従来、携帯電話などの送信回路における必須電子部品の一つに、パワーアンプ(電力増幅器)がある。パワーアンプは、信号処理IC(Integrated Circuit)が生成した数mWオーダの小電力の電気信号を、Wオーダに近い大電力にまで一気に増幅し、送信アンテナへと送り出す働きをする。
パワーアンプ用のデバイス形態として、近年では、GaAs−HBT(ガリウム砒素−ヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタ)によるMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuit)が主流になっている。バイポーラ型パワーアンプの場合、供給すべきバイアス端子としては、通称「Vbb端子」と呼ばれるベースバイアス端子と、通称「Vcc端子」と呼ばれるコレクタバイアス端子との2種類がある。
ここで、パワーアンプは、携帯電話の全電子部品の中で突出して大きな信号電力を扱う部品である。それゆえ、パワーアンプは2つの観点から重視されている。第1に、パワーアンプの電力利用効率の優劣がそのままバッテリー消費に大きく影響してしまうため、高効率化設計技術が重要である。第2に、パワーアンプは非線形性による信号歪が最も発生しやすい部品の一つであるため、高線形化設計技術が重要である。
そこで、近年主流であるバイポーラ型パワーアンプにおいて、上記高効率化と上記高線形化とを実現するためには何が重要かと言えば、前述のVbb端子のバイアス回路設計が特に重要であることが知られている。以上のような事情については、例えば、特許文献1などの多数の文献において詳細に説明されている。
また、バイポーラ型トランジスタにおけるバイアス回路の設計技術と言えば、Si(シリコン)アナログICの分野で、古くから研究されてきた公知分野でもある。しかし、GaAsパワーアンプMMICにおいては、従来のSiアナログICと比べて制約が大きいため、全く同じ技術を流用するわけにも行かず、新しい修正バイアス回路の研究が続けられている。
上記GaAsパワーアンプMMICに特有の制約とは、例えば以下のようなものである。第1に、トランジスタ自体に内在する閾値電圧が大きいため、電源(通常は3.3V)とグランドとの間に、わずかに2個のトランジスタしか接続できないこと(2段積み)がある。第2に、大電力信号を扱うために、バイアス回路(直流回路)部分がその他の高周波回路部分からの影響を受けやすく、両者の分離に気を遣わなければならないことがある。
さて、GaAsパワーアンプMMICに適したバイアス回路設計の従来技術としては、様々な回路構造が多くの文献において開示されている。ここで、バイアス回路の安定性向上のための技術が、特許文献2および特許文献3に開示されている。
特許文献2に開示されたバイアス回路は、バイアス回路の安定性を高める上で基本形となる構成を有している。また、特許文献3に開示されたバイアス回路は、基本形であるバイアス回路に対して、より安定性を向上させた改良形の構成を有している。
そこで、まず、図8を参照しながら、特許文献2に開示された基本形となる構成を有する従来の第1バイアス回路の構成について説明する。その次に、図10を参照しながら、特許文献3に開示された改良形である従来の第2バイアス回路の構成について説明する。
図8は、従来の第1バイアス回路の構成を示す回路図である。
従来の第1バイアス回路は、図8に示すように、第1トランジスタ501、第2トランジスタ502、抵抗503、調整用抵抗504、第3トランジスタ506、調整用抵抗507、および調整用抵抗508を備えている。また、第1トランジスタ501、第2トランジスタ502、抵抗503、および調整用抵抗504は、回路ブロック部505を構成している。
第1バイアス回路は、高周波増幅用トランジスタ523のベース端子にバイアス電流を供給するために用いられている。高周波増幅用トランジスタ523は、高周波増幅用のトランジスタであり、入力ポート521から入力された高周波信号を増幅して、出力ポート522に出力する。
また、第1バイアス回路は、回路ブロック部505によって安定化された電位を、カレントミラーで別の第3トランジスタ506へと映すことで、映された電位により第3トランジスタ506を安定して定電流動作させる、というものである。
回路ブロック部505は、第1電源ポート511から電源を供給されている。また、第3トランジスタ506は、コレクタバイアスを調整用抵抗507を介して第2電源ポート512から受け、ベースバイアスを回路ブロック部505(後述する図9におけるH点電位)から受けている。そして、第3トランジスタ506は、エミッタ出力を、必要に応じて調整用抵抗508などを介しつつ、高周波増幅用トランジスタ523のベース端子に供給する。
ところで、安定化された電位を回路ブロック部505から取り出すことを前述した。そこで、詳細に、回路ブロック部505の特性について説明する。回路ブロック部505は、基準電源回路を構成している。それゆえ、安定化された電位を取り出すことが可能となっている。
基準電源回路は、例えば、非特許文献1においては「電流基準回路」として記載されている公知回路である。使い方次第では「電圧基準回路」にもなるため、不要な区別を避ける目的で、本明細書中では「基準電源回路」という呼称で統一する。
図9を参照しながら、上記基準電源回路について詳細に説明する。
図9は、基準電源回路600の構成を示す回路図である。
基準電源回路600は、図9に示すように、第1トランジスタ601、第2トランジスタ602、抵抗603、および調整用抵抗604を備えている。なお、第1トランジスタ601は第1トランジスタ501に対応し、第2トランジスタ602は第2トランジスタ502に対応し、抵抗603は抵抗503に対応し、および調整用抵抗604は調整用抵抗504に対応している。
第1トランジスタ601および第2トランジスタ602は互いに補正し合う帰還関係にある。すなわち、第1トランジスタ601の入力端子(ベース端子)と出力端子(コレクタ端子)とは、それぞれ、第2トランジスタ602の出力端子(エミッタ端子)と入力端子(ベース端子)とに接続されている。
また、第1トランジスタ601は、コレクタ端子が調整用抵抗604を介して第1電源ポート611に接続され、エミッタ端子が接地されている。第2トランジスタ602は、コレクタ端子が第2電源ポート612に接続され、エミッタ端子が抵抗603を介して接地されている。
したがって、図9に示すH点およびI点を、第1電源ポート611および第2電源ポート612から回路的に分離することによって、電源電圧の変動に関係なくH点の電位およびI点の電位が一定になるように保っている。
これにより、基準電源回路600では、電源電圧の変動に対する安定化が図られている。なお、図8に示した第1バイアス回路では、第3トランジスタ506は、ベースバイアスを図9におけるH点の電位から受けている。
また、図9に示した基準電源回路600は、電源電圧への依存性が低い安定な電源回路の代表として広く知られ、実際に多用されている。そこで、図3を参照しながら、基準電源回路は電源電圧への依存性が低いという特徴のイメージを説明する。
図3は、電源電圧の変動に対する各回路の安定性を表すグラフである。横軸は図9のような電源回路に与える電源電圧を示し、縦軸は図9のような電源回路から取り出すことができる電圧や電流を示している。なお、ここでは、図中の線X、Yについて説明し、図中の線Zについては、発明を実施するための最良の形態にて後述する。
図3に示すように、多くの簡単な電源回路の場合では、図中の線Xのように、電源電圧の増加に応じて、出力電圧・電流が大きく単調増加してしまう。
これに対し、図9の基準電源回路600の場合には、図中の線Yのように、出力電圧・電流はやはり単調増加ではあるものの、その傾きが小さく抑圧されており比較的安定である。それゆえ、基準電源回路は電源電圧への依存性が低いことがわかる。
次に、図10を参照しながら、従来の第2バイアス回路の構成について説明する。
図10は、従来の第2バイアス回路の構成を示す回路図である。
従来の第2バイアス回路は、図10に示すように、第1トランジスタ701、第2トランジスタ702、抵抗703、調整用抵抗704、第3トランジスタ706、調整用抵抗707、調整用抵抗708、第4トランジスタ709を備えている。また、第1トランジスタ701、第2トランジスタ702、抵抗703、および調整用抵抗704は、回路ブロック部705を構成している。
第2バイアス回路は、高周波増幅用トランジスタ723のベース端子にバイアス電流を供給するために用いられている。高周波増幅用トランジスタ723は、高周波増幅用のトランジスタであり、入力ポート721から入力された高周波信号を増幅して、出力ポート722に出力する。
また、第2バイアス回路は、上記第1バイアス回路と同様に、回路ブロック部705によって安定化された電位を、カレントミラーで別の第3トランジスタ706および第4トランジスタ709へと映すことで、映された電位により第3トランジスタ706および第4トランジスタ709を安定して定電流動作させる、というものである。
第2バイアス回路自体への電源供給は、第1電源ポート711および第2電源ポート712から、調整用抵抗704および調整用抵抗707をそれぞれ介して行われる。第1バイアス回路との違いは、カレントミラーが、第1トランジスタ701と第4トランジスタ709との間と、第2トランジスタ702と第3トランジスタ706との間との2つの経路で同時に形成されている点である。
詳細には、回路ブロック部705は、第1電源ポート711から電源を供給されている。また、第3トランジスタ706は、コレクタバイアスを調整用抵抗707を介して第2電源ポート712から受け、ベースバイアスを図9におけるH点電位から受け、エミッタ端子がG点に接続されている。第4トランジスタ709は、コレクタ端子がG点に接続され、ベースバイアスを図9におけるI点電位から受け、エミッタ端子が接地されている。そして、第3トランジスタ706は、エミッタ出力を、G点から、必要に応じて調整用抵抗708などを介しつつ、高周波増幅用トランジスタ723のベース端子に供給する。
