JP4381089B2 - 水着用伸縮性布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、水着、インナー、アウター、おしめカバー、生理用品、テントシート等のアウトドア製品、産業用資材、等に用いて好適な、更に詳しくは、耐光性、耐塩素性、耐薬品性、耐業務洗濯性に優れる伸縮性布帛に関する。
伸縮性布帛は、水着、レオタード、インナー、アウター、その他おしめカバー、生理用品の一部等に広く用いられている。
そしてこれらの伸縮性布帛は、一般にポリウレタン弾性繊維とポリエステル、ポリアミドといった汎用糸と交編されていることが一般的である。
しかしながら、ポリウレタン弾性繊維は通常の汎用糸に比して化学耐久性、耐候性が著しく劣るという欠点を有し、塩素消毒等を行う業務洗濯用途や水着、又は屋外で暴露される資材用途、例えば車両等のシート類に使用できない又は十分な耐久性が得られていない。これらの課題に対し、種々の添加剤の開発が試みられているが、ポリウレタン弾性繊維の本質が変わるものではなく、特に過酷な条件下では使用できないというのが現状である(例えば特許文献1、2参照)。一方、非弾性繊維として用いられているポリエステルやポリアミド繊維に関しては、ポリウレタン弾性繊維よりは耐化学耐久性、耐候性に優れるものの、長期間の屋外暴露や、業務洗濯に用いられる薬品に曝されるような過酷な条件に対しては十分とは言えず、加水分解や黄変等の問題があった。
また伸縮性布帛はその伸縮性ゆえ性量が高くなる傾向が強く、軽量感のある布帛を得ることが困難であるという問題もあった。
特開2001−081632号公報 特開平06−081215号公報
本発明は、前記のような課題を解決するものであって、耐薬品性、耐候性に優れ、また軽量である伸縮性布帛を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.非弾性繊維と弾性繊維からなる布帛であって、該非弾性繊維及び弾性繊維がともにポリオレフィン系繊維であることを特徴とする伸縮性布帛。
2.弾性繊維が架橋型ポリオレフィン系弾性繊維であることを特徴とする上記第1記載の伸縮性布帛。
3.非弾性繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする上記第1又は2記載の伸縮性布帛。
本発明によれば、耐薬品性、耐光性に優れ、かつ軽量感ある布帛を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる伸縮性布帛は非弾性繊維、弾性繊維共にポリオレフィン系繊維からなることが必要である。ポリオレフィン系繊維は優れた耐薬品性、耐候性を有する。
これにより該繊維を非弾性繊維に該繊維を用いれば布帛の強度を保持しかつ変色を防止し、弾性繊維に用いることにより伸縮性を保持し、また変色を防止するため、屋外暴露や業務洗濯薬品に曝す等の過酷な条件においても、使用開始時と同等の布帛特性を維持することができる。また該繊維は密度が低く、布帛厚みに対して軽量な伸縮性布帛を得ることができる。更に該繊維は疎水性であるため、水切れ性がよく、水着等に用いた場合、乾燥速度が速いという特性を有する。
即ち本発明は以下の構成からなる。
1.非弾性繊維と弾性繊維からなる布帛であって、該非弾性繊維がポリオレフィン系繊維であり、弾性繊維が架橋型ポリオレフィン系弾性繊維のみからなることを特徴とする水着用伸縮性布帛。
2.90℃で90時間の光照射後のΔb値が5%以下であることを特徴とする上記第1記載の水着用伸縮性布帛。
3.非弾性繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする上記第1又は2記載の水着用伸縮性布帛。
本発明でいう弾性繊維とは社会通念上のゴム弾性を有する繊維をいい、一般的には伸度50%以上で回復性を有する、例えば一般的なポリウレタン弾性繊維のような繊維をいう。
また非弾性繊維とは、社会通念上のゴム弾性を有さない繊維をいい、伸張回復性を有さない、例えば一般的なポリエステル、ポリアミド等の繊維をいう。
