JP4262503B2 - 制御されたチャネル推定を行なう通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御されたチャネル推定を行なう通信システムに関し、特にパイロット信号電力などの予め定められたパラメータの状態に基づき非繰り返しチャネル推定と繰り返しチャネル推定とを選択的に切換えることによって通信性能を改善した通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、MC−CDMA(マルチキャリアCDMA)その他の通信システムにおいては、パイロットシンボルおよびデータシンボルを用いて繰り返しチャネル推定を行なうことにより受信性能を改善することが行なわれている。(新 博行他、「繰り返しチャネル推定を用いたときの下りリンクブロードバンドパケットTD−OFCDMの特性」、信学技報RCS2000−186、2001年1月)。
【0003】
繰り返しチャネル推定の処理は例えば次のようにして行なわれる。まずパイロットシンボルを用いて初期チャネル利得が推定される。この推定された初期チャネル利得は初期データ検出処理のために使用される。このようにして検出された初期データは、再符号化され、再変調および再拡散されて、チャネルエスティメイタにフィードバックされる。該チャネルエスティメイタにおいては、データ信号によるチャネル推定が行なわれ、すなわち受信データ信号と前記再拡散されたデータを使用してチャネル推定が行なわれる。このようにして得られたデータ信号による推定されたチャネル利得は前記初期チャネル利得と組み合わされ、すなわち平均され、第1の繰り返し推定チャネル利得すなわち第1の平均推定値を得る。
【0004】
このようにして得られた第1の繰り返し推定チャネル利得が使用されて再び受信データの検出が行なわれ、該データがデコードされる。このようにしてデコードされたデータは再び再符号化され、再変調され、再拡散されて、チャネルエスティメイタにフィードバックされる。これによって、第2の繰り返し推定チャネル利得すなわち第2の平均推定値が得られる。この第2の繰り返し推定チャネル利得を使用して同様にデコード処理が行なわれ、この処理がN回にわたり引き続き行なわれる。このような繰り返しチャネル推定によって得られた平均繰り返し推定チャネル利得すなわち最終平均推定値が使用されて受信信号のデコードなどが行なわれる。従来、このような繰り返しチャネル推定は、例えば、パイロット電力、アクティブユーザ数および相手ユーザの信号対雑音比(SNR)などの条件にかかわりなく全ての場合に行なわれていた。
【0005】
また、このような繰り返しチャネル推定を複数ユーザの受信信号をも用いて行なう技術も提案されている。このような技術(マルチユーザディテクション:multi users detection)においては、他のアクティブユーザの受信信号もデコードされかつ上記繰り返しチャネル推定処理の間に受信信号から減算されていた(特表平8−509592号、多重アクセスディジタル伝送装置と無線基地局およびそのような装置に用いるための受信機)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の通信システムにおける繰り返しチャネル推定においては、繰り返しチャネル推定処理は受信条件、例えばパイロット電力、アクティブユーザ数および相手ユーザの信号対雑音比条件など、にかかわりなく適用されていた。繰り返しチャネル推定においては、データ信号による推定値はパイロット信号による初期推定値と組み合わされてより良好な推定値を得ようと試みる。しかしながら、例えばパイロットシンボルの電力が大きく、初期推定値のエラーが、多数のユーザの信号が相手ユーザの信号と符号多重されている場合のデータ信号による推定値のエラーよりも少ない場合を考える。この場合、他のユーザの信号が付加的なノイズのように作用するデータ信号によるチャネル推定は高いエラー率を有する。このため繰り返しチャネル推定を行なうと推定エラーをかえって増大させることになる。
【0007】
図5は、2つの異なるパイロット信号電力条件における典型的なシミュレーション結果を示す。同図においては、繰り返し推定における繰り返し数(Ite)は1と仮定している。それは、一般に最初の繰り返し推定によってかなりの改善が得られるためである。図5の横軸は考慮中のユーザと共に動作している他のユーザの数を示す。また、縦軸はブロック誤り率(BLER)が1パーセントの場合における1ビットあたりのエネルギ対雑音電力密度比(Eb/No[dB])を示している。また、PI/DT(またはPICH/DTCH)は、データ信号の電力に対するパイロット信号の電力の比率を示している。
【0008】
図5から明らかなように、PI/DT=12dBの場合は、ユーザ数が約20になるまでは繰り返しチャネル推定を行なうことによって性能が改善されるが、ユーザ数がこれより多くなるとチャネル推定エラーの増大のため悪影響が生じ性能が低下する。また、PI/DT=6dBの場合は、ユーザ数が約30までは繰り返しチャネル推定を行なうことによって性能が改善されるが、符号多重されるユーザの数がこれより多くなると繰り返しチャネル推定によってかえって性能が悪化することがわかる。
