JP4346155B2 - 研磨工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保持体の内部にブラシ要素の基端部を保持させて成る研磨工具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、この種の研磨工具を示したものである。この研磨工具の保持体Aは、金属により保持部Bと軸部Cとを一体に成形してある。保持部Bは、太径の円筒状を成しており、その先端部が開口する一方、その基端部が底壁Dによって閉塞されている。軸部Cは、研磨工具を研磨機械のコレットに保持させるための部分であり、保持部Bよりも細径の円柱状を成し、かつ該保持部Bにおける底壁Dの外面から軸心に沿って延在している。
【0003】
一方、研磨工具のブラシ要素Eは、天然の毛や繊維、あるいは合成樹脂製の毛や繊維、さらには金属製の細線等から成る多数の線状体である。このブラシ要素Eは、保持体Aにおける保持部Bの底壁Dに接着剤Fを塗布した後にそれぞれの基端部を保持部Bの内部に挿入し、さらに保持部Bの開口端部をかしめることにより、当該保持体Aに強固に保持されている。
【0004】
上記のように構成された研磨工具では、軸部Cを介してコレットに装着した後に研磨機械を駆動し、例えば軸部Cの軸心回りに回転させた状態でブラシ要素Eの先端部を研磨対象物に押圧すれば、各ブラシ要素Eの先端部が研磨対象物に摺接され、当該研磨対象物に所望の研磨加工を施すことができるようになる。
【0005】
通常、上述した研磨工具にあっては、使用に応じてブラシ要素Eが漸次摩耗するようになる。ブラシ要素Eの摩耗した研磨工具は、保持体Aの先端部が直接研磨対象物に接触して当該研磨対象物に損傷を来す虞れがあるため、保持体Aの先端面からのブラシ要素Eの突出量が所定の長さを下回った時点で新たな研磨工具と交換されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、保持体Aの保持部Bに収容されたブラシ要素Eの基端部(以下、単にブラシ要素Eの収容端部E′と称する)は、研磨に供される部分ではない。しかも、このブラシ要素Eの収容端部E′は、新たな研磨工具と交換した後において、再使用されることなくそのまま破棄される部分である。したがって、昨今の省資源化を考慮した場合、当該ブラシ要素Eの収容端部E′は、その長さを可及的に短くすることが好ましい。すなわち、研磨工具において保持部Bの軸方向長さを短くすれば、ブラシ要素Eの収容端部E′を短くすることができ、省資源化を図ることが可能になる。
【0007】
しかしながら、この種の研磨工具にあっては、研磨機械等の取付対象に対する汎用性を確保するため、その外形寸法が規格化されている場合が多い。つまり異なる機種の研磨機械に対しても研磨工具の使用を可能とするために、保持部Bの外径および長さ、軸部Cの外径および長さ、ブラシ要素Eの初期突出量、といった外形寸法が所定の規格を満足するように構成されている。
【0008】
このため、図3に示す従前の研磨工具にあっては、汎用性を確保した場合、ブラシ要素Eの収容端部E′を短くすることができず、省資源化を図ることが困難になる一方、省資源化を図った場合、汎用性が損なわれることになる。
【0009】
しかも、上記研磨工具では、例えばブラシ要素Eの初期突出量がaとなる研磨工具を製造する場合においても、保持体Aにおける保持部Bの軸方向長さがbであれば、ほぼa+bの長さを有したブラシ要素Eが必要になり、製造コストの低減を図ることも困難である。特に、樹脂材に研磨材としてダイヤモンドの粒子を混入したブラシ要素Eにあっては、単位長さあたりのコストがきわめて高価であるため、製造コストの著しい増大を招くことになるとともに、収容端部E′が無駄になるので経済的損失が著しい。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて、汎用性を損なうことなく、コストの低減および省資源化を図ることのできる研磨工具を提供することを解決課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明において請求項1に記載の発明では、先端部が開口し基端部が第1底壁によって閉塞されている保持部と該保持部における前記第1底壁の外面から軸心に沿って延在している軸部とを一体に成形した保持体と、一端部が第2底壁によって閉塞した有底の円筒状を成し、前記第2底壁を前記保持部の開口側に向けた状態で前記保持体の内部に配設されて前記第1底壁よりも開口側に位置する部位に前記第2底壁によって内部底壁を構成するインサートと、樹脂によって成形した多数の線状体にそれぞれ研磨材を混入したものであり、それぞれの線状体の基端部が前記保持部の内部に挿入されて前記内部底壁に接着剤で固定されるとともに前記保持部の開口端部がかしめられて、前記保持体に保持されているブラシ要素と、から成ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明に係る研磨工具の一実施形態を示したものである。ここで例示する研磨工具は、先に示した研磨工具と同様に、研磨機械のコレットに装着して使用するもので、保持体10とブラシ要素20とを備えている。
【0014】
保持体10は、金属により保持部11と軸部12とを一体に成形したものである。保持部11は、太径の円筒状を成しており、その先端部に開口13を有する一方、その基端部が底壁14によって閉塞されている。軸部12は、研磨工具を研磨機械のコレットに保持させるための部分であり、保持部11よりも細径の円柱状を成し、かつ該保持部11における底壁14の外面から軸心に沿って延在している。
【0015】
この保持体10には、保持部11の筒内部にインサート15を配設している。インサート15は、合成樹脂材によって成形したもので、一端部が底壁16によって閉塞した有底の円筒状を成している。インサート15は、上記保持部11の筒内部に嵌合する大きさの外径を有し、また保持部11における筒内部の軸方向長さよりも短い長さ、例えば本実施形態の場合、筒内部の軸方向長さに対して約1/2の長さを有している。このインサート15は、その底壁16を保持部11の開口13側に向けた状態で当該保持部11の筒内部に嵌合配置してあり、当該底壁16によって保持部11の筒内部に内部底壁16を構成している。