本発明にかかる伸縮性布帛は架橋型ポリオレフィン系弾性繊維を使用してもよい。かかる弾性繊維は、その化学構造に起因した耐薬品性、耐候性に加えて、優れた伸縮性、耐熱性を有し、本発明にかかる伸縮性布帛に用いて好適だからである。
本発明でいう架橋型ポリオレフィン繊維は均一に分枝を有しており、実質的に線状であるオレフィンに架橋処理を施されてなる繊維であってもよい。
ここで均一に分枝していて実質的に線状であるオレフィン繊維とは、オレフィン系モノマーを重合させた重合物であり、その重合物の分岐度合いが均一であるものを言う。
例えばαオレフィンを共重合させた低密度ポリエチレンや特表平2002−515530号公報記載の弾性繊維がこれに該当する。
また架橋処理の方法としては、例えばラジカル開始剤やカップリング剤などを用いた化学架橋や、エネルギー線を照射することによって架橋させる方法等が挙げられる。製品となった後の安定性を考慮するとエネルギー線照射による架橋が好ましいが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
本発明にかかる伸縮性布帛は、塩素処理後の応力保持率が85%以上、更に好ましくは90%以上であってもよい。上記の応力保持率を有する布帛であれば、過酷な洗濯・殺菌等の条件下の使用であっても、使用者等が十分満足する耐久性だからである。
また本発明にかかる伸縮性布帛は、光照射後の黄変(△b値)が5%以下、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下であってもよい。このような範囲であれば、野外で長時間暴露するような過酷な条件下の使用であっても、長期間使用に耐えるものだからである。
本発明にかかる伸縮性布帛は、乾熱65℃で30分処理した後の収縮率が布帛の経、緯方向共に5%以下であることが好ましい。更に好ましくは3%以下である。かかる弾性布帛は加工時、又は商品となった後の使用時にサイズ変動による皺や変形を防ぐことができるという効果を有する。
収縮率が5%よりも高いと染色後の工程、縫製などの段階で皺撚りなどの欠点の原因となり得、また、製品とになってからも家庭用のタンブルドライアー等の中で収縮するため、製品としての寸法安定性が害されるからである。
かかる寸法安定性に優れる伸縮性布帛は、例えば後加工工程において、布帛に過剰なテンションを与えることなく、十分にリラックスさせることに留意することによっても、得ることができる。
本発明で使用する非弾性繊維はポリプロピレン繊維であってもよい。かかる繊維は一般的に入手が可能であり、また比重が低く本発明に用いて好適だからである。
本発明でいう伸縮性布帛とは破断することなく少なくとも1%伸張することができ、かつほぼ基の状態に回復する布帛をいう。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中における伸縮性布帛の特性値の測定及び評価は下記のようにおこなった。
(A)塩素水処理
特開2000−97933号公報記載の水着の耐塩素性を評価する試験装置を用いておこなった。かかる試験装置は、水着の試験片を浸漬することによるpH変動を抑制し、かつ試験片を浸漬する水槽内の状態を均一に保つことができ、更には遊泳時を想定して水着が水流を受けるものであり、競泳やスイミングスクール等の遊泳条件に近しい動的な測定を可能とし、より現実的な耐塩素性評価を可能とする装置である。
(1)次亜塩素酸ナトリウム水溶液の調整
次亜塩素酸ナトリウム(アンチフォルミン:ナカライテスク製)を50ml採取し 、これに純水を投入して全量を5Lとした。
(2)酢酸水溶液の調整
酢酸(ナカライテスク製)50ml採取し、純水を投入して全量を5Lとした。
(3)試験片の取り付け
布帛面積 110mm×190mm に対して塩素処理できるピンラインを備え たステンレス製の枠に布帛を無伸張状態でピンラインにより固定した。
(4)試験条件
試験条件は以下の通りでおこなった。
有効塩素濃度 : 3.0 ppm
pH : 7.5
温度 : 30℃
布帛回転速度 :17.6rad/s
布帛取り付け位置 :回転軸から50cm
(上記布帛回転速度と取り付け位置から 約1.4m/s の速度で水流を受ける )
布帛に対する水流角度 :90°
