JP4343644B2 - シャッタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シャッタ装置に関する。
カメラ等に用いられるシャッタ機構を小型で簡単な機構にするための提案には、種々のものがある。例えば、特許文献1の提案によるシャッタ機構は、所定のピッチで並べられた帯状電極と光を通過させる開口とを有するステータ(固定子)と、この固定子に対向して移動自在に設けられており、固定子に設けられた開口を光学的に遮断又は光通過状態にすると共に、固定子の帯状電極に対向して抵抗体層を有したスライダ(移動子)と、固定子の帯状電極に印加する電圧を変化させる駆動制御手段とを備えている。即ち、このシャッタ機構は、誘導電荷型アクチュエータであり、駆動制御手段によって移動子となるスライダの移動を制御することにより、開口の光通過時間又は開口面積を制御している。このような構成により、シャッタ羽根となる移動子の移動を直接制御でき、簡単な機構によってシャッタの開閉を精度良く行える。
特開平8−220592号公報
しかしながら、特許文献1の提案は、誘導電荷型で移動子を駆動させるので、移動子に誘起される電荷量が、駆動電極の印加電圧に強く依存する。このため、十分な電荷量を得るには非常に高い駆動電圧が必要である。したがって、シャッタ羽根となる移動子を低電圧で駆動させることが困難である。
また、誘導電荷型のアクチュエータによるシャッタは、駆動させる際に、駆動電極に電圧を印加して移動子を初期分極させてからでないとシャッタとして駆動させることができない。このため、シャッタを高速で駆動させることが困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、低電圧かつ高速でシャッタ駆動を行うことが可能なシャッタ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるシャッタ装置は、所定の間隔を設けて配置された複数の駆動電極が設けられた開口を有する固定基板と、上記固定基板に対向して配置され、少なくとも、永久的に電気分極状態とすることにより固定電荷を保持させるようにする加工処理であるエレクトレット加工が施された薄葉体で構成され、上記開口への光を遮光するための遮光膜を有する移動子と、上記固定基板に設けられた駆動電極に印加する電圧を変化させることにより、上記エレクトレット加工によって上記移動子に生じる固定電荷に作用させる静電気力を変化させ、この静電気力により上記移動子を移動させて上記開口を遮光するように制御する駆動制御手段とを具備し、上記固定基板は、上記移動子の移動開始位置から所定位置までの初動領域と、上記初動領域以外の駆動領域との2つの領域を有し、上記固定基板上の上記初動領域と上記駆動領域とにおいて、上記複数の駆動電極のピッチ間隔と上記複数の駆動電極の幅の少なくとも何れかが異なる
この第1の態様においては、移動子がエレクトレット加工されているので、移動子の表面には固定電荷が保持されている。この移動子の固定電荷に固定基板の駆動電極の印加電圧を切り替えることにより発生する静電気力を作用させることによって、移動子が移動する。ここで、エレクトレット加工された移動子は、駆動電圧によらずに常に高密度の固定電荷を保持できるので低電圧でのシャッタ駆動が可能である。また、駆動電極に一定の周波数の電圧を印加して移動子を駆動させる場合、移動子が動き始めるときの電圧の周波数が高いと、移動子の実際の駆動が間に合わず移動子が脱調してしまう。第1の態様においては、この脱調を防ぐことができる。
また、エレクトレット加工を施した移動子を用いることにより、高速のシャッタ駆動が可能である。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、上記初動領域においては第1のピッチ間隔で上記複数の駆動電極が設けられており、上記駆動領域においては上記第1のピッチ間隔よりも広い第2のピッチ間隔で上記複数の駆動電極が設けられている。
駆動電極に一定の周波数の電圧を印加して移動子を駆動させる場合、移動子が動き始めるときの電圧の周波数が高いと、移動子の実際の駆動が間に合わず移動子が脱調してしまう。第2の態様においては、この脱調を防ぐことができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様によるシャッタ装置は、第1又は第2の態様において、上記固定基板は、上記初動領域においては上記複数の駆動電極の幅がそれぞれ第1の幅であり、上記駆動領域においては上記複数の駆動電極の幅が上記第1の幅よりも広い第2の幅である。
