JP4287018B2 - 梯子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、梯子に関するものであり、詳しくは、電線やその他空中に架設されたストランドなどの工事のための高所作業用に好適な梯子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線などの架線工事や修理工事などを行う場合、梯子を用いることが多いが、作業者の安全を確保するために、昇降用転落防止器具を安全器具として併用している。
【0003】
かかる昇降用転落防止器具の一例としては、架線に係止するフックが設けられ、自動車のシートベルトのように、急な力に対して制動力を発揮するストッパ機構を設けた安全器にベルトを解舒自在に巻き取ったものがあり、同ベルトの先端には、前記安全器により急制動がかかった場合の緩衝用としてのショックアブソーバを介して、作業者の腰に巻いた安全ベルトに係止する作業者用フックが設けられている。
【0004】
そして、実際に高所作業を行う場合は、安全器のフックを、別途用意した伸縮自在の操作棒の先端に係止して、操作棒を伸長させて同フックを架線などに係止し、作業者用フックを引き寄せ、これを作業者の安全ベルトに連結接続して梯子を登り、高所作業を行う。
【0005】
万一、作業者が梯子から転落するようなことがあっても、安全器が作動して親綱を急制動するので、作業者が落下中途で引き止められ、重大な事故を未然に防止することができるものである。
【0006】
しかしながら、上述したように親綱を架線に係止するためには、別途操作棒を用いる必要があるなど手間がかかり、しかも、フックなどが設けられた安全器はかなり重く、体力も必要になっている。
【0007】
そこで、親綱付きの昇降用転落防止器具を用い、同器具に好適な梯子として、実開平7−1298号において、折り畳み自在、あるいは伸縮自在に構成した梯子本体の頂部に架線係止用フックを取付け、同フックの下端に、前記昇降用転落防止器具の親綱先端を着脱自在に連結接続する接続金具を設けた構成のものが提案された。
【0008】
かかる梯子と昇降用転落防止器具とを用いて高所作業を行うには、先ず、地上において梯子の架線係止用フックに設けた接続金具に、昇降用転落防止器具の親綱先端に設けた接続具(所謂カラビナ)を係着し、梯子本体を伸長して架線係止用フックを架線に係止する。
【0009】
そして、接続具から親綱を地上に垂下し、同親綱に前記同様構造(シートベルト式)の安全器を取付けるとともに、親綱の下端を梯子下部などに捕縛し、さらに一端を安全器に連結した連結綱の他端を予め腰に装着した安全ベルトに連結して梯子を登り、作業を始める。なお、この場合でも、連結綱にはショックアブソーバが介設されている。
【0010】
したがって、作業者が転落した場合でも作業者は落下中途で引き止められ、重大な事故を未然に防止することができるとともに、梯子の架線係止用フックに親綱先端を着脱自在に連結接続する接続金具を予め設けたことにより、操作棒を用いて親綱を架線などに係止する必要がなくなり、架線工事などの高所作業の手間が省けるようになった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、架線工事などに適切な構成とした上記梯子においても、未だ下記に示すような課題が残されていた。
【0012】
すなわち、架線係止用フックに接続金具を設けていても、使い勝手までは何ら考慮されておらず、同接続金具は一側のフックの側面に固設されただけのもので、しかも、架線係止用フック自体も梯子本体に固着されていた。
【0013】
したがって、昇降防止用安全器具の接続具を接続しにくく、また、一旦接続した後、梯子を上昇して作業を行っているときに、作業によっては接続具を反対側に移動したくてもできないものであり、また、他のタイプの昇降防止用安全器具に対応する自由度も全くないものであった。
【0014】
さらに、親綱の下端を梯子の下部などにしっかりと固着しておかなければならず、少しでも緩みがあると、安全器の上昇が妨げられて作業者も梯子を登ることができないという問題があった。
【0015】
また、本来の梯子として捉えると、使用後の運搬・保管にフックが出っ張って邪魔になり、しかも、物にぶつけたりしやすいのでフックが変形・破損しやすいという欠点も内在しており、しかも、衝撃の強さによっては、梯子本体まで変形してしまうおそれもあった。
【0016】
