JP4298111B2 - 滅菌シート用ディスペンサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、滅菌シートを所定量取り出すためのディスペンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療機関等で手術用具等を滅菌する場合、滅菌対象物が封入された滅菌バッグを、高温蒸気滅菌やエチレンオキサイドガス処理等にて滅菌する方法がある。滅菌バッグには、一定サイズの滅菌袋の他、長尺状をなす二枚のシートを重ね、その長手方向両端部を接着してなる滅菌シートが使用される。後者の場合、滅菌シートを滅菌対象物のサイズに応じた任意の長さに切断し、二枚のシート間に滅菌対象物を収納してから、開口端を接着することにより滅菌バッグを形成する。通常、滅菌シートは、ロール状に巻回されて紙箱に収納されており、紙箱に形成された開口から所定量ずつ取り出すか、あるいは滅菌シートのロール(以下、単に「ロール」と呼称する。)を紙箱から取り出して専用の架台に装着し、この架台から所定量ずつ繰り出して使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、紙箱に収納された滅菌シートを取り出して使用する場合には、紙箱に由来する紙粉等が滅菌シートに付着する可能性があった。また、ロールが紙箱内に隠れるため、滅菌シートの残量を把握しにくいという問題もあった。一方、ロールを架台に装着して使用する場合には、ロールが外気に露出しているため、外気中の埃や細菌等が滅菌シートに付着する可能性や、滅菌シートに印刷されている滅菌インジケーター等が、外気中の紫外線により変色(退色)する可能性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ロール状に巻回された滅菌シートを内部に収納し、この滅菌シートを所定量取り出すディスペンサーであって、所定間隔を介して平行に立設された一対の第1側板及び第2側板と、これら第1側板及び第2側板の上下端をそれぞれ連結する上下一対の第3側板及び第4側板と、前記第1側板及び第2側板の一方の側端を連結する第5側板とから構成され、全体として中空六面体状をなして前記滅菌シートのロールを収納する本体と、前記本体から取り出し可能とされて前記ロールを支持するロール支持手段と、前記ロールから繰り出された前記滅菌シート及び前記ロール支持手段を前記本体外に取り出すために前記本体の前記第1側板及び第2側板の他方の側端に設けられた開口と、前記本体に着脱自在に支持されて前記開口を開閉可能とするとともに、前記開口から前記本体外に取り出された前記滅菌シートを保持する保持手段とを備えることを特徴としている。
【0005】
この場合、前記ロール支持手段は、所定間隔を介して平行に立設された一対の第6側板及び第7側板と、これら第6側板及び第7側板の下端を連結する底板と、前記第6側板及び第7側板の上端中央部から下方に向けそれぞれ形成されたU字状をなす円溝間に水平に掛け渡されたパイプとから構成されていてもよい。
また、前記ロール支持手段は、所定間隔を介して平行に立設された一対の第6側板及び第7側板間に、前記本体の第1側板及び第2側板と直交する軸線に沿って回転可能な一対の車輪を横並びに設け、これら車輪上に前記ロールを載置可能としたものでもよい。
【0006】
一方、保持手段が、本体外に排出された滅菌シートを載置する載置台と、載置された滅菌シートを載置台との間に挟持する押さえ板とを備えることが望ましい。載置台及び/または押さえ板の滅菌シートとの当接面に、滅菌シートとの間の摩擦係数を増加させる加工を施したり、載置台に、保持手段に保持された滅菌シートを切断する切断手段を案内する案内手段を設けてもよい。
【0007】
また、少なくとも本体に収納されたロールが目視可能な位置、すなわち、本体やロール支持手段の可視光線が透過する部分の材質には、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過量を減少させる材質を使用することが望ましい。
【0008】
更に、上下に重ねたディスペンサー間の位置ズレを防止するズレ防止手段を設けてもよい。このズレ防止手段は、複数のディスペンサーを上下に重ねて使用する場合に、上方に位置するディスペンサーを、下方に位置するディスペンサーの前記第5側板側に移動させることが可能なものでもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係るディスペンサー(滅菌シート用ディスペンサー)の構造の例を図1及び図2に示す。図中符号2はディスペンサー1の本体である。本体2は、所定間隔を介して平行に立設された一対の側板2a,2bと、これら側板2a,2bの上下端をそれぞれ連結する上下一対の側板2c,2d及び、側板2a,2bの一方の側端(図では左端)を連結する側板2eとから構成され、全体として中空六面体状をなしている。また、側板2a,2bは上記ロールの直径より若干大型の正方形状をなし、かつ側板2a,2b間の間隔、すなわち側板2c,2d,2eの幅は、上記ロールの幅より若干大きく設定されている。
