JP4338030B2 - 醤油粕の嫌気的処理法 - Google Patents
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Description
しかし、醤油粕は5〜8%(W/W)の塩分が含まれ、そのままの状態で飼料や肥料などに用いる場合にはその使用割合を極端に低めるなどしなければならない。
飼料や肥料などで使用割合を高めるためには、醤油粕を水で膨潤し適当時間放置し、醤油粕中の塩分を水に溶出させ、圧搾してより塩分の少ない醤油粕(パルプ分)を得、これを繰返し行って脱塩しなければならない。この場合操作が煩雑な上、塩分を溶出させる放置時間も相当かかるためコストが嵩み実用的でない問題を有する。
また醤油粕を焼却する場合は、処分場へ運搬する費用、エネルギーと時間を要する問題点を有する。
したがって、これらのクロルイオン含有有機性廃液は、少なくとも環境衛生上好ましい状態に処理する必要があり、その対策として近年、種々の有機性廃液の処理方法が提案されているが、未だ十分とは言い難い。
すなわち、有機性廃液に原生動植物を主体とした汚泥を入れ、これら生物群をして廃液中の有機物の一部を栄養源として摂取させ、一部を汚泥自身の吸着現象を利用してこれを吸着するいわゆる活性汚泥法が知られている。また砕石上に原生動植物の生物膜を構成させ、この生物膜上に希釈された廃液を流下し、廃液中の有機物を生物に栄養源として摂取させると共に、一部を生物膜のコロイド質に吸着させ、以って生物的濾過作用を行ういわゆる撒布濾床法が知られている。また、有機性廃液を空気遮断した処理タンクに収容し、嫌気的環境下に置くことによって複雑な有機物をメタン菌、水素菌などのような嫌気性細菌によってメタン、水素、炭酸ガス、アンモニア、硫化水素あるいは低級脂肪酸などに消化し、安全に河川に放流可能な状態とするいわゆる嫌気的処理法などが知られている。
例えば、BOD2000ppmおよびクロルイオン濃度が1000ppmの有機性廃液においては、BOD除去率が約30%に過ぎないことが知られている(特許文献1)。
また、塩類を含有する有機性廃棄物を脱塩処理した後、メタン発酵処理し、発酵後液を固液分離により固形物スラリーと廃液に分離し、固形物スラリーをメタン発酵で得られたメタン含有ガスの燃焼ガスを熱源として乾燥させることを特徴とする塩類を含有する有機性廃棄物の処理方法(特許文献3)が知られている。この方法は、脱塩処理の操作が煩雑で、装置が大型化、複雑化し、塩類を含有する有機性廃棄物の処理費用が嵩む欠点を有する。
すなわち、醤油粕を該醤油粕の嫌気性細菌による消化液、その濾液、又はそれらの活性汚泥含有水性液で希釈しスラリー化したのち、空気遮断した処理タンクに収容し、嫌気性細菌の存在下で嫌気的に消化を行なうと、メタン菌が安定し、バイオガス発生量が安定して得られること、そして単位醤油粕重量当たりメタンを極めて収量良く得ることを知った。
醤油粕の消化液は、水素、炭酸ガス、アンモニア、硫化水素あるいは低級脂肪酸などに分解単純化されるため、そのまま、または、必要により水処理した後、河川に安全に放流可能な状態とすることができる。
また本発明によれば、BODが31000mg/lおよびクロルイオン濃度が3900mg/lの醤油粕スラリーにおいて、BOD除去率が約90%を達成することが可能となる。
また、本発明によれば、メタンガス濃度が50〜60%である、地方都市の都市ガスとほぼ同じで、良質なガスが安定して得られる。
また、消化液から固液分離されて得られる固形分は、数十分の一(例えば約1/80)であって、このことから醤油粕を殆ど完全に分解できることが判る。そして該分解物はコンポストとして好適であり、農業における野菜栽培、園芸植物の栽培用肥料として利用でき、また分離液は水処理が容易であり、また液肥としても利用が可能である特徴を有する。
