JP4262937B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ(LD)を用いた電子部品のパッケージ構造に関するものであり、特に光ディスクシステム、例えばコンパクトディスクやディジタルビデオディスクにおいて使用される光ピックアップに組み込まれる半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体レーザ装置については、CANタイプの金属ステムを用いたハーメチックシール方式の気密タイプが主流となっている。また、半導体レーザ装置は、通常、コンパクトディスクやディジタルビデオディスク向けの光ピックアップ用の用途向けとして、φ5.6mmやφ9mmといった規格形状のCANタイプステムが用いられている。これらの基本的な構造を図4に示す。
【0003】
すなわち、円盤形状のステム51の中央部に半円柱状のチップ取付部52を形成するとともに、このチップ取付部52の近傍のステム51に、リード55,56を挿通するための開口部53,53を形成している。そして、それぞれの開口部53,53にリード55,56を挿通し、ステム51との間の絶縁を保つために、その開口部周辺に低融点ガラス54を充填して、リード55,56をステム51に固定している。
【0004】
一方、チップ取付部52の基準面(取付面)52aに半導体レーザ素子57を取り付け、半導体レーザ素子57と一方のリード56とをワイヤー58により接続している。
【0005】
そして、この状態で、円筒形状のキャップ部59をステム51上に載置固定することにより、図4(b)に示すCANステムタイプの半導体レーザ装置が作製される。
【0006】
キャップ部59には、気密特性および特定の波長の透過率を上げるために、レーザの出射窓部分59aにARコーティングしたガラス材591が低融点ガラスなどで接着されている。
【0007】
因みに、このCANステムタイプの半導体レーザ装置に属するものとして、特開2000−77792号公報に記載されている半導体レーザユニットが挙げられる。
【0008】
また、最近では、主にコンパクトディスク再生用途向けに、リードフレームと樹脂とを一体成型した「フレームレーザ」と呼ばれる低価格なオープンパッケージ構造の半導体レーザ装置が出現してきている。図5は、このオープンパッケージ構造の半導体レーザ装置の基本的な構造を示している。
【0009】
すなわち、3本1組のリード61,62,63を、タイバー60によって複数組連結してリードフレームとなし、このように連結された各組のリード61〜63と、ハウジングとなる樹脂部材64とを一体成型する。この後、中央に位置しているリード62の先端に形成されたチップ取付面62aに半導体レーザ素子65を取り付け、この半導体レーザ素子65と一方の側方リード63とをワイヤー66により電気的に接続し、最後にタイバー60部分を切断することにより、オープンパッケージ構造の半導体レーザ装置が作製される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の金属ステムを用いたCANタイプのハーメチック構造のパッケージでは、金属ステム51とキャップと呼ばれる金属のカバー(キャップ部59)とが用いられていることから部品点数が多く、また、キャップ部59には、気密特性および特定の波長の透過率を上げるために、レーザの出射窓部分59aにARコーティングしだガラス材591が低融点ガラスなどで接着されていることが一般であるため、このことが部材のコスト低減のネックになっているといった問題があった。
【0011】
また、ステム51においては、リード55,56の取り付けに際して、ステム51との絶縁性を保つ必要があるため、低融点ガラスを介在させて気密特性を維持しながらリード55,56の保持を実現している。このことより、ステム51は単体での供給を余儀なくされ、連結した状態で効率的に組み立てていく工程を実現することができないといった問題があった。
【0012】
一方、このようなCANタイプのレーザパッケージの問題点を解決するため、上記したように「フレームパッケージ」と呼ばれるリードフレームと樹脂ハウジングとを一体成型した構造のレーザパッケージが開発されている。
【0013】
