JP4358433B2 - シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの充填剤含有組成物及びその成形された物品 - Google Patents

シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの充填剤含有組成物及びその成形された物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの充填剤含有組成物及びその成形された物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
多数の特許及び特許出願が、表面処理又は未処理の鉱物又は無機の充填剤を含むシンジオタクチックポリマー組成物を開示しており、特開昭62−257948号公報、WO9637552号、米国特許第A5326813号、ヨーロッパ特許第A384208号、米国特許第A5395890、5200454、5412024号、ヨーロッパ特許第557836号、特開平8−319386号公報、米国特許第A5109068号、ヨーロッパ特許第A775728、307488号、特開平5−186658号公報、ヨーロッパ特許第A583484、591823、583484、591823号、特開平6−116454号公報特開平8−157668号公報、ヨーロッパ特許第A611802号、WO8902901号、並びに特開平7−062175号公報を含む。これらの充填剤は、熱抵抗性を高めそして機械的性質を改良するが、しかし、それらはまた貧弱な表面の品質及び/又は非常に貧弱な熱老化抵抗性を有する成形された物品を生成する。
【0003】
特開平5−279530号公報は、シンジオタクチックスチレンポリマーと組み合わされたチタン酸カリウム又は炭酸カルシウムのような鉱物充填剤を開示しているが、それらは、自動車のライトハウジング用の熱抵抗性及び機械的性質を維持しつつ、必要な表面の滑らかさを有する物質を生ずる。しかし、これらの充填剤は、適切な熱老化安定性を提供しない。
ヨーロッパ特許第A633295号は、電子部品用の熱可塑性又は熱硬化性の樹脂における珪灰石、ゾノトライト又はほう酸アルミニウムのウィスカーの使用を開示している。しかし、ほう酸アルミニウムのウィスカーは、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーに必要な熱老化安定性を提供しない。
そのため、熱抵抗性、機械的性質、良好な表面の滑らかさと優れた熱老化安定性のバランスを有する成形された物品を生成する充填剤含有モノビニリデン芳香族ポリマー組成物を必要とする。
【0004】
【課題を解決をするための手段】
本発明は、A)シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマー、及び
B)珪酸カルシウム充填剤
を含む組成物である。
本発明の他の局面は、それから成形された物品である。
驚くべきことに、珪酸カルシウム充填剤は、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの熱老化安定性を改良する一方、熱抵抗性、機械的性質を改良しそしてそれからの成形された物品の表面の滑らかさを維持する。
一つの態様では、本発明は、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマー、及び珪酸カルシウム充填剤を含む組成物である。
成分A)は、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーである。本明細書で使用されるとき、用語「シンジオタクチック」は、13C核磁気共鳴スペクトル法により測定して、ラセミトリアッドの90%より多いシンジオタクチック好ましくは95%より多いシンジオタクチックの立体規則性構造を有するポリマーをいう。
【0005】
シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーは、ビニル芳香族モノマー、即ちその化学構造が不飽和部分及び芳香族部分の両者を有するモノマーのホモポリマー及びコポリマーである。好ましいビニル芳香族モノマーは、式
C=CR−Ar
(式中、Rは水素又は1−4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてArは6−10個の炭素原子の芳香族基である)を有する。これらビニル芳香族モノマーの例は、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、及びジビニルベンゼンである。シンジオタクチックポリスチレンが、現在好ましいシンジオタクチックビニール芳香族ポリマーである。シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーを製造する代表的な重合方法は、当業者に周知であり、そして米国特許第A4680353、5066741、5206197及び5294685号に記載されている。
シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーは、また長鎖分枝ポリマーを含む。長鎖分枝は、シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーを製造するのに十分な条件下で少量の多官能性モノマーの存在下ビニル芳香族モノマーを重合することにより達成できる。多官能性モノマーは、重合条件下でビニル芳香族モノマーと反応できる一つより多いオレフィン性官能性を有する任意の化合物である。代表的には、多官能性モノマーは、2−4オレフィン性官能性を含み、式(1)
【0006】
【化1】
Figure 0004358433
【0007】
(式中、Rはビニル基であるか又は末端ビニル基を含む2−20個の炭素原子を含む基であり、2−20個の炭素原子を含む基は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、又は芳香族であることができ、シクロアルキル基は少なくとも5個の炭素原子を含みそして芳香族基は少なくとも6個の炭素原子を含み、nは1−3の整数であり、R基は式(1)のビニル基に関してメタ又はパラであり、さらにnが1より大きいとき、Rは同じか又は異なってもよい)
により示される。好ましくは、Rはビニル基である。
好ましくは、多官能性モノマーは、nが1に等しい、2個の末端ビニル基を含む。代表的には、これらのモノマーは、2官能性ビニル芳香族モノマー例えばジ−ビニル−ベンゼン又はジ−スチリル−エタンを含む。
