JP4258012B2 - 既設マンホール取付け管渠の耐震化工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として下水道用管渠として既設の、マンホールと管体との結合部分に耐震性を付加するための管体周囲に空隙を形成する既設マンホール取付け管渠の耐震化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下水道用管渠は、30m〜50m毎に1個所の割合でマンホールが設置してあり、そのマンホールと該マンホール間の埋設管体との結合は、マンホール壁に管体の外形より大きい貫通孔を開けておき、該貫通孔内に管体の端部を挿入し、管体外周面と貫通孔内周面との間の空隙をモルタル等で埋める方法、及び敷設された管体の端部をマンホール成形用の型枠内に挿入しておき、場所打ちコンクリートによってマンホールを成形することによって互いに一体化させる方法がある。
【0003】
また、マンホールと埋設管体は、地震発生時には互いに異なった動きをなし、両者間には相対的に曲げと、軸方向の伸び縮みが生じる。上述の如き既設のマンホールでは、埋設管体とマンホール壁とが剛結合されているため、地震時に両者の結合部分にひび割れが生じ、場合によっては破壊されることとなる。
【0004】
このため、近年においては、管体の端部に可撓性を有する部分を設置しておき、管体端部に生じる伸縮及び曲げをこの可撓性管によって吸収させることによって耐震性を持たせている。
【0005】
一方既設のマンホールにおいては、耐震化するためにマンホールの外側の土砂を掘削し、マンホール壁と管体の接合部に可撓性物を設置するか埋設管体の一部を可撓性管によって置き換える工事によって耐震性を持たせるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の既設マンホール取付け管渠の耐震化工法では、マンホール設置部分における土砂の掘削、埋め戻しが必要であり、しかも、管体取り換えの必要から掘削穴も大きいものが必要となるためコスト高となり、工期も長くならざるを得ず、またマンホール設置場所は道路である場合が多く、工事のために交通に支障が生じるなどの問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題に鑑み、短期間で簡単に低コストで施工することができる既設マンホール取付け管渠の耐震化工法の提供を目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、既設通水路用の管体がマンホール壁を貫通して一体化された既設マンホール内より、前記管体の周囲のマンホール壁を、中心軸の周囲にコンクリート切削刃を一体に有する回転工具を用いたコンクリート切断装置を使用し、前記回転工具をマンホール壁に切り込ませ、回転させつつ管体の周囲に沿って移動させることにより該管体の外周に沿って一定幅の環状配置に切除して該管体とマンホール壁とを縁切りさせ、該切除によって形成された環状空隙内に、水密性を維持しつつ弾性変形が可能な弾性シーリング材を充填することにある
【0009】
また、請求項2に記載の発明の特徴は、既設通水路用の管体がマンホール壁を貫通して一体化された既設マンホール内より、前記管体の周囲のマンホール壁を、内径が管体の外径より少し大きく、先端にダイヤモンドチップを固定した円筒形のコアを回転させることにより該管体の外周に沿って一定幅の環状配置に切除して該管体とマンホール壁とを縁切りさせ、該切除によって形成された環状空隙内に、水密性を維持しつつ弾性変形が可能な弾性シーリング材を充填することを特徴としてなる既設マンホール取付け管渠の耐震化工法にある。
【0010】
尚、上記請求項1及び2の発明において、弾性シーリング材として水膨張性を有する材料を使用することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は、本発明方法を施工するマンホールの一例を示しており、図において、1は既設のマンホールであり、2は該マンホール壁1aを貫通して一体化されている既設の管体、3はマンホールの底部に打設されているインバートコンクリートである。
【0012】
このような既設のマンホール取付け管渠に対し、先ず、図2に示すようにマンホール1内において、必要な作業空間を形成するために管体2の端部前面のインバートコンクリート3を必要な範囲だけはつり取る。
【0013】
次いで、図3に示すようにコンクリートカッターを使用して管体2の周囲のマンホール壁を切除し、マンホール壁1aと管体2とを縁切りする。
【0014】
この切除によって、図4に示すように管体2の外周に、環状配置の外周側シーリング材充填空隙4を形成した後、マンホール1内の底部に新たなインバートコンクリート3aを打設する。この打設に際し、図5に示すように前記空隙4と連続配置に、管体2の端面に対向する部分に端面側シーリング材充填空隙5を形成する。
【0015】
このようにして形成した管体2の外周及び端部前面のシーリング材充填空隙4,5内に、図6に示すように水密性を維持しつつ弾性変形が可能な弾性シーリング材6を充填する。このシーリング材としては、例えばシリコン樹脂や、吸水材を含有する水膨張ゴム材が使用できる。
【0016】
このようにして弾性シーリング材6を充填することによって、管体2とマンホール1とは該弾性シーリング材6を介して一体化され、地震時における両者間の相対動作が、この弾性シーリング材6の変形によって許容されることとなる。
【0017】
尚、各空隙4,5の大きさは、予想され地震時の相対動作の大きさに応じ、これが吸収されるために必要な弾性シーリング材の厚さ分だけ形成する。
【0018】
