JP4242976B2 - ビスピリジニウム化合物を含有する光情報記録媒体 - Google Patents
ビスピリジニウム化合物を含有する光情報記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報の書き込みが可能な情報記録媒体特に情報記録媒体の製造に有利に用いることが出来る化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な情報記録媒体(光ディスク)が知られている。該情報記録媒体は、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、従来のCDの作製に比べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に提供できる利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。
CD−R型の情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。そして光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常780nm付近の波長のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形させることにより行われる。一方情報の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
【0003】
近年、記録密度のより高い情報記録媒体が求められている。記録密度を高めるには、照射されるレーザの光径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレーザ光ほど小さく絞ることができるため、高密度化に有利であることが理論的に知られている。そのため、従来から用いられている780nmより短波長のレーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの開発が進めらいる。
【0004】
一方、特開昭63−209995号公報には、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設けられたCD−R型の情報記録媒体が開示されている。この色素化合物を用いることにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維持し得るとされている。そしてここには、分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素化合物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、記録層用化合物としてビスピリジニウム化合物を使用すれば、CD−Rに使用されている780nmより遙かに短波長のレ−ザ−光(例えば、波長550nm以下のレ−ザ−光)によっても問題なく記録ピットが形成され、実用的に充分な反射率を得ることが出来ることを見出した。
従って、本発明の主な目的は、波長550nm以下のレ−ザ−光を照射することにより情報の記録および再生を好適に行なうことが出来る情報記録媒体および該情報記録媒体を用いる情報の記録方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者により、記録層に一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物を用いることにより、波長390〜450nmのレーザー光に対して優れた記録再生特性を有する情報記録媒体が見出された。
前記の課題は下記の(1)〜(4)により解決された。
(1) 基体上に、波長390〜450nmのレーザー光を照射することにより情報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体において、該記録層が、下記一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物からなることを特徴とする情報記録媒体。
【0007】
【化2】
【0008】
式(I−2)中、R 5 及びR 6 はそれぞれ置換基を表し、R 7 及びR 8 は各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリ−ル基または複素環基を表し、R 5 とR 6 、R 5 とR 7 、R 6 とR 8 またはR 7 とR 8 は各々互いに連結して環を形成してもよく、rおよびsは各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR 5 及びR 6 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。X p− は陰イオンを表し、pは1以上の整数を表し、qは電荷を均衡させるために必要な数を表す。
式(I−3)中、R 9 及びR 10 はそれぞれ置換基を表し、R 9 とR 10 は互いに連結して環を形成してもよく、rおよびsは各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR 9 及びR 10 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。X p− は陰イオンを表し、pは1以上の整数を表し、qは電荷を均衡させるために必要な数を表す。
(2) 前記陰イオンがハロゲン陰イオン、スルホネ−トイオン、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、またはリン酸イオンであることを特徴とする(1)に記載の情報記録媒体。
(3) 前記陰イオンがハロゲン陰イオンであることを特徴とする(1)または(2)に記載の情報記録媒体。
(4) 記録層上に反射層が設けられていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の情報記録媒体。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の情報記録媒体は、記録層が下記一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物からなることを特徴とする。
【0010】
【化3】
【0011】
本発明に係るビスピリジニウム化合物は、ビスピリジニウム成分であるカチオン性を示す成分(以下単に、カチオン部と称す)とアニオン性を示す成分(以下単に、アニオン部と称す)からなる。
まず、カチオン部について詳述する。
【0012】
式中、R 5 、R 6 、R 9 及びR 10 は、各々独立に置換基を表し、R 7 及びR 8 は、各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、R 5 とR 6 、R 5 とR 7 、R 6 とR 8 、R 7 とR 8 又はR 9 とR 10 は各々互いに連結して環を形成してもよく、r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR 5 及びR 6 または複数のR 9 及びR 10 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0013】
上記R 7 およびR 8 で表されるアルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基である。これらは、直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよい。これらの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、ネオペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル及びシクロプロピル等が挙げられる。
【0014】
アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニル);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、ナフチル);
ハロゲン原子(例、F、Cl、Br等);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールチオ基(例、フェニルチオ); 炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル);
【0015】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ);
