JP4220253B2 - エレクトロルミネセンス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、正孔発生電極と有機発光層の間に新規な正孔輸送層を有する、新規な有機エレクトロルミネセンス装置に関する。これらの装置は、効率が高く、製造が容易かつ安価である。
近年、共役ポリマーなどの発光有機材料に大きな関心が寄せられてきた。発光ポリマーは、ポリマー主鎖に沿って非局在化したパイ電子系を有する。非局在化したパイ電子系は、ポリマーに半導体の特性を与え、ポリマー主鎖に沿って移動性の高い正および負の電荷キャリアを支持する能力を与える。これらの共役ポリマーの薄膜は、発光装置などの光デバイスの調製に使用することができる。これらの装置には、従来の半導体材料を使用して調製された装置に比べて、大面積表示が可能なこと、dc動作電圧が低いこと、製造が簡単なことを含めて、多くの利点がある。この種の装置は、たとえば、国際公開第90/13148号、米国特許第5,512,654号、および国際公開第95/06400号に記載されている。
有機およびポリマー性発光材料に基づく表示装置の世界市場は、最近Stanford Resources,Inc.によって、2002年には高い成長速度をもって2億米ドルと予測されており、この領域への高い関心に油を注いでいる(D.E.Mentley、「Flat Information Displays:Market and Technology Trends」9th edition、1998)。効率的かつ安定性の高い、低消費電力のLED装置は、市場の要求を満たすものであり、多くの会社および学術研究グループによって調製されている(たとえば、R.H.Friend等、Nature 1999、397、12を参照されたい)。
現在、全色の全プラスチック画面の実現に向けて大きな努力が払われている。この目標を達成するための主な課題は、(1)赤、緑、青の三原色の光を発する共役ポリマーを入手すること、(2)共役ポリマーを全色表示構造に加工および製造するのが容易でなければならないことである。ポリマーLED(PLED)などの有機エレクトロルミネセンス装置は、有機エレクトロルミネセンス化合物の化学構造を変化させることによって発光色を操作できるので、第1の要求を満たす見込みが大きい。しかし、発光層の化学的な性質を調整することは、多くの場合研究所規模では容易かつ安価であるが、工業規模では高価かつ複雑なプロセスとなり得る。加工の容易さおよび全色マトリックスの装置を作り上げるための第2の要求は、いかにして微細な多色ピクセルを微細パターン形成するか、また、いかにして全色発光を達成するかという課題を提起する。最近、インクジェット印刷および複合インクジェット印刷技術が、PLED装置のパターン形成に多くの関心を惹きつけてきた(たとえば、R.F.Service、Science 1998、279、1135、Wudl等、Appl.Phys.Lett.1998、73、2561、J.Bharathan、Y.Yang、Appl.Phys.Lett.1998、72、2660、およびT.R.Hebner、C.C.Wu、D.Marcy、M.L.Lu、J.Sturm、Appl.Phys.Lett.1998、72、519を参照されたい)。
最も基本的には、有機エレクトロルミネセンス装置は、一般に正孔注入電極と電子注入電極の間に配置された有機発光材料を含む。正孔注入電極(陽極)は、一般に透明なスズドープ酸化インジウム(ITO)でコーティングしたガラス基板である。電子注入電極(陰極)として一般的に使用される材料は、カルシウムやアルミニウムなど、仕事関数の低い金属である。
有機発光層として一般に使用される材料は、ポリ-フェニレン-ビニレン(PPV)およびその誘導体(たとえば、国際公開第90/13148号参照)、ポリフルオレン誘導体(たとえば、A.W.Grice、D.D.C.Bradley、M.T.Bernius、M.Inbasekaran、W.W.Wu、およびE.P.Woo、Appl.Phys.Lett.1998、73、629、国際公開第00/55927号、およびBernius等、Adv.Materials、2000、12、No.23、1737を参照されたい)、ポリナフチレン誘導体、ポリフェナントレニル誘導体などの共役ポリマー、およびアルミニウムキノリノール錯体(Alq3錯体、米国特許第A-4,539,507号参照)、キナクリドン(quinacridone)、ルブレン(ruburene)、スチリル染料(たとえば日本国特許出願公開第264692/1988号参照)などの小有機分子を含む。有機発光層は2つ以上の異なる発光性有機材料の混合物または個別層を含むことができる。
一般的な装置の構成は、たとえば国際公開第90/13148号、米国特許第A-5,512,654号、国際公開第95/06400号、R.F.Service、Science 1998、279、1135、Wudl等、Appl.Phys.Lett.1998、73、2561、J.Bharathan、Y.Yang、Appl.Phys.Lett.1998、72、2660、T.R.Hebner、C.C.Wu、D.Marcy、M.L.Lu、J.Sturm、Appl.Phys.Lett.1998、72、519、および国際公開第99/48160号に開示されており、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれている。
ITOなどの正孔注入層から有機発光層の中への正孔注入は、正孔注入層の仕事関数と発光材料の最高被占分子軌道(HOMO)の間のエネルギー差、および正孔注入層と発光層の界面での化学的相互作用によって制御される。正孔注入層の上に、ポリ(スルホン酸スチレン)をドープしたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT/PSS)、N,N'-ジフェニル-N,N'-(2-ナフチル)-(1,1'-フェニル)-4,4'-ジアミン(NBP)、N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(TPD)などの仕事関数の高い有機材料を堆積させると、発光層への正孔注入を容易にし、正孔を正孔注入電極から安定して輸送し、電子を遮断する「正孔輸送」層が提供される。これらの層は、発光層に導入された正孔の数を増加させるのに有効である。しかし、ITOの表面は明確ではなく、これらの従来の正孔輸送材料での界面の化学反応は制御が困難である。
PEDOT/PSSなどの仕事関数の高い有機材料の代りに、たとえば、欧州特許出願公開第1009045号、欧州特許出願公開第1022789号、欧州特許出願公開第1030539号、欧州特許出願公開第1041654号に、高抵抗の無機層を正孔輸送層として使用することが提案された。欧州特許出願公開第1022789号は、電子を遮断でき、正孔の通路を有する無機正孔輸送層を開示している。層は高い抵抗を有し、好ましくは103〜108Ω-cmの範囲であると記載されている。開示された材料は、一般式(Si1-xGex)Oyを有し、0≦x≦1および1.7≦y≦2.2である。この正孔輸送層の仕事関数は明確でなく、実際のxおよびyの単位元によって変化しがちである。欧州特許出願公開第1083776号および欧州特許出願公開第1111967号には、無機正孔輸送層を有するEL装置が開示されており、これは金属カルコゲニドおよび周期律表の5A族から8族元素の無機化合物の混合物を含んでいる。仕事関数を調整する所望の効果を提供するためには両方の成分が存在することが不可欠であり、金属カルコゲニドが層状の金属カルコゲニドであるべきという示唆はない。米国特許第A-6023128号は、有機配位子殻によって安定化された遷移金属カルコゲニドのクラスターが埋め込まれている母材を含む正孔輸送層を有するEL装置を開示している。電子的特性の調整は、これらのクラスターの働きによる量子サイズ効果によって達成される。正孔輸送層として、層状金属カルコゲニドの連続単層を用いるとの開示はない。
