JP4297472B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR装置、オーディオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源としての電池に対する高性能化の要請が高まっている。中でも高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二次電池の開発が盛んになっている。
【0003】
リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極と負極、及び非水電解質を含有する電解質層とからなり、従来、非水電解質として非水系有機物からなる液体が用いられていた。ところが、このような非水系電解液を用いたリチウム二次電池は、リチウムデンドライトの析出による内部短絡からくる発熱、発火など、漏液や発火の危険を有していた。そこで近年では安全性を向上させるために、非水電解液、例えばゲル状ポリマ−に含有させ非流動化させたポリマ−電解質の開発が行われてきた。
【0004】
更に、上記のようなゲル高分子中に電解液を含有した電解質等を含めたポリマ−電解質は、電解液の保持性能が高いため、従来のリチウム二次電池で用いられた金属缶に変わり、簡便なケースに封入して用いることが出来る。この様なポリマーは、液系に比して軽量で形状柔軟性を有するので、例えばシ−ト状の様な薄膜化が可能であり、軽量、省スペースな電池が作成可能となる有利な点がある。
【0005】
しかしながら、これらの二次電池は防湿の処理、例えば金属製の外装材に密封したり、ガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなる外装材で密封したりする必要があった。外装材を設けることによりその分厚みを増すことになり小スペースというメリットは低減してしまうし、そもそも外装材を設ける工程が余分に必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
外装材を設ける工程を必要とせず、厚み、コストで有利な二次電池が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは上記課題を解決すべくその原因を検討した結果、集電体自身に外装材としての機能を持たせることにより外装材を別途設ける工程を省略できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(9)に存する。
【0008】
(1)リチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活物質とする負極と、正極と負極を絶縁する、正極と負極よりも広いスペーサーと、非水電解質とを具備してなる二次電池において、非水電解質が非流動性電解質であり、正極または負極のどちらか一方(以下「極A」という)が集電体の両面に極材層を有しており、ここで「両面に極材層を有している」とは、集電体の片面に極材を有するものを集電体を背中合わせにして積層したものであるか、または、集電体の片面に極材を有するものを集電体を内側にして折り曲げたものであるかいずれかであり、他方(以下「極B」という)が集電体の片面に極材層を有し、極Bは左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げられており、その際に、スペーサー及び極Aは、極Bの折り曲げた間に入りきる大きさであり、極Bの集電体の外周部が、極A及びスペーサーを介在した状態でシールされていることを特徴とする二次電池。
【0009】
(2)非流動性電解質がモノマー含有電解質塗料を調製してから正極、負極、スペーサー上に塗布した後、架橋反応させる方法によって形成されるものである上記(1)に記載の二次電池。
(3)スペーサーが高分子多孔質フィルムである上記(1)又は(2)に記載の二次電池。
【0010】
(4)極Aが、極Bの外部と電気的に接続するためのタブ又はリードを有し、該タブ又はリードは極Bのシール部分を貫通して極B外部に出ている(1)〜(3)のいずれかに記載の二次電池。
(5)極Aが袋状のスペーサーの中に入っている上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二次電池。
(6)極Aが正極であり、極Bが負極である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二次電池。
【0011】
(7)リチウム化合物が、リチウムコバルト複合酸化物である(1)〜(6)のいずれかに記載の二次電池。
(8)リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物が、炭素質材料である請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の二次電池の複数個を積層した電池パック。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明におけるリチウム化合物としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物が用いられ、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2 等の遷移金属酸化物粉末、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウムなどのリチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、TiS2、FeS等の遷移金属硫化物粉末が挙げられる。上記のリチウム化合物の複数種を混合して用いても良い。本発明における好ましいリチウム化合物としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物が挙げられ、具体的には、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等が挙げられる。より好ましくはコバルト酸リチウムである。リチウム化合物が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10μm程度である。