【0008】
多官能性モノマーの量は、製造されるべきポリマーの重量平均分子量(Mw)に依存しようが、代表的には、ビニル芳香族モノマーの量に基づいて、10ppmから、好ましくは50ppmから、さらに好ましくは75ppmから、そして最も好ましくは100ppmから、1000ppmまで、好ましくは800ppmまで、さらに好ましくは500ppmまで、そして最も好ましくは650ppmまでである。
多官能性モノマーは、重合中多官能性モノマーをビニル芳香族モノマーと反応させて長鎖分枝ポリマーを生成する任意の方法により重合中に導入できる。例えば、多官能性モノマーは、先ず重合前にビニル芳香族モノマーに溶解するか、又は重合前又はその間に重合反応器中に別々に導入できる。さらに、多官能性モノマーは、重合で使用される不活性溶媒例えばトルエン又はエチルベンゼンに溶解できる。
【0009】
シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーを生成する任意の重合方法は、多官能性モノマーが重合中にさらに存在する限り、本発明の長鎖分枝ポリマーを生成するのに使用できる。
分枝シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーは、ポリマー骨格に結合したシンジオタクチックビニル芳香族ポリマー鎖の延長を含む。長鎖分枝シンジオタクチックビニル芳香族ポリマーは、概して、少なくとも10モノマー繰り返し単位、好ましくは少なくとも100モノマー繰り返し単位、さらに好ましくは少なくとも300モノマー繰り返し単位そして最も好ましくは少なくとも500モノマー繰り返し単位の鎖延長を含む。
組成物に使用されるシンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの重量平均分子量は、厳密を要しないが、50000から、好ましくは100000、さらに好ましくは125000から、そして最も好ましくは150000から、3000000まで、好ましくは1000000まで、さらに好ましくは500000まで、そして最も好ましくは350000までである。
【0010】
成分B)は、CaO・SiO例えば珪灰石(wollastonite)又はその水和物例えばゾノトライト(zonotolite)の鉱物充填剤である。珪酸カルシウムは、白色の非円形(acircular)の結晶として天然に生じ、それは線維又はブロックに形成できる。珪酸カルシウムは、天然の結晶として使用できるか、又は粉砕しそして所望のサイズの選択に分類される。合成珪酸カルシウムも使用できる。好ましくは、珪酸カルシウム充填剤は、珪灰石である。珪灰石は、使用される粉砕法及び採取源に従って縦横比が変化するが、一般にb−珪灰石であり、その大きな補強効果の点からより大きな縦横比を有するものが好ましい。
珪酸カルシウム充填剤は、またサイジング剤又は同様な被覆物の表面の被覆により被覆されることができ、それは、他の機能の中で、珪酸カルシウム充填剤と他の成分、特に組成物のシンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーマトリックスとの間の接着を促進できる。サイジング剤は、混合時に珪酸カルシウム充填剤を供給する能力を顕著に改善できる。好適な被覆物は、シラン基、アミノ基又はエポキシ基を含むサイジング剤を含む。混合時の改善された供給のために、シラン基を含むサイジング剤が好ましい。これら充填剤を被覆する方法は、当業者に周知である。
【0011】
本発明の組成物は、概して、組成物の全重量に基づいて、60重量%から、好ましくは65重量%から、最も好ましくは70重量%から95重量%まで、好ましくは90重量%までそして最も好ましくは85重量%までのシンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーを含む。さらに、組成物は、組成物の全重量に基づいて、5重量%から、好ましくは10重量%から、そして最も好ましくは15重量%から40重量%、好ましくは35重量%までそして最も好ましくは30重量%の珪酸カルシウム充填剤を含む。
珪酸カルシウムは、珪酸塩をポリマー中に適切に分散する任意の方法によりシンジオタクチックビニル芳香族ポリマーと組み合わされる。概して、珪酸カルシウムは、混合前にポリマーと組み合わされるか、又は混合時にポリマー溶融物中に供給されるかの何れかである。好ましくは、珪酸カルシウムは、ポリマー溶融物中に供給される。
【0012】
所望により、本発明の組成物は、また他の変性剤、例えば延性変性剤を、組成物の全重量に基づいて0−35重量%の量で含むことができる。これらの延性変性剤は、米国特許第A5460818号に記載されたような任意のエラストマー性ポリオレフィンである。エラストマー性ポリオレフィンは、25℃より低い好ましくは0℃より低いTgを有する、重合された形の1種以上のC2−20α−オレフィンを含む任意のポリマーを含む。エラストマー性ポリオレフィンの例は、エラストマー性ポリオレフィンが選択されるポリマーのタイプの例は、α−オレフィンのホモポリマー及びコポリマー、例えばエチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン又はエチレン/1−オクテンコポリマー、並びにエチレン、プロピレン及びコモノマー例えばヘキサジエン又はエチリデンノルボルネンのターポリマーを含む。前記のゴム状ポリマーのグラフト化誘導体、例えばポリスチレン−、無水マレイン酸−、ポリメチルメタクリレート−又はスチレン/メチルメタクリレートコポリマーグラフト化エラストマー性ポリオレフィンも使用できる。
【0013】
成分C)の好ましいエラストマー性ポリオレフィンは、狭い分子量分布及び均一な枝分かれ分布を特徴とするようなポリマーである。好ましいエラストマー性ポリオレフィンは、0.85−0.89g/cmの密度及び0.5−20g/10分の溶融指数を有する線状又は実質的に線状のエチレンインターポリマーである。これらのポリマーは、好ましくは、例えば米国特許第A5272236及び5278272号に開示されているような連続溶液重合法によって周期律表第4族の金属束縛幾何学錯体を使用して製造されるものである。一般に、成分C)のエラストマー性ポリオレフィンは、0.860−0.895g/cm、好ましくは0.895g/cmより小さい、さらに好ましくは0.885g/cmより小さいそして最も好ましくは0.88g/cmより小さい密度を有する。
【0014】