しかしながら、CANタイプパッケージでは金属のステム部分に半導体レーザ素子を搭載するためあまり問題とならなかった熱放散の特性が、「フレームレーザ」では悪化するという問題が内在し、熱特性の悪いレーザチップ(半導体レーザ素子)や発熱の大きい高出力のレーザチップの搭載ができないといった問題があった。また、「フレームレーザ」がその生産性と価格を擾先して誕生したという背景もあり、業界標準的な形状が定まっておらず、ユーザ側で使いこなすために、ピックアップのハウジングの形状変更を余儀なくされるといった問題もあった。
【0014】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、CANタイプの半導体レーザ装置とのコンパチビリティを保ちながら、熱放散特性を維持または向上させることのできる半導体レーザ装置を提供することにある。また、他の目的は、リードの多連化ができることで、部材価格の低減が図れ、連結した状態での工程投入により工数の短縮化が図れ、結果としてアセンブリコストも低減できる半導体レーザ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ装置は、基部と、前記基部に設けられた搭載部とからなる導電性支持体と、前記搭載部に搭載された半導体レーザ素子と、前記支持体に一体的に取り付けられた1組のリードとを備えた半導体レーザ装置において、
前記基部は、少なくとも1つの貫通する開口部を有し、
前記1組のリードは、前記支持体に電気的・機械的に接続される少なくとも1つの第1のリードと、前記支持体に電気的に接続されない少なくとも1つの第2のリードとを含み、
前記少なくとも1つの貫通する開口部には、前記1組のリードのうち少なくとも前記第2のリードが挿入されると共に樹脂ブロックが充填されており、前記樹脂ブロックによって開口部に挿入されたリードが前記支持体に一体的に固定されており、
前記支持体の搭載部は上記半導体レーザ素子を搭載する基準面を有し、前記搭載部の基準面と、前記第2のリードの少なくとも前記基準面と同じ側に位置している面とを除いて、前記搭載部および前記基部よりも搭載部側に位置する前記第2のリードの全体が絶縁体により被覆されており、
前記搭載部および前記第2のリードを被覆している前記絶縁体は前記樹脂ブロックと同じ樹脂からなることを特徴とする。
【0016】
樹脂ブロックの材料としては、液晶ポリマー樹脂やPPS等一般的な電子部品用樹脂を使用することができる。
【0017】
前記支持体は絶縁性および熱放散性の良好な材料で形成するのが望ましく、たとえば、銅系合金のコバールや安価な鉄系の金属、アルミ、真鍮等を使用することができる。
また、前記1組のリードはリードフレームによって提供され得る。
【0018】
このような特徴を有する本発明によれば、半導体レーザ素子は支持体の搭載部に搭載されるので、従来のCANタイプパッケージと同様の熱放散特性を維持することができ、高出力のレーザチップを搭載することができる。また、前記基部は円盤状に形成でき、搭載部は柱状に形成できる。つまり、本発明は、支持体がCANパッケージステムとコンパチブルな形状をとることを可能にする。したがって、本発明の半導体レーザ装置のパッケージを採用するに際して、ユーザはピックアップハウジングに関する設計変更を最小限にとどめることが可能となる。
【0019】
さらに、少なくとも第2のリードを樹脂ブロックによって支持体に一体的に固定する構造は、リードとしてリードフレームを使用することが可能であるため、装置の組み立てを効率化して低コストに装置を製造することが可能になる。
【0020】
本発明においては、前記搭載部の基準面と、前記第2のリードの少なくとも前記基準面と同じ側に位置している面とを除いて、前記搭載部および前記第2のリードの全体が絶縁体により被覆されている。そして、この絶縁体は、前記樹脂ブロックの材料と同じ樹脂材料で形成されている。
【0021】
支持体の形状に関し、従来のCANタイプではキャップを被せる必要があったため、レーザチップ(半導体レーザ素子)搭載部分の立ち上げブロックの構造と大きさに制約があったが、本発明ではキャップが不要であるため、樹脂部材のモールド構造によっては外形一杯まで支持体の搭載部のサイズを大きくすることが可能となり、結果として、CANタイプの半導体レーザ装置よりも熱放散特性を向上させることが可能となる。さらに、キャップが不要となることから、低コストを実現することが可能となる。
【0022】
一実施形態では、前記基部は前記貫通する開口部を1つだけ有しており、この1つの開口部に前記1組のリードが挿入されており、この1組のリードが前記樹脂ブロックによって支持体に一体的に固定されている。この場合、前記第1のリードは、溶接等によって、前記支持体に機械的・電気的に接続できる。また、従来のCANステムタイプの半導体レーザ装置に比べて、開口部をかなり大きくできるので、この開口部は、プレス加工で容易に形成できる。さらに、1組のリードを一括して樹脂ブロックによって支持体に固定するので、組み立て時間を短縮化できる。
