JP4414074B2 - 外張断熱施工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の外張断熱工法の施工方法に関するものであり、詳しくは、軸組材の外面に構造用面材を組み付け、前記面材の外側に断熱材を敷設する場合の施工方法に関する。そして、この施工方法の適用出来うる建物の例としては、在来木造の軸組工法の建物、および、ツーバイフォー等の木造の枠組壁工法およびスチールハウスの鉄骨枠組壁工法等の建物が考えられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーおよび居住の快適性の観点から、建物の床、壁、天井、屋根下地部に断熱材を敷設することが普及してきている。そして、戸建の建築物の壁部を対象とした場合の断熱方法としては軸間断熱工法と外張断熱工法が広く知られている。一方、省エネルギー基準の数回の改訂を経て施行された次世代省エネルギー基準では、断熱材の厚みを全般的に以前の基準より更に厚くする規定がなされていて、適用地域によっては軸間断熱工法では納まらない断熱材の厚み必要とされているとともに、軸間断熱工法より結露問題の可能性が小さく室内温度のばらつき少なくなりうる外張断熱工法が例示されている。このため、今後外張断熱工法は広く普及することが見込まれている。
【0003】
しかしながら、従来では軸間断熱工法が広く用いられていて、外張断熱工法は余り用いられて来ていない。その一つの要因としては、軸間断熱では外装材の留め付け固定が軸材外面部から小さな胴縁により容易に留め付けることが出来るが、外張断熱工法では断熱材が軸外部に跳ね出すため、敷設する断熱材の厚みが厚くなると、外装材の留め付け固定が容易でなくなることが考えられる。その例としては、従来の外張断熱工法として樹脂発泡系断熱材等の板状断熱材が多く用いられているが、当該断熱材が薄い場合には、外装材の留め付け強度を犠牲にして胴縁機能を果たす部材等で押さえつけて前記断熱材を敷設する方法が一部では試みられている。しかし、この方法では、前記断熱材は木材ほどの強度は無くしかも高温下では軟化または溶融する等の危険性があるので外装材を留め付ける前記胴縁機能を果たす部材の強度伝達は前記断熱材には期待出来ず、外装材の軸材への留め付け強度は前記胴縁機能を果たす部材を軸材に留め付けている釘等の前記断熱材が消失した状態の曲げ強度に依存することとなり、強度を求めるためには釘等の太くて長いものを用いる必要があるが、例えば断熱材の厚み50mmのものを用い様とすると胴縁材の厚み約20mmとして総厚70mmとなり軸材打ち込み分を考慮すると、用いることの出来る釘等は最低限でも90mmのものとなりこれを敢えて用いようとすると胴縁が割れて機能を果たしえない恐れもあるとともに断熱材に凹みが生じる恐れもあり適切な位置への留め付けが困難になり、外装材の留め付け固定に課題を残している。このためこの方法は余り多く用いられていない。一方、次世代省エネルギー基準では該当地域と断熱材の性能により必要厚みは異なるが、壁部では100mm程度の厚みが必要となりこの様な厚みの厚い断熱材を必要とする場合には、前記方法を用いることは外装材の留め付け強度の課題が大き過ぎて現実的でないため、殆ど用いられていない。このため一部では、断熱材の所要厚みを複層に分割した厚みの断熱材を積層しその層毎に胴縁に対応する角材を縦横に井桁状に組みその交点を釘等で留め付けることにより外装材の保持固定を図る工夫がなされている。しかし、この方法では胴縁に対応する角材の井桁状の交点の止め付けに外装材等の保持強度が依存されるため強度面の課題がまだ残されているとともに、断熱材が分割されて取り付けられるため施工に手間を要する点で課題が残されている。