JP4247703B2 - ガス冷油冷真空炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被処理物を光輝処理するガス冷油冷真空炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
金型などの被処理物を冷却する場合、光輝処理するときには、加熱後、高圧ガス冷のみを行うか、あるいは油冷却するしかなかった。また、表面に酸化膜が生成される処理方法(非光輝処理)、ソルトバス法や光輝処理炉である温度域まで冷却後に大気中で油冷却を行うか、大気中で衝風冷却を行っている。
【0003】
また一般に、金型などの製造の際には焼入れが行われている。こういった金型は物が大きいことから、冷却する際に、冷却速度が遅いと焼入れ不適合組織(ベイナイト等)が析出し、逆に冷却速度が速すぎると焼き割れが発生することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のガス冷油冷真空炉では、焼き割れを防止の観点から油の温度を低く設定することが許されない。すなわち、焼き割れを防止の制約から被処理物に対する冷却下限温度が規定されてしまう。したがって、被処理物をさらに低い温度まで冷却する必要がある場合には、別工程で被処理物を冷却することになる。したがって、光輝処理が可能でかつ冷却域に合わせた冷却が可能なマルチ冷却ではないので、冷却の効率が悪いという欠点を有している。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)油冷後の被処理物をさらに低温域まで冷却する。
(2)光輝処理が可能なマルチ冷却を実現する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
第1の手段として、被処理物(W)を加熱装置(25)により加熱すると共に第1のガス冷却装置(27)によりガス冷却する加熱空冷室(2)と、被処理物(W)を油冷却装置(5)により油冷却する油冷室(1)とを備えたガス冷油冷真空炉において、加熱空冷室(2)は、300kPa以上2000kPa以下の圧力に対する耐圧性能を備えるという構成を採用する。
【0007】
また、第2の手段として、上記第1の手段において、加熱空冷室(2)は被処理物(W)を均等に冷却する機構(21a)を有するという構成を採用する。
【0008】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段において、油冷室(1)に、油冷却後の被処理物(W)に脱油用のガスを吹き付けて脱油する脱油手段(6)を備えるという構成を採用する。
【0009】
第4の手段として、上記第1から第3いずれかの手段において、油冷室(1)に、油冷却装置(5)による油冷却後の被処理物(W)にガスを吹き付けてガス冷却する第2のガス冷却装置(6)を備えるという構成を採用する。
【0010】
第5の手段として、上記第3又は第4の手段において、脱油手段(6)あるいは第2のガス冷却装置(6)は、被処理物(W)の上面及び側面を覆うと共に上面にガス供給口(61b)が形成された第1のカバー(61)と、該第1のカバー(61)内に上方から被処理物(W)にガス(Z)を吹き付けるガス供給装置(63)とからなるという構成を採用する。
【0011】
第6の手段として、上記第3から第4いずれかの手段において、油冷却装置(5)は油(Y)を貯留する油槽(51)を備え、脱油手段(6)あるいは第2のガス冷却装置(6)は、ガスの吹き付け時に下方に落下する油(Y)が油槽(51)内に回収されるように前記油槽(51)の上方に配置されるという構成を採用する。
【0012】
第7の手段として、上記第3から第6いずれかの手段において、脱油手段(6)あるいは第2のガス冷却装置(6)は、第1のカバー(61)を覆う第2のカバー(62)と、該第2のカバー(62)の上方に配置されガスを加熱あるいは冷却する熱交換器(64)とを有し、第2のカバー(62)の側部には、ガス(Z)がガス供給口(61b)へ向けて流通する流通孔(62b)が設けられ、第2のカバー(62)の上部には、第1のカバー(61)と第2のカバー(62)との間を通過したガス(Z)が前記第2のカバー(62)の外部へ向けて流通する開口部(62a)とが設けられ、ガス供給装置(63)は開口部(62a)の上方に配置されるという構成を採用する。