【0009】
従来は、パイロット信号電力およびユーザ数などのパラメータの値にかかわりなく繰り返しチャネル推定を行なっていたため、上述のようにユーザ数がある値以上に多くなると繰り返しチャネル推定処理によって受信性能がかえって悪化する場合があった。
【0010】
また、前述のように、他のユーザの信号の影響を低減するためにマルチユーザディテクションの処理を行なうことも可能であった。マルチユーザディテクションは、より強い妨害を与える他のユーザの信号をデコードする必要があり、このためデコードされる他のユーザの数に伴って指数関数的に計算処理が増大する。このため、ユーザの数に応じて電力消費も指数関数的に増大することになる。したがって、このようなマルチユーザディテクション処理は用いないかあるいは最小限に止めることが望ましい。
【0011】
したがって、本発明の目的は、前述の従来の技術における問題点に鑑み、非繰り返しチャネル推定と繰り返しチャネル推定を選択的に行なうことにより、常に繰り返しチャネル推定を行なうことによる受信性能への悪影響を除去し多様な条件下で優れた通信性能を有する通信システムを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、受信機における計算処理を少なくしかつ電力消費を低減しながら、多様な条件下で優れた通信性能を有する通信システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、少なくともパイロットシンボルおよびデータシンボルを含む信号を送信する送信機と、前記信号を受信しかつ受信した前記信号に基づきチャネル推定を行うことによりチャネル利得値を求める受信機とを有する通信システムが提供され、該通信システムは、前記受信機において、予め定められたパラメータが所定のしきい値を超えているか否かに応じて選択的に前記パイロットシンボルのみによるチャネル推定または前記パイロットシンボルと前記データシンボルとを用いた繰り返しチャネル推定を行なうことを特徴とする。
【0014】
前記所定のパラメータは、前記送信機と通信している受信機数であるアクティブユーザ数(Nu)およびデータシンボル電力に対するパイロットシンボル電力の比(PDR)に基づき決定されたビット当りのエネルギ対雑音電力密度比(Eb/No)の値とすることができる。
【0015】
この場合、前記ビット当りのエネルギ対雑音電力密度比(Eb/No)の値のしきい値Thは例えば次の式、
【数1】
から決定することができる。
【0016】
また、前記アクティブユーザ数(Nu)およびデータシンボル電力に対するパイロットシンボル電力の比(PDR)は送信機側から受信機側に通知することができる。
【0017】
さらに、前記通信システムは基地局および複数の移動ユニットを備えたセルラ通信システムであり、前記チャネル推定は前記基地局から前記移動局への通信において、前記移動局において行なうと好都合である。
【0018】
前記パイロットシンボルのみによるチャネル推定は受信パイロットシンボルと、既知のパイロットシンボルパターンとの除算に基づき行なうことができる。
【0019】
また、前記繰り返しチャネル推定は、まずパイロットシンボルに基づきチャネル利得の推定を行なうことにより初期推定値を求め、次にデータシンボルによってチャネル利得の推定を行うことにより第1の反復推定値を求め、該第1の反復推定値を前記初期推定値と平均して第1の平均推定値を求め、さらにデータシンボルによってチャネル利得の推定を行うことにより第2の反復推定値を求め、該第2の反復推定値を前記初期推定値と平均して第2の平均推定値を求め、以下同様に所定数のチャネル利得の推定を行うことによって最終平均推定値を求めることによって行なうことができる。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる通信システムに使用される受信機の構成を示す。同図の受信機は、離散的フーリエ変換器(DFT)2、デマルチプレクサ(DMUX)3、逆拡散部4、復調部5、およびデコーダ6を備えている。図1の受信機はまた、再エンコーダ9、再変調部10、再拡散部11を備えている。図1の受信機は、さらに、本発明に従って、チャネル推定部7および制御部12を備えている。チャネル推定部7は、パイロットシンボル用チャネルエスティメイタ7a、データシンボル用チャネルエスティメイタ7b、並びにこれらの出力を組み合わせるコンバイナ8を備えている。
【0021】
図示しない送信機からの信号が入力ポート1において受信され受信信号が得られる。該受信信号はDFT2において時間領域から周波数領域へと変換が行なわれる。DFT2から出力される信号はDMUX3において、データ信号およびパイロット信号へと分離される。
