2’−メチルアニリン(ダイトーケミックス製DaitoGrounderOL)3重量部、波長増感色素としてスクワリリウム0.5重量部、光重合開始剤である2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン3重量部を加え、50℃で10分加熱撹拌し、つぎに、上記のカプセルA15重量部、溶媒成分を取り除いたキシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)10重量部を加えて均一に混合し、疎水性の液状成分を得た。つぎに、2%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液6重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液180重量部を用意し、上記疎水性の液状成分を添加し、ホモジナイザーを用いて、10分間乳化分散した後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで40℃まで昇温、40℃で3時間カプセル化反応を行なった。これにより、650nm付近に感光感度をもつC発色カプセルスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は7μmであった。
【0088】
(3)記録媒体の製造
上記C発色カプセルのカプセルスラリー液を20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液5重量部を混合し、塗工液とし、バーコート法で200μm厚のポリエチレンコート紙に塗布し、乾燥膜厚15μmの感光層をもつ記録媒体を得た。
【0089】
得られた記録媒体について、温度に対する発色濃度を測定した結果を図7に示す。
【0090】
実施例2
(1)ジアゾニウム塩を内包する熱応答性マイクロカプセルの製造
4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム3重量部、硫酸ジブチル3重量部を酢酸エチル10重量部に溶解し、さらにイソプロピルビフェニル6重量部を加え、均一に混合した。ついで、この混合液に、キシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)8重量部を加えて均一に混合し、A液を得た。
【0091】
別途、n−オクチルグルコシド(日本精化(株)製ScuraphAG−8)0.2重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液64重量部を用意し、上記A液を添加し、ホモジナイザーを用いて8,000r.p.m、5分間乳化分散した。得られた乳化物に水20重量部を加えた後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで60℃まで昇温、60℃で3時間カプセル化反応を行なった。その後、35℃まで液温を下げ、イオン交換樹脂アンバーライトIRA67(オルガノ製)6.5重量部、イオン交換樹脂アンバーライトIRC50(オルガノ製)13重量部を加え、さらに1時間撹拌した。ついで、イオン交換樹脂を濾過し、カプセル液を得た。この液から、水分を取り除き、カプセルB得た。カプセルの平均粒径は0.8μmであった。
【0092】
(2)C発色カプセルの製造
トリメチロールプロパントリアクリレート80重量部に、カプラーとして2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボキシ−2’−メチルアニリン(ダイトーケミックス製DaitoGrounderOL)3重量部、波長増感色素としてスクワリリウム0.5重量部、光重合開始剤である2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン3重量部、熱増感剤として、p−ベンジルオキシフェノール3重量部を加え、50℃で10分加熱撹拌し、つぎに、上記のカプセルA15重量部、溶媒成分を取り除いたキシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)10部を加えて均一に混合し、疎水性の液状成分を得た。つぎに、2%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液6重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液180重量部を用意し、上記疎水性の液状成分を添加し、ホモジナイザーを用いて、10分間乳化分散した後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで40℃まで昇温、40℃で3時間カプセル化反応を行なった。これにより、650nm付近に感光感度をもつC発色カプセルスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は5μmであった。
【0093】
(3)記録媒体の製造
上記C発色カプセルのカプセルスラリー液を20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液5重量部を混合し、塗工液とし、バーコート法で200μm厚のポリエチレンコート紙に塗布し、乾燥膜厚15μmの感光層をもつ記録媒体を得た。
【0094】
実施例3
(1)ジアゾニウム塩を内包する熱応答性マイクロカプセルの製造