【0010】
側板2cの上面には、一対の突部21が、側板2a,2bの近傍にて、側板2cの長手方向に沿って延設されるとともに、側板2dの下面には、ディスペンサー1を上下に重ねた際に突部21と係合する位置に、一対の溝状をなす凹部22が、側板2dの長手方向に沿って延設されている。すなわち、本実施形態においては、突部21と凹部22とにより、上下に重ねたディスペンサー1間の位置ズレを防止するズレ防止手段が形成されている。更に、凹部22は、側板2dの下面を横断し、その両端が本体2の側端面(図では左右両面)に露出するよう延設されており、その結果、ディスペンサー1を上下に重ねた際に、上下のディスペンサー1を、突部21及び凹部22の延設方向に沿って相対移動させることが可能となっている。
【0011】
一方、側板2a,2bの他方の側端(図では右端)は開口2fとされ、この開口2fを介して、ロール支持手段3が、本体2内に出し入れ可能とされている。ロール支持手段3は、所定間隔を介して平行に立設された一対の側板31と、これら側板31の下端を連結する底板32と、側板31の上端中央部から下方に向けそれぞれ形成されたU字状をなす円溝31a間に水平に掛け渡されたパイプ33とから構成されている。ここで、ロール支持手段3のサイズは本体2内に収納可能な程度とされ、かつ側板31間の間隔、すなわち底板32の幅は、上記ロールの幅より若干大きく設定されている。ここで、パイプ33の直径はロールの巻芯である紙管(後述)の内径より細径もしくは同径とされている。また、パイプ33の半径と円溝31aの底面の曲率半径とは、いずれが大きくても、あるいは小さくても支障ないが、パイプ33を円滑に回転させるためには、回転時の安定性を考慮すると、パイプ33の半径が、円溝31aの底面の曲率半径より若干小さいか、略同一であることが望ましい。
【0012】
符号4は、本体2に着脱自在に支持されて開口2fを開閉可能とするとともに、ロールから繰り出された滅菌シートを保持する保持手段である。保持手段4は、側板2eと対向して設けられた上下一対のプレート41,42と、プレート41の上端に、外方(図中右側)に向け水平に延設された載置台43と、プレート42の下端に、載置台43と対向して外方に向け水平に延設された押さえ板44とを備えている。また、載置台43の先端は押さえ板44より外方に突出し、その突出部分の上面には、案内溝(案内手段)43aが、側板2a,2bと直交する方向に、載置台43を横断して延設されている。
【0013】
これらプレート41,42の両端は、側板2a,2bに開口2fを挟んで対向して上下に延設された一対の溝部2gにそれぞれ嵌合され、その結果、これらプレート41,42は、溝部2gに沿ってそれぞれ上下動可能とされている。また、符号45は、プレート42の上下動を容易化するためのツマミである。
【0014】
更に、図では示していないが、載置台43の上面及び/または押さえ板44の下面、すなわち滅菌シートとの当接面には、滅菌シートとの間の摩擦係数を増加させる加工が施されている。具体的な加工としては、機械加工による粗面化の他、繊維製品や樹脂加工品等の張り付け等が挙げられる。本実施形態の場合、押さえ板44の下面に、マジックファスナーの一方の面を形成する、鈎状をなす多数の樹脂片を貼り付けることにより、滅菌シートとの間の摩擦係数を増加させている。
【0015】
そして、上記本体2、ロール支持手段3、及び保持手段4とから、本発明に係るディスペンサー1が形成されている。また、ディスペンサー1の材質には特に制限はないが、内部が見えるように、その少なくとも一部が透明であることが望ましく、更に、この透明部分には、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過量を減少させるために、例えばベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤が配合された樹脂を使用することが望ましい。
【0016】
次いで、上記構成を有するディスペンサー1の使用方法について以下に説明する。ディスペンサー1にロールを収納する場合、あるいは収納されたロールを交換する場合には、図2に示すように、プレート41,42を溝部2gに沿って上方に引き上げ、保持手段4を取り外す。そして、開口2fを介して本体2からロール支持手段3を取り出し、新たなロールの紙管にパイプ33を挿通させた状態で、パイプ33を円溝31a間に掛け渡し、ロール支持手段3にロールを支持させる。
【0017】