この様なことから、現状では、前述した様に適切な留め付け方法等の提案が不十分であるため、外張断熱工法による適切な断熱施工は困難であり、外張断熱を広く普及させるためには、断熱材の留め付け方法を含む適切な外張断熱工法の施工方法の提案が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、建物の外張断熱工法において、次世代省エネルギー基準等により要求される厚みの厚い断熱材を複数層に分割する必要のない敷設を容易に可能にするとともに、外装材の留め付けが強固で確実にしかも容易に施工出来る外張断熱工法の施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る外張断熱施工方法は、建物の外張断熱工法で、軸組材の外面に構造用面材を組み付け前記面材の外側に断熱材を敷設する施工方法において、長手方向に所定のピッチで形成された凹凸部を有し、凹部の底部を釘または螺子等により軸組材に留め付け凸部の頂部に釘または螺子等により外装材を留め付けることが出来る部材を胴縁材として用い、当該胴縁材間に断熱材を敷設するとともに、断熱材の留め付け方法として、薄板状の材料からなり、断熱材の表面に接する部位と、胴縁材の表面に接する部位、及び、前記断熱材の表面に接する部位と略直行する部位で断熱材の側面部と胴縁材の側面部間に挿入される部位、並びに、前記断熱材の側面部と胴縁材の側面部間に挿入される部位の側面部から直立し断熱材に挿入される部位、または、前記断熱材の表面に接する部位の側面部から直立し断熱材に挿入される部位とからなり、前記胴縁材の表面に接する部位に釘等の打ち込み用の穴または前記部位の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工が付加されている断熱材留め付け用冶具が用いられていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り以下の記載に限定されるものではない。図1は本発明に用いる長手方向に所定のピッチで形成された凹凸部を有する胴縁材の形状例を示す模式図、図2は本発明に用いる断熱材留め付け用冶具の形状例を示す模式図、図3は軸組材の外面に構造用面材を組み付け更に本発明に用いる胴縁材と断熱材留め付け用冶具および断熱材とを組み付けた状態例を示す模式図、図4は軸組材の外面に構造用面材を組み付け更に本発明に用いる胴縁材を組み付けた状態例を示す正面からの模式図、図5は図4の状態に加え胴縁間に断熱材を敷設し本発明に用いる断熱材留め付け用冶具を着設した状態例を示す正面からの模式図、図6は図4の状態例の縦断面の模式図、図7は図5の状態に加え外装材を組み付けた状態例を示す縦断面の模式図、図8は図4の状態例の横断面の模式図、図9は図5の状態例の横断面の模式図、図10は図5の状態に加え外装材を組み付けた状態例を示す横断面の模式図である。なお、各実施形態の説明において、「本発明に用いる凹凸部を有する胴縁材」は適宜「本胴縁材」と略称し、「本発明に用いる断熱材留め付け用冶具」は適宜「本冶具」と略称する。
【0007】
先ず本胴縁材1について説明する。図1に示す様に、本胴縁材1は、木材または合成木材等からなり、幅を30〜50mm程度とし、凹部2の厚みは20〜30mm程度とし長さを30〜50mm程度とする。また凸3部の厚みは敷設する断熱材厚み以上として断熱材表面と外装材裏面間に空気層を確保するために断熱材厚みに20mm程度加えた寸法とするのが好ましく、長さは100〜300mm程度とする。そして凹凸のピッチは外装材の留め付けピッチに適する様に設定するのが好ましい。本胴縁材1の1本の長さは一般的木材製品の寸法に準じて設定され、適宜切断して用いられ。なお、断熱材の厚みは一般的には地域及び使用部位等の条件により次世代省エネルギー基準等から設定される。
【0008】
次に本冶具4について説明する。図2に示す様に、本冶具4は、薄板状の材料からなり、断熱材の表面に接する部位5と、本胴縁材の表面に接する部位6、及び、前記断熱材の表面に接する部位5と略直行する部位で断熱材の側面部と本胴縁材の側面部間に挿入される部位7a、並びに、前記挿入部位7aの側面部から直立し断熱材に挿入される部位8a、または、断熱材の表面に接する部位5の側面部から直立し断熱材に挿入される部位8bとからなり、本胴縁材の表面に接する部位に釘等の打ち込み用の穴9aまたは前記部位の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工部9bが付加されている。