【0023】
前記第1のリードは、前記樹脂ブロック内に完全に埋設されるのが好ましい。
【0024】
ところで、前記基部がφ5.6mm程度の比較的大きな寸法の支持体の場合には問題ないが、支持体寸法が小さくなってくると、たとえば外形サイズがφ3.0mm以下程度になってくると、板厚との関係もあるが、通常放熱と基準面精度の確保から1mm程度の厚みを確保した場合、リードを貫入するための貫通穴をプレス加工で開ける事が困難となってくる。
【0025】
また、リードと支持体との接合に関しては、小さい開口部での接合となり、レーザーによる溶接手法等の狭い領域での接合をねらえる手法においても、照射角度が浅くなり、接合が困難となってくる。
【0026】
さらに、支持体とリードとの接合を溶接による半導体レーザ装置では、製造装置が大がかりとなり、また溶接によるリードと支持体との溶融部分の大きさのコントロールが難しいため、特にデバイスの大きさが小さくなってくると、溶接部近傍の形状寸法精度確保が困難となってくる。また、溶接時の熱で、金属中に含まれるカーボン成分がこげて煤となり製品に付着し、見栄えおよびワイヤボンディング性能を損なう要因となりうる。
【0027】
そこで、このような不都合を解消すべく、一実施形態では、前記1組のリードと前記支持体とを、線膨張係数が略同じ材料で形成している。このようにすることにより、リードと支持体とを溶接により接合する方法以外に、圧入やかしめという方法を採用することが可能となる。
【0028】
例えば、前記基部は前記第1のリードが圧入される穴をさらに備えており、前記第1のリードをこの穴に圧入することで、第1のリードを前記支持体に電気的かつ機械的に接続することができる。あるいは、前記基部は、前記第1のリードが挿通される穴をさらに備えており、この穴に挿入された第1のリードを半導体レーザ素子側の端部をつぶしてかしめることで、第1のリードを前記支持体に電気的かつ機械的に接続してもよい。
【0029】
リードと支持体とを接合する方法として、溶接以外に圧入やかしめという方法を採用することで熱的なプロセスを用いずにリードと支持体とを接合することが可能となる。このことで、溶接による材料変形や煤による汚染を防止することが可能となる。
【0030】
圧入およびかしめという方法をとる場合、リードと支持体との材質を、線膨張係数が略同じものを採用することで、温度変化によらず接合部の強度を維持することが可能となる。また、挿入リードの頭部をつぶすことで接続を図るかしめの場合、リードの引き抜き強度に関しては、圧入の場合よりも、強固に接続できるのと、貫入穴径を少し大きくとることができる。
【0031】
一実施形態では、前記樹脂ブロックが充填されている開口部は、この開口部が前記基部を貫通する方向と略直交する方向に開放されている。このように開口部を開放することにより、支持体のプレス加工プロセスを平易なものにし、リードと支持体との接合方式についての選択自由度が高くできる。この結果、装置の小型化を進めることができる。
【0032】
前記開口部の幅は、中心部分よりも開放部分の方が狭いのが好ましい。こうすることにより、リードとリードを保持する樹脂ブロックが支持体から分離・脱落する危険性を回避できる。
【0033】
一実施形態において、半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子からの出射光が半導体レーザ素子に戻るのを防止する手段を備えている。
【0034】
一例において、前記出射光が半導体レーザ素子に戻るのを防止する手段は、前記樹脂ブロックまたは前記搭載部を被覆する絶縁体の、前記半導体レーザ素子からの出射光が直接当たる部分に設けたテーパ面である。
【0035】
また、一実施形態において、前記半導体レーザ素子からの出射光の蹴られを防止するために、前記搭載部のレーザ素子搭載面の、前記レーザ素子からの光が外部に射出する側の端部の少なくとも一部が、例えばテーパー面あるいは段差面を形成するように、切除されている。つまり、この実施形態では、ビームの放射形状に合わせてレーザ素子搭載面の一部(レーザビームが外部に出射する側)を欠落させた形状としているのである。レーザ素子搭載面がこのような形状を取らない場合、実際の使用に際しては、レーザ素子の搭載位置と搭載面の形状の関係から、出射されたビームが搭載面のエッジで蹴られ、ビーム形状の対称性が損なわれる可能性がある。しかし、この例の場合には、素子搭載面のレーザビームが外部に出射する側の部分を欠落させたことにより、ビームの放射形状の蹴られの問題を回避できる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の外観図、図2は縦断面図を示している。