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル);
炭素数7〜11の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、ナフトキシカルボニル);
無置換のアミノ基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ);
【0016】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル);
無置換のスルファモイル基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル);
シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;
ヘテロ環基(例、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、クマリン環)。
【0017】
上記R 7 およびR 8 で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0018】
上記R 7 およびR 8 で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルキニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。
アルキニル基の置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0019】
上記R 7 およびR 8 で表されるアラルキル基は、炭素数7〜18の置換もしくは無置換のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、メチルベンジル等が好ましい。アラルキル基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが挙げられる。
【0020】
上記R 7 およびR 8 で表されるアリール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
アリール基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。またこれらの他に、アルキル基(例えば、メチル、エチル等)も好ましい。
【0021】
上記R 7 およびR 8 で表される複素環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和又は不飽和の複素環であり、これらの例としては、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、及びクマリン環が挙げられる。複素環基は置換されていてもよく、その場合の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
【0022】
R 5 及びR 6 で表される置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものと同義である。またこれらの他に、アルキル基(例えばメチル、エチル等)も挙げることができる。
本発明においては、R 5 及びR 6 で表される置換基は、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。特に好ましくは、水素原子である。
【0023】
前記カチオン部は、下記一般式(I−2)又は(I−3)で表される。
【0024】
【化4】
【0025】
式中、R5 及びR6 は、それぞれ置換基を表す。R7及びR8 は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリ−ル基または複素環基を表し、R 5 とR 6 、R 5 とR 7 、R 6 とR 8 またはR 7 とR 8 は各々互いに連結して環を形成してもよい。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR5及びR6 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0026】
【化5】
【0027】
式中、R9及びR10は、それぞれ置換基を表し、R 9 とR 10 は互いに連結して環を形成してもよい。R9 とR10は、互いに連結して炭素環または複素環を形成している場合も好ましく、特に好ましくは、R9とR10がそれぞれ結合しているピリジン環との縮合芳香環である。r及びsは、各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR9及びR10は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0028】
次に、アニオン部について詳述する。
Xp-で表されるアニオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素、沃素イオンなど)、スルホネ−トイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1、3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1、5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2、6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオンなど)、またはオキソノ−ル色素などを挙げることが出来る。
【0029】
pは1以上の整数(好ましくは1〜4)を表し、qは電荷を均衡するために必要な数(0以上、好ましくは0〜4)を表し、分子内で塩を形成する場合は0である。
一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物は、任意の炭素原子上で2種が連結して、ビス型構造を形成していてもよい。
【0030】
本発明に係る一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物は、2、2’−ビピリジルあるいは4、4’ −ビピリジルを目的の置換基をもつハロゲン化合物とのメンシュトキン反応(例えば、特開昭61−148162号公報参照)あるいは、特開昭51−16675号公報、および特開平1−96171号公報に記載の方法に準ずるアリ−ル化反応により容易に得ることが出来る。
【0031】
本発明に係る前記一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物は単独で用いても良いし、または二種以上を併用しても良い。
【0032】
本発明で用いられる一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物の具体的化合物例を以下に記載する。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
記録層は、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有することが好ましい。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。
一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(II)
【0046】
【化18】
【0047】
(但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQ- はアニオンを表わす。)
【0048】
一般式(II)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q- のアニオンの例としては、ClO4-、AsF6-、BF4-、及びSbF6-が好ましい。
一般式(II)で表される化合物の例を表1に記載する。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層及び光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
【0051】
本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグループが形成された基板を用いることが可能である。本発明の光情報記録媒体の場合、該トラックピッチは0.3〜0.8μmが好ましく、更に0.4〜0.6μmが好ましい。
【0052】