しかし、従来技術のこれらの材料よりも優れた正孔輸送材料、特に有機発光層との界面で化学的に不活性であり、優れた電力効率、低い駆動電圧、および高レベルの発光を有する装置を、簡単かつ低コストに製造できる材料が依然として必要とされている。
国際公開第90/13148号 米国特許第5,512,654号 国際公開第95/06400号 D.E.Mentley、「Flat Information Displays:Market and Technology Trends」9th edition、1998 R.H.Friend等、Nature 1999、397、12 R.F.Service、Science 1998、279、1135 Wudl等、Appl.Phys.Lett.1998、73、2561 J.Bharathan、Y.Yang、Appl.Phys.Lett.1998、72、2660 T.R.Hebner、C.C.Wu、D.Marcy、M.L.Lu、J.Sturm、Appl.Phys.Lett.1998、72、519 A.W.Grice、D.D.C.Bradley、M.T.Bernius、M.Inbasekaran、W.W.Wu、およびE.P.Woo、Appl.Phys.Lett.1998、73、629 国際公開第00/55927号 Bernius等、Adv.Materials、2000、12、No.23、1737 米国特許第A-4,539,507号 日本国特許出願公開第264692/1988 国際公開第99/48160号 欧州特許出願公開第1009045号 欧州特許出願公開第1022789号 欧州特許出願公開第1030539号 欧州特許出願公開第1041654号 欧州特許出願公開第1083776号 欧州特許出願公開第1111967号 米国特許第A-6023128号 Physics and Chemistry of Materials With Layered Structures、pub.D.Reidel/Dordrecht-Holland/Boston-USA T.Shimada、F.S.Ohuchi、およびB.A.Parkinson、Jap.J.App.Phys.33、2696(1994) J.A.WilsonおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.18、193(1969) 国際公開第00/26323号 P.Joensen、R.F.FrindtおよびS.R.Morrison、Mat.Res.Bull.21、457(1986) 米国特許第4,996,108号 D.W.Murphy、F.J.Di Salvo、G.W.Hull Jr.およびJ.V.Waszczak、Inorg.Chem.15、17(1976) R.H.FriendおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.36、1(1987)
したがって、本発明の目的は、新規な無機正孔輸送層を組み込んだエレクトロルミネセンス装置を提供することであり、前記エレクトロルミネセンス装置はその製造の容易さおよびその性能の両方において優れた特性を有する。
したがって、本発明の第1の態様において、正孔注入電極と、電子注入電極と、および前記正孔注入電極と前記電子注入電極の間に配設された少なくとも1つの有機発光層とを含むエレクトロルミネセンス装置が提供され、層状金属カルコゲニド層は前記正孔注入電極と前記発光層の間に配設されており、前記カルコゲニドのカルコゲン成分は、硫黄、セレン、およびテルルから選択される。
層状金属カルコゲニドは、公知のクラスの化合物(たとえば、Physics and Chemistry of Materials With Layered Structures、pub.D.Reidel/Dordrecht-Holland/Boston-USAを参照されたい)であり、それには、金属原子および硫黄、セレンおよびテルルから選択されたカルコゲン原子を層状構造に含む任意の化合物が含まれる。その例としては層状金属ジカルコゲニドおよび層状金属モノカルコゲニドがある。層状金属ジカルコゲニドは化学式MX2を有し、Mは金属を、Xは硫黄、セレン、またはテルルを表す。層状金属ジカルコゲニドの構造は、2枚のカルコゲン原子のシートに挟まれた1枚の金属原子のシートを含むことが好ましい。層状金属ジカルコゲニドにおいて、金属成分Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、およびタングステンなどの遷移金属、およびスズなどの非遷移金属から選択することが好ましい。さらに好ましくは、ニオブ、モリブデン、タンタル、スズ、およびタングステンであり、最も好ましくは、ニオブ、モリブデン、およびタンタルである。より好ましいカルコゲンは、硫黄およびセレンである。モノカルコゲニドを形成する金属にはガリウム、インジウム、およびタリウムがある。
以下でより詳細に説明するように、層状金属カルコゲニドは、正孔輸送層として使用するのに特に適したいくつかの特性を有する。それらは化学的に不活性であり、ダングリング・ボンドがなく、したがって、有機発光層および陽極に関して上記で言及した、従来技術の正孔輸送層の界面で見られた化学的な相互作用の問題が克服される。層状金属カルコゲニドは、仕事関数が高く、金属カルコゲニド層から有機発光層へ正孔を容易に輸送することができる。さらに、それらは薄膜を形成する化学的なプロセスを用いて、簡単かつ安価に加工することができる。
金属カルコゲニドの構造は、カルコゲン原子のシートに挟まれた金属原子のシートを含む。層状金属ジカルコゲニドでは、たとえば、金属シートは隣接する2枚のカルコゲンのシートと共有結合している。2枚の隣り合うMX2層はファンデルワールス力で互いに接合している。この構造は極めて異方性の高い機械的、化学的、および電気的な特性をもたらす。これらの材料の露出表面にはダングリング・ボンドがなく、したがって化学的に不活性である。このことによって、従来技術の装置の効率を低下させ有効寿命を短縮させる、正孔注入層(たとえばITO)および有機発光層(たとえばPPV)との界面での化学反応の問題が解消されるので、それらはエレクトロルミネセンス装置の正孔輸送層として使用するのに特に適したものとなる。
層状金属カルコゲニドは4〜6.5eVの範囲の高い仕事関数を示すが、5〜6.5eVが特に好ましい。たとえば、二セレン化ニオブ、二硫化モリブデン、二硫化スズ、二硫化タンタル、二セレン化バナジウム、セレン化インジウム、およびセレン化ガリウムの仕事関数は、それぞれ5.9、4.8、5.2、5.2、5.6、4.55、および5.8eVである(T.Shimada、F.S.Ohuchi、およびB.A.Parkinson、Jap.J.App.Phys.33、2696(1994)に開示されている光電子放出技術によって測定)。これらの材料の高い仕事関数は、これらの仕事関数の値が有機発光層のイオン化電位に近く、前記発光層への正孔輸送を容易にするので、それらは正孔輸送層として使用するのに特に適したものとなる。層状金属カルコゲニドの高い仕事関数、妥当な導電性、および露出面の不活性さによって、本発明のエレクトロルミネセンス装置の正孔注入電極(たとえばITO)から発光性層に正孔を注入することが容易になり、装置が特に効率的になる。
層状金属カルコゲニドの電気的特性は、絶縁体から半導体まで、および半金属から真の金属まで広く変化する。層状金属カルコゲニドの抵抗は、二セレン化ニオブおよび二硫化タンタルの約4×10-4Ω-cmなどの非常に低い値から、二硫化モリブデンにおける10Ω-cmの値の範囲に及ぶ。すでに上述したように、欧州特許出願公開第1022789号におけるような、無機正孔輸送層の従来の開示は、好ましい抵抗が1×103〜1×108Ω-cmであると教示している。層状金属カルコゲニドのいくつかが示す低い抵抗は、本発明のいくつかの装置が必要とする駆動電圧を低下することができる。