【0013】
本発明においては、上記リチウム化合物は正極活物質として用いられている。なお、本発明において活物質とは該電池の起電反応のもとになる主要物質であり、Liイオンを吸蔵・放出できる物質を意味する。
本発明におけるリチウムをドープ・脱ドープし得る化合物としては、Li金属箔の他にグラファイトやコ−クス等を挙げることができ、好ましくはグラファイトである。粒状の負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1〜50μm、好ましくは5〜30μm程度である。
【0014】
本発明の二次電池の正極及び負極の形成法は特に制約されず、任意の手法を用いることができる。例えば、活物質、モノマーを含有した電解質塗料を混合、混練し、ペーストとした後、集電体上に塗布しモノマーを架橋することによって形成する手法が挙げられる。本発明においては、活物質とバインダーを該バインダーを溶解しうる溶剤を用いて分散塗料化し、その塗料を集電体上に塗布、乾燥することによって活物質をバインダーによって集電体上に結着することにより電極を形成するのが好ましい。分散塗料化には通常用いられる分散機が使用でき、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などが使用できる。
【0015】
なお、塗布に関しては集電体の両面でも片面でもよいが、本発明においては集電体の片面に塗布されたものが好ましい。
集電体上に塗料を塗布する塗布装置に関しては特に限定されず、スライドコーティングやエクストルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グラビア、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビア、ナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーターなどが挙げられるが、塗料粘度および塗布膜厚等を考慮するとエクストルージョン方式が最も好ましい。
【0016】
本発明においては、上記活物質を集電体上に結着させるためにバインダーを使用することができる。バインダーとしては、電解液等に対して安定である必要があり、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が使用される。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量分子量は、通常10000〜3000000、好ましくは100000〜1000000程度である。低すぎると塗膜の強度が低下する傾向にある。一方高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂としては、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーが挙げられ、より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。
【0017】
活物質100重量部に対するバインダーの使用量は通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
電極中には、電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させても良い。導電性材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性材料のDBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に150cc/100g以上が電解液を保持するという理由から好ましい。添加剤としては、トリフルオロプロピレンカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなどが電池の安定性、寿命を高めるために使用することができる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0018】
塗布に使用する溶剤としては、使用する活物質やバインダーに合わせて有機、無機各種のものが使用できるが、例えばN−メチルピロリドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができ、好ましくはN−メチルピロリドンである。塗料中の溶剤濃度は、少なくとも10重量%より大きくするが、通常20重量%以上、好ましくは30重量%より大、さらに好ましくは35重量%以上である。また、下限としては、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。溶剤濃度が低すぎると、塗布が困難になることがあり、高すぎると塗布膜厚を上げることが困難になると共に塗料の安定性が悪化することがある。
【0019】
正極活物質及び負極活物質の膜厚は容量的には厚い方が、レート上は薄い方が好ましい。膜厚は通常20μm以上、好ましくは、30μm以上、さらに好ましくは50μm以上、最も好ましくは80μm以上である。正極及び負極膜厚は、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。
なお、上記における正極材層、負極材層とは、それぞれ活物質を含む層を意味する。
【0020】
本発明における集電体としては、電気化学的に溶出等の問題が生じず、電池の集電体として機能しうる各種のものを使用でき、通常は金属や合金が用いられる。例えば、正極の集電体としては一般的にはアルミニウムを用いる。また負極の集電体としては、銅箔を用いる場合が多い。
これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくことは、電極材料層との結着効果を向上させることができるので好ましい方法である。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0021】
