JPH06296686A - 医療用ポリスルホン中空糸膜 - Google Patents

医療用ポリスルホン中空糸膜

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JPH06296686A
JPH06296686A JP9117393A JP9117393A JPH06296686A JP H06296686 A JPH06296686 A JP H06296686A JP 9117393 A JP9117393 A JP 9117393A JP 9117393 A JP9117393 A JP 9117393A JP H06296686 A JPH06296686 A JP H06296686A
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JP
Japan
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polyvinylpyrrolidone
membrane
polysulfone
hollow fiber
fiber membrane
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JP9117393A
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Masatoshi Kamisaka
正利 上坂
Masakazu Yamada
雅一 山田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜表面への血液蛋白、血小板等の付着が少な
く、ろ過速度の経時変化の小さい中空糸膜であり、なお
かつ、安全性にも優れた医療用のポリスルホン系樹脂中
空糸膜を提供する。 【構成】 ポリスルホンとポリビニルピロリドンによっ
て構成された中空糸膜において特に血液が直接接触する
中空糸膜内表面でのポリビニルピロリドンの存在率を2
0%〜50%とすることを特徴とする医療用ポリスルホ
ン中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリスルホン中空糸膜に
関するものであり、特に腎不全の治療を目的とした血液
透析や血液ろ過に好適な医療用ポリスルホン中空糸膜に
関する。
【0002】
【従来の技術】腎不全の治療のために現在各種の人工腎
臓が使用されているが、これらの大部分は中空糸膜を用
いて血液透析や血液ろ過を行うことで尿素を代表とする
血液中の老廃物を除去するためのものである。従って、
血液は膜と接触しなければならないために膜の素材とし
ては、セルロ−ス、セルロ−スアセテ−ト、ポリアクリ
ロニトリル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレ−
ト、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体等の生体に対
して安全な素材が用いられている。
【0003】一方、血液透析や血液ろ過は4時間から5
時間の治療時間を必要とするため、治療を安定に行うに
は安定した除水能力が求められるが、血液蛋白等の膜表
面への付着が多いと経時的に除水能力が低下してくるた
めに、血液蛋白の付着あるいは血小板を代表とする血球
成分の付着が少ない抗血栓性、生体適合性に優れた中空
糸膜が望まれる。
【0004】こうした課題を解決する手段としては、一
般的に膜に親水性をもたせることが有用だと考えられて
おり、例えば、特公平2−18695号公報には疎水性
高分子と親水性高分子であるポリビニルピロリドンから
なる膜においてポリビニルピロリドンの膜中での含有率
を5%から70%とすることで膜の親水性を高め、生体
適合性、抗血栓性を向上させる方法が開示されている
が、膜の組成比に関してのみの記載であり、血液が直接
接触し医療用に用いられる中空糸膜の抗血栓性、生体適
合性を決定するのにもっとも重要となる中空糸膜内表面
に関してはなんら記載されてはいない。
【0005】一方、特開昭61−402号公報や特開昭
62−38205号公報には緻密層側だけに親水性高分
子を含む膜が、また特開平4−300636号公報には
中空糸膜の内表面側にポリビニルピロリドンが偏在した
