JP4420149B2 - 錠剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に投入すると発泡する錠剤組成物に関し、特に室内芳香用等として好適に用いられる錠剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
香料や精油の揮散成分は、芳香・消臭・抗菌・防カビ・殺菌・生物類の忌避・誘引作用を有し、最近では気分転換やアロマコロジーにも広く応用されている。このような状況の中で、香料や精油を発泡錠剤として水を入れた容器で一定時間発泡させながら揮散させる方法は、香りを一時的に強く出すことができ、色や発泡時の音も楽しめる方法として有効である。
【0003】
しかし、炭酸ガス発泡製剤は、水分の存在で炭酸ガスと水を出しながら分解し、生じた水によって連鎖的に反応が生じるため、保存中に急遽、分解が生じ始めるおそれがある。この問題を防止するためには、原料中の水分や製造中の湿度の管理を徹底し、水蒸気透過度の低いフィルムでの包装が必要である。一方、適度な水分は、錠剤硬度を調整したり、打錠時のキャッピングを防止して製造時の打錠性を向上させたり、色素の発色や水溶性成分の溶解にも極めて有効であり、粉体の混合時に少量の水分を噴霧して粒状物としたり、打錠物として用いられる。このような場合には、水分の量や水の状態により、経時と共に分解が生じ、炭酸ガスの発生により包材が膨れたり、著しい場合には破裂して性能劣化を生じる。その程度は高温になるほど顕著である。水分の量や状態によっては、50℃でも数ヶ月を経てからでないと発生しなかったり、室温下では半年以上の経時によって分解が生じたりするため、分解を未然に予測することが困難で、品質管理上の大きな支障となっている。
【0004】
この問題を解決するためには、組成物中の水分量を定量する方法が考えられるが、組成物によっては、水分定量のために100℃以上の加熱が必要であり、組成物の一部が分解を生じたり、揮散して消失し、正確な含有水分を定量することは困難である。
【0005】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、保存中における二酸化炭素発生による包材の膨らみを防止することができる錠剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水分と経時による炭酸ガスの発生は、水分量より水分の状態、即ち含有する水分が自由水や束縛水、結合水の状態にあるかに依存し、水分中の自由水の量に相関するパラメータを用いることが望ましいことを知見すると共に、更に検討を進めた結果、炭酸ガス発泡製剤の水分活性を測定し、水分活性の値が経時による炭酸ガスの発生を予測する上で極めて有効であることを見出した。即ち、水分を加えた粉体について、25℃における水分活性値が0.54以下の範囲に組成を設定すれば、良好な打錠性を保持しつつ、長期間にわたって良好な安定性を確保でき、二酸化炭素発生による包材の膨らみを防止し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は下記錠剤組成物を提供する。
[1].炭酸塩及び/又は重炭酸塩と、有機酸と、水分とを含有し、25℃における水分活性値が0.54以下である錠剤組成物が、40℃,80〜100%相対湿度の条件下で0.6g/m2・day以下の水蒸気透過速度を有する包材で包装された包装錠剤組成物。
[2].炭酸塩及び/又は重炭酸塩と、有機酸と、硫酸マグネシウムと、水分とを含有し、25℃における水分活性値が0.54以下であることを特徴とする錠剤組成物。
[3].[2]記載の錠剤組成物が、40℃,80〜100%相対湿度の条件下で0.6g/m2・day以下の水蒸気透過速度を有する包材で包装された包装錠剤組成物。
[4].香料成分を含有し、室内芳香用である[1]乃至[3]のいずれかに記載の錠剤組成物。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の錠剤組成物は、炭酸塩及び/又は重炭酸塩、有機酸を含有し、水に投入することにより、発泡、溶解するものである。
【0009】