【0042】
この半導体レーザ装置は、円盤状の基部(以下、「円盤状部」)11とこの円盤状部11の中央部に形成された柱状の搭載部(以下、「柱状体」)12とからなる支持体1と、この支持体1に一体に取り付けられる複数本(本実施形態では3本)が1組となったリード21,22,23(図では、これらのリードがタイバー20で連結されたリードフレーム2状態で示している。)と、柱状体12の基準面12aに取り付けられる半導体レーザ素子3と、この半導体レーザ素子3とリード23とを電気的に接続するワイヤー4とを備えている。支持体1は鉄や銅、銅合金等の金属で形成されている。
【0043】
支持体1の円盤状部11には、柱状体12の周囲に1組のリード21,22,23を挿通可能な開口部111が形成されている。この開口部111は、柱状体12の左右両側が広い開口部となっており、柱状体12の基準面12aの前方が1組のリード2(21,22,23)を実質的に層通する細長の開口部となっている。
1組のリード2(21,22,23)は、この開口部111を挿通されて、図1(b)に示すように適正位置に配置される。この後、開口部111に固定用の絶縁性を有する樹脂ブロック31が形成されることにより、1組のリード2(21,22,23)が支持体1に一体に固定される。この実施形態では、樹脂材料として、液晶ポリマーを使用しているが、PPSやポリカーボネートPBT等を使用することもできる。
【0044】
1組のリード2(21,22,23)は、横断面長方形状、すなわち本実施形態では短冊状に形成されている。そして、柱状体12の基準面12aと、円板状部11より上部に位置している左右のリード21,23(第2のリード)の少なくとも基準面12aと同じ側に位置している面21a,23aとを除いて、柱状体12およびリード21,23の全体が絶縁体(本実施形態では、樹脂部材)32により被覆されている(図1(c)参照)。
【0045】
また、1組のリード2(21,22,23)のうち中央に位置しているリード22(第1のリード)は、支持体1の柱状体12の基準面12aに電気的に接続されている。接続方法としては、レーザ溶接、電気溶接、超音波溶接などが好適である。このリード22は、樹脂ブロック31によって完全に埋設されている。
【0046】
また、半導体レーザ素子3より出射される光が、樹脂ブロック31または柱状体12の全体を被覆している樹脂部材32に直接当たる部分がテーパ面に形成されている。すなわち、本実施形態では、樹脂ブロック31によって埋設されている中央のリード22の上部に、テーパ面33aを有する楔型形状の第2の樹脂ブロック(本実施形態では、樹脂ブロック)33(図1(c)および図2参照)を設けている。
【0047】
これにより、半導体レーザ素子2から下方に出射された光は、第2の樹脂ブロック33のテーパ面33aで角度を変えて反射される。これにより、反射光が半導体レーザ素子3へ戻ることを確実に防止することができる。つまり、反射光が半導体レーザ素子3へ戻ることによってレーザ発振を不安定化させることを防止することができる。
【0048】
次に、上記構成の半導体レーザ装置の製造方法について、図1および図3を参照して説明する。
【0049】
まず、支持体1の円盤状部11に形成された開口部111に、タイバー20により連結された1組のリード2(21,22,23)を下方から挿通する。
【0050】
次に、挿通した1組のリード2(21,22,23)のうち、中央部の1本のリード22と支持体1の柱状体12の基準面12aとを溶接することにより、1組のリード2(21,22,23)と支持体1とを固定する。溶接方法は、上記したように、レーザ溶接、電気溶接、超音波溶接などが好適に用いられる。
【0051】
次に、このようにして支持体1に固定した1組のリード2(21,22,23)を、図示しない樹脂成型用金型に導入し、ハウジング部を樹脂モールドする。具体的には、支持体1の円板状部11より上部において、柱状体12の基準面12aと、左右のリード21,23の少なくとも基準面12aと同じ側に位置している面21a,23aとを除いて、柱状体12およびリード21,23の全体を樹脂モールドする。この樹脂モールドによって、開口部111に挿入される樹脂ブロック31と、柱状体12全体を被覆する樹脂部材32が同時に形成される。また、テーパ面33aを有する第2の樹脂ブロック33も同時に形成される。このときの樹脂モールド法としては、インサート成型法を用いることができる。