【0013】
第8の手段として、上記第7の手段において、ガス供給口(61b)を所定の間隔を隔てて多数設けるという構成を採用する。
【0014】
第9の手段として、上記第1から第8いずれかの手段において、油冷室(1)は油(Y)の温度をコントロールする制御装置(52)を有するという構成を採用する。
【0015】
第10の手段として、上記第1から第9いずれかの手段において、油冷室(1)は油(Y)の流れを均等化する整流器(53)を有するという構成を採用する。
【0016】
第11の手段として、上記第1から第10いずれかの手段において、加熱空冷室(2)と油冷室(1)との間には、加熱空冷室(2)の耐圧性能を維持しつつ密閉可能なクラッチ式密閉扉(3)又はクランプ式密閉扉が設けられるという構成を採用する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の一実施形態に係るガス冷油冷真空炉について説明する。図1は本ガス冷油冷真空炉の断面図である。
この図1に示すように、本ガス冷油冷真空炉は、油冷室1、加熱空冷室2(空冷室)、クラッチ式密閉扉3及び搬送装置4から構成されている。
【0018】
油冷室1は、油により被処理物Wを冷却する油冷却装置5と、不活性ガス等のガスZにより被処理物Wを冷却するガス冷却装置6(脱油手段,第2のガス冷却装置)と、開閉することにより油冷室1の内部の空間を隔てる開閉板7とから構成されている。油冷却装置5は油冷室1の下部に設けられる一方、ガス冷却装置6は油冷室1の上部に設けられている。また、開閉板7は、油冷却装置5とガス冷却装置6との間に設けられている。
【0019】
油冷却装置5は、図2に示すように、冷却用の油Yが貯留された油槽51と、油Yの温度を制御する制御装置52と、油槽51の両側に設けられ、油槽51内を循環する油Yの流れを均等化する整流器53から構成されている。なお、このような油冷却装置5によって油冷却される被処理物Wは、図示しない昇降機構によって、トレーT上に載置された状態で油槽51内に搬入されると共に油槽51内から搬出される。
【0020】
ガス冷却装置6は、図3に示すように、第1のカバー61と、第2のカバー62と、ファン63(ガス供給装置)と、熱交換器64と、支持板65とから構成されている。第1のカバー61と第2のカバー62とは、板状の支持板65を介して油冷室1内において上記油槽51の上方に固定されている。ファン63は、第1のカバー61及び第2のカバー62の上方に固定されている。ここで、熱交換器64は、ファン63の側方に設けられており、ガスZを熱交換によって冷却する第1の熱交換器として機能する一方、ガスZを加熱する第2の熱交換器としても機能するものである。
【0021】
さらに、第1のカバー61は、被処理物Wの上面及び側面を覆うように箱型に形成されている。この第1のカバー61の形状及び位置は、側面を伝って落下する油Yが油槽51内に回収されるように設定されている。また、このような第1のカバー61の上部にはガス取入部材61aが設けられている。このガス取入部材61aは、紙面に直交する方向に対向する2面が開口とされた箱形部材である。ガス取入部材61aの下面(すなわち第1のカバー61の上面)には、複数の貫通孔61b(ガス供給口)が所定間隔で規則的に配置された多孔板61c(均等化手段)として構成されている。
【0022】
第2のカバー62は、第1のカバー61の上面及び側面を覆うように箱型に形成されたものであり、その側部の最下端は、上記第1のカバー61の最下端よりも下方に位置するよう形成されている。この第2のカバー62の上部には開口部62aが設けられる一方、側部(左側と右側)には流通孔62bが設けられている。また、支持板65における第1のカバー61と第2のカバー62との間の部分にも流通孔65aが設けられている。
【0023】
