JP4328323B2 - リボフラノース誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線障害防護作用を示す新規なリボフラノース誘導体に関する。
日本人の死因の約1/4は癌であり、癌患者は今後とも増加すると予測されている。癌の治療方法の主なものは外科手術、放射線療法、化学療法であり、現在、これらを組み合わせた治療が行われている。
放射線療法は、外科手術と並んで癌治療の根本的治療法であるが、放射線被曝による患者への様々な障害の出現が、放射線療法の有用性への評価、期待を減弱せしめている。放射線照射により惹起される様々な障害を防護できる予防・治療剤を開発できれは、放射線療法において患部に照射できる放射線を飛躍的に増量することが可能となり、放射線による癌の治療効果を更に高めることに寄与することができる。
放射線の障害を防護する薬剤として、従来、含硫アミン化合物等が検討されてきたが臨床に適用されるまでに到っていない。最近、放射線障害防護剤としてアミフォスチン(Seminars in Oncology,8,65(1981))の臨床治験がなされているが、副作用の点で問題が存在する。
特許文献1には5−デオキシ−5−チオ−D−リボース等の環内に硫黄原子を有する糖化合物の放射線障害防護作用を開示しているが、臨床に供与できるだけの強い効果に到っていない。
米国特許公報第4420489号明細書
本発明者らは、新たな放射線障害防護活性を有する化合物を見出すべく鋭意研究を行った結果、新規なリボフラノース誘導体が優れた放射線障害防護作用を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、一般式(1)
Figure 0004328323
(式中、R1は分岐していてもよい炭素数2〜6個の低級アルキル基を示し、R2とR3はそれぞれ独立して水素原子、または分岐していてもよい低級アルキル基、或いは一緒になってアルキリデン基を示す。)で表される、新規なリボフラノース誘導体が提供される。
かくして本発明によれば、新規なリボフラノース誘導体が得られ、放射線障害防護活性を有する医薬品、試薬、およびその中間体として有用である。
前記一般式(1)において、R1は炭素数2〜6個の分岐していてもよい低級アルキル基であり、具体的には、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基などが挙げられ、好適にはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などである。
2,R3はそれぞれ独立して水素原子、または分岐していてもよい低級アルキル基、或いは一緒になってアルキリデン基を示す。分岐していてもよい低級アルキル基としては、通常炭素数が1〜6個であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基などが挙げられ、好適にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などである。また、アルキリデン基としては一般的には炭素数が1〜8個のアルキリデン基であり、具体的にはメチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基、ヘキシリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基などが挙げられ、好適にはイソプロピリデン基、ベンジリデン基、シクロヘキシリデン基などであり、更に好適にはイソプロピリデン基である。
本発明の一般式(1)で表される新規なリボフラノース誘導体の具体例としては、例えばエチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−ブチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、s−ブチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−アセチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−プロピオニル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−ベンゾイル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2−O−メチル−3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2−O−(4−メチルペンチル)−3−O−イソブチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 2−O−エチル−3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−アセチル−2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−アセチル−2,3−O−ヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2,3−O−ベンジリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル2,3−O−ベンジリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−アセチル−2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−プロピオニル−2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、n−プロピル 2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−ブチリル−2,3−O−メチリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、2,3−ジメチルブチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2,3−O−メチリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2,3−O−エチリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−プロピオニル−2,3−O−イソペンチリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−バレリル−2,3−O−ベンジリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−ベンゾイル−2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2−O−メチル−3−O−メチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2−O−エチル−3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 2−O−イソプロピル−3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−ブチル 