JP4337578B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークスの製造方法に関し、特にコークス炉の炉長方向にわたって、装入される石炭の粒度を調整することにより、少なくともコークスの排出側の窯口近傍におけるコークス収縮量の有利な増大を図り、もってコークス炉からのコークスの押し出しに際し、押し詰りの発生のないスムーズな押し出しを実現しようとするものである。
室炉方式のコークス炉では、石炭が装入される炭化室は、コークスを押し出すための押出機のラックが入る側(マシンサイド、M/Sともいう)から、コークスが排出される側(コークスサイド、C/Sともいう)に向かって、炉壁間距離(以下、炉幅という)が徐々に大きくなっている。これは、乾留されて排出されるコークスが排出され易いようにとの配慮からであるが、コークス炉の炉長が12〜13mから17〜18mもあるのに対して、そのテーパー(炉幅の増加量)は40〜80mm程度にすぎない。
ところで、近年、コークス炉の経過年数(年齢)は、最も老朽化したもので40年近くになっており、各社老朽化対策が重要な課題となっている。コークス炉は老朽化するに従い、当然のことながら、炉体の変形や付帯設備の劣化などが顕著化してくる。特に、コークス炉内の炉壁の状態は、年数が経過するに従って、レンガの目地切れの他、石炭装入やカーボン焼きによる冷却作用が引き起こす熱応力に起因したレンガのスポーリング、熱膨張と炉締めのバランスが崩れることによるレンガの張り出し、およびコークスの排出作業によるレンガの摩耗などが目立ってくる。
特に、コークス炉の炉長方向のコークス排出側(C/S)の炉壁の状態は、カーボン焼きのために行う空窯および上記したレンガの張り出しや摩耗(C/Sは全量のコークスが通過していくためコークスとの接触時間が最も長い)によるレンガの肌荒れ(凹凸)が顕著である。このようなレンガの凹凸が大きくなると、コークスの排出時における負荷が増大し、コークスの押し詰りを起こしてしまう。C/Sの押し詰りが、コークス排出時の初期に起こってしまうと、コークス全量が炭化室から排出不能となるので、その後の処理に多大な労力が必要となり、コークス炉の操業上、重大な悪影響を及ぼす。
さらに、燃焼室の温度分布は、前述したテーパーに見合うように、M/SからC/Sに向かって温度が高くなるような温度勾配を付けた設定にしてあるが、放熱作用の大きいM/SおよびC/Sの窯口の炉壁レンガ面の温度は低下傾向になるのが常である。このため、乾留による炭化不良もこの窯口側で起こる場合が多い。その結果、乾留後に生成するコークスの炉幅方向の収縮量も不十分となり、押し詰りの原因の一つとなる。
勿論、炉壁の凹凸に対しては、溶射、吹き付け等によってレンガ面を平滑化したり、炭化不良が超こらないように燃焼室の温度管理を行っている。しかしながら、C/Sの炉壁に凹凸が生じている場合や炭化不良が発生した場合であっても、他の部分に比ベてC/Sのコークスの炉幅方向収縮量を大きくすることができれば、押し詰りを起こすことなしに、スムーズなコークスの排出が可能になる。また、同様に、M/Sにおけるコークスの炉幅方向収縮量も併せて大きくすることができれば、コークスの排出がより一層スムーズになる。
従来、コークス炉の炉長方向で性状の異なった炭材を装入する方法として、成形炭を窯口側(炉長方向両端側)底部に装入する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、炭化室内でこのような偏析を起こさせるためには、上記特許文献1に記載されているとおり、装炭車の窯口側のホッパーの底に成形炭を予め積み付ける必要がある。上記特許文献1では、この積み付け方法について言及されていないので明言はできないが、最初に窯口側の両ホッパーの底に成形炭を積み付けたのち、全ホッパーに配合炭を積み付けるものと考えられる。
とすれば、成形炭を装炭車に積み付けるための設備を、通常の配合炭の積み付け設備とは別系統で用意する必要があり、そのためには大掛かりな設備の設置と設備投資が必要となる。
また、粒度偏析を利用した石炭の配合、装入に関しては、ある種特殊な石炭銘柄の粉砕前の粒度別性状の違いを利用したコークス強度安定化技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、この方法は、石炭塔へ積み付ける以前のヤード堆積山や石炭槽ホッパー内での技術であり、また石炭塔内ではその特異な銘柄と他の配合炭が均一に混合されていることが条件的にも望ましいと考えられる。
従って、この方法では、窯口(特にC/S)のコークス収縮量を選択的に増加させることはできない。
特開平6−212162号公報(特許請求の範囲) 特開平3−263488号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上述した従来技術の問題点を有利に解決するもので、石炭塔への積み付け設備のわずかな改良で、しかもこれまでと同じ配合炭を用いて、C/Sおよび必要に応じてM/Sのコークスの炉幅方向収縮量を大きくすることができ、その結果、コークス炉からのコークスの押し出しをスムーズに行うことができる、コークスの製造方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、通常の配合炭を用いた場合であっても、装入する石炭の粒度をコークス炉の炉長方向にわたって調整する、具体的にはC/SおよびM/Sに装入する石炭の粒径を小さくすることによって、コークスの炉幅方向収縮量が大きくなり、その結果、コークスのスムーズな排出が可能になることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、装入される石炭の平均粒径が、該石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくなるように、該炉長方向にわたり粒度偏析させて石炭を堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入したのち、乾留することを特徴とするコークスの製造方法。
