JP4356503B2 - 位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法 - Google Patents

位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法 Download PDF

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Description

本発明は、物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システムに係り、特に、微弱無線を用いて物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、物体間で極めて微弱なインパルス列を通信することを利用して相対的な位置変化を検出する位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法に関する。
LANを始めとするコンピュータ・ネットワーキングにより、情報資源の共有や機器資源の共有を効率的に実現することができる。ここで、旧来の有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。
近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
また、近年、「ウルトラワイドバンド(UWB)通信」と呼ばれる、極めて微弱なインパルス列に情報を載せて無線通信を行なう方式が、近距離超高速伝送を実現する無線通信システムとして注目され、その実用化が期待されている。
米国では、2002年2月にFCC(Federal Communication Commission:米国連邦通信委員会)がUWBシステム関する規制緩和を行なった(例えば、非特許文献1を参照のこと)。規制緩和の内容としては3.1GHzから10.6GHzまで−41.3[dBm]の出力の電波を放射することを許可するものである(図10を参照のこと)。現在、IEEE802.15.3などにおいて、ウルトラワイドバンド通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。
一方、UWBシステムは、超極細パルスを用いることにより高い時間分解能を持ち、この性質を使ってレーダやポジショニングを行なう「測距(Ranging)」をすることが可能である。特に、最近のUWB通信では、100Mbps超の高速データ伝送と元来の測距機能を併せ持つことができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。
将来、UWBに代表される近距離通信のWPAN(Wireless Personal Access Network)はあらゆる家電品やCE(Consumer Electronics)機器に搭載されることが予想される。したがって、高速データ伝送とは別に、測距による位置情報の利用、例えばナビゲーションや近距離通信(Near Field Communication:NFC)のような無線の付加価値を生むことが考えられ、高速データ伝送とともに測距機能も実装することが望ましいと思料される。
特表2002−517001号公報 佐々木重信、井家上哲史、眞田幸俊共著「UWBシステムと技術に関する国際会議(UWBST2002)報告」(SST2002−19,2002年7月) http://grouper.ieee.org/groups/802/15/pub/SG4a.html
本発明の目的は、物体間で極めて微弱なインパルス列の通信を利用して物体間の相対的な位置変化を検出することができる、優れた位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、無線信号を用いて物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システムであって、
正負のパルス成分の組み合わせからなり所定のパルス幅を持つ一対のパルス信号を送信する送信機と、
前記パルス幅の半分の長さだけずれた複数のテンプレート信号を生成し、前記送信機からのパルス信号の受信波形と各テンプレート信号との相関をとり、各テンプレート信号における相関結果が特定のパターンとなることにより同期を獲得するとともに、同期を獲得する際のタイミング調整量に基づいて送受信機間の距離の変化を検出する受信機と、
を具備することを特徴とする位置特定システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
ここで、受信機は、送信機から送られてくるパルス信号のパルス幅以上の長さを持つテンプレート信号を生成する。
受信機は、受信パルス幅以上の幅を持つテンプレート波形を用いて受信波形との相関処理を行なうが、受信信号の復号することを特に目的としておらず、パルスの存在のみを検出すればよいことから、問題はない。また、テンプレート波形を受信パルス幅以上とすることにより、低クロック駆動の回路でテンプレート波形を構成することができ、低消費電力化を図ることができる。
