JP4422729B2 - 溶接プロセスを制御する方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、複数の異なる溶接パラメータに基づいて調節され、制御装置及び/又は溶接電源により制御される溶接プロセスが電気アークの点火後実行される溶接プロセス制御方法に関する。
EP0774317B1により、消耗性電極及びベース金属のそれぞれを介して、パルス電流とベース電流とを交互に供給することにより溶接するパルスアーク溶接方法が知られている。この方法では、電気アークの長さが、時間の平均値若しくは積算値が設定値と一致するように制御される。このベース電流は、時間の平均値若しくは積算値がより高い場合において減少し、より低い場合において増加する。さらに、パルス電流及びベース電流の供給時間は、電気アークの決定された長さの関数として減少させてもよいし、若しくは増加させてもよい。一般的に、電気アークの長さ、さらには被加工物から溶接ワイヤ端部までの距離が、溶接電圧及び溶接電流の測定、並びにその後の演算処理により決定される。しかし、上述の発明は、溶接プロセスにおいて遭遇する様々な影響により、被加工物からの溶接ワイヤ端部の位置若しくは距離を正確に決定することができないという欠点を含んでいる。
したがって、本発明の目的は、被加工物からの溶接ワイヤ端部の位置若しくは距離の決定を可能とする溶接プロセス制御方法を提供することにある。
この目的は、溶接ワイヤをセンサとして使用して、少なくとも1つの機械的調整プロセスを溶接プロセスの間実行し溶接ワイヤの位置を決定することにより達成される。この際、この機械的調整プロセスは、溶接プロセスにおける1つ若しくはいくつかのプロセスフェーズ後に開始してもよい。
この効果としては、被加工物に対する溶接ワイヤ、若しくは溶接ワイヤ端部の位置が機械的に決定され、それにより電気アークの長さを正確に調整することができることにある。この位置の機械的決定は、主に調節手法が溶接プロセスにより影響を受けることを防止し、それにより非常に高い正確性を得ることができるであろう。従来から知られている溶接プロセス制御方法により、溶接ワイヤ端部の位置を、溶接プロセスの間においてしか計算し若しくは測定することができない。この溶接プロセスは、大きな制御時間ディレイを含み、さらに被加工物に対する溶接ワイヤ端部の正確な位置を決定することができないという「相対的な」結果しか得られない。本発明に係る方法の基本的な効果としては、ワイヤ材料、ガス等を併用したとしても、電気アークの電圧が電気アークの長さに対して比例せず、それにより測定若しくは演算により電気アークの長さを正確に決定することができないタイプの位置決定ができることである。さらに、被加工物上において電気アークを移動させることにより、被加工物から溶接ワイヤ端部までの距離を変えなければ、電気アークの長さが変化してしまう。これは、また、演算の正確性に悪影響を与える。
本発明に係る、溶接ワイヤの位置の決定方法において、上記距離を決定するためには、制御装置の制御負荷が非常に小さいことが必要である。溶接プロセスを開始するため、即ち電気アークを点火させるため、既知の方法、たとえば所謂リフトアーク原理を使用しても良い。
請求項2〜7に係る構成は、その方法が被加工物から溶接ワイヤ端部までの距離を完全に又正確に決定することができるため好適である。溶接ワイヤを被加工物に接触させると、短絡が発生し認識される。それにより、被加工物に対する溶接ワイヤの距離の値が零に設定される。この位置決定手法では、短絡回路を認識するため、複雑な電圧測定は必要でなく、非常に簡単な電圧測定しか必要でない。
請求項8及び9に係る構成は、溶接ワイヤが接触すると、規定された後方移動を行うため、即ち被加工物から溶接トーチの方向に向かって移動するため好適である。これにより、溶接プロセスに関連する影響が発生することなく、被加工物に対する溶接ワイヤ端部の距離を、規定された値にコンスタントに合わせることができる。
