JP4256303B2 - 締結用部品及び予圧伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、緩み解消器付締結ネジ及び締結ナット並びに予圧伝達装置に関し、詳しくは、締結対象部材に十分接して締結力が作用するまで螺入し締結完了された後、時間の経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づき当該締結力を予圧力として接触した締結対象部材との間で摩擦抵抗力を作用させ螺入方向に推進する締結トルクを発生し、当該締結トルクにより当該締結対象部材に自己締結する締結ネジ及び締結ナットと、その顎部が締結対象部材に十分接するまでの締結に直接使用される予圧伝達装置に係わる。
ネジ、ボルト、ナットは、部材の接合手段として広く利用されている。ここで、ネジを締めるための手段としては、ネジの頭に、プラス若しくはマイナスの字の形の刻印を彫り、対応する先端を備えたドライバをその刻印に当てはめることで、ネジにネジの締付けるためのトルクを与えるものが一般的であり、ボルトとナットを用いて部材を接合する場合には、レンチやスパナ等によりボルトやナットに締付けるためのトルクを与えるようにしていた。
一方、高い回転トルクを発揮可能なアクチュエータとして、特に回転子の静止時において高静止トルクを得ることができる、例えば、以下に示す非特許文献1に開示された超音波モータが知られている。
Kentaro Nakamura, Minoru Kurosawa, Sadayuki Ueha, "Characteristics of a Hybrid Transducer-Type Ultrasonic Motor", IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control, Vol.38, No.3, May 1991, p.188-193.
しかしながら、ネジ、ボルト及びナットを締めるためには、所定のドライバやレンチ、スパナ等の工具が必要なため、接合部位にネジ、ボルト及びナットの収納される空間の他に工具を用いて作業するための空間が必要であり、狭い部位での締結が困難であるという問題があった。また、締結時には十分な空間が確保できていても、その後周辺部材を構成する別部品の組み付けを行った結果、ネジ、ボルト又はナット周りの空間がなくなり、再締結作業が出来なくなる場合があった。
なお、締結後のネジ、ボルト及びナットは、例えば、振動を有する機械等に使用された場合、その機械を長時間運転した後には機械の振動等により緩んでしまうことがあり、再締結の作業が必要となることが多く、そのため、このような状況で使用されるネジ、ボルト及びナットは、定期的に緩みの点検作業が必要であった。
以上のような問題を解決するため、本願発明者は、ネジ、ボルト又はナットの締結トルクの付与に、例えば、上記非特許文献1に開示された超音波モータの固定子として用いられる圧電アクチュエータにより、ネジ、ボルト又はナットに対して超音波モータの回転子に与える機械振動と同じ超音波領域周波数の所定方向の機械振動を付与したときに、螺合するネジ山とネジ穴との摩擦抵抗力の案内規制を利用して締結トルクを発することを実験により見出し、ネジ、ボルト又はナットを用いた任意締結材の接合を行うための締結ネジ及び締結ナット並びに予圧伝達装置を創作するに至った。
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次のとおりである。
即ち、本発明の第1の目的は、締結ネジあるいは締結ナットに圧電素子を具備させて、締結対象部材に十分接するまで螺入し締結完了され完了された後、顎部と締結対象部材とに対して締結力が作用したときに、締結トルクを発生して自己締結して時間の経過に伴う緩みを阻止することが可能な緩み解消器付締結ネジ及びナット並びに予圧伝達装置を提供せんとするものである。
本発明の第2の目的は、圧電素子を具備させた締結ネジ又は締結ナットの顎部に作用する締結力が不十分である場合に、この締結ネジ又は締結ナットに外部から適切な予圧を伝達して締結トルクを発生させることが可能な緩み解消器付締結ネジ及び締結ナット並びに予圧伝達装置を提供せんとするものである。
本発明の第3の目的は、締結ネジ又は締結ナットに具備させた圧電素子に、超音波モータに使用されるランジュバン振動子または進行波型超音波モータの振動子を採用して超音波振動の振幅及び位相差を制御し所定方向の締結トルクを発生することが可能な緩み解消器付締結ネジ及び締結ナット並びに予圧伝達装置を提供せんとするものである。
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に、特許請求の範囲の各請求項の記載から、自ずと明らかになろう。
まず、本発明締結ネジにおいては、締結ネジヘッド上の緩み解消器が、締結ネジヘッド上端面中央に螺植した取付ネジ棒に外挿しかつ、締結ネジヘッド上端面に所定の交流電圧の印加に伴い前記超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部と、当該取付ネジ棒上端に螺合して当該圧電素子部を前記締結ネジヘッド上端面に挟み込む圧電素子部抑えナットと、を具備することにより、締結ネジヘッド上に一体冠着させる、という特徴的構成手段を講じる。
また、本発明締結ナットにおいては、締結ナット上の緩み解消器が、所定の交流電圧の印加に伴い超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部と、締結ボルトの貫通突出端全長に取付螺子筒部の内側雌螺子孔を螺合し、締結対象部材に対接しかつ当該取付螺子筒部下端に一体形成するとともに当該取付螺子筒部に圧電素子部を外挿して載置する締結ナット鍔部と、を具備させる、という特徴的構成手段を講じる。
一方、本発明予圧伝達装置においては、螺入方向の外力を外部から受ける予圧受け部と、締結ネジのヘッド、締結ナット又は圧電素子部抑えナットの上端面と対向する押圧端面と突合接触し予圧受け部に付与された外力を当該締結ネジ又は当該締結ナットに伝達する予圧伝達部と、当該予圧伝達部の外周面に固定されて当該予圧伝達部と一体に回転するベアリング内輪と、当該ベアリング内輪に転動体を介して外転するとともに当該予圧受け部の内周面に固定されたベアリング外輪を有するベアリングと、を具備させる、という特徴的構成手段を講じる。