ところで、通常のバイアス回路は、バイアス回路単体で用いられるものではなく、例えば、パワーアンプに備えられた増幅用トランジスタに接続させて、バイアス電流を供給するために用いられる。そこで、図11を参照しながら、上記第2バイアス回路を用いた一般的なパワーアンプ全体の構成について説明する。
図11は、第2バイアス回路を用いた従来のパワーアンプの構成を示す構造模式図である。
従来のパワーアンプは、高周波増幅用トランジスタ815および高周波増幅用トランジスタ818によって2段階で増幅される、電力センサ830付きの2段アンプである。また、バイアス回路805a〜805cで構成される部分が、上記電力センサ830付きの2段アンプに対するバイアス回路である。
パワーアンプは、図11に示すように、入力ポート811と出力ポート812との間には、2個の高周波増幅用トランジスタ815および818が、3個の整合回路814,817,および820で挟まれつつ縦続接続されている。2個の高周波増幅用トランジスタ815および818のコレクタバイアスは、それぞれ電源ポート816および819から供給される。
また、出力ポート812における高周波電力の一部は、キャパシタンス821を介して電力センサ830に導かれ、直流電圧に変換されて出力ポート813から出力される。
電力センサ830の構成については、例えば、ダイオード823の出力端が、高周波的にはキャパシタンス824で接地され、直流的には抵抗825で接地された回路が代表的である。なお、電力センサ830の中身については、本発明の範囲を逸脱するので詳細は避ける。
パワーアンプは、バイアス回路805a〜805cとして、従来の第2バイアス回路を3個備えている。高周波増幅用トランジスタ815および818に対しては、バイアス回路805aおよび805bがベースバイアスをそれぞれ供給する。
また、電力センサ830も、ダイナミックンレジ拡大などの目的でバイアスを加える場合が多い。それゆえ、従来のパワーアンプにおいても、バイアス回路805cが、調整用抵抗822を介してダイオード823に接続されている。なお、バイアス回路805a〜805c自身に対する電源供給は、電源ポート801〜804を通じて行われる。
特開2001−94360号公報(平成13年4月6日公開)
特開平11−163640号公報(1999年6月18日公開)
特開2002−9558号公報(平成14年1月11日公開)
P.R.グレイ他著、「システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術(上)」、第4版、株式会社培風館、2003年7月、p.359
P.R.グレイ他著、「システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術(上)」、第4版、株式会社培風館、2003年7月、p.353
ところが、パワーアンプの重要なVbb端子のバイアス回路では、既に説明した高効率化・高線形化という課題に加えて、近年ではさらに新しい課題が注目されている。本発明は、この新しい課題を、従来技術の限界を超えて解決することを主目的としている。
近年、世の中の無線通信システムで採用される変調方式が年々高度化してきたり(例:OFDM:直交周波数領域多重化方式)、オープンループ方式のプリディストーション技術(予め測定/記録しておいたパワーアンプの歪特性の逆特性を変調時にかける線形化技術)の採用が試みられたりしている。それゆえ、パワーアンプに対しては、わずかな特性変動さえ許さなくなってきている。
また、その一方で、携帯電話全体としては、電源回路周りの部品数および性能を削減して、低コスト化および小型化する動きが止まらない。それゆえ、外部からパワーアンプへ供給される電源の品質自体が逆に落ちてきている。
そこで、パワーアンプに対して、温度変動や電源電圧変動に対する安定性のさらなる向上が要求されている。パワーアンプの性能向上においては、上述したように、Vbb端子のバイアス回路設計が特に重要である。
上記特許文献2の第1バイアス回路では、温度変動や電源電圧変動に対する対応が不十分であった。一方、上記特許文献3の第2バイアス回路では、温度変動や電源電圧変動に対する安定性の向上が試みられている。しかしながら、上記近年の事情によりさらなる安定性の向上が要求されている。
また、第2バイアス回路においては、図10に示したように、バイアス電流はG点から取り出している。それゆえ、第3トランジスタ706のエミッタ電流は、全てがバイアス電流として供給されずに、第4トランジスタ709にも流れている。よって、第4トランジスタ709での消費電力が大きくなっている。
ところが、近年、パワーアンプが待機状態の時に無駄に消費される電流(通常は数十mAオーダ)をほぼ零(数μAオーダ)に削減しようという、省電力機能(Shutdown機能)の普及がある。HBT型パワーアンプにおいて、Shutdown機能を実現する最も簡単な方法は、Vbbバイアス端子をShutdown制御信号によって直接駆動する方法である。
しかし、そのためには、CMOS論理回路で生成されるShutdown制御信号の電流駆動力がほとんど零なので、それに合わせてVbbバイアス端子の消費電流も削減して行かなければならない。それゆえ、GaAsパワーアンプMMICを外部から見た際の、Vbbバイアス端子へ供給すべき消費電流の削減が要求されている。
したがって、バイアス回路には、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが要求されている。
また、上記要求に応じようとすると、どうしてもバイアス回路全体の回路規模が増大することが避けられず、チップ面積が増大してしまうという問題が生じる。それゆえ、なるべく小規模な回路によって、上記要求に応じる工夫が必要である。よって、チップ面積の削減も要求されている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することができるバイアス回路および電力増幅器を提供することにある。
本発明のバイアス回路は、上記課題を解決するために、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタと、ベース端子が上記第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタとを備え、上記第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出されることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1トランジスタのコレクタ端子が第2トランジスタのベース端子に接続され、また、第1トランジスタのベース端子が第2トランジスタのエミッタ端子に接続されていることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタには、互いに補正し合う帰還関係が形成されている。それゆえ、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、第1電源ポートおよび第2電源ポートから入力される電源電圧の変動に対しての安定化が図られている。すなわち、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、電源電圧に対する依存性が低くなっている。
また、第1トランジスタと第3トランジスタとがカレントミラーを構成するように接続されていることにより、第1トランジスタのベース電位と第3トランジスタのコレクタ電位とが連動する。それゆえ、第3トランジスタにおける、そのエミッタ端子が接地され、およびそのコレクタ端子が第3抵抗を介して第1電源ポートに接続されている構成に、第3トランジスタのベース端子から、第1トランジスタ、第2抵抗、および第3抵抗を介して、第3トランジスタのコレクタ端子までで接続されるループ回路部がさらに構成されることによって、第1トランジスタ、第2抵抗、第3抵抗、および第3トランジスタで構成される回路部分が、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路となる。
そして、さらに、ベース端子が第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタを備え、第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出されることにより、第1トランジスタ、第2抵抗、第3抵抗、第3トランジスタ、および第4トランジスタで構成される回路部分が、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路となる。よって、本発明のバイアス回路は、ピーキング電流源を内部に等価的に取り込んでいる。
しかも、上記ピーキング電流源は、電源電圧の変動に対する安定化が図られている第1トランジスタのベース電位を第3トランジスタのコレクタ電位と連動させて、等価的にピーキング電流源を構成している。それゆえ、上記ピーキング電流源では、電源電圧の変動に対する第1トランジスタのベース電位の安定化を図る作用と協調動作するように、電源電圧の変動に対してピーキングを行うことにより出力電流の特性を平坦化する作用を動作させることが可能となる。
よって、本発明のバイアス回路では、それぞれの上記作用を併用することが可能となる。詳細には、本発明のバイアス回路は、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。したがって、本発明のバイアス回路は、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、回路中で最も消費電流が大きいトランジスタは第4トランジスタである。しかし、第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出されることにより、第4トランジスタの出力は全てバイアス電流として用いられている。それゆえ、他の素子に無駄に消費されることが無い。したがって、本発明のバイアス回路は、消費電流をより抑制することが可能となる。