ここで、本発明に使用する炭酸塩としては、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムが望ましい。重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましい。また、炭酸ナトリウムを炭酸水素ナトリウムと混合してセスキ塩としてもよい。
【0010】
炭酸塩と反応させる有機酸としては、特に限定はしないが、適度な発泡性を得るためには水溶性の高いdl−リンゴ酸が望ましい。クエン酸は潮解性が高く、保形性が低下しやすい。コハク酸、フマル酸は水に対する溶解性が低く、不溶物が生じやすいが、これらの使用を排除するものではない。
【0011】
通常、炭酸塩と有機酸は等モルで反応するが、アルカリ側では穏やかで、酸性側では著しく反応する。本発明では、適度な発泡性を保持するために反応後のpHは8.0〜4.0の範囲が望ましい。
【0012】
有機酸は、配合量が多くなると、タブレット打錠時の臼や杵への粉付着が顕著となるため、炭酸塩と有機酸の合計配合量は30質量%以上70質量%以下が望ましい。70質量%を超えると粉付着が顕著となり、30質量%未満になると打錠性は良好となるが、発泡の勢いがなくなるおそれがある。
【0013】
本発明の錠剤組成物を室温芳香剤等の用途に使用する場合など、香気を必要とするときは、香料成分を配合することが好ましい。香料成分としては、各種香料素材、精油などが挙げられ、揮散して芳香を発したり、気分転換したりする作用や、消臭、抗菌、防カビ、殺菌、生物類の忌避・誘引作用を有するものであれば特に限定しないが、本発明の形態上、芳香やアロマコロジー作用を有するものが望ましい。
【0014】
具体的に、香料成分としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系のカルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物などの合成香料、動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料などを挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0015】
より具体的には、例えば1996年化学工業日報社刊,印藤元一著(合成香料化学と商品知識)、1969年,ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTAMDER)著(パフューム アンド フレバー ケミカルス<Perfume and Flavor Chemicals>)等に記載された香料等が好適に使用できる。以下に主な香料等を示す。
【0016】
アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ベータダマスコン、デルタダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルユルゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオレフィン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セリストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、デルタC6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、ユゲノール、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラキソリッド、ガンマC6〜C13ラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキシニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、インノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート等が挙げられる。
【0017】
香料成分の配合量は、特に限定しないが、0.4質量%以上1.5質量%以下が望ましい。0.4質量%未満では揮散量が十分ではなく、1.5質量%を超えると打錠性が急激に低下するおそれがある。
【0018】