2−O−エチル−3−O−n−プロピル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソブチル 2−O−メチル−3−O−t−ブチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−ペンチル 2−O−イソブチル−3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、ネオペンチル 2−O−s−ブチル−3−O−メチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、2,3−ジメチルブチル 2−O−メチル−3−O−イソペンチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 2−O−(2−メチルペンチル)−3−O−イソペンチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 2−O−メチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、プロピル 2−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−ブチル 2−O−イソプロピル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、s−ブチル 2−O−n−ブチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、2−メチルペンチル 2−O−(1,1−ジメチルブチル)−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−ヘキシル 2−O−(1,3−ジメチルブチル)−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、エチル 3−O−エチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、4−メチルペンチル 3−O−n−プロピル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、2−メチルペンチル 3−O−n−ヘキシル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1,1−ジメチルブチル 3−O−(2,3−ジメチルブチル)−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、2,3−ジメチルブチル 3−O−(4−メチルペンチル)−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドなどが例示され、好適には、エチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−アセチル−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、1−O−アセチル−2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−プロピオニル−2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、エチル 2,3−O−ベンジリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、n−プロピル 2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド、イソプロピル 2,3−O−シクロヘキシリデン−5−チオ−D−リボフラノシド、t−ブチル 2,3−O−ベンジリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−アセチル−2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノース、1−O−プロピオニル−2,3−O−シクロヘキシリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノースなどであり、1位のα,β立体異性体は、各々単独あるいは混合物のいずれであっても本発明に包含される。
本発明の化合物は、市場から入手可能なD−リボースや、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジンなどのリボヌクレオシドから、常法にしたがって容易に合成できる。たとえば、D−リボースの1位のヒドロキシル基を酸性レジンなどのような酸性触媒存在下でアルコールと反応させてアルコキシル基とし、ついでD−リボースの2および3位のヒドロキシル基を酸性レジンなどのような酸性触媒存在下でアルデヒドやケトンと反応させてアセタールとして、D−リボースの1,2,3位のヒドロキシル基を保護したのち、D−リボースの5位のヒドロキシル基をトシルクロライドなどで活性化してチオ酢酸カリウムなどを反応させると本発明の化合物のうち2および3位がO−アルキリデン基である化合物が得られる。また、2および3位のO−アルキリデン基を除去した後に、D−リボースの2,3位をトシルクロライドやナトリウムハイドライドなどで活性化させてアルコールや塩化物等と反応させれば、本発明の化合物のうち2および3位の酸素原子にそれぞれ分岐してもよい炭素数1〜6の低級アルキル基が結合した本発明の化合物が得られる。
1位のヒドロキシル基をアルコキシル基に変換するため用いられるアルコールは、常法にて用いられるものであり、具体例としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、n−ヘキサノール、4−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3,3−ジメチルブタノール、2,2−ジメチルブタノール、1,1−ジメチルブタノール、1,2−ジメチルブタノール、1,3−ジメチルブタノール、2,3−ジメチルブタノールなどの炭素数2〜6の低級アルコールが挙げられる。2,3位のヒドロキシル基をアセタールに変換するため用いられるアルデヒドやケトンは、常法にて用いられるものであり、具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、ベンジルアルデヒドなどのアルデヒド類やアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、エチルプロピルケトン、ジ−t−ブチルケトン、シクロペンチルケトン、シクロヘキシルケトンなどのケトン類が例示される。これらのなかでも反応性の観点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールなどが好ましい。
化合物の合成に際しての反応条件は常法に従って設定すればよく、特に限定されないが、通常−5℃〜150℃、5分〜24時間程度の条件下で反応させる。また、用いられる溶媒についても常法に従って選択することができるが、通常、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、無水ピリジン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒の中から、反応を阻害せず出発物質が溶解可能なものを選択し、単独もしくは組み合わせて使用すればよい。反応終了後、化合物は常法に従って反応混和物から採取される。例えば、熱時に反応液中の不溶物を濾別し濾液中に析出した結晶を濾取し再結晶したり、クロマトグラフイー等によって更に精製することができる。