以上により、本発明のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタとを備え、上記第3トランジスタのコレクタ端子から電位が取り出されることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1トランジスタのコレクタ端子が第2トランジスタのベース端子に接続され、また、第1トランジスタのベース端子が第2トランジスタのエミッタ端子に接続されていることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタには、互いに補正し合う帰還関係が形成されている。それゆえ、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、第1電源ポートおよび第2電源ポートから入力される電源電圧の変動に対しての安定化が図られている。すなわち、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、電源電圧に対する依存性が低くなっている。
また、第1トランジスタと第3トランジスタとがカレントミラーを構成するように接続されていることにより、第1トランジスタのベース電位と第3トランジスタのコレクタ電位とが連動する。それゆえ、第3トランジスタにおける、そのエミッタ端子が接地され、およびそのコレクタ端子が第3抵抗を介して第1電源ポートに接続されている構成に、第3トランジスタのベース端子から、第1トランジスタ、第2抵抗、および第3抵抗を介して、第3トランジスタのコレクタ端子までで接続されるループ回路部がさらに構成されることによって、第1トランジスタ、第2抵抗、第3抵抗、および第3トランジスタで構成される回路部分が、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路となる。
しかも、上記ピーキング電圧源は、電源電圧の変動に対する安定化が図られている第1トランジスタのベース電位を第3トランジスタのコレクタ電位と連動させて、等価的にピーキング電圧源を構成している。それゆえ、上記ピーキング電圧源では、電源電圧の変動に対する第1トランジスタのベース電位の安定化を図る作用と協調動作するように、電源電圧の変動に対してピーキングを行うことにより出力電圧の特性を平坦化する作用を動作させることが可能となる。
よって、本発明のバイアス回路では、それぞれの上記作用を併用することが可能となる。詳細には、本発明のバイアス回路は、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。したがって、本発明のバイアス回路は、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電圧を出力することが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、第3トランジスタのコレクタ端子から電位が取り出されることにより、他の素子に流れて無駄に消費される電流も無い。
以上により、本発明のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電圧を出力することが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、上記第1トランジスタのエミッタ端子および上記第3トランジスタのエミッタ端子のうち少なくとも一方は、調整用抵抗を介して接地されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エミッタ端子が調整用抵抗を介して接地されていることにより、ベース電流が受ける、製造バラツキによって変動するトランジスタ自身が内部に持つベース・エミッタ間閾電位の影響を低減することが可能となる。よって、本発明のバイアス回路における製造バラツキを低減することが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、一方の端子が上記第4トランジスタのベース端子に接続され、他方の端子が接地されている歪補償回路をさらに備え、上記歪補償回路は、歪補償用容量、抵抗、または、歪補償用容量および抵抗が直列接続された回路、により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記歪補償回路が備えられていることにより、第4トランジスタのエミッタ端子からバイアス回路側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分のそれぞれを個別に調整することができる。よって、歪補償効果を強化した電流を、第4トランジスタのエミッタ端子から取り出すことが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、第5抵抗および第6トランジスタにより構成されており、上記第1抵抗と並列に接続される直列回路をさらに備え、上記第6トランジスタのベース端子は、第6抵抗を介して制御端子に接続されていることが好ましい。
近年のバイアス回路を備える電力増幅器(パワーアンプ)では、バイアス点の切り替え機能を有することを要求される場合が増えつつある。上記バイアス点の切り替え機能とは、例えば、「低消費電力モード」においてはトランジスタのバイアス点を浅く取ることで線形出力を犠牲にしてでも消費電流を抑え、一方で「高出力モード」においてはトランジスタのバイアス点を深く取ることで消費電流を犠牲にしてでも最大出力電力を高める、というようなモード切替機能である。
これについて、本発明のバイアス回路は、バイアス点の切り替え機能を有するバイアス回路を実現することが可能となっている。つまりは、上記の構成によれば、制御端子からローまたはハイの電圧信号を与えることにより、第6トランジスタにおけるオンおよびオフの状態が切り替わる。これにより、第5抵抗が第1抵抗の抵抗値に与える影響が有効になったり無効になったりして切り替えられるので、第1抵抗の抵抗値が可変になる。よって、制御端子からローまたはハイの電圧信号を与えるだけで、バイアス点の切り替えを容易に行うことが可能となる。それゆえ、バイアス点の切り替え機能を有するバイアス回路を実現することが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、上記課題を解決するために、複数の増幅用トランジスタと、前記複数の増幅用トランジスタのベース端子に出力電流をそれぞれ供給するバイアス回路とを備える電力増幅器であって、上記バイアス回路は、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタと、ベース端子が前記第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタとを有する、上記複数の増幅用トランジスタと対になるように設けられた複数の電流生成回路とを備え、上記複数の電流生成回路の第4トランジスタのエミッタ端子から、上記対になるように設けられた複数の増幅用トランジスタのベース端子に、出力電流がそれぞれ供給されることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1トランジスタのコレクタ端子が第2トランジスタのベース端子に接続され、また、第1トランジスタのベース端子が第2トランジスタのエミッタ端子に接続されていることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタには、互いに補正し合う帰還関係が形成されている。それゆえ、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、第1電源ポートおよび第2電源ポートから入力される電源電圧の変動に対しての安定化が図られている。すなわち、第1トランジスタのベース電位および第2トランジスタのベース電位は、電源電圧に対する依存性が低くなっている。
また、第1トランジスタと第3トランジスタとがカレントミラーを構成するように接続されていることにより、第1トランジスタのベース電位と第3トランジスタのコレクタ電位とが連動する。それゆえ、第3トランジスタにおける、そのエミッタ端子が接地され、およびそのコレクタ端子が第3抵抗を介して第1電源ポートに接続されている構成に、第3トランジスタのベース端子から、第1トランジスタ、第2抵抗、および第3抵抗を介して、第3トランジスタのコレクタ端子までで接続されるループ回路部がさらに構成されることによって、第1トランジスタ、第2抵抗、第3抵抗、および第3トランジスタで構成される回路部分が、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路となる。
そして、さらに、ベース端子が第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタを備え、第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出されることにより、第1トランジスタ、第2抵抗、第3抵抗、第3トランジスタ、および第4トランジスタで構成される回路部分が、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路となる。よって、本発明の電力増幅器は、ピーキング電流源を内部に等価的に取り込んでいる。
