JP4302017B2 - 建設機械の油圧回路 - Google Patents

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本発明は、油圧ショベルなどの建設機械における回転作動する油圧アクチュエータの停止動作時に、キャビテーションが発生するのを防止する建設機械の油圧回路に関するものである。
一般に、油圧ショベルやクローラクレーンなど作業機を備えて上部旋回体が旋回作動を行う建設機械にては、その上部旋回体を下部走行体上で旋回駆動させるように構成されている。その旋回駆動は油圧旋回モータ(以下、単に旋回モータという)により行われ、オペレータが操作レバーを旋回動作位置から中立位置に戻すことにより方向制御弁が閉操作されて、メインバルブから旋回モータへの圧油の供給を止めて回転を停止するようにされている。
しかし、この旋回停止操作によって、旋回モータへの給油が停止しても、上部旋回体は慣性により回動するので、旋回モータは速やかに停止せず回転する。このために、旋回モータが完全に停止するまでは圧油が供給されずに回転するので、圧油供給管路内が負圧となり、キャビテーションが発生し、旋回モータや給油管路に損傷が生じるという問題がある。このような問題を解決するために、例えばメインバルブ戻り油の背圧を背圧補償弁で一定圧力以上に上げて、旋回モータの圧油供給管路にメインバルブ戻り油を流入させ、背圧を加えている。しかしながら、このようなキャビテーションの発生防止手段では、旋回モータの停止時以外でも常時背圧補償弁によって圧油供給管路に一定以上の圧力が働くようにされているので、その分、油圧ロスとなり、また発熱を生じさせることとなる。
このようなエネルギロスや発熱を防止できるキャビテーションの発生防止手段としては、例えば、液圧アクチュエータからタンクへの戻り通路に背圧チェック弁を設け、背圧チェック弁で生じた背圧により液を液補給通路を経て液圧アクチュエータの低圧側に導くようにすることが、特許文献1によって知られている。これは、背圧チェック弁に並列にバイパス通路を設け、このバイパス通路中に開閉制御用のバイパス弁を設ける。そして、液圧アクチュエータの停止時のみ、バイパス弁を閉じて背圧チェック弁により背圧を発生させ、液補給通路により液圧アクチュエータの低圧側へ液を補給してキャビテーションを防止するとともに、背圧チェック弁での不要な圧力発生によるエネルギロス、発熱を防止するものである。
このほかに、油圧ポンプの吐出油をアンロード弁から吸込み管路を通って吸込み弁を介し旋回モータの圧油供給管路に流入させるとともに、アンロード弁にて減圧された圧力でリフトチェック弁を一定に制御し、このアンロード弁とリフトチェック弁との間で発生する圧力を圧油供給管路に背圧として加えるようにすることが特許文献2によって知られている。
特開2002-089505号公報 特開平10−168948号公報
しかしながら、前記特許文献1によって知られるキャビテーションの発生防止手段では、背圧チェック弁によってアクチュエータからタンクへの戻し通路における旋回停止時の背圧をチェックしてアクチュエータの低圧側に圧油を補給するのにバイパス通路を設けて、その開閉をバイパス弁によって行っており、バイパス通路やバイパス弁を必要とする構成とされている。また、背圧の付加についての制御を機器によって行わせている。要するに、設定された条件でのみ機能するもので、設定条件を変更できる自由度がないから、作業の状況やオペレータの好みに対応できないという問題点がある。
また、前記特許文献2によるキャビテーションの発生防止手段では、アンロード弁で減圧された圧力でリフトチェック弁を制御して圧油供給管路に背圧を付加するという制御を行っており、設定された一定条件でのみ機能するものである。したがって、設定条件を変更する自由度を備えていない。また、複数の機器を必要とするという問題もある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、油圧モータの停止動作時にのみ、回転操作部での圧力変化を検知してコントローラで制御して背圧を付加し、キャビテーションの発生を防止する建設機械の油圧回路を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による建設機械の油圧回路は、第1に、
油圧ポンプからの圧油がメインバルブを介して油圧モータを駆動させる建設機械の油圧回路において、
油圧ポンプからの圧油がメインバルブを介して油圧モータを駆動させる建設機械の油圧回路において、
油圧モータからタンクへの戻り油管路に可変圧力補償弁が設けられ、油圧モータの駆動指令を発する操作弁とメインバルブとを繋ぐ油路に圧力センサと、この圧力センサによる圧力信号を入力するコントローラを配置して、前記圧力信号が所定の閾値未満であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を絞り側ポートに操作して前記戻り油管路の背圧が設定圧以上になるように制御し、前記圧力信号が所定の閾値以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を開放ポートに操作して前記戻り油管路を開放するように制御し、
