JP4378601B2 - ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化型被覆剤組成物等の一構成成分として用いられる活性エネルギー線硬化型オリゴマーに関し、特に無機顔料分散機能と他樹脂との相溶性に優れた特徴を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置のバックライトユニットの光拡散シート等には防眩性や耐熱性、耐摩耗性、表面硬度向上の目的からコロイダルシリカに代表される様な無機微粒子が必須成分としてバインダー中に分散されている。これら無機粒子には、上記シートの高透明性保持の観点から平均粒径が5〜50nmの超微粒子が用いられている。
最近、光学表示装置の画像品質向上に伴い、無機超微粒子の平均粒径がより微少化する傾向にあり、またこれら無機超微粒子をこれまで以上に均一に分散、コートする技術が必要となりつつある。
従来、上記光拡散シート中への無機微粒子分散方法としては特許文献1記載の有機ポリマーによる方法があるが、これら有機ポリマーでは次世代光学表示装置に求められる様な無機超微粒子の高度な分散レベルに対しては不十分であった。加えて重合性官能基を有さないタイプの有機ポリマーでは塗工後、塗膜表面へのブリードアウトが問題となった。
また、特許文献2では同様の目的から無機微粒子を配合しているが、添加剤として分散剤を配合しても良いとは記載されているが具体的な分散機能を有する材料は記載されていない。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−258012号公報(請求項1〜4、[0009]〜[0013]及び[0033])
【特許文献2】
特開2002−328208号公報([0044]〜[0049])
【発明が解決しようとする課題】
今後、液晶表示画像の高品質化がますます高いレベルに求められる一方で、上記光拡散シートの必須成分である無機微粒子をより高度に分散させる手段が確立されておらず高品質化の障害となっていた。本発明は上記問題点に鑑み、活性エネルギー線硬化型被覆剤組成物等の一構成成分として用いられる活性エネルギー線硬化型オリゴマーに関し、特に無機顔料分散機能と他樹脂との相溶性に優れた特徴を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち上記特徴を有する本発明の活性エネルギー線硬化型オリゴマーとは、ラジカル重合性二重結合及びスルホン酸塩基を各々1分子あたり平均1個以上有し、数平均分子量が5000以下であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートまたはメタクリレートを示す。
【0006】
本発明のオリゴマーは無機超微粒子の分散性能を高度に高める目的で、分子中にスルホン酸塩基を必須構成成分として有している。スルホン酸塩基は無機材料が有する親水性表面と強い親和性を有する事から、無機顔料の分散性に効果を発揮する。本発明のオリゴマーにはスルホン酸塩基が1分子当たり平均1個以上含まれている事が好ましい。1分子当たり、含有するスルホン酸塩基濃度が増すに従い、オリゴマー分子間の相互作用が強くなり、無機粒子の分散性はかえって悪くなるおそれがあるので、上限は6個以下が好ましい。
【0007】
上記スルホン酸塩基の塩成分は特に限定されるものでは無く、例えばLi、Na、K等のアルカリ金属カチオン、或いは4級化アルキルアミンの様な有機系カチオンでも良い。
【0008】
スルホン酸塩基濃度を測定する方法としては、硫黄濃度をイオンクロマト法により定量し、別途測定したGPC分析で得られた数平均分子量から以下の式によりオリゴマー1分子当たりに含まれるスルホン酸塩基の数を求めることができる。
【0009】
【数1】
Figure 0004378601
【0010】
本発明のオリゴマーはラジカル重合性二重結合を有することが必要である。ここで好ましくは1分子当たり、平均1個以上のラジカル重合性二重結合を含有する。ここで言うラジカル重合性二重結合とは、例えばアクリレート基、メタクリレート基、アリル基、ビニル基、アルケニレン基等を意味し、これら二重結合の内、アクリレート基、メタクリレート基が反応活性の面から好ましい。また、オリゴマー1分子当たりの二重結合濃度はオリゴマーの無機顔料分散性能を損ねない範囲で高い方が好ましく、上限は特に限定されないが、10個以下が分子設計上、塗膜物性上好ましい。一方、1分子中に二重結合を全く有しない分子では塗工後、塗膜表面にオリゴマー成分がブリードアウトする等の問題がある。
【0011】
ラジカル重合性二重結合の含有量は、標準臭素酸カリウム溶液による滴定反応により不飽和結合濃度を求め、スルホン酸塩基濃度同様、オリゴマー1分子当たりのラジカル重合性二重結合として次の式から求めることができる。
【数2】
Figure 0004378601
【0012】
本発明のオリゴマー分子は例えばスルホン酸塩基含有ポリオールに1分子中にイソシアネート基とラジカル重合性二重結合を同時に併せ持つ化合物を反応させることで得ることができる。上記スルホン酸塩基含有ポリオールとしては例えば、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウムや或いは5−ナトリウムスルホイソフタル酸と種々ジオール化合物の1対2モル比、縮合反応生成物を用いる事が出来る。種々ジオール化合物とは、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−nブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族系ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコール類が挙げられる。