これらの化合物を放射線障害防護剤として用いるに際しては、上記医薬的に許容しうる担体もしくは希釈剤などを含有した医薬品組成物として使用することができ、その剤型は適宜選択できる。例えば、液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、腸溶剤およびカプセル剤などの経口剤や、注射剤、坐剤などの非経口剤が挙げられる。
製剤方法は常法に従えばよく、例えば、本発明の化合物と医薬的に許容し得る担体もしくは希釈剤、更には、安定剤その他所望の添加剤を配合し、所望の剤型とすることができる。このような担体もしくは希釈剤の例としては、例えば、澱粉類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、デキストリン、マンニット、ソルビット、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、トラガカントゴム、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、寒天、アルギン酸ナトリウム、カオリンなどの固体希釈剤や、例えば、水、生理食塩水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、ハルトマン液、リンゲル液などの液体希釈剤をあげることができる。この際、普通用いられる安定剤等を含有してもよい。
本発明の放射線障害防護剤が経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で、本発明の化合物を1日0.1〜100mg/kgの範囲で使用することができる。また、静注、皮下注、筋肉注射など、非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発明の化合物を1日0.01〜10mg/kgの範囲で使用することができる。
本発明のリボフラノース誘導体および放射線障害防護剤について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
(合成例1) エチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成。
D−リボース(50g)をエタノール(350ml)およびアセトン(350ml)の混合溶液に溶解し、アンバーリスト15(10g;登録商標、米国ローム&ハース社製)を加えて80℃で3時間加熱還流した。反応後、室温まで冷却して、アンバーリスト(登録商標)を濾別し、濾液をクロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮して得られた粗シロップ(69g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)に付し中間体49gを得た。このうち30gに無水ピリジン(60ml)を加え溶解し、室温撹拌下、トシルクロライド(27.6g)を加え、室温で2時間撹拌後、更に70℃として5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで放冷し、水を加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を集めて希硫酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、活性炭(5g)で処理後濃縮し、粗シロップ(69g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/クロロホルム=1/1)に付しトシル体27gを得た。この濃縮物にジメチルホルムアミド(150ml)を加え溶解し、チオ酢酸カリ(8.4g)を加えて70℃で5時間加熱還流した。その後、反応液を減圧下濃縮し、水を加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(展開液;クロロホルム)で精製してエチル 2,3−O−イソプロピデン−5−デオキシ−5−アセチルチオ−D−リボフラノシド(19g)を得た。次いでこの化合物をメタノール(100ml)に溶解し、0.5Nナトリウムメトキシド/メタノール(3ml)溶液を加え、室温で一晩静置した。反応液を濃縮して得られた残査をカラムクロマトグラフイー(展開液;ベンゼン→クロロホルム)で精製することにより、エチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド(以下、化合物1とする)を(9.4g)得た。この化合物は1H−NMRスペクトルから同定された。機器データを以下に示す。NMRスペクトル(CDCl3,δ値)
1.10〜1.28(3H,t)、1.30(3H,s)、1.45(3H,s)、2.40〜3.00(2H,m)、3.30〜3.82(2H,m)、4.00〜4.21(1H,brs)、4.50〜4.70(2H,m)、5.03(1H,s)
(合成例2)イソプロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成
合成例1でD−リボースを溶解させる混合溶液のエタノールをイソプロパノールに代えて同様の実験を行い、イソプロピル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド(以下、化合物2という)を得た。この化合物は1H−NMRスペクトルから同定された。機器データを以下に示す。NMRスペクトル(CDCl3,δ値)
1.10〜1.25(6H,d)、1.34(6H,s)、2.40〜3.00(2H,m)、3.73〜4.25(2H,m)、4.54〜4.76(2H,m)、5.20(1H,s)
(合成例3)エチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成
合成例1で得た化合物1(7.8g)のメタノール(78ml)溶液にアンバーリスト15(2.4g;登録商標)を加えて窒素置換下、30℃で4時間撹拌した。その後反応液を濾過し、濾液を濃縮して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(クロロホルム:メタノール=100:0→97:3)で精製することにより、エチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド(以下、化合物3という)を5.1g得た。この化合物は、1H−NMRスペクトルから同定された。機器データを以下に記す。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値)
1.08〜1.32(3H,t)、2.63〜2.90(2H,m)、3.40〜4.38(5H,m)、4.80〜5.00(1H,d)
(合成例4)イソプロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成