本発明においては、打錠性を向上させるために、水溶性バインダーを配合してもよい。水溶性バインダーの一例としては、ポリエチレングリコールを挙げることができる。ポリエチレングリコールの平均分子量は、2000以上6000以下であることが望ましい。打錠性の向上の目的では、平均分子量は2000以上のものが必要であるが、高分子量になると、無機塩共存下では、発泡溶解後に界面活性剤で可溶化していた香料が分離しやすくなるおそれがある。この香料の分離は、溶解させる水の量が少なくなるほど、ポリエチレングリコールの配合量が多くなるほど顕著である。従って、100〜200mlの水に炭酸発泡錠剤を溶解させる場合には、ポリエチレングリコール4000程度のものを2〜4質量%配合すれば、打錠性を向上させる効果と発泡溶解後の香料の分離を防止する効果を得ることができる。
【0019】
本発明では、界面活性剤を溶解時に水面に活性剤の膜を形成させて発泡時の炭酸ガスの飛散を防止するために配合することが好ましい。また、炭酸発泡錠剤が水の中で溶解した場合に、香料を水中で可溶化させるためにも有効である。界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が水質の影響を受けにくく、望ましい。炭酸ガスの発泡により界面活性剤の起泡性が増加するので、界面活性剤の量は100〜1000ppm程度の量で十分であるが、カチオン界面活性剤はガラスの容器に付着したり、酸性染料などの色素と反応するので望ましくなく、アニオン界面活性剤や望ましくは水質の影響を受けにくい非イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、2級アルコールエトキシレートでエチレンオキサイドの付加モル数が9〜11程度のものが好適である。
【0020】
本発明は、水分を含有することを特徴とする。水分は組成中でバインダーの働きをするので、錠剤硬度を一定の強さ以上に保持する効果があり、0.1質量%以上3.0質量%未満の範囲で配合することが望ましい。水分は、少量ずつ粉末混合品に噴霧して添加することが好ましい。この場合、色素や水溶性の成分を溶解したものを添加すると、タブレット保存時に発生する色調変化を軽減することができる。また、水分を添加する場合には、炭酸塩及び/又は重炭酸塩から有機酸を除いた粉末混合品に添加し、その後、有機酸を加えて混合し、打錠することが好ましい。
【0021】
本発明の錠剤組成物は、その25℃における水分活性値を0.54以下に調整する。更に望ましくは0.1以上0.54以下に調整する。この場合、水分活性値が0.1未満となると錠剤硬度が低く、製造時に欠けや割れが生じたり、打錠時にキャッピングが生じたりするおそれがある。ここで、水分活性値は、25℃,65%相対湿度における純水の蒸気圧に対する試料蒸気圧の比である。
【0022】
水分活性値を0.54以下に規制するには、水分量を調整すると共に、水分を結晶水として保持する無機塩を配合することが望ましい。即ち、水分、炭酸塩及び/又は重炭酸塩、有機酸、更に所望により配合される香料成分が共存する組成物において、本発明の水分活性値を確保するには、無水硫酸マグネシウムを配合することが好適である。無水硫酸マグネシウムは水溶性であり、炭酸ガス発泡錠剤の水溶解物が透明であり、不溶物を生じにくい。なお、生石灰や半水石膏にも同様の効果があるが、水不溶性で水溶解後に濁ったり、沈殿が生じるが、これらの使用を排除するものではない。
【0023】
硫酸マグネシウムとしては、5水塩以下の硫酸マグネシウムで、望ましくは1水塩の比率が50%以下の無水硫酸マグネシウムが望ましい。6水塩以上になると、水分活性値を調整する機能が著しく低下するおそれがある。
【0024】
ここで、硫酸マグネシウムの使用は、香料配合に伴い発生する粉末のべたつきを防止し、打錠時の粉体流動性向上と、打錠時に発生する杵・臼への粉体付着を防止し、且つ使用時に良好な水への溶解性を維持する点からも好適である。
【0025】