これらグリコール類のうち、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート或いは3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールが生成物の汎用溶剤への溶解性の面から好ましい。
【0013】
また、上記1分子中にイソシアネート基とラジカル重合性二重結合を同時に併せ持つ化合物としては2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
【0014】
本発明のオリゴマーは上記合成方法以外に、上述したスルホン酸塩基含有ポリオールとこのポリオールが有する水酸基量に相当するジイソシアネート化合物を反応させ、水酸基を全てイソシアネート基に変換した後、次の段階で1分子中に少なくとも1個のラジカル反応性二重結合と1個の水酸基を有する化合物と反応させる事でも得られる。
【0015】
上記ジイソシアネート化合物としては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添加物等の脂肪族、脂環族系ポリイソシアネートが挙げられる。これらの内、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが最終生成物として得られる本発明のオリゴマーの顔料分散性とこれらイソシアネート化合物の工業原料としての汎用性の面から好ましい。
【0016】
上記1分子中に少なくとも1個のラジカル反応性二重結合と1個の水酸基を有する化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられるがこれらのうち、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが無機顔料粒子分散性能の面で好ましい。
【0017】
本発明のオリゴマーは更に以下の様な方法によっても合成可能である。すなわち、置換基としてアルデヒド基とスルホン酸塩基を同時に有する芳香族化合物とアミノアルコール類を1対1モル比で反応させ、次いで得られたスルホン酸塩基含有モノオール(又はポリオール化合物)に1分子中にイソシアネート基とラジカル重合性二重結合を同時に併せ持つ化合物、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させることでも得られる。更なる方法としてはカルボン酸基とスルホン酸塩基を置換基として同時に有する芳香族化合物に上記種々ジオール化合物を縮合反応で結合させた後、次いで得られたスルホン酸塩基含有モノオール(又はポリオール化合物)に1分子中にイソシアネート基とラジカル重合性2重結合を同時に併せ持つ化合物、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させることでも得られる。
【0018】
本発明のオリゴマーの数平均分子量は5000以下である。好ましくは3000以下、さらに好ましくは2000以下である。数平均分子量が5000を越えるとブレンドにより、併用される結合剤樹脂との相溶性が悪くなり、無機顔料の分散性が悪くなる、或いは塗膜の透明性が低下するおそれがある。また一方、分子量500未満ではオリゴマー分子中でのスルホン酸塩基濃度が高くなり、オリゴマーの汎用溶剤への溶解性が劣る様になり、無機顔料分散時に使用可能な溶剤が限定されることがある。従って本発明のオリゴマーの最も好ましい分子量は500〜2000である。
【0019】
本発明のオリゴマーは分子中にSO3Na基を有しているため、無機顔料の分散性に優れる。かつブレンドにより併用される種々活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性に優れるため、本発明のオリゴマーを用いた無機顔料分散塗料の分散安定性が極めて良くかつ塗膜の透明性が高くなる。
【0020】
さらに本発明のオリゴマーは1分子中平均1個以上のラジカル重合性二重結合を有することから、基材に塗工された場合、活性エネルギー線照射される事で塗工膜のマトリックスを形成する活性エネルギー線硬化型樹脂と強固なネットワークを形成する。その結果、オリゴマー成分が塗工膜表面に経時ブリードアウトする事無く、また硬化塗膜の硬化度が向上し、塗工膜の力学物性が優れたものとなる。
【0021】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に例示する。但し本発明はこれによって限定されるものでは無い。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。
【0022】
オリゴマーの合成
以下に本発明のオリゴマーの合成例を示す。得られたオリゴマー或いは中間原料の酸価、組成、分子量、ナトリウム濃度の定量は以下の方法で実施した。
【0023】
[中間原料(ポリエステルジオール)の酸価]