運転(回転)条件 :10秒運転、10秒停止の間欠運転
運転時間 :288時間
処理後のサンプルは、十分に水洗し、室温で乾燥した。
(B)耐光性測定
スガ試験機株式会社製 強エネルギーサンシャインフェードメーター(カーボンアーク)を用い、以下の条件で処理をした。
温度 : 90℃
照射時間 : 90時間
(C)布帛張力測定
測定機台 : A&D株式会社製 RPC−1210A
伸張速度 : 30cm/分
サンプル :幅25mm、測定長さ100mmにつかみしろ上下30mmをとった
サンプルを布帛コース方向(経方向)に測定した。
張力値 :布帛を80%(1.8倍)伸張時の張力を用いた。
張力保持率:以下の式を用いて求めた。
張力保持率(%)=T2 / T1 × 100
T1:上記(A)の塩素処理又は光照射処理前布帛の張力値
T2:上記(B)の塩素処理又は光照射処理後布帛の張力値
(D)変色測定
MINOLTA社製SPECTROPHOTOMETER CM−3700dを用いてΔb値により評価をおこなった。
Δb = B1−b2
b1 : 光照射処理前布帛のb値
b2 : 光照射処理後布帛のb値
(実施例1)
44デシテックス/1フィラメントのαオレフィン共重合ポリエチレンを溶融紡糸した糸を、電子線を用いて架橋させた架橋型ポリオレフィン繊維(A)を得た。係る繊維(A)とポリプロピレン繊維加工糸78デシテックス/36フィラメント繊維(B)とを、編機としてベア天、口径38inφ、28ゲージ、114フィーダー、針数3312本、オープンワインドを用い、繊維(A)4.3cm/50Wales、繊維(B)13.5cm/50Walesの条件で丸編生機を得た。得られた布帛を105℃×60秒でプレセット後精練し、105℃×60秒でファイナルセットを行い、丸編布帛を得た。
(比較例1)
両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールと4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートとをモル比で1:2の割合で反応させプレポリマーを製造し、ついでエチレンジアミンで鎖延長を行い、ポリマー濃度30%(溶媒はN,N−ジメチルアセトアミド)で2000ポイズ(30℃)の粘度のポリウレタン溶液を得た。白度向上剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、ガス黄変防止剤を添加して、混合攪拌して紡糸原液を得た。
紡糸原液を、脱泡後、孔径0.2mm、孔数4ホールの口金から紡出し、230℃の加熱空気を流した紡糸筒内に押し出し、仮撚りをかけ、油剤を糸に対して6%付与しながら紡速500m/分で巻きとり44dtex 4フィラメントのポリウレタン系弾性繊維(C)を得た。
係るポリウレタン弾性繊維を使用して、実施例1と同じ繊維(B)を使用し、同様の編成条件、後加工条件を施して丸編布帛を得た。
係る布帛は、繊維(B)の融点以下の温度では熱セットが十分ではないこと、及び繊維(C)の密度が高いことから軽量感に欠ける布帛となった。また表1に示した通り、耐塩素性、耐光性においても劣るものとなった。
Figure 0004381089
本発明の伸縮性布帛は、耐光性、耐塩素性、耐薬品性、耐業務洗濯性に優れ、水着、インナー、アウター、おしめカバー、生理用品、テントシート等のアウトドア製品、産業用資材、等への利用価値が大である。

Claims (3)

  1. 非弾性繊維と弾性繊維からなる布帛であって、該非弾性繊維がポリオレフィン系繊維であり、弾性繊維が架橋型ポリオレフィン系弾性繊維のみからなることを特徴とする水着用伸縮性布帛。
  2. 90℃で90時間の光照射後のΔb値が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の水着用伸縮性布帛。
  3. 非弾性繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の水着用伸縮性布帛。
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