即ち、発泡錠剤は、一般的には臼と呼ばれる筒状の部分に一定量の粉体を入れ、杵で加圧して錠剤として成型される。工業的には、打錠は連続的に行うが、粉体組成物の流動性が低い場合には、臼への粉体の充填量にばらつきが生じ、一定の錠剤重量が得られないという問題が生じる。また、液体である香料や精油を配合することにより粉にべたつきが生じ、打錠時に杵や臼への付着が生じ、打錠された製剤の表面に凹凸が生じたり、重量が減少したりして、極端な場合には打錠物が杵についたまま取れなくなる等の問題がある。これらを防止するために流動改善剤が使用され、ヒドロキシメチルセルロースや尿素、珪酸カルシウム、シクロデキストリンが知られている。特に、香料や精油など疎水性の液状物については、多孔性で表面積の大きな硫酸カルシウムや包接化合物であるシクロデキストリンが、香料を保持して粉体のべたつきを防止する効果が高い。しかしながら、水への溶解性が低いため、使用時に錠剤を水に溶かした場合に液の透明性が損なわれ、不溶物が容器に付着して汚くなるという問題がある。特に、コップなど1L以下の容器で少量の水に溶かして使用する室内芳香剤においては、水不溶性の流動改善剤は配合的に制約され、香料を多く配合できないという問題点がある。この問題を解決するためには、水溶性で錠剤溶解後の液の透明性を損なうことなく、香料等の疎水性液体の配合による粉体のべたつきを抑制できる流動性改良剤が望まれるものであるが、硫酸マグネシウムを粉体組成物に配合することにより、香料等の疎水性液体の添加に伴う粉体の流動性の低下や打錠時の杵、臼への粉体の付着を改善し、錠剤を水に入れて使用した場合の溶解性、溶解後の液の透明性を損なうことがないことを確認したものである。
【0026】
なお、硫酸マグネシウムの配合量は、5質量%以上40質量%以下とすることが上記効果を有効に発揮し得る点から好ましい。
【0027】
本発明の錠剤組成物に色素を配合すると、水の中で発泡溶解した場合に着色し、香りと共に色を楽しむことができる。色素としては、特に限定はしないが、水溶性の直接染料や酸性染料、分散染料が望ましい。
【0028】
更に、本発明の錠剤組成物には、各種錠剤に従来から用いられている成分、例えば硫酸ナトリウム等を配合し得る。
【0029】
本発明の錠剤組成物は、包材に包装されて保存することが好ましいが、この場合、本発明に用いる錠剤を包装する材質の水蒸気透過度は、40℃,80〜100%RHの条件下で0.6g/m2・day以下であることが好ましく、この条件を上回る水蒸気透過度を有するものでは、組成物が吸湿し、保存時に水分活性値が上昇して炭酸ガスへの分解が生じ、包装容器の膨らみや破裂が生じるおそれがある。本発明の水蒸気透過度を示すものとしては、アルミ積層フィルムなどが挙げられるが、透明性を有したものとしては、ガラス蒸着処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。
【0030】
本発明の錠剤組成物の製造方法としては、混合槽内に炭酸塩、界面活性剤、硫酸ナトリウムなどの安定化無機塩をいれて混合し、撹拌しながら香料や水を噴霧する。その後、有機酸と硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコールを加えて混合したものを打錠機で錠剤化した後、吸湿しないようにフィルムで包装する方法を採用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の錠剤組成物は、安定性が高く、包材に包装しておいた場合において、二酸化炭素発生による包材の膨らみを防止することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0033】
〔実施例1〜19,比較例1〜5〕
表1〜3の処方で、香料組成物の水分活性値と保存時の炭酸ガス発生による包材の膨らみとタブレット成型時の打錠性の関係を調べるため、下記の方法で水分活性値の異なる試料を香料組成物(錠剤)の水分量を調整して作製した。
【0034】
試料の調製
10℃,50%RH(低湿度条件)の恒温恒湿室内で、小型ヘンシェルミキサー(10L容量)に表1〜3の配合比率で全量が5kgとなるよう計算して秤量した炭酸塩、硫酸ナトリウム、色素を順次添加し、低速で1分間混合撹拌しながら、界面活性剤、香料を水に分散したものをスプレーで噴霧した。
【0035】
その後、新たに、所定量の有機酸、ポリエチレングリコール、硫酸マグネシウムを添加して数分間混合し、アルミ積層フィルム内で保管し、粉末試料とした。更に、粉末試料調製後、3時間以内に連続式ロータリー打錠機を用いて、粉末試料20kgを打錠した。この場合、充填量20gで直径35mmφの円柱状に打錠後の厚みが14mm以内になるように、1分間200rpmの打錠速度で打錠した。打錠後、1時間以内にシリカ蒸着PETフィルム(凸版印刷(株)製GL−AE;40℃,90%RHでの水蒸気透過速度:0.58g/m2・day)でヒートシールしながら包装した。なお、一部の試料は恒温恒湿室の温湿度を25℃,65%RH(高湿度条件)として作製した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
