JP4393679B2 - 傾斜計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直を計測し、或いは垂直からの傾斜角度を計測するに用いる傾斜計に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直を計測する、或いは垂直からどれだけずれているかという傾斜角度を計測する必要が生じる場合は多い。
【0003】
例えば、以下のような場合に、かかる計測が必要となる。
【0004】
パチンコ遊技機は、その盤面に適度な傾斜を与えることによって出玉の調整を行えることが知られている。パチンコ遊技機の盤面が水平に近い角度になればなる程、球は釘によくからむようになることを利用したものである。パチンコ遊技機取付けの際に適度な傾斜を与えたり、事後的にその調節を行えるようにすることで、釘の調節を行った場合と同様の効果をより簡易に得られるようになる。
【0005】
本願出願人は、このような点を考慮して、特開昭63−226385号、特開昭63−226386号、特開平10−80563号などの出願をしている。これらは、パチンコ遊技機を、その傾斜角を可変としてパチンコ遊技機設置用ユニットに固定するための器具に関する。
【0006】
これらの器具はそれぞれ有用である。しかしながら、これら器具を使用するにあたっては、パチンコ遊技機の垂直を確認したり、その傾斜角を確認したりする必要に迫られることとなり、また計測の程度も求められることとなる。
【0007】
このような限定的な用途に限らず、建築現場などでもある面の垂直を計測したり、垂直からのずれを計測することについての需要は存在する。
【0008】
しかしながら、垂直やそこからのずれの計測に使用できるものであって、手軽に使用でき、且つその精度が高い器具は未だに知られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、垂直を計測し、或いは垂直からの傾斜角度を計測するに用いるものであり、手軽に使用でき且つ一定の精度を出せる傾斜計を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、上述の課題を解決するために、以下に説明するような傾斜計を創案した。
【0011】
本発明の傾斜計は、光射出手段と、反射手段と、表示手段とを基体に取付けてなる。光射出手段は、指向性の強い光を射出するものとして基体に固定的に取付けられており、反射手段は、基体が傾いた場合でも、重力により所定の平面内で一定の位置を保つようにして基体に取付けられていると共に、光射出手段からの光を反射する反射面を備えている。また、表示手段は、反射面で反射された光が投射され、投射された光の位置によって前記基体の傾きを表示するようになっている。
【0012】
この傾斜計は、光射出手段からの光を反射手段にて反射させ、反射した光を表示手段上に導くようになっている。反射手段は、基体が傾いた場合でも重力によって所定の平面内で一定の位置を保つようになっているので、基体が傾くと、基体に対して相対的に傾くことになる。
【0013】
従って、その傾斜角を計測したいその対象物に上述の基体(より正確には、基体の一部における特定の面、或いは基体に固定された所定の部材における特定の面)を沿わせてやれば、基体の傾斜角(より正確には、基体の一部における特定の面の傾斜各、或いは基体に固定された所定の部材における特定の面の傾斜各)に応じて、基体に対して反射手段が相対的に傾斜する。反射手段に設けられた反射面もそれに応じて相対的に傾くため、反射面で反射して表示手段に投射される光の表示手段上の位置に変化が生じることとなる。
【0014】
つまり、この傾斜計では、基体を傾けると、その時点における基体の傾斜角が自動的に表示されるため、手軽且つ便利である。そしてその表示は、表示手段上に導かれた光の位置の相違に基づいて行われるため、使用者が傾斜角を直感的に理解するに寄与する。また、この傾斜計は、センサなどを用いずとも構成可能であるので、構造を単純化できるため、コスト面に優れ、故障が少ないといった利点を持つ。
【0015】
上述の光射出手段は、指向性の強い光を射出するものであればどのようなものでも良い。例えば、レーザ射出装置によりこれを構成することができる。また、レンズその他の光学系を、レーザ射出装置に組み合わせることもできる。
【0016】
上述の表示手段は、反射面で反射された光が投射され、投射された光の位置によって前記基体の傾きを表示するようなものであればどのようなものでも構わない。例えば、光の投射される面を直接視認することによって基体の傾きを理解できるようなものとすることができる。また、表示手段を、光を散乱しつつ透過する材料で板状に形成し、光が投射されるのとは逆側から光が投射された位置を視認できるようにすることもできる。