さらに、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念に亙る新規な特徴的構成手段を採用することにより、前記目的を達成するよう為される。
即ち、本発明締結ネジの第1の特徴は、締結ネジヘッド顎部が締結対象部材に十分接して締結力が作用するまで螺入し締結完了された後、時間の経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づき当該締結力を予圧力として接触した締結対象部材との間で摩擦抵抗力を作用させ螺入方向に推進する締結トルクを発生し、当該締結トルクにより当該締結対象部材を自己締結する緩み解消器付締結ネジであって、当該緩み解消器が、当該締結ネジヘッド上端面中央に螺植した取付ネジ棒に外挿しかつ、締結ネジヘッド上端面に所定の交流電圧の印加に伴い前記超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部と、当該取付ネジ棒上端に螺合して当該圧電素子部を前記締結ネジヘッド上端面に挟み込む圧電素子部抑えナットと、を具備することにより、前記締結ネジヘッド上に一体冠着してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第2の特徴は、上記本発明締結ネジの第1の特徴における前記圧電素子部が、前記ネジの所定の回転方向の回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、y軸をピッチ軸とするピッチ方向のたわみ振動を励振するピッチ方向のたわみ振動圧電素子と、当該ピッチ軸と直交するx軸をロール軸とするロール方向のたわみ振動を励振するロール方向たわみ振動圧電素子と、を前記取付ネジ棒に螺合して貫通されたスペーサーナットを間に介層して積層し、当該ピッチ方向たわみ振動圧電素子と当該ロール方向たわみ振動圧電素子とでそれぞれ所定の振幅と位相差とを持つ前記超音波振動を発生して、前記締結トルクが所定の回転方向となるよう前記交流電圧の印加可能に構成されたランジュバン振動子を採用してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第3の特徴は、上記本発明締結ネジの第2の特徴における前記取付ネジ棒が、下端を前記締結ネジヘッド上端面中央に螺植するのに代えて、当該締結ネジヘッド上端面中央に下端を溶植して一体固設してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第4の特徴は、上記本発明締結ネジの第2又は第3の特徴における前記緩み解消器が、前記スペーサーナットに代えて、前記取付ネジ棒の中間適宜箇所にスペーサー鍔部を一体形成してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第5の特徴は、上記本発明締結ネジの第2、第3又は第4の特徴における前記緩み解消器が、前記圧電素子部抑えナットに代えて、前記取付ネジ棒上端に取付ネジ棒ヘッドを一体形成してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第6の特徴は、上記本発明締結ネジの第2、第3、第4又は第5の特徴における前記締結ネジヘッドと前記圧電素子部抑えナットが、それぞれその外周面部位にネジ自体を締結対象部材に螺入する際又は前記取付ネジ棒に前記圧電素子部抑えナットを螺合して前記圧電素子部を一体に挟着する際に、外部から締付け回転力を加圧するための適切な引っかかりとなる稜角を両側に形成する平坦面形状部位を有してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第7の特徴は、上記本発明締結ネジの第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴における前記締結ネジヘッド、及び圧電素子部抑えナットが、それぞれの上端面中央に雌螺子孔を跨いで所定のドライバ先端が嵌合する雌型刻印を陥設して構成されてなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第8の特徴は、締結ネジヘッド顎部が締結対象部材に十分接して締結力が作用するまで螺入し締結完了された後、時間の経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づき当該締結力を予圧力として接触した締結対象部材との間で摩擦抵抗力を作用させ螺入方向に推進する締結トルクを発生し、当該締結トルクにより当該締結対象部材を自己締結する緩み解消器付締結ネジであって、当該緩み解消器が、前記締結ネジヘッド上端面に所定の交流電圧の印加に伴い前記締結ネジヘッド顎部同心円上に進行する進行波弾性屈曲波を生成し、当該締結ネジヘッドの当該顎部上に当該進行波弾性屈曲波に基づく所定方向の前記超音波振動を発生する、輪環形状の進行波型超音波モータの振動子を圧電素子として具備してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
本発明締結ネジの第9の特徴は、上記本発明締結ネジの第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の特徴における前記締結ネジヘッドが、前記締結対象部材と接触する前記顎部上に固着された摩擦材を有してなる、緩み解消器付締結ネジの構成採用にある。
また、本発明締結ナットの第1の特徴は、締結ボルトのヘッド顎部が締結対象部材に十分接して締結力が作用するまで当該締結ボルトに螺貫されて締結完了された後、時間経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づき当該締結力を予圧力として接触した締結対象部材との間で摩擦抵抗力を作用させ当該締結ボルトを螺貫方向に推進させる締結トルクを発生し、当該締結トルクにより当該締結ボルトの貫通突出端に螺合して当該締結ボルトに自己締結する緩み解消器付締結ナットであって、当該緩み解消器が、所定の交流電圧の印加に伴い前記超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部と、前記締結ボルトの貫通突出端全長に取付螺子筒部の内側雌螺子孔を螺合し、前記締結対象部材に対接しかつ当該取付螺子筒部下端に一体形成するとともに当該取付螺子筒部に前記圧電素子部を外挿して載置する締結ナット鍔部と、を具備してなる、緩み解消器付締結ナットの構成採用にある。
