JP4381073B2 - 血液適合性に優れた血液浄化膜 - Google Patents
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1.ポリエーテルスルホンおよびポリビニルピロリドン、溶媒、非溶媒からなる紡糸原液を均一に溶解し、二重環状スリットノズルから内腔形成剤と同時に吐出し、乾式部分を経て凝固浴内に落とし込み、凝固させて血液浄化膜を製造する際に、DMF中での還元粘度が0.3〜0.6、カリウム含量が100〜300mg/kgであるポリエーテルスルホンを使用し、紡糸原液を溶解する際の加熱温度と加熱時間の積を240〜1500℃hの範囲とし、二重環状ノズルからの内腔形成剤の吐出線速度を500〜30000cm/min、紡糸原液の吐出線速度を200〜15000cm/minでかつ内腔形成剤吐出線速度>紡糸原液吐出線速度とすることによって、膜面積1.5m2の血液浄化用モジュールの血液側にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が77%以上92%以下であることを特徴とする。
(1)採血バッグに、濃度が5U/mLとなるよう予めヘパリンカルシウムを入れておき、健康な成人の血液をひじの内側の静脈からこの採血バッグに採取する。血液灌流に先立ち、血液成分の分析用に血液のサンプリングを行う。
(2)膜面積1.5m2の中空糸膜モジュールの血液側、透析液側を生理食塩水でプライミングし、このモジュールの血液側に上記ヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流する。この際、採血バッグから流れ出た血液はモジュールの血液側を通過し、採血バッグに戻るように回路を組む。
(3)37℃の環境下で60分の血液灌流を行った後、血液のサンプリングを行い、血液成分の分析を行う。
(4)灌流前後の血液中の血小板数から、次の式により血小板保持率を算出する。
(血小板保持率)[%]=100×[{(灌流後の血液中の血小板数)×(灌流前の血液のヘマトクリット)}/(灌流後の血液のヘマトクリット)] ÷(灌流前の血液中の血小板数)
(1)カチオン性染料を0.5ppmの濃度になるよう水に溶解してカチオン性染料溶液を調製する。
(2)膜と接触する前のカチオン性染料溶液をサンプリングしておく。
(3)カチオン性染料溶液1000mLを測り採り、膜面積1.5m2の中空糸膜モジュールの血液側、透析液側を満たす。
(4)モジュール充填後、余ったカチオン性染料溶液をプールし、モジュールの血液側に200mL/minの流量で灌流する。この際、溶液プールから流れ出た溶液はモジュールの血液側を通過し、プールに戻るように回路を組む。
(5)5分の灌流を行った後、モジュールに充填されたカチオン性染料溶液と、プールされたカチオン性染料溶液を併せ、サンプリングを行う。
(6)カチオン性染料水溶液の紫外吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)の吸光度(Absλmax)から、検量線を作成し、膜接触前後のカチオン性染料溶液のカチオン性染料濃度を測定する。
(7)次の式からカチオン性染料吸収率を算出する。
(カチオン性染料吸収率)[%]=100×(灌流後の溶液のカチオン性染料濃度)/灌流前の溶液のカチオン性染料濃度)
(1)血液浄化膜の重量(膜重量)を測定し、製造の際に使用したのと同じ溶媒で10wt%の濃度になるよう溶解する。
(2)この液を遠心分離により1500rpm、10分で不溶成分を分離し、上清を除去する。
(3)(2)の操作を3回繰返し、残った不溶成分を蒸発乾固して重量(不溶成分重量)を測定する。
(4)次の式から不溶成分の含有率を算出する。
(不溶成分の含有率)[%]=100×(不溶成分重量)÷(膜重量)
微弱な陰性荷電をを持つ材料を原料として使用することで、得られる膜に電荷が導入され、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。PSf系高分子の場合、末端のフェノール性水酸基の水素原子が一部脱離し、カリウム塩となって存在するものがある。このような材料では、カリウム含量は材料中の陰性荷電置換基の量と考えることができる。具体的にはカリウム含量が100mg/kg〜350mg/kg、好ましくは150mg/kg〜300mg/kgのPSf系材料を使用することが好ましい。カリウム含量がこれよりも少ないと材料の陰性荷電が少なすぎ、所期の特性を得られないことがある。また、これよりも多いと材料の陰性荷電が過剰となりブラジキニン産生亢進など問題が起こることがある。このような材料としては、住友化学社製のポリエーテルスルホン(商品名スミカエクセル)などが例示される。