層状金属カルコゲニドの構造は、六方晶最密充填カルコゲン原子のシート2枚の間に挟まれた六方晶最密充填金属原子のシート1枚を含む。カルコゲン原子による金属原子の配位は、六方晶形(たとえば、二硫化チタンおよび二硫化バナジウム)または三方晶系三錐体(たとえば、二硫化モリブデンおよび二硫化ニオブ)である。MX2層は、ファンデルヴァールス力によって結合されており、いくつかのスタッキング多形が存在する(図1を参照)。1つの層が、共役結合したカルコゲンによって互いにクラッドされた金属原子の単層からなる場合、層間の弱い結合によって、極めて異方性の高い機械的および電子的特性がもたらされる。たとえば、二硫化モリブデンでは、平面に垂直な導電性は平面上のそれの102分の1以下である(J.A.WilsonおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.18、193(1969)を参照されたい)。
層状金属モノカルコゲニドの構造は、カルコゲン原子の六方晶最密充填シート2枚の間に挟まれた金属原子の六方晶最密充填シート2枚を、X-M-M-Xの順序で含む。2成分化合物では、カチオンは四面体配位を好む。X-M-M-X層の結合は共有結合である。金属-金属結合は、これらの材料の半導体的な挙動の原因である。層はファンデルヴァールス力によって互いに結合されており、いくつかのスタッキング多形が存在する。層間の弱い結合によって、極めて異方性の高い機械的および電子的特性がもたらされる。
金属原子の配位および酸化状態によって材料の電気的特性が決まる。たとえば、V族の金属原子(ニオブおよびタンタル)は三方晶系三錐体配位であり対応するジカルコゲニド材料は金属であるが、VI族原子(モリブデンおよびタングステン)もまた三方晶系三錐体配位であるが全dz帯を有し、したがって半導体である。二硫化モリブデンは六方最密充填配位および三方晶系三錐体配位の両方を有し、したがってそれぞれ金属性と半導体性のどちらになることもできる。
金属性金属カルコゲニドの吸収スペクトルは、材料がIRから可視光領域まで吸収することを示している。しかし、二セレン化ニオブなどの三方晶系三錐体材料の薄膜では、自由キャリア吸収は1eV以下であり、2eVを超える直接吸収端から十分分離している(J.A.WilsonおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.18、193(1969)を参照されたい)。したがって、層状金属カルコゲニドの非常に薄い膜を加工することによって、それらの発光の吸収は最小になる。したがって、層の厚さは決定的に重要ではないが、層状金属カルコゲニドの正孔輸送層の厚さは好ましくは3〜20nm、さらに好ましくは3〜10nm、最も好ましくは3〜7nmである。より厚い膜は、まだ有効であるが、発された光の20%以上を吸収し、したがって発光が減少する。
層状金属カルコゲニドが唯一の正孔輸送材料であることが好ましい。さらに、層状金属カルコゲニドの正孔輸送層が、正孔注入電極上の単一の連続薄膜を形成していることを理解されたい。米国特許第A-6023128号に開示されている、母材中に懸濁しているクラスターを参照のこと。
場合によって、層状金属カルコゲニドの正孔輸送層が、発光層をその上に堆積する前に少なくとも100℃(たとえば250℃)でアニールされると、いくつかの層状金属カルコゲニド材料の膜の整列が向上し、その導電性が高まるので、特に良好な特性を得ることができる。
発光層は1種または複数の有機発光材料を含むことができる。2種以上の有機発光材料が存在する場合には、これらは分離した個別の層として、または単一層中の前記材料の混合物として配設することができる。任意の有機発光材料が発光層に使用できる。適切な例には、ポリ-フェニレン-ビニレン(PPV)およびその誘導体(たとえば、国際公開第90/13148号参照)、ポリフルオレン誘導体(たとえば、A.W.Grice、D.D.C.Bradley、M.T.Bernius、M.Inbasekaran、W.W.Wu、およびE.P.Woo、Appl.Phys.Lett.1998、73、629、国際公開第00/55927号、およびBernius等、Adv.Materials、2000、12、No.23、1737参照)、ポリナフチレン誘導体、ポリインデノフルオレン誘導体、ポリフェナントレニル誘導体などの共役ポリマー、およびアルミニウムキノリノール錯体(Alq3錯体、米国特許第A-4,539,507号参照)、遷移金属錯体、TMHD(国際公開第00/26323号参照)など有機配位子を有するランタニドおよびアクチニド、およびキナクリドン、ルブレン、スチリル染料(たとえば日本国特許出願公開第264692/1988号参照)などの小有機分子が含まれ、上記の文献内容は参照により本明細書に組み込まれている。
好ましい発光ポリマー性材料の具体例には、以下の化学式、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)の共役単位を含むポリマーが含まれる。これらのポリマーはホモポリマーであることができ、あるいは2個以上の異なる共役単位、たとえばABが交互するコポリマーおよびターポリマー、および統計的なコポリマーおよびターポリマーを含むことができる。
Figure 0004220253
[式中、
各R8〜R15およびR17〜R33は、同じであるかまたは異なり、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、および式-COR16の基(R16は、ヒドロキシ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、アミノ基、アルキル部が以下に定義されるアルキルアミノ基、各アルキル部が以下に定義される同じまたは異なるジアルキルアミノ基、アラルキル部が以下に定義されるアラルキロキシ基、および少なくとも1つのハロゲン原子で置換された、以下に定義されるアルコキシ基を含むハロアルコキシ基からなる群から選択される)からなる群から選択され、
あるいは、rまたはsが2の場合、R32またはR33の2基は、それらが付着している環炭素原子とともに、5〜7個の環原子を有する複素環式の基を形成することができ、前記環原子の1つ以上が、窒素、酸素、および硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子であり、
各Z1、Z2、およびZ3は、同じであるかまたは異なり、O、S、SO、SO2、NR3、N+(R3')(R3")、C(R4)(R5)、Si(R4')(R5')、およびP(O)(OR6)からなる群から選択され、R3、R3'、およびR3"は、同じであるかまたは異なっており、各々が、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、および少なくとも1つの式-N+(R7)3基(各R7基は、同じであるかまたは異なり、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するアリール基からなる群から選択される)で置換された、以下に定義するアルキル基からなる群から選択され、R4、R5、R4'、およびR5'は、同じであるかまたは異なり、各々は、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ原子、シアノ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアラルキル基からなる群から選択され、あるいは、R4およびR5は、それらが付着している炭素原子とともにカルボニル基を表し、R6は、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアラルキル基からなる群から選択され、
各X1、X2、X3、およびX4は、同じであるかまたは異なり、
ニトロ基、シアノ基、アミノ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環上に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であるアリーレン基、
1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、
2〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニレン基、および、
1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニレン基から選択され、あるいは、
X1とX2、および/またはX3とX4が一緒になって以下の式(V)の連結基を表すことができ、
Figure 0004220253
(式中、X5はニトロ基、シアノ基、アミノ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環の中に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であるアリーレン基を表す)、
各e1、e2、f1、およびf2は、同じであるかまたは異なり、0または1から3までの整数であり、
各g、q1、q2、q3およびq4は、同じであるかまたは異なり、0、1、または2であり、
各h1、h2、j1、j2、j3、l1、l2、l3、l4、r、およびsは、同じであるかまたは異なり、0または1から4までの整数であり、
各i、k1、k2、o1、およびo2は、同じであるかまたは異なり、0または1から5までの整数であり、
各p1、p2、p3、およびp4は、0または1であり、
上記アルキル基は、1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基であり、
上記ハロアルキル基は、少なくとも1つのハロゲン原子で置換された、上で定義したアルキル基であり、
上記アルコキシ基は、1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基であり、
上記アルコキシアルキル基は、上で定義した少なくとも1つのアルコキシ基で置換された、上で定義したアルキル基であり、
上記アリール基、およびアラルキル基のアリール部(アルキル部に1〜20の炭素原子を有する)、および上記アリールオキシ基は、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、上で定義したアルキル基、上で定義したハロアルキル基、上で定義したアルコキシアルキル基、および上で定義したアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環上に6から14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基である]。
特に好ましい発光ポリマーは、式(VIII)、(IX)、(X)、(XIV)、および(XV)のグループを含むホモポリマー、コポリマー、およびターポリマーを含み、その例には、PPV、ポリ(2-メトキシ-5-(2'-エチル)ヘキシルオキシフェニレン-ビニレン)(「MEH-PPV」)、ジアルコキシなどのPPV誘導体、ジアルキル誘導体、ポリフルオレン誘導体、および関連するコポリマーがあり、最も好ましいポリマーには、PPV、MEH-PPV、ポリ(2,7-(9,9-ジ-n-ヘキシルフルオレン))、ポリ(2,7-(9,9-ジ-n-オクチルフルオレン))、ポリ(2,7-(9,9-ジ-n-オクチルフルオレン)-(1,4-フェニレン-((4-sec-ブチルフェニル)イミノ)-1,4-フェニレン))(「TFB」)、およびポリ(2,7-(9,9-ジ-n-オクチルフルオレン)-3,6-ベンゾチアジアゾール)(「F8BT」)がある。最も好ましい発光有機分子はAlq3錯体を含む。
1種または複数の発光層の厚さは決定的に重要ではない。層の正確な厚さは、発光層の1つまたは複数の材料の種類、および装置の他の成分の種類などの要因によって変化する。しかし、発光層の厚さ(または1層以上であれば組み合わせた厚さ)は一般に1〜250nmであり、好ましくは50〜120nm、さらに好ましくは70〜100nm、最も好ましくは75〜85nmである。
有機発光層は、その有機層の堆積に適した任意の方法を用いて、層状金属カルコゲニド正孔輸送層の上に堆積することができる。層状金属カルコゲニドは有機溶媒に溶解しないので、有機発光材料の溶液からのスピンコーティングがこの目的に特に適している(たとえば、国際公開第90/13148号を参照されたい)。
本発明のエレクトロルミネセンス装置は、一般に、基板(たとえばガラス)、正孔注入電極(たとえばITO)、層状金属カルコゲニド正孔輸送層、有機発光層(たとえばポリフルオレン)、および電子注入電極(たとえばCa/Al)を積み重ねた構成を有することができる。別法として、装置は、基板、電子注入電極、有機発光層、層状金属カルコゲニド正孔輸送層、および正孔注入電極の、逆に積み重ねた構成を有することができる。
当技術分野で知られた任意の技術を用いて、陽極上に層状金属カルコゲニド正孔輸送層を堆積することができる。しかし、低コストのプロセスで超薄膜を陽極上に堆積させることができるので、化学的手段が好ましい。
層状金属カルコゲニドを陽極上に堆積する適切な化学的プロセスは、Frindt等によって開発された方法に基づいている(P.Joensen、R.F.FrindtおよびS.R.Morrison、Mat.Res.Bull.21、457(1986)、および米国特許第4,996,108号を参照されたい)。このプロセスは、以下のステップを含む。
(a)MX2化合物の中へリチウム原子の挿入。
(b)挿入した材料に水を加え、リチウム原子によって水を還元する。その結果MX2層の間に発生した水素ガスが層の積み重ねを壊し(剥離)、その結果水中に懸濁したMX2の単層が作られる。
(c)水に懸濁したMX2の単層に、水と混和性のない溶媒を加え、次いで得られた混合物を攪拌して、溶媒/水の界面に形成されたMX2の薄膜を製造する。
(d)濡らしたITOコーティングガラス基板の下端を溶媒/水の界面に浸漬し、ITO表面上に、薄い配向膜としてMX2膜の展開を得る。MX2膜はITOコーティング基板に垂直のc軸に配向している。
層状金属カルコゲニド正孔輸送層は、正孔注入電極によって発生した正孔の優れた伝導路を提供する。また、半導体材料である層状金属カルコゲニドのいくつかは、電子が発光有機層から抜け出すのをある程度遮断することができ、したがって、発光層中の電子と正孔の流れの均衡およびそれらの捕捉の強化を助けることもできる。ただし、無機層状金属カルコゲニド正孔輸送層と発光有機層の間に、発光性層からの電子の輸送を抑制することのできる材料層を堆積することによって、電子を遮断する能力は、大きく強化される。
したがって、本発明の装置の特に好ましい実施形態では、有機発光層と層状金属カルコゲニド正孔輸送層の間に、前記発光層から前記層状金属カルコゲニド正孔輸送層への電子の輸送を抑制することのできる材料の層が提供される。この材料は、たとえば、有機発光層からの電子の輸送を抑制できることで従来技術に知られている材料の1つであることができ、欧州特許出願公開第1022789号および欧州特許出願公開第1041654号に開示されている一般式(Si1-xGex)Oy(0≦x≦1および1.7≦y≦2.2)などの材料、たとえば金属およびメタロイドの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物およびホウ化物である。
しかし、電子の輸送を抑制することのできる材料の薄層には、前記金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の酸化物が特に好ましい。これらの金属酸化物は、高効率の電子遮断体として働く。さらに、金属酸化物層の堆積は、層状金属カルコゲニドの露出した表面を、それを正孔注入層の上に堆積した後で酸化することによって実施することができるので、非常に簡単である。金属酸化物は化学量論的または非化学量論的であることができ、酸化物層の実際の組成は、前記層を製造するのに用いた酸化条件に応じて変えることができる。加えて、ポリマー溶液は、層状金属カルコゲニド層よりもはるかに良好に金属酸化物層を濡らし、より少ないピンホールおよびより低い洩れ電流をもたらす(すなわち、より高効率)。