この第3の態様においては、全ての駆動電極の幅を等しくせず、初動領域における駆動電極の幅を、駆動領域における駆動電極の幅をよりも狭くすることによって、初動領域での駆動電極のピッチ間隔を狭くできる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、上記移動子は、上記エレクトレット加工が施された薄葉体に更に上記エレクトレット加工が施された薄葉体よりも弾性率の大きな部材が積層されて構成される。
この第の態様においては、移動子の剛性が大きくなることによって、移動子の歪みがなくなるので、不均一な摩擦力がかからずに移動子を駆動することができる。また、駆動電極と移動子との間において、静電気力が効率よく働くので、より高速に移動子を駆動させることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、上記移動子は、局所的にエレクトレット加工が施されている薄葉体で構成される。
この第の態様においては、局所的に複数箇所エレクトレット加工が施されているので、複数の駆動電極による電界と移動子の複数箇所の固定電荷との間で静電気力が発生する。このため、移動子に働く静電気力が、均一にエレクトレット加工が施された場合の移動子に働く静電気力と比較して増倍する。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第の態様によるシャッタ装置は、第の態様において、上記局所的にエレクトレット加工が施されている薄葉体は、所定の周期で帯状にエレクトレット加工が施されている薄葉体であり、上記固定基板は、上記所定の周期と同等若しくは上記所定の周期の整数倍の周期で上記複数の駆動電極が帯状に設けられている。
この第の態様においては、帯状のエレクトレット加工を所定の周期で移動子に施しているので、移動子の表面には、所定の周期で帯状に固定電荷が保持されている。即ち、エレクトレット加工の周期に合わせて帯状の駆動電極を固定基板に設けることにより、個々の移動子の固定電荷に効率的に静電気力が働くので、移動子の駆動効率が向上する。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第の態様によるシャッタ装置は、第の態様において、第の態様において、上記移動子は、上記薄型かつ軽量の遮光膜に更に光を吸収する吸収部材が積層されて構成される。
この第7の態様においては、光の透過を妨げ、遮光膜からの乱反射を吸収することによって、撮像効率が高く、かつ薄くて軽い移動子を作成できる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第の態様によるシャッタ装置は、第の態様において、上記遮光膜は、金属膜である。
この第の態様においては、固定基板の駆動電極への印加電圧の切り替えによって、金属膜に電荷が誘起される。これによって、駆動電極と金属膜との間に静電気力が発生するので、移動子の駆動力が増し、より低電圧で高速の駆動が行える。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第9の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、上記複数の駆動電極は、上記移動子の移動方向に対して垂直に、かつ上記固定基板に設けられた開口が設けられている位置以外の位置に設けられている。
この第の態様においては、固定基板に光が透過する開口を設けた場合に、この開口以外の領域の駆動電極の面積を大きくとることにより、初動時においては、移動子が開口部を通過しているときよりも駆動に必要な静電気力を発生させる駆動電極領域が広くなる。このため、移動子の初動時に大きな駆動力を得ることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第10の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、上記駆動制御手段は、当該シャッタ装置の電源投入時に上記移動子の位置を所定位置に移動させることを更に行う。