本発明締結ナットの第2の特徴は、上記本発明締結ナットの第1の特徴における前記緩み解消器が、前記圧電素子部を前記締結ナット鍔部とで挟装する圧電素子部抑えナットを前記取付螺子筒部外側雄螺子上端に螺合し、前記圧電素子部が、前記ナットの所定の回転方向の回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、y軸をピッチ軸とするピッチ方向のたわみ振動を励振するピッチ方向のたわみ振動圧電素子と、当該ピッチ軸と直交するx軸をロール軸とするロール方向のたわみ振動を励振するロール方向たわみ振動圧電素子と、を前記取付螺子筒部外側雄螺子に螺挿したスペーサーナットを間に介層して積層し、当該ピッチ方向たわみ振動圧電素子と当該ロール方向たわみ振動圧電素子とでそれぞれ所定の振幅と位相差とを持つ前記超音波振動を発生して、前記締結トルクが所定の回転方向となるよう前記交流電圧の印加可能に構成されたランジュバン振動子を採用してなる、緩み解消器付締結ナットの構成採用にある。
本発明締結ナットの第3の特徴は、上記本発明締結ナットの第2の特徴における前記取付螺子筒部が、内周全長に亙り前記締結ボルトと対応する所定の前記雌螺子が形成され、前記圧電素子部を外側に所定間隔離して外周に配するよう外挿するとともに外側に前記スペーサーナットと前記圧電素子部抑えナットとのうちの1つと一体に成形される一方、一体形成の前記締結ナット鍔部に代えて締結ナットを外側に螺合配し、他方前記外周全長に亙り当該スペーサーナットと当該圧電素子部抑えナットのうちの分離形成された1つと当該締結ナットを螺合するよう雄螺子が形成してなる、緩み解消器付締結ナットの構成採用にある。
本発明締結ナットの第4の特徴は、締結ボルトのヘッド顎部が締結対象部材に十分接して締結力が作用するまで当該締結ボルトに螺貫されて締結完了された後、時間経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づき当該締結力を予圧力として接触した締結対象部材との間で摩擦抵抗力を作用させ当該締結ボルトを螺貫方向に推進させる締結トルクを発生し、当該締結トルクにより当該締結ボルトの貫通突出端に螺合して当該締結ボルトに自己締結する緩み解消器付締結ナットであって、当該緩み解消器が、所定の交流電圧の印加に伴い前記締結ナット上端面に前記締結ボルトを中心とした円周方向に進行する進行波弾性屈曲波を生成し、当該締結ナット下端面に当該進行波弾性屈曲波に基づく所定方向の前記超音波振動を発生する、輪環形状の進行波型超音波モータの振動子を圧電素子として具備してなる、緩み解消器付締結ナットの構成採用にある。
本発明締結ナットの第5の特徴は、上記本発明締結ナットの第1、第2、第3又は第4の特徴における前記締結ナットが、前記締結対象部材と接触する前記締結ナット下端面に固着された摩擦材を有してなる、緩み解消器付締結ナットの構成採用にある。
一方、本発明装置の第1の特徴は、上記本発明締結ネジの第1乃至第9の特徴及び上記本発明締結ナットの第1乃至第5の特徴における圧電素子を具備して当該圧電素子の超音波振動に基づき締結トルクを発生可能に構成された前記緩み解消器付締結ネジ又は締結ナットの締結に際して、当該締結ネジのヘッド顎部又は当該締結ナットの下端面が締結対象部材と十分接触して締結力を予圧力として利用可能となるまでの間に適用されて、当該締結ネジ又は当該締結ナットに外部から付与された螺入方向の予圧力を伝達するための予圧伝達装置であって、前記螺入方向の外力を外部から受ける予圧受け部と、当該締結ネジの前記ヘッド、当該締結ナット又は前記圧電素子部抑えナットの前記上端面と対向する押圧端面と突合接触し前記予圧受け部に付与された前記外力を当該締結ネジ又は当該締結ナットに伝達する予圧伝達部と、当該予圧伝達部の外周面に固定されて当該予圧伝達部と一体に回転するベアリング内輪と、当該ベアリング内輪に転動体を介して外転するとともに当該予圧受け部の内周面に固定されたベアリング外輪を有するベアリングと、を具備してなる、予圧伝達装置の構成採用にある。
本発明によれば、本発明締結ネジあるいは締結ナットに超音波モータの固定子に利用される圧電素子を搭載させたことにより、狭い空間等において、従来のドライバやレンチ、スパナ等を使用することなく外部から付与された予圧力または締結対象部材との締結力を利用して発生した超音波振動に基づき締結材との接触面にて摩擦抵抗力を作用させて締結トルクを発生し締結ネジ又は締結ナットが自己締結することで、締結完了された後の時間経過に伴う緩みを阻止することが可能となり、機械等の締結対象部材の振動による緩みに対しても工具等を用いずに容易に再締結が可能となる。
また、本発明締結ネジ又は締結ナットに具備させる圧電素子にランジュバン振動子を採用することで高出力の締結トルクを発生することが可能となるとともに、圧電素子にピッチ方向たわみ振動圧電素子とロール方向たわみ振動圧電素子とを採用することにより、励振する振動の振幅と位相差を制御が可能となり、所定の回転方向の締結トルクを発生させることができる。
さらに、圧電素子を挟装する緩み解消器を一体に構成することにより、締結ネジ又は締結ナットの構成を簡易にすることができ、しかも、締結ネジヘッドと圧電素子部抑えナットの外周面部位を平坦面形状部位とすることで圧電素子を具備した緩み解消器を容易に組み付けることが可能となる。
一方、締結ネジ又は締結ナットに搭載する圧電素子に進行波型超音波モータの振動子を採用したときには、圧電素子部の簡易な構造により小型化が可能であり、また、締結対象部材と接する顎部上に摩擦材を配することで、十分な締結トルクを効果的に発生することが可能となる。
加えて、本発明締結ネジ又は締結ナットに、本発明予圧伝達装置を介して外部から付与された予圧力を伝達するようにした場合には、締結ネジ又は締結ナットの回転をベアリングが空転して予圧受け部ではこの回転に追従しないように構成したことから、締結ネジ又は締結ナットの回転を妨げずに適切な予圧が付与可能となり、十分に締結対象部材に螺入せずに内部応力が作用して自己締結可能となる以前においても締結ネジ又は締結ナットに、ドライバやレンチ、スパナ等の工具を用いることなく締結トルクを発生させて締結することが可能である。