他の効果としては、請求項10〜12に係る構成にある。これは、機械的調整プロセスの開始が、生産者により決定されるか、若しくはユーザにより設定されるかさらには溶接の間様々なパラメータにより出されたトリガーシグナルにより制御され、それにより調整プロセスを頻繁に用いることにより、当該距離を規定された設定値に対して修正することができる。
しかしながら、請求項13に係る構成も好適である。なぜならば、機械的調整プロセスの間ワイヤ搬送速度を増加させることにより、溶接プロセスは、仮にそうであるとしても殆ど遅延されたり若しくは妨害されたりしないからである。
請求項14に係る構成は、パルス溶接プロセスの妨害が僅かしか起こらないように、パルス溶接プロセスにおける調整プロセスが、ベース電流のフェーズにおいて、すなわち2つのパルス電流フェーズの間において実行される。
他の効果が、請求項15に係る構成により得られる。これは、溶接ワイヤの配置に加えて実行される、溶接トーチの接触ノズルから突出している溶接ワイヤの長さ(「突出長さ」と称される)の確認が可能となるからである。
しかしながら、請求項16及び17に係る構成は、機械的調整プロセス後新たに電気アークを点火させることにより溶接プロセスを容易に継続することができるため好適である。
請求項18に係る構成は、溶接若しくは溶接プロセスの最初から被加工物に対する溶接ワイヤ端部の位置を、規定された値、特に予め設定された値に調整することができ、そのため非常に初期の段階から問題のない溶接を確実に行うことができる。
さらに別の効果が、請求項19及び20に係る構成により与えられる。これは、被加工物に対する溶接ワイヤ端部の位置が検出され、溶接電流が通過する溶接ワイヤの長さの検出及びこの検出の結果がロボット制御装置に伝送されるため、他の問題のない溶接手法を、第1溶接手法の終了後スタートさせることができるからである。
本発明は、添付の図面によりより詳細に説明される。
図1は、例えばMIG/MAG溶接、WIG/TIG溶接、電極溶接法、ダブルワイヤ/タンデム溶接法、プラズマ若しくは半田付け法等の様々なプロセス若しくは方法のための溶接装置1若しくは溶接設備を示している。
この溶接装置1は、電源エレメント3を含む電源2、制御装置4、及び電源エレメント3及び制御装置4にそれぞれ対応するスイッチ部材5と、を備える。このスイッチ部材5及び制御装置4は、ガス8、特に例えば二酸化炭素、ヘリウム若しくはアルゴン及び同様のもの等の保護ガスのための供給ライン7内であって、ガス貯蔵タンク9と溶接トーチ10若しくはトーチとの間に配置された制御バルブ6に接続される。
さらに、通常MIG/MAG溶接に用いられるワイヤの支流11は、制御装置4により制御され、それにより付加的な材料若しくは溶接ワイヤ13が、供給ライン12を介して、供給ドラム14若しくはワイヤコイルから溶接トーチ10まで供給される。勿論、図1に示すような付属の装置と同様のものを設計するのではなく、溶接装置1、特にその簡易な筐体内にワイヤ供給機を搭載することも可能である。
また、ワイヤ供給機11が、溶接ワイヤ13若しくは付加的な材料を、溶接トーチ10の外側の処理サイトに供給することも可能である。ここで、WIG/TIG溶接ではよくあることであるが、溶接トーチ端部に対して、非消耗性電極を溶接トーチ10内に配置することが好ましい。
電気アーク15、特に操作可能な電気アークを電極と被加工物16との間に形成するのに必要な電力が、溶接ライン17を介して、電源2の電源エレメント3から溶接トーチ10、特に電極に供給される。ここで、いくつかの部材からなる、溶接されるべき被加工物16が、別の溶接ライン18を介して溶接装置1、特に電源2と同様に接続され、それによりプロセスのための電気回路が電気アーク15若しくはプラズマジェットを形成する可能となる。