金属酸化物(MOs)を層状金属カルコゲニド(LMC)層上に組み込んだ、これらの好ましい有機エレクトロルミネセンス装置は、以下の典型的な構造、すなわちガラス/ITO/LMC/MO/有機発光層/Ca/Alを有している。それらの装置は、製造コストが低く、動作電圧が低く、高効率である。
電子を遮断する金属酸化物膜の堆積方法としては、スパッタや蒸着など、種々の物理的および化学的な成膜方法が含まれる。酸素プラズマ発生器中での層状金属カルコゲニド層の酸化が特に好ましい。一般に、酸化はRF酸素プラズマ発生器中で、酸素圧力0.3〜0.5ミリバール、250Wで行われる。プラズマ発生器中での処理の長さによって、酸化物膜の厚さが制御される。金属酸化物膜の好ましい厚さは、装置の特性によって変わるが、装置の効率にとって重要ではない。しかし、特に効率的な電子-正孔の均衡は、1〜10nmの金属酸化物膜を含む装置で達成され、2〜6nmの厚さを有する金属酸化物膜がさらに好ましく、2〜3nmの厚さを有する金属酸化物膜が最も好ましい。1nm未満の厚さを有する膜は電子の遮断効率を下げ、一方、4nm以上の厚さの膜は、場合によって、有機発光層中への正孔注入の効率が低いことがある。酸化速度は関係するLMC/MO材料および発生器の設定に依存する。
層状金属カルコゲニド層の金属の酸化物など、電子を遮断する薄膜を含む装置では、有機発光層は電子遮断膜層の上に堆積される。層状金属カルコゲニド及び金属酸化物層は有機溶媒に非溶解性であるので、有機発光層は溶液からスピンコーティングによって無機層の上に堆積することができ、これは簡単かつコストの低い手順である。
一部の装置では、「電子輸送」層が、電子注入層と発光層の間に設けられる(たとえば適切な化合物には、欧州特許出願公開第1009045号に開示されているものなどの、仕事関数が4eVまでの、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはランタノイド元素の酸化物が含まれる)。これらは、電子を発光層の中に注入することを容易にし、電子注入層から電子を安定して輸送し、正孔を遮断する。これらの層は発光層への電子数を増加させるのに効果的である。特に好ましいのは、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、および酸化セシウムである。電子輸送層の厚さはそれを構成する材料によって変わるが、一般に0.1〜2nm、好ましくは0.3〜0.8nmである。
本発明の有機エレクトロルミネセンス装置をその上に形成することのできる基板としては、一般にそれらの装置に使用されている任意のもの、たとえば、ガラス、石英、およびSi、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPの結晶質基板が含まれる。この中でガラス基板が特に好ましい。
正孔注入電極は、エレクトロルミネセンス装置においてこの目的で一般に使用されている任意の材料から形成することができる。適切な材料の例には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム、酸化スズ、および酸化亜鉛が含まれ、中でもITOが特に好ましい。正孔注入電極の厚さは、正孔注入材料およびエレクトロルミネセンス装置の他の成分の種類によって変わる。一般に、電極は50〜500nmの厚さ、特に50〜300nmの厚さを有する。
電子注入電極は、エレクトロルミネセンス装置においてこの目的で一般に使用されている任意の材料から形成することができる。適切な材料の例には、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、ランタン、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、銀、インジウム、スズ、亜鉛、ジルコニウムなどに仕事関数の低い金属、およびそれらの金属を含有する二元または三元合金が含まれる。これらの中で、アルミニウムとカルシウムの連続する層、および1〜20重量%のカルシウムを含有するアルミニウム-カルシウム合金が好ましい。電子注入電極の厚さは、電子注入材料およびエレクトロルミネセンス装置の他の成分の種類によって変わる。一般に、電極は0.1〜500nmの厚さであり、少なくとも1nmが好ましい。
典型的な本発明の有機エレクトロルミネセンス装置は、無機の層状金属カルコゲニド正孔輸送層、無機金属酸化物の電子遮断層、および陽極と陰極に挟まれた有機発光層を含む。これらの装置は、層を堆積するのに必要なプロセスが簡単であり、ほとんどの層状金属カルコゲニドは安価であり、容易に入手可能なので、製造するのが安価である。特に、上で概説した、全てが化学式の安価な装置加工技術は、調製の容易な低コストの装置を提供する。本発明のエレクトロルミネセンス装置は効率が高く、ある装置では、10Lum/ワット以上の電力効率をもち、ある装置では、6Vで60,000Cd/m2以上の発光で非常に明るい。有機/無機複合装置は、有機材料と無機材料の両方の利点を有し、本発明の装置の高い性能は有機/無機の相乗効果を表している。
本発明は以下の図面を参照して、以下の例を考慮することによって、さらに理解することができよう。
最初に、基板/正孔注入層/層状金属カルコゲニド正孔輸送層構造の製造プロセスを説明し、次いでこの構造に基づく有機エレクトロルミネセンス装置の二者択一的な2つの種類、1つは層状金属カルコゲニド層と有機発光層の間の金属酸化物層を有するもの、もう1つはそれの無いものについて説明する。これらの例では、使用する層状金属カルコゲニドは全て層状金属ジカルコゲニドである。
リチウム挿入、剥離および成膜
挿入
層状金属ジカルコゲニド化合物にリチウム原子を挿入するために、n-ブチルリチウム(Bu-Li)のヘキサン溶液を用いた。一般的な反応では、D.W.Murphy、F.J.Di Salvo、G.W.Hull Jr.およびJ.V.Waszczak、Inorg.Chem.15、17(1976)に開示されている手順に基づいて、市販の層状金属ジカルコゲニド(MX2)粉0.5gを、アルゴン下の乾燥したシュレンクウェア(Schlenkware)中で、ヘキサン中の1.6モルBu-Liに3日間浸漬した。挿入反応は、次の通りである。
yBu-Li+MX2 → LiyMX2+(y/2)C8H18
LiyMX2生成物を無水ヘキサン中で洗い、真空下で乾燥し、次いでグローブボックスに移して保存した。挿入された化合物にはリチウム原子はMX2層の間のファンデルヴァールス空隙に配置されている(R.H.FriendおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.36、1(1987)を参照されたい)。
剥離
用いたプロセスは、P.Joensen、R.F.FrindtおよびS.R.Morrison、Mat.Res.Bull.21、457(1986)、および米国特許第4,996,108号に記載されているプロセスに基づく。上の挿入ステップで作製したLiyMX215〜20mgをグローブボックス内でガラス瓶に装入して取り出した。直ちに5〜10mlの脱イオン水を加え、溶液を超音波処理(一般に1時間)した。剥離反応は以下のように起きる。
LiyMX2+H2O → yLiOH+(y/2)H2+MX2
MX2層の間で発生した水素ガスは層の積み重ねを破壊して、水に懸濁しているMX2(SL)の単層を生成する。SL懸濁液を遠心分離し、沈殿物を洗浄/攪拌し、上澄みのpHが7に下がって、沈殿物中に水酸化リチウムが残っていないことを示すまで再び遠心分離した。
成膜
用いたプロセスは、P.Joensen、R.F.FrindtおよびS.R.Morrison、Mat.Res.Bull.21、457(1986)、および米国特許第4,996,108号に記載されているプロセスに基づく。3mlの脱イオン水を、SL沈殿物および数分間超音波処理した懸濁液に加えた。次いで、2〜3mlのキシレンまたはトルエンを超音波処理したSL懸濁液に加えた。溶媒は混和せず、無機材料は水(下部)相にある。ガラス瓶を振ると、薄いMX2の膜が水と有機溶媒の界面に成長し、また、ガラス瓶の壁を上昇した。場合によっては、使用した材料の性質、および所望の膜の種類によって、溶媒を加えた後、震盪する前にさらに超音波処理を行うことができることに留意すべきである。次いで、濡らした、清浄な、かつ酸素プラズマ処理を行ったITO被覆ガラス基板(たとえば、国際公開第90/13148号に記載されたように調製した。図2および6の1、2)を界面に浸漬した。界面のMX2の薄膜(図2および6の3)が基板上に展開した。膜の厚さはSL懸濁液の濃度によって制御され、一般に4〜7nmであった(AFM(原子力分光器およびXPS(X線光電子分光器)の測定によって求めた)。
