JP4317736B2 - 注入材 - Google Patents

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本発明は、主に、土木・建築分野において、アルカリ骨材反応等により劣化したコンクリートを補修し、隙間を充填し、耐久性を向上させる注入材に関する。本発明におけるセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートの総称である。本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
強度発現性が良好なセメント系の注入材が多く使用されている。例えば、カルシウムアルミネート、又はカルシウムアルミネートとセッコウとの混合物等のスラリーに、必要に応じて有機酸か、有機酸とアルカリ金属炭酸塩との混合物等を使用し、このスラリーとセメント含有のスラリーとを別々に圧送し、注入直前で混合する1.5ショット法で注入を行い、数分で硬化させる方法が知られている。また、二重管を使用して二液を混合して注入する2ショット法で注入する方法や、セメントスラリーとシリカゾルとを1.5ショット法又は2ショット法で注入した後、更にカルシウムアルミネート等のスラリーを混合して2液を瞬結させる方法等が知られている。
コンクリート構造物においてアルカリ骨材反応が問題となっている。アルカリ骨材反応とは、(1)SiO2を主成分とする反応性骨材の使用、(2)ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンを含む水溶性アルカリ、(3)水、の3条件が揃った場合に生じる現象であって、SiO2を主成分とする骨材がコンクリート中に存在するアルカリ金属及び水分と反応してケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム等を生じてゲル化し、局所的に膨張する現象である。アルカリ骨材反応による局所膨張が、コンクリートのひび割れ発生原因となり、コンクリートの機械強度が低下することがある。アルカリ骨材反応が進行したコンクリートでは、岩盤や地下水由来の水分や塩分等により中性化、塩害、及び凍結融解等が促進され、コンクリートの耐久性が低下するため、その対策が必要とされている。
アルカリ骨材反応を抑制する手段としては、 (1)反応性骨材、(2)可溶性アルカリ、(3)水、の3条件のいずれかを排除することが提案されている。建築分野や土木分野において上記3条件を排除する方法として、アルカリ骨材反応を起こさない骨材を使用する方法や、低アルカリ型セメントを用いる方法や、アルカリ骨材反応に対する抵抗性を有する混合セメント等を用いる方法等が知られている。
アルカリ骨材反応の抑制には、セメントコンクリートにリチウム塩を混合して混練する方法や、コンクリート硬化体にリチウム塩の水溶液を塗布する方法が知られている(非特許文献1,非特許文献2、特許文献1、及び特許文献2等参照)。
アルカリ骨材反応によって劣化したコンクリートにリチウム含有物質を注入しコンクリート全体に浸透拡散後する工法や、リチウム含有物質を注入した後セメント系物質を注入して空間を充填する方法も提案されている(非特許文献3、特許文献3)。
特開昭61-256951号公報 特開平5-214818号公報 特開昭58-103586号公報、特開昭57-164186号公報、特開昭62-17636号公報 「リチウム化合物によるアルカリ骨材反応の膨張抑制効果」、中村裕二、日本建築学会大会講演概要集、1991年、9月、p555-556。 「亜硝酸リチウムによるアルカリ骨材膨張の抑制効果」、斎藤満、材料、Vol41、No.468、pp1375-1381、1992年 「大型コンクリート部材におけるリチウムのASR抑制効果に関する研究」、金好昭彦、コンクリート工学年次論文集、Vol.23、No1、2001年
アルカリ骨材反応の抑制と強度の回復に優れ、劣化したコンクリート内部に発生する空間を充填する注入材を提供する。
本発明は、CaOを35〜60%、Al 2 O 3 を5〜40%、SiO 2 を20〜60%、及びLi 2 Oを10〜30%含有するカルシウムリチウムアルミノシリケート無機硫酸塩を含有するアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材であり、前記カルシウムリチウムアルミノシリケートのガラス化率が50%以上である前記アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材であり、カルシウムリチウムアルミノシリケートのブレーン比表面積値が500cm 2 /g以上である前記アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材であり、前記アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材とセメントとを含有するアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材であり、前記セメントの最大粒径が40μm以下である前記アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材であり、アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートの空隙に、前記アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材を注入するアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止方法である。