しかも、上記ピーキング電流源は、電源電圧の変動に対する安定化が図られている第1トランジスタのベース電位を第3トランジスタのコレクタ電位と連動させて、等価的にピーキング電流源を構成している。それゆえ、上記ピーキング電流源では、電源電圧の変動に対する第1トランジスタのベース電位の安定化を図る作用と協調動作するように、電源電圧の変動に対してピーキングを行うことにより出力電流の特性を平坦化する作用を動作させることが可能となる。
よって、本発明の電力増幅器では、それぞれの上記作用を併用することが可能となる。詳細には、本発明の電力増幅器は、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。したがって、本発明の電力増幅器は、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、回路中で最も消費電流が大きいトランジスタは各電流生成回路に備えられた第4トランジスタである。しかし、複数の電流生成回路の第4トランジスタのエミッタ端子から、対になるように設けられた複数の増幅用トランジスタのベース端子に、出力電流がそれぞれ供給されることにより、各第4トランジスタの出力は全てバイアス電流として用いられている。それゆえ、他の素子に無駄に消費されることが無い。したがって、本発明の電力増幅器は、消費電流をより抑制することが可能となる。
以上により、本発明の電力増幅器は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、各電流生成回路に備えられた第3トランジスタは、そのベース端子が、第1トランジスタのベース端子に共通に接続され、およびそのコレクタ端子が第3抵抗を介して第1電源ポートに共通に接続されている。それゆえ、複数の電流生成回路では、第1トランジスタ、および第2抵抗で接続される回路部分を共用して、ピーキング電流源を等価的に取り込むことが可能となる。
よって、本発明の電力増幅器は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第1抵抗、および第2抵抗で構成される回路を、複数の電流生成回路毎に設けなくてもよいので、回路規模を縮小することが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、電力センサと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第4抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第5トランジスタを有する電位生成回路とをさらに備え、上記電位生成回路の第5トランジスタのエミッタ端子から、上記電力センサに出力電圧が供給されることが好ましい。
上記の構成によれば、さらに、電位生成回路の第5トランジスタのエミッタ端子から、電力センサに出力電圧が供給されることにより、電流基準回路的なバイアス回路と共に、電圧基準回路的なバイアス回路も備えることが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、上記第1トランジスタのエミッタ端子および上記複数の電流生成回路の第3トランジスタのエミッタ端子のうち少なくとも一つの端子は、調整用抵抗を介して接地されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エミッタ端子が調整用抵抗を介して接地されていることにより、ベース電流が受ける、製造バラツキによって変動するトランジスタ自身が内部に持つベース・エミッタ間閾電位の影響を低減することが可能となる。よって、本発明の電力増幅器における製造バラツキを低減することが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、上記複数の電流生成回路毎に設けられ、一方の端子が上記第4トランジスタのベース端子に接続され、他方の端子が接地されている歪補償回路をさらに備え、上記歪補償回路は、歪補償用容量、抵抗、または、歪補償用容量および抵抗が直列接続された回路、により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記歪補償回路が備えられていることにより、第4トランジスタのエミッタ端子からバイアス回路側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分のそれぞれを個別に調整することができる。これにより、歪補償効果を強化した出力電流を、増幅用トランジスタのベース端子に供給することが可能となる。よって、増幅用トランジスタから出力される高周波信号の歪みを低減し、線形性を向上することが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、第5抵抗および第6トランジスタにより構成されており、上記第1抵抗と並列に接続される直列回路をさらに備え、上記第6トランジスタのベース端子は、第6抵抗を介して制御端子に接続されていることが好ましい。
近年のバイアス回路を備える電力増幅器では、バイアス点の切り替え機能を有することを要求される場合が増えつつある。上記バイアス点の切り替え機能とは、例えば、「低消費電力モード」においてはトランジスタのバイアス点を浅く取ることで線形出力を犠牲にしてでも消費電流を抑え、一方で「高出力モード」においてはトランジスタのバイアス点を深く取ることで消費電流を犠牲にしてでも最大出力電力を高める、というようなモード切替機能である。
これについて、本発明の電力増幅器は、バイアス点の切り替え機能を有する電力増幅器を実現することが可能となっている。つまりは、上記の構成によれば、制御端子からローまたはハイの電圧信号を与えることにより、第6トランジスタにおけるオンおよびオフの状態が切り替わる。これにより、第5抵抗が第1抵抗の抵抗値に与える影響が有効になったり無効になったりして切り替えられるので、第1抵抗の抵抗値が可変になる。よって、制御端子からローまたはハイの電圧信号を与えるだけで、バイアス点の切り替えを容易に行うことが可能となる。それゆえ、バイアス点の切り替え機能を有する電力増幅器を実現することが可能となる。
本発明のバイアス回路は、以上のように、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタと、ベース端子が上記第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタとを備え、上記第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出される、という構成を有している。
それゆえ、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。また、第4トランジスタのエミッタ端子から電流が取り出されることにより、第4トランジスタの出力は全てバイアス電流として用いられているので、他の素子に無駄に消費されることが無い。したがって、本発明のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、本発明のバイアス回路は、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタとを備え、上記第3トランジスタのコレクタ端子から電位が取り出される、という構成を有している。
それゆえ、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。また、第3トランジスタのコレクタ端子から電位が取り出されることにより、他の素子に流れて無駄に消費される電流も無い。したがって、本発明のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電圧を出力することが可能となる。
また、本発明の電力増幅器は、以上のように、複数の増幅用トランジスタと、前記複数の増幅用トランジスタのベース端子に出力電流をそれぞれ供給するバイアス回路とを備える電力増幅器であって、上記バイアス回路は、エミッタ端子が接地され、ベース端子が第1抵抗を介して接地され、およびコレクタ端子が第2抵抗を介して第1電源ポートに接続されている第1トランジスタと、エミッタ端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、ベース端子が上記第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第2電源ポートから電源を供給されている第2トランジスタと、エミッタ端子が接地され、ベース端子が上記第1トランジスタのベース端子に接続され、およびコレクタ端子が第3抵抗を介して上記第1電源ポートに接続されている第3トランジスタと、ベース端子が前記第3トランジスタのコレクタ端子に接続され、およびコレクタ端子が第3電源ポートから電源を供給されている第4トランジスタとを有する、上記複数の増幅用トランジスタと対になるように設けられた複数の電流生成回路とを備え、上記複数の電流生成回路の第4トランジスタのエミッタ端子から、上記対になるように設けられた複数の増幅用トランジスタのベース端子に、出力電流がそれぞれ供給される、という構成を有している。
それゆえ、電源電圧の依存性が低い電位点を形成する回路と、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路との両方を内部に取り込むことにより、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路の特性を併用して二重に安定性の強化を図ることが可能となる。また、複数の電流生成回路に備えられた第4トランジスタのエミッタ端子から、対になるように設けられた複数の増幅用トランジスタのベース端子に、出力電流がそれぞれ供給されることにより、各第4トランジスタの出力は全てバイアス電流として用いられているので、他の素子に無駄に消費されることが無い。したがって、本発明の電力増幅器は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