膜が開示されているが、ともに膜表面そのもの、すなわ
ち血液に接触する表面近傍部に親水性高分子が存在する
事の記載のみであり、その性質についての具体的な記載
はなんらなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗血栓性、生
体適合性に優れた血液透析、血液ろ過に好適な医療用の
ポリスルホン中空糸膜を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】抗血栓性、血液適合性に
優れた医療用中空糸膜を提供するために本発明者らは鋭
意検討の結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、ポリスルホン系樹脂とポリビニルピ
ロリドンからなる中空糸膜であって、内表面におけるポ
リビニルピロリドンの存在率が20%以上、50%以下
であることを特徴とする医療用のポリスルホン中空糸膜
である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。ポリスル
ホン系樹脂とは、スルホン結合を有する高分子化合物の
総称であり特に規定するものではないが、例をあげると
下記(1)式または(2)式で示されるポリスルホン系
樹脂が広く市販されており入手も容易なため好ましく、
中でも(1)式で示す化学構造を持つポリスルホン樹脂
がよい。この構造を持つポリスルホン樹脂はアモコ・パ
フォ−マンス・プロダクツよりユ−デルの商品名で市販
されており、重合度等によっていくつかの種類が存在す
るが特にこだわるものではない。
【0009】
【化1】
【0010】また、ポリビニルピロリドンは、例えばア
イ・エス・ピ−からプラスドンの商品名で各種分子量の
ポリビニルピロリドンが市販されており、本発明におい
てはどの分子量のポリビニルピロリドンをも使用するこ
とが可能である。分子量が大きいほど膜中へのポリビニ
ルピロリドンの残留率が大きくなるため、好ましくは分
子量300,000以上のポリビニルピロリドンを使用
する。
【0011】中空糸膜の製膜に際しては従来より一般的
に知られている技術である乾湿式製膜技術が使用でき
る。乾湿式製膜を行うための製膜原液としては、ポリス
ルホン系樹脂とポリビニルピロリドンの両者を共通に溶
解する溶剤に溶解混和した溶液が用いられる。該溶剤と
しては特に規定するものではないが、N,N−ジメチル
アセトアミド,N,N−ジメチルフォルムアミド、N−
メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド等の溶剤が
溶解性も高く、入手も容易であるため簡便に使用でき
る。中でもポリスルホンに対する溶解性や生体に対する
安全性、コスト等を考えるとN,N−ジメチルアセトア
ミドがもっとも好ましい。これらの溶剤は単独で使用で
きることはもちろんであるが、ポリマ−対する溶解性を
調整するために2種またはそれ以上の種類の溶剤を混合
しても使用することができる。
【0012】該ポリスルホン系樹脂の濃度は、低すぎる
と膜形成が困難となり膜強度が弱くなってしまったり、
高すぎると紡糸性が悪くなったり孔径が小さくなる等の
現象が生じてくるので、12〜25重量%、中でも15
〜20重量%、さらには16〜18重量%であることが
好ましいが、この範囲に限定される事はなく、目的とす
る中空糸膜の性状によってはこの範囲より低くすること
も高くすることもできる。
【0013】製膜原液中に添加したポリビニルピロリド
ンは、膜が形成される過程においてその一部が膜中に残
存する。その残存割合は、ポリビニルピロリドンの分子
量や紡糸条件により変化してくるので、ポリビニルピロ
リドンの最適な濃度は変化してくるが、一般的には1〜
20重量%がよく、好ましくは2〜15重量%、さらに
好ましくは3〜10重量%がよい。ポリビニルピロリド
ンは分子量が大きくなるにつれて膜中に残存しやすくな
るため、ポリビニルピロリドンの分子量が大きい場合は
その濃度は低くてもよい。例えばポリビニルピロリドン
の分子量が300,000以上の時には1〜15重量
%、特に3〜7重量%である事が好ましい。
【0014】一般的に1重量%より低いと膜中に残存す
るポリビニルピロリドンが少なくなりすぎるために中空
糸膜内表面に存在するポリビニルピロリドンは20%以
下となってしまい、親水化が不十分となって血液蛋白の