4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム(ダイトーケミックス製DH−300PF6)3重量部、硫酸ジブチル3重量部を酢酸エチル10重量部に溶解し、さらにイソプロピルビフェニル6重量部を加え、均一に混合した。ついで、この混合液に、キシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)8部を加えて均一に混合し、A液を得た。
【0095】
別途、n−オクチルグルコシド(日本精化(株)製ScuraphAG−8)0.2重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液64重量部を用意し、上記A液を添加し、ホモジナイザーを用いて8,000r.p.m、5分間乳化分散した。得られた乳化物に水20重量部を加えた後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで60℃まで昇温、60℃で3時間カプセル化反応を行なった。その後、35℃まで液温を下げ、イオン交換樹脂アンバーライトIRA67(オルガノ製)6.5重量部、イオン交換樹脂アンバーライトIRC50(オルガノ製)13重量部を加え、さらに1時間撹拌した。ついで、イオン交換樹脂を濾過し、カプセル液を得た。この液から、水分を取り除き、カプセルC得た。カプセルの平均粒径は1.0μmであった。
【0096】
(2)C発色カプセルの製造
トリメチロールプロパントリアクリレート60重量部、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート20重量部に、カプラーとして2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボキシ−2’−メチルアニリン(ダイトーケミックス製DaitoGrounderOL)3重量部、波長増感色素としてスクワリリウム0.5重量部、光重合開始剤である2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン3重量部を加え、50℃で10分加熱撹拌し、つぎに、上記のカプセルA15重量部、溶媒成分を取り除いたキシレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(武田薬品工業(株)製タケネートD−110N)10部を加えて均一に混合し、疎水性の液状成分を得た。つぎに、2%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液6重量部を加えた6重量%ゼラチン水溶液180重量部を用意し、上記疎水性の液状成分を添加し、ホモジナイザーを用いて、10分間乳化分散した後、撹拌しながら、昇温速度1℃/minで40℃まで昇温、40℃で3時間カプセル化反応を行なった。これにより、650nm付近に感光感度をもつC発色カプセルスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は7μmであった。
【0097】
(3)記録媒体の製造
上記C発色カプセルのカプセルスラリー液を20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液5重量部を混合し、塗工液とし、バーコート法で200μm厚のポリエチレンコート紙に塗布し、乾燥膜厚15μmの感光層をもつ記録媒体を得た。
【0098】
実施例4
(1)C発色カプセルの製造
実施例1と同様にして、ジアゾニウム塩を内包する熱応答性マイクロカプセルを製造し、C発色カプセルを製造した。
【0099】
(2)M発色カプセルの製造
カプラーとして、C発色で用いた2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボキシ−2’−メチルアニリンの代わりに、N−メチル−4−ヒドロキシ−2−キノロン(東京化成工業(株)製)を、波長増感色素としてスクワリリウムの代わりにシアニン染料を用いた以外、実施例1のC発色カプセルと同様の方法で570nm付近に感光感度をもつM発色カプセルのスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は7μmであった。
【0100】
(3)Y発色カプセルの製造
カプラーとして2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボキシ−2’−メチルアニリンの代わりに2,5−ジエトキシアセトアセトアニリド(セイラー(sailor)社製)を、波長増感色素としてスクワリリウムの代わりにメロシアニン系染料を用いた以外、実施例1のC発色カプセルと同様の方法で490nm付近に感光感度をもつY発色カプセルのスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は7μmであった。
【0101】
(4)記録媒体の製造
上記C発色カプセル、Y発色カプセル、M発色カプセルの3種類のカプセルスラリー液をそれぞれ20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液15重量部を混合し、塗工液とし、バーコート法で200μm厚のポリエチレンコート紙に塗布し、乾燥膜厚30μmの感光層をもつフルカラー記録媒体を得た。
【0102】
続いて、得られたフルカラー記録媒体を使用した画像形成実験の結果について説明する。
【0103】