溶融指数の値が測定条件を与えることなく本明細書で特定されるとき、ASTM D−1238、条件190℃/2.16kg(従来「条件(E)」として知られておりそしてまたI2として知られている)で定義された溶融指数を意味する。
成分C)を記述するのに本明細書で使用される用語「実質的に線状」のエチレンポリマー又はインターポリマーは、インターポリマー中の意図的に加えられたα−オレフィンコモノマーの挿入に起因する短鎖の枝分かれに加えて、ポリマーの骨格は、平均して、1000個の炭素当たり0.01−3個の長鎖枝分かれ、さらに好ましくは0.01−1個の長鎖枝分かれ、そして特に0.05−1個の長鎖枝分かれにより置換されている。用語「実質的に線状」とは対照的に、用語「線状」は、ポリマーが測定可能な又は立証可能な長鎖枝分かれを欠く、即ちポリマーが平均して1000個の炭素当たり0.01個より少ない長鎖枝分かれにより置換されていることを意味する。
【0015】
長鎖枝分かれは、最長の意図的に加えられたα−オレフィンコモノマー中の炭素の数より少なくとも1個の炭素が少ない鎖長として本明細書で定義されるが、短鎖枝分かれは、任意の意図的に加えられたα−オレフィンコモノマーがポリマー分子骨格中に配合された後それから形成される枝分かれ中の同じ数の炭素の鎖長として本明細書で定義される。例えば、エチレン/1−オクテンの実質的に線状のポリマーは、長さで少なくとも7個の炭素の長鎖枝分かれにより置換されている骨格を有するが、それはまた1−オクテンの重合から生ずる長さで6個に過ぎない炭素の短鎖枝分かれを有する。
【0016】
エチレンインターポリマー中の長鎖枝分かれの存在及び程度は、低角度レーザー光散乱検出器と組み合わされたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LALLS)により、又は示差粘度計検出器と組み合わされたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−DV)により測定される。長鎖枝分かれ検出のためのこれらの技術の使用及びそれを裏付ける理論は、多くの文献に十分に記載されており、例えば、Zimm、G.H.及びStockmayer、W.H.J.Chem.Phys.17卷、1301ページ(1949)、並びにRudin、A.Modern Methods of Polymer Characterization、John Wiley & Sons、New York(1991)103−112ページに記載されている。
【0017】
A.Willem deGroot及びP.Steve Chumは、両名ともThe Dow Chemical Companyに属しているが、米国ミズリー州セント・ルイスにおけるFederation of Analytical Chemistry and Spectroscopy Society(FACSS)の1994年10月4日の会議において、GPC−DVが実質的に線状のエチレンインターポリマーの長鎖枝分かれの存在を定量する有用な技術であることを立証するデータを提供した。特に、deGroot及びChumは、Zimm−Stockmayer式を使用して測定された実質的に線状のエチレンホモポリマーサンプルの長鎖枝分かれのレベルが、13C NMRを使用して測定した長鎖枝分かれのレベルとうまく相関したことを見いだした。
【0018】
さらに、deGroot及びChumは、オクテンの存在が溶液中のポリエチレンサンプルの水力学的体積を変えず、そしてそれ自体、サンプル中のオクテンのモル%を知ることによりオクテンの短鎖枝分かれに帰する分子量の増加の原因であることを見いだした。1−オクテンの短鎖枝分かれに帰する分子量の増加への寄与をデコンヴォルショーン(簡略化)することにより、deGroot及びChumは、GPC−DVが実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマーの長鎖枝分かれのレベルを定量するのに使用できることを示した。
【0019】
deGroot及びChumは、また、GPC−DVにより測定するときLog(GPC、重量平均分子量)の関数としてのLog(I2、溶融指数)のプロットが、実質的に線状のエチレンポリマーの長鎖枝分かれの状態(しかし枝分かれの程度ではない)が高圧の枝分かれの多い低密度ポリエチレン(LDPE)のそれに匹敵しさらにハフニウム及びバナジウム錯体のようなチグラータイプの触媒を使用して生成するエチレンポリマーとは明白に区別されることを説明することを示した。
本発明で使用される実質的に線状のエチレン/α−オレフィンインターポリマーにおける長鎖枝分かれの存在の実験的な効果は、気体押しだしレオメトリー(GER)の結果により及び/又は溶融流れ比(I10/I2)の増加により、定量され本明細書で表示される増加したレオロジー的性質として明らかにされる。
【0020】
実質的に線状のエチレンインターポリマーは、本明細書で使用されるとき、
(i)溶融流れ比、I10/I2≧5.63、
(ii)ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されしかも式(Mw/Mn)=(I10/I2)−4.63により規定される、分子量の分布又は多分散性Mw/Mn、
(iii)気体押し出しレオメトリーにより測定される、4×10ダイン/cmより大きい総溶融破壊の開始時の臨界剪断応力、又は実質的に線状のエチレンポリマーに関する表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度が線状エチレンポリマーに関する表面溶融破壊の開始時の臨界剪断速度より少なくとも50%大きいような気体押し出しレオロジー、但し実質的に線状のエチレンポリマー及び線状のエチレンポリマーは同じ1種以上のコモノマーからなり、線状エチレンポリマーは、実質的に線状のエチレンポリマーの10%以内のI2、Mw/Mn及び密度を有し、さらに実質的に線状のエチレンポリマー及び線状のエチレンポリマーのそれぞれの臨界剪断速度は気体押し出しレオメータを使用して同じ溶融温度で測定される、
(iv)−30℃と150℃との間の単示差走査熱量測定DSCの溶融ピーク。
【0021】