以下、本発明の実施の形態につき、添付の図面を参照しつつ、締結ネジ例1〜5、締結ナット例1〜5及び予圧伝達装置例を順に挙げて説明する。
(締結ネジ例1)
図1は、本発明締結ネジの実施形態例である締結ネジ例1の締結ネジα1の要部構成をその使用態様と共に示す図であり、同図(a)は、締結ネジ例1の外観を示す斜視図であり、同図(b)は、締結ネジ例1の組み付けを示す斜視図であり、同図(c)は、締結された締結ネジ例1を一部断面にて示す垂直断面図であり、雌型刻印12e,13eを省略して示している図である。
同図(a)、(b)及び(c)に示すように、本締結ネジ例1に係る締結ネジα1は、発生した超音波振動に基づき螺入方向に推進する締結トルクを発生し、この締結トルクにより自己締結するよう構成されて、締結ネジα1の緩み解消器1は、締結ネジヘッド12上端面12a中央に螺植した取付ネジ棒14に外挿しかつ、上端面12aに所定の交流電圧の印加に伴い超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部11と、取付ネジ棒14上端に螺合してこの圧電素子部11を締結ネジヘッド12上端面12aに挟み込む圧電素子部抑えナット13と、を具備することにより、締結ネジヘッド12上に一体冠着する。
このとき、圧電素子部11は、例えば、締結ネジα1の所定の回転方向の回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、y軸をピッチ軸とするピッチ方向のたわみ振動を励振するピッチ方向のたわみ振動圧電素子11aと、このピッチ軸と直交するx軸をロール軸とするロール方向のたわみ振動を励振するロール方向たわみ振動圧電素子11bと、を取付ネジ棒14に螺合して貫通されたスペーサーナット11cを間に介層して積層するようにする。
これにより、圧電素子部11は、このピッチ方向たわみ振動圧電素子11aとロール方向たわみ振動圧電素子11bとでそれぞれ所定の振幅と位相差とを持つ超音波振動を発生して、締結トルクが所定の回転方向となるよう交流電圧の印加可能に構成されたランジュバン振動子として構成することができる。
また、ピッチ方向たわみ振動圧電素子11aとロール方向たわみ振動圧電素子11bとで振動する超音波振動を、例えば、それぞれ90度の位相差で振動するように構成することで、締結ネジα1を締める方向の回転方向の締結トルクを発生することが出来る。
さらに、締結ネジヘッド12と圧電素子部抑えナット13は、締結ネジα1自体を締結対象部材21に螺入する際又は取付ネジ棒14に圧電素子部抑えナット13を螺合して圧電素子部11を一体に挟着する際に、外部から締付け回転力を加圧するための適切な引っかかりとなる、それぞれその外周面部位12b,13bに稜角を両側に形成された平坦面形状部位12c,13cを有するようにするとよい。
なお、圧電素子部11を具備した締結ネジα1が締結トルクを発生するには、例えば、締結ネジヘッド12の顎部12dと締結対象部材21表面、及び、ネジ山2aと締結対象部材21のネジ穴と、の間に働く摩擦抵抗力が高くなければならず、そのためには、締結ネジヘッド12に対して締結ネジα1の締結による推進方向に強い予圧力が作用することが必要である。
そこで、締結ネジα1は、締結ネジヘッド12に圧電素子部11を積層したことから、同図(c)に示すように、顎部12dが締結対象部材21に十分接するまで螺入し締結完了されたときには、この螺入により、締結ネジヘッド12に、ネジ部2のネジ山2aの締結対象部材21への螺入方向の締結力が作用することから、締結ネジヘッド12にこの螺入方向の締結力が作用する。
したがって、この締結力が超音波モータの固定子として機能する締結ネジα1と回転子とみなすことができる締結対象部材21とに対する予圧力として作用することから、再締結の際には別途特別な予圧力を必要とせずに、圧電素子部11にて発生した超音波振動に基づき接触している締結対象部材21との間で摩擦抵抗力を作用させて螺入方向に推進させる締結トルクを発生して、時間の経過に伴う締結ネジα1の緩みを阻止する等の自己締結を行うことが可能となる。
一方、締結ネジα1が締結対象部材21に十分に螺入されずに締結力を予圧力とすることができず、締結ネジα1と締結対象部材21との間に十分な摩擦抵抗力が作用しないときには、圧電素子部抑えナット13の上端面13aに対して別途外部から螺入方向の予圧力を付与させることで、ネジ山2aと締結対象部材21との接触面において締結トルクを発生することが可能となり、ドライバ等を用いずとも締結することができる。
なお、このとき、締結ネジα1は、外部からの予圧力を作用させることにより締結するものに限定されず、例えば、締結ネジα1の組み付け前の締結ネジヘッド12の上端面12aと、組み付け後の頂部となる圧電素子部抑えナット13の上端面13aとの一方または双方に、所定のドライバ先端と対応する雌型刻印12e又は13eを形成することにより、予圧力を付与させることなく所定のドライバ等の工具により締結することも可能である。
(締結ネジ例2)
次に、図2は、本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例2の締結ネジα2の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。なお、以下の本実施形態の説明で用いる各図面には、図1に示したものと同一又は同等な構成要素につき同一の符号を当てるものとし、当該構成要素の詳細な説明については省略するものとする。
同図に示すように、本締結ネジ例2に係る締結ネジα2は、取付ネジ棒14が、上記締結ネジ例1に係る締結ネジα1の締結ネジヘッド12の上端面12a中央に螺植するのに代えて、締結ネジヘッド12の上端面12a中央に下端14bを溶植して一体固設されたネジ棒付締結ネジヘッド15により構成されており、ネジ棒付締結ネジヘッド15は、締結ネジヘッド12の上端面12aに相当する面に、例えば、圧電素子11a,11bを交互に挟みながらスペーサーナット11cと圧電素子部抑えナット13と螺合して、緩み解消器1として一体に挟装するように構成される。
(締結ネジ例3)