また、複数の電流生成回路に備えられたそれぞれの第3トランジスタは、そのベース端子が、第1トランジスタのベース端子に共通に接続され、およびそのコレクタ端子が第3抵抗を介して第1電源ポートに共通に接続されている。それゆえ、複数の電流生成回路では、第1トランジスタ、および第2抵抗で接続される回路部分を共用して、ピーキング電流源を等価的に取り込むことが可能となる。よって、本発明の電力増幅器は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第1抵抗、および第2抵抗で構成される回路を、複数の電流生成回路毎に設けなくてもよいので、回路規模を縮小することが可能となる。
そしてさらに、本発明のバイアス回路および電力増幅器は、第1抵抗の抵抗値を可変にすることにより、バイアス点の切り替えを容易に行うことが可能な回路構造を有している。その理由は、第1トランジスタのベース端子および第3トランジスタのベース端子が第1抵抗と直結しており、第2トランジスタのベース端子も第1トランジスタのコレクタ端子に直結しているため、第1抵抗の抵抗値を変えることによってバイアス回路中の全てのトランジスタのベース電位が一斉に変わるためである。
このように第1抵抗の抵抗値を可変にするために、本発明の好ましい一形態では、第5抵抗および第6トランジスタにより構成される直列回路が、第1抵抗と並列に接続されており、かつ、第6トランジスタのベース端子は第6抵抗を介して制御端子に接続されている構成を取る。
上記構成の場合、制御端子からロー(Low)の電圧信号を与えると、第6トランジスタはオフ(OFF)の状態となり、第1抵抗の実質的な抵抗値は変わらない。しかし、制御端子からハイ(High)の電圧信号を与えると、第6トランジスタはオン(ON)の状態となり、第5抵抗が第1抵抗と並列に挿入された状態となるので、第1抵抗の実質的な抵抗値が下がったように見える。
この結果、第1抵抗の抵抗値が可変になることによって、バイアス点の切り替えを容易に行うことが可能となり、バイアス点の切り替え機能を有するバイアス回路および電力増幅器を実現することができるという効果をさらに奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下において述べる全てのトランジスタは、バイポーラ型トランジスタとする。また、本実施の形態のバイアス回路は、例えば、GaAs−HBT型パワーアンプに備えられた高周波増幅用トランジスタにおいて、高周波増幅用トランジスタのベース端子にバイアス電流を供給するバイアス回路である。
図1は、本実施の形態のバイアス回路の一構成例を示す回路図である。
本実施の形態のバイアス回路は、第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、抵抗103、調整用抵抗104、調整用抵抗107、第3トランジスタ111、第4トランジスタ112、調整用抵抗113、調整用抵抗114、調整用抵抗117、および調整用抵抗118を備えている。
また、バイアス回路は、高周波増幅用トランジスタ133のベース端子にバイアス電流を供給するために用いられている。高周波増幅用トランジスタ133は、高周波増幅用のトランジスタであり、入力ポート131から入力された高周波信号を増幅して、出力ポート132に出力する。
また、第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、抵抗103、および調整用抵抗104は、回路ブロック部105を構成している。回路ブロック部105は、上記背景技術において図9を参照しながら説明した基準電源回路600と同様の特性を有する。すなわち、第1トランジスタ101は第1トランジスタ601に対応し、第2トランジスタ102は第2トランジスタ602に対応し、抵抗103は抵抗603に対応し、および調整用抵抗104は調整用抵抗604に対応している。
第1トランジスタ101は、コレクタ端子が調整用抵抗104を介して第1電源ポート121に接続され、ベース端子が、第2トランジスタ102のエミッタ端子および第3トランジスタ111のベース端子に接続され、また、抵抗103を介して接地されており、エミッタ端子が接地されている。
第2トランジスタ102は、コレクタ端子が調整用抵抗107を介して第2電源ポート122に接続され、ベース端子が第1トランジスタ101のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が第1トランジスタ101のベース端子に接続されている。
それゆえ、第1トランジスタ101のコレクタ端子が第2トランジスタ102のベース端子に接続され、第1トランジスタ101のベース端子が第2トランジスタ102のエミッタ端子に接続されているので、第1トランジスタ101および第2トランジスタ102には、互いに補正し合う帰還関係が形成されている。これにより、回路ブロック部105では、第1電源ポート121および第2電源ポート122から入力される電源電圧の変動に対しての安定化が図られている。
第3トランジスタ111は、コレクタ端子が調整用抵抗114および調整用抵抗113を介して第1電源ポート121に接続され、ベース端子が第1トランジスタ101のベース端子に接続され、エミッタ端子が接地されている。これにより、第3トランジスタ111は、第1トランジスタ101とカレントミラーを構成するように接続されている。
第4トランジスタ112は、コレクタ端子が調整用抵抗117を介して第3電源ポート123に接続され、ベース端子が第3トランジスタ111のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が調整用抵抗118を介して高周波増幅用トランジスタ133のベース端子に接続されている。
なお、第3トランジスタ111、第4トランジスタ112、調整用抵抗113、および調整用抵抗114は、電流生成回路115を構成している。そして、第4トランジスタ112のエミッタ電流が、バイアス回路のバイアス電流として、高周波増幅用トランジスタ133のベース端子に出力されている。
ここで、上記の構成により、本実施の形態のバイアス回路は、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路を内部に取り込んでいる。ピーキング電流源を構成する回路は、例えば、非特許文献2において開示されている。そこで、先に、図2および図3を参照しながら、非特許文献2に開示されたピーキング電流源の回路構成および特性について次に説明する。
図2は、非特許文献2に開示された基本となるピーキング電流源回路200の構成を示す回路図である。図3は、電源電圧と出力電圧・電流との関係を示すグラフである。
ピーキング電流源回路200は、図2に示すように、第1トランジスタ201、第2トランジスタ202、および抵抗203を備えている。
第1トランジスタ201は、コレクタ端子が抵抗203を介して第1電源ポート204に接続され、ベース端子が第1電源ポート204に接続され、エミッタ端子が接地されている。
第2トランジスタ202は、コレクタ端子が第2電源ポート205に接続され、ベース端子が第1トランジスタ201のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が出力ポート206に接続されている。
なお、ピーキング電流源ではなくピーキング電圧源として回路を構成する場合には、第2トランジスタ202を備えなければよい。すなわち、図2に示すピーキング電流源回路200から第2トランジスタ202を削除し、第1トランジスタ201のコレクタ端子から、電位を取り出せばよい。
次いで、上記構成を有するピーキング電流源回路200の、電源電圧への依存性を図3の模式図を用いて説明する。
図3に示したように、多くの簡単な電源回路の場合では、図中の線Xのように、電源電圧の増加に応じて、出力が大きく単調増加してしまう。それに対し、図9の基準電源回路600の場合には、図中の線Yのように、出力はやはり単調増加ではあるものの、その傾きが小さく抑圧され比較的安定である。
一方、多くの簡単な電源回路の特性(線X)や基準電源回路600の特性(線Y)が単調増加な特性を有するのに対して、ピーキング電流源回路200は山形のピーキング特性(線Z)を示す。上記ピーキング特性(線Z)のピーキングの頂点付近で見れば、平坦で安定化された特性を実現することが可能になる。
これに対して、本実施の形態のバイアス回路では、上記ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路が、ほぼ等価的に内部に取り込まれていることについて、図1を参照しながら次に説明する。
まず、A点の電位とB点の電位とはほぼ同じになる。つまりは、A点の電位とB点の電位とは、それぞれ、同じ第1電源ポート121の電位から、抵抗値(調整用抵抗104、調整用抵抗113)による電圧降下分を引き算した値である。
その際、第1トランジスタ101と第3トランジスタ111とが、カレントミラーを構成するように接続されていることにより、2つの回路ブロック部分(第1回路部106、第2回路部116)はカレントミラー関係であるために、上記2つの回路ブロック部分に流れる電流はほぼ同じ値になる。それゆえ、2つの抵抗(調整用抵抗104、調整用抵抗113)の値を同じにしておけば、A点の電位とB点の電位とはほぼ同じになる。
また、B点の電位とD点の電位とは、全く同じ値ではないのだが、ほぼ完全に連動している。すなわち、第2トランジスタ102の内部のベース/エミッタ間ダイオード特性に注目すれば、B点の電位は、D点の電位に対して、ほぼ半導体デバイス自体が自然と備えている閾値電圧(VBE)だけオフセットを加えた値になることがわかる。