ロールがロール支持手段3に支持されたら、本体2内にロール支持手段3を戻し、更に、プレート41を溝部2gに嵌合させるとともに、ロールから繰り出された滅菌シートを、載置台43の上方に形成された空間(開口2f)から外方に取り出す。そして、プレート42を溝部2gに嵌合させ、開口2fを塞ぐとともに、ロールから繰り出された滅菌シートを、載置台43と押さえ板44との間に挟持することにより、ロールがディスペンサー1に収納されるとともに、ロールから繰り出された滅菌シートが保持手段4により保持される。
【0018】
この状態を図3に示す。図3において、符号5が滅菌シート、符号51が滅菌シート5のロール、符号52が滅菌シート5が巻回された紙管である。この場合、滅菌シート5は、図3に示すようにロール51の上方から繰り出しても、あるいはロール51の下方から繰り出してもよいが、滅菌シート5に、長さの目安を始め各種の表示が印刷されている場合には、これらの表示を視認できるように、上方から繰り出すことが望ましい。
【0019】
上記構成を有するディスペンサー1によれば、ロール51が本体2により外部から隔離されるため、ロール51を包装していた紙箱に由来する紙粉、あるいは空気中の埃や細菌等のロール51への付着が防止され、常時清潔な滅菌シート5を使用することができる。また、ディスペンサー1の材質に、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過を減少させる材質が使用されているため、ディスペンサー1内に収納された滅菌シート5の残量をディスペンサー1外から目視にて容易に把握可能で、しかも、滅菌シート5に印刷されている滅菌インジケータ等が、外気中の紫外線により変色することもない。更に、ロール51を、紙箱に収納したまま使用するのではなく、ディスペンサー1に収納して使用するため、個々のロール51の包装に、高価な紙箱ではなく、例えば樹脂フィルム等の安価な材料が使用可能となるという効果もある。
【0020】
ディスペンサー1から滅菌シート5を取り出す場合には、ツマミ45を持ってプレート42を上方に持ち上げ、保持手段4により保持されていた滅菌シート5を外方に引き出す。すると、パイプ33に支持されたロール51がパイプ33とともに、または単独で回転し、滅菌シート5がディスペンサー1から外方に繰り出される。ここで、ロール51がパイプ33とともに回転する場合には、滅菌シート5を外方に引き出す力は小さくて済むという利点があるが、ロール51が過回転し、滅菌シート5が必要以上に繰り出される場合がある。一方、ロール51のみが単独で回転する場合には、滅菌シート5を外方に引き出す力は大きくなるが、ロール51が不要に回転せず、所望の長さの滅菌シート5が正確に繰り出されるという利点がある。
【0021】
そして、所望の長さの滅菌シート5が繰り出された時点で、プレート42を下げて滅菌シート5を載置台43と押さえ板44とで再度挟持した後、カッタ等の切断手段を用い、載置台43上の滅菌シート5を切断する。この場合、滅菌シート5が押さえ板44の自重により載置台43側に付勢され、しかも、押さえ板44の下面には滅菌シート5との間の摩擦係数を増加させる加工が施されているため、滅菌シート5の切断に際し、載置台43上の滅菌シート5が、切断手段から印加された力により載置台43と押さえ板44との間で滑ったりすることがない。従って、切断中における滅菌シート5の位置ずれが防止され、その結果、滅菌シート5を、特に手で支えたりせずとも、容易かつ正確に切断することができる。更に、レザーカッタやローラカッタ等の切断手段(後述)を、載置台43の上面に形成された案内溝43aに嵌合させ、この案内溝43aに沿って切断することにより、滅菌シート5を、案内溝43aの延設方向に沿った所望の形状(例えば直線状)に、正確に切断することができる。
【0022】
案内溝43aを用いた滅菌シート5の切断の例を図4に示す。図4は、ローラカッタ6を案内溝43aに嵌合させて滅菌シート5を切断中の状況を示す、ローラカッタ6及び案内溝43aの横断面図である。この例では、ローラカッタ6の本体61の厚さと案内溝43aの幅とが略同一とされており、その結果、本体61を案内溝43aに嵌合させてローラカッタ6を案内溝43aに沿って移動させるだけで、本体61の下端から突出する刃体62が案内溝43aの底面上を走行し、滅菌シート5が切断される。特に、本体61の厚さと案内溝43aの幅とが略同一とされているため、ローラカッタ6を案内溝43aの延設方向に沿って移動させる際に、案内溝43aの幅方向に沿った刃体62のズレが防止され、滅菌シート5が、案内溝43aの延設方向に沿って正確に切断される。
【0023】