前記閾値は自由に設定できるようにされている
ことを特徴とするものである。
また、同建設機械の油圧回路は、第2に、
油圧ポンプからの圧油がメインバルブを介して油圧モータを駆動させる建設機械の油圧回路において、
油圧モータからタンクへの戻り油管路に可変圧力補償弁が設けられ、油圧モータの駆動指令を発する操作弁とメインバルブとを繋ぐ油路に圧力センサと、この圧力センサによる圧力信号を入力するコントローラを配置して、前記圧力信号が所定の閾値未満でかつ圧油供給停止後所定の経過時間以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を絞り側ポートに操作して前記戻り油管路の背圧が設定圧以上になるように制御し、前記圧力信号が所定の閾値以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を開放ポートに操作して前記戻り油管路を開放するように制御し、
前記所定の経過時間は自由に設定できるようにされている
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、油圧モータの駆動指令(正転・逆転、停止)を発する操作弁と油圧モータへの圧油供給管路に設けられる方向切換弁の操作部とを繋ぐパイロット油路に設けた圧力センサによって、油圧モータの駆動が停止する際のパイロット油路の圧力変化を検知してコントローラに伝達し、コントローラにおける判断で、電磁弁を介してメインバルブの戻り油管路に設けた可変圧力補償弁(可変背圧弁)のオン・オフを制御し、油圧モータが停止するときにのみ、速やかに背圧を作用させる。したがって、油圧モータの停止状態はもちろん、駆動時には背圧が作用しないので油圧ロスの発生がなく、停止動作時におけるキャビテーションの発生を予防することができるという効果を奏する。しかも、コントローラによる制御で背圧付与の条件を設定可能にできるので、作業の状況やオペレータの好みに対応できるのである。また、少ない機器で目的を達成できるという経済的効果も得られる。
次に、本発明による建設機械の油圧回路の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には本発明による建設機械の油圧回路の概要図が示されている。図2にはコントローラによる背圧付与作動のフローチャートが示されている。
図1に示される油圧回路は、油圧ショベルにおける図示されない上部旋回体を旋回させる旋回モータを制御する油圧回路である。旋回モータ2にはメインポンプ1からメインバルブ3(旋回方向切換弁)を介して正転側と逆転側とに圧油供給管路4,4′が接続され、その旋回モータ2への両圧油供給管路4,4′にチェック弁5,5を介して戻り油に背圧を付与する背圧付与管路6が設けられている。また、前記メインバルブ3からタンク7への戻り油管路8には可変背圧弁9(本発明の可変圧力補償弁に相当する)を配置して、その上流側に前記背圧付与管路6が接続されている。
一方、操作レバー11によって前記旋回モータを「右旋回−中立−左旋回」と操作する旋回操作弁10と前記メインバルブ3の切換操作部とを繋ぐパイロット油路12,12′には、左右旋回操作時の油圧の変化を検知する圧力センサ13,13′がそれぞれ設けられ、その各圧力センサ13,13′がコントローラ14に電気的に接続されている。このコントローラ14は前記圧力センサ13,13′で検知された信号を受けて予め設定されたデータと比較演算して前記可変背圧弁9をオン・オフする電磁弁15を作動または停止させ、旋回モータ2への背圧付与または解除ができるようにされている。
このように構成される油圧回路は、旋回の操作レバー11を操作して旋回モータ2を作動させ、その駆動の停止操作をする(操作レバー11を中立位置に戻す)と、旋回操作弁10と旋回モータ2への圧油供給管路4(4′)に設けられている方向切換弁(メインバルブ3)の操作部とを繋ぐパイロット油路12,12′に設けた圧力センサ13,13′によって、そのパイロット油路12,12′の圧力変化を検知してコントローラ14に伝達される。コントローラ14では予め設定されているデータと圧力センサ13,13′によるデータとを比較演算してその判断(後述)で、電磁弁15を作動させ、メインバルブ3の戻り油管路8に設けた可変背圧弁9を操作し、旋回モータ2が停止するときにのみ、可変背圧弁9を絞り側ポート9aに切換えて背圧を戻り油管路8から背圧付与管路6に作用させる。
こうして旋回モータ2が旋回停止する際に、その停止動作を速やかに検知して旋回モータへの圧油の供給が停止したという判断にて背圧を掛けるようにすることで、通常作業時には背圧が作用しない。したがって、常時背圧が作用することによる油圧ロスやそれに伴う管路での発熱など、配管系に損傷が発生するのを防止できるとともに省エネルギー化を図ることができるのである。
次に、前記コントローラ14による旋回モータの停止動作時の制御について、図2に示すフローチャートに基づき説明する。なお、符号Sはステップを表わしている。