本発明は、上記課題を解決することのできる梯子を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、梯子本体の先端に、略逆U字状に形成したフックを設け、同フックの下端近傍に昇降用転落防止器具の安全器を着脱自在に連結する連結金具を設けた梯子であって、前記フックを、梯子本体に対して水平方向に回転自在に取付け、しかも、前記連結金具を、前記フックに対して上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けた。
【0018】
また、請求項2記載の本発明では、連結金具を、梯子本体の内側方向に付勢する弾性体を設けた。
【0019】
また、請求項3記載の本発明では、上記梯子本体は、親梯子に複数の子梯子を上下進退自在に取付けた伸縮自在な構成とした。
【0020】
また、請求項4記載の本発明では、上記連結金具を設けたフックは、梯子本体の左右最上端部にそれぞれ取付けられていることとした。
【0021】
さらに、請求項5記載の本発明では、梯子本体の下端近傍に、昇降用転落防止器具の下端部を仮止めする第2の連結金具を設けた。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、梯子本体の先端に、略逆U字状に形成したフックを設け、同フックの下端近傍に昇降用転落防止器具の安全器を着脱自在に連結する連結金具を設けた梯子であって、前記フックを、梯子本体に対して水平方向に回転自在に取付け、しかも、前記連結金具を、前記フックに対して上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けたものである。
【0023】
すなわち、フックを梯子本体の背面側、側面側に自由に向けることができるので、ストランドなどに係止することが容易に行えるとともに、同フックに対し、連結金具を上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けているので、昇降用転落防止器具の安全器に設けた接続具や、親綱の先端部分を簡単に接続することができ、取り扱いが容易となる。なお、安全器に設けた接続具は、安全器に直接設けたものであっても、ロープ、ベルトなどを介して取付けたものであってもよい。
【0024】
また、連結金具を邪魔にならない位置に回転させることができるとともに、フックを内側に向けて縮めておけば、フックによる出っ張りなどもないので運搬、収納・保管が容易となる。
【0025】
また、上記連結金具を回転自在としたときに、いつでも所定位置に復帰するように、同連結金具を梯子本体の内側方向に付勢する弾性体を設けることもできる。
【0026】
かかる構成とすれば、不使用時における収納時などに、連結金具が邪魔にならず、何らかの物にぶつけて変形、破損させてしまうこともない。
【0027】
ところで、梯子本体の上端に取付ける上記フックは、その折曲部に、水平方向に一定の長さを有する壁面接触部を設けることが好ましい。
【0028】
すなわち、本発明にかかる梯子を壁面に立て掛けて使用する場合に、上記壁面接触部によって、確実に梯子を支持可能とするとともに、横滑りを確実に防止することができるという効果を奏する。
【0029】
さらに、上記梯子本体は、親梯子に複数の子梯子を上下進退自在に取付けた伸縮自在な構成とすることが望ましく、狭い場所であっても、梯子本体を振起しやすく、容易に伸長させることができ、梯子の設置に際し、特に体力を必要としない。特に、梯子の上部に昇降用転落防止器具を係止したままであったり、他の部品などが取り付けられて重たくなっていても、立て掛けなどの設置作業が容易である。
【0030】
また、上記連結金具を設けたフックは、梯子本体の左右最上端部にそれぞれ取付けることができる。
【0031】
すなわち、これら左右両側に設けた各フックに連結金具を設けることで、作業に応じて、あるいは作業者の都合に応じて連結金具を自由に選択し、どの方向からも接続できるとともに、場合によっては、両方の連結金具に昇降用転落防止器具を係止することにより、昇降用転落防止器具自体の脱落を確実に防止し、安全性をより高めることができる。
【0032】
さらに、上記梯子本体の下端近傍に、昇降用転落防止器具の下端部を仮止めする第2の連結金具を設けることもできる。
【0033】
かかる第2の連結金具を設けることで、多様な昇降用転落防止器具に対応可能となっている。
【0034】