この第10の態様においては、電源投入時に常に所定位置に移動子を移動させることによって、移動子の制御性をあげることができると共に、この所定位置から駆動することにより、駆動の効率を増加させることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第11の態様によるシャッタ装置は、第10の態様において、上記固定基板上における、上記移動子の上記所定位置に対応する位置に設けられた駆動電極と、上記移動子とにおける電気容量の変化を検出する容量センサ手段が接続されている。
この第11の態様においては、駆動電極と移動子との間の電気容量の変化を検出することによって、移動子の位置検出を行うことができるので、電源投入時に移動子を所定位置に正確に移動させることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第12の態様によるシャッタ装置は、第1の態様において、少なくとも上記移動子は、封止部材によって封止されている。
この第12の態様においては、移動子が封止された構造により、エレクトレット加工が施された薄葉体が、湿度や温度等の影響を受けることを防ぐことができる。これにより、移動子の駆動の際に湿度や温度によって駆動力が小さくなることを防止することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第13の態様によるシャッタ装置は、第1乃至第12の何れか1つの態様のシャッタ装置を複数用い、当該複数のシャッタ装置のうちの第1のシャッタ装置の上記移動子を先幕とし、第2のシャッタ装置の上記移動子を後幕としたフォーカルプレンシャッタを構成する。
この第13の態様においては、薄型で低電圧駆動可能なフォーカルプレンシャッタ装置を構成することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第14の態様によるシャッタ装置は、第13の態様において、上記先幕と上記後幕を共に同位相で駆動させる駆動制御手段を更に具備する。
この第14の態様においては、2つの移動子の駆動電圧を同位相で駆動させることにより、露光ムラを防ぐことができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第15の態様によるシャッタ装置は、第13の態様において、少なくとも上記先幕及び上記後幕は、封止部材によって封止されている。
この第15の態様においては、第1の移動子及び第2の移動子の駆動の際に、湿度や温度によって駆動力が小さくなることを防止することができる。
本発明によれば、低電圧かつ高速でシャッタ駆動を行うことが可能なシャッタ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシャッタ装置100の概略図である。即ち、このシャッタ装置100は、それぞれ所定の間隔をおいて配置された複数の帯状の駆動電極2と当該シャッタ装置100に入射してきた光が通過する開口5とが設けられた固定基板1と、この固定基板1に対向するように配置されているエレクトレット加工が施された薄葉体の移動子4と、駆動電極2に交番電圧を印加する駆動制御回路3とから構成されている。ここで、エレクトレット加工とは、誘電体を永久的に電気分極状態とすることにより、固定電荷を保持させるようにする加工処理のことである。また、駆動電極2は、移動子4の移動方向(紙面左右方向)に直交するように配置する。
図1のシャッタ装置100においては、駆動電極2に印加した電圧により移動子4が有する固定電荷に作用させる静電気力を変化させて、移動子4を移動させる。ここで、この図1においては、複数の駆動電極2を、開口5以外のほぼ全域にわたって設けるようにしている。このように、複数の駆動電極2を開口5以外のほぼ全域にわたって設ける、即ち、複数の駆動電極2を、その総面積が最大となるように設けることにより、移動子4の駆動力を大きくすることができる。
ここで、図1において、開口5は四角形の形状をしているが、四角形に限らず、円形等でも良いことは言うまでもない。また、この第1の実施形態の固定基板1は、開口5が設けられている例について説明しているが、固定基板1以外の領域で光を通過させる場合や、固定基板1と駆動電極2とが共に光を透過する部材で構成されていれば、開口5を固定基板1に設ける必要はない。この場合には駆動電極2を移動子4のほぼ全域にわたって設けることができる。
図2(a)及び図2(b)は、図1の構成を有するシャッタ装置100の開閉動作について説明するための図である。ここで、図2(a)は、開口5が露出した状態、即ちシャッタが開いた状態を示す。即ち、この状態では、シャッタ装置100に入射してきた光が開口5を通過する。一方、図2(b)は、開口5が移動子4によって遮光されている状態、即ちシャッタが閉じた状態を示す。