【0022】
DMUX3によって得られた受信パイロット信号は、チャネルエスティメイタ7aの一方の入力に供給され、該チャネルエスティメイタ7aの他方の入力には既知のパターンを有するパイロットシンボルが供給される。チャネルエスティメイタ7aは、これらのパイロット信号を使用してチャネル推定を行ない(パイロットエイデッド・チャネル推定:pilot aided channel estimation)、初期チャネル利得を推定出力する。後に詳細に説明するように、制御部12が所定の条件に基づき非繰り返しチャネル推定を行なうべきことを指示しているか、パイロット信号による最初のチャネル推定が行なわれた後は、チャネルエスティメイタ7aによって得られた初期チャネル利得はコンバイナ8を介して逆拡散部4に供給され、推定チャネル利得として使用される。
【0023】
逆拡散部4は、上述のようにして得られた初期チャネル利得を使用して受信データの検出を行なう。すなわち、DMUX3から供給されるデータ信号を逆拡散して復調部5に入力する。復調部5は逆拡散されたデータを復調し、デコーダ6を介して所望の出力データ14が得られる。
【0024】
もし、制御部12が所定の条件に基づき繰り返しチャネル推定を行なうべきことを指示しておれば、前記出力データ14は再エンコーダ9において再び符号化され、再変調部10において再変調されかつ再拡散部11において再拡散が行なわれる。再拡散部11において再拡散されたデータ信号はチャネルエスティメイタ7bの一方の入力に供給される。チャネルエスティメイタ7bの他方の入力にはDMUX3からの受信データ信号が供給される。これによって、チャネルエスティメイタ7bは、データによるチャネル推定(データエイデッド・チャネル推定:data aided channel estimation)を行なう。これによって得られたチャネル利得値(データによるチャネル推定値)はコンバイナ8に供給される。コンバイナ8は、このようにして得られたデータによるチャネル推定値を前記パイロットシンボルによる初期チャネル推定値と組み合わせ、例えば平均し、最初の繰り返しチャネル推定値として逆拡散部4に供給する。
【0025】
このようにしてコンバイナ8から供給された繰り返しチャネル推定値または利得値は逆拡散部4において使用される。すなわち、逆拡散部4はこのような繰り返しチャネル推定値を用いて逆拡散を行ない、かつ逆拡散されたデータは復調部5において復調される。デコーダ6において復調部5からの信号がデコードされ得られた情報ビットは出力ポート14に送られる。デコードされたデータ、すなわち出力ポート14に送られたデータ、は再エンコーダ9により再び符号化され、再変調部10によって再変調され、かつ再拡散部11によって再拡散される。このような動作は、繰り返しチャネル推定が適用される場合に、予め定められた繰り返し推定数にわたり行なわれる。
【0026】
図2は、図1に示されるチャネル推定部7の詳細な構成を示す。チャネル推定部7は、前述のようにパイロットシンボル用チャネルエスティメイタ7a、データシンボル用チャネルエスティメイタ7bおよびコンバイナ8を備えている。チャネルエスティメイタ7aは、除算器21aおよび該除算器21aの出力を平均する加算器22aを備えている。除算器21aの一方の入力Xには端子23を介して、DMUX3から、受信パイロット信号が供給される。除算器21aの他方の入力Yは予めパターンが知られているパイロットシンボルが供給される。
【0027】
また、データシンボル用チャネルエスティメイタ7bは、除算器21bと、該除算器21bの出力を平均する加算器22bを備えている。除算器21bの一方の入力XはDMUX3(図1)から供給される周波数領域の受信データ信号が供給される。なお、前記パイロットシンボル用チャネルエスティメイタ7aの入力Xには周波数領域の受信パイロット信号が入力される。除算器21bの他方の入力Yには再拡散部11(図1)からのフィードバックされた再拡散データ信号が供給される。なお、端子26には制御部12(図1)からの制御信号が供給され、該制御信号は非繰り返しチャネル推定を行なうかあるいは繰り返しチャネル推定を行なうかを指示する。端子26に供給される制御信号は各チャネルエスティメイタ7a,7b、およびコンバイナ8に供給される。コンバイナ8の出力27からは推定チャネル利得(制御されたチャネル利得)を示す信号が出力され、逆拡散部4(図1)に供給される。
【0028】
図2の構成において、パイロットシンボル用チャネルエスティメイタ7aは、前述のように初期チャネル利得を推定する。すなわち、除算器21aは、入力Xにおける受信パイロット信号を入力Yにおける既知のパイロットパターン信号で除算し、除算値X/Yを加算器22aに供給する。加算器22aは幾つかのパイロット信号によるチャネル利得の推定値(X/Y)を加算しかつ平均して平均チャネル推定値を生成しコンバイナ8に供給する。
【0029】