溶融破壊に関する臨界剪断速度及び臨界剪断応力並びに他のレオロジーの性質例えば「レオロジー処理指数」(PI)の測定は、気体押し出しレオメータ(GER)を使用して行われる。気体押し出しレオメータは、Polymer Engineering Science、17卷、11号、770ページ(1977)においてM.Shida、R.N.Shroff及びL.V.Cancioにより、そしてVan Nostrand Reinhold Co.により発行されたJohn DealyによるRheometers for Molten Plastics(1982)に記述されている。処理指数は、180゜の入射角で、直径0.0296インチ(0.0117cm)、L/D 20:1のダイを使用して2500psig(17Mpa)の窒素圧で190℃の温度で測定される。GER処理指数は、以下の式
PI=2.15×10ダイン/cm$/(1000×剪断速度)
(式中、2.15×10ダイン/cmは、2500psi(17Mpa)での剪断応力であり、剪断速度は以下の式 32Q´/(60秒/分)(0.745)(直径×2.54cm/in)(式中、Q´は押し出し速度(g/分)であり、0.745はポリエチレンの溶融密度(g/cm)であり、そして直径は毛管のオリフィス直径(インチ)である)により示される壁における剪断速度である)
からミリポイズで計算される。
PIは、2.15×10ダイン/cmの見かけ剪断応力で測定される物質の見かけ粘度である。
【0022】
本明細書で記述される実質的に線状のエチレンポリマーについて、PIは、それぞれ実質的に線状のエチレンポリマーの10%以内のI2及びMw/Mnを有する匹敵する線状のオレフィンポリマーのそれの70%以下である。
実質的に線状のエチレンポリマーのレオロジー的な性状は、また、ポリマーの「長鎖枝分かれの結果として正常化された緩和時間」を表すDow Rheology Index(DRI)により特徴づけられる。(S.Lai及びG.W.Knight「ANTEC ´93 Proceedings、INSITE(商標) Technology Polyolefins(ITP)−New Orleans,Louisiana,U.S.A.May 1993参照。)DRIの値は、測定可能な長鎖枝分かれを全く有しないポリマー(例えば、Mitsui Petrochemical Industriesから入手できるTAFMER(商標)製品、並びにExxon Chemical Companyから入手できるEXACT(商標)製品)について0から15に及び、そして溶融指数に無関係である。一般に、低圧から中圧のエチレンポリマー(特に低密度で)について、DRIは、溶融流れ比で試みられる同じものの相関に関して溶融弾性及び高い剪断流れ性について改良された相関をもたらす。本発明で有用な実質的に線状のエチレンポリマーに関して、DRIは、好ましくは少なくとも0.1そして特に少なくとも0.5、最も特に少なくとも0.8である。
【0023】
DRIは、式
DRI=3652879×τ゜1.00649/(η゜−1)/10
(式中、τ゜は物質の特徴的緩和時間であり、そしてη゜は物質の零剪断粘度である)
から計算できる。τ゜及びη゜の両者は、Cross式、即ち
η/η゜=1/(1+(γ・τ゜)
(式中、nは物質の動力則指数(power law index)であり、そしてη及びγはそれぞれ測定された粘度及び剪断速度(rad 秒−1)である)
に対する「最適(best fit)」値である。粘度及び剪断速度のデータのベースライン測定は、190℃で0.1−100rad/秒の動的掃引モードの下のRheometric Mechanical Specrometer(RMS−800)、並びに190℃で直径0.0754mm及びL/D 20:1のダイを使用して、0.086−0.43Mpaの剪断応力に相当する1000−5000psi(6.89−34.5Mpa)の押し出し圧力でGas Extrusion Rheometer(GER)を使用して得られる。特定の物質の測定は、溶融指数の変化を適応するのに必要な140−190℃で行うことができる。
【0024】
見かけ剪断応力対見かけ剪断速度のプロットは、溶融破壊の現象を同定するために使用される。Journal of Rheology、30(2)巻、337−357ページ、1986年のRamamurthyによれば、或る臨界流れ速度より上では、観察された押し出し物の不規則性は、ひろく二つの主なタイプ、表面溶融破壊及び全溶融破壊に分類できる。
表面溶融破壊は、見かけ上定常の流の条件下で生じ、そして鏡のような光沢の損失から「鮫肌」のさらに激しい形に詳細に及ぶ。この記述では、表面溶融破壊の開始(OSMF)は、押し出し物の表面の粗さが40×の拡大により検出できるに過ぎない押し出し物の光沢の損失の始まりを特徴とする。実質的に線状のエチレンポリマーに関する表面溶融破壊の開始での臨界剪断速度は、同じI2及びMw/Mnを有する線状のエチレンポリマーの表面溶融破壊の開始での臨界剪断速度より少なくとも50%大きい。
全溶融破壊は、非定常流れ条件で生じ、そして規則的なひずみ(粗いひずみと滑らかな又はらせんのひずみ)からランダムなひずみに詳細に及ぶ。表面溶融破壊の開始(OSMF)及び全溶融破壊の開始(OGMF)での臨界剪断速度は、本明細書では、GERにより押し出された押し出し物の表面の粗さ及び構造の変化に基づいて使用される。
【0025】
本発明の組成物中で成分C)のエラストマー性ポリオレフィンとして有用な実質的に線状のエチレンポリマーは、また単DSC溶融ピークを特徴とする。単溶融ピークは、インジウム及び脱イオン水により標準化された示差走査熱量計を使用して測定される。方法は、5−7mgのサンプルのサイズを含み、4分間保持される150℃への「初めの加熱」をし、10℃/分で−30℃に冷却してそれを3分間保持し、そして10℃/分で150℃で「第二の熱」に加熱される。単溶融ピークは、「第二の加熱」熱流れ対温度曲線からとられる。ポリマーの融解の全熱は、曲線下の面積から計算される。
【0026】
用語「多分散性」は、本明細書で使用されるとき、以下のように測定される用語「分子量分布」と同義語である。
ポリマー又は組成物のサンプルは、140℃のシステム温度で操作する、3個の混合した孔度のカラム(Polymer Laboratories 103、104、105及び106)を備えたWaters 150℃高温度クロマトグラフィーユニットによるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析される。溶媒は、1、2、4−トリクロロベンゼンであり、それからサンプルの0.3重量%の溶液が注入のために調製される。流速は、1.0mL/分であり、注入のサイズは200ミクロLである。
【0027】