(2)上記1において、前記石炭塔内におけるコークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、コークス炉中央域よりも石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
なお、この(2)のコークスの製造方法には、コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)については、該炉長方向のコークス押し出し側(M/S)よりも石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を装入することにより、該炉長方向にわたり石炭を粒度偏析させて堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することからなるコークス炉への石炭装入方法が内包されている。
(3)上記1において、前記石炭塔内への石炭の装入方式が旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付けである場合に、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置し、少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭をより壁面側に装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
なお、この(3)のコークスの製造方法には、石炭塔内への石炭の装入方式が旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付けである場合に、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)については、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置して、石炭をより壁面側に装入することにより、該炉長方向にわたり石炭を粒度偏析させて堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することからなるコークス炉への石炭装入方法が内包されている。
本発明では、上記のようにして、少なくともC/Sについては、堆積する石炭の粒径を細かくし、嵩密度を低くすることにより、C/Sのコークスの幅方向収縮量を大きくして、C/Sでのレンガの凹凸や炭化不良などに起因した押し詰りの発生を効果的に軽減するものである。
また、本発明では、石炭塔内において、上記したように石炭の粒度偏析を付けるに際し、石炭の供給により形成される石炭堆積層の傾斜領域の上部にグリズリー等の分粒器を設置することによって、粒度偏析をより一層助長することもできる。
本発明によれば、石炭塔内において、炉長方向のC/SやM/Sの粒径が小さくなるように、装入石炭に粒度偏析を付けて堆積させ、ついでこの粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することにより、C/SやM/Sのコークス収縮量を大幅に増大させることができ、その結果、C/SやM/Sでのレンガの凹凸や炭化不良などに起因したコークス押し出し電流の上昇や押し詰りの発生を効果的に防止することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向の少なくともコークス排出側(C/S)について、そこに装入される石炭の平均粒径を石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくしてやれば良く、その手段は特に限定されるものではないが、以下、石炭の好適供給要領について説明する。
図1に、石炭塔内への石炭の供給要領1を図解する。
この供給要領1では、図1(a), (b)に示すように、予め石炭塔の全長にわたって石炭を装入し、平坦な堆積面を形成しておく。
ついで、図1(c) に示すように、石炭塔内の、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)の塔壁近傍にのみ石炭を供給する。なお、このような塔壁近傍のみへの石炭の供給は、図1(a) の状態からはじめても良い。
このような方法で石炭を供給すると、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、押し出し側(M/S)よりも堆積レベルが高くなるような傾斜が次第に形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