サンプル0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。酸価の値は樹脂固形分1tonあたりの当量数で表した。
【0024】
[オリゴマー、中間原料の組成]
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なって決定した。
【0025】
[数平均分子量]
得られたオリゴマーは電解質(LiBr)を溶解したテトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工製、shodex KF801(1本)+KF802(4本)、計5本を連結して用いた。また検出器はUVを用いた。本実施例ではスルホン酸塩基の塩としてはナトリウムを用い、スルホン酸ナトリウム基濃度を求めるため、硫黄濃度をイオンクロマト法により定量し、上記GPC分析で得られた数平均分子量からオリゴマー1分子当たりに含まれるスルホン酸ナトリウム基の数を求めた。即ち以下の式より求めた。
【0026】
【数3】
Figure 0004378601
【0027】
また、不飽和結合基濃度を標準臭素酸カリウム溶液による滴定法で定量し、上記スルホン酸塩基濃度同様、以下の数式から、オリゴマー1分子当たりの二重結合の数を求めた。
【0028】
【数4】
Figure 0004378601
【0029】
これら合成されたオリゴマーの組成、分子量、1分子当たりスルホン酸塩基数、及び1分子当たりのラジカル重合性二重結合の数を表1に示した。
【0030】
以下、オリゴマー合成例、比較合成例、及び表1中の略号は以下のとおりとする。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
OPA:オルソフタル酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
NPG:ネオペンチルグリコール
HPN:2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート
EG:エチレングリコール
CHDM:シクロヘキサノンジメタノール
TCD:3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
MEK:2−ブタノン
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
2BAS:ベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム
SBA:安息香酸−2−スルホン酸ナトリウム
DDOL:ドデカンジオール
AES:N,N−ジヒドロキシエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム
MOEI:2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
TBT:テトラブチルチタネート
【0031】
参考合成例1
温度計、コンデンサー、撹拌装置を具備した4つ口フラスコにジメチルアセトアミド250g、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム117.5gを溶解し、50℃に保った。次いで2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート163g、ジブチル錫ラウレート0.08gを添加し、50℃で5時間反応させた。得られた生成物のGPC数平均分子量測定値は530であった。また硫黄濃度測定値は固形成分中1900eq/ton、不飽和結合基濃度測定値は3600eq/tonであった。得られた生成物の溶液の少量サンプルを120℃、減圧下、8時間乾燥し、H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0032】
合成例
温度計、撹拌装置、リービッヒ冷却管、Nガス吹き込み管を具備した4つ口フラスコに5−ナトリウムスルホイソフタル酸268g、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール588gを仕込み触媒としてチタンモノマーを0.1g添加し、Nガス封入下に250℃で発生する水を溜去しつつ6時間反応させた。反応終了時の生成物の酸価は5eq/tonであった。次いで生成物を冷却し、トルエン200gに溶解し、固形成分約80重量%のトルエン溶液とした。
【0033】
温度計、攪拌器、コンデンサーを具備したフラスコに、トルエン4Lを仕込み、50℃に保った。ここに上記溶液をゆっくりと攪拌しながら添加し、1時間撹拌後、24時間室温で放置した。上澄み液を除いた後の沈殿物を120℃減圧下に12時間乾燥させた。得られた乾燥物の乾燥重量は540gであった。この乾燥物を1H−NMRにより組成分析したところ、SIPA:TCD=1:2である事が確認された。この乾燥物をシクロヘキサノンに再溶解し、固形成分濃度30%溶液とした。
【0034】
温度計、撹拌器、コンデンサーを具備したフラスコに上記シクロヘキサノン溶液600g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート140gを仕込み、40℃で6時間反応させ、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレート70gを添加し、同温度で更に12時間反応させ、反応を終了した。生成物の分子量は1500であった。また硫黄濃度は固形成分中690eq/ton、不飽和結合基濃度は1360eq/tonであった。