例えば、架線や梯子上端に予め安全器を取りつけて使用するタイプの昇降用転落防止器具などであれば、高所に係止された安全器から伸延する親綱などのロープは地上作業で前記第2の連結金具に連結することができるので、ロープを引き寄せるための用具(引き寄せロープなど)も不要となり、操作性が向上し、また、安全作業に必要な用具点数も少なくなって置き忘れなどを防止できる。
【0035】
また、親綱を使用するものであれば、その下端をこの第2の連結金具に確実に捕縛して、綱を緊張状態に保持することができる。
【0036】
以上説明してきたように、本発明によれば、架線工事などの梯子を用いた高所作業の安全性及び作業性を著しく向上させることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は本実施例に係る梯子Aの全体正面図、図2は同側面図である。
【0039】
図示するように、本実施例に係る梯子Aは、下側に親梯子となる第1梯子L1を設け、同第1梯子L1に、第2梯子L2、第3梯子L3とをそれぞれ連結して伸縮自在の梯子本体Lを構成し、第1梯子L1の左右の側材1,1の下端に、外方へ張り出し自在としたアウトリガー11を設け、さらに、同第1梯子L1の裏面側に、第2梯子L2を上下スライド自在に取付けている。そして、第2梯子L2の側材1,1内に、第3梯子L3を上下スライド自在に取付け、その側材1,1の先端に架線などのストランド7に係止するためのフックF,Fを設けている。10は踏桟、12はスライドロック部である。
【0040】
フックFは中空パイプにより、図3に示すように略逆U字状に形成されており、本実施例では、第3梯子L3の中空状の側材1,1先端部に上下に進退自在、かつ、回転自在に取り付けられる脚部2と、同脚部2に平行に設けた係止部3と、略逆U字状に形成されたフックFの折曲部であって、前記脚部2及び係止部3とを連結する部分に設けた壁面接触部4とから構成している。
【0041】
かかる壁面接触部4により、例えば、本実施例に係る梯子Aを壁面などに立て掛けて使用する場合、前記各フックFをそれぞれ各側材1の側方に回転させれば、壁面接触部4によって確実に梯子Aを支持することができるとともに、横滑りを確実に防止することができる。40は摩擦力を増すための凸部である。
【0042】
また、本実施例では、図4に示すように、一方のフックFの係止部3先端部分に、フックFを開閉するストッパ機構Sを配設している。5はストッパ機構Sの主構成要素であるストッパ片であり、支軸により係止部3の先端に回動自在に軸支されている。なお、フックFについては後に詳述する。
【0043】
以上説明した構成により、本実施例に係る梯子Aは、フックFを空中のストランド7に係止して、安定した状態で安全に高所作業を行うことができる構成となっている。
【0044】
さらに、第2、第3梯子L2,L3をそれぞれ縮めるとともに、フックFも縮めた状態とし、図5に示すようにコンパクトになる。さらに、フックFを梯子本体Lの内側方に回転させれば、出っ張りもないので、運搬、収納、保管に何ら支障をきたすことがない。
【0045】
上記構成の梯子Aにおいて、本発明の特徴をなすのは、前記したように、フックFを梯子本体Lに対して上下摺動自在、かつ、水平方向に回転自在に取付けたことに加え、各フックFの下端近傍に、昇降用転落防止器具Bの安全器B1を着脱自在に連結する連結金具8を設け、しかも、同連結金具8を、前記フックFに対して上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けたことにある(図3、図6、図7参照)。
【0046】
すなわち、フックFを梯子本体Lの背面側、側面側に自由に向けることができるように取付けたので、どの向きであってもストランド7などに容易に係止することができるとともに、同フックFに対し、連結金具8を上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けたことにより、昇降用転落防止器具Bの安全器B1に設けた接続具B2や、親綱などのロープの先端部を、どの方向からも簡単に接続することができるようになり、取り扱いがきわめて容易となる。
【0047】
昇降用転落防止器具Bは、急激な力が加わると、急制動がかかる機能を有する安全器B1を備えており、かかる安全器B1内に解舒自在にベルトB3が巻回されたタイプのもの、あるいは、ストランド7などに係止して地上に垂下させた親綱などのロープに取付けたタイプなど種類は様々であるが、本実施例に係る梯子Aは、略全ての昇降用転落防止器具Bに対応可能となっている。
