JP4386835B2 - パッチクランプ記録において高抵抗固着を獲得して維持するシステム及び方法 - Google Patents

パッチクランプ記録において高抵抗固着を獲得して維持するシステム及び方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は2002年8月21日に出願した米国仮特許出願第60/404,886号に対する35U.S.C.119(e)に基づき優先権を主張し、その全内容がここに参照され援用される。
本発明は、パッチクランプ記録のための電極区画に細胞を連結する絶縁表面中の開口部と細胞との間の高電気抵抗固着を獲得し及び/又は維持するシステム及び方法に関する。ある態様において、その表面はパッチクランプマイクロピペットの開口部である。別の態様において、開口部はチップ上のパッチクランプ装置中の隙間(aperture)である。
イオン−チャネルは重要な治療標的である。神経単位の伝達、心機能及び記憶は全てリガンド−開閉及び電圧−開閉イオン−チャネルの機能に決定的に依存している。加えて、心臓、消化管及び脳のような多くの器官における広い範囲の慢性及び急性の病態生理学的状態はイオンチャネルによって生じる。実際に、多くの現存する薬はイオン−チャネルに直接的又は間接的に関係がある受容体と結合する。例えば、抗−精神病の薬はドーパミン作動性、セロトニン作動性、コリン作動性及びグルタミン酸作動性の神経伝達に従事する受容体と相互作用する。
電圧クランプ法は細胞中のイオンチャネル活性を測定するための他の如何なる技術より優れている(例えば、ネエル及びザクマン,Nature260:799−802;ハミル等,1981,Pflugers Arch391:85−100;ザクマン及びネエル,1983,Single−Channel Recordingの中のpp.37−52,Eds.B.ザクマン及びE.ネエル.ニューヨーク及びロンドン,プレナムプレス参照)。
電圧クランプ技術の間で、パッチクランプはpA範囲の電流を測定するために最も好適である(例えば、ネエル及びザクマン,1976,supra;ハミル等,1981,supra,ネエル及びザクマン,1983,supra参照)。パッチクランプ技術の変化は、当技術分野において知られているような細胞全体記録、インサイド−アウト記録、アウトサイド−アウト記録、及び穿孔されたパッチ記録のように利用されることが可能である。
細胞全体記録において、細胞内部及び電極溶液の間の電気的接続(及び化学的経路)を確立するために電極の先端を覆う細胞膜は吸引によって破裂されると信じられている。電極溶液は細胞中の細胞質の量に比べて非常に過剰な量であるため(約10μl対約1pl)、一定の受容体/イオン−チャネル複合体の膜貫通型のイオンの流れの方向及び規模を制御する手段を条件に、電極溶液中のイオン種を変化させることは細胞膜を越えて濃度勾配を生み出す。
インサイド−アウト、及びアウトサイド−アウトパッチクランプ構造において、細胞質環境は細胞全体からの膜パッチの切除によって喪失する(例えば,ネエル及びザクマン,1976,supra;ザクマン及びネエル,1983,supra参照)。インサイド−アウト及びアウトサイド−アウト構造の両者におけるパッチの切除を得るために、細胞は望ましくは細胞皿又は記録チャンバの底部へ付着される。強く分離された細胞の場合、例えばポリ−L−リジンを、チャンバの底部と細胞を固定するために使用することが可能である。
インサイド−アウト構造は膜の細胞質側を記録チャンバ中の溶液へさらすことを可能とする。従って、それは単一−チャネルの度合いにおける第二−メッセンジャー活性化イオン−チャネルの開閉特性を研究するための選択の方法である。よって、細胞質のシグナル伝達分子の効果又はイオン−チャネル機能における酵素的活性は本構造を用いて研究され得る。一方、アウトサイド−アウト構造は、パッチの細胞外の側の露呈を可能とする。従って、それはリガンド−開閉又は受容体−操作イオン−チャネルの活性を監視するために使用されることが可能である。
一つの頻繁に使用される細胞全体構造の改質である、穿孔パッチモードもまた使用され得る(例えば,Pusch及びネエル,1988,supraの記載参照)。この技術において、穴はアンフォテリシン又はナイスタチン(例えば、Akaike等,1994,Jpn.J.Physiol.44:433−473;Falke等,1989,FEBS Lett.251:167;Bolard等,1991,Biochemistry30:5707−5715参照)のような細孔−作成蛋白質を用いて、細胞内信号伝達分子を損失することなくパッチされた細胞膜を横切る導電性の増加を生み出すために選択的に細胞膜中に作られる。定膜電位イオンチャネルを横切るイオン電流の測定に加えて、パッチクランプ技術が、公知の定電流又は時間依存性電流にて膜電圧を測定するために使用され得る。そして別の態様において、パッチクランプ技術は、開口容量槽における細胞−ベースバイオセンサーを提供し、ACモードにおけるバイオセンサーの膜を横切る膜の電気抵抗を測定することにより細胞膜における容量変化を監視するために使用されることが可能である。
パッチクランプは従来、先細のガラス製のマイクロピペットを用いて実施されている。しかしながら、近年シリコンチップのような固体基板上のパッチクランプ装置を開発することに多大な努力がなされている。概して、これらの基板は従来のパッチクランプ電極の開口部に相当する細胞の配置及び固着のための一つ以上の開口部を備えている。例えば、クレミック等は、国際公開第01/59447号パンフレットに、複数のパッチクランプ細胞にてパッチクランプ記録を実施するための複数の電極からなる平面的パッチクランプ電極配列について記載されている。
低ノイズ度合いは、パッチクランプ記録においてより良い信号対ノイズ比を提供する。パッチクランプの低ノイズ特性は、無傷の細胞の原形質膜上へガラスマイクロ電極又はパッチクランプピペットをしっかりと固着し、その結果隔離されたパッチを生じることによって達成される。ピペットと原形質膜との間の電気抵抗はバックグラウンドノイズを最小限にするために絶対不可欠であり、10オームを越えて「ギガシール」を形成すべきである。「ギガシール」形成の背後にある正確なメカニズムは議論されているが、塩−架橋、静電相互作用、及びファン・デル・ワールス力のような多様な相互作用がピペットのガラス表面及び細胞膜の脂質層中の親水性ヘッドとの間の相互作用を仲介することが提案されている(例えば、Corey及びStevens,1983,単一−チャネル記録中のpp.53−68,Eds.B.Sakmann及びE.Neher.ニューヨーク及びロンドン,プレナムプレス参照)。光学的条件の下、より高いフェムト−アンペア(10−15A)範囲における単一−チャネル電流は変化することが可能である。(例えば、電極と細胞との間の好ましくない固着によって引き起こされるような)GΩ−固着の形成を容易にするノイズを減少させるストラテジーとしては、ガラス電極の火造り又は薬剤例えばシグマコート(sigmacote)を用いたガラス電極の表面処理が挙げられるが、これらに限定されない。誘電性ノイズ及び容量性−抵抗性帯電ノイズはまた、都合のよい電極/ピペット形状を選択し、石英ガラスを使用し、そしてできるだけピペットの電荷を低めるためにピペットのガラス表面をシルガード(登録商標)(シリコン、PDMS)で被覆することにより減少することが可能である。
しかしながら、固体基板チップと従来のパッチクランプマイクロピペットとの両者に対して好ましい電気的固着特性にて付着した細胞を獲得し、維持することが困難であることは立証されている。両者の技術を備えた細胞全体記録構造を得るための典型的な成功率は約50%である。更に、記録を得るためにパッチクランプマイクロピペットに対して思い通りの位置に細胞を保持することが可能な時間は、めったに20分を越えない。
本発明の目的及び特徴は以下の詳細な説明及び添付の図面を参照してより一層理解されることが可能である。図は実物大ではない。以下の図において、「P」は圧力を示し、「V」はボルトを示している。
発明の概要
本発明は電極区画に細胞を連結する開口部を規定する表面と細胞との間の高電気抵抗固着を発生させるシステム及び方法を提供する。細胞膜が表面に対して固着されると、細胞膜は電極区画の内部にて電極と電気的に連通する。
ある態様において、本発明は細胞を電極区画に連結する表面と細胞との間の固着を最適化する改質された表面を提供する。例えば、ある態様において、表面は非平面であり、表面に対してよりしっかりとした固着を生み出す細胞での圧迫を生み出す。望ましくは、表面は突出している。開口部を規定する表面は隙間(aperture)パッチクランプ配列装置のようなチップ上のパッチクランプ装置の一部であることが可能であり、或いはパッチクランプマイクロピペットの先端であることが可能である。望ましくは、固着が形成されたときに発生する電気抵抗は少なくとも100Mオーム、少なくとも1Gオーム、少なくとも10Gオーム、又は少なくとも100Gオームである。
本発明はまた、細胞チャンバの開口部と細胞との間に形成された固着の電気抵抗を極大化するための非平面素子からなる細胞チャンバからなるチップ上のパッチクランプ装置を提供する。この態様において、細胞チャンバは、チャンバの底部の一つ以上の電気素子、及び、細胞を分離して一つ以上の電気素子と細胞との間の直接的な接触を防止する電解質溶液を包含する電極区画を規定する。ある態様において、細胞チャンバ中の非平面素子はピラミッド型、円錐型、楕円型又はドーナツ型である。別の態様において、非平面素子は細胞を受け入れる陥凹部からなる。望ましくは、チップ上のパッチクランプ装置は、複数の細胞チャンバからなる配列装置であり、そして少なくとも一つの細胞チャンバは非平面素子からなる。より望ましくは、実質的に全ての細胞チャンバが非平面素子からなる。
本発明の別の態様において、電極区画に細胞膜を連結する開口部を規定する表面は表面にて高電気抵抗固着の形成を最適化する表面化学を提供するように改質されている。望ましくは、表面は親水性分子からなり、或いは親水性にされるよう処理される。例えば、表面は過酸化物、アンモニア又は硝酸のような化学薬品或いはRCA処置を用いて化学洗浄にさらされることが可能である。
ある望ましい実施の形態において、そのように処理された表面は、パッチクランプ配列装置のようなチップ上のパッチクランプ装置の表面である。望ましくは、固着がそのような表面にて形成されたときに発生する電気抵抗は少なくとも100Mオーム、少なくとも1Gオーム、少なくとも10Gオーム、又は少なくとも100Gオームである。
本発明はまた、一つ以上の細胞を受け入れる一つ以上の細胞チャンバを含む基板からなるシステム(例えば、マイクロ流体チップ又はバイオセンサー)を提供する。細胞チャンバは(例えば、チップ上のパッチクランプ装置において見られるような)電極区画を形成しても良く或いは(例えば、パッチクランプマイクロピペットによって提供されるような)電極区画に近接するよう細胞を位置決めするために細胞を受け入れても良い。基板は適切な細胞チャンバへ細胞を配送するためのもう一つのマイクロチャネルからなっていて良い。圧力、光ピンセット、電気浸透、誘電泳動及び交流又は直流電流の一つ以上をマイクロチャネルから適切な細胞チャンバへ細胞を送るために使用しても良い。
望ましくは、基板は、細胞チャンバ中の一つ以上の細胞に近接する流体の流れを提供するための少なくとも一つの流体源からなる。流体の流れは電極区画から細胞を分離するための開口部を規定する表面と細胞との間の高電気抵抗固着を確立し及び/又は維持するために使用される。ある態様において、流体の流れは細胞チャンバ中へ開口する出口からなるマイクロチャネルを通過して運搬される。別の態様において、基板は複数のマイクロチャネルからなり、各々が細胞チャンバ中へ流体の流れを運搬するための出口を有している。望ましくは、そのシステムは、一つ以上の出口にて静水圧を制御する流体制御機構からなる。一つ以上のチャネルでの静水圧はプログラム学習による及び/又はフィードバック信号に応答するシステムと連通する処理装置によって変化させることが可能である。ある態様では、複数のチャネルの各々にて静水圧が異なる。
本システムは更にチャネルの入口に対する細胞チャンバの位置を読み取るため及び/又は入口に対する細胞チャンバ中の細胞を読み取るための読取機構からなっていて良い。
望ましくは、読取機構は処理装置と連通しており、平行移動が処理装置からの指示(例えば、プログラムされた指示又はフィードバック信号の結果として発生する指示)に応答して起こる。ある態様において、処理装置は読取率、読取方向、読取加速度及び読取数の一つ以上を制御する。
望ましくは、少なくとも二つの隣接するチャネルから出る水流は開口容量内部にて平行であり層状である。しかしながら、本システムはチャネルのセット(少なくとも二つの隣接するチャネル)からなることが可能であり、ここにおいて、少なくとも一つのセットが平行で層状の流れを運搬し、一方少なくとも一つの別のセットは平行でも層流でもない流れを運搬する。ある態様において、流れは異なる速度で流れる。流体は電気泳動及び/又は電気浸透及び/又はポンピングを含む多くの異なる方法によってチャネルからチャンバへ運搬されることが可能である。