装置構造
有機発光材料の薄膜は、この目的に適した任意の技術を用いて、上で作製した無機層の表面にコーティングすることができる。有機溶媒中のポリマー溶液からのスピンコーティング(たとえば、国際公開第90/13148号に開示されている)は特に好ましい。以下の例では、ポリ(2,7-(9,9-ジ-n-オクチルフルオレン)-(1,4-フェニレン-((4-sec-ブチルフェニル)イミノ)-1,4-フェニレン))(「TFB」)とポリ(2,7-(9,9-ジ-n-オクチルフルオレン)-3,6-ベンゾチアジアゾール)(「F8BT」)のキシレン中15mg/ml濃度のポリフルオレン混合物(F8BT:TFB(3:1))を、上で述べたように作製したコーティング基板の無機層上にスピン(スピンは2500rpmで60秒かかり、最終スピン速度に達するように徐々に加速した)し、膜厚75〜80nmを生成した(図2および6の4)。
装置を完成させるために、次いで、正孔輸送層の上に上述のようにして堆積した有機発光膜の表面上に、電子注入層を堆積した。電子注入材料として使用するのに適した任意の材料を使用することができ、それらの材料および堆積手段の例は上に述べてある。本例では、最初にカルシウム層(図2および6の5)を<8×10-6ミリバールの圧力でポリマー膜の上に蒸着によって堆積し、続いて、<5×10-6ミリバールの圧力でアルミニウム層(図2および6の6)を蒸着した。
これらの例では、2組の装置を作製した。
装置の第1組では、図2(尺度なし)に示すように、ポリマー層を堆積する前に、正孔輸送層として働くように、ITO層の上に二硫化モリブデン、二セレン化ニオブまたは二硫化タンタルを堆積した(すなわち、金属ジカルコゲニド層とポリマー層の間に酸化物層がない)。加えて、各金属ジカルコゲニドについて、ポリマー層の堆積の前に金属ジカルコゲニド層を処理(圧力10-5ミリバール、温度230〜240℃で10時間)した装置も作製した。これは装置性能に対する金属ジカルコゲニド膜のアニーリングの影響を調査するために行った。
この従来技術の装置と性能を比較するために、ガラス/ITO/PEDOT:PSS/F8BT:TFB/Ca/Alの構造を有する対照実験装置も、装置の各バッチで調製した。
装置6個(3材料、アニールあり、アニールなし)についてのI-V-Lスペクトルを図3〜5に示し、これらから導くことのできるデータを以下の表1にリストする。
Figure 0004220253
二硫化タンタル(TaS2)で得られた低い電流密度と輝度の値は、多分、XPSおよびAFM測定の両方で観察される膜の不連続性によるものである。アニールした二硫化モリブデン(MoS2)層を有する装置の電流密度が、アニールなしの膜のそれに比べて低いのは、アニーリングによって材料に金属から半導体相への転移が生じることによるものである(J.A.WilsonおよびA.D.Yoffe、Adv.Phys.18、193(1969)を参照のこと)。アニーリングは、いずれの場合も装置の輝度の向上をもたらすことが判る。
装置の第2組では、金属ジカルコゲニド層を酸素プラズマで250W、1、5、10、または20分間処理した。この結果、金属ジカルコゲニド層の表面上に金属酸化物の薄膜が形成された(図6の7)。酸素プラズマ処理が長いほど、生成された金属酸化物層は厚い。上で説明したように、このことによって電子補足特性が向上し、発光ポリマー層中での電子の保持が増加し、したがって望ましくは輝度が増加することが望まれた。XPS測定によって求めると、二硫化モリブデンの場合、酸化物層の組成はMoO3であり、二硫化タンタルおよび二セレン化ニオブでは酸化物の組成はTaO5およびNb2O5である。装置の第1の組については、各MX2/MOの組み合わせで、金属ジカルコゲニド層をアニールした追加の装置を作製した。装置の構造を図6(尺度なし)に示す。
我々はプラズマ処理の前に金属ジカルコゲニド層をアニーリングすること、およびプラズマ処理の長さが装置の性能に影響を与えることを見出した。選択されたI-V-Lおよび電力スペクトルは図7〜12にプロットされている(図7および8はニオブベースの装置の結果を示し、図9および10はモリブデンベースの装置の結果を示し、図11および12はタンタルベースの装置の結果を示す)。これらのスペクトルから導かれるデータは以下の表2に示されている。
Figure 0004220253
Figure 0004220253
Figure 0004220253
注入層および遮断層の厚さ、および混合組成物が最適化されていないにも拘らず、以上のことから、装置が非常に高い発光および電力効率を呈することが分かる。指摘すべき重要なことは、寿命および安定性の測定がまだ実施されていない点である。しかし、金属カルコゲニドおよび対応する金属酸化物が高温(>750℃)で安定であるので、これらの装置が適度に安定性があり寿命の長いことが期待される。
結論として上の結果は、層状金属カルコゲニドが、有機エレクトロルミネセンス装置において正孔輸送層として使用するのに非常に有望な材料になる、いくつかの重要な特性、
I.高い仕事関数
II.容易な化学(溶液)加工
III.連続した超薄膜を形成する能力
IV.対応する絶縁酸化物への簡単な転換
V.高温での安定性
VI.化学的に不活性
を表すことを示した。
2H-MoS2の原子構造を示す図である。 層状金属ジカルコゲニド正孔輸送層を有する、本発明によるエレクトロルミネセンス装置の概略図である。 本発明によるガラス/ITO/MS2/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/MS2/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/MS2/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 層状金属ジカルコゲニド正孔輸送層および金属酸化物電子遮断層を有する、本発明によるエレクトロルミネセンス装置の概略図である。 本発明によるガラス/ITO/NbSe2/Nb2O5/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/NbSe2/Nb2O5/F8BT:TFB/Ca/Al装置の電力効率および光効率スペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/MoS2/MoO3/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/MoS2/MoO3/F8BT:TFB/Ca/Al装置の電力効率および光効率スペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/TaS2/Ta2O5/F8BT:TFB/Ca/Al装置のI-V-Lスペクトルを示す図である。 本発明によるガラス/ITO/TaS2/Ta2O5/F8BT:TFB/Ca/Al装置の電力効率および光効率スペクトルを示す図である。

Claims (29)

  1. 正孔注入電極、電子注入電極、および前記正孔注入電極と前記電子注入電極の間に配設された少なくとも1つの有機発光層を含むエレクトロルミネセンス装置であって、層状金属カルコゲニド層が、前記正孔注入電極と前記発光層の間に配設され、前記カルコゲニドのカルコゲン成分が、硫黄、セレン、およびテルルから選択される装置。