ここに、供給される石炭のうち粒径の大きなものは、この傾斜面に沿って転がり落ち、図中左方に排除されて、粒度偏析が生じる。そして、図1(d) に示す堆積状態で石炭装入車ホッパーに石炭を供給し、このままの状態で石炭塔内の石炭堆積レベルを低下させていく。この図1(d) の堆積状態で石炭塔内の石炭堆積レベルが下限レベルに達した時点、あるいは所定の堆積レベル時点で、図1(e) に示すように、押し出し側(M/S)と中央域および排出側(C/S)の塔壁近傍のみに石炭を供給し、石炭塔内の石炭堆積レベルを復旧・保持する。
上記したような供給方法によれば、石炭塔内のコークスの排出側(C/S)には、粒径が小さいものが供給されることになる。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。
上記したとおり、供給要領1は、コークス炉石炭塔でコークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)について、傾斜面を利用して石炭を供給することにより、石炭を炉長方向に粒度偏析させて堆積させ、粒径の細かい装入炭をC/Sのホッパーに積み付けし、それをコークス炉に装入する方法である。これにより、C/Sの粒径を細かくして嵩密度を低くし、C/Sのコークスの幅方向収縮量を増大して、C/Sでのレンガの凹凸や炭化不良などで起こる押し詰りを防止するのである。
次に、図2に、石炭堆積層の傾斜領域の上方に分粒器としてグリズリーを設置した場合を示す。
同図に示したとおり、石炭堆積層の傾斜領域の上方にグリズリーを設置することにより、石炭の分粒がより効果的に進み、炉長方向にわたる粒度偏析を一層助長することができる。
次に、石炭塔内への石炭の供給要領2について説明する。
図3に、旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付け方式の概要を示す。図中、番号1は石炭塔、2は石炭を石炭塔1の中央部に導くベルトコンベア、3はベルトコンベア2により石炭塔1内に導かれた石炭を旋回しながら該塔内に投入する旋回式ベルトコンベアであり、4が石炭の投入軌跡中に設置されたスロープ板である。
従来、図3に示すようなスロープ板4がない場合には、石炭塔1内における石炭の堆積状態は、図4(a) に破線で示したような状態であった。
しかしながら、供給要領2に従い、スロープ板4を設置した場合には、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭はそのまま塔内には落下せず、スロープ板4に沿って塔壁側まで運ばれてから落下することになる。すなわち、スロープ板4を設置した側では、塔壁近傍のみに石炭が供給されることになる。そのため、このスロープ板設置側では、堆積レベルが次第に高くなるような傾斜が形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
その結果、図1で示したところと同様に、供給される石炭のうち粒径の大きなものは、この傾斜面に沿って転がり落ち、塔壁近傍には比較的粒径が小さい石炭が残るようになる。すなわち、粒度偏析が生じる。さらに、図4(a) 中に、破線で示したグリズリー5を設置すると、この粒度偏析をさらに助長することができる。
それ故、かようなスロープ板を、石炭塔内のコークスの排出側(C/S)に設置すれば、コークスの排出側(C/S)には粒径が小さいものが供給されることになる。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図4(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。なお、図4(b) 中には、コークス炉内の炉長方向粒度分布の理想形を仮想線で示す。
図4(a) のような石炭塔内の傾斜によって生じた粒度偏析が、コークス炉炭化室内へ石炭が装入されると図4(b) のような粒度分布となるのは、石炭塔の各切出し口の数(図4の場合は4つ)と同じ数のホッパーを持った石炭装入車が、石炭塔から石炭を受け、その各ホッパーから炭化室へ石炭を装入するため、ホッパー毎に炭化室内で堆積斜面が形成され、粒度偏析が生じるためである。
なお、この点については、以下に述べる供給要領3〜5についても同様である。
次に、石炭塔内への石炭の供給要領3について説明する。
この例は、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)の両方に、粒度偏析を付ける場合である。
図5(a) に示すように、この例では、ベルトコンベア2で石炭を石炭塔1の中央部に導き、その下方に配置した陣笠板6を利用してC/SおよびM/Sの両方の塔壁近傍のみに石炭を供給する。従って、C/SおよびM/Sでは、堆積レベルが次第に高くなるような傾斜が形成され、石炭はこの傾斜面に沿って供給されることになる。
その結果、C/SおよびM/Sにはいずれも、粒径が小さいものが供給されることになる。
従って、この堆積状態のまま、石炭塔から石炭装入車、ひいてはコークス炉に石炭を装入すれば、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)には、図5(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになる。
次に、石炭塔内への石炭の供給要領4について説明する。