溶接トーチ10を冷却するため、冷却回路19により、溶接トーチ10を、間に介在する流量制御装置20を介して液体貯蔵タンク、特に水貯蔵タンク21に接続してもよい。それにより、冷却回路19、特に水貯蔵タンク21内に含まれる液体のため使用される液体ポンプは、溶接トーチ10を効果的に冷却するために溶接トーチ10が操作されると始動する。
溶接装置1は、さらにインプット及び/又はアウトプット装置22を備える。この装置22を介して、溶接装置1の様々な溶接パラメータ、オペレーティングモード若しくは溶接プログラムをそれぞれ設定し呼び出しても良い。その際、このインプット及び/又はアウトプット装置22により設定された溶接パラメータ、オペレーティングモード若しくは溶接プログラムが、制御装置4に伝送される。この制御装置4は、その後溶接設備若しくは溶接装置1の個々の構成要素を制御し、及び/又は制御するための各設定値を予め決定する。
例示された実施の形態において、さらに溶接トーチ10が上記溶接装置1若しくは溶接設備にホースパッケージ23を介して接続される。ホースパッケージ23は、溶接装置1から溶接トーチ10までそれぞれのラインを収容する。このホースパッケージ23は、カップリング装置24を介して溶接トーチ10に接続される一方、ホースパッケージ23内に配置されたそれぞれのラインは、接続ソケット若しくはプラグイン接続により溶接装置1のそれぞれの接続装置と接続される。確実にホースパッケージ23から適切に張りを取り除くため、ホースパッケージ23が、張り除去手段25を介して、溶接装置1の筐体26、特に簡易な筐体に接続される。勿論、溶接装置1に対して接続するため接続装置24を使用しても良い。
基本的に、例えばWIG装置、MIG/MAG装置、若しくはプラズマ装置等の様々な溶接方法若しくは溶接装置1に、前述の構成要素の全てを使用する必要はないことに留意すべきである。そのため、例えば空冷溶接トーチ10として溶接トーチ10を工夫することも可能である。
図2〜5は、本発明の方法のある実施の形態に係る、溶接電圧U、溶接電流I、ワイヤ搬送速度V、及び溶接ワイヤの位置の時間経過を示している。この具体例は、パルス溶接プロセスにより説明される。
例示されたパルス溶接プロセスの初期フェーズ27は、所謂「リフトアーク原理」に従って実行される。この接触点火法において、溶接ワイヤ13は、被加工物16上に配置され、その後溶接電流Iの導通後わずかに持ち上げられ、電気アーク15が点火される。パルス溶接プロセスを開始させるため、即ち最初溶接トーチ10のキャリバを作動させるため、制限された溶接電圧Uが印加される(時間28)。溶接電圧Uを印加するのと同時に、溶接ワイヤ13を矢印29に従って被加工物16の方向に移動させる。溶接ワイヤ13が被加工物16に接触することにより、時間30において短絡回路が形成され、それにより溶接電圧Uがブレークダウンする。これは、溶接電流Iが、溶接ワイヤ13の初期融解を防止するよう制限された程度で増加するとすぐ、溶接装置1の制御装置4により認識される。この後、ワイヤの搬送は逆方向に転換され、溶接ワイヤ13が、矢印31に従って被加工物16から後退する。溶接ワイヤ13が被加工物16から持ち上げられると、印加された電流Iにより電気アーク15が点火される。その際、電気アークの長さが拡大され、即ち溶接ワイヤと被加工物16との間の距離がより大きい場合でも電気アーク15をより良好でより安定な直立ポジションにおいて維持することができるように、溶接ワイヤ13が後方へ移動する間、溶接電流Iをさらに増加させる。この溶接ワイヤ13は、被加工物16から予め決められた距離32だけ離れた基本ポジションに後退する。この距離32は、ユーザにより規定してもよいし、柔軟に調整してもよい。