次に、図3(a)から図3(c)と図4を参照して移動子4について説明する。図3(a)は、図1の移動子4の一例を示す断面図である。即ち、図3(a)の移動子4は、エレクトレット加工が施された薄膜41(以下、薄膜41と称する)と遮光膜としての金属膜42とが積層されて構成されている。ここで、薄膜41には、例えばFEP(fluoro ethylene propylene)の薄膜を用いればよい。このFEP薄膜に対して例えばコロナ放電等を行って、薄膜をエレクトレット化する。
このように薄膜41に金属膜42を積層することにより、移動子4における光の透過率を著しく下げることができる。また、移動子全体の厚さを数μm程度まで小さくすることが可能である。これにより、移動子4を軽量化できる。ここで、薄膜41の厚さを薄くするほど、エレクトレット加工する際の電荷の帯電効率が良くなる。これにより、移動子4の固定電荷密度を大きくすることができる。なお、金属膜42は、遮光性が高い膜であれば金属膜に限るものではない。
図3(b)は、移動子4の別の例の断面図である。即ち、図3(b)の移動子4は、エレクトレット化処理が施された薄膜41と、金属膜42と、光の透過率が約1〜5%である吸収部材としての薄膜43(以下、薄膜43と称する)とが積層されて構成されている。ここで、薄膜43は、例えば誘電体薄膜に黒塗料を塗布して構成すればよい。
このように、金属膜42と薄膜43とを薄膜41に積層することにより、光の透過率を下げることができると共に、金属膜42からの光の乱反射を防止することができる。これにより、遮光性が高く、かつ軽量の移動子4を作成できる。更に、薄膜43による光の乱反射を防止する作用により、このシャッタ装置をカメラ等に用いた場合の撮像品質を向上させることができる。
図3(c)は、移動子4の更に別の例の断面図である。即ち、図3(c)の移動子4は、エレクトレット化処理が施された薄膜41と、薄膜41よりも弾性率の大きな部材で構成された薄膜、例えばプラスチック薄膜あるいはガラス薄膜等の薄膜44(以下、薄膜44と称する)とが積層されて構成されている。このように弾性率の大きな薄膜44を薄膜41に積層することにより移動子4の剛性があがる。これにより、移動子4をより正確な平面に近づけることができ、この結果、移動子4とそれぞれの駆動電極2との距離を均一にすることができる。これにより、移動子4の駆動力を増加させることができる。
図4は、薄膜41の別の例の断面図である。この図4の薄膜41は、被エレクトレット化薄膜45に局所的に複数のエレクトレット加工が施されている。この図4において、エレクトレット化された複数の部位46は、それぞれ所定の間隔で設けられているが、異なる間隔で設けるようにしても良い。
図4のように、エレクトレット化された複数の部位46の間隔を駆動電極2の間隔に対応させることにより、局所的にエレクトレット化していない場合に比べて移動子4に働く駆動力を増倍させることができる。
次に、図5を参照して固定基板1について説明する。図5は、固定基板1と駆動電極2の一例を示す断面図である。即ち、図5に示すように、固定基板1上には複数の駆動電極2が設けられている。そして、固定基板1における駆動電極2が設けられている側の面は、絶縁層11で覆われている。ここで、図5の例では、固定基板1の材質をガラス、駆動電極2の材質をアルミニウム、絶縁層11の材質をシリコン酸化膜としている。このように固定基板1を絶縁層11で覆うようにすることにより、隣接した駆動電極同士が絶縁されるので、静電気力が効率良く移動子4に働くようになる。
なお、固定基板1に設ける駆動電極2は、必ずしも図5に示すように等間隔で配置する必要はない。即ち、駆動電極2の配置は、移動子4のエレクトレット化された部位に対して充分な静電気力を作用させることができるのであれば、図5の配置に限定されない。
次に、図6(a)から図6(d)を参照して、第1の実施形態に係るシャッタ装置の動作原理について説明する。ここで、移動子4は、図4のように所定の間隔で局所的にエレクトレット加工が施された移動子である。即ち、被エレクトレット化薄膜45にエレクトレット化された複数の部位46が所定の間隔で設けられている。ここで、エレクトレット化された複数の部位46は、駆動電極2に対する表面に負の電荷が存在するように帯電されている。また、駆動電極2は、駆動制御回路3に接続されている。これにより、駆動制御回路3によって駆動電極2に電圧が印加される。ここで、駆動制御回路3は、3相電源回路を想定して図示しているがこれに限るものではない。