また、受信機は、パルス幅以上の長さを持つテンプレート信号を、デジタル矩形波として生成するようにしてもよい。
このような場合、テンプレート波形を生成する符号発生回路をデジタル回路で構成することができる。したがって、符号発生回路をアナログ回路で構成した場合におけるような、微分器の調整などの問題を解消することができる。また、符号発生回路をデジタル回路で構成することにより、クロックの高速化による高精度化や回路規模など、プロセス技術の恩恵を受けることができる。
本発明に係る位置特定システムにおいて、受信機は、受信パルス幅以上の幅を持つ、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)を生成し、それぞれを受信波形と乗算し、さらに時間積分する。このような場合、受信したパルス波とタイミングが一致するテンプレート波形l(t)との乗算の積分d(0)は0となるが、これよりもパルス幅半分だけタイミングが早いテンプレート波形l(t−Δ)との乗算の積分d(−Δ)は負、パルス幅半分だけタイミングが遅いテンプレート波形l(t+Δ)との乗算の積分d(Δ)は正となる。このような特性を利用して、同期獲得を行なうことができる。
すなわち、d(−Δ)<0、d(0)=0、d(Δ)>0(あるいは、d(−Δ)>0、d(0)=0、d(Δ)<0)というパターンになったことにより、同期の獲得を検出することができる。また、d(−Δ)=0、d(0)>0、d(Δ)=0であればテンプレート信号のタイミングを遅め、d(−Δ)=0、d(0)<0、d(Δ)<0であれば逆にのタイミングを早めるようにすればよい。
本発明によれば、物体間で極めて微弱なインパルス列の通信を利用して物体間の相対的な位置変化を検出することができる、優れた位置特定システム、並びに受信機及び受信方法及び受信方法及び受信方法を提供することができる。
本発明に係る位置検出システムによれば、送信機側は、UWB送信機に比べ、パルス発生器と、フィルタと、増幅器とが省略され、アンテナの構成を簡素にすることができる。すなわち、装置の設計・製造コストやサイズを削減するという効果が得られる。
また、本発明に係る位置検出システムによれば、受信機側は、受信パルスとの同期獲得を行なうための相関処理用のテンプレート波形として、デジタル回路により生成した矩形波信号を直接用いることができる。これにより、設計や制御が困難となるアナログ回路部分を削減した受信機構成とすることにより、設計・製作コストを削減できるとともに、位置特定のための制御を簡素化することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システムに係り、より具体的には、物体間で極めて微弱なインパルス列を無線通信することより物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システムに関する。
図1には、一般的なUWBシステム用送信機の構成例を模式的に示している。図示の送信機は、クロック発生器1と、PN信号発生器2と、パルス発生器3と、フィルタ4と、増幅器5と、インピーダンス・マッチング回路6と、アンテナ7で構成される。この送信機構成によれば、物体間で極めて微弱なインパルス列に情報を載せて無線通信を行なうことにより物体間の相対的な位置変化を検出することができる。
まず、クロック発生器1からは、所定周波数のクロック信号が発生される。PN信号発生器2は、クロック発生器1の出力する所定周波数のクロック信号を用い、既知のPN符号に従って矩形波を発生する。送信データがあるときには、送信データによってPN符号が変調される。パルス発生器3は、PN信号発生器2から入力されるデジタル信号を表わすパルス信号を出力する。パルス変調の方式としては、パルスの位相に変化を加えることで送信データの0/1を表現する位相変調や、パルスの位置に変化を加えることで多値を表現するタイミング変調などが用いられる。フィルタ4は、パルス発生器3から出力されるパルス列を入力し、例えばFCC規制(図10を参照のこと)に適合する周波数の信号成分だけを取り出す。そして、フィルタ4の出力は、増幅器5により増幅され、さらにインピーダンス・マッチング回路6によりマッチング処理が施された後、アンテナ7を介して無線伝送路に送出される。
UWB伝送方式では、所定のパルス幅のインパルス列を所定のパルス周期で繰り返して送信することにより、ある情報ビットを構成する信号列が示される。図2には、図1に示した送信機から送出される送信信号の波形例を示している。
ここで、FCCのUWBに関する規制に適合するために3.1GHzから10.6GHzという高周波数の信号を発生しなければならない。このため、図1に示した送信機回路の構成では、パルス発生器3により高周波数パルスを生成しなければならず消費電力が増大する。また、FCC規制に適合する信号成分を取り出すためにフィルタ4を通さなければならず、送信電力ロスが大きい、という問題がある。
図3には、UWBシステム用送信機についての他の構成例を模式的に示している。図示の送信機は、クロック発生器1と、PN信号発生器2と、インピーダンス・マッチング回路6と、アンテナ7で構成される。