  2. 前記層状金属カルコゲニドが、唯一の正孔輸送材料である請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  3. 前記層状金属カルコゲニドが、4〜6.5eVの仕事関数を有する請求項1または2に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  4. 前記層状金属カルコゲニドが、5〜6.5eVの仕事関数を有する請求項1または2に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  5. 前記層状金属カルコゲニドが、1×10-4〜10Ω-cmの抵抗を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  6. 前記層状金属カルコゲニドが、層状金属ジカルコゲニドである請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  7. 前記層状金属ジカルコゲニドの金属成分が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、タングステン、およびスズからなる群から選択される請求項6に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  8. 前記層状金属ジカルコゲニドの金属成分が、ニオブ、モリブデン、タンタル、スズ、およびタングステンからなる群から選択される請求項6に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  9. 前記層状金属カルコゲニドのカルコゲン成分が、硫黄およびセレンからなる群から選択される請求項1、2、および6から8のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  10. 前記層状金属カルコゲニドが、二硫化タンタル、二硫化モリブデン、および二セレン化ニオブからなる群から選択される請求項1に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  11. 前記層状金属カルコゲニド層が、3〜20nmの厚さを有する請求項1から10のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  12. 前記層状金属カルコゲニド層が、3〜10nmの厚さを有する請求項1から10のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  13. 前記層状金属カルコゲニド層が、3〜7nmの厚さを有する請求項1から10のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  14. 前記層状金属カルコゲニド層を、前記正孔注入電極の上に堆積した後、少なくとも100℃の温度でアニールする請求項1から13のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  15. 前記有機発光層が、1種または複数の有機発光材料または有機発光材料の混合物の単層または複数の層を含み、前記1種または複数の有機発光材料が、ポリフェニレンビニレン(PPV)およびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリナフチレンおよびその誘導体、ポリインデノフルオレンおよびその誘導体、ポリフェナントレニルおよびその誘導体、アルミニウムキノリノール(Alq3)錯体、遷移金属の錯体、有機配位子を有するランタニドおよびアクチニド、およびキナクリドン、ルブレン、およびスチリル染料からなる群から選択される請求項1から14のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  16. 前記有機発光層が、1種または複数の有機発光材料または有機発光材料の混合物の単層または複数の層を含み、前記1種または複数の有機発光材料が、アルミニウムキノリノール(Alq3)錯体、およびホモポリマーであるかまたは2個以上の異なる共役単位を含むことのできる発光共役ポリマー性材料からなる群から選択され、ここで前記ポリマーが、以下の化学式、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、および(XV)の群から選択される共役単位を含む
    Figure 0004220253
    [式中、
    各R8〜R15およびR17〜R33は、同じであるかまたは異なり、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、および式-COR16の基(R16は、ヒドロキシ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、アミノ基、アルキル部が以下に定義されるアルキルアミノ基、各アルキル部が以下に定義される同じまたは異なるジアルキルアミノ基、アラルキル部が以下に定義されるアラルキロキシ基、および少なくとも1つのハロゲン原子で置換された、以下に定義されるアルコキシ基を含むハロアルコキシ基からなる群から選択される)からなる群から選択され、
    あるいは、rまたはsが2の場合、R32またはR33の2基は、それらが付着している環炭素原子とともに、5〜7個の環原子を有する複素環式の基を形成することができ、前記環原子の1つ以上が、窒素、酸素、および硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子であり、
    各Z1、Z2、およびZ3は、同じであるかまたは異なり、O、S、SO、SO2、NR3、N+(R3')(R3")、C(R4)(R5)、Si(R4')(R5')、およびP(O)(OR6)からなる群から選択され、R3、R3'、およびR3"は、同じであるかまたは異なっており、各々が、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、以下に定義するアラルキル基、および少なくとも1つの式-N+(R7)3基(各R7基は、同じであるかまたは異なり、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するアリール基からなる群から選択される)で置換された、以下に定義するアルキル基からなる群から選択され、R4、R5、R4'、およびR5'は、同じであるかまたは異なり、各々は、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ原子、シアノ基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアラルキル基からなる群から選択され、あるいは、R4およびR5は、それらが付着している炭素原子とともにカルボニル基を表し、R6は、水素原子、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリール基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアラルキル基からなる群から選択され、
    各X1、X2、X3、およびX4は、同じであるかまたは異なり、
    ニトロ基、シアノ基、アミノ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環上に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であるアリーレン基、
    1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、
    2〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニレン基、および、
    1〜6の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニレン基から選択され、あるいは、
    X1とX2、および/またはX3とX4が一緒になって以下の式(V)の連結基を表すことができ、