【0009】
本冶具4は、薄板状の金属または金属複合材からなり、厚みは0.2〜1.0mm程度とし、好ましくは0.5mm程度とされる。本冶具の使用目的を達成する限りにおいて材質を含め限定はされない。
【0010】
本冶具4の部位5においては、幅を10〜20mm程度とし、跳ね出し長さを約20mm程度とする。
【0011】
部位6おいては、幅を20〜40mm程度で、跳ね出し長さを15〜30mmとし、好ましくは本胴縁材幅の半分の寸法より1mm程度小さい寸法とするのが好ましい。また、前記部位6に施した釘等の打ち込み用の穴9aは直径を2〜5mm程度とし、前記部位6の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工部9bの形状は略三角形が好ましく底辺及び高さを3〜6mm程度を目処とする。
【0012】
部位7aおいては、幅を10〜20mm程度とし挿入長さを20〜40mm程度とする。そして突端の形状は直線状でもよいが山形状にすれば挿入するのにより効果的である。また、断熱材の表面に空気層をもうける場合は、断熱材の表面に接する部位5と本胴縁材の表面に接する部位6との間に空気層に対応する部位7bを設け、幅を前記部位6の幅と略同一とし長さを空気層の必要とする間隔寸法に設定する。
【0013】
部位8aおいては、略三角形状または台形状が挿入に効果的であり、跳ね出し長さを10〜20mm程度で挿入長さを10〜20mm程度とする。そして、断熱材の表面に接する部位3の側辺部から直立し断熱材に挿入される部位8bを設ける場合は、略三角形状が挿入に効果的であり底辺部寸法を10〜20mmで高さを10mm程度とする。
【0014】
次に本発明の外張断熱施工方法の手順を説明する。図4、図6および図8に示す様に、本発明の外張断熱施工方法の手順としては、先ず一般的に普及している施工方法での軸組材及び間柱10の外面に構造用面材11を釘または螺子等14aで組み付け、次に前記構造用面材の外側に本胴縁材1の凹部2の底部を釘または螺子等14bにより構造用面材を介して軸組材に所定の位置に留め付ける。そして、図3、図5、図7および図9に示す様に、本胴縁材間に断熱材12aを敷設し、その後本冶具4を所定の位置に配設し断熱材の側面部と本胴縁材の側面部間に挿入される部位7aと断熱材に挿入される部位8aを挿入させるとともに断熱材の表面に接する部位5と本胴縁材の表面に接する部位6を着接させ、しかる後本胴縁材の表面に接する部位6に釘等の打ち込み用の穴9aに釘または螺子等14cを打ち付けるかまたは前記部位の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工部9bを打ち付けて断熱材を保持固定する。そしてその後、図7および図10に示す様に、外装材13を本胴縁材の凸部3の頂部に釘または螺子等14dにより留め付けることにより主要なる施工は完了する。更に、断熱材を敷設する時に前記胴縁材の凹部にその形状に合わせた断熱材12bを付設すれば断熱性能を向上させる観点からも好ましい。また、断熱材と外装材間に設けられる空気層15を確保すれば結露防止の観点からも好ましい。なお、11の構造用面材においては室内側に枠材を設けている構造用パネルと称されるものも含み、12a、12bの断熱材の材質においては発泡樹脂系の板状断熱材が好ましいが繊維系断熱材のマット状のものも防湿層および防水透湿層の対応を行えば用いることが出来るので限定はされない。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した様に、外張断熱工法において、次世代省エネルギー基準等により要求される厚みの厚い断熱材を施工する場合でも、本発明の本胴縁材と本冶具を用いる施工方法によれば、断熱材を二層三層と積層する必要もなく一層のみで簡便でし確実なる敷設を可能にするとともに、本胴縁材を留め付ける釘等が従来から在来木造の軸組工法およびツーバイフォー等の木造の枠組壁工法等で広く使用されている50〜75mm程度の長さのもので対応出来ることのみならず作業の効率化のために普及しつつあるエアー釘打ち機およびインパクトドライバー等も使用出来るので、外装材の留め付けが強固で確実にしかも容易に留め付けることが出来る。