使用する疎水性高分子の還元粘度は0.2〜0.6であることが好ましい。詳細な機構は不明であるが、このような還元粘度の疎水性高分子を使用することで凝固浴内での凝固が適度に制御され、血液接触面での親水性高分子の含量が前述の好ましい範囲になるのに好適であると考えられる。還元粘度のより好ましい範囲は0.3〜0.6、さらに好ましくは0.4〜0.6である。このような還元粘度を有する疎水性高分子としては、住友化学社製のポリエーテルスルホン、スミカエクセル3600P(還元粘度0.36)、4800P(同0.48)、5200P(同0.52)などを用いるのが好ましい。
詳細な機構は不明であるが、製膜中の延伸によって、材料に含まれる荷電の分布が最適化されると同時に、膜表面の微細構造が最適化され、好ましい特性が発揮されるものと考えられる。また、製膜中の延伸は血液接触面の親水性高分子の含有率を制御する点からも有用な手段である。詳細な機構は不明であるが、製膜中の延伸によって膜孔の微細構造が最適化され、洗浄工程での過剰な親水性高分子の抜けやすさなどに影響を及ぼして好ましい表面親水性高分子含量になるものと考えられる。延伸は好ましくは1〜50%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜20%である。ここで言う延伸とは凝固浴入口ローラー速度と凝固浴出口ローラー速度との比である。
中空糸型膜を製造する際には、ドープを内腔形成剤とともに二重管型のノズルから吐出し、空走部分を経て凝固浴に導き凝固させるのが一般的であることは既に述べた。この際、ノズルから吐出された直後の内腔形成剤吐出線速度とドープ吐出線速度が、内腔形成剤吐出線速度>ドープ吐出線速度の関係にあると、中空糸型膜の内部、血液接触面ではドープと内腔形成剤の接触面で摩擦が生じる。この摩擦によって荷電が付与され、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。吐出線速度の具体的な好ましい値としては、内腔形成剤は500〜30000cm/minが好ましく、800〜28000cm/minがより好ましい。ドープは200〜15000cm/minが好ましく、250〜10000cm/minがより好ましい。吐出線速度がこの範囲を外れると、操業性、紡糸効率が低下することがある。内腔形成剤およびドープの吐出直後の吐出線速度は、次の式で算出することができる。
(吐出直後の吐出線速度)[cm/min]=
(吐出量)[cc/min]÷(吐出孔面積)[cm2]
製膜工程において、走行する膜と非伝導体とを接触させることにより膜が静電気を帯びて、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。走行中の膜と非伝導体の接触は、具体的には、製膜機台の膜接触部分に非伝導体を使用するのが好ましい。ここで言う膜接触部分とは、例えば、ガイド、ローラーなどが例示される。使用できる非伝導体は、例えば、エボナイト、テフロン(R)、セラミック、あるいはこれらをコーティングした金属材料などが例示される。
ミスト状の水は微弱に帯電しているので、製膜された血液浄化膜にミスト状の水を吹き付けることにより膜が静電気を帯びて、本発明の意図する好ましい特性を付与するのに有用である。上記の操作は、静電気付与による好ましい特性の実現と同時に、洗浄操作としても位置付けることができる。具体的には、例えば、中空糸膜紡糸工程において、走行中の中空糸膜に水を噴霧して洗浄を行った後乾燥工程を経て巻取る方法、紡糸工程を経て得られた中空糸膜を糸束としてこれに水を噴霧し、洗浄を行う方法などが例示される。
親水性高分子が架橋されることで、親水性高分子が持つ特性と微妙に異なる挙動を示すことが考えられるので、血液接触使用時の性能保持性を確保するために、本発明の中空糸型血液浄化膜に含まれる親水性高分子は実質的に不溶化されていないことが好ましいことは既に述べた。具体的に親水性高分子の架橋を回避する手段としては、次のような手法が例示される。