【0016】
一方、研磨工具のブラシ要素20は、樹脂によって成形した多数の線状体にそれぞれ研磨材としてダイヤモンドの粒子を混入したものである。このブラシ要素20は、保持体10における保持部11の内部底壁16に接着剤30を塗布した後にそれぞれの基端部を保持部11の内部に挿入して該接着剤30で固定し、さらに保持部11の開口端部をかしめることにより、当該保持体10に強固に保持されている。
【0017】
上記のように構成した研磨工具では、軸部12を介してコレットに装着した後に研磨機械を駆動し、例えば軸部12の軸心回りに回転させた状態でブラシ要素20の先端部を研磨対象物に押圧すれば、各ブラシ要素20の先端部が研磨対象物に摺接され、当該研磨対象物に所望の研磨加工を施すことができる。
【0018】
ここで、上記研磨工具によれば、保持体10における保持部11の筒内部にインサート15によって内部底壁16を構成するようにしているため、例えばブラシ要素20の初期突出量がaとなる研磨工具を製造する場合において、保持体10における保持部11の軸方向長さがbであれば、ほぼa+b/2の長さを有したブラシ要素20を用意すればよい。つまり、図3に示した従前の研磨工具に比べ、同一の外形寸法を有したものを製造する場合にブラシ要素20の長さを短縮することができ、その汎用性を損なうことなく、製造コストの低減を図ることが可能になる。しかも、ブラシ要素20の摩耗に伴って新たな研磨工具と交換した後においては、ほぼb/2の長さのブラシ要素20が破棄されるだけであり、従前の研磨工具に比べて省資源化にも寄与するようになる。
【0019】
なお、上述した実施の形態では、保持体の約1/2の長さとなる部位に内部底壁を設けるようにしているが、本発明ではこれに限定されず、その他の部位に内部底壁を設けるようにしても構わない。この場合、保持体の開口から内部底壁までの長さが小さいほど、製造コストの低減および省資源化が一層顕著になる。ただし、研磨工具のブラシ要素は、研磨加工の際、つまり研磨対象物に対して摺接される際に押圧および回転といったきわめて大きな力が加わる部分である。したがって、保持体の開口から内部底壁までの間には、これらの大きな力に抗してブラシ要素を充分に保持することのできる長さを確保しておく必要がある。
【0020】
また、上述した実施の形態では、インサートを配設することによって保持体に内部底壁を構成するようにしているため、既存の保持体に対しても何等の加工を施すことなく適用することが可能であるが、本発明では保持体と一体的に内部底壁を構成することも可能である。なお、インサートを適用する場合に上述した実施の形態では、樹脂製の有底円筒状を成すものを例示しているため、研磨工具の重量の増大を抑えることが可能であるが、樹脂以外の材質から成るものを適用してもよいし、中実のものを適用しても構わない。
【0021】
さらに、上述した実施の形態では、ブラシ要素として多数の樹脂製線状体から成るものを例示しているが、本発明ではこれに限定されない。例えば、ブラシ要素としては、基端部が互いに連結する一方、先端部が線状に分割したもの、あるいは帯状のものをコイル状に巻回させたもの、等々研磨対象物に対して研磨加工を施すことができる形態であればいかなるものであってもよい。多数の線状体を適用する場合には、天然の毛や繊維を適用してもよいのは従前と同様である。また、保持体として保持部が円筒状を成すものを例示しているが、必ずしも円筒状である必要はなく、ブラシ要素を保持することができるものであれば、いかなる形状のものであっても構わない。この場合、材質に関しても必ずしも金属製である必要はなく、樹脂によって構成することも可能である。さらに、必ずしも軸部を有している必要はない。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、底壁よりも開口側に位置する部位に内部底壁を設けるようにしているため、外形寸法の変更を要することなく、ブラシ要素において保持体の内部に収容させる部分の長さを短くすることができるようになる。この結果、汎用性を十分に確保しつつ、ブラシ要素が短いのでコストの低減および省資源化を図ることができ、特に、ダイヤモンドの粒子を混合したブラシ毛から成るきわめて高価なブラシ要素においては実用的価値の高いものとなる。
【0023】
また、保持体の内部にインサートを配設することによって内部底壁を構成しているので、既存の保持体に対しても適用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨工具の一実施形態を概念的に示した断面側面図である。
【図2】図1に示した研磨工具の分解斜視図である。
【図3】従来の研磨工具を概念的に示した断面側面図である。
【符号の説明】
10 保持体
11 保持部
12 軸部
13 開口
14 底壁
15 インサート
16 内部底壁
20 ブラシ要素
30 接着剤

Claims (1)

  1. 先端部が開口し基端部が第1底壁によって閉塞されている保持部と該保持部における前記第1底壁の外面から軸心に沿って延在している軸部とを一体に成形した保持体と、
    一端部が第2底壁によって閉塞した有底の円筒状を成し、前記第2底壁を前記保持部の開口側に向けた状態で前記保持体の内部に配設されて前記第1底壁よりも開口側に位置する部位に前記第2底壁によって内部底壁を構成するインサートと、
    樹脂によって成形した多数の線状体にそれぞれ研磨材を混入したものであり、それぞれの線状体の基端部が前記保持部の内部に挿入されて前記内部底壁に接着剤で固定されるとともに前記保持部の開口端部がかしめられて、前記保持体に保持されているブラシ要素と、から成ることを特徴とする研磨工具。
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