【0035】
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0036】
合成例
温度計、撹拌装置、リービッヒ冷却管、Nガス吹き込み管を具備した4つ口フラスコに5−ナトリウムスルホイソフタル酸268g、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート714gを仕込み触媒としてTBTを0.1g添加し、Nガス封入下に250℃で発生する水を溜去しつつ5時間反応させた。反応終了時の生成物の酸価は7eq/tonであった。次いで生成物を冷却し、トルエン250gに溶解し、固形成分約80重量%のトルエン溶液とした。
【0037】
温度計、攪拌器、コンデンサーを具備したフラスコに、トルエン4Lを仕込み、60℃に保った。ここに上記80%溶液、800gをゆっくりと攪拌しながら添加し、1時間撹拌後、24時間室温で放置した。上澄み液を除いた後の沈殿物を120℃減圧下に12時間乾燥させた。得られた乾燥物の乾燥重量480gであった。この乾燥物を1H−NMRにより組成分析したところ、SIPA:HPN=1:2である事が確認された。
この乾燥物をシクロヘキサノンに再溶解し、固形成分濃度30%溶液※とした。
【0038】
温度計、撹拌器、コンデンサーを具備したフラスコに上記シクロヘキサノン溶液600g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート136gを仕込み、40℃で6時間反応させ、次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレート64gを添加し、同温度で更に12時間反応させ、反応を終了した。生成物の分子量は1500であった。また硫黄濃度は固形成分中780eq/ton、不飽和結合基濃度は1280eq/tonであった。
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0039】
参考合成例
温度計、攪拌器、コンデンサーを具備したフラスコに、合成例で得られた30%シクロヘキサノン溶液600g、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート86g、ジブチル錫ラウレート0.06gを添加し、50℃で12時間反応させた。生成物の分子量は1000であった。また硫黄濃度は固形成分中960eq/ton、不飽和結合基濃度は1900eq/tonであった。
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0040】
参考合成例
温度計、攪拌器、コンデンサーを具備したフラスコにジメチルアセトアミド200gにベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム52gを溶解し、室温でN−メチルオクタノールアミン40gを滴下ロートを用いて徐々に滴下した。30分撹拌後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート40gを加え、ジブチル錫ラウレート0.02g添加し、50℃で6時間反応させた。生成したオリゴマーの分子量は510、固形分中の硫黄濃度は2000eq/ton、不飽和結合基濃度は1900eq/tonであった。
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0041】
参考合成例
温度計、攪拌器、リービッヒ冷却管、Nガス吹き込み管を具備したフラスコに安息香酸−2−スルホン酸ナトリウム224g、n−ドデカンジオール808g、触媒としてTBT0.1gを仕込み、Nガス封入下、250℃で縮合水を溜去しつつ5時間反応させた。反応生成物を100℃まで冷却し、トルエン3L中に投入し、50℃で1時間撹拌し、次いで室温で24時間放置した。上澄み液を除き沈殿物を減圧下、120℃で12時間乾燥させた。得られた乾燥物の収量は360gであった。乾燥物をシクロヘキサノンに溶解し、固形成分濃度30%溶液とした。
【0042】
上記30%溶液200gに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート22gを加え、ジブチル錫ラウレート0.02g添加し、50℃で6時間反応させた。得られたオリゴマーの分子量は600、硫黄濃度は固形成分中1800eq/ton、不飽和結合基濃度は1700eq/tonであった。
【0043】
参考合成例
温度計、攪拌器、リービッヒ冷却管を具備したフラスコにイソフタル酸108g、無水フタル酸37g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸26.8g、ネオペンチルグリコール203g、シクロヘキサンジメタノール65g、エチレングリコール40gを仕込み、触媒としてTBT0.1g添加して、200℃で4時間反応させ、生成する縮合水を溜去した。次いで減圧下、240℃で40分重合し、ポリエステルジオールオリゴマーを得た。得られたポリエステルジオールの数平均分子量は2500、酸価は6eq/tonであった。
【0044】