アルカリ骨材反応を生じたコンクリートのひび割れ箇所の空間に、注入材を注入し、隙間を充填することによって、その後のアルカリ骨材反応の進行及び再発を抑制することができる。本注入材を注入した後のコンクリートは強度が高く耐久性に優れる。
本発明は、化学成分としてCaO、Al2O3、SiO2、Li2Oを主成分とするカルシウムリチウムアルミノシリケートを用いる。
カルシウムリチウムアルミノシリケートはCaO原料、Al2O3原料、SiO2原料、Li2O原料を所定の割合で配合した後、ロータリーキルン、電気炉、又は高周波炉等で溶融し、急冷却してガラス化することによって製造される。
カルシウムリチウムアルミノシリケートの原料としては、CaO原料としては生石灰、消石灰、石灰石、Al2O3原料としては、アルミナ、ボーキサイト、ダイアスポア、長石、粘土、SiO2原料としてはケイ石、ケイ砂、石英、ケイ藻土、リチウム原料としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、フッ化リチウム等のリチウム化合物等が挙げられる。
カルシウムリチウムアルミノシリケートの原料として、上記の原料の代わりに、カルシウムアルミネートやケイ酸リチウム等のように、CaO、Al2O3、SiO2、及びLi2Oのうちの複数の成分を含む原料を用いてもよい。
金属精錬の際に副生される高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグ、二次精錬スラグ等、カルシウムアルミノシリケートを含有する材料にリチウム化合物を添加して熱処理し、急冷することによってもカルシウムリチウムアルミノシリケートを製造することもできる。
カルシウムリチウムアルミノシリケートの元素組成は、酸化物換算値でCaOが35〜60%、Al2O35〜40%、SiO220〜60%、及びLi2Oが10〜30である
上記の組成において、CaO及びAl2O3が上記範囲外では硬化体の強度が不足することがある。Li2O含有量が少ないと充分なアルカリ骨材反応抑制効果が得られず、コンクリートが局所的な膨張をする場合があり、Li2O量が過剰の場合は初期強度が低下する場合がある。また、SiO2量が少ないとセメントの流動性や長期強度発現性が低下する場合がある。
カルシウムリチウムアルミノシリケートのCaO/Al2O3のモル比は特に限定されないが、1.5〜3.5が好ましい。CaO/Al2O3のモル比が低いと初期強度が不足する場合があり、CaO/Al2O3のモル比が高いと均一な組成にならない場合がある。
カルシウムリチウムアルミノシリケートの原料中にはMgO、Fe2O3、TiO2等の不純物が含有されているが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、カルシウムリチウムアルミノシリケートがこれらの化合物を含有してもよい。
カルシウムリチウムアルミノシリケートの原料中の可溶性アルカリ成分であるK2O、Na2Oの含有量は特に制限されないが、アルカリ骨材反応抑制という観点からK2O、Na2Oの含有量が少ない原料を選択することが好ましく、原料全体に占めるK2O、Na2Oの含有量は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
カルシウムリチウムアルミノシリケートのガラス化率は特に制限されないが、ガラス化率が高い程好ましく、具体的には50%以上が好ましく、70%以上が好ましく、90〜100%がより好ましい。上記範囲外では、充分な強度やアルカリ骨材反応抑制効果が得られない場合がある。
ガラス化率は、加熱前のサンプルの粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sをあらかじめ測定し、1,000℃で2時間加熱後、5℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法により加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、下記の式を用いてガラス化率Xを算出する。
ガラス化率X(%) =100×(1−S/S
カルシウムリチウムアルミノシリケートの粉末度はブレーン比表面積値で500cm2/g以上が好ましく、2,000〜6,000cm2/gがより好ましい。カルシウムリチウムアルミノシリケートはブレーン比表面積値が大きい微粉は、浸透性やアルカリ骨材反応の抑制効果が大きく好ましいが、過剰に粉砕するのは不経済である。ブレーン比表面積値が小さい粗粉を用いた場合、アルカリ骨材抑制効果が顕著でない場合がある。
無機硫酸塩とは、セッコウ類、硫酸アルミニウム、及びアルカリ金属硫酸塩等を総称するものであり、特に限定されるものではないが、強度増進効果等が顕著なセッコウ類を使用することが好ましい。セッコウ類としては、無水セッコウ、半水セッコウ、及び二水セッコウ等が挙げられ、無水石膏が強度発現性の観点から更に好ましい。無水セッコウとしては、天然に産出する天然無水セッコウのほか、半水セッコウや二水セッコウを熱処理して脱水したものや、工業副産物として発生するもの等が使用可能である。
無機硫酸塩の粉末度はブレーン比表面積で4,000〜10,000cm2/gが好ましく、6,000〜8,000cm2/gがより好ましい。4,000cm2/g未満では亀裂への注入性が悪くなる場合があり、過剰に粉砕しても強度発現性向上等が期待できず、不経済である。無機硫酸塩の使用量は、カルシウムリチウムアルミノシリケートと無機硫酸塩からなる注入材100部中、5〜80部が好ましく、20〜60部がより好ましい。無機硫酸塩の配合量が少ないと充分な強度増進効果が得られない場合があり、過剰に配合すると長期耐久性が低下する場合がある。
