JP4333058B2 - 二次電池の充電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の二次電池に用いられる充電装置に関するものであり、詳しくは二次電池の充電時の残容量の管理を行う充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯情報機器の小型化、高機能・高性能化が目覚しい勢いで進展している。この様な携帯情報機器のパワー源として、体積エネルギー密度、重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池等の二次電池が注目されている。
【0003】
以下に、二次電池の一つであるリチウムイオン二次電池の従来の充電装置、方法について説明する。
【0004】
リチウムイオン二次電池を充電する方法としては、図4に示す様に一定電流にて充電を行い、その後電池電圧が所定電圧値に達した後、定電圧充電をするのが一般的である。この充電方法は、電池電圧が所定電圧値(例えば、4.20V)になるまで一定電流を電池に供給し、電池電圧が所定の電圧値に達した後は、電池電圧が所定の電圧値を超えないように電池特性に合わせて充電電流を絞りながら充電する定電圧充電に切り替えるものである。
【0005】
しかしながら充電器の故障等により、所定電圧に達した後も充電電圧が上昇を続けると、充放電容量の低下、サイクル特性の悪化等、電池特性が劣化する可能性がある。そこで、通常リチウムイオン二次電池の電池パック内には、保護回路としてSU(Safty Unit)が内蔵されており、充電電圧が所定値を超えて上昇を続けても、SUの充電禁止電圧に達するとSUが充電制御スイッチをOFFし充電禁止状態にしたり、或いは抵抗付き温度ヒューズを溶断して非復帰の保護動作を行う等の保護制御を行う。
【0006】
図5は、リチウムイオン二次電池を通常レート(例えば0.7CmA)で充電を行う充電装置の従来例である。
【0007】
CV−CC(Constant Voltage、Constant Current)特性を有する充電器1は、アダプタ(図示せず)より供給される電力により+端子2と−端子3を介して図4に示す様に直列電池ブロック4A、4Bより構成される電池ブロック4の電圧が所定値になるまで、0.7CmA程度の一定充電電流を電池ブロック4に供給する。電池ブロック4の電圧が所定値に達した後は、電池ブロック4への印加電圧を維持しつつ、電池ブロック4の特性に合わせて充電電流は絞られていく。充電器1が、正常動作を行う場合には、図4に示したCV−CC領域の充電電流、充電電圧特性により電池ブロック4は充電される。そして、充電時の残容量管理等を行う充電制御IC5(マイコン等)は抵抗器6により電圧変換された充電電流を監視し、式1により充電電気量(残容量)を積算管理するとともに、
(式1)
残容量管理データ=(Σ充電電流×時間)÷ 学習容量
【0008】
充電電流が所定値以下となった場合には満充電と見なし、充電制御IC5の制御ポートをハイインピーダンスにすることにより、抵抗器8を介して充電制御スイッチ7のゲートに充電器1の電圧を供給することにより充電制御スイッチ7をOFFし充電器1より供給される充電電流の供給を遮断する。
【0009】
図6は、図5の従来の充電装置を用いてリチウムイオン二次電池の充電を行った場合の充電電圧、充電電流及び充電制御IC5の残容量管理データの挙動を示した図である。
【0010】
この図において横軸は充電時間、縦軸は充電電圧、充電電流及び残容量管理データ(相対残量)を表す。また、実線は高温時或いは低レートの充電電流、破線は低温時或いは高レートの充電電流時の充電電圧、充電電流及び相対残量の挙動を示している。
【0011】
この図に示されているように、リチウムイオン二次電池の電圧は充電電流が流れるとともに上昇を開始し、充電電流が大きい程、電池温度が低い程この電圧上昇の程度は大きくなる。この図において9Aは、充電電流が大きい或いは低温時の、9Bは充電電流が小さい或いは高温時の充電電気量積算開始ポイントを表し、充電電気量積算開始ポイントは充電電流、電池温度に関わらず固定の電圧を用いている。
【0012】