一態様において、チャネルの縦軸は実質的に平行である。チャネルは、直線配列、二次元配列、又は三次元配列にて配置されることが可能であり、処理チャンバ、センサーチャンバ、槽及び/又は廃棄チャネルを包含することが可能であり、容器又はマルチウェルプレートと相互作用し得る。ある態様において、本システムは少なくとも一つの流体の流れを細胞チャンバ中へ運搬するための少なくとも一つの入口チャネルと、細胞チャンバから流体を除去する少なくとも一つの出口又は排水チャネルからなる。別の態様において、出力チャネルは入力チャネルの上に重なっていることが可能である(すなわち、三次元構造)。望ましくは、少なくとも一つの入力チャネルの縦軸に対して、少なくとも一つの出力又は排出チャネルの縦軸は平行であるが、異なる平面に位置する。陰圧が隣接した出力又は排出チャネルに加えられると同時に、陽圧が入力チャネルに加えられることによって、U型の流体流がチャンバ内部で生じ得る。U型の流体の流れは、電極区画に細胞を連結する表面に対して細胞を位置決め及び/又は固着するための細胞に対する圧力を生み出すために使用されることが可能である。
ある好ましい態様において、一つ以上の流体の流れは、電極区画から細胞を分離する開口部を規定する一つ以上の表面と細胞チャンバ中の一つ以上の細胞との間の高電気抵抗固着を生み出すために使用される。例えば、流体の流れは、(細胞チャンバを移動させることにより、又はマイクロピペットを移動させることの何れかにより、或いは細胞チャンバとマイクロピペットの両方を移動させることにより、)細胞チャンバに近接するよう位置決めされたパッチクランプマイクロピペットと細胞との間の高電気抵抗固着を生み出すために使用される。流体の流れの方向及び流体の流れを介して加えられる圧力を制御することにより、高電気抵抗を備えた固着(100Mオーム以上、望ましくは1Gオーム以上)が生み出される。
本発明は更に電極区画に細胞を連結する開口部を規定する表面と細胞膜との間の高電気抵抗固着を発生させる方法を提供する。その方法は、表面に対して細胞を押し付け、表面での高電気抵抗固着を獲得するために、細胞を流体の流れにさらすことからなる。望ましくは、固着は長時間、すなわち約20分より長く、約30分より長く、約1時間より長く、約2時間より長く、又は約5時間より長く維持される。
固着は上記のような改質された表面を提供することにより(例えば、非平面又は突出した表面を提供することにより、及び/又は表面を親水性にすることにより)増強されても良い。吸引又は電圧の一つ以上が開口部に加えられても良く、更に固着の電気抵抗が極大化される。
ある好ましい態様において、生み出された固着は、電極区画中の電極と細胞膜との間の電気的な連通を確立し、細胞膜の電気特性を測定可能とする。ある態様において、本方法はパッチクランプ記録を得るために使用される。記録された電気特性は一つ以上の細胞応答及び/又は細胞特性をモニターするために使用されても良く、細胞表面積、細胞膜伸縮、イオンチャネル浸透性、細胞からの内部小胞の放出、細胞膜からの小胞の回収、細胞内カルシウムのレベル、イオンチャネル誘発電気特性(例えば、電流、電圧、膜容量等)又は生存能力を含むがこれに限定されない。
発明の詳細な説明
本発明は、細胞の電気特性を記録するための一つ以上の電極と細胞膜を連結する表面の開口部との細胞膜の最適な接触を迅速に獲得し、そして安定して維持するシステム、システム構成要素及び方法を提供し、その結果細胞は一つ以上の電極と電気的に連通する。ある態様において、表面はパッチクランプマイクロピペットの開口部である。別の態様において、開口部はチップ上のパッチクランプ装置、例えばパッチクランプ配列装置中の細胞チャンバの開口部である。望ましくは、電解質溶液は細胞を一つ以上の電極から分離する。
本発明は更に電極区画からの細胞膜を分離する表面の開口部と、細胞膜との間の固着の電気抵抗を極大化し、細胞膜と開口部との間の固着の電気抵抗を極大化するためのシステムを提供する。本発明はまた、開口部を規定する表面での最適な形状及び/又は表面トポグラフィー;(例えば、表面にて親水性基を提供する)開口部を規定する表面での最適な表面化学;及び開口部に近接するよう位置決めされた細胞膜に近接する流体流の一つ以上を提供することによって開口部にて最適な構造を提供する方法も提供する。
本発明のシステム及び方法は、例えば、卵母細胞の内部潅流、パッチクランプ電気生理学、脳薄片記録、細胞表面の受容体−リガンド相互作用、カルシウム画像化研究、共焦点顕微鏡検査、及び生体内マイクロ透析のような技術に使用され得る。本発明のシステムはまたリガンド依存性イオンチャネル、電圧依存性イオンチャネル、G−蛋白質共役型受容体、シナプスを横切る活性、分子運搬装置、細胞と細胞の相互作用及びイオンポンプの特性を測定するため、そしてこれらの生体分子のモジュレータ(作動薬又は拮抗薬)を選別するためにも使用され得る。
定義
以下の定義は、以下の明細書中にて使用される特定の用語のために規定される。
明細書及び請求項にて使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに異なるように述べていない限り複数の意味も含む。例えば、用語「an opening」は複数の開口部を含む。用語「an ion−channel」は複数のイオンチャネルを含む。用語「an opening」又は「the opening」は複数の開口部を指すことが可能である。
ここにおいて使用されるように、「パッチクランプ装置」はパッチクランプ記録を獲得するために好適な装置である。一般的に、そのような装置は電極から細胞膜を分離するための絶縁表面からなる。表面は、開口部を規定する内腔中の電解質溶液を通過して電極へ細胞を接続する開口部からなり、その結果細胞は(例えば、電極によって生み出された電界にさらされ、電流や電圧のような電気信号をもとの電極へ送信することが可能な)電極と電気的に連通する。ここにおいて使用されるように、「パッチクランプ装置」はパッチクランプ配列装置のようなチップ上の装置や、概して内部電極からなるパッチクランプマイクロピペットからなる従来のパッチクランプ器具の両者を指す。「チップ上の装置」において、絶縁表面は、各々が細胞を受け入れる複数の細胞チャンバ又はウェルからなるウェハ又はチップの状態に一般的に製作されている。細胞チャンバの底部は一つ以上の電極と連携する電気接触域からなり、一方、チャンバの開口部は細胞を受け入れる。従来のパッチクランプ装置のマイクロピペットのような細胞チャンバは、細胞を電極に連結する電解質溶液で満たされており、その結果細胞は電極に連通する。
ここにおいて使用されるように、用語「電極」は電気信号を伝達し伝導する装置を指す。
ここにおいて使用されるように、用語「電解質溶液」はマイクロピペット内部又はパッチクランプ配列装置の細胞チャンバ内部の溶液を指す。細胞の生体膜を通過するイオン電流を測定するために使用される特定の電極溶液が通常選択され、その結果それは細胞の細胞内溶液と同等である。浴溶液及び電解質溶液は典型的には細胞の生体膜を通過するイオン電流を測定するときと異なるように選択され、しかしながら、それらは同じであっても良い。
ここにおいて使用されるように、用語「浴溶液」は、パッチクランプマイクロピペットの外部又は細胞チャンバの外部の細胞を取り囲む溶液又は媒体を指す。望ましくは、細胞の生体膜を通過するイオン電流を測定するために使用される浴溶液が通常選択され、その結果、それは細胞が生体内でさらされる外部イオン環境と同等である。
ここにおいて使用されるように、用語「開口部」は、穴、割れ目又は切れ目のような隙間(aperture)又は口(orifice)の何れをも指す。開口部は如何なる形状又は形式を取ることが可能であり;例えば、実質的に、楕円形、円形、四角形又は多面体であって良い。ここに記載されるパッチクランプシステムにて使用された開口部は約0.1ミクロン乃至約100ミクロンの寸法の範囲である。しかしながら、開口部は少なくとも約0.01μm、少なくとも約0.05μm、少なくとも約0.1μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、又は少なくとも約100μmの範囲であることが可能である。
ここにおいて使用されるように、「開口部を規定する表面」は、開口部を含み、電極区画に細胞を接続する表面を指す。該して、開口部を規定する表面は細胞膜に連結する表面の一部(例えば、固着が形成されるにつれて細胞膜が接触するマイクロピペットの縁、及びマイクロピペット先端の内部表面、或いは、チップ上の装置の場合、細胞チャンバに対して固着されるとき細胞が接触する細胞チャンバの縁、及び細胞チャンバの壁の一部)を指す。
ここにおいて使用されるように、「電極区画」は、開口部を備えた表面に一つ以上の電極を連結させる電解質溶液を包含する内腔及び一つ以上の電極を指し、それが開口部にて電界を発生し、或いは電流又は電圧のような電気信号を記録のために受け入れることが可能である。
ここにおいて使用されるように、「細胞チャンバ」とは、一般的に一つ以上の細胞を受け入れるための基板中のチャンバ、ウェル、くぼみ又は槽を指す。従来のパッチクランプ装置に適した細胞ベースバイオセンサーの状況において、細胞チャンバはパッチクランプマイクロピペットに近接して細胞を受け入れそして位置決めするためのチャンバである。チャンバは一般的に開口容積(すなわち、少なくとも部分的にカバーされていない)であり、浴溶液を包含する。チップ上のパッチクランプ装置の状況において、チャンバは一般的に単一細胞を受け入れることに適しており、チャンバの底部にてひとつ以上の電極を包含する。チャンバは望ましくは、チャンバ中に受け入れられた細胞の動きを制限し、チャンバの底部にて電極と電気的に連通する細胞を維持するための電解質溶液からなるように設計される。
ここにおいて使用されるように、用語「細胞膜」とは、生体区画を取り囲む脂質二重層を指し、天然又は合成細胞(例えば、リポソームのような)、膜小胞、又はその一部の膜が挙げられる。用語「細胞膜」は、そのような膜からなる完全な細胞、細胞の一部、合成細胞又は合成細胞の一部を網羅する。
ここにおいて使用されるように、「パッチ」記録とは、パッチクランプ装置がパッチクランプ装置の開口部に対して固着された膜パッチを通過するイオン電流を収集する記録を指す。
ここにおいて使用されるように、「細胞全体の記録」とは、膜のパッチが破裂されるセットアップを指し、細胞の内部へ直接電気的にアクセスすることを生じさせる。
ここにおいて使用されるように、用語「ガラス」とは、三酸化二硼素、酸化アルミニウム又は五酸化リンと共に融解される、但しこれに限定されないが、ケイ酸塩によって典型的には作られた原料の大きな部類の何れをも指す。
ここにおいて使用されるように、用語「高電気抵抗固着」とは、電極区画から細胞を分離する表面の開口部と、細胞膜との間の固着を指し、その完全性は高電気抵抗によって示され、これは望ましくは約100MΩ以上、約200MΩ以上、約300MΩ以上、約400MΩ以上、約500MΩ以上、約600MΩ以上、約700MΩ以上、約800MΩ以上、約900MΩ以上、約1GΩ以上、約1.2GΩ以上、約1.3GΩ以上、約1.4GΩ以上、約1.5GΩ以上、約1.6GΩ以上、約1.7GΩ以上、約1.8GΩ以上、約1.9GΩ以上、約2GΩ以上、約10以上、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約150又は200GΩである。
ここにおいて使用されるように、「マイクロチャネル」とは、二つの壁、底部、少なくとも一つの入口及び少なくとも一つの出口からなる基板中の溝を指す。一つの態様において、マイクロチャネルはまた天盤を有する。用語「マイクロ」は寸法の下限値を暗示するものではなく、用語「マイクロチャネル」は一般的に「チャネル」と同義に使用される。望ましくは、マイクロチャネルは約0.1μm乃至約1000μmの寸法の範囲であり、より望ましくは1μm乃至約500μmの範囲である。
ここにおいて使用されるように、用語「実質的に分離した水性流れ」とは、層流と平行した流れを指す。
ここにおいて使用されるように、用語「受容体」とは、リガンド分子と特異的に相互作用することが可能な巨大分子を指す。受容体は細胞膜、ゴルジ膜又は核膜のような脂質二重膜と連携し得、細胞の細胞質中の遊離又は結合分子として存在し得、又は基板に固定され得る。
ここにおいて使用されるように、用語「連通する」とは、あるシステムの能力又はあるシステムの構成成分を指し、別のシステム又はあるシステムの構成成分からの入力データ又は信号を受け、そして入力データに応答して出力応答を提供する。「出力」はデータの形態であって良く、或いはシステム又はシステムの構成要素によってとられたアクション又はシステム又はシステムの構成要素によって(例えば、検出器へ)運搬された信号の形態であっても良い。例えば、電極と「電気に連通」した細胞とは、電極からの信号(例えば、電圧又は電流等)を受け入れ、(例えば電流のような)電気特性における測定可能な変化の形態における信号に対する応答を提供する細胞を指す。
ここにおいて使用されるように、「細胞との電気的な連通を確立するための非平面素子からなる実質的に平面の基板」とは、基板の表面に対して表面が高められ又は低められた素子からなる基板を指し、ここにおいて素子は、実質的に平面の基板の表面に対して異なる平面そして互いに異なる平面に存在する少なくとも二つの点からなる。例えば、「非平面素子」はピラミッド型、ドーナツ型、実質的に平面の表面に付着されたピペット先端の形態であって良く、又は複数の積層された平面素子からなっていて良い。
