JP5169367B2 - 断熱天井 - Google Patents

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Description

本願発明は、建築物の断熱構造に関し、特に、一般家屋の天井の裏面に施工され、屋内の居住環境を良好に保つための天井断熱構造および断熱天井に関するものである。
従来、住宅等の建物の壁、天井、床の内部に断熱材を施工することが一般的に行われている。例えば、特開昭57−197347号公報には、少なくとも裏面に裏面材を設けた硬質樹脂発泡体からなる断熱板が開示され、この幅方向両側端から少し内側に90度以下の角度のV字状溝を形成し、上記両側端部をV字状溝に沿って折り曲げ、柱、根太、野縁などの建物支持枠体の間に装入した後、断熱板の折り曲げ部分と建物支持枠体とを結合させて取り付けることを特徴とする建物の断熱施工方法が開示されている。
特開昭57−197347号公報
上記技術は、両側端部にV字状溝を有する断熱板を折り曲げて建物支持枠体の間に装入した後、断熱板の折り曲げ部分と建物支持枠体とを結合する方法であり、ビス、釘、接着等、適宜な固着手段によって結合する工程が含まれている。そのため、天井の裏面等、作業空間の狭いところ、特に軒端に近いところは、先細に狭くなり作業性が悪いという問題がある。本願発明は、上記背景技術に鑑みてなしたものであり、その目的は、一般家屋の天井の裏面に施工され、夏季は高い外気温を遮り、冬季は冷気を防いで室内で結露等の問題が生じることのないように、低い外気温を断熱して屋内の居住環境を良好に保つことのできる天井断熱構造およびそれを用いた断熱天井を提供することである。
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載の発明に係る天井断熱構造においては、断面がH形であるH型鋼材の上、下フランジ部外面に木質部材を固着一体化して複合天井梁を形成し、該複合天井梁を一定間隔をおいて並設するとともに、該複合天井梁の上部木質部材と下部木質部材とを連結するよう吊木受け固定桟を固定し、該吊木受け固定桟と隣接する複合天井梁に相対向して設けられた吊木受け固定桟との間に吊り木を架け渡し、上記複合天井梁と吊り木とからなる断熱材保持空間を形成し、幅方向両側端部に沿ってV字溝を設けた板状断熱材を、該V字溝を折り曲げた状態で上記断熱材保持空間に圧入、嵌装してなることを特徴としている。
本願請求項1に記載の発明に係る断熱天井においては、上記複合天井梁と吊り木とからなる同一モジュール、かつ、複数の断熱材保持空間を天井裏面の全体に設け、該断熱材保持空間に板状断熱材を嵌装するとともに、該板状断熱材の下方に天井仕上げ材を設けてなる断熱天井であって、上記板状断熱材は、上記断熱材保持空間に圧入後、元に戻ろうとする復元力が働いて上記板状断熱材の折り曲げられた両端部が上記吊り木の内側に圧接し、摩擦力によって保持されることを特徴としている。
本願請求項1記載の発明にかかる天井断熱構造においては、特に、H型鋼材と木質部材を固着一体化してなる複合天井梁を一定間隔をおいて並設するとともに、該複合天井梁の上部木質部材と下部木質部材とを連結するよう吊木受け固定桟を固定し、該吊木受け固定桟と隣接する複合天井梁に相対向して設けられた吊木受け固定桟との間に吊り木を架け渡すことにより、複雑な作業を要することなく、作業性よく複合天井梁と吊り木とからなる定形の断熱材保持空間を設けることができる。また、上記断熱材保持空間に幅方向両側端部に沿ってV字溝を設けた板状断熱材を、上記V字溝を中心にして上方に折り曲げ、圧縮した状態で上記断熱材保持空間に圧入するため、圧入後は元の状態に戻ろうとする復元力が働いて吊り木の内側に圧接し、摩擦力によって保持され、しっかりと嵌装することができる。
このように、板状断熱材自身の復元力よって圧接されるため、圧入後に板状断熱材と天井裏構造材とを釘、ビス等の固定手段を用いて固着することなく、作業性よく上記板状断熱材を天井裏構造材に装着することができる。また、板状断熱材を天井軸組内部に体裁よく納めることができるとともに、板状断熱材の厚みを増しても他の構造物への影響が少なく、高性能の断熱仕様にも対応することができる。