上記初期ポジションに到達した後、初期フェーズ27が完了し、そして適切な溶接プロセス、例えばパルス溶接プロセスが時間33から始まる。このパルス溶接は、パルス電流フェーズ34及びベース電流フェーズ35により交互に形作られ、全てのパルス電流フェーズ34において、液滴が溶接ワイヤ13から分離される。ベース電流フェーズ35における溶接電圧U及び/又は溶接電流Iは、ベース値36に維持される。このベース値36においては、電気アーク15が直立の状態に維持され、そして溶接ワイヤ13が被加工物16に向かって移動している。パルス電流フェーズ34において、溶接電流Iが、予め決められた時間38の間、特定の値37まで増加し、それにより液滴39が溶接ワイヤ端部に形成され、例えば時間40で見られるように液滴の降下が起こる。液滴39の降下の後、パルス電流フェーズ34が完了し再びベース電流フェーズ35が続く。
いくつかの液滴降下の後、溶接ワイヤ13のどれだけの量が溶解したかを正確に決定することはもはや不可能なので、溶接ワイヤ端部の位置を正確に決定することはできない。溶接ワイヤ13の正確な配置を決定、検出、若しくは新たに調整することができるように、溶接プロセスの間、即ちパルス溶接における2つのパルス電流フェーズ34間において機械的調整プロセス41が実行される。1つ又はいくつかのプロセスフェーズ34の後1つ又はいくつかの調整プロセス41を実行することが可能である。この機械的調整プロセス41は、溶接ワイヤ13をセンサとして使用する。このため、この実施の形態において、機械的調整プロセス41が、短絡回路のない溶接プロセス、特にパルス溶接プロセスにおいて実行され、それぞれ3つのパルス電流フェーズ34の後実行される。当然、この調整プロセス41を、短絡回路が発生する溶接プロセス、特に短絡アーク溶接プロセスとともに実行してもよい。
機械的調整プロセス41は、溶接ワイヤ13の位置、特に被加工物16から溶接ワイヤ端部までの距離32を検出するため、及び/又は被加工物16から溶接ワイヤ端部までの距離32を、予め決定された設定値に修正若しくは新たに調整するために用いられる。
ベース電流フェーズ35において、機械的調整プロセス41が実行され、確実に溶接ワイヤ端部に液滴38が形成されず、それにより被加工物16上にて材料の溶解若しくは材料の移動が全く若しくは殆ど起こらない。機械的調整プロセス41は、溶接ワイヤ13が被加工物16に接触するまで矢印29に従って被加工物16に向かって移動するように実行される。溶接ワイヤ13を被加工物16に接触させると、意図的に制御された短絡回路が形成される。これは、制御装置4により認識される。機械的調整プロセスの間において、短絡回路の消滅が、制御装置による電流の増加により抑制される。制御装置4は、被加工物16に対する溶接ワイヤ端部の正確な位置を検出する。この位置は、短絡回路形成時においては零である。短絡回路形成時における溶接ワイヤ13のスタートポジションから、溶接ワイヤ13は、被加工物16から所定の距離32のところまで後退する。これは、溶接ワイヤ端部が、設定値/実効値の比較により特定の距離32まで搬送されるように、例えば付加的なセンサを使用してワイヤの実効値を検出することにより後方移動が行われる。勿論、後方移動のため、簡単な時間の初期化により、溶接ワイヤ端部の予め決定された位置若しくは予め決定された距離32に到達することが可能である。これは、規定された搬送速度及び時間の初期化により、常に同じ位置に到達するためである。さらに、勿論様々な他の方法に従って、溶接ワイヤ端部の位置、若しくは後方移動のコース、若しくは被加工物16と溶接ワイヤ端部との間の設定距離を用いてもよい。また、機械的調整プロセス41の間に、溶接トーチを被加工物まで移動させ再び後退させても良い。
機械的調整プロセス41による溶接プロセスの一時的中断を短く維持するため、調整プロセス41の間、時間42において、溶接ワイヤ13は、溶接プロセスの間矢印43に対応する、より速いワイヤ搬送速度で被加工物16まで搬送されることが好ましい。矢印43は、パルス電流フェーズ34及びベース電流フェーズ35における矢印29と一致する。その際、溶接ワイヤ13の初期溶解、即ち液滴の形成を防止しつつ、電気アーク15が維持されることが好ましい。さらに、機械的調整プロセス41の間、溶接ワイヤ13から被加工物16、すなわち溶融槽への材料の移動が全く若しくは殆どない。溶接ワイヤ13の後方移動の際に、ワイヤの搬送速度Vを増加させてもよい。これは、溶接電流I及び溶接電圧Uが、機械的調整プロセス41の間、ベース電流フェーズ35に対して変化せずに維持されるが、しかしながら図4から明らかなように溶接ワイヤ13の搬送速度Vが増加することを意味する。勿論、溶接ワイヤ13の初期溶解を効果的に防止するため、溶接電流I若しくは溶接電圧Uを減少若しくは中断させてもよい。