分子量の測定は、それらの溶離体積と関連して狭い分子量分布のポリスチレン標準品(Polymer Laboratoriesから)を使用することにより導き出される。ポリマー分子量当量は、ポリエチレン及びポリスチレンに関する適切なMark−Houwink係数(Journal of Polymer Science,Polymer Letters,6卷、621ページ(1968)においてWilliams及びWordにより記述)を使用して、以下の式
【数1】
Figure 0004358433
を誘導することにより測定される。
【0028】
重量平均分子量Mwは、以下の式に従って通常のやり方で計算される。
Mw=Σiwi・Mi
(式中、wi及びMiは、GPCカラムから溶離するi番目のフラクションのそれぞれ重量フラクション及び分子量である)。
さらに、成分C)のエラストマー性ポリオレフィンは、脂肪族油の配合により希釈できる。パラフィン/ナフタレン油とも呼ばれる希釈油は、通常、30重量%より少ない芳香族(粘土−ゲル分析による)を有しさらに100゜F(38℃)で100−500SSUの粘度を有する精製された石油製品のフラクションである。市販の希釈油は、Shell Oil Companyから入手できるSHELLFLEX(商標)油、番号310、371及び311(310と371とのブレンドである)、又はPennzoil Products CompanyのPenrecoディビジョンから入手できるDrakeol(商標)番号34又は35を含む。使用される希釈油の量は、エラストマー性ポリオレフィンの重量に基づく、0.01−35.0重量%、好ましくは0.1−25重量%に変化する。
【0029】
成分C)のエラストマー性ポリオレフィンは、また、1種以上のドメインを形成するゴム状ポリマーC)からなる。この追加のゴム状ポリマーは、ポリマー組成物にさらなる衝撃吸収性を付与するために、好適に選ばれる。一般に、極めて高い溶融粘度即ち非常に低い溶融流れを有するドメイン形成ゴム状ポリマーを提供することが望ましい。高い溶融粘度を有するこれらのポリマーは、配合工程の剪断力により極めて薄いセクションをもたらすことなく、そして剪断力の不連続により球状の粒子にさらに良く似た別々のゴム粒子を改善する大きな能力を維持する。さらに、ドメイン形成ゴム状ポリマーは、有利に、剪断力が存在しないとき溶融物の小滴を改善するのに十分な弾性記憶を維持しなければならない。ドメイン形成ゴム状ポリマーは、それが処理条件下で主に分割するC)のエラストマー性ポリオレフィンと相溶できるように選択され、そのため、剪断力は、ゴムドメインに不利益ではない。最も好ましいドメイン形成ゴム状ポリマーは、0−0.5g/10分の溶融流速、条件X(315℃、5.0kg)を有するものである。代表的なポリマーは、スチレンとオレフィンとのブロックコポリマー例えばスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)トリブロックコポリマー、及びスチレン−ブタジエンジブロックコポリマー、スチレンとイソプレンとのブロックコポリマー例えばスチレン−イソプレンジブロックコポリマー及びこれらの水素化物を含む。好ましくは、ブロックコポリマーは、15−45重量%のスチレンを含む。最も好ましくは、ブロックコポリマーは、水素化SBSブロックコポリマーである。さらに、エチレン−スチレンインターポリマー、又は前記のような他のポリオレフィンは、ドメイン形成ゴム状ポリマーとして働くことができる。
【0030】
一般に、高い分子量ドメイン形成ゴム状ブロックコポリマーは、増大した溶融粘度を有する。従って、好ましいドメイン形成ゴム状ブロックコポリマーは、100000−400000ダルトンさらに好ましくは150000−300000ダルトンのMwを有しさらに25℃より低くさらに好ましくは0℃より低いTgを有するものである。本明細書で記述される重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーから誘導されそしてポリスチレンと他のポリマー性成分との間の水力学的体積の差について補正されていないポリスチレン標準品に基づく見かけ値である。ドメイン形成ゴム状ポリマーの好ましい量は、C)のポリオレフィン相100部当たり2−40重量部、最も好ましくは5−25重量部である。
【0031】
ドメイン形成ゴム状ポリマーに加えて、相溶化ゴム状ポリマーもまた成分C)のエラストマー性ポリオレフィンとの組合せで使用できる。相溶化ゴム状ポリマーの望ましい特徴は、シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマー、成分A)、とエラストマー性ポリオレフィン、成分C)との間の相溶性をもたらし、溶融相間の界面張力を最低にしそして衝撃吸着を促進する固相間に満足すべき接着を生じさせる。溶融物の低下した界面張力は、マトリックスと接触しているゴム粒子の表面積を減少させる駆動力により、より小さいゴムの小滴の形成を促進する。代表的な相溶化ポリマーは、スチレンとオレフィンとのマルチブロックコポリマー例えばスチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)トリブロックコポリマー及びスチレン−ブタジエンジブロックコポリマー;スチレンとイソプレンとのブロックコポリマー、例えばスチレン−イソプレンジブロックコポリマー並びにこれらの水素化物、並びに多数のブロックを有するコポリマー、例えばスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマーを含む。好ましくは、マルチブロックコポリマーは、45−80重量%のスチレンを含む。最も好ましくは、ブロックコポリマーはSEPSブロックコポリマーである。エチレン−スチレンインターポリマーが相溶化ゴム状ポリマーとして働くこともできる。
【0032】
成分Cは、ビニル芳香族及び脂肪族アルファ−オレフィンモノマーの実質的にランダムなインターポリマーである。本明細書で使用されるとき、用語「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合により製造されるポリマーをいう。包括的な用語インターポリマーは、従って2種の異なるモノマーから製造されるポリマー、及び2種より多い異なるモノマーから製造されるポリマーをいうのに通常使用されるコポリマーを含む。
本発明においてポリマー又はインターポリマーを或るモノマーからなるか又は含むと記載するとき、それは、このポリマー又はインターポリマーがこのモノマーから由来する単位をそのなかに重合してなるか又は含むことを意味する。例えば、もしモノマーがエチレンCH=CHであるならば、この単位の誘導体は、ポリマーに配合されるときには、−CH−CH−である。