本願請求項記載の発明に係る断熱天井においては、特に、上記複合天井梁と吊り木とからなる同一モジュール、かつ、複数の断熱材保持空間を設けることにより、上記断熱材保持空間に対応する板状断熱材をコンパクトなロットで、かつ、ロットごとの数量を大きくして製造することができる。そして、大量生産により安価に得られる板状断熱材を用いて、コスト的に有利に天井裏面の断熱工事を行うことができる。
また、板状断熱材の下方に天井仕上げ材が設けられているため、万一、板状断熱材が断熱材保持空間から脱落しても天井仕上げ材によって支持されるため、断熱性に影響を受けることなく、断熱効果を発揮することができる。
さらに、複数の断熱材保持空間が天井裏面の全体に亘って設けられ、各断熱材保持空間に板状断熱材が嵌装されているため、面積の広い屋根が夏季に日射により熱せられて高温となっても、高温の外気を遮断し、冬季は冷気を断熱し、室内で結露等の問題が生じることを防いで、屋内の居住環境を良好に保つことができる。
以下、本願発明にかかる天井断熱構造の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、天井軸組工程において、本願発明にかかる複合天井梁Bと吊り木4とから構成される断熱材保持空間Aを示す説明図である。図1において、上記複合天井梁Bは、H型鋼材1の上フランジ部11と下フランジ部12との各々の外面に上部木質部材21と下部木質部材22とをビス等の固着手段(図示せず)により固着一体化してなり、この複合天井梁Bは一定間隔で並設されている。
また、図1に示されるように、上記複合天井梁Bを構成する上部木質部材21と下部木質部材22とを連結するように2本の桟31からなる吊木受け固定桟3が該上下各木質部材21、22に固定されている。固定手段は特に限定されず、釘固定、ビス固定、接着剤による接着等、公知の手段により適宜に固定される。
上記した複合天井梁Bと隣接する複合天井梁Bとには上記吊木受け固定桟3が相対向するよう設けられ、上記相対向する吊木受け固定桟3どうしの間に吊り木4が架け渡される。ここで、吊り木4は相互に内法dの間隔を設けて架設されている。上記のようにして、複合天井梁Bと吊り木4とから、図1に示すように、矩形の断熱材保持空間Aが形成される。また、上記複合天井梁Bを等しい間隔で並設するとともに、吊り木4を一定間隔で架設することにより、天井の裏面全体に複数の同様なモジュールの断熱材保持空間Aを設けることができる。
図2は、本願発明にかかる天井断熱構造において用いられる板状断熱材5を示す斜視図である。板状断熱材5としては、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、ビーズ法ポリスチレン、エポキシフォーム、フェノールフォーム、ポリエチレンフォーム等の硬質合成樹脂発泡体や高密度のグラスウールマット、ロックウールマット等の単独で板形状形態を保持する程度の硬さを有するものが用いられる。
図2に示すように、板状断熱材5の左右側端からやや内側にはV字溝52が設けられて端部51、51が形成され、該両端部51はV字溝52の谷を中心にして折り曲げ自在とされている。このとき、V字溝52の谷どうしの間隔wは上記吊り木4相互の内法dとほぼ等しいかやや大きくされる。通常、上記間隔wは内法dよりも1〜2mm大きくなるようにV字溝52が刻設される。
つぎに上記断熱材保持空間Aに板状断熱材5を嵌装する方法について説明する。図3は、図1のX−X線に沿う断面で示された断熱材保持空間Aに板状断熱材5を圧入し、嵌装する状態を示す説明図である。図3に示すように、上記板状断熱材5は、V字溝52の谷を中心にして左右の端部51が折り曲げられ、この状態で天井軸組の下方から押し上げ、断熱材保持空間Aに嵌装される。ここで、V字溝52の谷どうしの間隔wは、吊り木4相互間の内法dよりもやや大きくされているため、両端部51が折り曲げられた板状断熱材5は上記断熱材保持空間Aにタイトに圧入される。