ここにおいて使用されるように、「測定可能な応答」とは、既知の技術にふさわしい制御を使用して測定されるようなバックグラウンドと著しく異なる応答を指す。
ここにおいて使用されるように、「記録」とは、パッチクランプ分析において得られるような加工された電気信号から得られたデータを収集し及び/又は保存することを指す。
バイオセンサーにおける高電気抵抗固着を生み出すパラメータ
細胞膜の主構成要素は、5nmの厚さの細胞被覆二重層を形成する液晶性脂質の不均一混合物である。脂質膜は滑らかな表面を形成せず、不規則で突出に満ちた表面を形成する。
高柔軟性の脂質二重層は細胞骨格によって安定化され、これは蛋白質フィラメントの動的システムである。柔軟性の液晶性二重層と安定した(しかし静止した)細胞骨格との組合せは、細胞に柔軟性及び機械安定性の両方の独特の特性を生じさせる。
脂質二重層はエントロピー的に促進された変動を常に受ける。これらの変動は一般的に細胞骨格によって抑制されるが、未だ10nmのオーダの振幅及び〜0.5μmの波長を有している可能性がある。これらの変動は膜の伸縮の導入によって効率的に抑えられる。
大半の細胞の外部に、糖蛋白質及び糖脂質の結合し(再)吸着した膜の低密度の被覆物が見出される。この被覆物は糖衣と呼ばれ、数十乃至数百ナノメータの厚さを有する。糖衣の主な機能の一つはその他の細胞との非常に密接な接触を防ぐことである。
細胞は、「鍵及び錠の力」を仲介する細胞付着分子を主に介して天然基質に付着する。しかしながら、非特異的性質の異なる力は、パッチクランプ記録のために電極へ細胞を連結する絶縁表面の開口部へ細胞を固着することに従事する細胞付着及び特に固有でない付着において重要な役割を果たす。従来のパッチクランプ装置において、この状況はパッチクランプマイクロピペットの先端にて観察される。パッチクランプ配列装置のようなチップ上の装置において、この状況は、一般的にチャンバの底部にて電極バックプレートに対する位置に細胞を保持する細胞チャンバの開口部にて観察される。そのような非特異的な力は、反発する特性と引き付ける特性との両者を備えており、細胞と細胞接触表面との間の界面距離への異なる依存を示し、共に一つ又はいくつかの最小値を備えたポテンシャル面を生み出す。細胞が許容する制限された変型可能性による制約に加えて、エネルギー表面の状況が界面の距離及び拡大と接触の安定性とを決定する。
細胞膜の糖衣中のオリゴ糖鎖の圧縮による斥力は、10−100nmの界面距離にて相互作用を左右し、そしてより近くへ接近した場合に克服されねばならない。密接な接触を確立するために克服されねばならない別の反発力は、脂質膜のエントロピー的に促進された変動に由来するものである。より短い距離において考慮すべきその他の力は、静電気二重層力(electrostatic double−layer force)、水和力及びファン・デル・ワールス力である。これらの力はパッチクランプの開口部を規定する表面の化学的状況及び細胞基質の素材に関連する。
純粋な脂質の小胞はガラスへ固着するので、電極区画(例えば、電解質溶液及び一つ以上の電極)から細胞を分離する絶縁表面の開口部と、細胞との間の高抵抗固着の形成に脂質のみが関与する可能性が高い。
例えば、通常のパッチクランプピペットで形成されたギガ固着(gigaseal)の性質は開始条件によって変化する。固着のいくつかは、おそらく媒体中の崩壊堆積物によって汚染されていない「きれい細胞」及び理想的なピペット表面/形状の存在により、細胞表面がピペットと接触することで自然発生的に形成され、しかしながらほとんどの場合、ピペット内部の圧力がより低いはずであり、その結果脂質膜がピペット中へ吸い込まれる。圧力を低めた後に形成される固着のために、ピペット全域にわたる膜のドームがしばしばピペットわずか上空に位置する。
ギガ固着(gigaseal)抵抗を獲得するために界面距離がいかに小さくなくてはならないかは、固着の形状及び脂質膜と固着表面との間の接触面積の拡大によって変化する(図1B参照)。しかしながら、細胞表面の細胞外に付着した分子(例えば、細胞受容体)が存在するとき、全ての固着のために、細胞接触表面又は固着表面は許容される以上に脂質膜により接近されなくてはならない。短い距離において、ファン・デル・ワールス力は非常に強くなり、そこから逃れることが不可能な最小値のエネルギーにて、細胞又はその一部を動かないようにする恐れがある。従って、生物学的に「通常」な状況にて適切な距離を維持するために何かが必要であり、細胞膜の異なる点での糖衣及び局所的な粗さが、ファン・デル・ワールス力が弱くその他の力によってバランスされることが可能である別の細胞との間の界面距離の形成を可能とする。細胞膜を電極区画から分離する表面の開口部と細胞膜との間のギガシールを得るために、これらの細胞膜の距離−保持機構は効果的な方法で妨害されなくてはならない。
(1)電極区画から細胞を分離する表面の形状特性
電極区画から細胞を分離する開口部を規定する突出した表面は、開口部と細胞膜との間の分離距離を極小化し、細胞と開口部の表面との間の接触点にて電気抵抗を増大させるために重要であるということが、本発明の発明事項である。細胞表面に存在する分子の存在が開口部を規定する表面に対する細胞膜の親密な付着を妨害している。これは、細胞画に付着した分子が細胞膜の表面と開口部を規定する表面との間の親密な接触を妨害するスペーサとして作用するので、平面又は陥凹しているかの何れかの表面について特に断言される。一方、開口部を規定する突出した表面については、その他の形状を備えている場合と比較してこれらの分子が非常に容易に移動されるので、細胞外に付着した分子の存在は分離距離の決定についてあまり気にしなくて良い。
(1)開口部を規定する表面と細胞膜との間の初期接触面が非常に小さく、(2)細胞表面に加えられることが可能な(吸引に夜或いは細胞膜への圧力による)局所的圧迫及び応力が非常に高いので、この移動は開口部を規定する突出した表面にとって起こり得る。相俟って、これらの二つの効果は、細胞膜表面と開口部を規定する突出した表面との間の初期接触領域にて、細胞外に付着した分子の移動を引き起こし、従って、二つの表面の間の分離距離を劇的に減少させる。この導入された圧力は、脂質膜のエントロピー的に促進された変動を抑え、膜表面の凹凸を平らにする膜伸張を増加させる。
図1Bに例示したその他の重要な要因は、細胞と表面との間の固着の質における開口部を規定する表面の形状の効果である。膜の表面と開口部を規定する表面との間の分離距離について、円筒状の内面/外面を備えた開口部を規定する突出した表面は平面のものより高抵抗固着を得ることについて優れている。これは、電流が電極区画から細胞膜へ運搬される電極区画から細胞膜を分離する絶縁表面について例示される。電流の流路を断片に分けることにより、突出した表面のため、電流路に沿った漏れ電流の一定の断面積によって、各々が同等に長い流路断片が各々総固着抵抗と同等に寄与するということを示すことが可能である。
一方、開口部からなる平面の表面に対して細胞が固着されるとき、異なる減少が生じる。そのような固着を介して電流が漏れるとき、開口部から放射方向へ漏れる。この場合、開口部からなる平面の表面と細胞との間に形成された固着の放射状の断片の各々からの抵抗の寄与率は断片の半径に反比例する。これは、漏れは電流路に沿って増加し得、その結果電流密度は減少し、形状の非効率性を例示していることを意味する。
固着面の抵抗の依存もまた図1A及びB中に提示されるシミュレーションに用いられている方程式中に見られる。
平面の形状について、抵抗Rは、
R=1/2πσd・ln(r/r
より算出され、ここにおいてσは電解質の導電性、dは界面の裂溝の寸法、rは固着面の外径、そしてrは固着面の内径(すなわち、開口部の半径)である。
円筒形の形状について、抵抗Rは、
R=α/[rπ−(r−d)π]σ
より算出され、ここにおいてαはピペットの軸方向の固着の長さ、rはピペット内径、そしてdはピペット内壁/外壁と脂質膜との間の界面距離である。
シミュレーションにおいて、σは16mS/cmと設定される。
(2)開口部を規定する表面の化学表面特性
図1Aは、電極区画から細胞膜を分離する開口部を規定する表面と細胞膜との間の距離を極小化することの重要性、或いはいくつかの形状を保持しているので、開口部を規定する表面と細胞膜との間の増大した接触表面の重要性を例示する。
従って、ある態様において、本発明は細胞とそのような開口部との間の固着抵抗を極大化する方法を提供し、その結果、パッチクランプ記録の効果を極大化する。経験的に、表面が親水性であるとき、脂質膜とそのような開口部を規定する表面との間の引力相互作用は極大化されることが見出された。表面をより親水性にすると、引力相互作用がより強くなる。強い引力はより大きな接触面積を提供し、二つの表面の間のより短い分離距離を提供し、その結果高固着抵抗をもたらす。
強い引力はより大きな接触面積を供給し、分析された先端及び細胞の間の表面相互作用エネルギーは細胞を変形させるのに十分である。
図3A及びBにおいて、未処理カバースリップと加水分解されたカバースリップとでの脂質小胞の接触面積の違いが示される。多くの場合、強い相互作用はより短い界面距離を反映する。接触表面から脂質膜を遊離するためには更なるエネルギーが必要なので、固着抵抗における好ましい効果に加えて、強い相互作用もまた付着の安定性を増大させる。多数のストラテジーがより高い親水性表面を達成するために実行され得る。ある態様において、ガラス(すなわち、SiO)表面は、RCA−1洗浄ステップを用いて表面を加水分解することにより、例えば、70−80℃の水、過酸化水素及びアンモニア(HO:H:NH 5:1:1)の溶液中に表面を10分間漬け、続いて脱イオン化された水中にてすすぐことにより、或いは表面を火炎−処理することにより、或いは高荷電ポリマーで表面を被覆することにより、その生来の状態と比較してより親水性にされる。
(3)高電気抵抗固着の形成における流体流の影響
(例えば、流体を流すことにより生じる)余分な力の追加は、表面に対して細胞膜を最初に固着するときにシステムの力を平衡にシフトする。これは新たなエネルギー最小値を作り出し、本システムがもとのエネルギーの最大値を越えるようにし、新たな最小値をもたらすことが可能である。電極区画から細胞膜を分離する開口部を規定する表面にゆるく付着した細胞膜を制御された速度及び方向性の液体流にさらすことにより、細胞膜は細胞膜と表面との間の固着の抵抗を増大させ安定化することが可能である。
パッチクランプ細胞における液体流の効果は、細胞における流れによりもたらされた力(ストークス抗力)に起因する。この力は以下の方程式から計算されることが可能である:
F=6πrηv
ここにおいて、Fは力、rは細胞の半径、vは流体の速度そしてηは流体の粘度である。この関係は低レイノルズ数流及び球形粒子に対して有効である。
1センチポイズの粘度を備えた水性媒体中の5−μm−半径の球形の細胞を通り過ぎる2mm/sの流速は、結果として〜200pNの力である。相対的に、同じ細胞に作用する沈殿作用の力は〜0.4pNである。
実施の単純化のため以下の記載では圧力−駆動流を強調したが、マイクロチャネル中の液体を輸送するための多数の適切な手段を設計することが可能であり、電気浸透流、表面伸張駆動流、移動壁駆動流、温度勾配駆動流、超音波誘発流、及び剪断駆動流が挙げられるが、これに限定されない。これらの技術は当技術分野において知られており、そしてまた2002年2月12日に出願された米国仮特許出願公開第60/356,377号公報に記載されており、その全体がここに参照として組み込まれる。
パッチクランプを用いた長時間のイオンチャネル活性を記録する能力は、細胞表面相互作用の高電気固着抵抗及び安定性に非常に依存している。ここでは、流体条件の範囲のもとでの「ギガシール」の改良された安定性が記載されている。特に、細胞が非常に長い記録に使用されるとき、考慮の必要がある受容体脱感作のみならず、細胞内システム及び代謝産物の低下によって引き起こされる細胞の生活能力賀寿分に機能を果たさないといった、その他の考慮すべき事柄もある。しかしながら、多くの受容体及びイオンチャネルシステムのために、これらの要因がわずかな役割しか果たさず、パッチクランプ記録は本発明のシステム及び方法を用いて単一細胞に数時間の実施されることが可能である。
表面処理及び開口部の形状の最適化に加えて、以下の結果、真正面からの流体流によって生じた押す力が、開口部を規定する表面に向かって細胞を効果的に押し付け、細胞と表面との間の固着を非常に安定化することを可能とし、細胞の電気特性の測定を(例えば、パッチクランプ記録)増大した高固着抵抗で長時間可能としたことが実証されている。
パッチクランプ記録装置の効率を増大させるシステム、システム構成要素及び方法
ある態様において、本発明は長時間、例えば約20分以上、望ましくは約1時間以上、約2時間以上、約3時間以上、約4時間以上、又は約5時間以上細胞膜の電気特性の測定を実施するシステム、システム構成要素及び方法を提供する。
ある態様において、本発明によるシステムは、一つ以上の電極からなる電極区画、電解質溶液を受け入れ電極を細胞膜へ電気的に連結するための内腔、及び内腔と流体状態で連通する開口部を規定する表面からなる。ある態様において、内腔はパッチクランプマイクロピペットの空洞部分である。別の態様において、内腔は、パッチクランプ配列装置のようなチップ上のパッチクランプ装置中に細胞を受け入れるための細胞チャンバの一部である。望ましくは、細胞膜は電解質溶液との接触を介して電極と電気的に連通する。