【0052】
この後、柱状体12の基準面12aに半導体レーザ素子3を取り付け、この半導体レーザ素子3と一方のリード23とをワイヤボンディングすることにより、電気的な接続を行う。
【0053】
最後に、各リード21,22,23を連結しているタイバー20を切除することにより、半導体レーザ装置が完成する。
【0054】
なお、本発明では、図3に示すように、1組のリード21,22,23がタイバー20により複数組連結されたリードフレーム2と、複数個の支持体1,1,・・・とから、複数個の半導体レーザ装置を同時に製造することが可能である。
(第2実施形態)
この第2実施形態は、支持体の外形サイズがφ3.0mm以下と小さい場合に好適なものである。以下、第2実施形態を図6〜8を参照しながら説明する。なお、図6〜8において、図1〜図3に示した部分と同じまたは同様の部分には同じ参照番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0055】
図6(a)(b)(c)は異なる4種類の支持体1を用いた半導体レーザ装置(図中、No.1、No.2、No.3、No.4で示す。)の製造工程を示している。この実施形態でも、1組(3本)のリード21,22,23はリードフレーム2によって提供される。なお、図6(a)は、各支持体11とリードフレーム2とが接合される前の状態を示す。図6(b)は、各支持体11とリードフレーム2が接合されたときの状態を示す。そして、図6(c)は、各支持体とリードフレーム2とが一体成形により樹脂に覆われた状態で、レーザチップを搭載しワイヤボンディングを施した状態を示す。
【0056】
まず、No.1の場合について説明する。No.1において、図6(a)に示すように、支持体1は環状部11と柱状体12とからなる。支持体1は、導電性および伝熱性を重視して金属で形成するのが一般的であり、この実施形態でも金属を使用している。。支持体1の金属材料とリードフレーム2したがってリード21,22,23の金属材料は、線膨張係数が略同じになるように選択されている。たとえば、支持体1の金属材料とリードフレーム2したがってリード21,22,23の金属材料の組み合わせとしては、鉄(1.35E−05)やコバール(銅系金属:約1.63E−05)がある。支持体1の材料としては、金属以外にも、セラミクス材料や、将来的には高熱伝導樹脂等も使用可能である。なお、この支持体1の材料についての説明は、No.2〜No.4すべてについて当てはまる。
【0057】
環状部11には、柱状体12の前方かつ両側方にリード挿通用の矩形の開口部111aが2つ形成されるとともに、これら開口部111aの真中にリード圧入用の穴111bが形成されている。そして、図6(b)に示すように、2つの開口部111aには両横のリード(以下、「サイドリード」)21、23が挿通されるとともに、穴111bには中央のリード(以下、「センターリード」)22が圧入される。なお、図6では、穴111bは貫通穴として示されているが、必ずしも環状部11を貫通している必要はない。センターリード22を穴111bに圧入することにより、このリードが支持体1に接合される。リードと支持体の材料が略同じ線膨張係数を有することから、温度変化に対しても接続強度を維持できる信頼性の高い接続を実現できる。
【0058】
続いて、開口部111aに充填される樹脂ブロック31と柱状体12を被覆する樹脂部材32とを形成する。これらを形成する方法は第1実施形態での方法と同様なので、説明を省略する。
【0059】
この後、柱状体12の基準面12aに半導体レーザ素子3を取り付け、この半導体レーザ素子3と一方のサイドリード23とをワイヤボンディングすることにより、電気的な接続を行う。
【0060】
最後に、リード21,22,23を連結しているタイバー20を切除することにより、半導体レーザ装置が完成する。
【0061】
次に、No.2について、No.1と異なる点のみを説明する。No.2における支持体1の環状部11には、圧入用の穴111bよりも若干大径のかしめ穴111cが形成されており、センターリード22をこの穴111cに挿入し、その先端をつぶしてかしめることにより、このリードを支持体11に接合する。図6(b)における参照番号22aはつぶされたセンターリードの先端部を示している。かしめによる接合は、圧入による接合よりも、リードの引き抜き強度が大きくできる。また、圧入用の穴に比べて穴径を大きくできる。以上の点以外はNo.1と同じである。