さらにまた、バイオガスは脱硫装置にて硫化水素を取り除き、その後、コジュネ型発電機で電力に変換可能で、また発電機から出る排熱は発酵槽の加温に利用可能となる。
またバイオガス発生量は、期間平均で安定的に発生し、メタンガス濃度もほぼ一定して得られる効果を奏する。
また、BOD除去率が90%近い値が得られ、またCOD除去率もほぼ50%に近い値が得られる。したがって、その後の水処理が比較的容易である利点を有する。
醤油粕は、牛豚糞尿などと比べると分解率が高く、発酵終了後に残る固形物の量が非常に少ない特徴を有する。
醤油粕は、先ず、蒸煮した大豆と炒って割砕した小麦をほぼ等量混和し、水分を調整し、これに麹菌を接種培養して、醤油麹とし、これに所定量の食塩水を混和し、醤油諸味とし、これを発酵、熟成して熟成諸味とし、これを圧搾濾過して得られるもので、他の食品粕などと異なり、性状、成分分析値が非常に近似している。したがって、単位重量当りのバイオガス生成量がほぼ一定しており、しかも密閉系の装置を用いるため、バイオガスの損失が殆どなく、発酵途中の生成バイオガス量から醤油粕の消化量を計算できる。反対に醤油粕の消化量からバイオガスの生成量を計算できる。そのため、発酵途中液のサンプリングなどの煩雑な操作を省略することが可能となる。また醤油粕の添加開始時期、添加量、添加終了時期、発酵終了時期などを容易に定めることができる。また、発酵期間中のメタン濃度を一定の範囲内に制御することができるため、嫌気性細菌(メタン発酵菌)は旺盛にメタン発酵を持続し、短期間に醤油粕を消化することが可能となる。
このうち水性液は、水道水及び井戸水などを使用する場合に比べて、メタン菌によるメタン発酵が旺盛にしかも安定的に営まれ、メタン濃度の高いバイオガスを効率良く採取できるので好ましい。
特に消化液から分離した活性汚泥は、水道水に比べてバイオガス発生能力(発酵力)が非常に高いことが判明した。
そして総処理原料に対する醤油粕の割合は、乾物重量換算で50%(W/W)以上であることが好ましい。このように50%以上使用すると、メタン濃度の高いバイオガスを得ることができるので好ましい。
含水率が低すぎると嫌気性細菌が旺盛に繁殖できなくなって、効率良く消化ができなくなる。反対に多すぎるとバイオガスのメタン濃度が希薄になり、バイオガスを後で濃縮するための操作を新たに必要とする欠点を有する。
消化時間は、5〜50日が好ましく、10〜35日がより好ましい。
また消化は、連続的に、又は間欠的に攪拌を行うことが好ましい。
攪拌は、機械的な攪拌でもよいし、また通気攪拌でもよい。通気攪拌は、処理タンクの外周壁にガス送気管を貫通してその先端部をタンクの底部付近に開口し、ガス送気管の他端部から炭酸ガス、窒素ガス、水素ガスなどの嫌気性ガスを送入するようにしたものでもよい。
以下参考例及び実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
(容量10リットルの発酵槽を用いた、醤油粕のバッチ式嫌気処理装置)
醤油粕を水希釈してスラリー化した。すなわち醤油粕1重量部と水道水8重量部を混和し、ハンドミキサーで軽く攪拌してスラリー化した。
該スラリーを上部を開口し、底部を閉鎖した有底円筒型タンクの上部開口部から投入し、該開口部を蓋体で気密的に密閉して、空気を遮断した容量10リットルの発酵槽を得た。
合成樹脂製チューブの一端を上記蓋体を貫通して気相部に連通し、他端部をガス補集室に連通した。なお、発酵槽を37℃に設定された温水湯浴中にセットし、1日に数回、発酵液を攪拌した。