このように施工が簡便に確実に出来うるため、施工の合理化に貢献するのみならず、この施工方法の適用出来うる建物が、在来木造の軸組工法の建物のみならず、ツーバイフォー等の木造の枠組壁工法およびスチールハウスの鉄骨枠組壁工法等の建物と広範囲に可能であり、しかも適用部位も壁部のみならず屋根にも適用出来うるため、省エネおよび居住性の向上のための高品質な住宅を提供するために貢献し得る外張断熱工法の施工方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本胴縁材の形状例を示す模式図。
【図2】本冶具の形状例を示す模式図。
【図3】軸組材の外面に構造用面材を組み付け更に本胴縁材と本冶具および断熱材とを組み付けた状態例を示す模式図。
【図4】軸組材の外面に構造用面材を組み付け更に本胴縁材を組み付けた状態例を示す正面からの模式図。
【図5】図4の状態に加え本胴縁間に断熱材を敷設し本冶具を着設した状態例を示す正面からの模式図。
【図6】図4の状態例の縦断面の模式図。
【図7】図5の状態に加え外装材を組み付けた状態例を示す縦断面の模式図。
【図8】図4の状態例の横断面の模式図。
【図9】図5の状態例の縦断面の模式図。
【図10】図5の状態に加え外装材を組み付けた状態例を示す縦断面の模式図。
【符号の説明】
1 ;本胴縁材
2 ;本胴縁材の凹部
3 ;本胴縁材の凸部
4 ;本冶具
5 ;本冶具の断熱材の表面に接する部位
6 ;本冶具の本胴縁材の表面に接する部位
7a;本冶具の部位5と略直行する部位で断熱材の側面部と本胴縁材の側面部間に挿入される部位
7b;本冶具の部位5と本胴縁材の部位6との間の空気層に対応する部位
8a;本冶具の挿入部位7aの側面部から直立し断熱材に挿入される部位
8b;本冶具の部位5から直立して断熱材に挿入される部位
9a;本冶具の部位6に設けた釘または螺子等の打ち込み用の穴
9b;本冶具の部位6の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工部
10 ;軸組材および間柱
11 ;構造用面材
12a;構造用面材の外面の本胴縁間に敷設される断熱材
12b;本胴縁材の凹部に付設される断熱材
13 ;外装材
14a;構造用面材を軸組材に留め付ける釘または螺子等
14b;本胴縁材を軸組材等に留め付ける釘または螺子等
14c;本冶具を本胴縁材に留め付ける釘または螺子等
14d;外装材を本胴縁材に留め付ける釘または螺子等
15 ;断熱材と外装材間に設けられた空気層

Claims (2)

  1. 建物の外張断熱工法で、軸組材の外面に構造用面材を組み付け前記面材の外側に断熱材を敷設する施工方法において、長手方向に所定のピッチで形成された凹凸部を有し凹部の底部を釘または螺子等により軸組材に留め付け凸部の頂部に釘または螺子等により外装材を留め付けることが出来る部材を胴縁材として用い、当該胴縁材間に断熱材を敷設することを特徴とする外張断熱施工方法。
  2. 断熱材の留め付け方法として、薄板状の材料からなり、断熱材の表面に接する部位と、胴縁材の表面に接する部位、及び、前記断熱材の表面に接する部位と略直行する部位で断熱材の側面部と胴縁材の側面部間に挿入される部位、並びに、前記断熱材の側面部と胴縁材の側面部間に挿入される部位の側面部から直立し断熱材に挿入される部位、または、前記断熱材の表面に接する部位の側面部から直立し断熱材に挿入される部位とからなり、前記胴縁材の表面に接する部位に釘等の打ち込み用の穴または前記部位の一部をカギ状に切り欠いて折り曲げ釘等の代わりの機能を持たせる加工が付加されている断熱材留め付け用冶具が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の外張断熱施工方法。
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