続いて、図3は、本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例3の締結ネジα3の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ネジ例3に係る締結ネジα3は、緩み解消器1が、上記締結ネジ例1に係る締結ネジα1のスペーサーナット11cに代えて、取付ネジ棒14の中間適宜箇所にスペーサー鍔部16を一体に形成して構成されており、スペーサー鍔部16は、その両上端面をそれぞれ圧電素子11a,11bを間に挟んで締結ネジヘッド12と圧電素子部抑えナット13と螺合して、緩み解消器1として一体に挟装するように構成される。
(締結ネジ例4)
引続き、図4は、本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例4の締結ネジα4の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ネジ例4に係る締結ネジα4は、緩み解消器1が、上記締結ネジ例1に係る締結ネジα1の圧電素子部抑えナット13に代えて、取付ネジ棒14上端14aに取付ネジ棒ヘッド17を一体に形成して構成されており、取付ネジ棒ヘッド17は、例えば、圧電素子11a,11bを交互に挟みながらスペーサーナット11cと締結ネジヘッド12と螺合して、緩み解消器1として一体に挟装するように構成される。
(締結ネジ例5)
さらに、図5は、本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例5の締結ネジα5の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ネジ例5に係る締結ネジα5は、圧電素子部11に、上記締結ネジ例1〜4のランジュバン振動子として構成されたピッチ方向たわみ振動圧電素子11aとロール方向たわみ振動圧電素子11bとスペーサーナット11cとに代わり、緩み解消器1に、締結ネジヘッド12上端面12aに所定の交流電圧の印加に伴い締結ネジヘッド12顎部12d同心円上に進行する進行波弾性屈曲波を生成し、この締結ネジヘッド12の顎部12d上に進行波弾性屈曲波に基づく所定方向の超音波振動を発生する、輪環形状の進行波型超音波モータの振動子11dを圧電素子として具備して構成される。
このとき、締結ネジヘッド12に、例えば、締結対象部材21と接触する顎部12d上にてネジ部2を中心とした環状の溝が所定数形成されて摩擦抵抗力を高めた摩擦材18を具備させてもよく、摩擦材18により締結ネジα5にて発生した進行波弾性屈曲波を効果的に締結対象部材21に伝達して締結トルクを発生することが可能となる。
なお、摩擦材18は、上記締結ネジα1〜α4の顎部12dに具備させて、例えば、ネジ部2のネジ山2aだけでなく、顎部12d上に伝達した定在波に基づき発生した超音波振動から効果的に回転トルクを発生可能とするようにしても構わない。
また、本実施形態例における締結ネジα1〜α5は、締結対象部材21に螺入するネジに限定されず、例えば、複数の締結対象部材21,21,…を接続するために所定のナットに螺入して締結されるボルトであってもよく、このボルトの締結ネジヘッド12の上端面12aに、上記締結ネジ例1〜5に示した緩み解消器1を採用して構成されればよい。
したがって、この緩み解消器1を搭載して構成されたボルトもまた、締結ネジα1〜締結ネジα5と同様にして、超音波モータの固定子として機能する緩み解消器1に締結の際に作用する締結力あるいは外部から別途付与された予圧力を利用して所定の超音波振動を発生し、この超音波振動に基づき締結トルクを発生可能に構成される。
(締結ナット例1)
図6は、本発明締結ナットの実施形態例である締結ナット例1の締結ナットβ1の要部構成をその使用態様と共に示す図であり、同図(a)は、締結ナット例1の外観を示す斜視図であり、同図(b)は、締結ナット例1の組み付けを示す斜視図であり、図7は、本締結ナット例1における締結された締結ナットβ1を断面にて示す垂直断面図である。
図6(a)、(b)及び図7で示すように、本締結ナット例1に係る締結ナットβ1は、締結ボルト22のヘッド顎部22aが締結対象部材23,24に十分接して締結力が作用するまでこの締結ボルト22に螺貫されて締結完了された後、時間経過に伴う緩みを阻止するために、発生した超音波振動に基づきこの締結力を予圧力として接触した締結対象部材23との間で摩擦抵抗力を作用させ締結ボルト22を螺貫方向に推進させる締結トルクを発生し、この締結トルクにより締結ボルト22の貫通突出端22bに螺合して締結ボルト22に自己締結するよう構成される。
ここで、締結ナットβ1は、緩み解消器3として、所定の交流電圧の印加に伴い超音波振動を発生する輪環形状の圧電素子部31と、締結ボルト22の貫通突出端22b全長に取付螺子筒部34の内側雌螺子孔3aを螺合し、締結対象部材23に対接しかつ取付螺子筒部34下端に一体形成するとともに取付螺子筒部34に圧電素子部31を外挿して載置する取付ナット35と、を具備する。
また、緩み解消器3は、例えば、圧電素子部31を締結ナット鍔部32とで挟装する圧電素子部抑えナット33を取付螺子筒部34外側雄螺子3b上端に螺合し、この圧電素子部31に、例えば、締結ナットβ1の所定の回転方向の回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、y軸をピッチ軸とするピッチ方向のたわみ振動を励振するピッチ方向のたわみ振動圧電素子31aと、このピッチ軸と直交するx軸をロール軸とするロール方向のたわみ振動を励振するロール方向たわみ振動圧電素子31bと、を取付螺子筒部34外側雄螺子3bに螺挿したスペーサーナット31cを間に介層して積層するようにする。
これにより、圧電素子部31は、このピッチ方向たわみ振動圧電素子31aとロール方向たわみ振動圧電素子31bとでそれぞれ所定の振幅と位相差とを持つ超音波振動を発生して、締結トルクが所定の回転方向となるよう交流電圧の印加可能に構成されたランジュバン振動子として構成することができる。
また、ピッチ方向たわみ振動圧電素子31aとロール方向たわみ振動圧電素子31bとで振動する超音波振動を、例えば、それぞれ90度の位相差で振動するように構成することで、締結ナットβ1を締める方向の回転方向の締結トルクを発生することが出来る。
なお、圧電素子部31を具備した締結ナットβ1が締結トルクを発生するには、例えば、締結ナット鍔部32の下端面32dと締結対象部材31表面、及び、雌螺子孔3aと締結ボルト22のネジ山と、の間に働く摩擦抵抗力が高くなければならず、そのためには、締結ナットβ1に対して締結による推進方向に強い予圧力が作用することが必要である。