上記ポリエステルジオール200gをシクロヘキサノン300gに溶解し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート24g、ジブチル錫ラウレート0.01gを添加し、50℃で12時間反応させた。得られたオリゴマーの分子量は2700、硫黄濃度は固形成分中380eq/ton、不飽和結合基濃度は680eq/tonであった。
【0045】
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0046】
比較合成例1
温度計、攪拌器、コンダンサーを具備したフラスコに2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート81.6g、メチルエチルケトン232g中に均一溶解後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート150g添加し、均一溶解した。1時間後、反応系の温度を60℃に保ち、90分攪拌を続けた。次いで2−ヒドロキシエチルメタクリレート52g添加し、30分間攪拌後、ジブチル錫ジラウレート0.1g添加した。反応温度60℃に保ち更に2時間反応を継続し終了した。得られたオリゴマーの分子量は1400であった。不飽和結合基濃度は固形成分中1400eq/tonであった。
得られた生成物の溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0047】
比較合成例2
温度計、攪拌器、リービッヒ冷却管を具備したフラスコにイソフタル酸113g、無水フタル酸41g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸11g、ネオペンチルグリコール203g、シクロヘキサンジメタノール65g、エチレングリコール40gを仕込み、触媒としてチタンモノマー0.1g添加して、200℃で4時間反応させ、生成する縮合水を溜去した。次いで減圧下、250℃で70分重合し、ポリエステルジオールオリゴマーを得た。得られたポリエステルジオールの数平均分子量は6700、酸価は2eq/tonであった。また、1H−NMRによる組成分析結果は以下のとおりであった。
OPA/IPA/SIPA//NPG/CHDM/EG=28.0/68.0/4//70/20/10(モル比)
【0048】
上記ポリエステルジオール200gをシクロヘキサノン300gに溶解し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート10g、ジブチル錫ラウレート0.01gを添加し、50℃で12時間反応させた。得られたオリゴマーの分子量は6600、硫黄濃度は固形成分中205eq/ton、不飽和結合基濃度は300eq/tonであった。
得られた生成物溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0049】
比較合成例3
温度計、攪拌器、リービッヒ冷却管を具備したフラスコにイソフタル酸113g、無水フタル酸44g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸5g、ネオペンチルグリコール203g、シクロヘキサンジメタノール65g、エチレングリコール40gを仕込み、触媒としてチタンモノマー0.1g添加して、200℃で4時間反応させ、生成する縮合水を溜去した。次いで減圧下、250℃で50分重合し、ポリエステルジオールオリゴマーを得た。得られたポリエステルジオールの数平均分子量は4200、酸価は3eq/tonであった。また、1H−NMRによる組成分析結果は以下のとおりであった。
OPA/IPA/SIPA//NPG/CHDM/EG=30.0/68.0/2//70/20/10(モル比)
【0050】
上記ポリエステルジオール200gをシクロヘキサノン300gに溶解し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、15g、ジブチル錫ラウレート0.01gを添加し、50℃で12時間反応させた。得られたオリゴマーの分子量は4400、硫黄濃度は固形成分中80eq/ton、不飽和結合基濃度は460eq/tonであった。
得られた生成物溶液の少量サンプルを80℃下、40分間熱風乾燥し、1H−NMR分析に供した。結果を表1にまとめた。
【0051】
上記比較例1はオリゴマー分子がスルホン酸塩基を全く有しない場合、比較例2はオリゴマーの分子量が本発明の請求範囲を外れる。比較例3ではオリゴマー1分子当たりのスルホン酸塩基の個数が1.0に満たない場合の比較合成例である。
【0052】
ポリエステルウレタンメタクリレート樹脂(A)の合成
温度計、攪拌器、
コンダンサーを具備したフラスコに芳香族ポリエステルジオール※※400g、メチルエチルケトン170g、トルエン170gを仕込み、均一に溶解する。次いで4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート104gを投入し、70℃で2時間反応させ、更に2−ヒドロキシエチルメタクリレート10gを添加し、60℃で2時間反応させた。メチルエチルケトン、トルエン各々270gで希釈し、エポライト-3002A(共栄社製、メタクリレート基含有ジオール)105gを投入し、60℃で更に2時間反応させ、終了した。得られた樹脂の数平均分子量は25000、標準臭素酸カリウム摘定によるメタクリレート濃度は1740eq/tonであった。