即ち、図6(a)に示すように、駆動制御回路3により、第1相(左端を第1相とする)に正、第2及び第3相に負の電圧を印加すると、第1相に接続されている駆動電極2と移動子4とがそれぞれ逆符号に帯電しているので、移動子4と駆動電極2との間に吸引力が働く。一方、第2及び第3相に接続されている駆動電極2と移動子4とはそれぞれ同符号に帯電しているので、移動子4と駆動電極2との間に反発力が発生する。この結果、移動子4が移動して図6(b)に示す状態になる。この図6(b)の状態で、第1及び第3相に負、第2相に正の電圧を印加すると、移動子4が移動して図6(c)に示す状態になる。更に図6(c)の状態で、第1及び第2相に負、第3相に正の電圧を印加すると、移動子4が移動して図6(d)の状態になる。以後同様にして第1相、第2相、第3相の順に正の電圧を印加していくと、移動子4は紙面に向かって右から左に移動することになる。また、逆に第3相、第2相、第1相の順に正の電圧を印加していくと、移動子4は紙面に向かって左から右に移動することになる。
即ち、遮光膜としての移動子4をこのようにして移動させることによって、シャッタの開閉動作が行われる。ここで、移動子4の表面には固定電荷が存在しているので、誘電電荷型アクチュエータ方式と比べて低電圧で大きな駆動力を得ることができる。
図7は、移動子4を駆動する際の電圧パターンの例を示した図である。この図7において、横軸は時間を示し、縦軸は駆動電極2への印加電圧の大きさを示す。ここで、図7の例では、駆動電極2に矩形波の電圧を印加している。
即ち、図7のように第1の実施形態では、移動子4の駆動時における時刻0(移動子4の駆動開始時刻)から時刻tまでの範囲において、駆動電極2に印加する電圧の周波数を時間とともに大きくする。そして、時刻t後は駆動電極2に印加する電圧の周波数を一定とする。
このように電圧を印加することにより、移動子4の初動時において十分に加速が働いていない場合に、次の駆動電極2によって吸引される距離まで到達せず、移動子4が脱調してしまうことを防ぐことができる。ここで、図7のようなパターンで電圧を印加しなくとも、駆動電極2のピッチ間隔や駆動電極2の幅を図8(a)から図8(c)に示すように設定することによって同様の効果を得ることができる。ここで、図8(a)は、移動子4が時刻0から時刻tまでに移動する領域(初動領域)における駆動電極のピッチ間隔Pを、その他の領域のピッチ間隔Pよりも狭く設定する例である。また、図8(b)は、上記初動領域における駆動電極のピッチ間隔Pを、その他の領域のピッチ間隔Pよりも狭く設定すると共に、駆動電極の幅Wを、その他の領域の幅Wよりも狭く設定する例である。さらに、図8(c)は、上記初動領域における駆動電極のピッチ間隔及び駆動電極の幅を、その他の領域に向かう方向(紙面右方向)に対して徐々に大きくなるように設定する例である。
図9は、電源投入時において駆動制御回路3によって行われる制御について示したフローチャートである。即ち、電源投入時において、駆動制御回路3は、移動子4を所定位置に移動させるように電圧印加を行う(ステップS1)。続いて、駆動制御回路3は、移動子4が所定位置にあるか否かを判定し(ステップS2)、この所定位置にないと判定した場合に、ステップS1に戻り、再び移動子4を移動させる。一方、所定位置にあると判定した場合には、移動子4の移動指示がなされるまで待機する。
ここで、ステップS1の判定には、容量センサ回路により行う。この容量センサ回路は、例えば図10(a)に示すようにして駆動電極2に接続する。即ち、容量センサ回路6は、固定基板1の1端部(図では左端)に設置されている駆動電極21と駆動制御回路3とに接続されている。ここで、図10(a)は、電源非投入時の固定基板1と移動子4との位置関係を示している。図9で説明したように電源投入後、駆動制御回路3は、移動子4を容量センサ回路6に繋がれた駆動電極21が設置されている位置(図9の所定位置)に移動させるような制御を行う。
図10(b)は、移動子4が駆動電極21と重なる位置まで移動した状態を示す。移動子4が駆動電極21と重なる位置まで移動すると、駆動電極21と移動子4とによって形成されるコンデンサの電気容量が大きく変化する。この電気容量の変化が、容量センサ回路6によって検出される。これにより、駆動制御回路3は、移動子4が所定位置まで移動したことを判定し、移動子4を停止させる。