【0017】
後者の構成は、基体をケース状の物とし、その内側に光射出手段及び反射手段を配した場合に、ケースの外側から、表示手段への光の投射位置を視認できるようになるため便利である。例えば、傾斜計の小型化に寄与することができる。
【0018】
表示手段は、また、その光の投射位置が前記基体のどの程度の傾きに対応するのかを示す目盛りを有してなるものとすることができる。このようにすれば、傾斜角の直感的な理解がより一層容易になる。
【0019】
上述の反射手段は、どのような形状とされていても構わない。
【0020】
例えば、略棒状とすることができる。この場合には、その上端部を前記基体に固定の軸に回動自在に軸支させることができる。このようにすれば、基体が傾いた場合でも、重力により所定の平面内で一定の位置を保つようにできる。
【0021】
上述の反射面もその形状に特に制限はない。例えば、反射手段が棒状とされている場合には、その反射手段の長さ方向に沿って設けることができる。
【0022】
反射手段が棒状とされている場合の反射面は、また、入射角と略90°の角度をなすようにして光を反射する多数の微小反射面であって、その微小反射面によって反射された光が所定の平面内を進むようにして反射手段の長さ方向に連続的に配されたものを含んでなるものとすることができる。このような反射面を採用した場合における表示手段は、反射手段と略平行であり且つ反射手段に設けられた反射面の長さと同程度のものとできるようになる。従って、かかる構成により、傾斜計の小型化が可能となる。
【0023】
この傾斜計は、また、光射出手段からの光の射出位置、出射方向の少なくとも一方を調節するための調節手段を備えるものとすることができる。調節手段は、この傾斜計の精度を上げるためのものであり、例えば、0点調整にこれを利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明による傾斜計の好ましい第1実施形態及び第2実施形態について説明を行う。
【0025】
尚、両実施形態で共通する部分については共通する符号を付すこととし、重複する説明は省略することとする。
【0026】
≪第1実施形態≫
この実施形態における傾斜計Xは、本発明における基体に相当するケース10に後述する種々の部品を収納して構成される。ケース10は、これには限られないが、樹脂製であり、直方体形状に形成されている。
【0027】
ケース10には、レーザ射出装置20、反射体30が収納されている。また、ケース10の一部には矩形の切欠が設けられており、そこには、表示板40が嵌め込まれている。
【0028】
レーザ射出装置20は、例えば半導体レーザ射出装置により構成することができる。この実施形態では、レーザ射出装置20は、ケース10の長手方向の一端部付近に取付けられており、ケース10の長手方向に沿ってレーザを射出するようになっている。
【0029】
この実施形態における、レーザ射出装置20のケース10への取付けは、直交する第1ねじ21及び第2ねじ22により行われている。この第1ねじ21及び第2ねじ22は、それを回転させることによってレーザ射出装置20を、図1の図面に対して垂直方向及び左右方向にそれぞれ移動させられるようにして、レーザ射出装置20をケース10へと固定している。これにより、このレーザ射出装置20は、光の射出位置を調整できるようになる。この点で、上述の第1ねじ21及び第2ねじ22は、本発明における調節手段として機能する。
【0030】
また、この実施形態では、レーザ射出装置20に至近の光路上に、レーザ射出装置20からの光の断面を変形させるためのレンズ23が配されている。このレンズ23は、レーザ射出装置20から断面円形で射出された光を、その断面が図1の紙面に垂直な方向に長軸を有する扁平な楕円形状の光に変化させるものとなっている。レンズ23としては、例えば、シリンドリカルレンズを用いることができる。
【0031】
尚、光源と、絞り、レンズ等とを組み合わせて指向性の強い光を射出できる手段を構成し、これをレーザ射出装置20に代えて用いることもできる。
【0032】
反射体30は、本件発明における反射手段に相当するものであり、断面略扇型の細い棒状に形成されている。反射体30は、その一端部分に穿設された図示せぬ孔に、ケース10内に固定された軸11を貫通させることにより、その孔を中心としてケース10内で自由に回動できるような状態で軸支されている。これにより、反射体30は、ケース10が傾いた場合でも、反射体30に働く重力によって、ケース10内の所定の平面内で一定の位置を保つようにされてなる。この場合の所定の平面とは、反射体30を含み且つ図1の紙面に平行な平面である。簡単に言えば、反射体30は、軸11を介してケース10中でぶら下げられており、ケース10が図1の紙面に平行な範囲で多少(ケース10の内側と反射体30とが干渉しない範囲で)傾いたとしても、その位置には変化が生じないようになっている。