化合物2(1.0g)から合成例3と同様にアンバーリスト15(登録商標)で2,3位を脱保護し、シリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製して、イソプロピル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド(以下、化合物4という)を(70mg)得た。この化合物は、1H−NMRスペクトルから同定された。機器データを以下に記す。
NMRスペクトル(CDCl3,δ値)
1.20〜1.23(6H,d)、2.90〜3.25(2H,m)、3.92〜4.38(4H,m)、5.05(0.5H、d,J1、2<1.0Hz,β−H−1)、5.16(0.5H、d,J1、2=3.0Hz,α−H−1)
(合成例5)メチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成
D−リボース95gをメタノールとアセトンの等比混合溶媒1330mlに溶解させ、アンバーリスト15(47.5g;登録商標)を加えて70℃で1.5時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却してアンバーリスト(登録商標)を濾別し、濾液から溶媒を除去した。得られた残査にクロロホルム400mlを加えて水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を除去した。次いで無水ピリジン120mlに溶解させ、塩化パラトルエンスルホニル59.6gを添加後、室温で2時間攪拌し、更に95℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで放冷した後、水を加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を集めて希硫酸、希塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を除去後、約74gの無色粘性の液体を得た。
この液体30gをジメチルホルムアミド250mlに溶解させ、チオ酢酸カリ9.8gを加えて60〜70℃で5時間攪拌した。その後、反応液を減圧下濃縮し、水を加えてクロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去した。これをメタノール110mlに溶解し、0.5Nナトリウムメトキシド/メタノール3.4mlを加えて室温で一晩放置した。その後、反応液を濃縮し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ベンゼン→クロロホルム)で精製することにより、1位のα、β混合物であるメチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシド(以下、化合物5という)17.1gを得た。更に化合物5をシリカゲルクロマトグラフィー(ベンゼン→クロロホルム)で精製し、1位のα体であるメチル 2,3−O−イソプロピリデン−5−デオキシ−5−チオ−α−D−リボフラノシド(以下、化合物6という)を単離した。
(合成例6)メチル 5−デオキシ−5−チオ−D−リボフラノシドの合成。
化合物5(2g)をメタノール20mlに溶解させ、アンバーリスト15(登録商標)(0.6g)を加えて窒素置換下、30℃で4時間攪拌した。アンバーリスト(登録商標)を濾別後、濾液を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフイー(クロロホルム:メタノール=100:0→97:3)で精製することにより、メチル 5−デオキシ−5−チオ−β−D−リボフラノシド(以下、化合物7という)0.5gを得た。
(合成例7)メチル 5−デオキシ−5−チオ−α−D−リボフラノシドの合成。
化合物6(2g)を合成例2と同様にしてアンバーリスト15(登録商標)を用いて脱保護し、シリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製することで、メチル 5−デオキシ−5−チオ−α−D−リボフラノシド(以下、化合物8とする)を0.6g得た。化合物8は化合物7との1位の立体異性体である。
(試験例1)in vivo放射線障害防護試験
動物は3ケ月齡のC3H/He雄性マウスを1群10匹で使用した。化合物1および5は0.05%のTween80に懸濁させ、化合物3、7および8は生理食塩水に溶解した。比較剤は5−デオキシ−5−チオ−D−リボース(以下、比較剤1とする)を使用し、生理食塩水に溶解した。対照群には生理食塩水を投与した。薬剤濃度はマウス10g当たり投与液量が0.1mlになるように調整し、それぞれ500mg/kgを腹腔内に投与した。薬剤投与15分後に東芝製137Cs−γ線照射装置を用いて10Gyをマウスに全身照射し、以後、30日間生死を判定した。この結果、化合物1および5は15日目まで生存率は60%以上で生存率が0%となるのは化合物1が18日目、化合物5が17日目であった。化合物3は30日目でも生存率60%以上であり、化合物7および8は30日目でも生存率100%であった。これに対して比較剤1の生存率は10日目にすでに50%であり、13日目には生存率は0%となった。また、対照群では9日目にすでに生存率は50%となり、12日目には0%となった。この結果から、化合物1、3、5、7および8は強い放射線障害防護作用を有していることが判った。また、その効果は1位の立体異性体の差なく発揮されている事も判った。
(試験例2)in vitro放射線障害防護試験
ヒト唾液腺腫瘍細胞2.5×105個を5ml照射用ボトルに播種し、2日間、37℃下で培養した。化合物3、7および5−デオキシ−5−チオ−D−リボース(以下、比較剤1という)を所定量添加した牛胎児血清10%入りMEM培地5mlと交換後、37℃で30分間培養し、島津製シールド型信愛号250X線装置を用いて200KV×15Aで7Gy照射した。照射後、無血清MEM培地で洗浄し、0.1%トリプシンで細胞を剥離後、コールカウンターで細胞数を計測し、所定数を6cmφのデイッシュに播種した。播種細胞数は10日間培養後にコロニーが100個前後できるように調整した。コロニーの染色はSolutionV(MgSO4 ,7H2O)で洗浄後、10%ホルマリンで10分以上固定した。次いで1%メチレンブルーで1分間染色後、水洗し、100倍の顕微鏡下でコロニー数を計測した。生存率(S.F.)を下式から求めた。結果を図1に示した。
S.F.=(照射コロニー数/播種細胞数)/(無照射コロニー数/播種細胞数)
図1より、化合物3および7は比較剤1に比べて非常に強いin vitro放射線障害防護効果を持つ事が判った。
(試験例3) 毒性試験
実験動物は3ケ月齢の雄性C3H/Heマウスを1群10匹で使用した。試験例1と同様に調整した化合物1、3、5、7および化合物8を腹腔内に1000mg/kg投与して30日間観察したが、異常な症状は認められず、死亡した個体も認められなかった。このことから、本発明の化合物1、3、5、7および8は極めて毒性の低い化合物であることが判った。
薬剤濃度と生存率の関係を示した図面である。

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004328323
    (式中、R1は分岐していてもよい炭素数2〜6の低級アルキル基を示し、R2とR3はそれぞれ独立して水素原子または分岐していてもよい低級アルキル基、或いは一緒になってアルキリデン基を示す。)で表されるリボフラノース誘導体。
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