付着が激しくなり安定的な除水性能が得られなくなる。
また、20重量%よりも高いと製膜原液の粘性が高くな
りすぎて製膜が困難となるため、ポリビニルピロリドン
の添加量は上記範囲内で適宜設定すべきである。
【0015】また、該製膜原液の粘度調整あるいは目的
とする中空糸膜の孔径制御等の為に、テトラエチレング
リコ−ル、プロピレングリコ−ル、エタノ−ル、イソプ
ロピルアルコ−ル、グリセリン、水等の非溶剤を加える
ことも可能であり、その種類、添加量等については目的
とする中空糸膜の性状に応じて適宜選択できる。中空糸
膜の製膜はチュ−ブインオリフィス型の紡口を用い、そ
の鞘部から該製膜原液を押し出すと同時に、芯部からは
内部凝固液を押し出し、5cmから1mの距離を走行さ
せて後、凝固浴中へ浸せきさせ、その後巻き取ってやれ
ば良い。
【0016】内部凝固液及び凝固浴液としては水を主体
とした液が用いられるが、目的とする中空糸膜の性状を
発現するためにポリスルホン樹脂の溶剤と水の混合液を
用いることができる。製膜に際して重要なのは製膜時の
原液粘性であり1,500〜6,000センチポイズで
あることが好ましいが、さらに好ましいのは3,000
〜4,500センチポイズとすることである。というの
もポリビニルピロリドンは水溶性であるため膜凝固時に
その一部が凝固浴中へ溶出してくるが、原液粘性を高く
することでポリビニルピロリドンの拡散移動が抑えられ
膜中に残存しやすくなるためである。
【0017】さらに重要なのは空中部の走行距離である
が、その理由として膜の形成すなわち凝固が充分に終了
しておらず、ポリビニルピロリドンがまだ拡散移動でき
る状態で中空糸が凝固浴中に浸せきされると、ポリビニ
ルピロリドンは凝固浴中へ溶出してしまい、ポリビニル
ピロリドンは膜中に残らなくなってしまうからである。
【0018】従って、紡口より押し出された製膜原液は
凝固浴中に浸せきされるまでの間に充分に凝固している
ことが好ましく、そのためには製膜原液が紡口より押し
出されてから凝固浴中に浸せきされるまでの時間が0.
1秒以上、さらには0.3秒以上であることが好まし
い。このためには紡糸速度が50m/分の場合には空中
部の距離はおおよそ8cm以上、さらには25cm以上
とするのがよい。またその上限については必ずしも規定
されるものではなく大きくするほど好ましいが、あまり
大きくすると糸切れが発生しやすくなるため100cm
を越えない範囲であるのがよい。
【0019】凝固浴へ浸せきされた中空糸膜は必要に応
じてさらに水洗浴中で水洗を行った後巻取を行う。得ら
れた中空糸膜は未洗浄の残溶剤を除去するためにさらに
温水等で洗浄すればよく、必要に応じてグリセリン等の
孔径保持剤を付着させて乾燥することもできる。このよ
うにして得られた中空糸膜は膜表面のポリビニルピロリ
ドン存在率が20%以上、50%以下となっており、抗
血栓性、生体適合性に優れ、蛋白、血小板等の膜面付着
も軽微であった。この膜は安定した除水能力を有してお
り血液透析、血液ろ過等の治療を安定に実施するために
大きな効果を発揮するものである。
【0020】ところで、ポリビニルピロリドンの膜表面
での存在比を20%以上とすることでなぜ安定した除水
能力が得られるのかについての詳細は不明であるが、本
来蛋白等を吸着しやすい疎水性であるポリスルホンの表
面部を親水性の高分子であるポリビニルピロリドンがお
おいかくすのに必要な存在率が20%以上であり、その
結果として膜表面は充分に親水化されているので膜表面
への蛋白等の吸着性が弱められ安定した除水能力が得ら
れるものと予想される。
【0021】また、ポリビニルピロリドンの膜表面での
存在率が50%より大きいと膜表面はより一層親水化さ
れているので性能は安定しているのであるが、その反面
血液透析時等においてポリビニルピロリドンが血液中に
溶出してくる危険性が伴うために安全性の上で問題がで
てくる可能性があるのでポリビニルピロリドンの存在率
は50%以下であることが好ましい。
【0022】なお本発明でいう膜表面でのポリビニルピ
ロリドンの存在率とは血液が膜と接触する極表層部での
存在率であり、具体的にはエックス線光量子スペクトル
(X−ray photoelectron spec
troscopy,以下XPS)により求めた膜表面部
での窒素含量と硫黄含量から求めた存在率をいうもので