まず、クロック発生器1からは、所定周波数のクロック信号が発生される。PN信号発生器2は、クロック発生器1の出力する所定周波数のクロック信号を用い、既知のPN符号に従って矩形波を発生する。
発生された矩形波は、インピーダンス・マッチング回路6によりマッチング処理が施された後、アンテナ7を介して無線伝送路に送出される。
ここで、アンテナ7には、送信信号を波形成形するという一般的な性質がある。例えば、ダイポール・アンテナなどのキャパシタンス型のアンテナの場合、入力された信号を微分出力するという特性がある。
したがって、PN信号発生器2により出力される矩形波形が図4に示す通りであったとすると、キャパシタンス型のアンテナ7により送出することにより、微分により矩形のエッジ部分が強調され、図5に示す通りとなる。すなわち、パルス発生器を用いなくとも、PN符号又はこれに代わる既知のデジタル信号からアンテナ7による波形成形でパルスを出力することができる。
図2に示す送信機構成では、図1に示したUWB送信機に比べ、パルス発生器3と、フィルタ4と、増幅器5とが省略されているという点に充分留意されたい。フィルタ4がないことにより、FCC規制に適合する周波数の信号成分だけを取り出すことはできないが、このこと自体は日本の規制には反しない。
図10からも分かるように、FCCにおけるUWB規制と相違し、日本国内では放射周波数の制限がないため、送信機のフィルタが不要であり、また、アンテナの構成を簡素にすることができる。そして、PN信号発生器の矩形波出力をそのままアンテナより放射することにより、微弱なパルス信号を送出することが可能である。すなわち、システムのコストやサイズを削減するという効果が得られる。また、図3に示した送信機は、搬送波を使用しないことから、従来のCDMAとも相違する。
一方、受信機側では、図1又は図2に示した送信機から出力された微弱なパルス信号を受信し、復調・復号処理を施すことで、送信機との相対的な位置変化を検出することができる。
図6には、位置特定システムの受信機側の構成例を模式的に示している。図示の通り、受信機は、アンテナ11と、フィルタ12と、低雑音アンプ13と、相関器14と、アンプ15と、テンプレート波形発生器16と、積分器17と、クロック発生器18と、PN符号発生器19とで構成される。
アンテナ11で受信された信号は、フィルタ12を通過して送信パルス信号成分以外の周波数成分が除去される。フィルタ12を通過した信号は、さらに低雑音アンプ13によって増幅され、相関器14の第1の端子に入力される。
他方、クロック発生器18からは所定周波数のクロック信号が出力されるとともに、PN符号発生器19からは送信機側と共通となるPN符号又はこれに代わる既知のデジタル信号が出力される。テンプレート波形発生器16は、アナログ回路で構成されるが、これらクロック信号並びにPN符号などのデジタル矩形信号に基づいて、受信波形と相関をとるためのアナログ的なテンプレート波形を生成する。クロック発生器18は、VCTCXO(電流制御発振器)などの周波数可変型のクロック発生器であるとする。
相関器14では、第1の端子から入力される受信波形と、第2の端子から入力されるテンプレート波形を乗算し、その結果をアンプ15に出力する。アンプ15はこの出力信号を増幅し、積分器17はさらにこれを時間積分して、積分値を出力し、これをクロック発生器18に帰還する。
受信波形とテンプレート波形との相関は、受信波形とテンプレート波形とのタイミングのずれ量に相当することから、クロック発生器18では、積分器17からの積分出力に従って、相関値がゼロとなるようにクロック発生タイミングを調整する。
図7(a)には、受信機において受信した信号の波形を示している。また、図7(b)には、受信機において受信波形と相関処理を行なうために生成されたテンプレート波形の例を示している。また、図7(c)には、相関器14より出力される、受信波形とテンプレート波形との相関出力を示している。
ここで、受信波形を時間の関数r(t)と表すと、テンプレート波形l(t)は、l(t)=r(t−Δ)−r(t+Δ)として表される。ここで、δは受信波形とテンプレート波形とのタイミングのずれ量である。受信波形とテンプレート波形との相関は、受信波形とテンプレート波形とのタイミングのずれ量に相当し、相関器14の出力d(Δ)は下式のように表される。
Figure 0004356503
図7(c)に示すように、受信パルス波形はテンプレート波形のタイミングが一致(同期)すれば、相関器14の出力波形は0になる。したがって、積分器17の出力のゼロクロス点をトラッキングし、積分器17の出力が正の値を示すときにはクロック発生器18のタイミングを早め、また、負の値を示すときにはタイミングを遅らせる、という操作を行なうことにより、同期を獲得することができる。
このような制御ループは遅延ロック・ループと呼ばれる。テンプレート波形と受信波形との間で相関がとられ、パルス位置並びに位相の同期が獲得されると、遅延ロック・ループでは同期の保持を行なう。