即ち、電源を入れていない状態では、移動子4の位置が不定であるが、電源投入時に常に所定位置に移動子4を移動させるように制御することによって、移動子4の制御性があがると共に、移動子4の駆動の効率が増加する。
ここで、以上説明したシャッタ装置100の移動子4は、図11に示すように封止しておくようにすることがより好ましい。即ち、図11は、固定基板1と、保護部材51と、封止部材52とで移動子4を完全に封止した例である。ここで、保護部材51は、例えばガラス薄板であり、封止部材52はシリコンである。このように移動子4を封止しておけば、移動子4は温度、湿度、塵、及び埃等の影響を受けることがない。これにより、エレクトレット加工が施された薄葉体が持つ固定電荷量が、温度、湿度、塵、及び埃等の影響を受けて減衰してしまうのを防止することができる。ここで、図11の例では、駆動電極2も封止されているので、駆動電極2の性能劣化も防ぐことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、第1の実施形態において説明したシャッタ装置の応用としての、低電圧かつ高速でシャッタ駆動を行うことが可能な薄型のフォーカルプレンシャッタ装置である。
例えば、レンズシャッタ機構の場合、絞りの位置にシャッタ機構が設置されていなければならない。ここで、レンズのフォーカス駆動等の際には、絞りの位置が移動するので、シャッタ機構全体を移動させる機構が不可欠となる。このため、レンズシャッタ機構では、小型化が困難である。一方、フォーカルプレンシャッタ機構は、撮像素子の直前にシャッタ機構を設置するので、フォーカス移動等の際にもシャッタ機構を固定したままで良い。このため、シャッタ機構を移動させる機構が不必要であり、小型化が可能である。
図12は、開口5を有した固定基板1と移動子4から構成されるシャッタ装置101と、このシャッタ装置101と同様の構成を有する固定基板19と移動子49とから構成されるシャッタ装置102とから構成されるフォーカルプレンシャッタの構成図である。この図12においては、例えば移動子49を先幕とし、移動子4を後幕として駆動させることによって、低電圧で高速駆動のフォーカルプレンシャッタを構成することができる。また、図12は、先幕及び後幕が共に開いた状態を図示している。ここで、移動子49及び移動子4の駆動電圧は、同位相とすることがより望ましい。このように駆動電圧を同位相とすることにより、露光ムラを防ぐことができる。
ここで、この図12で示したフォーカルプレンシャッタも第1の実施形態において説明した各種変形例を適用することができる。また、フォーカルプレンシャッタを有するカメラの測光方式として、フォーカルプレンシャッタの先幕における反射光を利用して測光を行う、所謂ダイレクト測光方式が用いられることがあるが、第2の実施形態のフォーカルプレンシャッタをこのようなダイレクト測光方式が対応可能なように構成しても良い。この場合には、先幕49に反射率が標準反射率となるような所定のパターンを形成しておけば良い。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
更に、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態に係るシャッタ装置の概略図である。 シャッタ装置の開閉動作について説明するための図である。 移動子の構成について説明するための断面図である。 移動子を構成するエレクトレット加工が施された薄膜の一例を示す断面図である。 固定基板の構成について説明するための断面図である。 移動子の動作原理について説明するための図である。 駆動制御回路から駆動電極に印加する電圧パターンの一例を示す図である。 駆動電極の変形例を示す図である。 電源投入時に、駆動制御回路において行われる制御の手順について示したフローチャートである。 駆動電極に容量センサ回路を接続した場合の図である。 移動子を封止する場合の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施形態としてのフォーカルプレンシャッタ装置の構成図である。
符号の説明
1…固定基板、2…駆動電極、3…駆動制御回路、4…移動子、5…開口、6…容量センサ回路、51…保護部材、52…封止部材、100,101,102…シャッタ装置

Claims (15)

  1. 所定の間隔を設けて配置された複数の駆動電極が設けられた開口を有する固定基板と、