したがって、A点の電位とD点の電位とは、B点の電位を介してほぼ完全に連動している。それゆえ、第3トランジスタ111のベース端子から、第1トランジスタ101、調整用抵抗104、調整用抵抗113、および調整用抵抗114を介して、第3トランジスタのコレクタ端子までで接続されるループが、図2に示した第1トランジスタ201のベース端子から、抵抗203を介して、第1トランジスタ201のコレクタ端子までで接続される回路部分と等価的に同様な動作を行う回路となる。
すなわち、第3トランジスタ111は、コレクタ端子が調整用抵抗114および調整用抵抗113を介して第1電源ポート121に接続され、エミッタ端子が接地されているので、第1トランジスタ101、調整用抵抗104、調整用抵抗113、調整用抵抗114、および第3トランジスタで111で構成される回路部分が、ピーキング電圧源と等価的に同様な動作を行う回路となる。
さらに、上記回路部分に第4トランジスタ112も含めることによって、第1トランジスタ101、調整用抵抗104、調整用抵抗113、調整用抵抗114、第3トランジスタで111、および第4トランジスタで112で構成される回路部分が、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路となる。よって、本実施の形態のバイアス回路は、ピーキング電流源を内部に等価的に取り込んでいることになる。
また、上記等価的にバイアス回路に取り込まれたピーキング電流源は、電源電圧の変動に対する安定化が図られているD点の電位をA点の電位と連動させて、等価的にピーキング電流源を構成している。それゆえ、上記ピーキング電流源では、電源電圧の変動に対するD点の電位の安定化を図る作用と協調動作するように、電源電圧の変動に対してピーキングを行うことにより出力電流の特性を平坦化する作用を動作させることが可能となっている。
よって、本実施の形態のバイアス回路では、それぞれの上記作用を併用することが可能となる。詳細には、本実施の形態のバイアス回路では、図9に示した基準電源回路600と同様の特性を有する回路ブロック部105を備え、ピーキング電流源と等価的に同様な動作を行う回路を内部に取り込むことにより、図3に示した、単調増加の傾きを下げる工夫(線Y)もピーキングを起こして平坦化する工夫(線Z)も両方を併用することによって、電源電圧の変動に対してのさらなる一層の安定化が図られている。
したがって、本実施の形態のバイアス回路は、電源電圧の変動に対して、上記2つの回路部分の特性を併用して、二重に安定性の強化を図ることが可能となっている。
なお、上記構成を有するバイアス回路においては、上述した構成の限りではない。詳細には、調整用抵抗の多く(調整用抵抗107、調整用抵抗117、および調整用抵抗118)は、必要に応じて入れるものであり、本実施の形態のバイアス回路の必須構成要素ではない。
また、2つの直列抵抗(調整用抵抗113および調整用抵抗114)については、調整用抵抗113と調整用抵抗114との間のA点の電位について議論したいがために、便宜的に分けただけであり、実際のバイアス回路においては2つの抵抗に分ける必要は無い。
さらに、本実施の形態のバイアス回路の主要な対象範囲は第4トランジスタ112までのバイアス回路部分である。それゆえ、調整用抵抗118から先の回路部分については、図1には一例を示したに過ぎず、エミッタ接地アンプ回路に限定されるわけではなく、その他の接地アンプ回路や電力センサ回路やミキサ回路などであってもよい。
次に、図4および図5を参照しながら、以下のシミュレーション結果に基づいて、本実施の形態のバイアス回路の電源電圧の変動に対する安定性の向上について説明する。
本実施の形態のバイアス回路の従来技術に対する優位性を示すために、シミュレーションには、本実施の形態のバイアス回路と、比較対象として、図8に示した従来の第1バイアス回路、および図10に示した従来の第2バイアス回路とを使用した。
なお、シミュレーションの際には、一般的なGHz帯パワー用InGaP−HBTデバイスを想定し、高周波増幅用トランジスタ(高周波増幅用トランジスタ133、高周波増幅用トランジスタ523、および高周波増幅用トランジスタ723)としてはエミッタサイズが720平方μm程度のものを、上記以外のバイアス用トランジスタとしてはエミッタサイズが50平方μm程度のものを用いた。
また、簡単化のために、各回路において複数あった電源ポートは、それぞれ1本に束ねてVbb端子として扱った。さらに、本実施の形態のバイアス回路においては、2つの調整用抵抗107および調整用抵抗117も束ねて1個の抵抗に置き換えて、回路を簡略化した。
各回路では、温度が25℃で電源電圧値が2.8Vの条件下において、高周波増幅用トランジスタのコレクタ端子のアイドル電流値(高周波信号が無入力の時の電流値)が、20mAになるように各回路中の各抵抗値を調整した。
その結果、本実施の形態のバイアス回路では、調整用抵抗104=調整用抵抗113=235Ω、調整用抵抗114=20Ω、抵抗103=1.5kΩとなった。第1バイアス回路では、調整用抵抗504=380Ω、抵抗503=2kΩとなった。第2バイアス回路では、調整用抵抗704=240Ω、抵抗703=0.5kΩとなった。
なお、一部の調整用抵抗の値については、過電流保護や熱暴走防止、歪補償などの別の要因の方が大きく影響して決まるため、全回路において共通の固定値として設定した。すなわち、調整用抵抗507=調整用抵抗707=調整用抵抗118=調整用抵抗508=調整用抵抗708=100Ωとの固定値を設定した。また、調整用抵抗107と調整用抵抗117とを束ねて簡略化した抵抗値も100Ωとした。
図4は、電源電圧の変動に対する各回路の安定性を表すグラフである。縦軸は、増幅用トランジスタのコレクタアイドル電流(Icc)を示し、横軸は電源電圧を示している。なお、従来技術1が第1バイアス回路の高周波増幅用トランジスタ523のIccを示し、従来技術2が第2バイアス回路の高周波増幅用トランジスタ723のIccを示し、本発明が本実施の形態のバイアス回路の高周波増幅用トランジスタ133のIccを示している。
図4では、電源電圧の変動に対して、Iccの変動が少ないほど安定性が高いことが示されている。すなわち、Iccを示す折れ線グラフが平坦なほど、回路の安定性が高いことが表されている。
よって、図4のグラフを見ると、本実施の形態のバイアス回路は、第1バイアス回路よりも全電源電圧範囲で安定性が高く、第2バイアス回路に対しても電源電圧が高い領域(2.8Vよりも電源電圧が高い領域)で安定性が高いことがわかる。
図5は、温度の変動に対する各回路の安定性を表すグラフである。縦軸は、増幅用トランジスタのコレクタアイドル電流(Icc)を示し、横軸は温度を示している。なお、従来技術1が第1バイアス回路の高周波増幅用トランジスタ523のIccを示し、従来技術2が第2バイアス回路の高周波増幅用トランジスタ723のIccを示し、本発明が本実施の形態のバイアス回路の高周波増幅用トランジスタ133のIccを示している。
図5では、温度の変動に対して、Iccの変動が少ないほど安定性が高いことが示されている。すなわち、Iccを示す折れ線グラフが平坦なほど、回路の安定性が高いことが表されている。
よって、図5のグラフを見ると、本実施の形態のバイアス回路は、第1バイアス回路よりも全温度範囲で安定性が高く、第2バイアス回路とは同等の安定性であることがわかる。
したがって、本実施のバイアス回路は、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となっている。
また、本実施の形態のバイアス回路における、従来の第2バイアス回路に対する優位性をさらに示すために、標準条件(温度=25℃、電源電圧=2.8V)におけるVbb端子の消費電流の比較結果を図6を示す。
図6は、本実施の形態のバイアス回路の消費電流と、従来の第2バイアス回路の消費電流とを示すグラフである。縦軸は、消費電流(Ibb)を示している。
なお、消費電流については、カレントミラー部のミラー比を変えたり、バイアス用トランジスタのサイズを縮小するなどの努力をすれば、まだまだ削減することが可能である。しかし、簡単化のため、図10に示した第2バイアス回路はそのような削減努力をする前の状態の回路として比較した。
図6に示すグラフにより、本実施の形態のバイアス回路の消費電流は、第2バイアス回路の消費電流よりも小さいことがわかる。本実施の形態のバイアス回路の消費電流が、第2バイアス回路の消費電流よりも小さい理由は、回路構造から明白である。
すなわち、第2バイアス回路においては、バイアス回路中で最も消費電流が大きいトランジスタは第3トランジスタ706である。そして、第3トランジスタ706の出力が、高周波増幅用トランジスタ723だけでなく、バイアス用の第4トランジスタ709にも流れて消費されてしまうためである。
これに対して、本実施の形態のバイアス回路では、バイアス回路中で最も消費電流が大きいトランジスタは第4トランジスタ112である。そして、第4トランジスタ112の出力は、高周波増幅用トランジスタ133のみに接続されている。それゆえ、他の素子に無駄に消費されることが無いためである。
したがって、本実施のバイアス回路は、消費電流をより抑制することも可能となっている。
以上により、本実施の形態のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流を出力することが可能となる。
なお、本実施の形態のバイアス回路では、回路ブロック部105を構成し、回路ブロック部105において安定化された電位をカレントミラーで取り出して利用している。一方、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路も、その原理の根幹部分において図9に示した公知の基準電源回路600に依存していた。