これに対し、送信機と受信機の間の距離が変化すると、再びテンプレート波形と受信波形との間でタイミングのずれが発生する。すなわち、タイミングのずれ量は送受信機間の相対位置の変化量に相当する。このクロック発生タイミングの調整量を取り出して、送受信機間の距離の変化を測定することができる。例えば、ある時点で送信機と受信機間で同期タイミングのキャリブレーションを行なった後、タイミングのずれを継続的に測定していくことにより、受信機に対する送信機の位置移動を検出若しくはトラッキングを行なうことができる。これがUWB通信を用いた位置特定システムの仕組みである。
ここで、図6に示した受信機においては、テンプレート波形発生器16は、アナログ回路で構成され、クロック信号並びにPN符号などのデジタル矩形信号に基づいて、受信波形と相関をとるためのアナログ的なテンプレート波形を生成する(アナログ的なパルス波形を生成する点については、例えば、米国特許第5,365,240号公報を参照のこと)。ところが、アナログ回路は設計が難しく、また、この場合は微分器の調整など制御が困難となり、受信機側で機器設計や製作のコストが増大する、という問題がある。因みに、図3に示した送信機においては、アンテナが微分器の役割を実質的に果たしていることから、微分されたパルス波形を送信するためのアナログ回路部分が削減されている。
図8には、位置特定システムの受信機についての他の構成例を模式的に示している。図示の通り、受信機は、アンテナ21と、フィルタ22と、低雑音アンプ(LNA)23と、乗算器24と、アンプ25と、積分器26と、クロック発生器27,符号発生器28とで構成される。図示の受信機は、テンプレート波形生成のためのアナログ回路部分が省力されているという点で、図6に示した受信機とは大いに相違する。また、図8に示す受信機は、送信機との相対的な位置変化を検出することを主目的として構成され、受信信号を復調・復号処理を施してデータを復元することは特に考慮されていない。また、送信機からは、図2又は図5に示したように、正負の各成分を持つ一対のパルス信号を単位として送信するものとする。
アンテナ21で受信した信号は、フィルタ22を通過し、送信パルス信号成分以外の周波数成分が除去される。フィルタ22を通過した信号は、低雑音アンプ23によって増幅され、乗算器4の第1の端子に入力される構成される。
他方、クロック発生器26からは所定周波数のクロック信号が出力され、符号発生器28に入力される。クロック発生器26は、VCTCXO(電流制御発振器)などの周波数可変型のクロック発生器であるとする。符号発生器28は、デジタル回路で構成され、送信機から送信される正負成分を持つ一対のパルス信号のパルス幅の半分ずつタイミングがずれた、受信パルス幅以上の幅を持つ3種類のデジタル矩形波からなるテンプレート信号を発生する。そして、符号発生器28の出力は、乗算器24の第2の端子に入力される。
乗算器24では、第1の端子から入力される受信波形と、第2の端子から入力されるタイミングがずれた3種類のテンプレート波形をそれぞれ乗算し、第3の端子より出力する。乗算器24の出力はアンプ25によって増幅され、さらに積分器26によって時間積分し、これをクロック発生器27に帰還する。
クロック発生器27は、積分器6の出力に従って、クロック発生タイミングを調整する。このタイミング調整量により送受信期間の距離を測定する。このクロック発生タイミングを調整する仕組みについて、図9に示した受信機内の動作タイミング・チャートを参照しながら説明する。
図9最上段は、送信機からの受信信号rを示している。上述したように、送信機からは、正負の各成分を持つ一対のパルス信号を単位として送信される。一対のパルス信号は、図示のように正、負の順で構成される他、負、正の順で構成されていてもよい。
これに対し、受信機側では、符号発生器28が、送信機から送信されるパルス信号のパルス幅の半分に相当する時間Δずつタイミングがずれた、3種類のテンプレート信号l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)を発生する。これら各テンプレート信号は、図8の第2〜第4段に示すように、デジタル矩形波からなり、受信パルス幅以上の幅を持つ。
そして、乗算器24では、送信機から送られるパルス信号の受信波形と、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)をそれぞれ乗算する。乗算器24の出力はアンプ25によって増幅され、積分器26によって時間積分し、以下に示すような3種類の積分結果を出力する。
Figure 0004356503
ここで、符号発生器28が生成するテンプレート波形は、受信パルス幅以上の幅を持つことから、受信したパルス波とタイミングが一致するテンプレート波形l(t)との乗算の積分は0となり、これよりもパルス幅半分だけタイミングが早いテンプレート波形l(t−Δ)との乗算の積分は負、パルス幅半分だけタイミングが遅いテンプレート波形l(t+Δ)との乗算の積分は正となる。
Figure 0004356503