図7はリチウムイオン二次電池を抵抗により等価的に表したものである。この図においてRpm10はリチウムイオン二次電池に内蔵されるPTC及び金属部を等価的な抵抗で表したものであり、Rei11は電解液を等価的な抵抗で表したものである。これらの抵抗は、図8に示されるようにPTC及び金属部の等価的な抵抗Rpm10は電池の電池温度に対して正の特性であるが、電解液の等価的な抵抗Rei11は電池の温度に対して負の特性を、電流に対しては正の特性を有しこの中でも電解液の等価的な抵抗Rei11は電池温度Tcによって大きく変化しリチウムイオン二次電池の入出力抵抗の特性の支配的な因子となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上述べた残容量管理に於ける従来の二次電池の充電装置の例では、各等価的抵抗の中で電池の入出力抵抗変化の支配的因子は電解液Rei11であり、電池の入出力抵抗は電池の温度により大きく変化する。ゆえに、図6に示される従来の充電電気量積算開始ポイントを一つの電圧データのみで管理した場合には、電池温度が異なれば異なる電池状態すなわち異なる充電状態にて充電電気量の積算を開始するために、充電初期では小さい充電電流或いは高温時には電池の入出力抵抗値が小さいために電池電圧が上昇せずに充電積算が充電電流が流れているにも関わらず開始されない、更に同一の電池状態にて充電積算を開始しないことに合わせて充電電流が所定値以下になった場合に満充電と判定していたために、電池の入出力抵抗が温度により変化しているにも関わらず一定の充電電圧で充電しているために固定の充電終止電流では同一の満充電状態とならず、その結果、充電末期で相対残量に大きな飛び或いは大きな保持の領域が現れることがあるという課題を有していた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の二次電池の充電装置は、充電中に前記電池ブロックを構成する直列電池ブロックの各電池電圧をモニターして最大電池電圧Vmを検出する第一手段と、充電電流Ic及び電池温度Tcを検出する第二手段と、前記第二手段により得られた前記充電電流Icと前記電池温度Tcより充電電気量積算開始電圧Vsを演算或いはテーブル検索により決定する第三手段と、前記第三手段での決定された前記充電電気量積算開始電圧Vsと前記第一手段によって検出された前記最大電圧Vmを比較する第四手段と、第四手段の結果、前記充電電気量積算開始電圧Vsが前記最大電圧Vmより大きい場合には充電電気量を積算せず、前記充電電気量積算開始電圧Vsが前記最大電圧Vm以下の場合に充電電気量を積算する第五手段と、第二手段により検出された前記電池温度Tcより充電終止電流Ieを演算或いはテーブル検索により決定する第六手段と、第二手段により検出された前記充電電流Icと第六手段により決定された前記充電終止電流Ieを比較し前記充電電流Icが前記充電終止電流Ieを下回った場合満充電と判定する第七手段よりなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の二次電池の充電装置は、二次電池の電池温度を検出する温度検出器と、充電電流を電圧に変換する抵抗器と、電池温度と充電電流に対する充電積算開始電圧のテーブルと電池温度に対する充電終止電流が格納されている不揮発性記憶素子と、前記不揮発性記憶素子の充電積算開始テーブルと充電終止電流のテーブルをRAM上に展開して前記温度検出器より得られる電池温度と前記抵抗器より得られる充電電流により充電積算開始、充電終止を管理する論理演算器よりなることを特徴とするものである。
【0016】
これらにより、充電電流の大きさ、電池の温度に応じて、充電電気量の積算開始点を動的に変化させ、また充電終止点を電池の温度に応じて動的に変化させることで、充電電流の大きさに関わらず充電電流が流れるとそれに遅れることなく充電電気量の積算が開始されるとともに満充電検出時に充電電気量積算値の大きな飛び、保持動作を無くすことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態について詳細な説明を行う。
【0018】