コンバイナ8は端子26から供給される制御信号に基づき結合動作を行なうかあるいは加算器22aからの出力を直接出力端子27に供給する。もし制御部12(図1)が非繰り返しチャネル推定を指示しておれば、加算器22aからのチャネル推定値が出力端子27に供給され逆拡散部4(図1)に送られる。
【0030】
もし制御部12が繰り返しチャネル推定を行なうよう指示しておれば、チャネルエスティメイタ7bにおいてデータ信号に基づくチャネル推定が行なわれる。すなわち、除算器21bにおいて、DMUX3(図1)から供給される周波数領域の受信データ信号が再拡散部11からのフィードバック再拡散データによって除算され、これによってデータシンボルによるチャネル推定値X/Yが得られる。加算器22bは幾つかのデータに対する推定チャネル利得X/Yを加算して平均し、平均チャネル推定値を得る。コンバイナ8は、このようにして得られたデータシンボルによる平均チャネル推定値を前述のようにして得られた加算器22aからのパイロットシンボルによる平均チャネル推定値と組み合わせ、例えば平均し、出力端子27から総合チャネル推定値を出力する。この総合チャネル推定値は逆拡散部4に供給される。
【0031】
次に、前記制御部(図1)がどのようにして非繰り返しチャネル推定と繰り返しチャネル推定との間の選択を行なうかにつき説明する。非繰り返しチャネル推定を使用するか繰り返しチャネル推定を使用するかは、例えば、予め定められたパラメータが所定のしきい値を超えているか否かによって行なうことができる。該しきい値は、例えば、所定のブロック誤り率(BLER)の場合に要求されるEb/No(1ビットあたりのエネルギ対雑音電力密度比)に基づくことができる。このしきい値、すなわち要求Eb/No、は2つの変数、アクティブユーザ数(Nu)およびパイロット−データ比(PDR)に基づき決定することができる。アクティブユーザ数(Nu)およびパイロット−データ比(PDR)は、例えばセルラ通信システムにおいては、送信機(例えば基地局)から移動ユニットに各チャネル毎に通知される。
【0032】
しきい値Eb/Noとアクティブユーザ数(Nu)およびパイロット−データ比(PDR)との関係は、例えばフィールドテスト、あるいはシミュレーションによって決定される。これらの関係は、発明者等のシミュレーションによれば、例えば次の数式によって9個のパラメータによって独自に表現できる。一例として、シミュレーションによれば、前記パイロット−データ比(PDR)およびアクティブユーザ数(Nu)に対するEb/Noのしきい値Thの関係は次のように表わされる。
【数2】
この式において、しきい値Thはデシベル(dB)におけるしきい値を表わしている。
【0033】
このようなしきい値Thを用いて非繰り返しチャネル推定と繰り返しチャネル推定との選択を行なうために、受信機においてEb/Noの値が計算される。すなわち、送信機から送られた現在のNuおよびPDRの値を使用して、上記数式により現在のEb/Noの値が計算される。そして、もし現在のEb/Noが前記しきい値Thより小さければ、制御部12は繰り返しチャネル推定を指示し、現在のEb/Noが前記しきい値Th以上であれば、制御部12は非繰り返しチャネル推定を選択する。
【0034】
図3は、種々の条件下における前記しきい値Thのグラフ、および1パーセントのBLERにおける要求Eb/No[dB]の関係を示す。図3において、横軸はユーザ数(Nu)を示し、縦軸は1パーセントのBLERにおける要求Eb/Noを示す。
【0035】
また、図3において、ThPDR6およびThPDR12と名付けられたグラフは、それぞれ、PDR=6dBおよびPDR=12dBの場合のしきい値Thを示している。点線と黒丸および菱形でそれぞれ示されたグラフは、PDR=6dBに対する性能グラフ、すなわち要求Eb/Noを示している。また、前述のように実線および菱形で示されるグラフは、PDR=6dBにおけるしきい値Thのグラフを示している。非繰り返しチャネル推定の性能を示すグラフ、点線および黒丸で示されるグラフ、はPDR=6dBに対するしきい値グラフThPDR6とユーザ数31のポイントで交差する。したがって、31より少ないユーザに対しては、要求Eb/Noはしきい値Thより低い。したがって、性能を改善するため繰り返しチャネル推定を適用する。また、ユーザ数が31より多い場合は、繰り返しチャネル推定による悪影響を防止するため非繰り返しチャネル推定が適用される。同様にして、PDR=12dBの場合は、ユーザ数が19より小さい場合に繰り返しチャネル推定が適用され、ユーザ数が19以上の場合にパイロットシンボルのみを使用して非繰り返しチャネル推定が使用される。
【0036】