ここにおいて使用されるように、電解質溶液を包含する内腔及び電極は「電極区画」を規定する。場合によって、電気素子は電極区画の一部を形成することが可能である。内腔と連通する開口部を規定する表面は電極区画と細胞との間、より望ましくは電極区画と、細胞膜が存在する浴溶液との間の仕切りとしての機能を果たす。
好適な表面としては、ガラス(例えば、表面がパッチクランプマイクロピペットの一部であるとき)又は炭素ベースポリマー、シリコンベースポリマー、プラスチック及びそれらの改質又は処理された形態のような、ポリマーが挙げられる。
望ましくは、開口部を規定する表面は非平面であり、より望ましくは突出している。開口部を規定する表面がチップ上の装置の隙間(aperture)からなるとき、望ましくは隙間(aperture)での表面トポグラフィーもまた突出しており、その結果開口部は装置を形成する絶縁表面の残余物と異なる平面に存在し、望ましくは少なくとも約1μm−1000μm、そして望ましくは少なくとも約1μm−100μmまで絶縁表面の残余物より高い。一般的に、突出部の寸法は細胞表面に応力を生じさせるのに十分大きいように選択される。
別の方法として又は加えて、表面は、例えば、上記のようなRCA洗浄方法又は火炎処理又は化学処理によって、表面の少なくとも細胞膜含有部分を親水性にするために処理される。
別の方法として又は加えて、開口部での表面特性は、高電気抵抗固着の形成を増強するために改質されて良い。例えば、細胞はリーブ、カラム、ロッド及び表面の突起部のようなナノスケールの構造を配置し、相互作用し、反応することが示されており、そしてこれらの相互作用は細胞運動、位置決め、そして表面へ付着させる能力のために重要であることが実証されている。従って、ナノ構造の表面は、固着工程において重要であるようであり、そして長時間の記録のための安定した固着を提供するようである。ナノ構造は当技術分野において知られた方法を使用して、例えばハード又はソフトリソグラフィ、蒸着又は原子間力顕微鏡検査(AFM)によって、電極区画から細胞を分離するため、表面において生じさせることが可能である。
別の好ましい態様において、パッチクランプ配列装置のようなチップ上の装置中に、細胞チャンバそれ自身の表面トポグラフィーが細胞チャンバの開口部と細胞膜との間の固着を極大化するために設計される。ある態様において、チャンバは、チャンバ内部の細胞の動きを制限し及び/又は開口部を規定する表面に対して細胞を位置決めすることを補助する非平面表面機構からなり、細胞と細胞接触表面との間の固着の電気抵抗を増大させる(例えば、図4及び図6参照)。例えば、ピラミッド型の構造が細胞チャンバの底部にて微細製作されることが可能である。ある態様において、ピラミッド型構造の先端は細胞を受け入れるよう陥凹型である。
望ましくは、細胞チャンバは比較的浅い。ここで使用されているように、用語「浅い」は細胞がチャンバ内部で自由に動くことをチャンバ内部で拘束され、その結果、細胞がチャンバ内部でその位置を実質的に変化しない、すなわち細胞に電流を配送するために細胞はセンサーの細胞接触表面の直径の約2倍未満しか動かないという事実を指す。この場合における流体流は、細胞と連通するマイクロチャネルの使用を介して提供され得るが、さもなければ電解質溶液からなる細胞チャンバの部分へそれらの内容物を提供しない。一つ以上の流動チャネル及び/又はバルブは細胞膜の迅速な溶液交換(すなわち、潅流)を許容するため本発明の装置中へ組み込まれることが可能である。
パッチクランプ配列装置のようなチップ上の装置において、細胞膜は望ましくは開口部からなる表面に近接して設置される。配列装置の個別のチャンバへの細胞の付加はそれらを分解することにより、例えばnQUAD吸引ディスペンサを使用することにより仲介することができる。電気泳動、吸引、電圧パルスの使用等のような、その他の方法が細胞を位置決めするために使用されることが可能である。
ある態様において、圧力−駆動流は、基板中のマイクロ流体チャネルからチップ上のパッチクランプ装置の適切な細胞チャンバへの細胞の動きを操作するために使用される。細胞の経路指定は、複数のマイクロチャネルからなる基板中のチャネルの分岐をブロックすること、当技術分野において知られているようなバルブを用いること、その結果細胞を大量の溶液流とともに別の選択されたチャネル中へ移動させることによって影響されることが可能である。
加えて、又は別の方法として、緩衝溶液のようなイオンを含有した流れに二つ以上の電極の間に電圧差又は電荷勾配を印加することにより運動を作り出すために電気浸透を使用することが可能である。中性の(荷電されていない)細胞は流れによって運ばれることが可能である。例えば、米国特許出願公開第20020049389号公報の記載を参照。
誘電泳動は、誘電体の動きを作り出すと信じられており、これは正味荷電を有していないが、互いに関してプラス又はマイナスに帯電した領域を有している。細胞の存在において交流の非同時の電界は細胞を電気的に分極させ、その結果誘電泳動力が生じる。粒子及び懸濁媒体の誘電分極に依存して、誘電体粒子は高い電界の強さ又は低い電界の強さの領域のいずれかに向かって移動する。生きている細胞の分極率は細胞の種類に依存し、これは細胞分離のための原理を例えば差動誘電泳動力によって提供し得る。例えば、米国特許出願公開第20020058332号公報の記載を参照。
レーザ又は最適な光ピンセットのような光の集束ビームで細胞をゆがめ移動させるために、放射圧もまた使用することが可能である。
別の態様において、本システムは2002年2月12日に出願された米国仮特許出願公開第60/356,377号公報に記載のような細胞ベースバイオセンサーの一部であり、その全体がここに参照として組み込まれる。この態様において、細胞、又はその一部は細胞含有容器(receptacle)又は槽(reservoir)内部に設置され、浴溶液にさらされる。細胞含有容器は望ましくは開口容積区画と連通する一つ以上の流体源から流体を受け入れることが可能な底部及び壁面からなる開口容積区画である。バイオセンサーは、細胞、チャンバ又は電極区画を移動させることにより細胞へ近接するようになることが可能な電極区画からなる。細胞チャンバは、流体の流れ、試薬及び/又は細胞それ自体を細胞チャンバへ提供する複数のマイクロチャネルからなるマイクロ流体装置の一部であって良い。上記方法の一つ以上、すなわち、圧力−駆動流、電気浸透、誘電泳動、放射圧(例えば、光ピンセット)等を用いてチャネルから細胞チャンバ中へ一つ以上の細胞を送ることが可能である。
細胞チャンバの精密な形状は、パッチクランプマイクロピペットのような少なくとも一つの電極区画に近接する一つの細胞又はその一部、複数の細胞又はその一部を保持することが可能である限り、限定されない。この態様において、チャンバは典型的には無傷な細胞と生理的に混合可能な浴溶液を包含する。少なくとも一つの電極区画(例えば、マイクロピペット)は電極区画内部の電極と細胞膜との間の好適な電気的連通を維持するための電解質溶液を包含する。電極区画中の一つ以上の電極に細胞を電気的に連結する電極溶液が流れることが可能な開口部を規定する表面によって、細胞は電極区画から分離される。
細胞は流体流を用いて電極区画に近接するよう移動させることが可能である。開口容積チャンバ中の一つ以上の流体の流れは、米国仮特許出願公開第60/356,377号公報に記載されているような開口容積チャンバ中へ供給するマイクロチャネルの使用を介して生じさせられ得、細胞上に押す力を提供するために使用されることが可能である。別の方法として又は加えて、光ピンセットを用いて又は電極区画それ自身を移動させることにより(例えば、電極区画がパッチクランプマイクロピペットからなるときのような微細位置決め装置の使用を介して)細胞を移動することが可能である。細胞チャンバそれ自身は、例えば細胞チャンバ内部の電気浸透流を生じさせるか、電極区画に向かうその動きを促進するために細胞を分極する適切な電極区画に近接するよう細胞を位置決めすることを援助するための電界を生じさせるために一つ以上の電気素子を含むよう形状が定められることが可能である。
流体流はまた、電極区画から細胞を分離する開口部を規定する表面と細胞膜との間の固着の電気抵抗を増大させるために使用されることが可能である。例えば、表面の開口部にゆるく付着した細胞は液体の流れを提供する流体流源の出口に近接して設置されることが可能である。細胞は流れにさらされているものの、開口部を規定する表面と接する細胞膜の面積が劇的に増大し、安定な固定が生じる(例えば、実施例3及び図参照)。
従って、ある態様において、細胞膜は流れからの圧力を受ける流体の流れに十分に近接して設置される。この圧力は電極区画から細胞膜を分離する表面の開口部と、細胞膜との間の固着の形成を容易にし、或いは固着を増強させる。流体の流れは、上記のような細胞ベースバイオセンサー中の開口容積チャンバのような細胞を包含するチャンバへ供給され得る。チップ上のパッチクランプ装置において、流体の流れは、当技術分野においてありきたりな方法を用いて装置中に微細製作されたマイクロ流体チャネルを通過して細胞へ供給され得る。
望ましくは、流体流源は0.01mm/s乃至100cm/s、望ましくは0.1mm/s乃至10cm/sの範囲の流速で液体の流れを提供する。
従って、ある態様において、本発明は、一つ以上の細胞を含むチャンバ又は槽に入る少なくとも一つの出口からなる流体流源を有する細胞ベースバイオセンサーを提供する。流体流源は、一つ以上の細胞へ流体の流れを提供することが可能な少なくとも一つのマイクロチャネルからなっていることが可能である(例えば、図2A及びB、及び図10A及びBを参照)。別の態様において、流体流源は、一つ以上の細胞の位置をマイクロピペットの先端に対して位置決めし及び/又は維持するための複数の流体の流れを提供するため複数の出口からなる。複数の出口は、例えばマイクロチャネルを基板上に積み重ねた状態のように単一平面又は多数の平面に存在させて良い(図示せず)。多数の流体流源は、異なる方向、すなわち、例えば互いに垂直のように流れる流体の流れを提供する単一基板の一部として提供されることが可能であり(例えば、図11A及びB参照)、細胞接触表面の面に対して斜めに細胞を動かすことが可能である。流体流源の更なる構造は2002年2月12日に出願された米国仮特許出願第60/356,377号に記載されており、その全体がここに参照として組み込まれる。
高電気抵抗固着を形成するための上記方法に加えて、固着の電気抵抗を増強するために細胞を電極区画から分離する表面の開口部に吸引を加えることが可能である。別の方法として又は加えて、一つ以上の電圧パルスを開口部に印加して固着の電気抵抗を増強させる(例えば、マイクロピペットの内部電極或いはパッチクランプ配列の一つ以上の電極を用いる)。
上記の一連は、例えば図7に図示される。
別の方法として、一連の出来事は以下のとおりであって良い:
電極区画から細胞膜を分離するための開口部からなる表面は、細胞膜を移動させるか、表面を移動させるか或いは細胞膜と表面との両者を移動させることの何れかによって細胞膜に隣接して位置決めされる。わずかな吸引及び/又はいくつかの電圧パルスが開口部に加えられる。
表面にゆるく保持された細胞膜(例えば、表面から0.01μm未満)は液体の流れを提供する流体流源の出口へ近接して設置される。細胞膜は流体の流れにさらされているものの、表面と接する膜の表面積が劇的に増大し、安定な固定が生じる。所定の時間の後、又は思い通りの抵抗の電気測定値に到達したとき、細胞は流体の流れから外れ、すぐに、好適な記録の構成に到達するまで更なる吸引又は更なる電圧が表面に加えられる、すなわち多数の連続的な測定値を著しく越えて変化しない。
上記の一連は図8に図示される。
別の方法として、一連の出来事は以下のとおりであって良い。電極区画から細胞を分離するための表面は細胞に隣接して位置決めされ、及び/又は細胞は表面に隣接して位置決めされる。吸引が表面に加えられ、及び/又は、好適な細胞記録の構造に到達するまで、ひとつ以上の電圧パルスが表面に加えられる。ある望ましい態様において、細胞接触表面に保持された細胞は、所望の電気抵抗が得られるまで液体の流れに近接して設置される。この一連は図9に示される。
図6は、細胞がパッチクランプ配列装置中の電極区画から細胞を分離するための開口部を規定する突出した表面へ導かれる実施の形態の例を示している。絶縁表面の一般的に平面部分に対して垂直な流体の流れが細胞上に押す力を及ぼすために提供される。装置が多数の電極区画からなるとき、ベース表面に対して90°以上又は未満の角度にて(図10)又はこの平面に対して垂直に(図11)流れの中の細胞を移動させることによりそのような区画に対し細胞は更に複数の開口部に自動的に位置決めされることが可能である。吸引圧力及び/又は電圧も開口部に加えられ、その結果細胞は各々の電極区画の開口部へ引き付けられ、或いは引っ張られる。別の方法として、誘電泳動を当技術分野において知られているように使用することが可能であり、上記のようなその他の交流(ac)方法も使用することが可能である。