本発明の光情報記録媒体は、例えば、以下に述べるような方法により製造することができる。光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0053】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0054】
記録層の形成は、前記ビスピリジニウム化合物さらに所望により色素、クエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。ビスピリジニウム化合物含有層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1、2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用するビスピリジニウム化合物等の溶解性を考慮して単独または二種以上併用して適宜用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0055】
結合剤を使用する場合に結合剤の例としては、たとえばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般にビスピリジニウム化合物に対して0.01倍量〜50倍量(重量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(重量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の濃度は、一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0056】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
【0057】
記録層の上には、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザーに対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であり、更に好ましくはAg、Auであり、特にAgが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。光反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲が好ましい。
【0058】
光反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けるのが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち2枚の基板を記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 N4 等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0059】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜14m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザーなどの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記録されると考えられる。本発明においては、記録光として390〜450nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー、中心発信波長515nmの青緑色半導体レーザー、中心発信波長850nmの赤外半導体レーザーを光導波路素子を使って半分の波長にした中心発信発振波長425nmの青紫色SHGレーザーであり、中でも記録密度の点で青紫色半導体またはSHGレーザーが特に好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザーを基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0060】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0061】
[実施例1]本発明の化合物を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液(濃度:1重量%)を得た。この塗布液を表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:0.6μm、グルーブ幅:0.3μm、グルーブの深さ:0.15μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコートし、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約120nm)を形成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業社製)を塗布し、紫外線を照射して層厚7μmの保護層を形成した。以上の工程により本発明に従う光情報記録媒体1〜10を得た。また、本発明の化合物の代わりに比較のための化合物A、B、CおよびD(化合物重量は本発明試料の場合と同等)を用いた他は上記と全く同様にして比較用の光情報記録媒体C−1〜4を得た。
【0062】
[光情報記録媒体の評価]作製した光情報記録媒体に線速度3.5m/sで14T−EFM信号を波長408nmの青紫色半導体レーザーで記録した後、記録特性を測定した。記録および記録特性評価はパルステック社製DDU1000を用いた。各試料の記録層に用いた化合物および得られた評価結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
比較例に用いた化合物A〜Dの構造式を次に示す。
【0065】
【化19】
【0066】
上記表2の結果から、本発明の化合物を含有する記録層からなる記録媒体1〜10は、比較例C−1〜4に比べて高い感度、高い反射率および高い変調度を示しており、従って大きな信号強度を高感度で得ることができることがわかる。
【0067】
【発明の効果】
本発明のビスピリジニウム化合物を用いることにより、高反射率、高感度、高変調度を有する光情報記録媒体を得ることができる。特にCD−RやDVD−Rの場合よりも短波長のレーザーを用いて上記効果が得られることから、より高密度の情報記録媒体および記録再生法を提供することができる。
Claims (4)
- 基体上に、波長390〜450nmのレーザー光を照射することにより情報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体において、該記録層が、下記一般式(I−2)又は(I−3)で表されるビスピリジニウム化合物からなることを特徴とする情報記録媒体。
式(I−2)中、R 5 及びR 6 はそれぞれ置換基を表し、R 7 及びR 8 は各々独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリ−ル基または複素環基を表し、R 5 とR 6 、R 5 とR 7 、R 6 とR 8 またはR 7 とR 8 は各々互いに連結して環を形成してもよく、rおよびsは各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR 5 及びR 6 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。X p− は陰イオンを表し、pは1以上の整数を表し、qは電荷を均衡させるために必要な数を表す。
式(I−3)中、R 9 及びR 10 はそれぞれ置換基を表し、R 9 とR 10 は互いに連結して環を形成してもよく、rおよびsは各々独立に0〜4の整数を表し、そしてrとsが2以上の場合には、複数のR 9 及びR 10 は各々互いに同じであっても異なっていてもよい。X p− は陰イオンを表し、pは1以上の整数を表し、qは電荷を均衡させるために必要な数を表す。 - 前記陰イオンがハロゲン陰イオン、スルホネ−トイオン、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、またはリン酸イオンであることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記陰イオンがハロゲン陰イオンであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
- 記録層上に反射層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報記録媒体。
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