そこで、締結ナットβ1は、圧電素子部31を具備することで、締結ボルト22のヘッド顎部22aが締結対象部材24に十分接するまで螺貫されて締結されたときには、この螺貫により、締結ナットβ1に、締結ナットβ1が締結ボルト22に螺貫方向の締結力が作用することから、締結ナットβ1にこの螺貫方向の締結力が作用する。
したがって、この締結力が超音波モータの固定子として機能する締結ナットβ1と回転子とみなすことができる締結ボルト22とに対する予圧力として作用することから、再締結の際には別途特別な予圧力を必要とせずに、圧電素子部31にて発生した超音波振動に基づき接触している締結ボルト22及び締結対象部材23との間で摩擦抵抗力を作用させて締結トルクを発生して、時間の経過に伴う締結ナットβ1の緩みを阻止する等の自己締結を行うことが可能となる。
一方、締結ナットβ1が締結ボルト22に十分に螺貫されずに締結力を予圧力とすることができず、締結ナットβ1と締結ボルト22との間に十分な摩擦抵抗力が作用しないときには、圧電素子部抑えナット33上端面33aに対して別途外部から螺入方向の予圧力を付与されることで、雌螺子孔3aと締結ボルト22との接触面において締結トルクを発生することが可能となり、ドライバ等を用いずとも締結することができる。
なお、このとき、締結ナットβ1は、外部からの予圧力を作用させることにより締結するものに限定されず、例えば、締結ナットβ1の締結ナット鍔部32の下端面32dと、圧電素子部抑えナット33の上端面33aの外周面部位32b,33bが所定のレンチあるいはスパナ等の形状と対応して嵌合する六角形等に形成することにより、予圧力を付与されることなく所定の工具により締結することも可能である。
(締結ナット例2)
次に、図8は、本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例2の締結ナットβ2の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。なお、以下の本実施形態の説明で用いる各図面には、図6及び図7に示したものと同一又は同等な構成要素につき同一の符号を当てるものとし、当該構成要素の詳細な説明については省略するものとする。
同図に示すように、本締結ナット例2に係る締結ナットβ2は、上記締結ナット例1に係る締結ナットβ1の取付螺子筒部34の構成を、一体形成の取付ナット35の構成に代えて、内周全長に亙り締結ボルト22と対応する所定の雌螺子孔3aが形成され、圧電素子部11を外側に所定間隔離して外周に配するよう外挿するとともに外側に、スペーサーナット31cと一体に成形される一方、締結ナット鍔部32を外側に螺合配し、他方外周全長に亙り分離形成された圧電素子部抑えナット33と締結ナット鍔部32を螺合するよう雄螺子3bが形成されて、スペーサー鍔部36として構成される。
(締結ナット例3)
続いて、図9は、本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例3の締結ナットβ3の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ナット例3に係る締結ナットβ3は、上記締結ナット例1に係る締結ナットβ1の取付螺子筒部34の構成を、一体形成の取付ナット35の構成に代えて、内周全長に亙り締結ボルト22と対応する所定の雌螺子孔3aが形成され、圧電素子部11を外側に所定間隔離して外周に配するよう外挿するとともに外側に、圧電素子部抑えナット33と一体に成形される一方、締結ナット鍔部32を外側に螺合配し、他方外周全長に亙り分離形成されたスペーサーナット31cと締結ナット鍔部32を螺合するよう雄螺子3bが形成されて、螺子筒付ヘッド37として構成される。
(締結ナット例4)
引続き、図10は、本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例4の締結ナットβ4の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ナット例4に係る締結ナットβ4は、上記締結ナット例1に係る締結ナットβ1の取付螺子筒部34の構成を、一体形成の取付ナット35の構成に代えて、締結ナット鍔部32とスペーサーナット31cと圧電素子部抑えナット33とのそれぞれ内径に直接雌螺子孔3aが形成されて、圧電素子31a,31bを挟みながら締付けボルト23と螺合して、締結ナットβ4として一体に挟装するように構成される。
(締結ナット例5)
さらに、図11は、本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例5の締結ナットβ5の要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。
同図に示すように、本締結ナット例5に係る締結ナットβ5は、圧電素子部31に、上記締結ナット例1〜4のランジュバン振動子としれ構成されたピッチ方向たわみ振動圧電素子31aとロール方向たわみ振動圧電素子31bとスペーサーナット31cとに代わり、所定お交流電圧の印加に伴い締結ナット鍔部32上端面32aに締結ボルト22を中心とした円周方向に進行する進行波弾性屈曲波を生成し、この締結ナット鍔部32の下端面32d上にこの進行波弾性屈曲波に基づく所定方向の超音波振動を発生する輪環形状の進行波型超音波モータの振動子31dを具備して構成される。
このとき、締結ナット12の下端面32dに、例えば、締結対象部材23と接触する面上にて雌螺子孔3aを中心とした環状の溝を所定数形成されて摩擦抵抗力を高めた摩擦材38を具備させてもよく、摩擦材38により締結ナットβ5にて発生した進行波弾性屈曲波を効果的に締結対象部材23に伝達して締結トルクを発生することが可能となる。
なお、摩擦材38は、上記締結ナットβ1〜β4の下端面32dに具備させて、例えば、雌螺子孔3aだけでなく、下端面32d上に伝達した定在波に基づき発生した超音波振動から効果的に回転トルクを発生可能とするようにしても構わない。
(予圧伝達装置例)