上記のシステムは、一般的に一つ以上の細胞膜の電気特性を測定することからなる如何なる方法においても使用されることが可能である。本方法において用いるその好適な細胞又は蛋白質としては、細菌、酵母菌、昆虫及び細胞が挙げられるがこれに限定されない。例えば、バチルスspp.、大腸菌、ストレプトコッカスspp.、ストレプトマイセスspp.、シュードモナスspp.を使用することが可能である。その他の低級真核生物と同様に、Saccharomyces cerevisiae, Candida albicans, Candida maltosa, Hansenulapolymorpha, Kluyveromyces fragilis, Kluyveromyces lactis, Pichia guillerimondii, Pichia pastoris, Schizosaccharomyces pombe 及び Yarrowia lipolytic のような酵母細胞も使用されることが可能である。
Aedes aegypti, Autographa californica, Bombyx mori, Drosophila melanogaster, Spodoptera frugiperda, 及び Trichoplusia ni といった昆虫細胞株も使用され得るが、これに限定されない。
哺乳類細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ細胞、新生児ハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、マディン−ダービーウシ腎臓(MDBK)細胞NIH/3T3,293細胞(ATCC#CRL 1573),COS−7,293,BHK,CHO,TM4,CV1,VERO−76,HELA,MDCK,BRL3A,W138,Hep G2,MMT060562,TRI細胞及びその他のもののようなアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能な不死化細胞株が挙げられるが、これに限定されない。鳥細胞株の既知の実施例は、ニワトリB細胞株「DT−40」である。
特定の動物細胞としては、白血病L1210細胞(現代薬理学,pp.1121−1129(1978));モルモット心臓細胞(生理学会誌397:237−258(1988);ヒトデ卵細胞(一般生理学会誌70:269−281(1977))及び除神経されたカエル筋繊維(ネエル等、ネイチャー260(1976年4月29日)が挙げられるが、これに限定されない。
本発明のシステム及び方法を使用して分析された細胞としては、組み換え遺伝子生成物を発現するようにトランスフェクトされた細胞が挙げられる。例えば、細胞は適切なcDNAを有するそのような細胞をトランスフェクトすることによって特定のイオンチャネルを発現するよう設計されることが可能である(例えば、米国特許第5,670,335号明細書を参照)。
上述のように、人工細胞又は小胞もまた、そのような細胞の膜中へ挿入された組み換え技術によって作られた蛋白質の有り無しにかかわらず、使用されることが可能である。例えば、米国特許第5,795,782号明細書及び米国特許第6,022,720号明細書を参照。
従って、ある態様において、細胞膜を電極区画から分離する開口部を規定する表面からなるシステムが提供され、細胞膜は開口部に十分に近接するよう設置され、細胞膜と表面との間で高電気抵抗固着(例えば、少なくとも約1Gオームの抵抗)が形成される条件にさらされる。ある態様において、開口部を規定する表面は非平面であり、望ましくは突出している。もう一つの方法として、又は追加の方法として、表面は親水性である。ある態様において、流体流は開口部を規定する表面に近接して形成する固着にて細胞膜を位置決めするために使用される。もう一つの方法として、又は追加の方法として、流体流は既に形成された固着の電気抵抗を極大化するために使用される。望ましくは、細胞膜を横切る電圧又は電流のような細胞膜の電気特性の測定値の少なくとも一つが得られる。より望ましくは、細胞を取り囲んでいる浴溶液中の条件及び/又は剤に細胞が応答した後又は細胞が応答するときに電気特性が測定される。
剤の例としては、蛋白質、DNA、RNA、PNA、受容体作用薬、受容体拮抗薬、神経伝達物質、神経伝達物質類似体、酵素阻害剤、イオンチャネルモジュレータ、G−蛋白質共役型受容体モジュレータ、輸送阻害剤、ホルモン、ペプチド、毒素、抗体、製薬剤、化学物質、プリン作動薬、コリン作動薬、セロトニン作動薬、ドーパミン作動薬、麻酔薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸塩、ステロイド、アルコール、金属カチオン、カンナビノイド、コレシストキニン、サイトカイン、興奮性アミノ酸、GABA作動薬、ガングリオシド、ヒスタミン作動薬、メラトニン、神経ペプチド、神経毒、エンドセリン、NO化合物、オピオイド、シグマ受容体リガンド、ソマトスタチン、タキキニン、アンギオテンシン、ボンベシン、ブラジキニン、プロスタグランジン及びこれらの剤の組合せが挙げられるが、これに限定されない。
イオンチャネル又は輸送蛋白質をエンコードする遺伝子の検討は、被検遺伝子による細胞の平行トランスフェクションによって、続いてここに記載されているようなイオン電流のスクリーニングによって、実行されることが可能である。
ここに記載されるシステムはまた、化合物の薬理学的特性を特徴付け、そして用量反応データを得る化合物ライブラリのスクリーニングに有効であり得る。
本発明の器具及び方法のために使用され得る剤の例としては、薬物、受容体作用薬、受容体拮抗薬、神経伝達物質、神経伝達物質類似体、酵素阻害剤、イオンチャネルモジュレータ、G−蛋白質共役型受容体モジュレータ、輸送阻害剤、ホルモン、ペプチド、毒素、抗体、製薬剤、化学物質及びこれらの剤の組合せが挙げられる。
本発明のシステム及び方法のために使用し得る特定の剤としては、プリン作動薬、コリン作動薬、セロトニン作動薬、ドーパミン作動薬、麻酔薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸塩、ステロイド、アルコール、金属カチオン、カンナビノイド、コレシストキニン、サイトカイン、興奮性アミノ酸、GABA作動薬、ガングリオシド、ヒスタミン作動薬、メラトニン、神経ペプチド、神経毒、エンドセリン、NO化合物、オピオイド、シグマ受容体リガンド、ソマトスタチン、タキキニン、アンギオテンシン、ボンベシン、ブラジキニン、プロスタグランジン及びこれらの剤の組合せが挙げられる。
本発明は、ここに以下の実施例に関して更に例示される。当然のことながら以下のものは実施例のためでしかなく、細部に対する変更は本発明の範囲内に入る場合常になされ得る。
実施例1 パッチクランプマイクロピペットの形状を模倣するチップベース突出構造の製作
多くの方法はパッチクランプ測定を実施するために好適な形状を有する突出した細胞接触表面を微細製作するために存在する。ここには、ある特定の手段が記載されており、これによって細胞チャンバ中のピラミッド型の構造の先端にて円形の開口部が微細製作される。
フォトリソグラフィのためのマスクをJEOL JBX−5DII電子ビームリソグラフィシステム(中反射(medium reflective)4”クロムマスク及びシプリーUV5レジスト、50keV acc.電圧、線量15μC/cm−2、露光電流5nA)で書き込む標準e−ビームを使用して作製した。レジストを2000rpmにて60秒スピンコートし、250nmのレジストを生じさせ、露光前に熱板上にて130℃で10分間弱焼付けした。パターンを130℃のオーブンにて20分間後露光焼付けし、シプリーMF24−A中にて60秒現像し、DI水中にてすすぎ、そして反応性イオンエッチャー(etcher)中にて灰色にした(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30s,50W,250mトル,10ccm O)。クロムを1−2分間バルザーズクロムエッチ#4(Balzers chrome etch#4)中にてエッチングした。シプリー1165リムーバを用いてマスクの残ったレジストを剥ぎ取り、アセトン、イソプロパノール及びDI水にてすすいだ。700nmの熱成長二酸化ケイ素で二面磨き上げられ全厚さ380μmのA3”、[100]、低N−ドープシリコンウェハを反応性イオンエッチャー(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95(30s,50W,250mトル,10ccm O)中にて洗浄し、シプリーS−1813フォトレジストで4000rpmにてスピンコートし、1.3μmのレジストを生じさせ、そしてCarl Suess MA6マスクアライナー上を400nmの波長にて110mJ/cm−2の線量で露光した。パターンNo.1のユニット細胞は450−550μmで構成されており、ウェハの質及び厚さが二乗の寸法で測定された(例えば、図4A参照)。
ウェハをシプリーMF319中にて45秒間現像し、DI水中にてすすぎ、そして反応性イオンエッチャー(etcher)(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30s,50W,250mトル,10ccm O)中にて灰色にした(ashed)。ウェハを最終的に10分間130℃にて強焼きした。ウェハの反対側を同じ方法によってS−1813レジストでコートし、10分間130℃にて迅速に強焼きした。二酸化ケイ素をシオテック(SioTech)緩衝化酸化エッチングで12−14分エッチングし、DI水中にてすすいだ。ウェハの残ったレジストをアセトンで剥ぎ取り、イソプロパノール及びDI水中にてすすいだ(図4B)。ウェハを異方性エッチング液(25%テトラメチルアンモニウム水酸化物の水性溶液)の浴中へ漬け、おおよそ9.5時間90℃にてエッチングした(図4C)。エッチング比率は典型的には0.65μm×分−1であり、異方性は40:1であった。ウェハの残った二酸化ケイ素を剥ぎ取り、RCA−1(NH:H:HOの75℃での1:1:5混合物)に10分間漬け、2%のHFに10分間漬け、そしてRCA−2(HCl:H:HOの80℃での1:1:5混合物)に10分間漬けた。
ウェハを、すすぎ及び乾燥を組み合わせて最終的にDI水ですすいだ。ウェハを1050℃にて25分間熱的に酸化し、約300nmの二酸化ケイ素を産出させた(図4E)。ウェハのパターン化されていない側をシプリーS−1813フォトレジストで4000rpmにてスピンコートし、1.3μmのレジストを生じさせ、マスクNo.2(パターンNo.2のユニット細胞は1μmの円と一致する)を介してCarl Suess MA6マスクアライナー上を400nmの波長にて110mJ/cm−2の線量で露光した。ウェハをシプリーMF319中にて45秒間現像し、DI水中にてすすぎ、そして反応性イオンエッチャー(etcher)(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30s,50W,250mトル,10ccm O)中にて灰色にした(ashed)(図4F)。二酸化ケイ素を同様のシステム(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,15分,100W,100mトル,32ccm CF、8ccmH、1ccmO)でエッチングした(図4G)。露光されたシリコンを、STS多重深部反応性イオンエッチャー(etcher)中にて、SFをエッチングガスとして、Cを不活性化ガスとして使用して、800WのRF電力(RF power)、一定のAPC角度の68%にて操作してエッチングし、エッチング時間は0.5秒の超過時間を含み7秒であり、不活性化時間は1秒の超過時間を含み4秒であった。パターンを、シリコン中に埋もれたピラミッド型の二酸化ケイ素構造に到るまでエッチングした(図4G)。隙間(aperture)の底部の露光された二酸化ケイ素を、ピラミッド型の構造の上端中に隙間(aperture)を生成する反応性イオンエッチャー(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30分,100W,100mトル,32ccm CF、8ccmH、1ccmO)にてエッチングした(図4H)。
ウェハを、今回はマスクNo.3(パターンNo.3のユニット細胞は50μmの円と一致する)を介してCarl Suess MA6マスクアライナー上を400nmの波長にて110mJ/cm−2の線量でもう一度露光した。ウェハをシプリーMF319中にて45秒間現像し、DI水に中てすすぎ、そして反応性イオンエッチャー(etcher)(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30s,50W,250mトル,10ccmO)中にて灰色にした(ashed)(図4I)。二酸化ケイ素を同じシステムでエッチングした(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,15分、100W,100mトル,32ccmCF、8ccmH,1ccmO)。構造を最終的に、STS多重深部反応性イオンエッチャー(etcher)中にて、その周囲のシリコンをエッチングすることによりSFをエッチングガスとして、Cを不活性化ガスとして使用して、800WのRF電力(RF power)、一定のAPC角度の68%にて操作して解放し、エッチング時間は0.5秒の超過時間を含み7秒であり、不活性化時間は1秒の超過時間を含み4秒であった。