しかし、本実施の形態のバイアス回路は、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路とは、回路構造上の違いが2点ある。
第1の違いは、本実施の形態のバイアス回路では、図9に示した基準電源回路600から電位を取り出す位置が、H点ではなくI点のみであることである。すなわち、基準電源回路600を「電圧基準回路」として用いる場合、そこから安定な電位を取り出す個所の候補は幾つか考えられる。従来の第1バイアス回路では、H点の電位をカレントミラーで取り出して利用していた。従来の第2バイアス回路では、H点の電位とI点の電位との両方をカレントミラーで取り出して利用していた。なお、この違いは、後述する実施の形態6のパワーアンプにおいて重要な意味を持つ。
第2の違いは、基準電源回路600から取り出された電位が、最終的にバイアス出力を行うトランジスタ(本実施の形態では第4トランジスタ112)に対して、直接には供給されていない点である。この違いは、本実施の形態のバイアス回路が、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路には全く無かった図2に示したピーキング電源構造を、等価的に取り込んだために生じている。ピーキング電流源の効果によって、本実施の形態のバイアス回路は、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路よりも高い安定性を少ない電流消費で実現できる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
電子回路においては、様々な目的で回路中に調整用の抵抗が挿入されることが多い。図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路の回路構造を基本として、そのような調整用抵抗を追加した回路も、基本原理は本発明となんら変わりが無く、本発明に含まれることは言うまでも無い。
図12は、本実施の形態のバイアス回路の一構成例を示す回路図である。
本実施の形態のバイアス回路は、図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路の構成に加えて、図12に示すように、調整用抵抗151および152を備えている。
調整用抵抗151は、第1トランジスタ101と接地との間に挿入されている。詳細には、調整用抵抗151は、一方の端子が第1トランジスタ101のエミッタ端子に接続され、他方の端子が接地されている。
調整用抵抗152は、第3トランジスタ111と接地との間に挿入されている。詳細には、調整用抵抗152は、一方の端子が第3トランジスタ111のエミッタ端子に接続され、他方の端子が接地されている。
ここで、図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路では、第1トランジスタ101のベース電流は、第1トランジスタ101自身が内部に持つベース・エミッタ間閾電位(通称VBE)によってかなりの部分が決まってしまう。そのため、製造バラツキによってVBEが、例えば1%変動すれば、第1トランジスタ101のベース電流はそのままその1%分の影響を全て受けてしまう。
これに対し、図12に示した本実施の形態のバイアス回路では、第1トランジスタ101のベース電流は、第1トランジスタ101自身の内部のVBEに加えて、調整用抵抗151が発生する電圧の影響も受ける。そのため、製造バラツキによってVBEが、例えば1%変動しても、第1トランジスタ101のベース電流は1%よりも小さな変動しか受けない。
よって、本実施の形態のバイアス回路では、調整用抵抗151が設けられていることにより、製造バラツキを抑える効果を奏する。また、第3トランジスタ111においても、調整用抵抗152が設けられていることによって、第1トランジスタ101と同様の作用により製造バラツキを抑える効果を奏する。
このように本発明は、図1に示した回路構造を基本として調整用抵抗を追加しても良い。特に、図12に示すように調整用抵抗151および152を追加した場合は、製造バラツキの低減に効果がある。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1および2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1および2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
近年のバイポーラトランジスタを用いたパワーアンプにおいては、線形性向上のために、バイアス回路の部分に歪補償回路を追加する設計方法が多用されている。図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路の回路構造は、上記歪補償回路の幾つかとも共存可能であり、そのような共存回路も本発明に含まれることは言うまでも無い。
図13は、本実施の形態のバイアス回路の一構成例を示す回路図である。
本実施の形態のバイアス回路は、図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路の構成に加えて、図13に示すように、抵抗161、および歪補償用容量162を備えている。また、抵抗161および歪補償用容量162が歪補償回路を構成している。
抵抗161および歪補償用容量162は直列に接続されている。詳細には、歪補償用容量162は、一方の端子が、抵抗161を介して第4トランジスタ112のベース端子に接続され、他方の端子が接地されている。
これにより、高周波増幅用トランジスタ133のベース端子から第4トランジスタ112側を見たときのリアクタンス成分および抵抗成分のそれぞれを個別に調整することができる。よって、歪補償効果を強化した出力電流を、高周波増幅用トランジスタ133のベース端子に供給することが可能となる。したがって、出力ポート132から出力される高周波信号の歪みを低減し、線形性を向上することが可能となる。
このように本発明は、図1に示した回路構造を基本として歪補償用容量を追加しても良い。なお、本実施の形態のバイアス回路のように、歪補償回路を追加する設計方法は、例えば、特許文献1に記載されている。つまりは、特許文献1に記載の可変インピーダンス素子は、本実施の形態のバイアス回路における第4トランジスタ112に対応している。
また、抵抗161および歪補償用容量162は、2つ合わせて高周波増幅用トランジスタ133の歪特性を微調整することが目的なので、高周波増幅用トランジスタ133の特性次第ではどちらかが零であっても構わない。すなわち、歪補償回路は、抵抗161および歪補償用容量162のいずれか一方により構成されてもよい。ただし、歪補償用容量162の方を零にすると、グランドに対して抵抗161を介して直流損失を生じるので、好ましくない。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
近年のバイアス回路を構成するパワーアンプ(電力増幅器)においては、増幅用トランジスタのバイアス点の切り替え機能を備えることを要求される場合が増えている。例えば、近距離無線通信を行う場合には「低消費電力モード」に切り替えて、バイアス点を浅く取って線形出力を犠牲にしつつ消費電力を抑える機能である。また、遠距離無線通信を行う場合には「高出力モード」に切り替えて、バイアス点を深く取って消費電力を犠牲にしつつ線形出力を高める機能である。
これについて、本発明のバイアス回路は、このようなバイアス点の切り替えが容易な回路構造となっている。その理由は、例えば、前記実施の形態1〜3のバイアス回路において、第1トランジスタ101のベース端子および第3トランジスタ111のベース端子が抵抗103と直結しており、第2トランジスタ102のベース端子も第1トランジスタ101のコレクタ端子に直結しているため、抵抗103の抵抗値を変えることによってバイアス回路中の全てのトランジスタのベース電位が一斉に変わるためである。
図14は、本実施の形態のバイアス回路の一構成例を示す回路図である。
本実施の形態のバイアス回路は、上記のようなバイアス点の切り替え機能を最小規模の回路で追加した一構成例である。本実施の形態のバイアス回路は、図1に示した前記実施の形態1のバイアス回路の構成に加えて、図14に示すように、第6トランジスタ171、抵抗172、保護用抵抗173、および制御端子174を備えている。なお、図14に示す本実施の形態のバイアス回路では、第4トランジスタ112のベース端子は、第1トランジスタ101のコレクタ端子にもさらに接続されている。
第6トランジスタ171は、コレクタ端子が抵抗172を介して抵抗103の接地されている端子とは反対側の端子に接続され、ベース端子が保護用抵抗173を介して制御端子174に接続され、エミッタ端子が接地されている。すなわち、抵抗172および第6トランジスタ171からなる直列回路が、抵抗103と並列に接続されている。
上記構成を有する本実施の形態のバイアス回路では、制御端子174からロー(Low)の電圧信号を与えると、第6トランジスタ171はオフ(OFF)の状態になるため、抵抗172が見えなくなり、抵抗103のみがバイアス回路中の全てのトランジスタのベース電位を決めることになる。抵抗103の実質的な抵抗値は変わらない。
しかし逆に、制御端子174からハイ(High)の電圧信号を与えると、第6トランジスタ171はオン(ON)の状態となって、抵抗172が見えるようになる。すなわち、抵抗172が抵抗103と並列に挿入された状態となるので、抵抗103の実質的な抵抗値が下がったように見える。
この結果、制御端子174からローまたはハイの電圧信号を与えることにより、抵抗103の抵抗値が可変になる。よって、本実施の形態のバイアス回路では、抵抗103の抵抗値を可変にすることにより、バイアス点の切り替えを容易に行うことが可能となる。すなわち、バイアス点の切り替え機能を有するバイアス回路を実現することが可能となる。