(容量3リットルの発酵槽を用いた、醤油粕のバッチ式嫌気処理装置)
上記参考例1の嫌気処理装置において、容量10リットルの発酵槽を容量3リットルのフラスコに代える以外は全く同様にして醤油粕のバッチ式嫌気処理装置を得た。
なお、前記装置を37℃に設定された温水湯浴中にセットし、1日に数回、発酵液を攪拌した。
(1)構成成分
本実験に用いた醤油粕は、短冊状の醤油粕を粉砕したもので、飼料として販売されているものである。このものの構成成分を以下に示す。
水分率 29.2%(W/W)
揮発性有機物(VTS)率 53.5%
炭素分率 9.6%
灰分率 7.7%
醤油粕1重量部に対し、水道水8重量部を加え、ハンドミキサーにて均一に混和し、スラリーを得た。このスラリーは、pH約5.0、電気伝導度約12.0mS/cmであった。
本実験においてメタン発酵の種菌には、株式会社シルビオのバイオガスプラントから採取したものと、有限会社関紀産業のバイオガスプラントから採取したものを用いた。前者のメタン種菌No.1は、牛糞尿を基にして発酵温度37℃で育成したもので、後者のメタン種菌No.2は、豚糞尿を基にして45℃で育成したものである。
(1)3リットルフラスコによるメタン発酵法および醤油粕分解過程の観察
上記メタン種菌汚泥No.1約2200mlに醤油粕スラリー720g(醤油粕80g+水道水640g)を加え、37℃の温水浴中に保持した。
攪拌は、一日に数回行った。発酵日数が7日程度になると醤油粕の減りが目で見ても判るようになった。33日後には含有している麦由来の固形物が若干認められるようになった。この上澄み部分が底に沈殿したものを回収して水で洗浄後乾燥したところ、固形物の量は乾燥状態で1g程度であった。
このことから、本発明の装置によれば、醤油粕を用いて、効率的にメタン発酵を行い、醤油粕を殆ど完全に分解できることが判る。
(1)10リットル発酵槽による繰返しメタン発酵試験
37℃に設定された温水浴槽中に10リットル発酵槽を2基設置し、生成したバイオガスは、20リットルのポリエチレンバッグに補集した。
上記牛糞尿の種汚泥(メタン種菌汚泥No.1)を用いた発酵試験は37℃で行い、豚糞尿の種汚泥(メタン種菌汚泥No.2)を用いた発酵試験は43℃で行い、発酵槽の容量は7リットルとした。
43℃発酵試験については9回、37℃発酵試験については8回繰返した。
それぞれバイオガスの発生量を測定した。
なお、発酵日数を20日、25日とした。また、生成ガス量は醤油粕1kg当りの量に換算した。
上記試験において、塩分の影響を見るために、醤油粕をそのまま8倍の水で希釈したものと、8倍の水で希釈し濾紙濾過した後乾燥して得られた脱塩醤油粕を再度8倍の水で希釈したものとを用いた。
この結果、醤油粕をそのまま水で希釈した原料の場合、生成するバイオガスの量(常温)は、43℃発酵で約300リットル/kg、37℃発酵では約350リットル/kgであった。醤油粕を一度水で洗浄したものでは、そのまま発酵させた場合よりも50リットル/kg程度ガスの生成量は減少した。
生成したバイオガスの成分は、37℃発酵2回目の試験時に採取したものを分析した。その結果、メタンが59%、二酸化炭素が35%、硫化水素は1200ppmであった。
バッチ式の発酵試験を繰返すにあたり、投入量にほぼ等しい量の消化液(発酵槽内の液面と底面の中間付近から採取)を抜出した。
この抜出し消化液の電気伝導度(含有するイオン量が多くなると数値も高くなる)およびpH(水素イオン指数)を測定した。
37℃発酵のものについて測定した。その結果、電気伝導度はバッチ試験の繰返し回数とともに上昇しており、その増加量は醤油粕を水で洗浄したものの方が、しないものに比べて低い値になっていた。