この例は、2種類のグリズリーを利用して、コークスの排出側(C/S)に粒度偏析を付ける場合である。
図6(a) に示すように、この例では、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭を、グリズリーAおよびグリズリーBの介して、C/Sの塔壁近傍に石炭を供給する。同図に示したところにおいて、グリズリーAは、一定間隔の爪を有しているので、この間隔(例えば6mm)以上の大きさの石炭は、このグリズリーAに沿って転がり、石炭塔の外に排出される。一方、グリズリーAの爪間隔よりも小さい石炭は、塔壁近傍に落下することになるが、この落下流の下には、通常の分粒器であるグリズリーBが配置されているので、石炭はこのグリズリーBによって粒度偏析が助長された状態で塔壁近傍に供給されることになる。
その結果、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図6(b) に示すように、C/Sには、特に粒径が小さな石炭が供給されることになる。
次に、石炭塔内への石炭の供給要領5について説明する。
この例は、図7(a) に示すように、旋回式ベルトコンベア3による石炭の投入軌跡中に、グリズリー5を配置した場合である。
このように、グリズリー5を設置した場合には、旋回式ベルトコンベア3から供給された石炭のうち、粒径が小さな細粒はそのままグリズリー5を通過して壁で仕切られたC/Sに供給されるが、粒径が大きい粗粒はグリズリー5に沿って転がり石炭塔中央部に供給されることになる。
その結果、コークス炉炭化室炉長方向のコークスの排出側(C/S)には、図7(b) に示すように、比較的粒径が小さな石炭が供給されることになるのである。
上記のようにして、少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭の平均粒径が石炭全体の平均粒径よりも細かくなるように粒度偏析を付けて石炭塔内に堆積させた石炭は、この状態のまま石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入してから、乾留することによりコークスとする。
ここに、コークス炉における好適な乾留条件は次のとおりである。
・乾留温度:1050〜1250℃
・乾留時間:16〜24h
・石炭水分:5〜11%
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図8に示す装置を用いて、石炭塔内に形成される傾斜面による石炭の粒度偏析度合いを調査した。図8の装置は、透明塩化ビニル製で、傾斜面には石炭がコーティングされている。実験は、この傾斜面に予め石炭を厚み:5cmほど堆積させて状態で開始し、頂上部から石炭を投入後、頂上部の石炭を採取した。
その結果、傾斜面の頂上部から装入された石炭は傾斜面を転がる間に粒度偏析を起こし、傾斜面上部では平均粒径が装入炭全体の平均粒径よりも小さくなることが確認された。
得られた結果を図9に示す。
同図に示したとおり、傾斜面頂上部における石炭の平均粒径は1.5 mm程度で、装入前の石炭全体の平均値:2.1 mmよりも小さくなった。
次に、このような粒径の小さくなった石炭をC/Sのホッパーに積み付け、その後コークス炉炭化室のC/Sへ装入した時の嵩密度を、シミュレーションにより計算した。
その結果を表1に示す。
Figure 0004337578
同表に示したとおり、コークス炉の炭化室C/Sにおける装入炭の嵩密度は 742 kg/m3であり、偏析前の装入石炭の平均嵩密度:763 kg/m3 に比べて 21 kg/m3 低くなった。
次に、図8に示す装置を用いて行った実験で実際に石炭をサンプリングし、これを図10に示すコークス収縮量測定用の容器に充填して、40kg乾留炉にて所定の条件で乾留し、その収縮量を測定した。石炭の充填嵩密度は表1の結果を踏まえて、偏析させない場合の条件と偏析後の頂上部の条件で変えて実験を行った。
その結果を表2に示す。
なお、コークスの収縮量は、以下に述べるクリアランスで評価した。ここに、クリアランスとは、生成したコークスと炉壁(ここではステンレス板)間に生じた間隙の所定面積分の平均量(レーザによる 400個弱の点測定の平均値)のことであり、このクリアランスが大きい方が、収縮量が大きいことになる。
Figure 0004337578
同表に示したとおり、石炭を粒度偏析させ、嵩密度を低くして乾留して生成したコークスのクリアランスは14.1mmであり、偏析させない場合の13.4mmに比べてクリアランスが大きく、収縮量が大きくなることが分かる。
この測定方法におけるクリアランス差:0.7 mmは極めて大きい。これまでのデータの蓄積から、このクリアランス測定データと実炉の押し出し電流値との良好な相関を得ており、クリアランス:0.3 mm、さらには0.5 mm以上増加はコークス押し出し性に優位に働くことが確認されている。
(実施例2)
実際の石炭塔とほぼ同じ傾斜面を有する図11に示す装置を用いて、傾斜面への装入実験を行い、石炭塔内に形成される傾斜面による粒度偏析度合いについて調査した。なお、図11の装置の傾斜面には予め石炭がコーティングされている。