図1は、本発明の第一の実施の形態である二次電池の充電装置のブロック図である。充電器1の電力供給端子は、+端子2を介して電池ブロック4の+側端子に接続される。電池ブロック4の−端子は抵抗器6の一方の端子に接続されている。抵抗器6の他方の端子は充電器1の電力帰還端子に接続される。MPU(Micro Processing Unit)12のA/Dポート12A、12Bは、電池ブロック4を構成する各直列電池の電圧をモニターできるように各直列電池の+側端子、−側端子に接続されている。MPU12のA/Dポート12C、12Dはそれぞれ抵抗器6の両端に接続されている。また、MPU12の通信端子12EはEEPROMなどからなる不揮発性記憶素子13の通信端子13Aに接続されている。14は電池ブロック4の温度をモニターする温度検出器であり、電池ブロック4に接触配置されており、一方の端子は信号系の電源(レギュレータ出力)に接続されており、他方の端子は二分割され一方はMPU12のA/D入力ポート12Fに、他方は抵抗器15の一方の端子に接続され抵抗器15の他方の端子は電池ブロック4の−側に接続されている。本実施の形態において、第一手段はMPU12の一機能であり、第二手段は抵抗器6、温度検出器14、抵抗器15、MPU12の一機能からなり、第三手段はMPU12と不揮発性記憶素子13の一機能からなり、第四手段はMPU12と不揮発性記憶素子13の一機能からなり、第五手段はMPU12と不揮発性記憶素子13の一機能からなり、第六手段はMPU12と不揮発性記憶素子13の一機能からなり、第七手段はMPU12と不揮発性記憶素子13の一機能からなる。
【0019】
以上のように構成された二次電池の充電装置について以下にその動作を説明する。
【0020】
MPU12は、A/Dポート12A、12Bを介して電池ブロック4を構成する直列電池ブロック4A、4Bの電圧をモニターしており、温度検出器は電池ブロック4の温度に応じて図2のように抵抗値が変わり、MPU12のA/Dポート12Fより電源電圧を温度検出器14と抵抗器15により分割したものがMPU12に読み込まれる。MPU12は、A/Dポート12Fより読み込んだ電圧値により温度検出器14の抵抗値を特定し、図2に示される温度検出器14の特性より電池ブロック4の温度を特定する。また充電電流値は、抵抗器6により電圧に変換され、MPU12のA/Dポート12C、12Dを介してMPU12に取り込まれる。またMPU12は、不揮発性記憶素子13に格納されている電池温度と充電電流による充電電気量積算開始電圧テーブルデータをMPU12のRAM上に展開する。このテーブルデータの電圧値は温度が高い程、また充電電流が小さいほど低い電圧値に設定されている。これは、図7に見られるように、電池の入出力抵抗の支配的要因である電解液の等価抵抗が温度に対して負の特性を有しているためであり、充電電流、電池温度による電池の特性変化を補償し、電池温度、充電電流に関わらず電池状態が同一特定できるように設定されている。またMPU12は、取得した電池温度と充電電流によりRAM上に展開した電池温度と充電電流により充電電気量積算開始ポイントのテーブルを検索し、充電積算開始の電圧値を特定する。図3は、電池温度、充電電流により充電積算開始ポイントを動的に変化させた場合の充電電圧、充電電流、相対残量の挙動を示したものである。この図において、実践は充電電流が小さい或いは電池温度が高い場合であり、破線は充電電流が大きい或いは電池温度が低い場合であり、16は充電電流が大きい場合、或いは電池温度が低い場合の充電電気量積算開始ポイントを、17は充電電流が小さい或いは電池温度が高い場合の充電電気量積算開始ポイントを表している。MPU12は、電池ブロック4を構成する各直列電池電圧4A、4Bの電圧と充電電気量積算開始電圧を比較し、充電電気量積算開始電圧が各直列電池ブロックの電圧より高い場合には充電電気量の積算を開始せず、何れかの直列電池ブロックの電圧が充電電気量積算開始電圧を超えた場合、充電電気量の積算を開始する。これにより電池温度による電池の入出力抵抗の差が補償でき、電池温度、充電電流が異なっても同一の電池状態から充電電気量の積算が開始でき、充電電流が流れているのに充電電気量の積算が開始されない現象は解消される。また、MPU12は、不揮発性記憶素子13に格納されている温度に対する充電終止電流をRAM上に展開し、電池温度より充電終止電流を特定して、抵抗6により電圧変換された充電電流をA/Dポート12C、12Dを介して読み込み、電池温度に応じて特定されている充電終止電流と比較し、充電電流が電池温度により特定された充電終止電流を下回れば満充電と判断する。