【0062】
次に、No.3について、No.2と異なる点のみを説明する。No.2における支持体1の環状部11に設けられたサイドリード挿通用の開口部111aは環状部11を貫通する方向と略直交する方向においては閉じているが、No.3における開口部111dは、環状部11を貫通する方向と略直交する方向において開放されている、つまり、環状部11の外周側に開放端を有する。このように開口部111dを環状部11の外周側に開放させることで、開口部形成のためのプレス加工が平易となる。また、図面に明瞭に示すように、開口部111dの幅は、中心部分よりも開放部分(外周部分)の方が狭い。したがって、サイドリード21、23とこれらのリードを保持する樹脂ブロック31とがこの開口部111dから抜け出て、支持体11から分離するのを防止できる。以上の点以外は、No.3の構成はNo.2と同じである。なお、穴111cに代えて穴111bを使用してもよいことは言うまでもない。
【0063】
次に、No.4について、No.3と異なる点のみを説明する。No.3では環状部は穴111cを1つと外周側が開放された開口部111dを2つ備えて、それらに3本のリードを別々に挿入するようにしているが、No.4では、実施形態1同様、開口部111dを1つだけ設け、1組のリード21、22、23をこの開口部111dにまとめて挿入するようにしている。但し、この開口部111dもNo.3における開口部111d同様、外周側が開放された形状となっており、その寸法は中心部分よりも開放部分の方が狭くなっている。No.4の場合、センターリードの支持体11への接合には、第1実施形態で説明した各種の溶接方法が採用できる。
【0064】
ところで、図8(a)に示すように、素子搭載面12aの高さによっては、搭載した素子3から出射されるレーザビームLの一部が搭載面12aのエッジ部分によりケラれて(図中、LvはレーザビームLのうち、搭載面12aによりケラれた部分を表している。)、本来は対称なビーム形状が損われることがある。このような問題は、図8(b)に示すように、搭載面12aのエッジ部分を切除することで解消できる。
【0065】
図7は搭載面12aのエッジ部分を欠落させた支持体111の具体例を示しており、(a)はリードフレームが接合された状態、(b)は半導体レーザ素子つまりレーザチップを搭載してワイヤボンディングが施された状態を示している。図には、3つの支持体を示しているが、真中の支持体は、素子搭載面12aの端部全体に段差面12bを設けたもの、右の支持体は素子搭載面12aの端部全体にテーパー面12cを設けたものである。左の支持体は、レーザビームの蹴られ対策を施していないもので、比較のために示している。図示したものは、段差面12bもテーパー面12cもエッジ全体にわたって形成しているが、レーザビームLが当たらないならば、エッジの一部だけに形成してもよく、また、段差、テーパー以外の形状であってもよい。また、このようなレーザビームの蹴られ対策は、第1実施形態においても採用できることは言うまでもない。
【0066】
さらに、第1実施形態に関連して説明したテーパ面33(レーザチップ3から出射されたレーザビームがレーザチップ3に戻るのを防止する手段)を第2実施形態の装置においても形成してよい。
【0067】
上述した第1および第2実施形態では3本のリードを用いる場合を説明したが、リードが2本の場合であっても、4本以上の場合であっても本発明は適用可能である。
【0068】
また、上述した第1および第2実施形態では、1本のリードのみを支持体に接合する場合を説明したが、2本以上のリードを支持体に接合してもよい。
【0069】
また、上述した第1および第2実施形態では、支持体の形状は従来のCANパッケージステムとコンパチブルな形状としたが、それ以外の形状にすることも可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明の半導体レーザ装置は、基部と前記基部に設けられた搭載部とからなる導電性支持体と、前記搭載部に搭載された半導体レーザ素子と、前記支持体に一体的に取り付けられた1組のリードとを備えた半導体レーザ装置において、前記基部は、少なくとも1つの貫通する開口部を有し、前記1組のリードは、前記支持体に電気的・機械的に接続される少なくとも第1のリードと、前記支持体に電気的に接続されない少なくとも1つの第2のリードとを含み、前記少なくとも1つの貫通する開口部には、少なくとも前記第2のリードが挿入されると共に樹脂ブロックが充填されており、前記樹脂ブロックによって開口部に挿入されたリードが前記支持体に一体的に固定された構成となっている。