本実施の形態のバイアス回路が有する、バイアス点の切り替えに適した回路構造である特徴は、後の実施の形態6にて図7を参照しながら説明するような多段パワーアンプの場合に、特に顕著に、効果的に作用する。つまりは、図7に示す共用部分(バイアス回路部305)の一箇所に対してのみ、図14に示したような抵抗103の抵抗値を可変にする改良を施せば、全段のバイアス点を一斉に切り替えることが可能になるためである。また、このような特徴は回路規模の縮小に大きな効果がある。
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜4と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1において、バイアス回路を備えることを想定したGaAs−HBT型パワーアンプの場合は、高周波増幅用トランジスタのベース端子へのバイアス回路としては、電流基準回路的なバイアス回路が適している。
しかし、例えば、図11に含まれるようなダイオード型電力センサ回路の場合は、むしろ電圧基準回路的なバイアス回路の方が適している。そこで、前記実施の形態1のバイアス回路は、電圧基準回路的なバイアス回路として用いる場合にも対応することが可能である。
本実施の形態のバイアス回路は、電圧基準回路的なバイアス回路として構成されている。詳細には、本実施の形態のバイアス回路は、前記実施の形態1のバイアス回路において、第4トランジスタ112と、第4トランジスタ112に付随する調整用抵抗117や第3電源ポート123を全て省いた構成を有している。そして、直接C点の電位を取り出して、バイアス回路の出力電圧として利用する。
すなわち、前記実施の形態1のバイアス回路における、回路ブロック部105、調整用抵抗107、および第2回路部116から構成されるバイアス回路を構成すればよい。上記構成においても、ピーキング電圧源が内部に取り込まれていることがわかる。
また、本実施の形態のバイアス回路は、第3トランジスタのコレクタ端子から電位が取り出されることにより、他の素子に流れて無駄に消費される電流も無い。
よって、本実施の形態のバイアス回路は、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電圧を出力することが可能となる。
それゆえ、前記実施の形態1のバイアス回路は、第2回路部116の部分だけ見れば電位生成回路として機能しており、電流生成回路115の部分だけ見れば電流生成回路として機能することがわかる。
本実施の形態のバイアス回路の一構成例を、次に説明する実施の形態6において、電力センサ330に対するバイアス回路部308に採用している。
〔実施の形態6〕
本発明の他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜5と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1〜5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施の形態のパワーアンプの一構成例を示す回路図である。
本実施の形態のパワーアンプ(電力増幅器)は、高周波増幅用トランジスタ315および高周波増幅用トランジスタ318によって2段階で増幅される、電力センサ330付きの2段アンプである。また、バイアス回路部305〜308で構成される部分が、上記2段アンプに対するバイアス回路である。
また、本実施の形態のパワーアンプは、上記背景技術において説明した従来のパワーアンプと、バイアス回路805a〜805cの部分を除いて、同様の構成を有している。すなわち、図7の符号311〜325で示される構成部材は、図11の符号811〜825で示される構成部材に対応している。
図11に示した従来のパワーアンプにおいては、バイアス供給を求める3個の回路(高周波増幅用トランジスタ815、高周波増幅用トランジスタ818、電力センサ830)に対して、3個のバイアス回路805a〜805cが独立に接続されている。
また、それら3個のバイアス回路805a〜805c全体としては合計12個ものトランジスタが使用されていた。なお、回路規模の大小を比較する基準としては、実際のレイアウト占有面積を本明細書中で比較するのは困難なので、簡易的にトランジスタの使用個数を基準とする。
これに対して本実施の形態のパワーアンプは、図7に示すように、バイアス回路部305〜308を備えている。
バイアス回路部305は、図1に示した回路ブロック部105と同様の構成を有している。また、バイアス回路部305は、第1電源ポート301および第2電源ポート302から電源を供給され、出力がバイアス回路部306〜308に接続されている。なお、E点は図1のD点に対応する。
バイアス回路部306は、図1に示した電流生成回路115と同様の構成を有している。また、バイアス回路部306は、第1電源ポート301および第3電源ポート303から電源を供給され、出力が高周波増幅用トランジスタ315のベース端子に接続されている。
よって、バイアス回路部305およびバイアス回路部306の構成だけを見れば、前記実施の形態1のバイアス回路における回路ブロック部105および電流生成回路115の構成と同様の構成であることがわかる。それゆえ、ピーキング電流源が等価的に内部に取り込まれていることがわかる。
バイアス回路部307は、バイアス回路部306すなわち図1に示した電流生成回路115と同様の構成を有している。また、バイアス回路部307は、第1電源ポート301および第4電源ポート304から電源を供給され、出力が高周波増幅用トランジスタ318のベース端子に接続されている。よって、バイアス回路部305およびバイアス回路部307の構成だけを見れば、この回路部分においても、ピーキング電流源が等価的に内部に取り込まれていることがわかる。
バイアス回路部308は、図1に示した第2回路部116と同様の構成を有している。また、バイアス回路部308は、第1電源ポート301から電源を供給され、出力が電力センサ330に接続されている。よって、バイアス回路部305およびバイアス回路部308の構成だけを見れば、この回路部分においても、ピーキング電圧源が等価的に内部に取り込まれていることがわかる。
以上のように、本実施の形態のパワーアンプにおいては、バイアス供給を求める3個の回路(高周波増幅用トランジスタ315、高周波増幅用トランジスタ318、電力センサ330)に対して、接続されるバイアス回路が完全に独立ではなく、バイアス回路部305を共有したバイアス回路部306〜308として構成されている。
すなわち、本実施の形態のパワーアンプでは、バイアス回路部305すなわち回路ブロック部105を共有して、前記実施の形態1のバイアス回路を2個、および前記実施の形態2のバイアス回路を1個備えていることになる。
それゆえ、回路の一部が共有された結果、バイアス回路全体としてはトランジスタの個数が合計8個にまで削減されている。すなわち、従来のパワーアンプよりも回路規模が縮小されている。
ここで、本実施の形態のパワーアンプでは、バイアス回路部305を共有することが可能となっている。これについて、本実施の形態のパワーアンプでは、バイアス回路部305を共有することが容易であり、従来のパワーアンプでは、共有することが困難である理由について説明する。
従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路では、基準電源回路から直流安定電位を取り出す位置として、既に説明したように図9に示すH点を用いていた。
ところが、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路では、このH点に対して高周波信号が漏れる回路構造になっている。この漏れは、H点に接続されるトランジスタ(従来の第1バイアス回路では第3トランジスタ506、従来の第2バイアス回路では第3トランジスタ706)のベース/エミッタ間アイソレーションが完璧ではないことが原因である。
もし、上記のように高周波信号が漏れたH点を介して基準電源回路(すなわち、回路ブロック部505、および回路ブロック部705)を共有したならば、従来のパワーアンプにおいては、例えば、2段目アンプ(高周波増幅用トランジスタ818)から1段目アンプ(高周波増幅用トランジスタ815)へ正帰還が掛かって発振してしまうなどの危険が生じてしまう。このため、従来の第1バイアス回路および第2バイアス回路では、回路ブロック部505、および回路ブロック部705を共有することが困難であった。
これに対して、本実施の形態のパワーアンプでは、基準電源回路から直流安定電位を取り出す位置として、既に説明したように図9に示すI点しか用いていない。
図9におけるI点は、図1におけるD点である。高周波増幅用トランジスタ133を通る高周波信号は、このD点に漏れて至るまでには、第4トランジスタ112のベース/エミッタ間アイソレーションと第3トランジスタ111のコレクタ/ベース間アイソレーションとの2段階によって減衰されてしまう。
このため、D点には高周波信号がほとんど漏れて来ない。よって、本実施の形態のパワーアンプにおいては、バイアス回路部305を共有しても、発振などの問題が起きにくい。
以上により、本実施の形態のパワーアンプは、バイアス回路部305を共有することが可能となるので、回路規模を縮小することが可能となる。また、本実施の形態のパワーアンプは、前記実施の形態1および前記実施の形態2のバイアス回路を備えることにより、消費電流を抑制しながら、温度変動や電源電圧変動に対して、より安定したバイアス電流およびバイアス電圧を出力することが可能となる。
なお、上記パワーアンプは、電力センサ330付きの2段アンプとして説明したが、これに限らず、設計に応じてN段アンプとしてもよいし、その他の接地アンプ回路やミキサ回路などであってもよい。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。