構造の5−10μmを見ることが可能となるまで、パターンをエッチングした(図4J)。ウェハの残ったレジストをアセトンで剥ぎ取り、イソプロパノール及びDI水中にてすすぎ、そして、反応性イオンエッチャー(etcher)(プラズマサーム(Plasmatherm)RIE m−95,30s,50W,250mトル,10ccmO)中にて灰色にした(ashed)。図4L及び4Lはその結果得られた微細製作された構造のSEM画像を示している。
実施例2 標準的なガラス表面と比較した火炎処理され加水分解された表面に対するリポソームの付着
如何に基質の表面特性が脂質膜の付着に影響するかを調査するために、我々はモデルシステムとして、脱水/再水和技術により調製された巨大単層リポソームを使用した。外部応力のない状況における遊離リポソームは、固定部を有する流動的な袋として考えられることが可能であり、その形状は、
=1/2k∫(c+c−cdS+k’∫cdS
によって示されるそれらの最小たわみエネルギーによってのみ決定され、ここにおいて、c及びcは主曲率であり、cは脂質分子の好ましい分子充填から発生する自然曲率であり、k及びk’は各々弾性たわみ係数及び鞍型斜角係数(saddle splay modulu)である。小胞を固定球状位相(fixed spherical topology)で処理する場合、ガウス分布の項(方程式の右側の第二項)は無視することが可能である。巨大単層小胞は脂質膜と化学的に改質された表面との間の相互作用を研究するために有益な制御モデルを提供する。
小胞が基板に付着する場合、表面相互作用からの寄与率は方程式中に含まれていなくてはならない。付着した小胞はもはや伸張自由ではなく、面積拡大による側膜伸張もまた考慮しなくてはならない。水の静電遮蔽によって、全てのコロイド状の力は非常に狭い範囲なので、それらはリポソーム−固体接合部分にて単独で作用することに近似させることが可能である。これらの力を一つの接触電位中へ集中させると、小胞の自由エネルギーへの接着性の寄与率φは、
κ=−φA
で書きあらわすことが可能であり、ここにおいて、Aは小胞膜の固定された部分の接触面積である。
軟弱な膜表面のブラウン運動によって、粘着性リポソームの接触面積は、それがその均衡に到達するまで徐々に増大する。固定された小胞の表面自由エネルギーは次に接着力、横への伸張及びたわみ剛性の間のバランスによって生じる;
=1/2k∫(c+c−cdS+k’∫cdS−φA
その結果として、固定された小胞の形状はシステムにおける粘着力の強さを反映する。低接触電位にて、固定された小胞は大部分が円形で非常に小さな接触面積しか備えておらず、この種の小胞基質相互作用は一般的に弱い接着状態として示される。接触電位が増加すると、小胞は基板表面とより強く相互作用し、面取りされた球形又はドーム状の形状として現れる。この種の相互作用はしばしば「強接着状態」と称される。接触電位が非常に高い場合、システムにおける接着力は、4−10mN/mの側膜伸張にて脂質小胞において典型的に起こる伸張−誘発小胞溶解をもたらす。この場合、小胞は破裂して基板上に広がる。
化学的に改質された表面上の脂質膜接着性の強さを組織的に研究するためのモデルシステムとしてリポソームを使用する場合、以下の手順が使用される:
リポソーム調製
蛍光標識された単層リポソームを作成するために、脱水/再水和技術を使用した。リポソーム(100mg/ml)及び蛍光膜染料(DiO 0.5mg/ml)を原液としてクロロホルム中へ溶解した。Criado及びKellerによって記述された脱水/再水和方法を改質に使用した。簡潔にいうと、5μlの脂質分散物(1mg/ml)をカバースリップ上に載せ、溶液を次に4℃にて真空乾燥機中で脱水状態にした。脂質フィルムを部分的に脱水し、次に慎重にPBS緩衝液(トリズマ塩基(Trizma base)5mM,KPO30mM,KHPO30mM,MgSO1mM,EDTA0.5mM,pH7.8)で水和した。数分後、巨大単層リポソームが形成され始めた。
顕微鏡操作及び微細遠隔操作
全ての試験をライカPLフルオター(Fluotar)40×の対物レンズを備えた倒立顕微鏡(ライカ、DM IRB,ウェッツラー,ドイツ)及び水圧微細遠隔操作システム(高目盛遠隔操作機:ナリシゲMWH−3,東京、粗遠隔操作機:ナリシゲMC−35A、東京)にて実施した。ピンセットとして炭素繊維微小電極(直径5μm,ダガン社、ミネアポリス、ミネソタ、U.S.A.)を制御する微小遠隔操作機を用いてリポソームを遠隔操作した。
488nmのスペクトル線の干渉フィルタを通過してArレーザ(スペクトラ−フィジックス2025−05,488nm)の出力を送ることにより蛍光画像化を実施し、続いて、ディスクを高速回転させ、密着を崩壊しレーザ光線を散乱させた。レーザ光線をレンズによって集め、フルオレセインフィルタ(ライカI−3)を通過して対物レンズ(ライカPLフルオター、40×)中へ送り、蛍光染料を励起させた。蛍光を対物レンズ及びCCDカメラ(C2400−41H,ハママツフォトニクスK.K.、日本)により集め、アルゴス20により制御し、画像処理プロセッサ(ハママツフォトニクスノードンAB、ソールナ、スウェーデン)を画像を捕捉するために使用した。スーパーVHS(パナソニックS−VHS AG−5700、ストックホルム、スウェーデン、25Hzフレーム回収率)を用いて記録を作成した。微分干渉コントラスト画像化のために同じカメラ設定を使用した。アルゴス20システム及びアドビプレミア並びにフォトショップグラフィックソフトウェアを用いてデジタル画像編集を実施した。
表面改質
試験に使用したホウケイ酸塩カバースリップ(24×60×0.17mm、クニッテルグレイザー, ドイツ)はRCA−1洗浄プロトコルを使用して改質された表面であった。要するに、カバースリップは10分間脱イオン化された水、過酸化水素及びアンモニア(HO:H:NH 5:1:1、75℃)の溶液中で煮沸し、続いて脱イオン化された水中にてすすいだ。表面の対照として、エタノール中にてすすぎ、続いて脱イオン化された水中で迅速にすすぐことで洗浄されたホウケイ酸塩カバースリップを使用した。カバースリップは表面処理/洗浄の直後に使用した。
薬品
クロロホルム、EDTA(チトリプレックスIII)、硫酸マグネシウム及びリン酸二水素カリウムはメルク社製(ダルムシュタット、ドイツ)であった。トリズマ塩基、リン酸カリウム、大豆レシチン(II型−S)はシグマ社製(セントルイス、MO)であった。DiO(3,3’−ジオクタデシルオキサカルボシアニン過塩素酸塩)はモレキュラプローブ社製(ライデン、オランダ)であった。グリセロールはJ.T.ベーカー社製、脱イオン化水はミリQシステム由来(ミリポア社、ベッドフォード、MA)が使用された。
これらの試験に使用したリポソームは大豆レシチン(SBL)から調製され、これはホスファチジルコリン(45,7%)ホスファチジルエタノールアミン(22.1%),ホスファチジルイノシトール(18.4%),ホスファチジン酸(6.9%)及びその他(6.9%)からなる不均一混合物である(アバンティ極性脂質社製の極性脂質抽出組成物)。SBL脂質は約120mVのゼータ電位を備えた負の正味荷電を有する。この実施例において使用される基板は、脱イオン化された水及びエタノールで洗浄された剥き出しのホウケイ酸塩カバースリップ(関連基板(reference substrate))又はRCA−1で表面改質されたホウケイ酸塩カバースリップであった。RCA−1処理の効果はホウケイ酸塩基板の表面の親水性を増加させることである。
図3Bの蛍光顕微鏡写真に見られるように、関連基板(reference substrate)上に固定化したリポソームは、実質的には無傷の球体であるように見え、小胞−基板相互作用が弱い接着状態であったことを示す。リポソームがRCA−1処理されたホウケイ酸塩基板上に置かれた場合、小胞−基板相互作用は非常に強く、表面を固定化された小胞は扁平の半円形であるように見えた(図3C)。この試験は従って、表面改質された基板で膜の接着性が非常に強いということを明らかにしている。その結果として、ホウケイ酸塩基板の表面改質はSBL膜とホウケイ酸塩表面との間の有効な接触電位の顕著な増加をもたらした。この効果は、平面的なパッチクランプ細胞接触表面において高抵抗固着を獲得し維持するために非常に重要である。固着抵抗は適切な表面処理によって劇的に増加する。
実施例3 流体流を用いたパッチクランプ固着の安定性
マイクロチャネルをポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)中に成型し、これらを次にガラスカバースリップ上に不可逆的に固着して、4つの壁を有する閉鎖チャネルを形成した。
用いた手順は以下の通りである:
(1)ウェハを第一に洗浄することによりフォトレジストへの良好な接着性を確保し、続いてウェハ上にネガティブフォトレジスト(SU8−50)の層(〜50μm)をスピンコーティングすることによりPDMSを成型するために使用されるシリコンマスターを製作した。このネガティブフォトレジストの層を次に弱焼付けしフォトレジスト中に含まれた溶媒を蒸発させた。マスクアライナーを備えたフォトリソグラフィを、e−ビーム書き込みを用いて調製された適切なパターンを有するフォトマスクを用いて実行した。露光されたウェハを次に焼付け、適切な現像液(例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)中にて露光されていないフォトレジストを洗い流すことにより現像した。
(2)この現像されたウェハ(マスター)は、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリクロロシラン数百マイクロリットルを有する真空で数時間シラン化すること(silanizing)により不動態化された表面であった。
(3)脱気PDMSプレポリマーをシリコンマスターの頂部に注ぎ、オーブンに入れ60℃で2時間硬化させた。
(4)マイクロチャネル特性を含む硬化したPDMSモールドを、次に酸素プラズマ中にて〜1分間酸化した後、ガラス基板へ不可逆的に固着した。本実施例において使用したチャネルの寸法はおおよそ100μmの幅及び50μmの深さであった。
ここに記載された試験は単純な単一−チャネル構造を使用した。適切な寸法を有する鋭い穴−穿孔機でPDMSを貫通する滑らかな穴を第一に開けることにより、このマイクロチャネルをポリエチレンチュービングへ相互作用させた。穿孔された穴よりわずかに大きい外径を有するポリエチレンチュービングが穴中へ挿入され、チュービングがPDMSのゴム上の性質によって圧力シールを形成した。ポリエチレンチューブを適切な大きさ(内径)を有するシリンジの針へ接続し、これをシリンジへ接続した。流体流を促進するため制御された圧力を高精度シリンジポンプ(CMA/100,マイクロ注入ポンプ、Camegei Medicin)で完成させた。
パッチクランプ試験を細胞全体構造にて実施した。細胞全体記録用のピペットを肉厚の1.5mmの外径及び0.86mmの内径を有するホウケイ酸ガラスキャピラリ(ハーバード器具LTD、イーデンブリッジ、ケント、UK)から製作した。先端の直径及び電気抵抗は各々〜2.5μM及び5−15MΩであった。おおよその直列抵抗は常に50MΩより大きく、保持電位は直列抵抗による電圧エラーのために修正された。パッチクランプ電極溶液は100−mMのKCI,2−mMのMgCl,1−mMのCaCl,11−mMのEGTA及び10−mMのHEPESを含み;pHはKOHで7.2に調整された。全ての試験を室温(18−22℃)にて実行した。
信号をアクソパッチ200A(アクソン株式会社、カリフォルニア、U.S.A)パッチ−クランプ増幅器で、−70mVの保持電位にて記録し、デジタル化し、コンピュータハードドライブ(サンプル周波数10kHz,フィルタ周波数200Hz、8極ベッセルフィルタ)に記憶させ、そしてPC及びクランプフィット(Clampfit)8.1ソフトウェア(アクソン株式会社)を用いて分析した。マイクロチャネル構造を含有する試験チャンバを40×及び10×の対物レンズ(ニコン、日本)を備えた倒立顕微鏡試料台に取り付けた。走査速度を記録するためのビデオに接続されたCCDカメラ(ハママツ)が顕微鏡に取り付けられ、ビデオのためのサンプリング速度は25Hzであった。微小遠隔操作機(ナリシギ、日本)に加えてこの設備をファラデー箱内部の振動隔離テーブル上に設置した。パッチクランプ増幅器、デジデータ(Digidata)ボード、フィルタ、ビデオ及びPCを箱の外部に保ち、回線周波数からの干渉を最小化した。
接着性PC−12細胞をペトリ皿中の円形のカバースリップ上で2−6日間培養した(抗生物質及びアンチミオコチン(antimyocotin)(0.2%), 牛胎仔血清(10%)及びL−グルタミン)の補充されたDMEM/F12培養液)。パッチクランプ試験の前に、10HEPES,140NaCl,5KCl,1CaC1,1MgCl,10D−グルコース(pH7.4)を(mM単位で)含む:HEPES−塩緩衝液中で細胞を洗浄し分離させ開口緩衝液槽中のマイクロチャネルの出口に設置した。