導電性電極基材の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。
集電体上にアンダーコートプライマー層を形成することもできる。プライマー層の機能は、集電体に対する正極あるいは負極の接着性を向上させることであり、プライマー層を設けない場合に比べ、接着性向上による電池内部抵抗の低減、充放電サイクル試験過程における基材からの塗膜脱離による急速な容量低下を防ぐものである。アンダーコートプライマー層は、例えば、導電性材料とバインダーと溶剤を含むアンダーコートプライマー材料塗料を集電体上に塗布した後、これを乾燥することによって形成することができる。
【0022】
アンダーコートプライマー層に使用する導電性材料としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素材料、金属粉体、導電性の有機共役系樹脂等を挙げることができるが、好ましくは、電極の活物質としても機能しうるカーボンブラック、グラファイト等の物質である。
アンダーコートプライマー層に使用するバインダーや溶剤は、前記電極材料の塗料に使用するバインダーや溶剤と同様のものを使用することができる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物等の導電性樹脂は、前記導電性材料とバインダーとの両方の機能を兼ね備えることが可能なので、これを導電性材料とバインダーの両者を兼ねてアンダーコートプライマー層に用いることができる。無論、アンダーコートプライマー層に使用するバインダーや溶剤は、電極材料の塗料に使用するものと同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0023】
導電性材料とバインダーとをそれぞれ用いた場合、導電性材料に対するバインダーの割合は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上であり、また通常300重量%以下、好ましくは100重量%以下である。あまりに低すぎると、電池使用時、工程上での剥離などが生じやすい。あまりに高すぎると伝導度が低下して電池特性が低下することがある。
【0024】
アンダーコートプライマー層の厚さは、一般的に0.05〜200μm程度である。この範囲の中でも、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上であり、通常10μm以下、好ましくは1μm以下である。薄すぎると均一性が確保しにくくなり、あまりに厚すぎると電池の体積容量が低下しすぎることがある。
【0025】
本発明における電解質層は、電解液を高分子に含有させ非流動化させたゲル状ポリマ−電解質、または電解液を含有しない支持電解質と高分子からなる固体電解質等からなる。好ましくはゲル状ポリマー電解質である。
ゲル状ポリマ−電解質としては、最初からポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料を用いる方法、またモノマー含有電解質塗料を調整してから架橋反応させて非流動化電解質とする方法など必要に応じた材料・製法を採用することができる。
【0026】
含有させる電解液は非水電解液が好適であり、これは非水溶媒にリチウム塩である支持電解質を溶解させたものを用いるのが一般的である。電解液としては、電解質として上記正極活物質及び負極活物質に対して安定であり、かつリチウムイオンが前記正極活物質あるいは負極活物質と電気化学反応をするための移動を行い得る非水物質であるものを使用することができる。
【0027】
支持電解質としてのリチウム塩としては、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、LiSO3CF2 等を挙げることができる。これらのうちでは特にLiPF6及びLiClO4が好適である。これら支持電解質の電解液における含有量は、一般的に0.5〜2.5mol/Lである。
【0028】
電解液に用いられる溶媒の種類は特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト等の環状カ−ボネ−ト類、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、エチルメチルカ−ボネ−ト等の非環状カ−ボネ−ト類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。これらのうちでは、特にエチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト等の環状カ−ボネ−ト類、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、エチルメチルカ−ボネ−ト等の非環状カ−ボネ−ト類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶液が好適であり、特に好ましくはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の混合溶液である。
【0029】
モノマー含有電解質塗料を調整してから架橋反応させて非流動化電解質とする方法においては、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによって高分子を形成するモノマーを電解液に添加する。
重合性モノマーとしては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものが挙げられる。例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N、Nジエチルアミノエチルアクリレート、N、Nジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート等が使用でき、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマー等も使用できる。これらの中から反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いれば良い。これらの中で特にポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレートから、単独又は組み合わせで用いるのが好ましい。