シーリング材充填空隙4を形成するための装置としては、一例として図7、図8に示す如きコンクリート切断装置10を使用する。この装置は、鋼材によって枠組みされた支持台11にリング状の公転用ガイド12を固定し、このガイド12内に旋回台13を旋回動作可能に支持させ、この旋回台13を旋回駆動用モーター14にてゆっくりと回転させるようにするとともに、該旋回台13にカッター駆動用モーター15を軸方向に移動自在で、且つ油圧シリンダー16によって、前記ガイドの半径方向に移動可能に支持させ、このカッター駆動用モーター15の回転駆動軸15aにチャック17を介してエンドミルカッター18、即ち中心軸の周囲にコンクリート切削刃を一体に有する回転工具を固定している。
【0019】
尚、エンドミルカッター18には外周にダイヤモンドチップを固着したものを使用する。
【0020】
この装置の使用に際しては、予め手持ちのドリルを使用して管体2周囲のマンホール壁の一部にエンドミルカッター挿入孔を開けておき、マンホール内へ装置の各部品を分解して搬入し、公転用ガイド12の中心を管体2の中心軸に合致させて装置全体を組み立てる。この状態でエンドミルカッター18を予め開けた挿入孔に合致させて前進させ、該挿入孔内に挿入する。次いでカッター駆動用モーター15を駆動させてエンドミルカッター18を回転させつつ旋回台13をゆっくりと旋回させることによって、該カッター18を管体2の周囲に沿って移動させ、これによって環状配置にシール材充填空隙4を形成する。
【0021】
この他、図9に示すように、前述したエンドミルカッター18及びその回転駆動用モーター15に代えてジェット水を噴射することによってコンクリートを切削するジェット水噴射ノズル20を取り付け、旋回台を公転させつつジェット水を噴射させることにより、管体2の周囲に沿って公転させ、これによって環状配置にシール材充填空隙4を形成するようにしてもよい。
【0022】
更に、この他図10に示すように、管体2の外形に合わせたコアーカッター21を駆動モーター22により回転させつつ管体2の周囲に押し込み、これによって環状配置にシール材充填空隙4を形成するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る工法においては、水路用の管体がマンホール壁を貫通して一体化された既設マンホール内より、前記管体の周囲のマンホール壁を該管体の外周に沿って一定幅の環状配置に切除することによって管体とマンホール壁とを縁切りさせ、該切除によって形成された環状空隙内に、水密性を維持しつつ弾性変形が可能なゴム状の弾性シーリング材を充填することとしたことによって、施工がマンホールの周囲を掘削することなく、マンホール内からの作業によって実施することができ、工事が大掛かりとならないため、短期間に低コストで既設管渠の耐震化が可能となる。
【0024】
また、弾性シーリング材として水膨張性を有するゴム材を使用することにより、管渠内の流水や外部の地下水によって膨張されることとなり、高い水密製を維持させることができる。
【0025】
更に、中心軸の周囲にコンクリート切削刃を一体に有する回転工具を用いたコンクリートカッターを使用し、前記回転工具をマンホール壁に貫通させ、回転させつつ管体の周囲に沿って移動させることによってマンホール壁に環状空隙を形成することにより、狭い出入り口のマンホールであっても工具の搬入が容易となり、しかも装置が電動ドリルなどの簡易な汎用性のものが使用できるため、作業性がよく、装置に要する費用も少なくなり、コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工法を施工するマンホールの一例を示す断面図である。
【図2】 本発明工法におけるインバートコンクリートはつり後の状態を示す部分断面図である。
【図3】 同上の管体周囲のマンホール壁の切除工程を示す部分切断面図である。
【図4】 同上の切除による空隙形成状態を示す部分断面図である。
【図5】 同上のインバートコンクリート再打設後の状態を示す部分断面図である。
【図6】 同上のシーリング材充填後の状態を示す部分断面図である。
【図7】 本発明方法を実施する装置の一例の断面図である。
【図8】 同上の正面図である。
【図9】 本発明方法を実施する装置の他の例の断面図である。
【図10】 本発明方法を実施する装置の更に他の例の断面図である。
【符号の説明】
1 マンホール
1a マンホール壁
2 管体
3 インバートコンクリート
3a インバートコンクリート
4 外周側シーリング材充填空隙
4a 挿入口
5 端面側シーリング材充填空隙
6 弾性シーリング材
10 コンクリート切断装置
11 支持台
12 公転用ガイド
13 旋回台
14 旋回駆動用モーター
15 カッター駆動用モーター
15a 回転駆動軸
16 油圧シリンダー
17 チャック
18 エンドミルカッター
20 ジェット水噴射ノズル
21 コアーカッター
22 駆動モーター

Claims (3)

  1. 既設通水路用の管体がマンホール壁を貫通して一体化された既設マンホール内より、前記管体の周囲のマンホール壁を、中心軸の周囲にコンクリート切削刃を一体に有する回転工具を用いたコンクリート切断装置を使用し、前記回転工具をマンホール壁に切り込ませ、回転させつつ管体の周囲に沿って移動させることにより該管体の外周に沿って一定幅の環状配置に切除して該管体とマンホール壁とを縁切りさせ、該切除によって形成された環状空隙内に、水密性を維持しつつ弾性変形が可能な弾性シーリング材を充填することを特徴としてなる既設マンホール取付け管渠の耐震化工法。
  2. 既設通水路用の管体がマンホール壁を貫通して一体化された既設マンホール内より、前記管体の周囲のマンホール壁を、内径が管体の外径より少し大きく、先端にダイヤモンドチップを固定した円筒形のコアを回転させることにより該管体の外周に沿って一定幅の環状配置に切除して該管体とマンホール壁とを縁切りさせ、該切除によって形成された環状空隙内に、水密性を維持しつつ弾性変形が可能な弾性シーリング材を充填することを特徴としてなる既設マンホール取付け管渠の耐震化工法。
  3. 弾性シーリング材として水膨張性を有する材料を使用する請求項1又は2に記載の既設マンホール取付け管渠の耐震化工法。
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