JP4337578B2 - コークスの製造方法 - Google Patents
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勿論、炉壁の凹凸に対しては、溶射、吹き付け等によってレンガ面を平滑化したり、炭化不良が超こらないように燃焼室の温度管理を行っている。しかしながら、C/Sの炉壁に凹凸が生じている場合や炭化不良が発生した場合であっても、他の部分に比ベてC/Sのコークスの炉幅方向収縮量を大きくすることができれば、押し詰りを起こすことなしに、スムーズなコークスの排出が可能になる。また、同様に、M/Sにおけるコークスの炉幅方向収縮量も併せて大きくすることができれば、コークスの排出がより一層スムーズになる。
しかしながら、炭化室内でこのような偏析を起こさせるためには、上記特許文献1に記載されているとおり、装炭車の窯口側のホッパーの底に成形炭を予め積み付ける必要がある。上記特許文献1では、この積み付け方法について言及されていないので明言はできないが、最初に窯口側の両ホッパーの底に成形炭を積み付けたのち、全ホッパーに配合炭を積み付けるものと考えられる。
とすれば、成形炭を装炭車に積み付けるための設備を、通常の配合炭の積み付け設備とは別系統で用意する必要があり、そのためには大掛かりな設備の設置と設備投資が必要となる。
しかしながら、この方法は、石炭塔へ積み付ける以前のヤード堆積山や石炭槽ホッパー内での技術であり、また石炭塔内ではその特異な銘柄と他の配合炭が均一に混合されていることが条件的にも望ましいと考えられる。
従って、この方法では、窯口(特にC/S)のコークス収縮量を選択的に増加させることはできない。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
(1)コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、装入される石炭の平均粒径が、該石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくなるように、該炉長方向にわたり粒度偏析させて石炭を堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入したのち、乾留することを特徴とするコークスの製造方法。
なお、この(2)のコークスの製造方法には、コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)については、該炉長方向のコークス押し出し側(M/S)よりも石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を装入することにより、該炉長方向にわたり石炭を粒度偏析させて堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することからなるコークス炉への石炭装入方法が内包されている。
なお、この(3)のコークスの製造方法には、石炭塔内への石炭の装入方式が旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付けである場合に、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)については、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置して、石炭をより壁面側に装入することにより、該炉長方向にわたり石炭を粒度偏析させて堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することからなるコークス炉への石炭装入方法が内包されている。
本発明では、石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向の少なくともコークス排出側(C/S)について、そこに装入される石炭の平均粒径を石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくしてやれば良く、その手段は特に限定されるものではないが、以下、石炭の好適供給要領について説明する。
この供給要領1では、図1(a), (b)に示すように、予め石炭塔の全長にわたって石炭を装入し、平坦な堆積面を形成しておく。
ついで、図1(c) に示すように、石炭塔内の、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)の塔壁近傍にのみ石炭を供給する。なお、このような塔壁近傍のみへの石炭の供給は、図1(a) の状態からはじめても良い。
このような方法で石炭を供給すると、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、押し出し側(M/S)よりも堆積レベルが高くなるような傾斜が次第に形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
ここに、供給される石炭のうち粒径の大きなものは、この傾斜面に沿って転がり落ち、図中左方に排除されて、粒度偏析が生じる。そして、図1(d) に示す堆積状態で石炭装入車ホッパーに石炭を供給し、このままの状態で石炭塔内の石炭堆積レベルを低下させていく。この図1(d) の堆積状態で石炭塔内の石炭堆積レベルが下限レベルに達した時点、あるいは所定の堆積レベル時点で、図1(e) に示すように、押し出し側(M/S)と中央域および排出側(C/S)の塔壁近傍のみに石炭を供給し、石炭塔内の石炭堆積レベルを復旧・保持する。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。
同図に示したとおり、石炭堆積層の傾斜領域の上方にグリズリーを設置することにより、石炭の分粒がより効果的に進み、炉長方向にわたる粒度偏析を一層助長することができる。
図3に、旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付け方式の概要を示す。図中、番号1は石炭塔、2は石炭を石炭塔1の中央部に導くベルトコンベア、3はベルトコンベア2により石炭塔1内に導かれた石炭を旋回しながら該塔内に投入する旋回式ベルトコンベアであり、4が石炭の投入軌跡中に設置されたスロープ板である。
しかしながら、供給要領2に従い、スロープ板4を設置した場合には、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭はそのまま塔内には落下せず、スロープ板4に沿って塔壁側まで運ばれてから落下することになる。すなわち、スロープ板4を設置した側では、塔壁近傍のみに石炭が供給されることになる。そのため、このスロープ板設置側では、堆積レベルが次第に高くなるような傾斜が形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
その結果、図1で示したところと同様に、供給される石炭のうち粒径の大きなものは、この傾斜面に沿って転がり落ち、塔壁近傍には比較的粒径が小さい石炭が残るようになる。すなわち、粒度偏析が生じる。さらに、図4(a) 中に、破線で示したグリズリー5を設置すると、この粒度偏析をさらに助長することができる。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図4(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。なお、図4(b) 中には、コークス炉内の炉長方向粒度分布の理想形を仮想線で示す。