【0030】
これらのモノマーを熱、紫外線、電子線等によって重合させ、電解質塗料を非流動性化させることができる。この場合反応を効果的に進行させるため、電解液に重合開始剤を入れておくこともできる。重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイド等が使用でき、更に、t―ブチルパーオキシネオデカノエート、α―クミルパーオキシネオデカノエート、t―ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシルー1―メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t―アミルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシネオデカノエート類、t―ブチルパーオキシネオヘプタノエート、α―クミルパーオキシネオヘプタノエート、t―ヘキシルパーオキシネオヘプタノエート、1−シクロヘキシルー1―メチルエチルパーオキシネオヘプタノエート、t―アミルパーオキシヘプタノエート等のパーオキシネオヘプタノエート類等も使用できる。好ましくはt−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエートである。
【0031】
また、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等の重縮合によって生成される高分子、ポリウレタン、ポリウレア等の重付加によって生成される高分子を生成するモノマーを、重合性モノマーとして使用することもできる。
モノマーの含有量は特に制限されないが、好ましくは電解質塗料中に1%以上含有することが好ましい。含有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電解液を非流動化しにくくなる。
【0032】
最初からポリマーを含有した電解質塗料を用いる方法においては、高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成する高分子が好ましく使用できる。かかる特性を持つ高分子であり、電池材料として安定なものであればどのようなものであっても使用できるが、例えばポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー。ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー。ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂。ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー。ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー。ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー等が挙げられる。好ましくはポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂である。また上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等であっても使用できる。後述するようにリチウム電池に使用される電解液、電解質が極性を有するものであるから、高分子も有る程度の極性を有する方が好ましい。これらの高分子の分子量は、好ましくは10000〜5000000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。高分子の電解液に対する濃度は、分子量に応じて変えることが望ましく、好ましくは0.1%から30%である。濃度が0.1%以下ではゲルを形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じる。濃度が30%以上になると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する。
【0033】
電解液を含有しない支持電解質と高分子からなる固体電解質は、上記の電解質塗料から溶媒を除いた組成の塗料をもちいれば、形成することができる。この場合、モノマーを用いる処方が、粘度が低いという点から好ましい。
本発明におけるスペーサーとしては、多孔質フィルムが好ましい。なお、位置ずれによるショートを防止するという観点から、該スペーサーは袋状であることが好ましい。袋状にするという観点からは、熱融着しやすいものが好ましく、融点が90〜150℃のスペーサーが好ましい。多孔質フィルムとしては、高分子からなるフィルムや、粉体とバインダーからなる薄膜が好ましく使用でき、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜である。
【0034】
スペーサーの大きさは、電極よりも広いことを必須とする。
なお、電解質層は例えば上記スペーサーを支持体として併用するのが好ましい。集電体上にバインダーによって活物質が結着されている電極上にスペーサー上をラミネートし、所定の処理によって非流動化する上記の電解質塗料をスペーサー上に塗布し、多孔質フィルム中の空隙に含浸させた後、非流動化処理を実施することにより電解質を非流動化させ、電解質層を形成することができる。
【0035】