【0033】
反射体30は、また、その表面に反射面31を備えている。反射面30はレーザ射出装置20からの光を反射して、表示板40に導くものである。この実施形態における反射面31は、棒状とされた反射体30の長さ方向に沿って設けられている。
【0034】
反射面31は、入射角と略90°の角度をなすようにしてレーザ射出装置20からの光を反射する多数の微小反射面31Aと、各微小反射面31Aを接続する接続面31Bとを連続させて、反射体30の長さ方向に延びる階段様に形成されている。各微小反射面31Aは互いに平行とされている。従って、各微小反射面31Aで反射されたレーザ射出装置20からの光は、所定の平面内を進むようになっている。
【0035】
尚、この反射面31は、図3の拡大図に示したような形状をしており、樹脂によって階段様に成形された面に金属幕を蒸着させるなどして構成される。
【0036】
表示板40は、本発明の表示手段に相当するものであり、光を散乱しつつ透過する材料(例えば、半透明な材料)で、矩形の板状に形成されている。この実施形態においては、白色の顔料を所定量加えた樹脂を矩形の板状に成形することで、この表示板40は構成されている。表示板40の長手方向の長さは、反射面31の長手方向の長さよりも若干長い程度となっている。もっとも、表示板40は、他の材料により構成することも可能である。例えば、擦りガラスによってこれを構成することもできる。
【0037】
表示板40には、上述のように、反射面31からの光が導かれる。この光は表示板40のケース内側10に対応する面に投射され、散乱される。この傾斜計Xの使用者は、光が投射されるのとは逆側、即ち、ケース10の外側から、表示板40を透かして、光が投射された表示板40上の位置を視認できるようになっている。
【0038】
必ずしも必要ではないが、この表示板40には、図4に示したように、ケース10の長手方向に沿う目盛り41が形成されている。この目盛り41は、投射された光の位置が、ケース10のどの程度の傾きに対応するのかが判るようなものとなっている。
【0039】
次に、この傾斜計Xの使用方法を説明する。
【0040】
傾斜計Xを使用するにあたっては、まず、0点調整を行う。この実施形態の傾斜計Xは、垂直を傾き0とするとして表示するため、ケース10の傾きが0(ケースの長手方向の各面が垂直となっている)ときに、表示板40における傾き0を示す目盛り41の部分に光の投射位置が正確に位置するようにするのである。
【0041】
0点調整は、具体的には、以下のように行う。
【0042】
使用者は、まず、ケース10の背面部(図1ではケース10の右側として示される)を、垂直が補償されている壁ないし基準とすべき壁などに沿わせて当接させる。すると、レーザ射出装置20から出た光が、レンズ23を透過し、反射面31中のいずれかの微小反射面31Aにて反射されて、表示板40に導かれる。この場合におけるレーザ射出装置20から表示板40までの光路を図1中Lで示す。使用者は、この状態で、表示板40における傾き0を示す目盛り41に対応する位置に光が投射されているか否かを判断する。
【0043】
これが一致していれば、0点があっているので、これにて調整が終了する。
【0044】
これが一致していないのであれば、ねじ22Aを回転させてレーザ射出装置20を図1の左右方向に移動させることで0点を合わせる。例えば、表示板40の0点を示す位置よりも図1中の下方に光の投射位置が位置している場合には、レーザ射出装置20が図1中の右方向に移動するようにねじ22Aを回転させればよい。
【0045】
尚、表示板40の短手方向で光がずれていて表示板40上に光が投射されていない場合や、光が投射されている位置を視認しづらい場合などには、ねじ22Bを回転させてレーザ射出装置20を図1の紙面に対して垂直方向に移動させる。微小反射面31Aは、図1の紙面に対して垂直方向に長手方向を持つようになっているので、この範囲に細長い楕円形の断面形状を持つレーザ射出装置20からの光がちょうど収まるようにすると良い。
【0046】
以上のようにして0点調整を行ったら、使用者は、垂直を確認したい、或いはその傾斜を確認したい壁に、傾斜計Xの背面を沿わせるだけで、傾斜角の計測を行えるようになる。
【0047】
つまり、レーザ射出装置20から出た光は、レンズ23を透過し、反射面31中のいずれかの微小反射面31Aにて反射されて、表示板40に導かれる。傾斜計Xの背面が傾斜しており、図1中のS方向に傾いている場合には、レーザ射出装置20から出た光は、その傾きが大きければ大きいほど図1中の下方に位置する微小反射面31Aで反射されることになる。従って、表示板40に投射される光の位置は、傾きが大きければ大きいほど図4中の下方にシフトしていくことになる。使用者は、表示板40の裏側に投射された光の位置を表示板40を透かして視認し、目盛り41と対比することで、計測対象の壁面等の傾斜角を知ることができる。