チャネルの出口を離れる流体の流れはパッチされた細胞上に流体抵抗を及ぼし、これはF=6πrηνから算出されることが可能であり、ここにおいてFは力、rは細胞の半径、νは流体の速度そしてηは流体の粘度である。1センチポイズの粘度を備えた水性媒体中の5−μm−半径の球形の細胞を通り過ぎる2mm/sの流速は、結果として〜200pNの力である。相対的に、同じ細胞に作用する沈殿作用の力は〜0.4pNである。ピペットの座面へ向かって細胞を押すこの力は、細胞−ピペット固着を効果的に安定化させ、パッチクランプ測定が長時間実行されることを可能にするということが見い出された。例えば、細胞は40分を越えて、時として110分もの長い間、通常細胞全体の構造に維持されることが可能であった。これは、外力を加えることのない状況にて吊るされていない(free−hanging)細胞を供えた従来のパッチクランプシステムにおいて観察される安定時間、典型的には10乃至20分の範囲、と比較して進歩がある。この増加した機械的固着の安定はまた図5に例示されるような増加した電気固着抵抗をもたらす。
図5に示される測定値を得るために、流体流を加圧された空気によって駆動させ、PC12細胞を細胞全体の構造にパッチクランプし、HBS流中にチャネル出口から〜約25μmに設置した。3mm/sの流速が用いられ細胞をチャネルに対して固定された位置に保持した。抵抗値の増加が10個の細胞について算出され、平均増加は56%±24%であった。固着抵抗の増加は流体の流れにさらされる前の固着の強さと無関係であった。細胞が流体中に設置される前及び後の漏れ電流の差異から固着の増加が算出された。
ここに記載されていることの変化、変更及び他の実施は、本発明の精神と範囲から逸脱せず当業者の心に浮かぶであろう。
ここに引用された参考文献、特許、特許公報及び国際出願は全てその完全な状態にてここに参考のため包含される。
図1A及びBは、パッチクランプ記録のための電極から細胞又はそれらの一部を分離する開口部での形状を最適化することによってパッチクランプ記録の間の固着抵抗を極大化するための発明による方法を例示している。図1A及びBの両者において、開口部の半径は0.5μmである。グラフは、界面距離の機能として(グレースケールとして示された)固着の抵抗と、固着の拡大(すなわち、Aの軸方向の長さと、Bの接触域の半径)を示している。 図2A及びBは、流体抵抗の結果による流体流のもとでのパッチクランプ固着の安定を例示する概念図である。図2Aは、流体流源に近接するよう細胞を位置決めするパッチクランプマイクロピペットからなる細胞−ベースのバイオセンサーの斜視図である。図2Bは、図2Aに示された細胞−ベースのバイオセンサーの側面図を示している。矢印は流体源にて陽圧、P、によって生み出される、流体流源を通過する流体流の方向を示している。 図3A−Cは、本発明の一態様による固着抵抗を極大化する方法を示している。図3Aは、カバースリップの処理された表面に近接するよう位置づけされたリポソームとカバースリップとの間の接触の程度を測定する装置を実証する概念図である。図3A及びBは、パッチクランプ試験における表面化学の重要性を例示する、表面の加水分解前(図3B)及び加水分解後(図3C)のカバースリップの表面と巨大単層小胞(giant unlilamellar vesicle)との間の増強された接触を示す蛍光顕微鏡写真である。 図4A−Jは、チップ上のパッチクランプ装置の表面に突出した開口部を作り出すために使用される製作工程を例示している。図4Kはチップ上のパッチクランプ装置において細胞を受け入れるための細胞チャンバ又はウェルの開口部を示す斜視図である。細胞チャンバの底部は一つ以上の電極と連通している(図示せず)。図4Lは、図4A−Jに示す工程による細胞チャンバの底部に製作されたピラミッド型の突起部を示している。突起部は細胞チャンバの開口部と細胞との間に形成された固着の電気抵抗を極大化する。 図4−(1)の分図である。 図4−(1)の分図である。 図4−(1)の分図である。 図5A−Dは、パッチクランプ記録及び流体流のもとでの固着抵抗の増加を示す10個の細胞の分析を示している。図5A及び5Bは、細胞が流路に位置決めされるときに典型的に観察される漏れ電流の減少を例示する電流トレースである。図5Aは、細胞が流体の流れにさらされるとき、パッチクランプ開口部に対して既に固着されている細胞に観察される電気抵抗の増加を示している。固着抵抗増加は約2.1GΩ乃至3.7GΩ(〜・)である。図5Bは弱い固着のもの、すなわち、細胞がパッチクランプ開口部に近接しているが、それに対してしっかり固着していないものを示しており、固着抵抗は50MΩ(・)から240MΩへ増加する。図5Cは、10個の細胞の平均固着抵抗が約56%増加するということを示している。図5Dは1.6GΩの平均増加率を示している。 図6は、流体流がチップ上のパッチクランプ装置における細胞チャンバの開口部と細胞との間の高抵抗固着を確立し及び/又は維持するために使用される本発明の方法を例示している概念図である。そのような装置の側面を貫いた横断面が示されている。細胞は球体として示され、一方、装置の表面を絶縁することは灰色で示され、一般的に微細製作された突出した開口部からなるプレーナー構造で示される(開口部と接続するセルチャンバの一部のみが示される)。流体流は、流体源から提供される(図において垂直で平行な線にて示される)。細胞と細胞チャンバ中の電解質溶液との間の接触は、細胞を装置(図示せず)の一つ以上の電極に連結し、電極と細胞との間の電気的な接続を確立させる。流体流によって細胞に圧力を与える流体抵抗を活用するとき、圧力吸引又は弱い電気パルス(0.01V−10V)のいずれかを細胞内部と電解質溶液との間の電気的接触を確立するために使用する。この工程の段階は図中の左から右へ示されている。固着は更に、流体流によって生み出されたパッチされた細胞に一定に加えられた圧力(P)によって安定化される(図の右端に示される)。 図7A−Dは、流体流条件のもとで吸引圧力(P)又は電界(V)を用いたパッチクランプにてしっかりとした固着を獲得する本発明の一態様による方法を例示している。図7Aは、開口部に対して固着しておらず流体流にさらされていない開口部に近接した細胞を示している。図7Bは細胞及び開口部の間の固着を生み出す圧力又は電界の使用を示している。図7Cは細胞と開口部との間の固着を生み出すための(例えば、マイクロチャネルのような)流体源からの流体の流れ(矢印によって示す)の使用を示している。図7Dは、固着にて電気抵抗を増大させる流体流の使用とともに、細胞と開口部との間の固着を生み出すための圧力又は電界の使用を示している。 図8は本発明の別の態様による流体流条件のもとにて吸引圧力/電界を用いてパッチクランプ装置におけるしっかりとした固着を獲得する方法を例示する概念図である。図中の矢印は、一つの流体流源からの流体流の方向及び細胞と表面との間の固着の電気抵抗が流体の流れに近接して細胞を設置することにより増大する一連の出来事を示している。 図9は高電気抵抗固着を確立するための流体流条件のもとにて吸着圧力/電界をもちいたパッチクランプ装置の表面と細胞との間のしっかりとした固着を獲得する方法を例示する概念図である。 図10A及びBは、複数のマイクロピペットの先端の開口部に自動的に位置決めされる細胞が複数の開口部を含んだ平面に対して角度をなす流れの中で移動するパッチクランプ記録を獲得するための細胞ベースバイオセンサーの異なる図である。図10Aは斜視図である。図10Bは、図10Aに示されるシステムの断面の上面平面図である。矢印は、流体源から複数のマイクロピペットの先端の開口部の方向への流体流中の細胞の移動の方向を示す。 図11A−Bは、互いに垂直に流れる二対の流体の流れを用いて自動的に細胞を複数のマイクロピペットの先端の開口部に位置決めするための細胞ベースバイオセンサーを示す概念図である。細胞は複数の先端の開口部からなる平面に対して角度をなして移動する。

Claims (99)

  1. マイクロ流体チップ基板であって、
    細胞チャンバが細胞との電気的連通を確立し及び/又は維持する少なくとも一つの非平面素子からなり、
    非平面素子が開口部を規定する表面を有し、表面が細胞チャンバの壁の一部からなる開口部を規定し、
    第一のチャネルが細胞チャンバの側面で連通し、前記第一のチャネルが非平面素子の開口部を規定する表面に付着している細胞にて陽圧流を働かせるための流体流を提供し、
    第二のチャネルが開口部を規定する表面との接触を引き入れる細胞にて陰圧を作り出すための細胞チャンバの壁の開口部を規定する表面の側面で連通し、
    高電気抵抗固着が細胞と第一のチャネルからの流体流の陽圧と第二のチャネルからの陰圧の組み合わせによって開口部を規定する表面の間で確立され及び/又は維持されるマイクロ流体チップ基板。
  2. 非平面素子の少なくとも一部が導電性表面からなる請求項1に記載の基板。
  3. 非平面素子が非導電性表面からなる請求項1に記載の基板。
  4. 非平面素子の少なくとも一部が炭素原料からなる請求項1に記載の基板。
  5. 非平面素子が実質的に平面基板から取り外し可能な請求項1に記載の基板。
  6. 非平面素子が実質的に平面基板の切り離せない部分である請求項1に記載の基板。
  7. 非平面素子がピラミッド型、円錐型、楕円型、ドーナツ型であり、あるいは積層型平面素子からなる請求項1に記載の基板。
  8. 更に、流体源から流体を受け入れる細胞チャンバからなり、細胞チャンバが複数の非平面素子からなる請求項1に記載の基板。
  9. 流体源からの流体が基板中の一つ以上のチャネルから細胞チャンバへ提供される請求項1に記載の基板。
  10. 非平面素子の表面の少なくとも一部が親水性である請求項1に記載の基板。
  11. 更に、少なくとも一つのチャネルの静水圧を制御するための流体制御機構からなる請求項1に記載の基板。
  12. 非平面素子の表面が化学洗浄にさらされることによって改質される請求項1に記載の基板。
  13. 非平面素子の表面が気相化学析出によって改質される請求項1に記載の基板。
  14. マイクロ流体チップ基板は長さ、幅及び高さを有し、高さは最小の寸法である請求項1に記載の基板。
  15. 開口部を規定する表面が電極区画から細胞を分離する請求項1に記載の基板。
  16. 細胞チャンバ、第一のチャネル及び第二のチャネルがそれぞれ二つの壁及び底部からなり、壁は前記マイクロ流体チップ基板の高さと平行であり底部は前記マイクロ流体チップ基板の高さと垂直である請求項1に記載の基板。
  17. 非平面素子の少なくとも一つが、導電性流体が配置される開口部を有する突起部からなる請求項1に記載の基板。
  18. 基板の少なくとも一つがポリマーからなる請求項1に記載の基板。
  19. 非平面素子の少なくとも一部が流体源からの流体流にさらされる請求項1に記載の基板。
  20. 表面が突出しているか或いは丸みを帯びている請求項1に記載の基板。
  21. 非平面素子がピペット先端、キャピラリ又はマイクロピペットからなる請求項1に記載の基板。
  22. 更に、開口部を規定する非平面素子の表面と開口部に近接する細胞との間の電気抵抗固着を生み出すための電圧源からなる請求項1に記載の基板。
  23. 導電性流体が導電性素子と電気的に連通する請求項17に記載の基板。
  24. 基板が開口部を規定する非平面素子の表面と開口部に近接する細胞との間の抵抗固着を生み出すための圧力源と連通する請求項17に記載の基板。
  25. ポリマーが弾性ポリマーからなる請求項18に記載の基板。
  26. 基板が流体源と連通する少なくとも一つのチャネルからなり、そして流体源が流体を基板中の少なくとも一つのチャネルを通過して非平面素子へ供給する請求項19に記載の基板。
  27. 突出している表面がカラム、ロッド、リーブ、開口を規定する表面又は壁の一部の1つ以上である請求項20に記載の基板。
  28. 非平面素子が細胞を接触させるための非平面表面からなる請求項21に記載の基板。
  29. 固着の抵抗が少なくとも約100Mオームである請求項22に記載の基板。
  30. 導電性素子が一つ以上の電極である請求項23に記載の基板。
  31. 細胞と導電性素子との間の電気抵抗固着を確立し維持するための流体流を提供する機構からなるシステムであって、少なくとも一つの導電性素子と連通する実質的に平面の基板からなるマイクロ流体チップ基板からなり、細胞チャンバが細胞との電気的連通を確立し及び/又は維持する少なくとも一つの非平面素子からなる実質的に平面構造であり、非平面素子が開口部を規定する表面を有し、表面が細胞チャンバの壁の一部からなる開口部を規定し、
    第一のチャネルが細胞チャンバの側面で連通し、前記第一のチャネルが非平面素子の開口部を規定する表面に付着している細胞にて陽圧流を働かせるための流体流を提供し、
    第二のチャネルが開口部を規定する表面との接触を引き入れる細胞にて陰圧を作り出すための細胞チャンバの壁の開口部を規定する表面の側面で連通し、
    高抵抗固着が細胞と第一のチャネルからの流体流の陽圧と第二のチャネルからの陰圧の組み合わせによって開口部を規定する表面の間で確立され及び/又は維持されるシステム。
  32. 導電性素子が流体源に対して移動可能な請求項31に記載のシステム。
  33. 導電性素子がハウジングの内腔の内部に存在する請求項31に記載のシステム。
  34. ハウジングがマイクロピペット、ピペット先端、キャピラリ及び中空電極からなる請求項31に記載のシステム。
  35. 導電性素子が炭素繊維電極からなる請求項31に記載のシステム。
  36. 非平面素子が実質的に平面の基板に取り外し可能な状態で接合されている請求項31に記載のシステム。