なお、この点については、以下に述べる供給要領3〜5についても同様である。
この例は、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)の両方に、粒度偏析を付ける場合である。
図5(a) に示すように、この例では、ベルトコンベア2で石炭を石炭塔1の中央部に導き、その下方に配置した陣笠板6を利用してC/SおよびM/Sの両方の塔壁近傍のみに石炭を供給する。従って、C/SおよびM/Sでは、堆積レベルが次第に高くなるような傾斜が形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
その結果、C/SおよびM/Sにはいずれも、粒径が小さいものが供給されることになる。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)には、図5(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。
この例は、2種類のグリズリーを利用して、コークスの排出側(C/S)に粒度偏析を付ける場合である。
図6(a) に示すように、この例では、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭を、グリズリーAおよびグリズリーBの介して、C/Sの塔壁近傍に石炭を供給する。同図に示したところにおいて、グリズリーAは、一定間隔の爪を有しているので、この間隔(例えば6mm)以上の大きさの石炭は、このグリズリーAに沿って転がり、石炭塔の外に排出される。一方、グリズリーAの爪間隔よりも小さい石炭は、塔壁近傍に落下することになるが、この落下流の下には、通常の分粒器であるグリズリーBが配置されているので、石炭はこのグリズリーBによって粒度偏析が助長された状態で塔壁近傍に供給されることになる。
その結果、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図6(b) に示すように、C/Sには、特に粒径が小さな石炭が供給されることになる。
この例は、図7(a) に示すように、旋回式ベルトコンベア3による石炭の投入軌跡中に、グリズリー5を配置した場合である。
このように、グリズリー5を設置した場合には、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭のうち、粒径が小さな細粒はそのままグリズリー5を通過して壁で仕切られたC/Sに供給されるが、粒径が大きい粗粒はグリズリー5に沿って転がり石炭塔中央部に供給されることになる。
その結果、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図7(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになるのである。
ここに、コークス炉における好適な乾留条件は次のとおりである。
・乾留温度:1050〜1250℃
・乾留時間:16〜24h
・石炭水分:5〜11%
(実施例1)
図8に示す装置を用いて、石炭塔内に形成される傾斜面による石炭の粒度偏析度合いを調査した。図8の装置は、透明塩化ビニル製で、傾斜面には石炭がコーティングされている。実験は、この傾斜面に予め石炭を厚み:5cmほど堆積させて状態で開始し、頂上部から石炭を投入後、頂上部の石炭を採取した。
その結果、傾斜面の頂上部から装入された石炭は傾斜面を転がる間に粒度偏析を起こし、傾斜面上部では平均粒径が装入炭全体の平均粒径よりも小さくなることが確認された。
同図に示したとおり、傾斜面頂上部における石炭の平均粒径は1.5 mm程度で、装入前の石炭全体の平均値:2.1 mmよりも小さくなった。
その結果を表1に示す。
その結果を表2に示す。
この測定方法におけるクリアランス差:0.7 mmは極めて大きい。これまでのデータの蓄積から、このクリアランス測定データと実炉の押し出し電流値との良好な相関を得ており、クリアランス:0.3 mm、さらには0.5 mm以上増加はコークス押し出し性に優位に働くことが確認されている。
実際の石炭塔とほぼ同じ傾斜面を有する図11に示す装置を用いて、傾斜面への装入実験を行い、石炭塔内に形成される傾斜面による粒度偏析度合いについて調査した。なお、図11の装置の傾斜面には予め石炭がコーティングされている。
石炭を、上部のホッパー7から、ベルトコンベア3を介して傾斜のついたスロープ板4へ供給し、スロープ板上を滑らせたのち、傾斜面上に投入した。石炭投入後、堆積した石炭の斜面部および裾野部からそれぞれ、石炭をサンプリングし、得られた石炭の粒径を測定して比較した。実験には、コークス炉で通常装入している配合炭をそのまま使用した。また、実験は、初期平均粒径が1.9 mm、2.2 mm、2.8 mmの石炭を用いて計3回行った。
その結果を表3に示す。
この実験から、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置することにより、石炭塔に装入される石炭に大きな粒度偏析を起こさせることができることが分かる。
従って、かようなスロープ板を利用して、C/Sの石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を供給することにより、C/Sの石炭の粒径が細かくなる粒度偏析を付与することができるのである。
しかも、本発明は、設備投資の増大を招くことなしに現実のコークス炉に容易に採用することができる。
2 ベルトコンベア
3 旋回式ベルトコンベア
4 スロープ板
5 グリズリー
6 陣笠板
7 ホッパー
Claims (3)
- コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、装入される石炭の平均粒径が、該石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくなるように、該炉長方向にわたり粒度偏析させて石炭を堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入したのち、乾留することを特徴とするコークスの製造方法。
- 請求項1において、前記石炭塔内におけるコークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、コークス炉中央域よりも石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
- 請求項1において、前記石炭塔内への石炭の装入方式が旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付けである場合に、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置し、少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭をより壁面側に装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
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