石炭を、上部のホッパー7から、ベルトコンベア3を介して傾斜のついたスロープ板4へ供給し、スロープ板上を滑らせたのち、傾斜面上に投入した。石炭投入後、堆積した石炭の斜面部および裾野部からそれぞれ、石炭をサンプリングし、得られた石炭の粒径を測定して比較した。実験には、コークス炉で通常装入している配合炭をそのまま使用した。また、実験は、初期平均粒径が1.9 mm、2.2 mm、2.8 mmの石炭を用いて計3回行った。
その結果を表3に示す。
Figure 0004337578
表3に示したとおり、初期平均粒径の如何にかかわらず、斜面部から採取した石炭の平均拉径は初期平均粒径よりも 0.4〜0.6 mm小さくなり、一方裾野部から採取した石炭の平均粒径は初期平均粒径よりも 0.6〜0.7 mm大きくなった。計3 回の異なった初期平均粒径の実験で、斜面部の石炭の平均粒径は0.5 mm小さくなり、裾野部の石炭の平均粒径は初期平均粒径よりも0.6 mm大きくなった。
この実験から、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置することにより、石炭塔に装入される石炭に大きな粒度偏析を起こさせることができることが分かる。
従って、かようなスロープ板を利用して、C/Sの石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を供給することにより、C/Sの石炭の粒径が細かくなる粒度偏析を付与することができるのである。
なお、上記した実施例2においても、石炭堆積層の傾斜領域の上方に分粒器としてグリズリーを設置することにより、石炭の分粒がより効果的に進み、炉長方向にわたる粒度偏析を一層助長できることは言うまでもない。
本発明によれば、石炭塔内において、炉長方向の少なくともC/Sの粒径が小さくなるように、装入石炭に粒度偏析を付けて堆積させ、この粒度偏析を保持したままコークス炉に装入することにより、C/Sのコークス収縮量を大幅に増大させることができ、その結果、押し詰り等の発生なしにスムーズな押し出しを行うことができる。
しかも、本発明は、設備投資の増大を招くことなしに現実のコークス炉に容易に採用することができる。
本発明に従う石炭の供給要領1を示した図である。 石炭堆積層の傾斜領域の上部に分粒器としてグリズリーを設置した場合の石炭の供給要領を示した図である。 旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付け方式による石炭の供給要領2を示した図である。 旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付け方式によって石炭を供給した場合の石炭塔内における石炭の堆積状態(a) およびコークス炉長手方向の粒度分布(b) を示した図である。 陣笠板を利用した供給要領3によって石炭を供給した場合の石炭塔内における石炭の堆積状態(a) およびコークス炉長手方向の粒度分布(b) を示した図である。 2種類のグリズリーを利用した供給要領4によって石炭を供給した場合の石炭塔内における石炭の堆積状態(a) およびコークス炉長手方向の粒度分布(b) を示した図である。 振り分け板を利用した供給要領4によって石炭を供給した場合の石炭塔内における石炭の堆積状態(a) およびコークス炉長手方向の粒度分布(b) を示した図である。 石炭塔内に形成される傾斜面による石炭の粒度偏析度合いを調査するための装置の概略図である。 傾斜面による石炭の粒度偏析結果を示した図である。 コークス収縮量測定用の容器を示した図である。 石炭塔内に形成される傾斜面による石炭の粒度偏析度合いを調査するための装置の概略図である。
符号の説明
1 石炭塔
2 ベルトコンベア
3 旋回式ベルトコンベア
4 スロープ板
5 グリズリー
6 陣笠板
7 ホッパー

Claims (3)

  1. コークス炉の石炭装入車に石炭を供給する石炭塔内において、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、装入される石炭の平均粒径が、該石炭塔内に装入される石炭全体の平均粒径よりも細かくなるように、該炉長方向にわたり粒度偏析させて石炭を堆積し、この状態で石炭装入車のホッパーに積み付け、引き続きホッパー間での粒度偏析を保持したままコークス炉に装入したのち、乾留することを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 請求項1において、前記石炭塔内におけるコークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、コークス炉中央域よりも石炭の堆積レベルが高くなるような傾斜を形成しつつ石炭を装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
  3. 請求項1において、前記石炭塔内への石炭の装入方式が旋回式ベルトコンベアを用いた定点積み付けである場合に、コークス炉炭化室炉長方向のコークス排出側(C/S)およびコークス押し出し側(M/S)のうち少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭が投入される軌跡中にスロープ板を設置し、少なくともコークス排出側(C/S)については、石炭をより壁面側に装入することにより、該炉長方向にわたって石炭を粒度偏析させて堆積することを特徴とするコークスの製造方法。
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