  37. 更に、少なくとも一つの剤を細胞チャンバへ運搬するための機構からなる請求項31に記載のシステム。
  38. 更に、細胞を導電性素子に近接して位置決めするためのマイクロ位置決め装置からなる請求項31に記載のシステム。
  39. 細胞へ流体を運搬するための出力チャネル及び細胞へ運搬された流体を受け入れる排出チャネルからなり、出力チャネルの縦軸及び排出チャネルの縦軸が異なる平面に位置する請求項31に記載のシステム。
  40. 細胞へ流体を運搬するための出力チャネル及び細胞へ運搬された流体を受け入れる排出チャネルからなり、出力チャネルの縦軸及び排出チャネルの縦軸が同じ平面に位置する請求項31に記載のシステム。
  41. システムが更に出力チャネル及び排出チャネルによって発生する流体の流れに近接するよう細胞を位置決めする位置決め装置からなる請求項31に記載のシステム。
  42. システムが更に細胞の電気特性を記録する検出器からなる請求項31に記載のシステム。
  43. システムが更に電気特性を測定する機構からなる請求項31に記載のシステム。
  44. システムが更に細胞を電気穿孔する機構からなる請求項31に記載のシステム。
  45. システムがパッチクランプピペットからなる請求項31に記載のシステム。
  46. 導電性素子が細胞チャンバと電気的に連通する請求項31に記載のシステム。
  47. 細胞接触表面が気相化学析出によって処理される請求項31に記載のシステム。
  48. ハウジングが複数のマイクロチャネルからなる請求項31に記載のシステム。
  49. マイクロ流体チップ基板は長さ、幅及び高さを有し、高さは最小の寸法である請求項31に記載のシステム。
  50. 開口部を規定する表面が細胞を電極区画から分離する請求項31に記載のシステム
  51. 細胞チャンバ、第一のチャネル及び第二のチャネルがそれぞれ二つの壁及び底部からなり、壁は前記マイクロ流体チップ基板の高さと平行であり底部は前記マイクロ流体チップ基板の高さと垂直である請求項31に記載のシステム
  52. 非平面素子が実質的に平面基板と完全に接合された請求項31に記載のシステム。
  53. 非平面素子の表面が化学洗浄にさらされることによって改質される請求項31に記載のシステム。
  54. 非平面素子の表面が気相化学析出によって改質される請求項31に記載のシステム。
  55. 非平面素子の表面が化学洗浄によって処理される請求項31に記載のシステム。
  56. 導電性素子が細胞接触表面からなる請求項33に記載のシステム。
  57. 細胞接触表面が非平面表面である請求項33に記載のシステム。
  58. 内腔がマイクロチャネルからなる請求項33に記載のシステム
  59. 剤が、蛋白質、DNA、RNA、PNA、受容体作用薬、受容体拮抗薬、神経伝達物質、神経伝達物質類似体、酵素阻害剤、イオンチャネルモジュレータ、G−蛋白質共役型受容体モジュレータ、輸送阻害剤、ホルモン、ペプチド、毒素、抗体、製薬剤、化学物質、プリン作動薬、コリン作動薬、セロトニン作動薬、ドーパミン作動薬、麻酔薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸塩、ステロイド、アルコール、金属カチオン、カンナビノイド、コレシストキニン、サイトカイン、興奮性アミノ酸、GABA作動薬、ガングリオシド、ヒスタミン作動薬、メラトニン、神経ペプチド、神経毒、エンドセリン、NO化合物、オピオイド、シグマ受容体リガンド、ソマトスタチン、タキキニン、アンギオテンシン、ボンベシン、ブラジキニン、プロスタグランジン及びこれらの剤の組合せからなる群より選択される請求項37に記載のシステム。
  60. 異なる平面が互いに垂直である請求項39に記載のシステム。
  61. 異なる平面が互いに平行である請求項39に記載のシステム。
  62. 更に、u型の流体の流れを生み出すための排出チャネル及び出力チャネルと連通する圧力機構からなる請求項39に記載のシステム。
  63. 出力チャネルから運搬される流体が排出チャネルによって受け入れられ、u型の流体の流れが生み出される請求項39に記載のシステム。
  64. 細胞を位置決めするための位置決め装置が内腔を規定するハウジング及び一端の開口部からなり、開口部を規定するハウジングの位置が細胞接触表面を形成し、導電性素子がハウジングの内腔内部に配置される請求項41に記載のシステム。
  65. 位置決め装置が細胞チャンバの突出した表面からなる請求項41に記載のシステム。
  66. 細胞チャンバが少なくとも一つの非平面表面からなる請求項46に記載のシステム。
  67. 細胞と導電性素子の間で電気抵抗固着を確立し及び維持する流体流を提供する機構からなるシステムであって、
    マイクロ流体チップ基板は、
    細胞チャンバが細胞との電気的連通を確立し及び/又は維持する少なくとも一つの非平面素子からなり、
    非平面素子が開口部を規定する表面を有し、表面が細胞チャンバの壁の一部からなる開口部を規定し、
    第一のチャネルが細胞チャンバの側面で連通し、前記第一のチャネルが非平面素子の開口部を規定する表面に付着している細胞にて陽圧流を働かせるための流体流を提供し、
    第二のチャネルが開口部を規定する表面との接触を引き入れる細胞にて陰圧を作り出すための細胞チャンバの壁の開口部を規定する表面の側面で連通し、
    高電気抵抗固着が細胞と第一のチャネルからの流体流の陽圧と第二のチャネルからの陰圧の組み合わせによって開口部を規定する表面の間で確立され及び/又は維持される
    マイクロ流体チップ基板からなるシステム。
  68. 少なくとも一つの流体の流れに細胞をさらすことからなる細胞接触表面と細胞との間の電気抵抗固着を生成する方法であって、
    マイクロ流体チップ基板を提供し、マイクロ流体チップ基板は細胞チャンバが細胞との電気的連通を確立し及び/又は維持する少なくとも一つの非平面素子からなり、非平面素子が開口部を規定する表面を有し、表面が細胞チャンバの壁の一部からなる開口部を規定し、
    第一のチャネルが細胞チャンバの側面で連通し、前記第一のチャネルが非平面素子の開口部を規定する表面に付着している細胞にて陽圧流を働かせるための流体流を提供し、
    第二のチャネルが開口部を規定する表面との接触を引き入れる細胞にて陰圧を作り出すための細胞チャンバの壁の開口部を規定する表面の側面で連通し、
    よって高電気抵抗固着の生成は細胞と第一のチャネルからの流体流の陽圧と第二のチャネルからの陰圧の組み合わせによって開口部を規定する表面の間で確立され及び/又は維持される方法。
  69. 電気抵抗が少なくとも約100Mオームである請求項68に記載の方法。
  70. 流体流がu型の流体の流れである請求項68に記載の方法。
  71. 更に細胞を剤にさらす前及び後に特性を測定することからなる請求項68に記載の方法。
  72. 方法が更に細胞接触表面に電圧パルスを加えることからなり、固着の電気抵抗を増強する請求項68に記載の方法。
  73. 方法が更に細胞接触表面に圧力を加えることからなり、固着の電気抵抗を増強する請求項68に記載の方法。
  74. 方法が複数の流体の流れを提供することからなる請求項68に記載の方法。
  75. マイクロ流体チップ基板は長さ、幅及び高さを有し、高さは最小の寸法である請求項68に記載の方法。
  76. 開口部を規定する表面が細胞を電極区画から分離する請求項68に記載の方法。
  77. 細胞チャンバ、第一のチャネル及び第二のチャネルがそれぞれ二つの壁及び底部からなり、壁は前記マイクロ流体チップ基板の高さと平行であり底部は前記マイクロ流体チップ基板の高さと垂直である請求項68に記載の方法。
  78. 剤が、蛋白質、DNA、RNA、PNA、受容体作用薬、受容体拮抗薬、神経伝達物質、神経伝達物質類似体、酵素阻害剤、イオンチャネルモジュレータ、G−蛋白質共役型受容体モジュレータ、輸送阻害剤、ホルモン、ペプチド、毒素、抗体、製薬剤、化学物質、プリン作動薬、コリン作動薬、セロトニン作動薬、ドーパミン作動薬、麻酔薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸塩、ステロイド、アルコール、金属カチオン、カンナビノイド、コレシストキニン、サイトカイン、興奮性アミノ酸、GABA作動薬、ガングリオシド、ヒスタミン作動薬、メラトニン、神経ペプチド、神経毒、エンドセリン、NO化合物、オピオイド、シグマ受容体リガンド、ソマトスタチン、タキキニン、アンギオテンシン、ボンベシン、ブラジキニン、プロスタグランジン及びこれらの組合せからなる群より選択される請求項71に記載の方法。
  79. 流体の流れの二つ以上が細胞と接触し、そして流れの一つ又は両者が細胞へ剤を運搬する請求項74に記載の方法。
  80. 流体の流れの二つ以上が細胞と接触し、そして流れの少なくとも二つが異なる剤又は異なる濃度の同じ剤を運搬する請求項74に記載の方法。
  81. 流れの少なくとも一つが細胞へ緩衝液を運搬する請求項79又は80に記載の方法。
  82. マイクロ流体チップ基板は長さ、幅及び高さを有し、高さは最小の寸法であり、前記マイクロ流体チップ基板
    a)細胞チャンバが細胞との電気的連通を確立し及び/又は維持する少なくとも一つの非平面素子を有し、前記非平面素子が細胞を電極区画から分離する開口部を規定する表面を有し、マイクロ流体チップ基板の切り離せない部分であり、表面が細胞チャンバの壁の一部からなる開口部を規定し、
    b)第一のチャネルが前記細胞チャンバの側面で連通し、非平面素子の開口部を規定する表面に付着している細胞にて陽圧流を働かせるための非平面素子に対する流体流を提供するように配置され、
    c)第二のチャネルが前記細胞チャンバの側面で開口部を規定する表面との接触を引き入れる細胞にて陰圧を作り出すため細胞チャンバの壁の開口部を規定する表面と連通し、前記細胞チャンバ、前記第一のチャネル及び前記第二のチャネルがそれぞれ二つの壁及び底部からなり、壁は前記マイクロ流体チップ基板の高さと平行であり底部は前記マイクロ流体チップ基板の高さと垂直であり、よって高電気抵抗固着は細胞と第一のチャネルからの流体流の陽圧と第二のチャネルからの陰圧の組み合わせによって開口部を規定する表面の間で確立され及び/又は維持されるマイクロ流体チップ基板
  83. 非平面素子の少なくとも一つが、導電性流体が配置される開口部を有する突起部からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  84. 非平面素子の少なくとも一部が導電性表面からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  85. 非平面素子が非導電性表面からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  86. 基板の少なくとも一つがポリマーからなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  87. 非平面素子の少なくとも一部が炭素原料からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  88. 表面が隆起型あるいは円形である請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  89. 非平面素子がピラミッド型、円錐型、楕円型、環状、あるいは積層型平面素子からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  90. 細胞チャンバが複数の非平面素子からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  91. 非平面素子の表面の少なくとも一部が親水性である請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  92. 更に、少なくとも一つのチャネルの静水圧を制御するための流体制御機構からなる請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  93. 非平面素子の表面が化学洗浄にさらされることによって改質される請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  94. 非平面素子の表面が気相化学析出によって改質される請求項82に記載のマイクロ流体チップ基板
  95. 更に、開口部を規定する非平面素子の表面と開口部に近接する細胞との間の電気抵抗固着を生み出すための電圧源からなる請求項82又は83に記載のマイクロ流体チップ基板
  96. 導電性流体が導電性素子と電気的に連通する請求項83に記載のマイクロ流体チップ基板
  97. ポリマーが弾性ポリマーからなる請求項86に記載のマイクロ流体チップ基板
  98. 隆起型の表面が一つ以上のカラム、ロッド又はリーブである請求項88に記載のマイクロ流体チップ基板
  99. 固着の抵抗が少なくとも約100Mオームである請求項95に記載のマイクロ流体チップ基板
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