製膜工程によって紡糸ドープに与えられる熱履歴を制御することは、熱架橋による不溶成分の量を制御する上で有効な手段のひとつである。例えば、疎水性高分子、親水性高分子、溶媒、非溶媒などの原料を溶解する工程において、加熱温度は200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。また、加熱温度と加熱時間の積は、1500℃h以下であることが好ましく、1300℃hであることがさらに好ましい。また、ドープ輸送のライン温度は150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがさらに好ましい。加熱温度と加熱時間の積が1500℃hを超えると、紡糸ドープに過剰の熱履歴が加えられることになり、熱架橋が進行して不溶成分の量が多くなり過ぎる可能性がある。
血液浄化膜の滅菌には、γ線などの高エネルギー線照射が利用されているが、親水性高分子として広く利用されているPVPは、γ線照射によって架橋することが知られている。照射するγ線は20〜60kGyが好ましい。γ線量が少なすぎると、滅菌効果が不足することがある。また、γ線量が多すぎると、膜素材が劣化することがある。γ線架橋による不溶成分の含有率を本発明が意図する範囲に制御するには、γ線照射する際に膜の水分率が好ましくは0.3〜3.5重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%である、実質的にドライ膜であることが好ましい。膜の水分率がこの範囲にあれば、γ線照射時の親水性高分子の劣化・分解の抑制および架橋抑制の両方の効果を得ることができる。また、30〜80重量%のグリセリンを含浸させておくこともγ線照射時の架橋を抑制するための好ましい態様である。ここで言う実質的にドライ膜であるとは、水あるいは水系溶媒に浸漬されておらず、膜を取出した時に水あるいは水系溶媒の滴下が見られず、膜表面を濾紙などで払拭した際に、払拭材(濾紙など)に水あるいは水系溶媒の移動が目視で確認できない膜であることを意味する。
中空糸膜1本を両面テープ上にはりつけ、ナイフで開腹した後展開して両面テープにはりつけ、内表面を露出させた。これを試料台にはりつけてESCAでの測定を行った。測定条件は次に示す通りである。
測定装置:アルバック・ファイ ESCA5800
励起X線:MgKα線
X線出力:14kV,25mA
光電子脱出角度:45°
分析径:400μmφ
パスエネルギー:29.35eV
分解能:0.125eV/step
真空度:約10―7Pa以下
窒素の測定値(N)と硫黄の測定値(S)から、次の式により表面でのPVP含有率を算出した。
<PVP添加PES膜の場合>
(PVP含有率)[%]
=100×(N×111)/(N×111+S×232)
<PVP添加PSf膜の場合>
(PVP含有率)[%]
=100×(N×111)/(N×111+S×442)
40%エタノール水溶液での抽出試験は以下の手順で行った。中空糸膜モジュールの中空糸内側に400mLの純水を流してフラッシングを行った後、モジュール内の純水を40容量%のエタノール水溶液で置換した。中空糸外側のモジュールケース内部にも40溶量%のエタノール水溶液で満たして封止した。続いて40℃の条件下、200mLの40容量%エタノールを150mL/minで1時間にわたって中空糸内側を循環させた後、循環した40容量%エタノール水溶液を回収し、そのPVP濃度を測定した。モジュールの中空糸内側容積とモジュール出入り口のヘッダー部分の体積、すなわちプライミングボリュームに200mLを加えた、抽出液総体積と抽出液中のPVP濃度から、抽出されたPVP総重量を算出し、さらに、中空糸膜モジュールの膜面積(中空糸内径基準)から、被処理液接触側膜面積1m2あたりのPVP抽出量を求めた。
PVPの濃度測定は、K.Muellerの方法(K.Mueller,Pharm.Acta.Helv.,43,107(1968))によって行った。すなわち、検体にクエン酸とヨウ素溶液を加え、吸光度を測定し、濃度既知のPVPから求めた検量線により濃度を求めた。ここで、濃度測定の際には、エタノールによる発色の阻害を避けるため2倍以上に希釈する必要がある。具体的には、例えば2倍希釈で濃度測定を行う場合、検体を1.25mL、水1.25mL、0.2mol/Lクエン酸水溶液1.25mL、0.006規定ヨウ素水溶液0.5mLをよく混合し、10分間静置した後、470nmの吸光度を測定し、その測定値からPVP濃度を算出すればよい。