pHもバッチ試験回数とともに下がる傾向が見られるが、電気伝導度の変化に比べるとバラツキがあることが判明した。
上記発酵試験においては、20日、25日間のガス生成量を測定し、また発酵時間と伴うガス生成量の変化を調べた。
その結果、バイオガスの生成は発酵温度には関係なく、発酵開始後10日あたりまでが活発であった。また、発酵温度が37℃の場合の方が、43℃で発酵させた場合よりもガス生成量は大きく、10日後生成量で約100リットル/kgの違いが認められた。
発酵日数が10日程度までは、37℃での発酵の場合、醤油粕を水で洗浄したサンプルの方がガス生成量が若干大きい様相が認められた。
しかし、12日後以降ではその関係は逆転し、40日後のガス生成量は水で洗浄したサンプルでは約370リットル/kg、洗浄しないサンプルでは約410リットル/kgであった。
43℃で発酵させた場合、40日後のガス生成量は醤油粕を水で洗浄したサンプルは、約325リットル/kgであったが、洗浄しないもののそれは約380リットル/kgとなった。
37℃の発酵温度で8回の試験を繰返した後の発酵槽内の状況を調べた。
その結果、醤油粕にそのまま水を加えてスラリー化したサンプルを用いた場合および、醤油粕を一度水で洗浄後水を加えてスラリー化したサンプルを用いた場合は、いずれも発酵液は、醤油粕自体の有する色が残り褐色を呈していた。
また、液面には発酵残さが浮いており、その量は両者とも同程度であった。
43℃の発酵温度で9回の試験を繰返した発酵槽内の状況を調べた。
37℃の場合と同様に、醤油粕を水洗浄しない発酵液および醤油粕を水洗浄した発酵液の色は、いずれも濃い褐色を呈し、液面に浮遊している残さは黒色化していた。43℃での発酵の場合、発酵液が黒色になることから、そうした変化が浮遊残さ物内にも生じたためである。
(大型の発酵槽を用いた、醤油粕の連続式嫌気処理装置)
(1)受入槽
搬入された醤油粕は、地下受入槽に投入され、水道水および消化分離液と混合し、スラリー化してリアクターに投入可能の状態(含水率90%以上)に調整した。急激な内容物の変化をメタン細菌は嫌うため、牛糞および消化分離液に醤油粕を混合して醤油粕の割合を段階的に増加させた。
(2)発酵槽
直径7mの円筒形を有し、高さ7mの、気密性が完全に保たれる密閉式のタンクを、液面高3.1m、高さ7m(リアクター部容積120m3)と、気相部(ガスホルダー室、約70m3)とから構成し、使用した。
なお、発酵槽の外周壁に温水の通流するジャケットを設け、発酵槽内液温を37℃に保持した。
(3)脱硫塔(脱硫装置)
投入する醤油粕の濃度にも依存すると考えられるが、バイオガスは主要成分であるメタンおよび二酸化炭素の他に硫化水素などの腐食性不純ガス成分を含んでいる。
そこで、この腐食性成分の硫化水素を除去するために、発生ガス量に対して5〜20%程度の空気を供給し、消化分離液をポンプによって循環させることにより、脱硫塔壁面、上面および液面に生息していると思われる硫黄酸化細菌による生物脱硫方式により処理した。
(4)バイオガスエンジン発電機(コ・ジェネレーションシステム)
コ・ジェネレーション型とよばれる発電機によりバイオガスを燃焼させ、電力と排熱エネルギーを取得した。
なお、前記装置を37℃に設定された温水湯浴中にセットし、1日に数回、発酵液を攪拌した。
醤油粕に牛糞および消化分離液を混合して、メタン発酵を33日間行った。
結果を以下に示す。
リアクター投入量 3500kg/日
原料含水率 93〜97%
醤油粕投入量 107.4kg/日
牛糞投入量 50.5kg/日
分離液固形分投入量 46.6kg/日
メタンガス濃度 59.1%
二酸化炭素濃度 34.4%
期間平均のガス発生率 25.9m3/t
バイオガス発生は、期間平均で90.6m3/日で、安定して発生した。