    上記固定基板に対向して配置され、少なくとも、永久的に電気分極状態とすることにより固定電荷を保持させるようにする加工処理であるエレクトレット加工が施された薄葉体で構成され、上記開口への光を遮光するための遮光膜を有する移動子と、
    上記固定基板に設けられた駆動電極に印加する電圧を変化させることにより、上記エレクトレット加工によって上記移動子に生じる固定電荷に作用させる静電気力を変化させ、この静電気力により上記移動子を移動させて上記開口を遮光するように制御する駆動制御手段と、
    を具備し、
    上記固定基板は、上記移動子の移動開始位置から所定位置までの初動領域と、上記初動領域以外の駆動領域との2つの領域を有し、上記固定基板上の上記初動領域と上記駆動領域とにおいて、上記複数の駆動電極のピッチ間隔と上記複数の駆動電極の幅の少なくとも何れかが異なることを特徴とするシャッタ装置。
  2. 上記固定基板は、上記初動領域においては第1のピッチ間隔で上記複数の駆動電極が設けられており、上記駆動領域においては上記第1のピッチ間隔よりも広い第2のピッチ間隔で上記複数の駆動電極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  3. 上記固定基板は、上記初動領域においては上記複数の駆動電極の幅がそれぞれ第1の幅であり、上記駆動領域においては上記複数の駆動電極の幅が上記第1の幅よりも広い第2の幅であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシャッタ装置。
  4. 上記移動子は、上記エレクトレット加工が施された薄葉体に更に上記エレクトレット加工が施された薄葉体よりも弾性率の大きな部材が積層されて構成されることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  5. 上記移動子は、局所的にエレクトレット加工が施されている薄葉体で構成されることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  6. 上記局所的にエレクトレット加工が施されている薄葉体は、所定の周期で帯状にエレクトレット加工が施されている薄葉体であり、上記固定基板は、上記所定の周期と同等若しくは上記所定の周期の整数倍の周期で上記複数の駆動電極が帯状に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のシャッタ装置。
  7. 上記移動子は、上記遮光膜に更に光を吸収する吸収部材が積層されて構成されることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  8. 上記遮光膜は、金属膜であることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  9. 上記複数の駆動電極は、上記移動子の移動方向に対して垂直に、かつ上記固定基板に設けられた開口が設けられている位置以外の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  10. 上記駆動制御手段は、当該シャッタ装置の電源投入時に上記移動子の位置を所定位置に移動させることを更に行うことを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  11. 上記固定基板上における、上記移動子の上記所定位置に対応する位置に設けられた駆動電極と、上記移動子とにおける電気容量の変化を検出する容量センサ手段が接続されていることを特徴とする請求項10に記載のシャッタ装置。
  12. 少なくとも上記移動子は、封止部材によって封止されていることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のシャッタ装置を複数用い、当該複数のシャッタ装置のうちの第1のシャッタ装置の上記移動子を先幕とし、第2のシャッタ装置の上記移動子を後幕としたフォーカルプレンシャッタを構成することを特徴とするシャッタ装置。
  14. 上記先幕と上記後幕を共に同位相で駆動させる駆動制御手段を更に具備することを特徴とする請求項13に記載のシャッタ装置。
  15. 少なくとも上記先幕及び上記後幕は、封止部材によって封止されていることを特徴とする請求項13に記載のシャッタ装置。
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