【0048】
本実施例に係る連結金具8の構成について説明すると、連結金具8は、図6及び図7に示すように、フックFの脚部2を抱くように略リング状に形成した環状取付体80を、脚部2の軸線周りに回転自在に取付け、同環状取付体80に略U字状に形成した金具本体81を枢支ピン82を介して上下首振り自在に取付けている。81aは金具本体81の枢支連結部であり、金具本体81の先端側に比べて内側へ絞った形状としている。
【0049】
上記構成としたことにより、連結金具8は自由に回動し、これを邪魔にならない位置に回転させることができるとともに、前述したように、左右の各フックFを内側に向けて縮めておくこともできるので、フックFによる出っ張りなどがなく、運搬、収納・保管が容易となる。なお、図6中、EはフックFの伸縮・回転用操作レバーである。
【0050】
また、他の実施例として、図8及び図9に示すように、上記金具本体81を、収納時に邪魔にならないように、弾性体として、線状のスプリング83により梯子Aの内側方向へ向くように付勢させておくことができる。なお、図示した例では、金具本体81を水平状態に付勢する第2スプリング84も配設しているが、このスプリング84は無くても構わない。
【0051】
このように、連結金具8、すなわち実質的には金具本体81を梯子Aの内側方向へ付勢しておくことによって、安全器B1などに設けた接続具B2の接続に際して操作を終えると自動的に復帰することになり、梯子Aを収納するときに接続金具8が外にはみ出て物にぶつかったりすることがなく、破損のおそれもない。
【0052】
さらに、上記梯子本体Lは、第1梯子L1に第2、第3梯子L2,L3を上下進退自在に取付けた伸縮自在な構成としているので、狭い場所であっても、梯子本体Lを振起しやすく、容易に伸長させることができ、梯子Aの設置に際し、特に体力を必要とすることがなく、取り扱いが容易である。
【0053】
また、上記連結金具8を、左右の各フックFに設けているので、作業に応じ、あるいは作業者Mの都合に応じて自由に選択し、昇降用転落防止器具Bをどの方向からも接続できる。
【0054】
さらに、本実施例では、昇降用転落防止器具Bが安全器B1に解舒自在にベルトB3が巻着されているものや、親綱などのロープの下端を地面近くに固定するタイプのものにも対応できるように、梯子本体Lの下部、すなわち、アウトリガー11の直上方部に、前記ベルトB3を仮止めしたり、親綱の下端を捕縛することのできるリング状の第2の連結金具8'を設けている。
【0055】
第2の連結金具8'は、リング状に形成されており、これに安全器B1のベルトB3や、親綱を使用するものであればその親綱の下端を仮止めすることができるので、架線などのストランド7に予め安全器B1を取付けて使用するタイプのものであっても、まず、安全器B1を梯子Aの連結金具8に取付けるとともに、前記ベルトB3や親綱の下端を第2の連結金具8'に連結した後に梯子本体Lを伸長させればよく、架線などの高所に係止するための操作棒などが不要となる。
【0056】
また、高所に係止された安全器B1からベルトB3や親綱などを引き寄せる用具(引き寄せロープなど)も不要となり、操作性が向上し、しかも、安全作業に必要な用具点数が少なくなって置き忘れなどを防止できる。
【0057】
ここで、本実施例の梯子Aと、急激な力が加わると急制動をかける安全器B1に解舒自在にベルトB3が巻着されているタイプの昇降用転落防止器具Bとを併用して高所作業に従事する場合について、図5及び図10を参照しながら説明する。図中、B4は安全器B1の接続具B2と連結金具8との間に介在させて連結するカラビナ、B5は作業者Mの安全ベルトM1に連結する安全ベルト用フックである。なお、図示しないが、同安全ベルト用フックB5とベルトB3との間に、ショックアブソーバを介設することもできる。
【0058】
図5に示すように、先ず、安全器B1の接続具B2をカラビナB4などを介して梯子Aの接続金具8に係止する。そして、安全器B1から導出しているベルトB3の先端に取付けた安全ベルト用フックB5を、第2の連結金具8'に係止する。
【0059】
次いで、アウトリガー11を張出して梯子本体Lを安定させ、梯子伸縮用ロープ13を操作して梯子本体Lを伸長させるとともに、フックFをストランド7に係止する。このとき、安全器B1からは、梯子本体Lの伸長にともなってベルトB3が延出していく。なお、前記アウトリガー11は、梯子Aを伸長させた後に張出してもよい。
【0060】