【0048】
この実施形態では、図4のPで示したように、表示板40には光の位置が表示されることとなる。レンズ23がない場合には、スポット状の光が表示されることとなる。
【0049】
≪第2実施形態≫
この実施形態における傾斜計Yは、第1実施形態における傾斜計Xと略同様である。この傾斜計Yも、傾斜計Xと同様の、ケース10、レーザ射出装置20、反射体30、表示板40を備えている。
【0050】
第2実施形態による傾斜計Yは、本発明における調節手段の点で、第1実施形態による傾斜計Xと異なるものとなっている。つまり、傾斜計Xにおけるレーザ射出装置20は、直交する第1ねじ21及び第2ねじ22によって、ケース10に対して可動に取付けていたが、傾斜計Yにおけるレーザ射出装置20はケース10に対して固定的に取付けられている。
【0051】
その代わり、第2実施形態による傾斜計Xには、レーザ射出装置20からの光の射出位置及び出射方向を調節するための本発明における調節手段に相当するものが付加されている。それは、図5中の50で示した2つの調節部材である。調節部材50は共に、円筒形を基本とし、その先端を、断面が楕円形となるようにして切断した形状とされている。両調節部材50の楕円形とされた先端面は、鏡面となっている。両調節部材50は、また、ねじ51によって円筒形の軸を中心として回転できるような状態でケース10に取付けられている。
【0052】
レーザ射出装置20からの光は、両調節部材50の先端面で反射されてから反射面31へと向かうようになっている。調節部材50を回転させることにより、光の射出位置や射出方向を変更することができるので、これにより0点調節を行える。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の傾斜計は、垂直を計測し、或いは垂直からの傾斜角度を計測することができるものであり、しかもその使用感は手軽であり、更に比較的高い精度を出せるようなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による傾斜計の構造を概略で示す側断面図。
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1に示した傾斜計の表示面を拡大して示す図。
【図4】図1に示した傾斜計の表示板を示す図。
【図5】第2実施形態による傾斜計の構造を概略で示す側断面図。
【図6】図2のB−B断面図
【符号の説明】
10 ケース
11 軸
20 レーザ射出装置
23 レンズ
30 反射体
31 反射面
31A 微小反射面
40 表示板
41 目盛り

Claims (5)

  1. 光射出手段と、反射手段と、表示手段とを基体に取付けてなる傾斜計であって、
    前記光射出手段は、指向性の強い光を射出するものとして前記基体に固定的に取付けられており、
    前記反射手段は、前記基体が傾いた場合でも、重力により所定の平面内で一定の位置を保つようにして前記基体に取付けられていると共に、前記光射出手段からの光を反射する反射面を備えており、
    前記表示手段は、前記反射面で反射された光が投射され、投射された光の位置によって前記基体の傾きを表示するようになっており
    前記反射手段は、略棒状とされていると共に、その上端部を前記基体に固定の軸に回動自在に軸支されることで、前記基体が傾いた場合でも、重力により所定の平面内で一定の位置を保つようにされており、
    前記反射面は、入射角と略90°の角度をなすようにして光を反射する多数の微小反射面であって、その微小反射面によって反射された光が所定の平面内を進むようにして前記反射手段の長さ方向に連続的に配されたものを含んでなる、
    傾斜計。
  2. 前記光射出手段は、レーザ射出装置である、
    請求項1記載の傾斜計。
  3. 前記表示手段は、光を散乱しつつ透過する材料で板状に形成されており、光が投射されるのとは逆側から光が投射された位置を視認できるようにされてなる、
    請求項1記載の傾斜計。
  4. 前記表示手段は、その光の投射位置が前記基体のどの程度の傾きに対応するのかを示す目盛りを有してなる、
    請求項1記載の傾斜計。
  5. 前記光射出手段からの光の射出位置、出射方向の少なくとも一方を調節するための調節手段を備えてなる、
    請求項1記載の傾斜計。
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