メタンガス濃度も、59.1%で安定していた。
BOD(原料) 31000mg/l
同(リアクター) 3100mg/l
同(消化分離液) 1700mg/l
同(除去率) 90%
分解が良好に行われていることが判明した。
CODMN(原料) 27100mg/l
同(リアクター) 14700mg/l
同(消化分離液) 12900mg/l
同(除去率) 46%
分解が良好に行われていることが判明した。
醤油粕の場合、含まれている塩分について考える必要がある。塩分の変動については、硝酸銀滴定法により求めた塩化物イオン濃度をNaClに換算した数値を使用した。
原料塩化物イオン濃度(NaCl換算)3900mg/l(0.64%)
同(リアクター)(同) 2200mg/l(0.36%)
同(消化分離液)(同) 2100mg/l(0.35%)
以上のメタン発生ガス量、メタンガス濃度、BODの測定結果から、本発明の装置によれば、醤油粕を原料として高率良く、安定して、高濃度メタンバイオガスを収量多く得ることが判る。
前記実施例1に引続き、連続して醤油粕に牛糞および消化分離液を混合して、メタン発酵を14日間行った。
結果を以下に示す。
リアクター投入量 3400kg/日
原料含水率 94〜96%
醤油粕投入量 112.4kg/日
牛糞投入量 0kg/日
分離液固形分投入量 60.3kg/日
メタンガス濃度 57.6%
二酸化炭素濃度 31.6%
期間平均のガス発生率 32m3/t
バイオガス発生は、期間平均で109.9m3/日で、安定して発生した。
メタンガス濃度も、57.6%で安定していた。
BOD(原料) 26000mg/l
同(リアクター) 3800mg/l
同(消化分離液) 2700mg/l
同(除去率) 85%
分解が良好に行われていることが判明した。
CODMN(原料) 23900mg/l
同(リアクター) 14300mg/l
同(消化分離液) 14000mg/l
同(除去率) 40%
分解が良好に行われていることが判明した。
醤油粕の場合、含まれている塩分について考える必要がある。塩分の変動については、硝酸銀滴定法により求めた塩化物イオン濃度をNaClに換算した数値を使用した。
原料塩化物イオン濃度(NaCl換算)3400mg/l(0.56%)
同(リアクター)(同) 2600mg/l(0.42%)
同(消化分離液)(同) 2400mg/l(0.39%)
醤油粕と消化分離液との2者混合原料を使用しても、安定的にバイオガスを発生させることが可能であることが判る。また、牛糞由来の有機分が減少して、また牛糞由来のメタン細菌が減少しても、醤油粕由来の有機分が増えたため、バイオガスが増加することが判る。すなわち、醤油粕を単独で使用し、高率良く、安定して、高濃度メタンバイオガスを収量多く得ることが判る。
消化分離液を水道水で水希釈した希釈水を醤油粕に混合して、含水率を約95%に調整し、これを原料としてメタン発酵を12日間行った。
結果を以下に示す。
リアクター投入量 3170kg/日
原料含水率 92〜94%
醤油粕投入量 226.1kg/日
牛糞投入量 0kg/日
分離液固形分投入量 4.2kg/日
メタンガス濃度 57.0%
二酸化炭素濃度 33.9%
期間平均のガス発生率 41.6m3/t
CODMN(原料) 28600mg/l
同(リアクター) 14200mg/l
同(消化分離液) 12800mg/l
同(除去率) 47%
分解が良好に行われていることが判明した。
醤油粕の場合、含まれている塩分について考える必要がある。塩分の変動については、硝酸銀滴定法により求めた塩化物イオン濃度をNaClに換算した数値を使用した。
塩分(NaCl換算) 0.71〜0.84%