また、複数のディスペンサー1を上下に重ねて使用する場合には、下方に位置するディスペンサー1の突部21と、上方に位置するディスペンサー1の凹部22とを係合させ、上下に重ねられたディスペンサー1間の位置ズレを防止する。更に、下方に位置するディスペンサー1からのロール支持手段3の着脱に際しては、上方に位置するディスペンサー1を突部21及び凹部22の延設方向に沿って後方(側板2e側)に移動させた状態で、下方に位置するディスペンサー1のプレート41,42を溝部2gに沿って上方に引き上げ、保持手段4を取り外してから、事後の作業を行う。すなわち、上記構成を有するディスペンサー1によれば、複数のディスペンサー1を上下に重ねたまま、下方に位置するディスペンサー1のロール支持手段3を着脱させ、ロール51の交換等の作業を行うことができる。
【0024】
なお、ディスペンサー1を構成する各部材の具体的形状等は、収納されるロール51の幅や直径、滅菌シート5の材質や形状(平袋やガゼット袋等)、あるいはディスペンサー1の使用環境等に応じ、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。例えば、ロール支持手段3の構造には、上記図1ないし図3に示すものの他、図5や図6に例示するような構造も適用可能である。
【0025】
図5に示すロール支持手段3は、一対の側板31間に、側板2a,2bと直交する軸線に沿って回転可能な一対の車輪34を横並びに設け、これら車輪34上にロール51を載置可能としたものである。このロール支持手段3を用いたディスペンサー1にロール51を収納する場合、あるいはロール51を交換する場合には、まず、プレート41,42を上方に引き上げて保持手段4を取り外す。次いで、本体2からロール支持手段3を取り出し、車輪34上にロール51を載置した後、本体2内にロール支持手段3を戻し、ロール51から繰り出された滅菌シート5を、載置台43と押さえ板44との間に挟持させる。
【0026】
滅菌シート5を取り出す場合には、ツマミ45を持ってプレート42を上方に持ち上げ、滅菌シート5を外方に引き出す。すると、車輪34及び車輪34上に載置されたロール51が回転し、滅菌シート5がディスペンサー1から外方に繰り出される。このロール支持手段3によれば、紙管52のサイズに係わらずロール51が支持可能で、かつ紙管52へのパイプ33の挿通作業が不要となるという効果がある。
【0027】
図6に示すロール支持手段3は、側板31に形成された円溝31aの底面の曲率半径をパイプ33の半径より大径とするとともに、円溝31aの底面中央部に、U字状をなす第二の円溝31bを、その底面の曲率半径がパイプ33の半径より小径となるよう、下方に向けそれぞれ形成したものである。その結果、個々の側板31において、円溝31aの底面と第二の円溝31bの底面との交点に、図6に符号31cで示すような、上方に凸なる突部31cがそれぞれ形成される。また、円溝31bの底面の曲率半径がパイプ33の半径より小径であるため、個々の側板31に形成された一対の突部31c間の間隔も、パイプ33の直径より短くなる。
【0028】
このロール支持手段3を用いたディスペンサー1にロール51を収納する場合、あるいはロール51を交換する場合には、プレート41,42を上方に引き上げて保持手段4を取り外す。次いで、本体2からロール支持手段3を取り出し、紙管52にパイプ33を挿通させた状態で、パイプ33を円溝31a間に掛け渡す。その結果、パイプ33が、個々の側板31に形成された一対の突部31c上に載置され、ロール51がロール支持手段3に支持される。ロール51がロール支持手段3に支持されたら、本体2内にロール支持手段3を戻し、ロール51から繰り出された滅菌シート5を、載置台43と押さえ板44との間に挟持させる。
【0029】
滅菌シート5を取り出す場合には、ツマミ45を持ってプレート42を上方に持ち上げ、滅菌シート5を外方に引き出す。すると、突部31c上に載置されたロール51が回転し、滅菌シート5がディスペンサー1から外方に繰り出される。このロール支持手段3によれば、パイプ33が突部31cのみで円溝31a及び第二の円溝31bに支持される。そのため、パイプ33と円溝31a及び第二の円溝31bとの接触面積が小さくなり、ロール51をパイプ33とともに回転させる際の回転力が軽くて済むという効果や、径の異なるロール51に巻回された滅菌シート5であっても、好適に使用できるという効果が得られる。他の操作及び作用効果等は、図1ないし図4に示すディスペンサー1と同様である。
【0030】
なお、本実施形態の場合、押さえ板44の下面に、滅菌シート5との間の摩擦係数を増加させる加工が施されているが、この加工は、載置台43の上面及び押さえ板44の下面の双方、あるいは載置台43の上面のみに施されていてもよい。但し、滅菌シート5は、通常、紙または不織布製のシートと樹脂製のシートとを貼り合わせて形成されているため、その表裏で摩擦係数が異なる場合が多い。従って、保持手段4と滅菌シート5との間の摩擦係数を増加させ、保持手段4による滅菌シート5の保持をより確実に行うためには、上記加工を、載置台43の上面及び押さえ板44の下面のうち、少なくとも、滅菌シート5の、相対的に摩擦係数の大きい面(例えば紙または不織布製のシートで構成される面)との対向面に施すことが望ましい。