炭酸ナトリウム:東ソー(株)ライトソーダ灰
界面活性剤 :ポリオキシエチレン(9)第2級アルキルエーテル
色素 :黄色4号
香料 :ベルガモット精油
硫酸マグネシウム:赤穂化成(株)無水硫酸マグネシウムMG−OK
硫酸ナトリウム:四国化成(株)ボウショウAOP
ポリエチレングリコール:日本油脂(株)PEG4000P
【0039】
ここで、水分相当量、水分活性値は下記方法により測定した。
【0040】
(1)水分相当量の測定
試料の水分量は、個々の原料の含水量を測定し、配合比率から計算により求め、水分相当量とした。なお、DTA−TG同時分析により、硫酸マグネシウムは400℃,3時間の乾燥減量を、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムは105℃,2時間の乾燥減量を含水量とした。また、dl−リンゴ酸、界面活性剤、ポリエチレングリコール、色素、香料についてはカールフィッシャ法により測定した。炭酸水素ナトリウムはデシケータ(硫酸)中で4時間乾燥した場合の乾燥減量より求めた。
【0041】
(2)水分活性値の測定
ロトロニクス社製水分活性測定システムDT型を用い、25±1℃,湿度65±5%RHの恒温恒湿室で防湿フィルムで内包したものを開封してから水分活性値を測定し、1つの試料につき5サンプルを採取して測定した結果の平均値を水分活性値として用いた。
【0042】
次に、上で得られた各防湿フィルムで包装した試料(錠剤)の保存安定性を下記方法で評価した。
【0043】
保存安定性(保存時の炭酸ガス発生による包材の膨らみと破損)
防湿フィルムに内包した試料を、(A)40℃,75%RHの恒温恒室槽で6ヵ月間、(B)1日のうち、45℃,85%RH,12時間、25℃,65%RH,12時間を1サイクルとして、温度湿度の変わる部屋で40日間、(C)50℃,80%RHの恒温恒湿槽で3ヵ月間(リサイクルテスト)の3条件下で試料を5サンプルずつ保管し、炭酸ガス発泡による包材の膨らみと破損の有無を調べ、下記の判定基準により評価した。膨らみの有無は、室温に2時間保存後、視覚により評価し、発泡により包材に破損の生じたものは、包装試料を水中に入れて0.8hPの減圧下としたときの気泡発生の有無について視覚判定した。
(判定基準)
○:いずれの条件下でも包材の膨らみや破損が認められない。
△:いずれの条件下でも破損は認められない。
ただし、顕著ではないが包材の膨らみが生じる。
×:いずれかの条件下で顕著な包材の膨らみが生じる。
あるいは破損が生じる。
【0044】
結果を表4,5に示す。また、表4,5の結果に基づいた水分活性値/水分相当量と安定性との関係を図1に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
表4,5,図1に示す通り、水分活性値と水分相当量の間には相関性は認められず、保存安定性の包材の膨らみには、水分相当量ではなく、水分活性値との関連性が高く、水分活性値が0.54より高いと膨らみが生じることが分かる。
【0048】
〔実施例20〜24,比較例6〜14〕
下記処方の香料組成物(錠剤)を下記方法により調製した。
(注)
炭酸ナトリウム:東ソー(株)ライトソーダ灰
界面活性剤 :ポリオキシエチレン(9)第2級アルキルエーテル
色素 :黄色4号
香料 :ベルガモット精油、ローズ精油
流動化剤:
硫酸マグネシウム:赤穂化成(株)無水硫酸マグネシウムMG−OK
ヒドロキシプロピルセルロース
シクロデキストリン
尿素
珪酸カルシウム:フローライト
ポリエチレングリコール:日本油脂(株)PEG4000P
硫酸ナトリウム:四国化成(株)ボウショウAOP
【0049】
試料の調製
10℃,50%RH(低湿度条件)の恒温恒湿室内で、小型ヘンシェルミキサー(10L容量)に上記配合比率で全量が5kgとなるよう計算して秤量した炭酸塩、硫酸ナトリウム、色素を順次添加し、低速で1分間混合撹拌しながら、界面活性剤、香料を水に分散したものをスプレーで噴霧した。
【0050】