※※芳香族ポリエステルジオール
組成:T/I//NPG/EG=50/50//45/55(モル比) Mn:2000 酸価:4eq/ton
【0053】
【表1】
Figure 0004378601
【0054】
参考例1
以下組成の配合物をペイントシェーカーで10時間分散し、紫外線硬化塗料を調製した。
ポリエステルウレタンメタクリレート樹脂−A(固形分) 1.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.0部
参考合成例1のオリゴマー(固形分)1.5部
球状ナノシリカ(平均粒径50nm) 10部
イルガキア907 0.1部
MEK 18部
シクロヘキサノン 34部
粒径1mmジルコニアビーズ 50部
【0055】
[ナノシリカ分散粒子の沈降テスト]
上記分散後塗料を40℃下で静置保存し、ナノシリカ粒子の沈降を目視で確認した。
以下のような指標を結果の評価基準とした。
○;塗料調製後、20日間以上沈降が認められない。
△;塗料調製後、10〜20日間未満で沈降が認められた。
×;塗料調製後、10日間未満で沈降が認められた。
結果を表2にまとめた。
【0056】
[硬化塗膜のゲル分率測定]
上記分散塗料を乾燥厚みが10μmとなるように25μmPETフィルムに塗布し、UV照射装置で1000mJ/cm2の条件でUV照射し、硬化させた。硬化塗膜をPETフィルムごとMEKに24時間浸漬し、浸漬前後での硬化膜成分の塗膜残存率を求めた。結果を表2にまとめた。
【0057】
[硬化塗膜の透明性]
UV照射後の硬化塗膜のHaze及び全光線透過率を測定し、表2に示した。Hazeメーターは日本電色(株)製「NDH 2000」を用いた。
【0058】
実施例1、2、参考例2〜5
参考例1同様で、参考合成例1のオリゴマー成分のみを合成例1、2、参考合成例2〜5のオリゴマーに置き換えて各々同様のテストを実施し、結果を表2にまとめた。
【0059】
比較例1〜3
参考例1同様で、参考合成例1のオリゴマー成分のみを比較合成例1〜3のオリゴマーに置き換えて各々同様のテストを実施し、結果を表2にまとめた。
【0060】
比較例4
参考例1同様で、参考合成例1のオリゴマー成分のみをラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムに置き換えて各々同様のテストを実施し、ラジカル重合性二重結合を有さない場合の比較例とした。結果を表2にまとめた。
【0061】
【表2】
Figure 0004378601
【0062】
【発明の効果】
上記結果のとおり、本発明のオリゴマーは分子中にスルホン酸塩基と活性エネルギー線反応性二重結合を平均1個以上有している事から無機微粒子の分散安定性に優れ、加えて併用される他の樹脂成分と反応し、硬化網目を形成するため硬化塗膜の硬化性にも優れる。更に分子量が5000以下であることから併用される樹脂成分との相溶性にも優れ、結果として透明性の高い塗膜が得られる。

Claims (2)

  1. スルホン酸塩基含有ポリオールが、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム、5−ナトリウムスルホイソフタル酸と脂肪族系ジオール類または/および脂環族系グリコール類からなるジオール化合物の1対2モル比での縮合反応生成物、およびこれらのナトリウムカチオンをアルカリ金属カチオン或いは有機系カチオンで置換したものであり、
    前記スルホン酸塩基含有ポリオールとこのポリオールが有する水酸基量に相当するジイソシアネート化合物を反応させ、水酸基を全てイソシアネート基に変換した後、次の段階で1分子中に少なくとも1個のラジカル反応性二重結合と1個の水酸基を有する化合物と反応させることで得ることができる構造のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであって、
    ラジカル重合性二重結合及びスルホン酸塩基を各々1分子あたり平均1個以上有し、数平均分子量が5000以下であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
  2. スルホン酸塩基含有ポリオールが、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム、5−ナトリウムスルホイソフタル酸と脂肪族系ジオール類または/および脂環族系グリコール類からなるジオール化合物の1対2モル比での縮合反応生成物、およびこれらのナトリウムカチオンをアルカリ金属カチオン或いは有機系カチオンで置換したものであり、
    前記スルホン酸塩基含有ポリオールとこのポリオールが有する水酸基量に相当するジイソシアネート化合物を反応させ、水酸基を全てイソシアネート基に変換した後、次の段階で1分子中に少なくとも1個のラジカル反応性二重結合と1個の水酸基を有する化合物と反応させる、
    ラジカル重合性二重結合及びスルホン酸塩基を各々オリゴマー1分子あたり平均1個以上有し、数平均分子量が5000以下であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造方法。
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