これらの正極、負極、正極と負極よりも広いスペーサーは、平板状に形成される。必要なサイズへの裁断、平板状への形成、正極、負極、スペーサーの積層は工程上任意の場所でおこなうことができる。本発明は、正極または負極のどちらか一方(極A)が集電体の両面に極材層を有し、他方(極B)が集電体の片面に極材層を有し、極Bは左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げられており、その際に、スペーサー及び極Aは、極Bの折り曲げた間に入りきる大きさであり、極Bの集電体の外周部が、極A及びスペーサーを介在した状態でシールされていることを必須とする。
【0036】
本発明の正極または負極のどちらか一方(極A)は集電体の両面に極材層を有するが、ここで「両面に極材層を有している」とは、集電体の片面に極材を有するものを集電体を背中合わせにして積層したものであるか、または、集電体の片面に極材を有するものを集電体を内側にして折り曲げたものであるかいずれかであり、
なお、集電体に片面塗布したものを左右対称となる中心線で集電体を内側にして折り曲げたものは、図1に示す通りである。なお、集電体がタブを有する場合は、タブの部分を除いて左右対称となる中心線で集電体を内側にして折り曲げればよい。
【0037】
極Aに対して、他方(極B)は集電体の片面に極材層を有し、極Bは左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げられている。極Aが正極である場合、極Bは負極であり、極Aが負極である場合、極Bは正極である。リチウムの拡散の関係から通常負極の方が正極より面積が広い方が好ましいので、極Aが正極であり、極Bが負極であることが好ましい。なお、左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げるとは、図2に示す通りである。なお、集電体がタブを有する場合は、タブの部分を除いて左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げればよい。
【0038】
極Aは両面にスペーサーを介して極Bの極材層間に介在されている(図3)。水分の侵入を防ぐという観点から、極Bは極A及びスペーサーを介在させた状態で密封されている。製造のし易さという観点から、図4に示すように、極Bの集電体の外周部をシールすることが好ましい。シールの方法としては、超音波融着、シーム融着等が挙げられ、封止材を外周部の間に入れて熱融着させてもよい。なお、スペーサーにより極Aと極Bは絶縁されている必要があり、通常、極Aは両面にスペーサーを介して極Bに介在されている。なお、極Aと極Bの絶縁性を高めるために、スペーサーが袋状で有ることが好ましく、極Aが袋状のスペーサーの中に入っていることが好ましい。
【0039】
極Bの集電体の外周部をシールする関係から、スペーサー及び極Aは、極Bを左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げた際に、極Bの折り曲げた間に入りきる大きさである必要がある。
またその際は、極Aは極Bの外部と電気的に接続するためのタブ又はリードを設ける(図5)必要があり、タブ又はリードは極Bのシール部分を貫通して極B外部に出ている(図6)。この際、タブ又はリードと極Bは絶縁されている必要があり、タブ又はリードと極Bの間には絶縁体を介する必要がある。該絶縁体は、フィルム状、コーティング等で実施される。絶縁材料は、電気伝導度が十分小さい材料、合成樹脂、紙、などが用いられ、充填材として、ガラス繊維、マイカ、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪藻土などを添加したものも使用できる。合成樹脂は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂が一般的である。熱可塑性樹脂には、例えば、変性品も含め、ポリエチレン、ポリプロピレン等ポリオレフィン樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂がある。また、熱硬化性樹脂にはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などがある。好ましくは合成樹脂からなるフィルムが挙げられ、より好ましくは極性基を有するポリオレフィン系樹脂酸変性物のフィルムである。
【0040】
本発明の二次電池は、極Bの集電体がその外装部となっているため、極Bの電気取り出し口を自由に選択できるというメリットもある。また、本発明の二次電池を積層するだけで全ての極Bは電気的に接続されるため、本発明の二次電池の複数を積層して組み電池とする際に、従来の電池に比べ、極Bの接続の手間(プロセス)が省くことができ、効率的である。
【0041】
本発明の二次電池の複数個を接続し電池パックとする際は、前述した通り、積層することにより容易に極Bの電気的接続は可能であり、かつ二次電池電池外装部の任意の箇所に電池パックの外部と接続するリードを接続すればよい。極Aについては極Bから出ている極Aのタブ又はリードを任意に接続すればよい。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重量部を示す。
実施例1
最初に以下の塗料を調整した。
【0043】
[正極塗料]
組成
コバルト酸リチウム 90部
アセチレンブラック 5部
ポリフッ化ビニリデン 5部
N-メチル-2-ピロリドン 80部
上記の全ての原料について、混練機により2時間混練し正極用ペーストとした。
【0044】
[負極塗料]
組成
グラファイト(粒径15μm) 90部
ポリフッ化ビニリデン 10部
N-メチル-2-ピロリドン 100部
上記の全ての原料について、混練機により2時間混練し負極用ペーストとした。
【0045】
[電解質塗料]
組成
テトラエチレングルコールジアクリレート 14部
ポリエチレンオキシドトリアクリレート 7部
過塩素酸リチウム 21部
重合開始剤 1部
添加剤(スピロジラクトン) 14部
電解液(プロピレンカーボネート) 120部
電解液(エチレンカーボネート) 120部
上記組成全部を混合攪拌溶解し、電解質塗料とした。
【0046】