中空糸膜モジュールを使用し、膜の内外両側に純水を満たした。膜の内側に通じるモジュール入り口から純水によって圧力をかけて、膜の内側と外側の圧力差、すなわち膜間圧力差を生じせしめ、1分間に膜を通じて膜外側に出てくる純水の量を測定した。4点の異なった膜間圧力差において、1分間の透水量を測定し、膜間圧力差と透水量の2次元座標にプロットして、それらの近似直線の傾きを数値として求めた。この数値に60をかけ、中空糸膜モジュールの膜面積で割って中空糸膜の透水性を求めた(以下UFRと略記する。単位はmL/m2・hr・mmHg)。
中空糸膜モジュールを使用し、ヘマトクリット35%の牛血液を200mL/minの流量で中空糸の内側に灌流した。同時に、中空糸外側から20mL/minの流量で濾過を行った。灌流・濾過開始15分後の膜間圧力と濾過液量から、牛血液系での透水性(以下MFRと略記する。)を算出した。この値を(A)とし、灌流・濾過開始120分後、同様の操作により求めたMFRの値(B)とから、100(%)×(B)/(A)の計算によりC特性値を算出した。
ビタミンB12が20ppm、尿素が1000ppm、塩化ナトリウムが180ppm、リン酸一ナトリウム(無水)が40ppm、リン酸二ナトリウム(12水和物)が480ppmになるよう調製したキンダリー希釈液(35倍希釈)を使い、膜面積1.5m2のモジュールで測定した。血液側の流速は200±1ml/min、透析液側の流速は500±10ml/minとし、37℃で上記キンダリー溶液を流した。流し始めてから1分後に3分間にわたって透析液側の液をサンプリングし、その間血液側(out)の液のサンプリングを1分間にわたって行った。それぞれの液について尿素の濃度を和光純薬工業株式会社製尿素窒素B−テストワコーを使用したウレアーゼ・インドフェノール法により測定した。また、ビタミンB12の濃度を360nmの吸光度から測定した。これらの測定値から中空糸膜の尿素クリアランス(CLun)、ビタミンB12クリアランス(CLvb)を算出した。
DMF中での還元粘度が0.48、カリウム含量が265mg/kgであるPES(住友化学社製スミカエクセル4800P)および平均分子量が約120万のBASF社製PVP(K−90)をDMAc(三菱瓦斯化学社製)と水の混合液(重量比でDMAc:水=95:5)にそれぞれ18重量%、3重量%になるよう40℃で6時間にわたって混合・溶解し、均一な溶液とした。この溶液を紡糸原液として、二重環状スリットノズルから吐出すると同時に、紡糸原液に対して凝固性である45重量%DMAc水溶液を内腔形成剤として吐出した。この際、ドープを貯留したタンクからノズルピースを取り付けた部材(ノズルブロック)に到るまでのドープ流路の温度(ライン温度)は40℃に設定した。ノズルから凝固浴までの乾式部分を経て凝固浴内に紡糸原液/内腔形成剤を落とし込み、5%の延伸をかけながら凝固させて中空糸膜として成形し、50m/minの速度で巻取った。この際に使用した凝固液は水で、温度は25℃であった。中空糸膜巻き取りの過程において、水洗浴を経ることで洗浄を行った。中空糸膜紡糸の際に使用した二重環状ノズルの内腔形成剤吐出面積は9.5×10-5cm2、ドープ吐出面積は39.3×10-5cm2、内腔形成剤吐出量は2.35cc/min、ドープ吐出量は2.00cc/minで、吐出直後の内腔形成剤吐出線速度は24737cm/min、ドープ吐出線速度は5089cm/minであった。紡糸機台のローラーはステンレス製、中空糸膜のガイドにはテフロン(R)製のものを使用した。得られた中空糸膜は長さ約25cmの糸束とし、回転軸中心部から水を噴霧しながら遠心して内腔形成剤を洗浄除去した。さらに、3000回転で5分間の遠心により洗浄水を除去した後、40℃の空気を8時間にわたってブローして乾燥した。
PESの濃度が16重量%、内腔形成剤が50重量%DMAc水溶液、凝固液が10重量%DMAc水溶液、凝固液温度が5℃である以外は実施例1と同様の条件、手法で中空糸膜を得た。