    Figure 0004220253
    (式中、X5はニトロ基、シアノ基、アミノ基、以下に定義するアルキル基、以下に定義するハロアルキル基、以下に定義するアルコキシアルキル基、以下に定義するアリールオキシ基、および以下に定義するアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環の中に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であるアリーレン基を表す)、
    各e1、e2、f1、およびf2は、同じであるかまたは異なり、0または1から3までの整数であり、
    各g、q1、q2、q3およびq4は、同じであるかまたは異なり、0、1、または2であり、
    各h1、h2、j1、j2、j3、l1、l2、l3、l4、r、およびsは、同じであるかまたは異なり、0または1から4までの整数であり、
    各i、k1、k2、o1、およびo2は、同じであるかまたは異なり、0または1から5までの整数であり、
    各p1、p2、p3、およびp4は、0または1であり、
    上記アルキル基は、1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基であり、
    上記ハロアルキル基は、少なくとも1つのハロゲン原子で置換された、上で定義したアルキル基であり、
    上記アルコキシ基は、1〜20の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基であり、
    上記アルコキシアルキル基は、上で定義した少なくとも1つのアルコキシ基で置換された、上で定義したアルキル基であり、
    上記アリール基、およびアラルキル基のアリール部(アルキル部に1〜20の炭素原子を有する)、および上記アリールオキシ基は、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、上で定義したアルキル基、上で定義したハロアルキル基、上で定義したアルコキシアルキル基、および上で定義したアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で任意に置換することのできる、1個または複数の環上に6から14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基である]
    請求項1から15のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  17. 前記有機発光層が、PPV、ポリ(2-メトキシ-5-(2'-エチル)ヘキシルオキシフェニレン-ビニレン)(「MEH-PPV」) PPVのジアルキルおよびジアルコキシ誘導体、ポリフルオレン誘導体、および関連するコポリマー、およびAlq3錯体からなる群から選択される請求項1から14のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  18. 材料の層が、前記有機発光層と前記層状金属カルコゲニド正孔輸送層の間に配設され、前記有機発光層から前記層状金属カルコゲニド正孔輸送層への電子の移動を抑制することができる請求項1から17のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  19. 前記有機発光層から前記層状金属カルコゲニド正孔輸送層への電子の移動を抑制することのできる前記材料が、前記金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の酸化物である請求項18に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  20. 前記層状金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の前記酸化物層が、層状金属カルコゲニドが前記正孔注入電極の上に堆積された後に、層状金属カルコゲニドの層の露出表面を酸化することによって形成される請求項19に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  21. 前記層状金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の前記酸化物層が、1〜10nmの厚さを有する請求項19または20に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  22. 前記層状金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の前記酸化物層が、2〜6nmの厚さを有する請求項19または20に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  23. 前記層状金属カルコゲニド層の金属と同じ金属の前記酸化物層が、2〜3nmの厚さを有する請求項19または20に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  24. 電子輸送層が、前記電子注入電極と前記有機発光層の間に配設されている請求項1から23のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  25. 前記電子輸送層が、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、および酸化セシウムからなる群から選択される請求項24に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  26. 前記正孔注入電極が、ガラス、石英、ならびにSi、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、およびInPの結晶質基板からなる群から選択された基板上に形成される請求項1から25のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  27. 前記正孔注入電極が、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム、酸化スズ、および酸化亜鉛からなる群から選択される材料から形成される請求項1から26のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  28. 前記電子注入電極が、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、ランタン、セリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、銀、インジウム、スズ、亜鉛、およびジルコニウム、ならびに前記金属を含有する二元または三元合金からなる群から選択される材料から形成される請求項1から27のいずれか一項に記載のエレクトロルミネセンス装置。
  29. (a)前記金属ジカルコゲニドにリチウム原子を挿入するステップと、
    (b)得られた挿入した材料に水を加えて剥離反応を起こし、水中に懸濁した前記金属ジカルコゲニドの単層を作製するステップと、
    (c)ステップ(b)の生成物に水と混和性のない溶媒を加え、次いで得られた混合物を攪拌して、溶媒/水の界面に層状金属ジカルコゲニドの薄膜を作製するステップと、
    (d)基板上に支持された前記正孔注入電極を濡らし、次いで上記ステップ(c)で作製された溶媒/水の界面に浸漬し、層状金属ジカルコゲニドの薄膜を前記正孔注入電極の表面に展開させるステップとによって、前記正孔注入電極上に前記層状金属ジカルコゲニドを堆積させるステップを含む、請求項6から28のいずれか一項に記載の、層状金属ジカルコゲニド層を有するエレクトロルミネセンス装置を製造する方法。
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