成分C)として使用されるインターポリマーに含まれるビニル芳香族モノマーは、成分A)のシンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーを製造するのに有用なモノマーとして前述されたビニル芳香族モノマーを含む。
【0033】
成分C)として使用されるインターポリマーに含まれる脂肪族アルファ−オレフィンモノマーは、2−18個の炭素原子を有する脂肪族及びシクロ脂肪族のアルファ−オレフィン、そして好ましくは2−8個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンを含む。最も好ましくは、脂肪族アルファ−オレフィンは、エチレン又はプロピレン、好ましくはエチレンを含み、所望により3−8個の炭素原子を有する1種以上の他のアルファ−オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン、又はエチレン及びオクテン、又はエチレン及びプロピレン及びオクテンも含む。
【0034】
成分C)として好適なインターポリマーは、好ましくは、脂肪族アルファ−オレフィン及びビニル芳香族モノマーからなる疑似ランダムの線状又は実質的に線状、さらに好ましくは線状のインターポリマーである。これらの疑似ランダム線状インターポリマーは、ヨーロッパ特許第A0416815号に記載されている。
疑似ランダムインターポリマーの特に目立つ特徴は、すべてのフェニル又はポリマーの骨格で置換した置換フェニル基は2個以上のメチレン単位により分離されている事実である。換言すれば、α−オレフィン及びビニル芳香族モノマーからなる疑似ランダムインターポリマーは、以下の一般式(説明のために立体障害モノマーとしてスチレンそしてオレフィンとしてエチレンを使用する)
【0035】
【化2】
Figure 0004358433
【0036】
(式中、j、k及びl≧1であり、記号≧は等しい又はそれより大きいを意味する)
により記述できる。
以下に記載する触媒を使用してエチレンとスチレンとの付加重合反応中、もし立体障害モノマー(スチレン)が成長するポリマー鎖中に挿入されるならば、挿入される次のモノマーは、転化されるやり方で挿入される立体障害モノマー又はスチレンでなければならない。一方、エチレンは、任意のときに挿入できる。転化された立体障害モノマーの挿入後、次のモノマーはエチレンでなければならない。それは、この時点の他の立体障害モノマーの挿入は、既に挿入された立体障害モノマーにあまりに近く立体障害置換基を置くことになるからである。
最も好ましくは、成分C)は、エチレンとスチレンとからなる疑似ランダム線状インターポリマーである。
【0037】
成分C)そして好ましくは疑似ランダム線状インターポリマーに配合されるビニル芳香族モノマーから由来する単位の含量は、好ましくは、インターポリマーの合計量に基づいて、40重量%より多く、さらに好ましくは少なくとも50重量%、そして最も好ましくは少なくとも60重量%である。
好ましくは、成分C)として使用されるインターポリマーは、13000より大きい重量平均分子量(Mw)を有する。また好ましくは、これらのポリマーは、125より小さい、さらに好ましくは0.01−100、より好ましくは0.01−25、そして最も好ましくは0.05−6の溶融指数(I2)、ASTM D−1238方法A、条件Eを有する。
【0038】
成分C)として使用できる実質的にランダムなインターポリマーの製造中、以下に記述されるように、或る量のアタクチックモノビニリデン芳香族ホモポリマーは、高温度でビニル芳香族モノマーのホモ重合によって形成できる。一般に、重合温度が高ければ高いほど、形成されるホモポリマーの量は多くなる。モノビニリデン芳香族ホモポリマーの存在は、一般に、本発明の目的に有害ではなく、許容できる。モノビニリデン芳香族ホモポリマーは、もし所望ならば、例えば好適な抽出剤例えばアセトン又はクロロホルムによる抽出により、成分C)から分離できる。本発明の目的のために、成分C)は、成分C)の重量に基づいて20重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%より少ないモノビニリデン芳香族ホモポリマーである。
【0039】
成分C)として使用される実質的にランダムなインターポリマーは、それらの衝撃又は延性の変性の機能が実質的に影響されないならば、当業者に周知の典型的なグラフト化、水素化、官能基化又は他の反応により変性できる。ポリマーは、確立された技術に従って容易にスルホン化又は塩素化されて、官能基化された誘導体を提供できる。インターポリマーは、又は油によりエキステンドされるか又は他の潤滑剤と組み合わされる。
成分C)として使用される疑似ランダムインターポリマーは、ヨーロッパ特許第A0416815号に記述されたように製造できる。これらの重合反応に関する好ましい操作条件は、大気圧から300気圧の圧力及び30−200℃の温度である。
【0040】
好適な触媒の例及び疑似ランダムインターポリマーの製法は、ヨーロッパ特許第A416815、468651、514828、520732号、WO93/23412号、米国特許第A5347024、5470993、5624878、5556928号、並びに米国特許第A5055438、5057475、5096867、5064802、5132380及び5189192号に開示されている。
【0041】
スチレンとオレフィンとのブロックコポリマーも成分C)として使用できる。これらのブロックコポリマーは、スチレンとジエンモノマーとのコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)トリブロックコポリマー、及びスチレン−ブタジエンジブロックコポリマー;スチレンとイソプレンとのブロックコポリマー、例えばスチレン−イソプレンジブロックコポリマー及びこれらの水素化物を含む。好ましくは、ブロックコポリマーは、15−45重量%のスチレンを含む。最も好ましくは、ブロックコポリマーは、水素化SEBSブロックコポリマーである。最も好ましいドメイン形成性ゴム状ポリマーは、0−0.5g/10分の溶融流れ速度、条件×(315℃、5.0kg)を有するものである。好ましいゴム状ブロックコポリマーは、100000−400000ダルトン、さらに好ましくは150000−300000ダルトンのMw、そして25℃より低い、さらに好ましくは0℃より低いゴム状相Tgを有するものである。ここでいわれる重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーのデータから誘導され、そしてポリスチレンと他のポリマー性成分との間の水力学的容積差について補正されていない、ポリスチレンの標準品に基づく見かけの値である。