DMF中での還元粘度が0.48、カリウム含量が265mg/kgであるPES(住友化学社製4800P)および平均分子量が約120万のBASF社製PVP(K−90)をNMP(三菱化学社製)とトリエチレングリコール(以下TEGと略記する。)(三井化学社製)の混合液(重量比でNMP:TEG=58:42)にそれぞれ42重量%、5重量%になるよう130℃で6時間にわたって混合・溶解し、均一な溶液とした。この溶液を紡糸原液として、二重環状スリットノズルから吐出すると同時に、紡糸原液に対して非凝固性である流動パラフィンを内腔形成剤として吐出した。この際、ライン温度は120℃に設定した。ノズルから凝固層までの乾式部分を経て凝固層内に紡糸原液/内腔形成剤を落とし込み、10%の延伸をかけながら凝固させて中空糸膜として成形し75m/minの速度でボビンにチーズ状に巻取った。この際に使用した凝固液の組成は35重量%のNMP水溶液で温度は5℃であった。中空糸膜巻き取りの過程において、水洗浴、50重量%のグリセリン水溶液浴を経ることで洗浄、表面へのグリセリン塗布を行い、さらに80℃の温風によって乾燥を行った。なお、この際に使用した二重環状ノズルの内腔形成剤吐出面積は20.4×10-4cm2、ドープ吐出面積は27.0×10-4cm2、内腔形成剤吐出量は2.30cc/min、ドープ吐出量は0.9cc/minで、吐出直後の内腔形成剤吐出線速度は1127cm/min、ドープ吐出線速度は333cm/minであった。紡糸機台のローラーはステンレス製、中空糸膜のガイドにはテフロン(R)製のものを使用した。
DMF中での還元粘度が0.76、カリウム含量が310mg/kgであるPESおよび平均分子量が約120万のPVP(K−90)をDMAcと水の混合液(重量比でDMAc:水=90:10)にそれぞれ18重量%、4重量%となるよう40℃で6時間にわたって混合・溶解し、均一な溶液とした。この溶液を紡糸原液として、凝固浴内で実質的に延伸がかからないようにしたこと、紡糸機台のローラー、中空糸膜のガイドともにステンレス製のものを使用したこと以外は実施例1と同様の条件、手法で中空糸膜を得た。得られた中空糸膜は長さ約25cmの糸束とし、水への浸漬、引き上げをくり返して内腔形成剤を洗浄除去した。さらに、3000回転で5分間の遠心により洗浄水を除去した後、40℃の空気を24時間にわたってブローして乾燥した。
DMF中での還元粘度が0.76、カリウム含量が310mg/kgであるPESおよび平均分子量が約4万のPVP(K−30)をNMPとTEGの混合液(重量比でNMP:TEG=60:40)にそれぞれ25重量%、3重量%になるよう160℃で12時間にわたって混合・溶解し、均一な溶液とした。この溶液を紡糸原液として、二重環状スリットノズルから吐出すると同時に、窒素ガスを内腔形成剤として吐出した。凝固浴内で実質的に延伸がかからないようにしたこと、紡糸機台のローラー、中空糸膜のガイドともにステンレス製のものを使用したこと、凝固液を10重量%のNMP水溶液として温度を25℃に設定したこと、グリセリン塗布後の乾燥を100℃の温風で行ったこと以外は実施例3と同様の条件、手法で中空糸膜を得た。
PVPを含有しない、市販のPES/ポリアリレートアロイ製の中空糸型血液浄化膜を使用し、実施例1と同様の方法で、血小板保持率、カチオン性染料吸着量、不溶成分含有率、PF4上昇率を測定した。結果は表1に示した。
実施例1で得た中空糸膜モジュールを、上記[40%エタノール水溶液での抽出方法]に示した方法で抽出し、中空糸膜モジュール5本分の抽出液をあわせて濃縮して40%エタノール水溶液を完全に留去した。この濃縮残渣を生理食塩水で再溶解し、全量で10mLになるように調製した。この液を濾過滅菌し、体重約10kgのイヌの静脈に投与し、アナフィラキシー様症状の観察という観点から状態の変化を観察した。結果は表3に示した。
Claims (1)
- ポリエーテルスルホンおよびポリビニルピロリドン、溶媒、非溶媒からなる紡糸原液を均一に溶解し、二重環状スリットノズルから内腔形成剤と同時に吐出し、乾式部分を経て凝固浴内に落とし込み、凝固させて血液浄化膜を製造する際に、DMF中での還元粘度が0.3〜0.6、カリウム含量が100〜300mg/kgであるポリエーテルスルホンを使用し、紡糸原液を溶解する際の加熱温度と加熱時間の積を240〜1500℃hの範囲とし、二重環状ノズルからの内腔形成剤の吐出線速度を500〜30000cm/min、紡糸原液の吐出線速度を200〜15000cm/minでかつ内腔形成剤吐出線速度>紡糸原液吐出線速度とすることによって、膜面積1.5m2の血液浄化用モジュールの血液側にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が77%以上92%以下であることを特徴とする血液適合性に優れた血液浄化膜。
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