その後、ベルトB3の先端に設けた安全ベルト用フックB5を作業者Mの安全ベルトM1に連結し、図10に示すように梯子Aを登り、作業を開始するものである。
【0061】
また、例えば、図11に示すように、場合によっては、左右両方の連結金具8に昇降用転落防止器具Bを係止することもできる。
【0062】
この場合は、安全器B1とカラビナB4との間に繋ぎベルトB6を連結しておき、安全器B1を梯子Aの略中央に位置させておくことが好ましい。
【0063】
このように、左右の連結金具8,8に安全器B1を連結すると、昇降用転落防止器具B自体の脱落を確実に防止できるので、安全性がより高まる。
【0064】
以上説明してきたように、本実施例によれば、架線工事などの梯子Aを用いた高所作業の安全性と作業性とを著しく向上させることができる。
【0065】
ここで、本梯子Aに設けたフックFについてさらに説明を加える。
【0066】
図4に示すように、フックFは、中空パイプにより略逆U字状に形成されており、前記した脚部2と、係止部3と、合成樹脂製の壁面接触部4とから構成されている。
【0067】
また、一方のフックFの係止部3の内部に設けたストッパ機構Sは、前述したように、係止部3に貫通させた支軸6を中心に回動可能としたストッパ片5を具備している。
【0068】
ストッパ片5は、支軸6に支承される基部を略円形カム状に形成し、その周面に、後述するロック部材51と係合する係合部5aと、ストッパ片5の下側方向への回動量を規制する回動規制ストッパ5bとを突設するとともに、支軸6を挟んで係合部5aの対向位置からストッパ部5cを伸延させている。
【0069】
また、ストッパ機構Sは、前記ストッパ片5を下外側方向へ回動するように付勢するねじりバネ50を配設するとともに、前記ストッパ片5のストッパ部5cによるフック閉鎖位置(一点鎖線Xで示す)よりも下外側方向への回動を阻止するためのロック部材51を備えている。
【0070】
かかるロック部材51は、下部に係合凸部51aを形成した板状体でからなり、ストッパ片5の上方に、フックF内を上下摺動自在となるように配設されるとともに、前記ストッパ片5の係合部5aに係合可能としている。
【0071】
さらに、同ロック部材51の上方に、同ロック部材51をストッパ片5側に付勢するコイル状の圧縮バネ52を配設するとともに、ストッパ片5とロック部材51との係合を解除するためのロック解除紐53を取付けている。
【0072】
すなわち、ロック解除紐53の一端を前記ロック部材51の上端に連結するとともに、先端部となる他端をフックF内に這わせて梯子本体Lの第3梯子L3、第2梯子L2の内部を通し、下梯子となる第1梯子L1の外側中間位置まで伸延させている。
【0073】
そして、このロック解除紐53を引けば、前記圧縮バネ52の付勢力に抗してロック部材51を引上げることができ、ストッパ片5とロック部材51との係合を解除して、ストッパ片5をねじりバネ50の力によって下方の初期位置まで回動可能としている。
【0074】
なお、このロック解除紐53は、梯子本体L内を伸延させているが、梯子本体Lを伸ばしたときでも縮めたときでも、ロック解除紐53の先端部が常に、第1梯子L1の中間に位置するように図示しない滑車、引っ張りバネなどからなる解除紐伸延機構によって調整されるようにしている。
【0075】
30はストッパ片5が回動できるように、係止部3の背面に形成した切欠部、51bはロック部材51の上端に設けた紐連結部、54はロック部材51に設けたガイド用長孔である。また、55は同ガイド用長孔54に挿通されたガイドピンであり、前記ストッパ片5の支軸6同様、両端部を係止部3の周側面に固着されている。
【0076】
【発明の効果】
発明は上記のような形態で実施されるもので、以下の効果を奏する。
【0077】
(1)請求項1記載の本発明では、梯子本体の先端に、略逆U字状に形成したフックを設け、同フックの下端近傍に昇降用転落防止器具の安全器を着脱自在に連結する連結金具を設けた梯子であって、前記フックを、梯子本体に対して水平方向に回転自在に取付け、しかも、前記連結金具を、前記フックに対して上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けたので、ストランドなどに係止することが容易に行えるとともに、同フックに対し、連結金具を上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けているので、昇降用転落防止器具の安全器に設けた接続具や、親綱の先端部分を簡単に接続することができ、取り扱いが容易となる。また、連結金具を邪魔にならない位置に回転させることができるとともに、フックを内側に向けて縮めておけば、フックによる出っ張りなどもないので運搬、収納・保管が容易となる。