その後、新たに、所定量の有機酸、ポリエチレングリコール、硫酸マグネシウムを添加して数分間混合し、アルミ積層フィルム内で保管し、粉末試料とした。更に、粉末試料調製後、3時間以内に連続式ロータリー打錠機を用いて、粉末試料20kgを打錠した。この場合、充填量20gで直径35mmφの円柱状に打錠後の厚みが14mm以内になるよう、1分間200rpmの打錠速度で打錠した。打錠後、1時間以内に所定のアルミ積層フィルム(シリカ蒸着PETフィルム,凸版印刷(株)製GL−AE;40℃,90%RHでの水蒸気透過速度:0.58g/m2・day)でヒートシールしながら包装した。
【0051】
この場合、上記試料調製時の流動性、計量性、打錠性を下記方法により評価すると共に、錠剤の溶解性を下記方法で評価した。結果を表6,7に示す。
【0052】
(1)流動性
粉体の流動性として、筒井理化学器材(株)の三輪式円筒回転法安息角測定器を用いて、20℃,50%RHの恒温恒湿内で、直径5cmの蓋のついた100ml容積の円筒ビンに粉体50gを入れて1分間3回転の速度で回転させ、生じる粉体の傾斜角を流動安息角として測定した。本装置での流動安息角が60度以下のものが粉体にべとつきがなく、流動性が良好で、以下のロータリー式連続打錠機の臼部に粉を供給する場合において、流動性が低下せず、計量性にばらつきが生じないことを確認できたので、この範囲の流動安息角を示すものを○とし、60度を超えるものは計量のばらつきが生じ、70度以上で顕著であったので、60度を超え70度以下のものを△、70度を超えるものを×とした。
【0053】
(2)計量性
10℃,50%RH条件下で20kgの試料粉体をフィーダに入れ、1回転で18錠の打錠が可能なロータリー式連続打錠機の特定の3組の臼以外はゴム栓で封印し、1回転で3個の打錠のみができるように調整した。1分間に12回転の速度で回転させ、20分間運転した場合の運転10分後〜13分後までの錠剤100個の重量を測定した。錠剤1個当りの設定重量20.0gに対して100個の重量が±0.5g以内の場合を○、±0.5を超える場合が1〜2個の場合を△、3個以上を×として判断した。
【0054】
(3)打錠性の評価
20℃,50%RH条件下で、18錠の打錠ができるロータリー式連続打錠機で1分間に12回転の速度で20分間連続打錠したときの特定した3組の杵と臼への付着性と外観を評価して、以下の判定基準で20分間を通じての打錠性を評価した。
○:杵、臼への顕著な付着が認められず、タブレット表面に顕著な凹凸が認められない。
△:杵、臼への付着、タブレット表面の凹凸のいずれか1つ以上は認められるが、軽度である。
×:杵、臼への付着あるいはタブレット表面の凹凸のいずれか1つ以上が認められ、その程度が著しい。
【0055】
(4)溶解性
錠剤を包装物から取り出し、20℃,150mlの水を入れた300ml容積のビーカに入れて発泡溶解させ、室温で放置して24時間後の溶液を観察し、以下の判定基準により目視で評価した。
○:不溶物が観察されず、液が透明である。
△:若干の不溶物が沈殿あるいは浮遊している。
又は液が濁って透明ではない。
×:不溶物が多く観察される。あるいは液が著しく濁っている。
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース
CD :シクロデキストリン
【図面の簡単な説明】
【図1】香料組成物(錠剤)の水分活性値と水分相当量との関係における錠剤の安定性程度を示すグラフである。
Claims (4)
- 炭酸塩及び/又は重炭酸塩と、有機酸と、水分とを含有し、25℃における水分活性値が0.54以下である錠剤組成物が、40℃,80〜100%相対湿度の条件下で0.6g/m2・day以下の水蒸気透過速度を有する包材で包装された包装錠剤組成物。
- 炭酸塩及び/又は重炭酸塩と、有機酸と、硫酸マグネシウムと、水分とを含有し、25℃における水分活性値が0.54以下であることを特徴とする錠剤組成物。
- 請求項2記載の錠剤組成物が、40℃,80〜100%相対湿度の条件下で0.6g/m2・day以下の水蒸気透過速度を有する包材で包装された包装錠剤組成物。
- 香料成分を含有し、室内芳香用である請求項1乃至3のいずれか1項記載の錠剤組成物。
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