図4は、上記断熱材保持空間Aに嵌装され、保持された板状断熱材5を示す断面図である。図5は、断熱材保持空間Aに嵌装され、保持された板状断熱材5を示す斜視図である。上記したように、板状断熱材5は両端部51が折り曲げられ、圧縮された状態で断熱材保持空間Aに嵌装されるため、嵌装後は元の状態に戻ろうとする復元力が働き、吊り木4の内側にしっかりと圧接する。このように、単に板状断熱材5は両端部51を折り曲げて圧入するのみで、固着することなく断熱材保持空間Aに嵌装されるため、作業性よく天井裏構造材に板状断熱材5を装着することができる。
一方、前述したように、天井の裏面には同様なモジュールの複数の断熱材保持空間Aが設けられている。そこで、本願発明においては、上記複数の断熱材保持空間Aに板状断熱材5を保持させるとともに、それらの下方に図示しない天井材支持手段により支持された天井仕上げ材、例えば、石膏ボードが取り付けられる。
図6は本願発明にかかる断熱天井Cを示す部分断面説明図である。図6に示すように、上記断熱天井Cは、断熱材保持空間Aを天井裏面の全体に設け、板状断熱材5を嵌装するとともに、複数の板状断熱材5の下方に天井仕上げ材6として石膏ボードを取り付けて構成される。このようにすることにより、夏季は、面積の広い屋根が日射により熱せられて高温となっても、天井裏面の全体に亘って設けられた板状断熱材5が断熱し、冬季は冷気を防いで室内で結露等の問題が生じることのないように、屋内の居住環境を良好に保つことができる。
以上述べたように、本願発明によれば、断熱性に優れた天井断熱構造および団熱天井を提供するのみならず、断熱材保持空間Aのモジュールに対応する板状断熱材5を大量生産することにより、施工性の向上とともに、施工コストの低減を図ることもできる。なお、上記実施形態においては、天井仕上げ材として石膏ボードを取り付ける場合について述べたが、日本家屋における天井板としてもよい。このように、本願発明は設計変更自在であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り本願発明の技術的範囲に属する。
本願発明に係る複合天井梁と吊り木とから構成される断熱材保持空間を示す説明図。 本願発明にかかる天井断熱構造において用いられる板状断熱材を示す斜視図。 図1のX−X線に沿う断面で示された断熱材保持空間に板状断熱材を圧入し、嵌装する状態を示す説明図。 断熱材保持空間に嵌装され、保持された板状断熱材を示す断面図。 断熱材保持空間に嵌装され、保持された板状断熱材を示す斜視図。 本願発明にかかる断熱天井を示す部分断面説明図。
符号の説明
A 断熱材保持空間
B 複合天井梁
C 断熱天井
d 吊り木相互間の内法
w V字溝の谷どうしの間隔
1 H型鋼材
11 上フランジ部
12 下フランジ部
21 上部木質部材
22 下部木質部材
3 吊木受け固定桟
31 桟
4 吊り木
5 板状断熱材
51 端部
52 V字溝
6 天井仕上げ材

Claims (1)

  1. 断面がH形であるH型鋼材の上、下フランジ部外面に木質部材を固着一体化して複合天井梁を形成し、該複合天井梁を一定間隔をおいて並設するとともに、該複合天井梁の上部木質部材と下部木質部材とを連結するよう吊木受け固定桟を固定し、該吊木受け固定桟と隣接する複合天井梁に相対向して設けられた吊木受け固定桟との間に吊り木を架け渡し、上記複合天井梁と吊り木とからなる断熱材保持空間を形成し、幅方向両側端部に沿ってV字溝を設けた板状断熱材を、該V字溝を折り曲げた状態で上記断熱材保持空間に圧入、嵌装してなる天井断熱構造を備え、上記複合天井梁と吊り木とからなるモジュール、かつ、複数の断熱材保持空間を天井裏面の全体に設け、該断熱材保持空間に板状断熱材を嵌装するとともに、該板状断熱材の下方に天井仕上げ材を設けてなる断熱天井であって、上記板状断熱材は、上記断熱材保持空間に圧入後、元に戻ろうとする復元力が働いて上記板状断熱材の折り曲げられた両端部が上記吊り木の内側に圧接し、摩擦力によって保持される断熱天井
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