図12は、本発明装置の実施形態例である予圧伝達装置γの要部構成と共にその使用態様の例として本発明締結ネジα1の締結に適用させた場合を示す垂直断面図であり、本予圧伝達装置例では、締結ネジα1の締結に適用させた場合について説明するものの、圧電素子を具備して締結による推進方向に対して予圧力を付与することで締結トルクを発生可能な締結ネジα1〜α5及び締結ナットβ1〜β5に対して適用可能なものである。
同図に示すように、予圧伝達装置γは、圧電素子部11を具備してこの圧電素子11の超音波振動に基づき締結トルクを発生可能に構成された締結ネジα1の締結に際して、この締結ネジα1の締結ネジヘッド12の顎部12dが締結対象部材21と十分接触して締結力を予圧力として利用可能となるまでの間に適用されて、締結ネジα1に別途外部から付与された図中矢印で示した螺入方向の予圧力を伝達するよう構成される。
そのため、予圧伝達装置γは、締結ネジα1の螺入方向の外力を外部から受ける予圧受け部41と、締結ネジα1の締結ネジヘッド12の顎部12dと対向する押圧端面である上端面13aと突合接触し予圧受け部41に付与された外力を締結ネジα1に伝達する予圧伝達部42と、この予圧伝達部42の外周面に固定されて予圧伝達部42と一体に回転するベアリング内輪43aと、このベアリング内輪43aに転動体43bを介して外転するとともに予圧受け部41の内周面に固定されたベアリング外輪43cを有するベアリング43と、を具備して構成される。
これにより、予圧伝達装置γは、締結ネジα1が締結対象部材21に十分螺入しておらず、ネジ部2のネジ山2aが締結対象部材21に螺入することにより顎部12dを締結対象部材21に押し付けるよう作用する締結力が十分に得られないとき等に、緩み解消器1に螺入方向の十分な予圧力を伝達して締結ネジα1に締結対象部材21に螺入するための超音波振動に基づく締結トルクを発生させることが可能となり、従来のドライバ等を用いずとも締結対象部材21に螺入することができる。
なお、予圧伝達装置γは、進行波型超音波モータの振動子11d,31dを採用した締結ネジα5、締結ナットβ5においても、進行波弾性屈曲波は伝播されない締結ネジヘッド12の上端面12aあるいは締結ナット鍔部32の上端面32aに予圧伝達部42にて接触するよう構成されることで、超音波振動を妨げることなく予圧を付与することが可能である。
以上、本発明の実施の形態につき、その締結ネジ例1〜5、締結ナット例1〜5及び予圧伝達装置例を順次挙げて説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段にのみ限定されるものではなく、前述した効果を有する範囲内において、適宜、変更実施することが可能なものである。
本発明締結ネジの実施形態例である締結ネジ例1の締結ネジの要部構成をその使用態様と共に示す図であり、同図(a)は、締結ネジ例1の外観を示す斜視図であり、同図(b)は、締結ネジ例1の組み付けを示す斜視図であり、同図(c)は、締結された締結ネジ例1を一部断面にて示す垂直断面図であり、雌型刻印を省略して示している図である。 本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例2の締結ネジの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例3の締結ネジの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例4の締結ネジの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ネジの他の実施形態例である締結ネジ例5の締結ネジの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ナットの実施形態例である締結ナット例1の締結ナットの要部構成をその使用態様と共に示す図であり、同図(a)は、締結ナット例1の外観を示す斜視図であり、同図(b)は、締結ナット例1の組み付けを示す斜視図である。 同上した締結された締結ナットを断面にて示す垂直断面図である。 本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例2の締結ナットの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例3の締結ナットの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例4の締結ナットの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明締結ナットの他の実施形態例である締結ナット例5の締結ナットの要部構成をその使用態様と共に示す垂直断面図である。 本発明予圧伝達装置の実施形態例である予圧伝達装置の要部構成と共にその使用態様の例として同上した締結ネジ例1の締結に適用させた場合を示す垂直断面図である。
符号の説明
α1,α2,α3,α4,α5…締結ネジ
β1,β2,β3,β4,β5…締結ナット
γ…予圧伝達装置
1,3…緩み解消器
2…ネジ部
2a…ネジ山
3a…雌螺子孔
3b…雄螺子
11,31…圧電素子部
11a,31a…ピッチ方向たわみ振動圧電素子(圧電素子)
11b,31b…ロール方向たわみ振動圧電素子(圧電素子)
11c,31c…スペーサーナット
11d…進行波型超音波モータの振動子
12…締結ネジヘッド
12a,13a,32a,33a…上端面
12b,13b,32b,33b…外周面部位
12c,13c…平坦面形状部位
12d…顎部
12e,13e…雌型刻印
13…圧電素子部抑えナット
14…取付ネジ棒
14a…上端
14b…下端
15…ネジ棒付締結ネジヘッド
16,36…スペーサー鍔部
17…取付ネジ棒ヘッド
18,38…摩擦材
21,23,24…締結対象部材
22…締結ボルト
22a…ヘッド顎部
22b…貫通突出端
32…締結ナット鍔部
32d…下端面
33…圧電素子部抑えナット
34…取付螺子筒部
35…取付ナット
37…螺子筒付ヘッド
41…予圧受け部
42…予圧伝達部
43…ベアリング
43a…ベアリング内輪
43b…転動体
43c…ベアリング外輪

Claims (12)

  1. 顎部が締結対象部材に十分接して頭部に締結力が作用するまで軸部が前記締結対象部材に螺入又は螺貫し締結完了する締結用部品であって、