積分器27の出力のゼロクロス点をトラッキングして、受信信号との同期タイミングを獲得する。この際、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)と受信波形との乗算の3種類の積分結果が上式に示すように、d(−Δ)<0、d(0)=0、d(Δ)>0(あるいは、d(−Δ)>0、d(0)=0、d(Δ)<0)というパターンになったことにより、同期の獲得を検出することができる。
また、d(−Δ)=0、d(0)>0、d(Δ)=0であれば、クロック発生器27のテンプレート信号のタイミングを遅め、d(−Δ)=0、d(0)<0、d(Δ)<0であれば、逆にクロック発生器27のタイミングを早める。
このように、遅延ロック・ループにより、テンプレート波形と受信波形との間で相関がとられ、パルス位置並びに位相の同期が獲得されると、遅延ロック・ループでは同期の保持を行なう。
これに対し、送信機と受信機の間の距離が変化すると、再びテンプレート波形と受信波形との間でタイミングのずれが発生する。すなわち、タイミングのずれ量は送受信機間の相対位置の変化量に相当する。このクロック発生タイミングの調整量を取り出して、送受信機間の距離の変化を測定することができる。例えば、ある時点で送信機と受信機間で同期タイミングのキャリブレーションを行なった後、タイミングのずれを継続的に測定していくことにより、受信機に対する送信機の位置移動を検出若しくはトラッキングを行なうことができる。
上述したように、図8に示した受信機は、受信パルス幅以上の幅を持つ、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)をそれぞれ受信波形と乗算し、受信したパルス波とタイミングが一致するテンプレート波形l(t)との乗算の積分は0となり、これよりもパルス幅半分だけタイミングが早いテンプレート波形l(t−Δ)との乗算の積分は負、パルス幅半分だけタイミングが遅いテンプレート波形l(t+Δ)との乗算の積分は正となるという特性を利用して、同期獲得を行なう。
ここで、相関処理に用いられるテンプレート波形は、デジタル矩形波からなることから、テンプレート波形を生成する符号発生回路28をデジタル回路で構成することができる。したがって、図6に示したように、符号発生回路をアナログ回路で構成した場合の、微分器の調整など制御が困難となり、受信機側で機器設計や製作のコストが増大する、という問題を解消することができる。なお、符号発生回路28をデジタル回路で構成することにより、クロックの高速化による高精度化や回路規模など、プロセス技術の恩恵を受けることができる。
また、図8に示した受信機では、受信パルス幅以上の幅を持つテンプレート波形により受信波形との相関処理を行なっているが、受信信号を復調・復号処理を施してデータを復元すること自体を目的としておらず、パルスの存在のみを検出することから、問題はない。また、テンプレート波形を受信パルス幅以上とすることにより、符号発生器28を低クロック駆動の回路で構成することができ、低消費電力化を図ることができる。
図3に示したような送信機と図8に示したような受信機の組み合わせにより、簡素な回路構成からなる位置特定システムを構築することができる。したがって、情報通信機器だけではなく、さまざまな家電製品やCE機器に当該位置特定システムを搭載することが可能となる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、UWBシステム用送信機の構成例(従来例)を模式的に示した図である。 図2は、図1に示した送信機から送出される送信信号の波形例を示した図である。 図3は、UWBシステム用送信機についての他の構成例を模式的に示した図である。 図4は、PN信号発生器2により出力される矩形波形の例を示した図である。 図5は、に示した送信機によるアンテナ出力信号の波形の例を示した図である。 図6は、位置特定システムの受信機側の構成例を模式的に示した図である。 図7は、図6に示した受信機における受信波形と、テンプレート波形と、これらの相関出力の例を示した図である。 図8は、位置特定システムの受信機についての他の構成例を模式的に示した図である。 図9は、図8に示した受信機内の動作タイミング・チャートを示した図である。 図10は、日本における微弱無線の規制値とFCCにおける放射レベルに関するUWB規制値の比較を示した図である。
符号の説明
1…クロック発生器
2…PN信号発生器
3…パルス発生器
4…フィルタ
5…増幅器
6…インピーダンス・マッチング回路
7…アンテナ
11…アンテナ
12…フィルタ
13…低雑音アンプ
14…相関器
15…アンプ
16…テンプレート波形発生器
17…積分器
18…クロック発生器
19…PN符号発生器
21…アンテナ
22…フィルタ
23…低雑音アンプ
24…乗算器
25…アンプ
26…積分器
27…クロック発生器
28…波形発生器

Claims (9)

  1. 無線信号を用いて物体間の相対的な位置変化を検出する位置特定システムであって、
    正負のパルス成分の組み合わせからなり所定のパルス幅を持つ一対のパルス信号を送信する送信機と、