図4は、このような本発明による制御された繰り返しチャネル推定を使用した場合の性能を示す。図4から概略的に分かるように、例えばPI/DT=12dBの場合は、図4のグラフにおいて黒丸で示した制御されたチャネル推定を用いることにより、広い範囲のユーザ数にわたり要求Eb/Noの値を低くすることができる。PI/DT=6の場合も、ユーザ数が30付近で繰り返しチャネル推定と非繰り返しチャネル推定とを切換えることにより、広い範囲のユーザ数にわたり要求Eb/Noを低くすることができる。したがって、本発明によれば、ユーザ数が比較的多い場合にも、要求Eb/Noを低くすることができるから、マルチユーザディテクション処理を用いなくても、良好な通信性能を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば、予め定められたパラメータの値が所定のしきい値を超えているか否かに基づき、繰り返しチャネル推定と非繰り返しチャネル推定とを選択的に適用するから、例えばユーザ数が多い場合における繰り返し推定による悪影響を除去することができる。したがって、余分の計算処理および電力の増大を防止しながら、より広い範囲の通信条件において良好な受信性能を得ることができる。また、マルチユーザディテクション処理も必ずしも必要でないから、この点からも計算処理および電力の増大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる通信システムにおいて使用される受信機の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の受信機において使用されるチャネル推定部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】繰り返しチャネル推定と非繰り返しチャネル推定とを選択するためのしきい値などの特性を示すグラフである。
【図4】本発明によって得られる性能の改善の様子を示すグラフである。
【図5】繰り返しチャネル推定を用いた場合の性能を示すグラフである。
【符号の説明】
2 離散的フーリエ変換器(DFT)
3 デマルチプレクサ(DMUX)
4 逆拡散部
5 復調部
6 デコーダ
7 チャネル推定部
7a パイロットシンボル用チャネルエスティメイタ
7b データシンボル用チャネルエスティメイタ
8 コンバイナ
9 再エンコーダ
10 再変調部
11 再拡散部
12 制御部
Claims (6)
- 少なくともパイロットシンボルおよびデータシンボルを含む信号を送信する送信機と、前記信号を受信しかつ受信した前記信号に基づきチャネル推定を行うことによりチャネル利得値を求める受信機とを有する通信システムであって、
前記受信機において、前記送信機と通信している受信機数であるアクティブユーザ数(Nu)およびデータシンボル電力に対するパイロットシンボル電力の比(PDR)に基づき決定されたビット当りのエネルギ対雑音電力密度比(Eb/No)の値が所定のしきい値を超えているか否かに応じて選択的に前記パイロットシンボルのみによるチャネル推定または前記パイロットシンボルと前記データシンボルとを用いた繰り返しチャネル推定を行なうことを特徴とする通信システム。 - 前記ビット当りのエネルギ対雑音電力密度比(Eb/No)の値のしきい値Thは次の式、
【数1】
Th=(0.0019PDR 2 −0.0292PDR+0.1167)Nu 2
−(0.112PDR 2 −1.7667PDR+7.333)Nu
+(1.65PDR 2 −27.1833PDR+130)
から決定されることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記アクティブユーザ数(Nu)およびデータシンボル電力に対するパイロットシンボル電力の比(PDR)は送信機側から受信機側に通知されることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 前記通信システムは基地局および複数の移動ユニットを備えたセルラ通信システムであり、前記チャネル推定は前記基地局から前記移動局への通信において、前記移動局において行なわれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 前記パイロットシンボルのみによるチャネル推定は受信パイロットシンボルと、既知のパイロットシンボルパターンとの除算に基づき行なわれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 前記繰り返しチャネル推定は、まずパイロットシンボルに基づきチャネル利得の推定を行なうことにより初期推定値を求め、次にデータシンボルによってチャネル利得の推定を行うことにより第1の反復推定値を求め、該第1の反復推定値を前記初期推定値と平均して第1の平均推定値を求め、さらにデータシンボルによってチャネル利得の推定を行うことにより第2の反復推定値を求め、該第2の反復推定値を前記初期推定値と平均して第2の平均推定値を求め、以下同様に所定数のチャネル利得の推定を行うことによって最終平均推定値を求めることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
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