【0071】
この構成によれば、半導体レーザ素子が支持体の搭載部に搭載されるので、従来のCANタイプパッケージと同様の熱放散特性を維持することができ、高出力のレーザチップを搭載することができる。また、本発明は、支持体がCANパッケージステムとコンパチブルな形状をとることを可能にするので、本発明の半導体レーザ装置のパッケージを採用するに際して、ユーザはピックアップハウジングに関する設計変更を最小限にとどめることが可能となる。
【0072】
さらに、少なくとも第2のリードを樹脂ブロックによって支持体に一体的に固定する構造は、リードとしてリードフレームを使用することが可能であるため、装置の組み立てを効率化して低コストに装置を製造することが可能になる。
【0073】
また、本発明の半導体レーザ装置によれば、柱状体の基準面と、1組のリードの少なくとも基準面と同じ側に位置している面とを除いて、柱状体および1組のリードの全体が絶縁体である例えば樹脂部材により被覆された構成となっている。すなわち、本発明ではキャップが不要であるため、樹脂部材のモールド構造によっては外形一杯まで支持体の柱状体のサイズを大きくすることが可能となり、結果として、CANタイプの半導体レーザ装置よりも熱放散特性を向上させることができる。
【0074】
前記基部に前記貫通する開口部を1つだけ設け、この1つの開口部に前記1組のリードを挿入して樹脂ブロックによって支持体に一体的に固定する場合には、従来のCANステムタイプの半導体レーザ装置に比べて、開口部をかなり大きくできるので、プレス加工で容易に形成できる。さらに、1組のリードを一括して樹脂ブロックによって支持体に固定するので、組み立て時間を短縮化できる。
【0075】
さらに、1組のリードと支持体とを、線膨張係数が略同じ材料で形成した場合には、リードの少なくとも1本を、熱的なプロセスを用いない圧入あるいはかしめといった方法で、支持体に固定することが可能になるので、装置の小形化に対応できる。
【0076】
また、前記樹脂ブロックが充填されている開口部を、この開口部が前記基部を貫通する方向と略直交する方向に開放させた場合には、基部の寸法が小さくなっても、開口部を困難なくプレス加工で形成できる。
【0077】
また、本発明の半導体レーザ装置によれば、半導体レーザ素子より出射される光が、リードを固定する樹脂ブロック、または柱状体の全体を被覆する樹脂部材に直接当たる部分をテーパ面に形成している。これにより、反射光が半導体レーザ素子へ戻ることを確実に防止することができる。つまり、反射光が半導体レーザ素子へ戻ることによってレーザ発振を不安定化させることを確実に防止することができる。
【0078】
また、前記搭載部のレーザ素子搭載面の、前記レーザ素子からの光が外部に射出する側の端部の少なくとも一部を、例えばテーパー面あるいは段差面を形成するように、切除した場合には、前記半導体レーザ素子からの出射光の蹴られを防止できる。
【0079】
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の外観図を示しており、(a)は支持体と1組のリードとを分離した状態、(b)は支持体の開口部に1組のリードを挿通した状態、(c)は完成された半導体レーザ装置を示している。
【図2】 図1(c)に示す半導体レーザ装置の縦断面図である。
【図3】 本発明の半導体レーザ装置の製造方法を示す説明図である。
【図4】 CANタイプの半導体レーザ装置の外観図である。
【図5】 フレームレーザタイプの半導体レーザ装置の外観図である。
【図6】 異なる4種類の支持体を用いた第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造工程を示す説明図である。
【図7】 搭載面のエッジ部分を欠落させた支持体の具体例を示しており、(a)はリードフレームが接合された状態、(b)はレーザチップを搭載してワイヤボンディングが施された状態を示している。
【図8】 (a)はレーザビームの蹴られの概念図、(b)はレーザビームの蹴られ対策を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 1組のリード