ファン63は、第2のカバー62の開口部62aの上方に位置している。このファン63は、遠心ファンであって、開口部62a介して下方から吸い込んだガスZを側方の熱交換器64に向けて吐き出す。熱交換器64は、第2のカバー62aの上方かつファン63の側方に配置されており、ガスZを冷却あるいは加熱するものである。この熱交換器64は、ガス冷却装置6を第2のガス冷却装置として機能させる場合はガスZを冷却し、一方、ガス冷却装置6を脱油手段として機能させる場合には、被処理物Wに付着した油Yの粘性を低下させるためにガスZを加熱する。
【0024】
加熱空冷室2は、図1に示したように、油冷室1に連接されて設けられており、加熱空冷室2を構成する油冷室1側の壁体は、加熱空冷室2と油冷室1との空間を隔てると共に加熱空冷室2内を気密に保つクラッチ式密閉扉3として構成されている。なお、このクラッチ式密閉扉3は、クランプ式密閉扉として構成してよい。この加熱空冷室2は、300kPaから2000kPaの耐圧性能を備える。加熱空冷室2内には、図4に示すように、断熱室22と、ヒータ25(加熱装置)と、第1のガス冷却装置27とが設けられている。
【0025】
断熱室22は、被処理物Wを収容すると共に断熱構造を有する部屋であり、箱型に形成されている。この断熱室22を構成する壁体のうち、クラッチ式密閉扉3側の壁体22cには、循環ファン21の軸21cが取り付けられており、循環ファン21の本体21bは、クラッチ式密閉扉3に取り付けられている。つまり、クラッチ式密閉扉3が開閉することで、壁体22cが断熱室22を開閉するようになっている。なお、この循環ファン21は、クラッチ式密閉扉3(クラッチ式密閉扉3をクランプ式密閉扉とした場合には、クランプ式密閉扉)に取り付ける他、加熱空冷室2の側面に取り付けてもよい。
【0026】
そして、壁体22cが開閉することで断熱室22内部に被処理物Wが出し入れできるようになっている。循環ファン21は、ファン21aが回転することでガスXを断熱室22内で循環させるものである。ヒータ25は、断熱室22内部の被処理物Wを均一に加熱するものであり、断熱室22の内部に所定の間隙を隔てて配置されている。また、断熱室22の上側壁には上部格子箱22aが、下側壁には下部格子箱22bがそれぞれ設けられている。
【0027】
第1のガス冷却装置27は、不活性ガス等のガスXによって被処理物Wをガス冷却するものであり、上部格子箱22a、下部格子箱22b、ガス流案内板26、熱交換器23及び冷却ファン24とから構成されている。上部格子箱22aと下部格子箱22bとは厚板の格子状に形成されており、断熱室22内に冷却用のガスXを循環させるための開口として機能すると共に、このガスXを均等流とする機能とを併せ持つものである。
【0028】
ガス流案内板26は、後述する冷却ファン24から送られたガスXが断熱室22内に向かうようガスXの流れを案内するものである。熱交換器23は、冷却フィンチューブ23dから構成されており、冷却フィンチューブ23dは、本体23aに格納されている。
【0029】
本体23aには、開口部23eが形成されており、開口部23eは、冷却ファン24の先端と連続して形成されている。つまり、本体23a内を通過したガスXが冷却ファン24の先端を通り、冷却ファン24の側方へ送り込まれるようになっている。本体23aは、ガス方向切替板23bに囲われている。ガス方向切替板23bは、上部に取り付けられた操作棒23cを上下動させることにより、ガスXの循環方向を切り替えるものである。図示する状態(ガス方向切替板23bが押し下げられた状態)では、ガスXは矢印で示すように加熱空冷室2を反時計方向に循環し、これに対してガス方向切替板23bが押し上げられた状態では、ガスXは時計方向に循環する。
【0030】
次に、このように構成された本ガス冷油冷真空炉の動作、つまり被処理物Wの焼き入れ処理について詳しく説明する。