あり、ポリスルホン樹脂が(1)式の構造であるときに
は(3)式により計算で求める事ができる。
【0023】
【数1】
【0024】
【実施例】以下に実施例および参考例をもとに本発明を
詳細に説明する。
【0025】
【実施例1】ポリスルホン樹脂(アモコ・パフォ−マン
ス・プロダクツ,P−1700)18部,ポリビニルピ
ロリドン(アイ・エス・ピ−,プラスドンK−90,分
子量360000)5部,N,N−ジメチルアセトアミ
ド77部を均一溶解した。この原液は45度で3,80
0センチポイズの粘度を有していた。チュ−ブインオリ
フィス型の中空紡口を用いて内部凝固液として50%の
濃度のN,N−ジメチルアセトアミド水溶液を吐出させ
ながら、45度に保温した状態でこの製膜原液を同時に
吐出させた。該原液は40cm下方にもうけられた温度
50度の水浴中に浸せきされた後50m/minの速度
で巻き取られた。
【0026】得られた中空糸膜は内径0.195mm、
外径0.310mm、透水性能245ml/Hr・m2
・mmHgであり、XPSにより求めた膜表面部でのポ
リビニルピロリドン存在率は35%であった。得られた
中空糸膜を用いて有効膜面積0.02m2 のミニモジュ
−ルを作成し、線速1cm/秒、ろ過圧200mmHg
の状態で総蛋白濃度5.8g/Lの牛血しょうを流しろ
過速度の経時変化を見たところ、変化は軽微であった。
【0027】さらに、得られた中空糸膜に対して透析型
人工腎臓承認基準に基づいて安全性試験を実施したとこ
ろ全項目合格であった。それらの結果を表1に示す。
【0028】
【比較例1】ポリスルホン(P−1700)18部、ポ
リビニルピロリドン(K−90)0.5部、N,N−ジ
メチルアセトアミド81.5部の比率で均一溶解し、4
5度で750センチポイズの粘度を有する製膜原液を得
た。この製膜原液を用いて、内部凝固液を65%のN,
N−ジメチルアセトアミド水溶液とする以外は実施例1
と同様にして中空糸膜を得た。
【0029】この中空糸膜は内径0.208mm、外径
0.327mm、透水性能183ml/Hr・m2 ・m
mHgであり、膜表面のポリビニルピロリドン存在率は
18%であった。得られた中空糸膜を用いて実施例1と
同様の試験を実施した。安全性試験には合格したが、ろ
過速度の経時変化が大きく安定した除水性能が得られな
かった。
【0030】それらの結果を表1に示す。
【0031】
【比較例2】ポリスルホン(P−1700)18部、ポ
リビニルピロリドン(K−15)25部、N,N−ジメ
チルアセトアミド57部の比率で均一溶解し、45度で
7,600センチポイズの製膜原液を得た。この製膜原
液を用いて、内部凝固液を水とする以外は実施例1と同
様にして中空糸膜を得た。
【0032】この中空糸膜は内径0.192mm、外径
0.298mm、透水性能370ml/Hr・m2 ・m
mHgであり、膜表面のポリビニルピロリドン存在率は
55%であった。参考例4で得られた中空糸膜を用いて
実施例2、3と同様の試験を実施したところ、ろ過速度
の経時変化は小さく安定した除水性能が得られたが、安
全性試験における紫外線吸収スペクトルの項目で不合格
となった。
【0033】それらの結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ポリスルホン中空糸膜
の膜内表面がポリビニルピロリドンによって親水化さ
れ、その存在率が20%〜50%となっているために、
中空糸膜内表面への蛋白や血小板等の付着が抑制され目
詰まりがおこりにくくなる。そのため安定した除水能力
が維持できるので血液透析や血液ろ過療法を安定に施行
できるとともに、安全性にも優れた医療用のポリスルホ
ン膜を提供しうる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスルホン系樹脂とポリビニルピロリ
    ドンからなる中空糸膜であって,膜内表面におけるポリ
    ビニルピロリドンの存在率が20%以上、50%以下で
    あることを特徴とする医療用ポリスルホン中空糸膜。
JP9117393A 1993-04-19 1993-04-19 医療用ポリスルホン中空糸膜 Pending JPH06296686A (ja)

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