【0021】
これにより、電池温度により入出力抵抗の変化の補償ができ一定充電状態にて満充電処理ができ、先の充電電気量積算開始電圧を電池温度、充電電流により動的に変えることと合わせることにより充電末期に大きな相対残量の飛び或いは保持現象がなくなる。
【0022】
尚、本発明は二直列電池ブロックを例に説明をしたが、一直列電池ブロック或いは、三直列以上よりなる電池ブロックの充電時の残容量管理の場合にも有効であることは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】
リチウムイオン二次電池等の二次電池の充電時の残量管理において、充電電流の大きさ、電池の温度に応じて、充電電気量の積算開始点を動的に変化させ、また充電終止点を電池の温度に応じて動的に変化させることにより充電電流の大きさに関わらず充電電流が流れるとそれに遅れることなく充電電気量の積算が開始されるとともに満充電検出時に充電電気量積算値の大きな飛び、保持動作を無くすことが可能となる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を表す二次電池の充電装置のブロック図
【図2】温度検出器の温度と抵抗変化の相関図
【図3】本発明における充電電気量積算開始の動的変化を示すグラフ
【図4】従来例における二次電池の充電チャート
【図5】従来例における二次電池の充電装置のブロック図
【図6】従来例における充電電気量積算開始を示すグラフ
【図7】二次電池の等価抵抗を示すブロック図
【図8】等価抵抗と電池温度、電流との相関図
【符号の説明】
1 充電器
2 +端子
3 −端子
4 電池ブロック
5 充電制御IC
6、8、15 抵抗器
7 充電制御スイッチ
9A、9B、16、17 充電電気量積算開始ポイント
10 電池の金属部の等価抵抗
11 電池の電解液の等価抵抗
12 MPU
12A、12B、12C、12D、12F A/Dポート
12E、13A 通信ポート
13 不揮発性記憶素子
14 温度検出器
Claims (3)
- 二次電池よりなる電池ブロックを充電する二次電池の充電装置において、
充電中に前記電池ブロックを構成する直列電池ブロックの各電池電圧をモニターして最大電池電圧を検出する第一手段と、充電電流及び電池温度を検出する第二手段と、前記第二手段により得られた前記充電電流と前記電池温度より充電電気量積算開始電圧を演算或いはテーブル検索により決定する第三手段と、前記第三手段で決定された前記充電電気量積算開始電圧と前記第一手段によって検出された前記最大電池電圧を比較する第四手段と、前記第四手段の結果、前記充電電気量積算開始電圧が前記最大電池電圧より大きい場合には充電電気量を積算せず、前記充電電気量積算開始電圧が前記最大電池電圧以下の場合に充電電気量を積算する第五手段と、前記第二手段により検出された前記電池温度より充電終止電流を演算或いはテーブル検索により決定する第六手段と、前記第二手段により検出された前記充電電流と前記第六手段により決定された前記充電終止電流を比較し前記充電電流が前記充電終止電流を下回った場合満充電と判定する第七手段とを備えたことを特徴とする二次電池の充電装置。 - 二次電池よりなる電池ブロックを充電する二次電池の充電装置において、
二次電池の電池温度を検出する温度検出器と、充電電流を電圧に変換する抵抗器と、電池温度と充電電流に対する充電積算開始電圧のテーブルと電池温度に対する充電終止電流のテーブルが格納されている不揮発性記憶素子と、前記不揮発性記憶素子の充電積算開始テーブルと充電終止電流のテーブルをRAM上に展開して前記温度検出器より得られる電池温度と前記抵抗器より得られる充電電流により充電積算開始電圧、充電終止電流を管理する論理演算器よりなることを特徴とする二次電池の充電装置。 - 不揮発性記憶素子としてEEPROMを用いることを特徴とする請求項2記載の二次電池の充電装置。
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