可使時間を確保する目的で、凝結調整剤を使用することが好ましい。凝結調整剤とは特に限定されるものではないが、例えば、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、及びリンゴ酸等の有機酸又はその塩、リン酸、ピロリンリン酸、トリポリリン酸等のリン酸又はその塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、並びにホウ酸及びその塩等が挙げられ、有機酸又は有機酸塩とアルカリ金属炭酸塩を併用すると強度発現性が良好となり、好ましい。
凝結調整剤の使用量は、使用する目的や用途に依存するため特に限定されないが、通常、注入材100部に対して、0.5〜5部の範囲が好ましく、1〜3部がより好ましい。凝結調整剤の使用量が少ないと充分な作業性が得られない場合があり、過剰に使用すると強度発現性が低下する場合がある。
セメントを含有する注入材の場合、セメントとカルシウムリチウムアルミノシリケートの合計100部中、カルシウムリチウムアルミノシリケートの配合量は5〜100部が好ましく、10〜40部がより好ましい。カルシウムリチウムアルミノシリケートの配合量が少ないと充分なアルカリ骨材反応抑制効果や強度が得られない場合がある。
セメントは、普通セメント、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びにエコセメント等が挙げられる。
セメントの最大粒径は特に限定されないが、微粒子セメントを用いることが好ましい。セメントの最大粒径は、通常40μ以下であり、20μ以下が好ましく、10μ以下がより好ましい。最大粒径が40μを超えると、コンクリート等への浸透性が低下する場合がある。水の配合量は特に限定されないが、注入材として適度な懸濁状態とするためには、セメント及びカルシウムリチウムアルミノシリケートと無機硫酸塩からなる注入材100部に対して水50部以上とすることが好ましく、100〜500部がより好ましい。水の配合量が少ないとコンクリートへの浸透性が不足する場合があり、過剰では強度が不足する場合がある。
本発明では、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、又は流動化剤を併用することが好ましい。減水剤等の種類は特に限定されないが、高性能減水剤又は高性能AE減水剤と呼ばれているナフタリン系、メラミン系、ポリカルボン酸系、及びスルホン酸系のものが好ましい。
高性能減水剤又は高性能AE減水剤は特に限定されず、市販のものを使用することができる。例えば、具体的には、ナフタリン系として、花王社製商品名「マイティ2000WH」等及び電気化学工業社製商品名「デンカFT-500」や「デンカFT-80」等が挙げられ、メラミン系として、昭和電工社製「メルメントF-10」や日本シーカ社製商品名「シーカメント1000H」等が挙げられ、ポリカルボン酸系として、デンカグレース社製商品名「ダーレックススーパー100PHX」や「ダーレックススーパー200」及びエヌエムビー社商品名「レオビルドSP-8HS」等が挙げられ、アミノスルホン酸系として、藤沢薬品工業社製商品名「パリックFP-100U」等が挙げられる。
減水剤の使用量は特に限定されないが、本注入材100部に対して0.1〜5部であることが好ましい。減水剤を過剰に添加すると充分な強度が得られない場合がある。
消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、急硬材、膨張材、粘土、シリカ質微粉末、シリカゾル、ハイドロタルサイト等のアニオン交換体等の各種セメント混和材料のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用可能である。
各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、いわゆる1.5ショット法、2ショット法でもよく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、予めその一部、或いは全部を混合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー及びナウターミキサー等が挙げられる。
コンクリートへの注入方法は特に限定されるものではなく、加圧注入、真空脱気注入等が適用でき、表面が硬化した後、表面の凹凸を研磨して仕上げることが美観上好ましい。
CaO原料として炭酸カルシウム、Al2O3原料としてアルミナ、SiO2原料として二酸化ケイ素、Li2O原料として炭酸リチウムを所定の割合で混合し、電気炉を用いて1,600℃で2時間加熱後、急冷し、表1に示す組成のカルシウムリチウムアルミノシリケートA〜Qを合成した。カルシウムリチウムアルミノシリケートのガラス化率はいずれも100%である。カルシウムリチウムアルミノシリケートA〜Qをそれぞれ粉砕してブレーン比表面積6,000cm2/gとし、カルシウムリチウムアルミノシリケート50部とセッコウ50部からなる注入材A〜Qを調製した。
アルカリ骨材反応を生じるコンクリート供試体として、セメント300kg、細骨材900kg、粗骨材800kg、水170kgからなるコンクリートを調製し10×10×40cmに成型した。コンクリート中のアルカリ量はR2O換算でセメントに対し2.5%となるよう水酸化ナトリウムを添加して調製した。このコンクリートを40℃で28日間湿潤養生した後、供試体に1cmφ、深さ5cmの孔を5cm間隔で7箇所削孔した。コンクリート供試体表面には亀甲状のひび割れが生じていた。