【0078】
(2)請求項2記載の本発明では、連結金具を、梯子本体の内側方向に付勢する弾性体を設けたことにより、不使用時における収納時などに、連結金具が邪魔にならず、何らかの物にぶつけて変形、破損させてしまうことがない。
【0079】
(3)請求項3記載の本発明では、上記梯子本体は、親梯子に複数の子梯子を上下進退自在に取付けた伸縮自在な構成としたことにより、狭い場所であっても、梯子本体を振起しやすく、容易に伸長させることができ、梯子の設置に際し、特に体力を必要としない。特に、梯子の上部に昇降用転落防止器具を係止したままであったり、他の部品などが取付けられて重たくなっていても、伸長作業が容易となる。
【0080】
(4)請求項4記載の本発明では、上記連結金具を設けたフックは、梯子本体の左右最上端部にそれぞれ取付けることにより、作業に応じて、あるいは作業者の都合に応じて連結金具を自由に選択し、どの方向からも接続できるとともに、場合によっては、両方の連結金具に昇降用転落防止器具を係止すれば、昇降用転落防止器具自体の脱落を確実に防止して、安全性をより高めることができる。
【0081】
(5)請求項5記載の本発明では、梯子本体の下端近傍に、昇降用転落防止器具に設けたロープ下端を仮止めする第2の連結金具を設けたことにより、多様な昇降用転落防止器具に対応可能となる。例えば、架線に予め安全器を取りつけて使用するタイプの昇降用転落防止器具などであれば、安全器を架線などの高所に係止するための操作棒などが不要となるとともに、安全器を予め梯子上端に取付けて使用するものであれば、高所に係止された安全器から伸延する親綱などのロープは地上作業で前記第2の連結金具に連結することができるので、ロープを引き寄せるための用具(引き寄せロープなど)も不要となり、操作性が向上し、なおかつ、安全作業に必要な用具点数も少なくなって置き忘れなどを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る梯子の全体正面図である。
【図2】同梯子の全体側面図である。
【図3】フックの説明図である。
【図4】一方のフックの説明図である。
【図5】梯子の伸長前の状態を示す説明図である。
【図6】連結金具の側面視による説明図である。
【図7】連結金具の平面視による説明図である。
【図8】連結金具の他の実施例を示す側面視による説明図である。
【図9】連結金具の他の実施例を示す平面視による説明図である。
【図10】梯子の使用状態の一例を示す説明図である。
【図11】梯子の使用状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 梯子
B 昇降用転落防止器具
B1 安全器
F フック
L 梯子本体
8 連結金具
8' 第2の連結金具
83 スプリング(弾性体)
Claims (5)
- 梯子本体(L)の先端に、略逆U字状に形成したフック(F)を設け、同フック(F)の下端近傍に昇降用転落防止器具(B)の安全器(B1)を着脱自在に連結する連結金具(8)を設けた梯子であって、
前記フック(F)を、梯子本体(L)に対して水平方向に回転自在に取付け、しかも、前記連結金具(8)を、前記フック(F)に対して上下首振り自在、かつ、水平方向へ回転自在に取付けたことを特徴とする梯子。 - 連結金具(8)を、梯子本体(L)の内側方向に付勢する弾性体(83)を設けたことを特徴とする請求項1記載の梯子。
- 梯子本体(L)は、親梯子(L1)に複数の子梯子(L2〜Ln)を上下進退自在に取付けた伸縮自在な構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の梯子。
- 連結金具(8)を設けたフック(F)は、梯子本体(L)の左右最上端部にそれぞれ取付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の梯子。
- 梯子本体(L)の下端近傍に、昇降用転落防止器具(B)の下端部を仮止めする第2の連結金具(8')を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の梯子。
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