    前記頭部は、前記軸部が螺入又は螺貫する回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、前記y軸をピッチ軸とするピッチ方向のたわみ振動を励振するピッチ方向たわみ振動圧電素子、及び、当該ピッチ軸と直交するx軸をロール軸とするロール方向のたわみ振動を励振するロール方向たわみ振動圧電素子が前記z軸方向に積層された圧電素子部を備え、
    前記軸部はネジ溝を備えることを特徴とする締結用部品
  2. 前記締結用部品は、前記頭部を締結ネジヘッド、前記軸部をネジ部とする締結ネジであって、
    前記圧電素子部は、
    前記締結ネジヘッド上端面中央に下端が螺植された取付ネジ棒を前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が外挿し、かつ、
    前記取付ネジ棒に螺合するスペーサーナットを間に介層して前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が積層され、かつ、
    前記取付ネジ棒上端に螺合する圧電素子部抑えナットと前記締結ネジヘッド上端面との間に前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子、前記スペーサーナット及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が挟み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の締結用部品
  3. 前記取付ネジ棒は、
    下端を前記締結ネジヘッド上端面中央に螺植されているのに代えて、
    当該締結ネジヘッド上端面中央に下端溶植て一体固設されていることを特徴とする請求項2に記載の締結用部品
  4. 記スペーサーナットは、前記取付ネジ棒の中間適宜箇所にスペーサー鍔部一体形成されていることを特徴とする請求項2乃至3に記載の締結用部品
  5. 0054
    記圧電素子部抑えナットに代えて、
    前記取付ネジ棒上端に、前記圧電素子部を前記締結ネジヘッド上端面との間で挟み込む取付ネジ棒ヘッド一体形成されていることを特徴とする請求項2乃至のいずれかに記載の締結用部品
  6. 前記締結ネジヘッドと前記圧電素子部抑えナットは、
    それぞれその外周面部位にネジ自体を締結対象部材に螺入する際又は前記取付ネジ棒に前記圧電素子部抑えナットを螺合して前記圧電素子部を一体に挟着する際に、外部から締付け回転力を加圧するための適切な引っかかりとなる稜角を両側に形成する平坦面形状部位を有する、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の締結用部品
  7. 前記締結ネジヘッド及前記圧電素子部抑えナットは、それぞれの上端面中央に雌螺子孔を跨いで所定のドライバ先端が嵌合する雌型刻印を陥設して構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の締結用部品
  8. 顎部が締結対象部材に十分接して頭部に締結力が作用するまで軸部が前記締結対象部材に螺入又は螺貫し締結完了する締結用部品であって、
    前記頭部は、前記軸部が螺入又は螺貫する回転軸をxyz直交座標系のz軸としたときに、z軸を中心とした円周方向に進行する進行波弾性屈曲波を生成する振動子を圧電素子部として備え、
    前記軸部はネジ溝を備えることを特徴とする締結用部品
  9. 前記頭部、締結対象部材と接する顎部に、摩擦材固着されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の締結用部品
  10. 前記締結用部品は、前記顎部を締結ボルトのヘッド顎部、前記軸部を締結ボルトの軸、前記頭部を締結ナットとする締結ナットであって、
    前記締結ボルトのネジ山に螺合する内側雌螺子孔を有し、外周に螺旋状のネジ山が設けられた取付螺子筒部と、
    前記取付螺子筒部の下端に一体形成され、締結対象部材に対接する締結ナット顎部と、を備え、
    前記圧電素子部は、
    前記取付螺子筒部を前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が外挿し、かつ、
    前記取付螺子筒部の前記ネジ山に螺合するスペーサーナットを間に介層して前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が積層され、かつ、
    前記取付螺子筒部上端の前記ネジ山に螺合する圧電素子部抑えナットと前記締結ナット顎部との間に前記ピッチ方向たわみ振動圧電素子及び前記ロール方向たわみ振動圧電素子が挟み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の締結用部品。
  11. 前記取付螺子筒部は、
    内周全長に亙り前記締結ボルトと対応する所定の前記雌螺子が形成され、前記圧電素子部を外側に所定間隔離して外周に配するよう外挿するとともに外側に前記スペーサーナットと前記圧電素子部抑えナットとのうちの1つと一体に成形される一方、一体形成の前記締結ナット鍔部に代えて締結ナットを外側に螺合配し、他方前記外周全長に亙り当該スペーサーナットと当該圧電素子部抑えナットのうちの分離形成された1つと当該締結ナットを螺合するよう雄螺子が形成される、
    ことを特徴とする請求項10に記載の締結用部品
  12. 求項1乃至11のいずれかに記載された圧電素子を具備して当該圧電素子の超音波振動に基づき締結トルクを発生可能に構成された前記締結用部品の締結に際して、前記顎部が締結対象部材と十分接触して締結力を予圧力として利用可能となるまでの間に適用されて、当該締結用部品に外部から付与された螺入方向の予圧力を伝達するための予圧伝達装置であって、
    前記螺入方向の外力を外部から受ける予圧受け部と、
    前記圧電素子部の前記上端面と対向する押圧端面と突合接触し前記予圧受け部に付与された前記外力を前記締結用部品に伝達する予圧伝達部と、
    当該予圧伝達部の外周面に固定されて当該予圧伝達部と一体に回転するベアリング内輪と、当該ベアリング内輪に転動体を介して外転するとともに当該予圧受け部の内周面に固定されたベアリング外輪を有するベアリングと、を具備する、
    ことを特徴とする予圧伝達装置。
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