まず、画像信号をもったR、G、B光のLEDを用いてそれぞれ0.5mJ/cm2で露光し、その後、90℃に加熱したローラーで2秒加熱し画像を得た。このとき、フルカラー記録媒体上に形成された画像は、鮮明なフルカラー画像であった。
【0104】
実施例5
(1)YMC発色カプセルの製造
実施例4と同様にして、ジアゾニウム塩を内包する熱応答性マイクロカプセルを製造し、YMC色の各発色カプセルを製造した。
【0105】
(2)記録媒体の製造
各色カプセルスラリー液を20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液15重量部を混合し、支持体である200μm厚のポリエチレンコート紙に、バーコート法で、C発色カプセル層、中間層としてゼラチン層、M発色カプセル層、中間層としてゼラチン層、Y発色カプセル層、イタコン酸変性ポリビニルアルコール層を、この順に塗布し、乾燥膜厚45μmのフルカラー記録媒体を得た。
【0106】
続いて、得られたフルカラー記録媒体を使用した画像形成実験の結果について説明する。
【0107】
まず、画像信号をもったR、G、B光のLEDを用いてそれぞれ0.5mJ/cm2で露光し、その後、90℃に加熱したローラーで2秒加熱し画像を得た。このとき、フルカラー記録媒体上に形成された画像は、鮮明なフルカラー画像であった。
【0108】
比較例1
(1)C発色カプセルの製造
実施例2において、p−ベンジルオキシフェノールを添加しないこと以外は、実施例2と同様にして、C発色カプセルスラリー液(カプセル固形分含有量40重量%)を得た。カプセルの平均粒径は5μmであった。
【0109】
(2)記録媒体の製造
上記C発色カプセルのカプセルスラリー液を20重量部とバインダー樹脂としてポリビニルアルコールの20%水溶液5重量部を混合し、塗工液とし、バーコート法で200μm厚のポリエチレンコート紙に塗布し、乾燥膜厚15μmの感光層をもつ記録媒体を得た。
【0110】
図7より、実施例1、2、3の曲線は、比較例1の曲線に比べ、低温度側で発色濃度が立ち上がっており、発色濃度の最大値が比較例1に比べ大きく、増感剤の添加した実施例1、2、3では、比較例1に比べ、低温で発色し、発色濃度が向上した。
【0111】
【発明の効果】
マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質をカプセルの内側に含むことにより、発色温度を低下させる、つまり、必要とする加熱エネルギーを低減させることができ、一定の熱量を加えたときの発色濃度を向上することができる。
【0112】
さらに、カプセル内に作用物質を含むことから、カプセル外からの物質の流通を無くすことができ、2重カプセル外膜を固く、緻密にすることができるため、カプセル外との隔離能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマイクロカプセルの一模式図である。
【図2】 本発明のマイクロカプセルの一模式図である。
【図3】 本発明のマイクロカプセルの一模式図である。
【図4】 図1〜3記載のマイクロカプセルを用いた本発明記録媒体の一構成説明図である。
【図5】 図1〜3記載のマイクロカプセルを用いた本発明記録媒体の一構成説明図である。
【図6】 フルカラー画像記録の概念図である。
【図7】 加熱温度に対する発色濃度を表わすグラフであり、横軸が温度、縦軸が発色濃度である。
【符号の説明】
1 ジアゾニウム塩、2 カプラー、3 重合性化合物、4 光重合開始剤、5 熱応答性マイクロカプセル、6 外側のカプセル、8 Y発色カプセル、 9 M発色カプセル、10 C発色カプセル、11 バインダ、12 支持体、13 中間層、14 Y発色カプセルの硬化、15 M発色カプセルの硬化、 16 C発色カプセルの硬化、17 加熱、18 UV、19 B発色部、 20 G発色部、21 R発色部、22 熱増感剤、23 熱増感作用のある重合性化合物。
Claims (5)
- ジアゾニウム塩、カプラーのいずれかを熱応答性マイクロカプセルに内包し、熱応答性マイクロカプセル、熱応答性マイクロカプセルに内包されなかったジアゾニウム塩、カプラーのいずれか、重合性化合物、光重合開始剤をすべて内包するマイクロカプセルを含む記録層、および支持体からなる感光感熱記録材料において、マイクロカプセルの内側に、熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質を含有し、
熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質が重合性化合物である感光感熱記録材料。 - 熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質を、熱応答性マイクロカプセル表面に付着または浸透させ、熱応答性マイクロカプセルに物理的または化学的に結合している請求項1記載の感光感熱記録材料。
- 熱応答性マイクロカプセルの壁材のガラス転移点を低下させる物質を、熱応答性マイクロカプセルと外カプセルの間の重合性化合物に溶解、混合または分散させた請求項1記載の感光感熱記録材料。
- ジアゾニウム塩、カプラーの組み合わせを3組以上含み、3色以上の発色が可能である請求項1、2または3記載の感光感熱記録材料。
- 各マイクロカプセルが異なる波長の光によって重合するように、光重合開始剤または光重合開始剤と波長増感剤を組み合わせた請求項1、2、3または4記載の感光感熱記録材料。
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