セメント75部、凝結調整剤0.5部、水300部を混合してセメントペーストスラリーとし、注入材25部と2ショット法で合流させ、各孔から4kgf/cm2の圧力で3hr注入した。注入後の供試体にコンタクトゲージを取り付けて長さを測定し、その値を基長とした。その後、温度40℃、湿度95%RH室内で6ヶ月間養生し、膨張率を測定してアルカリ骨材反応抑制効果の確認を行い、各供試体の曲げ強度も測定した。結果を表1に示す。
比較例として、注入材Cの配合でCaO原料、Al2O3原料、SiO2原料、及びLi2O原料の配合量をそれぞれ0としたものと、セメントペーストだけを注入した場合の評価結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント :市販微粒子ポルトランドセメント(Na2O換算0.65%、最大粒径10μm)
細骨材・粗骨材 :オパール硅石、JIS A 1146による判定で、潜在的に有害と判定された骨材。JIS A 1146に規定する粒度分布に調整して細骨材及び粗骨材とした後、表乾状態とした。
水 :水道水
炭酸カルシウム:試薬1級、CaCO3
アルミナ :試薬1級、Al2O3
二酸化ケイ素 :試薬1級、SiO2
炭酸リチウム :試薬1級、Li2CO3
セッコウ :天然無水セッコウ、ブレーン比表面積6,000cm2/g
水酸化ナトリウム:市販、試薬1級
凝結調整剤 :無水クエン酸
<測定方法>
曲げ強度 :所定の養生を行った各供試体を用い、JIS R 5202に準じて行った。
Figure 0004317736
カルシウムリチウムアルミノシリケートCを含有する注入材Cを用いてなる注入材スラリーにおいて、セメント及び注入材Cの合計100部中の注入材Cの割合を、表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0004317736
カルシウムリチウムアルミノシリケートCの粉末度を表3に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0004317736
カルシウムリチウムアルミノシリケートCを約1,000℃で再加熱し、加熱時間を変えてガラス化率を表4に示す値とした点以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0004317736
カルシウムリチウムアルミノシリケートCとセッコウの割合を表5に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
Figure 0004317736
注入材Cの代わりに、カルシウムアルミノシリケートとセッコウの等量混合物である注入材αを用い、リチウム源としてセメントペーストスラリーの混練水に亜硝酸リチウムを添加し、注入材Cとリチウム含有量を同じとして注入材スラリーを作製したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。注入材スラリーの代わりに亜硝酸リチウム40%水溶液だけをコンクリートに注入した場合の結果も併記する。
<使用材料>
亜硝酸リチウム :市販品、水溶液、濃度40%
水酸化リチウム :市販品、水溶液、濃度40%
注入材α :カルシウムアルミノシリケート、CaO:Al2O3:SiO2=45:15:30、ブレーン比表面積6,000cm2/g、ガラス化率は100%
<測定方法>
可使時間:セメント及び各注入材を水と練り混ぜて注入材スラリーとした後、ゲル化するまでの時間を測定した。なお、ゲル化の判定は目視で行った。
Figure 0004317736

注:(1)実験No.6-2は水溶液のため、充填効果がない。ゲル化しないため、可使時間は測定不能。
本注入材は、アルカリ骨材反応を生じたコンクリートのひび割れ箇所に注入し、充填することにより、その後のアルカリ骨材反応を抑制することができ、注入後のコンクリートは強度が高く、耐久性に優れるという効果を奏するため、アルカリ骨材反応によって劣化したコンクリートの補修に用いる注入材用途に適する。

Claims (6)

  1. CaOを35〜60%、Al 2 O 3 を5〜40%、SiO 2 を20〜60%、及びLi 2 Oを10〜30%含有するカルシウムリチウムアルミノシリケート無機硫酸塩を含有するアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材。
  2. 前記カルシウムリチウムアルミノシリケートのガラス化率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材。
  3. 前記カルシウムリチウムアルミノシリケートのブレーン比表面積値が500cm2/g以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材。
  4. 請求項1〜のうちのいずれか1項に記載のアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材セメントを含有するアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材。
  5. 前記セメントの最大粒径が40μm以下であることを特徴とする請求項記載のアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材。
  6. アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートの空隙に、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止用注入材を注入することを特徴とするアルカリ骨材反応により劣化したコンクリートのアルカリ骨材反応の進行・再発防止方法。
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