まず、搬送装置4上に被処理物Wを載置すると、被処理物Wは油冷室1内を通過して加熱空冷室2の断熱室22内に搬送される。そして、クラッチ式密閉扉3が閉じられて、加熱空冷室2内が密閉状態とされる。この状態において、加熱空冷室2内は所定真空度の真空状態とされた後、ヒータ25が通電されることによって被処理物Wが、例えば1000℃程度の温度まで加熱される。又は、加熱空冷室2内が真空状態とされた後、不活性ガスが充満され、ヒータ25が通電され、循環ファン21が回転し、被処理物Wが例えば850℃程度の温度まで加熱された後に、再度真空引きが行われ、例えば1000℃程度の温度まで加熱される。
【0031】
このような加熱処理の後、被処理物Wは第1のガス冷却装置27によってガス冷却される。すなわち、加熱空冷室2内にガスXが導かれ、さらに冷却ファン24が作動してガスXが加熱空冷室2内を循環することにより、被処理物Wは例えば500℃までガス冷却される。ここで、最初から油冷却を行わないのは、油冷は焼き割れの危険があるからである。そして、ひずみが大きいため焼き入れに関する組織に問題のない高温域では、高圧ガス冷却が行われる。ガスXは、循環過程において熱交換器23を通過することにより冷却されて断熱室22内に戻される。また、このガスXは、循環過程において、ガス流制御板26によって流れ方向が設定されると共に、上部格子箱22a及び下部格子箱22bによって均等流化されて被処理物Wに吹き付けられる。このようなガスXの循環によって、被処理物Wは高速に均等に冷却される。
【0032】
このような第1のガス冷却装置27によるガス冷却が終了すると、被処理物Wは油冷却装置5によって油冷却される。すなわち、被処理物Wは、加熱空冷室2から油冷室1内に移送され、油槽51内の油Yに浸漬される。ここで、油Yの温度は、被処理物Wが焼き割れを起こさないように制御装置52によって予め設定されている。油槽51内の被処理物Wは、油Yとの熱交換によって、例えば250℃まで冷却される。
【0033】
このような油冷却において、油Yは、矢印で示すように右側から左側に流れ、左側の整流器53を経由して外部に取り出され、油槽51外に設けられた熱交換器によって冷却されて右側の整流器53を介して油槽51内に戻される。被処理物Wは、このような油Yの循環によって急速冷却される。また、油Yは整流器53によって被処理物Wの各部位に均等に当たるので、被処理物Wは、各部位が均等に冷却される。
【0034】
続いて、上述した油冷却装置5による油冷却が終了すると、被処理物Wは上方に移送されて、ガス冷却装置6によって例えば150℃まで冷却される。ガス冷却される。すなわち、被処理物Wは、図3に示すように第1のカバー61内に収容され、この状態においてファン63が回転することにより、油冷室1内に注入されたガスZが矢印で示すように循環する。この際、ガスZは、ファン63が回転することにより側方に吐き出され、熱交換器54を通過することにより冷却される。そして、上部空間1a内で支持板65によって方向が制御され、第2のカバー62の流通孔62bを通過する。そして、ガス取入部材61aの開口端を介して多孔板61cへと至る。
【0035】
多孔板61cへ至ったガスZは、そこで各貫通孔に振り分けられることにより被処理物Wに均等に吹き付けられる。そして、被処理物Wを回り込んで第1のカバー61の最下端に至った後、第1のカバー61の側部を回り込み、第1のカバー61と第2のカバー62との間を通って流通孔65a及び開口部62aを介してファン63へと戻る。
【0036】
ここで、ガスZが被処理物Wに上方から吹き付けられることによって、被処理物Wの表面に付着していた油Yは、飛散して第1のカバー61の内面に付着する。第1のカバー61の内面に付着した油Yは、重力とガスZの風圧とによって第1のカバー61の側部を伝って落下し、油槽51内に回収される。つまり、被処理物WをガスZによって冷却する際の油Yの飛散は、第1のカバー61内に限定されて、飛散する部分の面積が最小限に抑えられると共に、第1のカバー61内に飛散した油Yは、油槽61内に容易に回収される。特に、熱交換器64は第1のカバー61の外部に配置されているので、熱交換器64への油Yの飛散は起こらない。
【0037】
上記の構成によれば、加熱空冷室2は300kPa〜2000kPaの耐圧性能を有するので、第1のガス冷却装置27による被処理物Wの冷却の際、ガスXの圧力を高くすることができる。したがって、被処理物Wを高速に冷却することができ、その結果、被処理物Wの不適合組織の発生を抑えることができる。