同(リアクター)(同) 0.5〜0.65%
同(消化分離液)(同) 0.58〜0.67
以上のメタン発生ガス量、メタンガス濃度、BODの測定結果から、本発明の装置によれば、醤油粕を単独原料として使用して、高率良く、安定して、高濃度メタンバイオガスを収量多く得ることが判る。
醤油粕を水道水希釈し、含水率を90%に調整した後10日間メタン発酵を行った。
結果を以下に示す。
リアクター投入量 3270kg/日
原料含水率 89〜92%
醤油粕投入量 324.8kg/日
牛糞投入量 0kg/日
分離液固形分投入量 0kg/日
メタンガス濃度 53.1%
二酸化炭素濃度 36.4%
期間平均のガス発生率 40.1m3/t
バイオガス発生は、期間平均で131m3/日で、安定して発生した。
メタンガス濃度も、53.1%で安定していた。
COD(原料) 35900mg/l
同(リアクター) 13700mg/l
同(消化分離液) 12600mg/l
同(除去率) 62%
分解が良好に行われていることが判明した。
醤油粕の場合、含まれている塩分について考える必要がある。塩分の変動については、硝酸銀滴定法により求めた塩化物イオン濃度をNaClに換算した数値を使用した。
塩分(原料)(NaCl換算) 0.71〜0.88%
同(リアクター)(同) 0.58〜0.72%
同(消化分離液)(同) 0.52〜0.71%
以上のメタン発生ガス量、メタンガス濃度、BODの測定結果から、本発明の装置によれば、醤油粕を単独原料として使用し、高率良く、安定して、高濃度メタンバイオガスを収量多く得ることが判る。
結果を表1に示す。
なお、消化率は、投入汚泥中の有機分がガス化および液化して減少する割合であり、次式により算出した。
消化率(%)=〔1−A/B〕×100
ただし、A=投入汚泥の無機分(%)×消化汚泥の有機分(%)
B=投入汚泥の有機分(%)×消化汚泥の無機分(%)
受入槽含水率(%) リアクター含水率(%) 消化率(%)
96.8 96.5 71
95 96.7 50
95.7 96.0 87
94.0 97.3 64
94.8 97.3 69
93.5 96.9 68
93.4 96.7 78
90.7 97.9 87
92.0 95.5 62
90.4 96.9 71
91.8 96.3 71
(平均 70.7)
消化率の平均は、70.7であり、分解が良好に進んでいることが判る。
その結果、揮発性有機酸濃度は、通常300〜500mg/lで2000mg/lを超えると、メタン細菌の活動が鈍り、消化に影響があると言われている。
しかし、本発明では、揮発性有機酸濃度は130〜810mg/lの範囲であり、酸の蓄積による発酵障害はないと考えられる。
・定格発電出力 22kw
・総エネルギー変換効率 87.2%
・発電効率 28.2%
・排熱回収効率 58.2%
・騒音 65dBa/10M
・振動 超低振動型
2月および3月のバイオガス発生量を全て、バイオガスエンジン発電機で発電した場合の発電可能能力を調査した。結果を表2に示す。
バイオガス 一日当りの発生量 消費電力
発生量(m3) (m3/日) (kwh/月)
2月 2431 86.8 4452.8
3月 3039 98.0 5142.3
発電可能電力は、2月は4552.8kwhであり、3月は5142.3kwhであった。
また醤油粕の消化液は、水素、炭酸ガス、アンモニア、硫化水素あるいは低級脂肪酸などに分解単純化されるため、そのまま、または、必要により水処理した後、河川に安全に放流可能な状態とすることができる。
また本発明によれば、BODが31000mg/lおよびクロルイオン濃度が3900mg/lの醤油粕スラリーにおいて、BOD除去率が約90%を達成することが可能となる。