【0031】
また、滅菌シート5を載置台43と押さえ板44との間に挟持させただけでは切断中に滅菌シート5が位置ずれを起こす可能性がある場合には、ツマミ45を持って押さえ板44を載置台43側に押圧しつつ切断を行ってもよいが、押さえ板44を載置台43側に付勢する新たな手段を設けてもよい。
【0032】
このような手段の例を図7に示す。この保持手段4では、載置台43及び押さえ板44の幅方向両端部に、載置台43及び押さえ板44を上下に貫通する貫通孔43b,44aが、滅菌シート5の保持部位を避けて、同軸をなすよう形成されている。貫通孔44aは貫通孔43bより大径とされ、かつ貫通孔43b,44aには、貫通孔43bの内面に形成された雌ネジと螺合するナット7が、上方(押さえ板44側)から挿入されている。ナット7の頭部71は貫通孔44aより大径とされ、かつ頭部71の下面と押さえ板44の上面との間には、ナット7に環装されたコイルバネ8が介在され、その結果、押さえ板44は、コイルバネ8により下方に付勢された状態で、ナット7に沿って上下動可能とされている。また、コイルバネ8により押さえ板44に印加された付勢力は、ナット7の貫通孔43bへの挿入量を調節することにより、任意に調節可能である。
【0033】
この保持手段4によれば、載置台43と押さえ板44との間に滅菌シート5を挟持した際に、滅菌シート5が、押さえ板44の自重に加え、コイルバネ8により押さえ板44に印加された任意の付勢力によって載置台43側に付勢される。その結果、滅菌シート5を手で支えたり、ツマミ45を持って押さえ板44を載置台43側に押圧したりせずとも、切断中における滅菌シート5の位置ずれを確実に防止することができる。
【0034】
また、ディスペンサー1から滅菌シート5を取り出す場合には、ツマミ45を持って、コイルバネ8の付勢力に抗してプレート42を上方に持ち上げ、保持手段4により保持されていた滅菌シート5を外方に引き出す。一方、ディスペンサー1へのロール51の着脱や、保持手段4への滅菌シート5の保持に際しては、必要に応じナット7を外して載置台43と押さえ板44とを分離可能としてから、事後の操作を行う。一方、載置台43と押さえ板44とを弾性変形可能なクランパにより上下から挟持したり、押さえ板44に換え、載置台43に設置されたピンあるいは他の構成により、載置台43上に滅菌シート5を保持する構成としてもよい。
【0035】
また、切断手段には、ローラカッタ6やレザーカッタのみならず、換え刃式のカッタ等ももちろん使用可能である。切断手段を案内溝43aに沿って自動走行させ、自動的に切断を行う構成としてもよい。また、ズレ防止手段についても、突部21及び凹部22に限られるものではなく、他の手段が適宜使用可能である。更に、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過を減少させる材質は、必ずしもディスペンサー1全体に使用する必要はなく、少なくとも本体2内に収納されたロール51が目視可能な位置に使用されていれば、その目的を達することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る滅菌シート用ディスペンサーによれば、ロールが本体により外部から隔離されるため、ロールを包装していた紙箱に由来する紙粉、あるいは空気中の埃や細菌等のロールへの付着が防止され、常時清潔な滅菌シートを使用することができる。
【0037】
また、ロールから繰り出された滅菌シートを保持する保持手段が、滅菌シートを挟持する載置台と押さえ板とを備えている場合には、載置台及び/または押さえ板の滅菌シートとの当接面に、滅菌シートとの間の摩擦係数を増加させる加工を施すことにより、載置台上の滅菌シートを切断手段を用いて切断する際に、挟持された滅菌シートが載置台と押さえ板との間で滑ったりせず、その結果、切断中における滅菌シートの位置ずれが防止され、滅菌シートを、容易かつ正確に切断することができる。
【0038】
更に、載置台に、切断手段を案内する案内手段を設けた場合には、切断手段を案内手段に嵌合させ、案内手段に沿って切断を行うことにより、滅菌シートを、案内手段に沿った所望の形状に、正確に切断することができる。
【0039】
また、少なくとも本体に収納されたロールが目視可能な位置に、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過を減少させる材質を使用した場合には、ディスペンサー内に収納された滅菌シートの残量をディスペンサー外から目視にて容易に把握可能で、しかも、滅菌シートに印刷されている滅菌インジケータ等が、外気中の紫外線により変色することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る滅菌シート用ディスペンサーの構造の例を示す上方斜視図である。