    前記パルス幅の半分ずつずれた複数のテンプレート信号を生成し、前記送信機からのパルス信号の受信波形と各テンプレート信号との相関をとり、各テンプレート信号における相関結果が特定のパターンとなることにより同期を獲得するとともに、同期を獲得する際のタイミング調整量に基づいて送受信機間の距離の変化を検出する受信機と、
    を具備し、
    d(−Δ)<0、d(0)=0、d(Δ)>0になったことにより同期の獲得を検出し、d(−Δ)=0、d(0)>0、d(Δ)=0であればテンプレート信号の同期タイミングを遅め、d(−Δ)=0、d(0)<0、d(Δ)<0であれば同期タイミングを早める、
    ことを特徴とする位置特定システム。
  2. 前記受信機は、前記パルス幅以上の長さを持つテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置特定システム。
  3. 前記受信機は、デジタル矩形波からなるテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置特定システム。
  4. 送信機との間の相対的な位置変化を検出する受信機であって、
    送信機から送信される、正負のパルス成分の組み合わせからなり所定のパルス幅を持つ一対のパルス信号を受信する受信手段と、
    前記パルス幅の半分ずつずれた複数のテンプレート信号を生成するテンプレート信号生成手段と、
    前記送信機からのパルス信号の受信波形と各テンプレート信号との相関をとる相関処理手段と、
    各テンプレート信号における相関結果が特定のパターンとなることにより同期を獲得する同期獲得手段と、
    前記同期獲得手段により同期を獲得する際のタイミング調整量に基づいて送受信機間の距離の変化を検出する測距手段と、
    を具備し、
    前記テンプレート信号生成手段は、受信パルス幅以上の幅を持つ、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)を生成し、
    前記相関処理手段は、該3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)と受信波形との乗算結果をそれぞれ時間積分し、
    前記同期獲得手段は、d(−Δ)<0、d(0)=0、d(Δ)>0になったことにより同期の獲得を検出し、d(−Δ)=0、d(0)>0、d(Δ)=0であればテンプレート信号の同期タイミングを遅め、d(−Δ)=0、d(0)<0、d(Δ)<0であれば同期タイミングを早める、
    ことを特徴とする受信機。
  5. 前記テンプレート信号生成手段は、前記パルス幅以上の長さを持つテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の受信機。
  6. 前記テンプレート信号生成手段は、デジタル矩形波からなるテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の受信機。
  7. 送信機との間の相対的な位置変化を検出するための受信方法であって、
    送信機から送信される、正負のパルス成分の組み合わせからなり所定のパルス幅を持つ一対のパルス信号を受信する受信ステップと、
    前記パルス幅の半分ずつずれた複数のテンプレート信号を生成するテンプレート信号生成ステップと、
    前記送信機からのパルス信号の受信波形と各テンプレート信号との相関をとる相関処理ステップと、
    各テンプレート信号における相関結果が特定のパターンとなることにより同期を獲得する同期獲得ステップと、
    前記同期獲得ステップにおいて同期を獲得する際のタイミング調整量に基づいて送受信機間の距離の変化を検出する測距ステップと、
    を有し、
    前記テンプレート信号生成ステップでは、受信パルス幅以上の幅を持つ、受信パルス幅の半分Δずつタイミングがずれた3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)を生成し、
    前記相関処理ステップでは、該3種類のテンプレート波形l(t−Δ)、l(t)、l(t+Δ)と受信波形との乗算結果をそれぞれ積分し、
    前記同期獲得ステップでは、d(−Δ)<0、d(0)=0、d(Δ)>0になったことにより同期の獲得を検出し、d(−Δ)=0、d(0)>0、d(Δ)=0であればテンプレート信号の同期タイミングを遅め、d(−Δ)=0、d(0)<0、d(Δ)<0であれば同期タイミングを早める、
    ことを特徴とする受信方法。
  8. 前記テンプレート信号生成ステップでは、前記パルス幅以上の長さを持つテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の受信方法。
  9. 前記テンプレート信号生成ステップでは、デジタル矩形波からなるテンプレート信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の受信方法。
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