【0038】
また、油冷却後のガス冷却を行うガス冷却装置6は油冷却を行う油冷室1内に設けられているので、油冷却後における被処理物Wの冷却を加熱空冷室2内で行う必要がない。つまり、油冷却後のガス冷却を加熱空冷室2内のガス冷却装置によって行った場合には、ガスを被処理物Wに吹き付けることにより飛散した油が加熱空冷室2内に付着し、次の被処理物Wを真空加熱する際に所定の真空度が得られないといった事態が生じてしまうが、このようなことが起こらない。
【0039】
また、油冷室1内は加熱空冷室2と比べて高い真空度を必要としないので、ガス冷却によって第1のカバー61内に油Yが飛び散った場合でも、その飛散量は油冷室1内を所定の真空度にするための妨げとならない。また、ガス冷却装置6が油冷室1内に設けられていることで、油冷却によって所定の温度まで冷却された後、さらに被処理物Wを冷却するのが容易となる。これは、一般に油の温度を調整するのは時間がかかるからである。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態において、熱交換器64はガスを冷却するために用いられていたが、この熱交換器64はガスを加熱するために用いてもよい。この際、油冷却が終了した後、被処理物に付着している油Yを落とす目的で用いるとよい。なぜならば、油Yは加熱されることで粘性が低くなり、容易に被処理物から取り除かれて油槽61内に落下するからである。このようにすることで、後に熱交換器64をガス冷却用に用いた場合、油の飛散がさらに抑えられ、被処理物を炉外に抽出した際の油ダレが抑えられる。
【0041】
(2)上記実施形態において、加熱空冷室2は内部にヒータ25を備えていたが、このヒータ25を設けずに、ガス冷却のみを行う空冷室単体として構成してよい。
【0042】
(3)上記実施形態において、ガス冷油冷真空炉は、被処理物Wを搬送装置4から搬入して所定の処理をした後、搬送装置4に搬出するリバース方式として構成されていたが、このガス冷油冷真空炉は、図5に示すように、加熱空冷室2から搬入して所定の処理をした後、搬送装置4に搬出するストレートスルー方式として構成してよい。この場合、図5に示すように、図1の冷却ファン24の位置する箇所にクラッチ式密閉扉3がもう一つ設けられる装置構成となる。このような構成とすることで、クラッチ式密閉扉3を開閉することにより被処理物Wを図5の右側から左側へ向けて順次処理することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理物を加熱装置により加熱すると共に第1のガス冷却装置によりガス冷却する加熱空冷室と、被処理物を油冷却装置により油冷却する油冷室とを備えたガス冷油冷真空炉において、加熱空冷室は、300kPa以上2000kPa以下の圧力に対する耐圧性能を備え、油冷室に、油冷却装置による油冷却後の被処理物にガスを吹き付けてガス冷却する第2のガス冷却装置を備えるので、被処理物が大物である場合の冷却は、高温域を高圧ガス冷、中温域を油冷、低温域をガス冷とすることができる。被処理物が小物である場合の冷却は、加熱空冷室による高圧ガス冷のみとすることができる。つまり、マルチ冷却が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係るガス冷油冷真空炉を示す概略断面図である。
【図2】 この発明の一実施形態に係るガス冷油冷真空炉における油冷室の油冷却装置を示す概略断面図である。
【図3】 この発明の一実施形態に係るガス冷油冷真空炉における油冷室のガス冷却装置を示す概略断面図である。
【図4】 この発明の一実施形態に係るガス冷油冷真空炉における加熱空冷室を示す概略断面図であって、(a)が正面断面図、(b)が側面断面図である。
【図5】 この発明の他の実施形態に係るガス冷油冷真空炉を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 油冷室
2 加熱空冷室
3 クラッチ式密閉扉
6 ガス冷却装置(脱油手段,第2のガス冷却装置)
25 加熱装置