21,22,23 リード
3 半導体レーザ素子
4 ワイヤー
11 円盤状部
111,111a、111d,111e 開口部
111b 圧入用の穴
111c かしめ用の穴
12 柱状体
12a 基準面
12b 段差面
12c テーパー面
31 樹脂ブロック
32 樹脂部材(絶縁体)
33 第2の樹脂ブロック
33a テーパ面
L レーザビーム
Lv レーザビームの蹴られ部分
Claims (13)
- 基部と前記基部に設けられた搭載部とからなる導電性支持体と、前記搭載部に搭載された半導体レーザ素子と、前記支持体に一体的に取り付けられた1組のリードとを備えた半導体レーザ装置において、
前記基部は、少なくとも1つの貫通する開口部を有し、
前記1組のリードは、前記支持体に電気的・機械的に接続される少なくとも1つの第1のリードと、前記支持体に電気的に接続されない少なくとも1つの第2のリードとを含み、
前記少なくとも1つの貫通する開口部には、前記1組のリードのうち少なくとも前記第2のリードが挿入されると共に樹脂ブロックが充填されており、前記樹脂ブロックによって開口部に挿入されたリードが前記支持体に一体的に固定されており、
前記支持体の搭載部は上記半導体レーザ素子を搭載する基準面を有し、前記搭載部の基準面と、前記第2のリードの少なくとも前記基準面と同じ側に位置している面とを除いて、前記搭載部および前記基部よりも搭載部側に位置する前記第2のリードの全体が絶縁体により被覆されており、
前記搭載部および前記第2のリードを被覆している前記絶縁体は前記樹脂ブロックと同じ樹脂からなることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記1組のリードが横断面角形形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記基部は前記貫通する開口部を1つだけ有しており、この1つの開口部に前記1組のリードが挿入されており、この1組のリードが前記樹脂ブロックによって支持体に一体的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記第1のリードが前記樹脂ブロック内に完全に埋設されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
- 前記1組のリードと前記支持体とは線膨張係数が略同じ材料からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記基部は前記第1のリードが圧入される穴をさらに備えており、前記第1のリードをこの穴に圧入することで、第1のリードを前記支持体に電気的かつ機械的に接続していることを特徴とする請求項5に記載の半導体レーザ装置。
- 前記基部は、前記第1のリードが挿通される穴をさらに備えており、この穴に挿入された第1のリードを半導体レーザ素子側の端部をつぶしてかしめることで、第1のリードを前記支持体に電気的かつ機械的に接続していることを特徴とする請求項5に記載の半導体レーザ装置。
- 前記樹脂ブロックが充填されている開口部は、この開口部が前記基部を貫通する方向と略直交する方向に開放されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
- 前記開口部の幅は、中心部分よりも開放部分の方が狭いことを特徴とする請求項8に記載の半導体レーザ装置。
- 前記半導体レーザ素子からの出射光が半導体レーザ素子に戻るのを防止する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記出射光が半導体レーザ素子に戻るのを防止する手段は、前記樹脂ブロックの、前記半導体レーザ素子からの出射光が直接当たる部分に設けたテーパ面であることを特徴とする請求項10に記載の半導体レーザ装置。
- 前記半導体レーザ素子からの出射光の蹴られを防止するために、前記搭載部のレーザ素子搭載面の、前記レーザ素子からの光が外部に射出する側の端部の少なくとも一部が切除されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記搭載部のレーザ素子搭載面は、前記レーザ素子からの光が外部に射出する側の端部において、テーパー面あるいは段差面となっていることを特徴とする請求項12に記載の半導体レーザ装置。
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