【0042】
本発明の組成物は、また、組成物の全重量に基づいて0−10重量%の潤滑剤、成分D)を含むことができる。潤滑剤の例は、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビス−ステアルアミド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、有機ホスフェート、鉱油、トリメリテート、ポリエチレングリコール、シリコーン油、エポキシ化大豆油、トリクレシルホスフェート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジオクチルアジペート、ジ−n−ブチルフタレート、パルミチルパルミテート、ブチレングリコールモンタネート(Hoechst Celaneseから入手できるWax OP)、ペンタエリスリトールテトラモンタネート(Hoechst Celaneseから入手できるTPET 141)、アルミニウムモノ−ステアレート、アルミニウムジ−ステアレート、モンタン酸ワックス、モンタン酸エステルワックス、極性ポリエチレンワックス、及び非極性ポリエチレンワックスを含む。
【0043】
核形成剤は、また本発明のブレンドに使用でき、そして溶融から冷却してシンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーの結晶化の開始に要求される時間を短縮できる化合物である。核形成剤は、成形樹脂において大きな結晶度をもたらし、さらに種々の成形条件下でさらに一定の結晶化のレベルをもたらす。より高い結晶化のレベルは、増大した化学的抵抗性を達成するために望ましい。さらに、結晶の形態は、望ましいように変更できる。本発明で使用される好適な核形成剤の例は、水酸化マグネシウムアルミニウム、炭酸カルシウム、雲母、ウオラストナイト、二酸化チタン、シリカ、硫酸ナトリウム、塩化リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸アルミニウム、タルク、並びに金属塩、特に有機酸又はホスホン酸のアルミニウム塩又はナトリウム塩の単層である。特に好ましい化合物は、安息香酸のアルミニウム塩及びナトリウム塩並びにC1−10アルキル置換安息香酸誘導体である。最も非常に好ましい核形成剤は、アルミニウムトリス(p−tert−ブチル)ベンゾエートである。使用される核形成剤の量は、この核形成剤を欠く組成物に比べて短い時間でシンジオタクチックビニル芳香族ポリマーの核形成及び結晶化の開始を生じさせるのに十分でなければならない。好ましい量は、0.5−5重量部である。
【0044】
他の添加物は、また、本発明の組成物に含むことができ、難燃剤、顔料、及び抗酸化剤のような添加物を含み、これらは、Ciba Geigy Corporationから入手できるIRGANOX(商標)1010、555、1425及び1076、IRGAFOS(商標)168、CGL−415及びGALVIINOXYL(商標);Witcoから入手できるSEENOX(商標)412S;GE Specialty Chemicalsから入手できるULTRANOX(商標)626及び815;Adeka Argusから入手できるMARK PEP(商標)36;R.T.Vanderbiltから入手できるAGERITE(商標)WHITE、MA及びDPPD、METHYL ZIMATE、VANOX(商標)MTI及び12;Uniroyal Chemicalから入手できるNAUGARD(商標)445及びXL−1;American Cyanamidから入手できるCYANOX(商標)STDP及び2777;Rocheから入手できるRONOTEC(商標)201(ビタミンE);Fairmountから入手できるMIXXIM CD−12及びCD−16;Ethylから入手できるEthanox(商標)398、DHT−4a、SAYTEX(商標)8010、120、BT93及び102;Hoechst Celaneseから入手できるHostanox(商標)PAR24、03及びZnCS1;安息香酸セシウム;水酸化ナトリウム;Sandozから入手できるSANDOSTAB(商標)PEPQ;t−ブチルヒドロキノン;並びにMonsantoから入手できるSANTOVAR(商標)A;フェノチアジン;ピリドキシン;ステアリン酸銅;ステアリン酸コバルト;Mooney Chemicalsから入手できるMOLYBDENUM TENCEM(商標);ルテニウム(III)アセチルアセントネート;ほう酸;クエン酸;Adeka Argusから入手できるMARK(商標)6000;酸化アンチモン;2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;ステアリル−β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート;及びトリエチレン グリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート;トリス(2、4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及び4、4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)−ホスファイト;トリスノニルフェニルホスファイト;カーボンブラック;Ferro Corporationから入手できるPYROCHEK(商標)PB68;デカブロモジフェニルオキシド;抗ブロック剤例えばアルミナ、シリカ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム及び珪素樹脂からなる微粒子;光安定剤例えば立体障害アミン含有化合物又はベンゾトリアゾール含有化合物;可塑剤例えば有機ポリシロキサン又は鉱油;発泡剤;押し出し助剤;安定剤例えばビス(2、4−ジ−tertブチルフェニル)ペンタエリスリトール及びトリスノニルフェニルホスファイトを含む。
【0045】
本発明の組成物は、成分の均一な分散物を生ずる条件下でそれぞれの成分を混合することにより製造される。最良の結果は、1種以上のポリマーと珪酸カルシウムを除く全ての添加物とを、通常激しい混合条件下で溶融混合して成分の分散及び分布を最大にする。珪酸カルシウムを次におだやかな混合条件下で溶融混合物に添加して、強化剤の摩擦を生じさせることなく分散させる。機械的な混合装置、例えば押し出し機、インターナルミキサー、連続ミキサー、リボンブレンダー、溶液ブレンド装置又は任意の他の好適な装置又は技術が利用できる。