27 第1のガス冷却装置
51 油槽
52 制御装置
53 整流器
61 第1のカバー
61a ガス取入部材
61b 貫通孔(ガス供給口)
61c 多孔板(均等化手段)
62 第2のカバー
62a 開口部
63 ファン(ガス供給装置)
64 熱交換器(第1の熱交換器、第2の熱交換器)
W 被処理物
Y 油
Z ガス
Claims (7)
- 被処理物(W)を加熱装置(25)により加熱すると共に第1のガス冷却装置(27)によりガス冷却する加熱空冷室(2)と、前記被処理物(W)を油冷却装置(5)により油冷却する油冷室(1)とを備えたガス冷油冷真空炉において、
前記油冷室(1)に、油冷却後の前記被処理物(W)に脱油用のガス(Z)を吹き付けて脱油する脱油手段(6)あるいは前記油冷却装置(5)による油冷却後の前記被処理物(W)に前記ガス(Z)を吹き付けてガス冷却する第2のガス冷却装置(6)とを備え、
前記脱油手段(6)あるいは前記第2のガス冷却装置(6)は、前記被処理物(W)の上面及び側面を覆うと共に上面にガス供給口(61b)が形成された第1のカバー(61)と、前記第1のカバー(61)を覆うと共に上部に開口部(62a)が設けられた第2のカバー(62)と、前記開口部(62a)の上方に位置し、当該開口部(62a)を介して下方から吸い込んだガス(Z)を側方の熱交換器(64)に向けて吐き出す遠心ファン(63)と、前記該第2のカバー(62)の上方に配置され前記ガス(Z)を加熱あるいは冷却する熱交換器(64)と、該熱交換器(64)を通過した前記ガス(Z)が前記第2のカバー(62)の流通孔(62b)を通過するように前記ガス(Z)の流れを制御する支持板(65)とを有し、
前記第2のカバー(62)の側部には、前記ガス(Z)が前記ガス供給口(61b)へ向けて流通する流通孔(62b)が設けられ、
前記第2のカバー(62)の上部には、前記第1のカバー(61)と前記第2のカバー(62)との間を通過した前記ガス(Z)が前記第2のカバー(62)の外部へ向けて流通する開口部(62a)とが設けられ、
前記ガス供給装置(63)は、前記熱交換器(64)の側方かつ前記開口部(62a)の上方に配置される
ことを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1記載のガス冷油冷真空炉において、
前記加熱空冷室(2)は、回転することでガス(X)を循環させるファン(21a)を有することを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1又は2記載のガス冷油冷真空炉において、
前記油冷却装置(5)は油(Y)を貯留する油槽(51)を備え、前記脱油手段(6)あるいは前記第2のガス冷却装置(6)は、前記ガス(Z)の吹き付け時に下方に落下する前記油(Y)が前記油槽(51)内に回収されるように前記油槽(51)の上方に配置されることを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1から3いずれかに記載のガス冷油冷真空炉において、
前記ガス供給口(61b)を所定の間隔を隔てて多数設けることを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1から4のいずれかに記載のガス冷油冷真空炉において、
前記油冷室(1)は、前記油(Y)の温度をコントロールする制御装置(52)を有することを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1から5のいずれかに記載のガス冷油冷真空炉において、
前記油冷室(1)は、前記油(Y)の流れを均等化する整流器(53)を有することを特徴とするガス冷油冷真空炉。 - 請求項1から6のいずれかに記載のガス冷油冷真空炉において、
前記加熱空冷室(2)と前記油冷室(1)との間には、前記加熱空冷室(2)の耐圧性能を維持しつつ密閉可能なクラッチ式密閉扉(3)又はクランプ式密閉扉が設けられることを特徴とするガス冷油冷真空炉。
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