次いで正極塗料を20μm厚のアルミニウム集電体基材上に、負極塗料を10μm厚の銅集電体基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜を作成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちいて、線圧を100〜400kgf/cmの範囲で条件を変えながら圧密することによって図7に示すような電極シートを作製した。この正極の正極材層の厚みは61μmであり、負極の厚みは52μmであった。
【0047】
この正極、負極の極材層部分に電解質塗料を塗布した後、図1に示すように、正極を左右対称となる中心線で集電体を内側にして折り曲げ、図2に示すように、負極を左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げた。次いで、別途電解質塗料に浸した、電極より面積の広い高分子多孔質フィルム(ポリエチレン製)を用い、図3に示すように、正極の両面にセパレータを介して負極の極材層間に介在させた。負極を左右対称となる中心線で極材層を内側にして完全に折り曲げた状態で、これを90℃にて30分加熱することにより電解質を非流動化した。
【0048】
図6に示すように、タブと負極集電体の間にポリオレフィン系樹脂酸変性物(製品名:三菱化学製モディックAP−P513V)を原料とするフィルム上絶縁体を配し、タブ側外周部は上記絶縁体を配した状態で真空熱シール、他の外周部は、図4及び図6に示すように、シーム融着して密封した。
試験例1:電池特性評価
初期特性と負極特性:コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電容量を120mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量との比から放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.5Cで4.2Vまで充電した後1Cで3.2V、まで放電し、充電時と放電時とでそれぞれ初期容量を求めた。また、これらの比から初期効率を求めた。ついで、1Cで充電した後2Cで放電し、得られた放電容量を高レート容量とした。更に、得られた高レート容量と前期1Cでの放電容量との比から容量維持率を求めた。
【0049】
初期充電容量:155mAh/g
初期放電容量:143mAh/g
初期効率 :92%
高レート容量:110mAh/g
容量維持率 :77%
【0050】
【発明の効果】
本発明により、外装材を設ける工程を必要とせず、厚み、コストで有利な二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における「左右対称となる中心線で集電体を内側にして折り曲げる」ことを図示した図
【図2】 本発明における「左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げる」ことを図示した図
【図3】 本発明における「極Aが両面にセパレータを介して極Bの極材層間に介在されている」ことを図示した図
【図4】 本発明における「極Bの集電体の外周部をシールする」ことを図示した図
【図5】 本発明における「タブ又はリードを設けた極A又は極B」を図示した図
【図6】 本発明の二次電池の断面図
【図7】 本発明における電極シートの図
【符号の説明】
1 集電体(A極集電体)
2 極材層(A極極材層)
3 集電体(B極集電体)
4 極材層(B極極材層)
5 セパレータ
6 タブ又はリード
7 絶縁体

Claims (9)

  1. リチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活物質とする負極と、正極と負極を絶縁する、正極と負極よりも広いスペーサーと、非水電解質とを具備してなる二次電池において、非水電解質が非流動性電解質であり、正極または負極のどちらか一方(以下「極A」という)が集電体の両面に極材層を有しており、ここで「両面に極材層を有している」とは、集電体の片面に極材を有するものを集電体を背中合わせにして積層したものであるか、または、集電体の片面に極材を有するものを集電体を内側にして折り曲げたものであるかいずれかであり、他方(以下「極B」という)が集電体の片面に極材層を有し、極Bは左右対称となる中心線で極材層を内側にして折り曲げられており、その際に、スペーサー及び極Aは、極Bの折り曲げた間に入りきる大きさであり、極Bの集電体の外周部が、極A及びスペーサーを介在した状態でシールされていることを特徴とする二次電池である二次電池。
  2. 非流動性電解質がモノマー含有電解質塗料を調製してから正極、負極、スペーサー上に塗布した後、架橋反応させる方法によって形成されるものである請求項1に記載の二次電池。
  3. スペーサーが高分子多孔質フィルムである請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 極Aが、極Bの外部と電気的に接続するためのタブ又はリードを有し、該タブ又はリードは極Bのシール部分を貫通して極B外部に出ている請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池。
  5. 極Aが袋状のスペーサーの中に入っている請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 極Aが正極であり、極Bが負極である請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池。
  7. リチウム化合物が、リチウムコバルト複合酸化物である請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池。
  8. リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物が、炭素質材料である請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の二次電池の複数個を積層した電池パック。
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