本発明の組成物は、改良された機械的及び熱的性能、非常に良好な表面の滑らかさ、及び優れた熱老化安定性を有する成形物品を生成できる。この性質の組合せは、自動車のライトハウジングのような応用に要求される。
【0046】
成分C)を含む成形組成物のための操作条件は、好ましくは、好ましいゴム粒子の形態が生ずるように選ばれる。この形態は、性質上ほぼ球状である。もし剪断力によりオレフィン性衝撃変性剤の望ましくない薄い層を含む溶融ポリマーが、溶融物から比較的早くクエンチされるならば、必要な小滴形成は生ずることができず、そして得られる成形された部分は、衝撃性に欠けるだろう。この結果は、例えば、あまりに低い成形温度で操作する型を使用する成形法で生ずることができる。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供される。実施例は、本発明の範囲を制限することを目的とするものではなく、それらはそのように解釈されてはならない。量は、他に指示されていない限り、100部あたりの重量部又は重量%である。
【0047】
【実施例】
表1の組成物は、以下のやり方を使用して製造される。
珪酸カルシウム充填剤を除く全ての成分は、名目300℃のバレル温度で操作される共回転2軸スクリュー押し出し機で乾燥混合され、そして溶融混合される。2軸スクリュー押し出し機は、二つの混合ゾーンを有し、成分は第一の混合ゾーンで溶融及び/又は混合される。珪酸カルシウム充填剤は、第二の混合ゾーンで押し出し機中に導入され、そして溶融混合物と混合されてペレットに形成される。混合されたペレットは、290℃のバレル温度及び149℃の成形温度を使用して、ASTMタイプI引張バー及び2.5インチの直径のディスクに射出成形される。
【0048】
老化安定性は、220℃で168時間循環空気オーブンで老化されるサンプルの重量損失を測定することにより求められる。引張及び曲げの性質は、それぞれASTM D638及びASTM D790に従って測定される。負荷下の反り温度(DTUL)は、ASTM D648に従って測定される。
60゜Gardner光沢は、ASTM D−523、RAW MATERIALSに従って測定される。
成分A:Dow Chemical Companyにより製造されているシンジオタクチックポリスチレン(SPS)(Mw=250000)であるQUESTRA(商標)F2250。
成分B:未処理珪灰石であるPRIMGLOS(商標)1。
シランカップリング剤により表面処理された珪灰石であるPRIMGOLS(商標)I−10734。
アミノカップリング剤により表面処理された珪灰石であるPRIMGOLS(商標)I−10013。
エポキシカップリング剤により表面処理された珪灰石であるPRIMGOLS(商標)I−EPOXY。
シランカップリング剤により表面処理された珪灰石である10WOLLASTOCOAT(商標)−10734。
シランカップリング剤により表面処理された珪灰石である400WOLLASTOCOAT(商標)−I−10734。
全ての珪灰石はNYCO Corporationからである。
【0049】
成分C:Kraton(商標)G1651(The Shell Chemical Companyにより製造される水素化SEBSブロックコポリマー)
成分D:Hoechst CelaneseからのブチレングリコールモンタネートであるHoechst Wax OP(商標)。
抗酸化剤:GE Specialty ChemicalsからのUltranox(商標)815A、及びCiba−GeigyからのIrganox(商標)565及び1010。
核形成剤:アルミニウムトリス(p−tert−ブチル)ベンゾエート(pTBBA−Al)
比較無機充填剤:Specialty Mineral CorporationからのタルクであるMP 10−52、そしてほう酸アルミニウムウィスカーは、Shikoku Chemicalsから入手できるAlborex Y(9Al2B)。
Black Pearls 880濃縮物は、25%のカーボンブラックと75%のSPSとを含む着色添加物である。
【0050】
【表1】
Figure 0004358433
【0051】
*比較例
上記の表のデータは、珪灰石のサンプルが、タルクの比較例より優れた熱的性能及び機械的性質を有したことを示す。全てのサンプルは、60゜Gardner光沢により測定して優れた表面の滑らかさを有した。熱老化安定性における驚くべき改良も立証される。シラン表面処理をした珪灰石は、混合時の供給が容易である。以下の実施例は、実施例I−VIIIで製造される。
【0052】
【表2】
Figure 0004358433
【0053】
*比較例
珪灰石を含む処方物は、珪酸アルミニウムを含む処方物より顕著な且つ驚くべき良好な熱安定性を有する。

Claims (11)

  1. A)シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマー
    )珪酸カルシウム充填剤、及び
    C)スチレンとオレフィンとのブロックコポリマー
    を含む、自動車のライトハウジング用組成物。
  2. シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーがシンジオタクチックポリスチレンである請求項1の組成物。
  3. 珪酸カルシウム充填剤が式CaO・SiO2により示される請求項1の組成物。
  4. 充填剤が珪灰石である請求項3の組成物。
  5. 充填剤がゾノトライトである請求項3の組成物。
  6. 珪酸カルシウム充填剤が、シラン基、アミノ基又はエポキシ基含有サイジング剤からなる群から選ばれるサイジング剤の表面被覆物により被覆されている請求項1の組成物。
  7. シンジオタクチックモノビニリデン芳香族ポリマーが、組成物の全重量に基づいて60−95重量%の量で存在する請求項1の組成物。
  8. 珪酸カルシウム充填剤が、組成物の全重量に基づいて10−35重量%の量で存在する請求項1の組成物。
  9. 潤滑剤をさらに含む請求項1の組成物。
  10. 核形成剤をさらに含む請求項1の組成物。
  11. 請求項1の組成物から生成される成形された自動車のライトハウジング
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