【図2】 図1に示す滅菌シート用ディスペンサーの分解図である。
【図3】 図1に示す滅菌シート用ディスペンサーへのロールの収納状況の例を示す上方斜視図である。
【図4】 図1に示す滅菌シート用ディスペンサーにおける案内溝を用いた滅菌シートの切断状況の例を示す断面図である。
【図5】 本発明に係る滅菌シート用ディスペンサーにおけるロール支持手段の構造の例を示す側面図である。
【図6】 本発明に係る滅菌シート用ディスペンサーにおけるロール支持手段の構造の例を示す側面図である。
【図7】 本発明に係る滅菌シート用ディスペンサーにおける滅菌シートの保持状況の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 (滅菌シート用)ディスペンサー
2 本体
2a 第1側板
2b 第2側板
2c 第3側板
2d 第4側板
2e 第5側板
2f 開口
3 ロール支持手段
31 第6側板及び第7側板
4 保持手段
5 滅菌シート
21 突部(ズレ防止手段)
22 凹部(ズレ防止手段)
43 載置台
43a 案内溝(案内手段)
44 押さえ板
51 ロール

Claims (9)

  1. ロール状に巻回された滅菌シートを内部に収納し、この滅菌シートを所定量取り出すディスペンサーであって、
    所定間隔を介して平行に立設された一対の第1側板及び第2側板と、これら第1側板及び第2側板の上下端をそれぞれ連結する上下一対の第3側板及び第4側板と、前記第1側板及び第2側板の一方の側端を連結する第5側板とから構成され、全体として中空六面体状をなして前記滅菌シートのロールを収納する本体と、
    前記本体から取り出し可能とされて前記ロールを支持するロール支持手段と、
    前記ロールから繰り出された前記滅菌シート及び前記ロール支持手段を前記本体外に取り出すために前記本体の前記第1側板及び第2側板の他方の側端に設けられた開口と、
    前記本体に着脱自在に支持されて前記開口を開閉可能とするとともに、前記開口から前記本体外に取り出された前記滅菌シートを保持する保持手段とを備える滅菌シート用ディスペンサー。
  2. 前記ロール支持手段は、所定間隔を介して平行に立設された一対の第6側板及び第7側板と、これら第6側板及び第7側板の下端を連結する底板と、前記第6側板及び第7側板の上端中央部から下方に向けそれぞれ形成されたU字状をなす円溝間に水平に掛け渡されたパイプとから構成されている請求項1に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  3. 前記ロール支持手段は、所定間隔を介して平行に立設された一対の第6側板及び第7側板間に、前記本体の第1側板及び第2側板と直交する軸線に沿って回転可能な一対の車輪を横並びに設け、これら車輪上に前記ロールを載置可能とした請求項に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  4. 前記保持手段が、前記本体外に排出された前記滅菌シートを載置する載置台と、載置された前記滅菌シートを前記載置台との間に挟持する押さえ板とを備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  5. 前記載置台及び/または前記押さえ板の前記滅菌シートとの当接面に、前記滅菌シートとの間の摩擦係数を増加させる加工が施されている請求項4に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  6. 前記載置台が、前記保持手段に保持された前記滅菌シートを切断する切断手段を案内する案内手段を備える請求項4または5に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  7. 少なくとも前記本体に収納された前記ロールが目視可能な位置に、可視光線が透過可能かつ紫外線の透過量を減少させる材質が使用されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  8. 上下に重ねた前記滅菌ロール用ディスペンサー間の位置ズレを防止するズレ防止手段を備える請求項1ないし7のいずれか1項に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
  9. 前記ズレ防止手段は、複数のディスペンサーを上下に重ねて使用する場合に、上方に位置するディスペンサーを、下方に位置するディスペンサーの前記第5側板側に移動させることが可能である請求項8に記載の滅菌シート用ディスペンサー。
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