S1:旋回操作レバー11を所要の旋回方向に操作して、それに対応するように旋回操作弁10を作動させると、旋回操作弁10とメインバルブ3(方向切換弁)の操作部とを繋ぐパイロット油路12,12′に設けられた圧力センサ13,13′が圧力変動を検知する。圧力センサ13,13′からの圧力信号が例えば15Kg/cm以上であるか否かを判断する。15Kg/cm未満である場合ステップS2に移行する。また、15Kg/cm以上であればステップS3に移行する。
S2:電磁弁15をONにする。すなわち、可変背圧弁9を絞り側ポート9aに操作して設定圧以上になるようにし、ステップS1へ戻る。
S3:電磁弁15をOFFにする。すなわち、可変背圧弁9を開放ポート9b側にして戻り油管路8を開放する。したがって、背圧は立たない。
S4:旋回操作レバー11を中立位置に戻し、旋回モータ2を停止させると、旋回操作弁10とメインバルブ3(方向切換弁)の操作部とを繋ぐパイロット油路12(12′)に設けられた圧力センサ13(13′)が圧力変動を検知する。圧力センサ13(13′)からの圧力信号が例えば15Kg/cm以下であるか否かを判断する。15Kg/cmを超える場合はステップS5に移行する。また、15Kg/cm以下であればステップS6に移行する。
S5:電磁弁15をOFFにする。すなわち、メインバルブ3(方向切換弁)が旋回モータ2への圧油の供給停止が終わっていないので、戻り油管路8を開放状態にし、ステップS4に戻る。
S6〜S7:圧油供給停止後の経過時間が例えば1秒以上か否かを判断する。経過時間が1秒以内であればステップS5に戻り電磁弁15をOFFにし、ステップS4に戻す。経過時間が1秒以上であると判断されると、ステップS7に移行して電磁弁15をONにする。可変背圧弁9が絞り側ポート9aに操作され、メインバルブ3からタンク7への戻り油管路8が絞られて背圧付与管路6を通じて戻り油による背圧が付与される。その結果、回転停止の操作が行われて旋回停止の動作中にある旋回モータ2の負圧側に圧油が送り込まれ、負圧を解消させることができるので、キャビテーションの発生を防止できるのである。
このように旋回モータ2の駆動・停止をパイロット圧の変化を圧力センサ13(13′)によってコントローラ14に伝達し、コントローラ14で制御することにより、旋回モータ2の挙動を速やかに検知するとその状況に応じ背圧を与えることができる。つまり、電磁弁を作動させる圧力センサの閾値と、動作させるタイミングを作業状況やオペレータの好みによって自由に設定することができる。また、停止時のみに背圧の付与動作させる制御の自由度を得ることができる。
以上の説明では、油圧ショベルの旋回モータに関して記載したが、このほかに油圧モータにより旋回する構成の機械に適用できるものであり、そのほかに停止時に慣性を伴う駆動部の駆動油圧モータ、例えば走行モータなどにも適用することができる。
本発明による建設機械の油圧回路の概要図 コントローラによる背圧付与作動のフローチャート
符号の説明
1 メインポンプ
2 旋回モータ
3 メインバルブ(方向切換弁)
4,4′ 圧油供給管路
6 背圧付与管路
7 タンク
8 戻り油管路
9 可変背圧弁
10 旋回操作弁
11 操作レバー
12,12′ パイロット油路
13,13′ 圧力センサ
14 コントローラ
15 可変背圧弁を操作する電磁弁

Claims (2)

  1. 油圧ポンプからの圧油がメインバルブを介して油圧モータを駆動させる建設機械の油圧回路において、
    油圧モータからタンクへの戻り油管路に可変圧力補償弁が設けられ、油圧モータの駆動指令を発する操作弁とメインバルブとを繋ぐ油路に圧力センサと、この圧力センサによる圧力信号を入力するコントローラを配置して、前記圧力信号が所定の閾値未満であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を絞り側ポートに操作して前記戻り油管路の背圧が設定圧以上になるように制御し、前記圧力信号が所定の閾値以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を開放ポートに操作して前記戻り油管路を開放するように制御し、
    前記閾値は自由に設定できるようにされている
    ことを特徴とする建設機械の油圧回路。
  2. 油圧ポンプからの圧油がメインバルブを介して油圧モータを駆動させる建設機械の油圧回路において、
    油圧モータからタンクへの戻り油管路に可変圧力補償弁が設けられ、油圧モータの駆動指令を発する操作弁とメインバルブとを繋ぐ油路に圧力センサと、この圧力センサによる圧力信号を入力するコントローラを配置して、前記圧力信号が所定の閾値未満でかつ圧油供給停止後所定の経過時間以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を絞り側ポートに操作して前記戻り油管路の背圧が設定圧以上になるように制御し、前記圧力信号が所定の閾値以上であるときには前記コントローラが電磁弁を介して前記可変圧力補償弁を開放ポートに操作して前記戻り油管路を開放するように制御し、
    前記所定の経過時間は自由に設定できるようにされている
    ことを特徴とする建設機械の油圧回路。
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