また、本発明によれば、メタンガス濃度が50〜60%である、地方都市の都市ガスとほぼ同じで、良質なガスが安定して得られる。
また、消化液から固液分離されて得られる固形分は、コンポストとして好適であり、農業における野菜栽培、園芸植物の栽培用肥料として利用でき、また分離液は水処理が容易であり、また液肥としても利用が可能である特徴を有する。
さらにまた、バイオガスは脱硫装置にて硫化水素を取り除き、その後、コジュネ型発電機で電力に変換可能で、また発電機から出る排熱は発酵槽の加温に利用可能となる。
またバイオガス発生量は、期間平均で安定的に発生し、メタンガス濃度もほぼ一定して得られる効果を奏する。
また、BOD除去率が90%近い値が得られ、またCOD除去率もほぼ50%に近い値が得られる。したがって、その後の水処理が比較的容易である利点を有する。
醤油粕は、牛豚糞尿などと比べると分解率が高く、発酵終了後に残る固形物の量が非常に少ない特徴を有する。
醤油粕は、単位重量当りのバイオガス生成量がほぼ一定しており、しかも密閉系の装置を用いるため、バイオガスの損失が殆どなく、発酵途中の生成バイオガス量から醤油粕の消化量を計算できる。反対に醤油粕の消化量からバイオガスの生成量を計算できる。そのため、発酵途中液のサンプリングなどの煩雑な操作を省略することが可能となる。また醤油粕の添加開始時期、添加量、添加終了時期、発酵終了時期などを容易に定めることができる。また、発酵期間中のメタン濃度を一定の範囲内に制御することができるため、嫌気性細菌(メタン発酵菌)は旺盛にメタン発酵を持続し、短期間に醤油粕を消化することが可能となる。
さらにまた、醤油粕1kgから約300〜450リットルのバイオガスを得ることが可能である。これは、家畜糞尿から得られるバイオガス量の6倍〜10倍に相当し、ビール醸造粕に比べて約2倍〜3倍の量である。また生成するバイオガスは、メタン濃度が50%を越えるもので、そのまま燃料ガスとして利用可能である。
以上のことから、本発明は、醤油粕の廃棄処理対策として、また醤油粕を燃料ガスの有効資源として活用する道を開くものである。
Claims (6)
- 醤油粕を、該醤油粕の嫌気性細菌による消化液、その濾液、又はそれらの活性汚泥含有水性液で、希釈しスラリー化したのち、空気遮断した処理タンクに収容し、嫌気性細菌の存在下で嫌気的に消化を行い、発生するバイオガスを分離することを特徴とする醤油粕の嫌気的処理法。
- 醤油粕1重量部を水性液体6〜10重量部で希釈しスラリー化したのち、空気遮断した処理タンクに収容し、嫌気性細菌の存在下で嫌気的に消化を行い、発生するバイオガスを分離することを特徴とする醤油粕の嫌気的処理法。
- 総処理原料に対する醤油粕の割合が、乾物重量換算で50%(W/W)以上である請求項1又は2に記載の醤油粕の嫌気的処理法。
- 処理原料の含水率が88〜98%(W/W)である請求項1〜3のいずれかに記載の醤油粕の嫌気的処理法。
- 醤油粕をそのまま、又は水希釈しスラリー化した後、空気遮断した処理タンクに収容し、嫌気性細菌の存在下で嫌気的に消化を行ない、発生するバイオガスを分離すると共に、予め該醤油粕の消化量とバイオガス発生量を測定して相互の相関を調べ、該バイオガス発生量から該醤油粕の消化量を推定し、バイオガス発生量に対応して所定量の醤油粕をそのまま、又は水希釈しスラリー化したものを連続的にまたは間欠的に処理タンクに添加することを特徴とする醤油粕の嫌気的処理法。
- 嫌気性細菌が、家畜または人の、糞尿由来のものである請求項1〜5のいずれかに記載の醤油粕の嫌気的処理法。
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