この制御装置4は、溶接ワイヤ端部の距離32が零に再設定されるとすぐ、短絡回路検出手段を介して、機械的調整プロセス41の間起こる短絡回路を認識する。時間42において接触した後、溶接ワイヤ13の搬送方向を反転し後方移動させ、溶接ワイヤ13は、一定の若しくは調整可能な距離32まで搬送される。このため、この距離32は、2mmから6mmの範囲にあることが好ましい。この距離32に到達した後、機械的調整プロセス41は、時間44で完了し、そして溶接プロセスは継続され、ワイヤ搬送方向を、再び被加工物16に向かう方向に再び転換する。
機械的調整プロセス41の間に電気アーク15を確実に再点火させるために、短絡後溶接ワイヤ13が被加工物16から持ち上げられるとき新たな電気アーク15が形成されるように、十分高い溶接電流Iを与えることが必要である。しかしながら、距離32に到達したときだけ、機械的調整プロセス41の後電気アーク15を再点火してもよい。これは、例えばHF点火により実行してもよい。
調整プロセス41の開始及びその時間は、ユーザにより任意に設定することができる。その際、機械的調整プロセス41の時間の規定は、例えばパルス電流フェーズ34の数を示すこと若しくは時間インターバルを予め決定することにより実行しても良い。勿論、予め与えられた一定の時間において、調整プロセス41を実行してもよい。さらに、トリガーシグナルを介して調整プロセス41を開始してもよい。これは、例えば溶接電圧Uをモニターすることにより実行しても良い。ここで、規定された溶接電圧閾値が急激に上昇若しくは急激に降下するようにトリガーシグナルを与え、そして機械的調整プロセス41を制御装置により開始させる。
機械的調整プロセス41は、被加工物から溶接ワイヤ端部までの距離32を決定するため、及び/又は溶接ワイヤ13を修正又は新たに配置するため実行される。機械的調整プロセス41により、被加工物16に対する溶接ワイヤ位置までの規定された距離32は繰り返し調整され、それにより、より長く継続する溶接プロセスにおいて、あまりにも低いワイヤ搬送速度Vでは溶接ワイヤ13がコンタクトチューブに焼着すること(burn back to)、又はあまりにも高いワイヤ搬送速度Vでは電気アークの長さがコンスタントに減少することが防止される。
機械的調整プロセス41の大きな効果としては、機械的調整プロセス41が、溶接プロセスから独立しているということにある。そのため、電気アークの電圧が電気アークの長さに対して比例しない場合においても、溶接ワイヤの位置を、使用材料、ガス、及び他の溶接パラメータから独立して決定することができる。この場合、電気アークの長さは、電気アーク電圧の測定により決定することはできない。電気アークの長さが電気アークの電圧により決定される場合、電気アーク15が被加工物16上を移動するため、電気アークの長さがコンスタントに変化し問題を引き起こす。
図2〜5に係る実施の形態と比較して、図6〜9に係る別の実施の形態では、機械的調整プロセス41を各パルス電流フェーズ34の後実行する。
パルス溶接プロセスの最初のフェーズを、前述の図2〜5に記載しているためこれ以上詳細に記載し例示しない。
電気アーク15の最初の点火のための開始フェーズに続いて、溶接ワイヤ13は、矢印29に従って被加工物16に向かう方向へ連続的に移動する。パルス電流フェーズ34の間、溶接電流Iは、時間45において増加し、液滴の形成を引き起こす。液滴の降下が、期間38の後発生し、そしてその後パルス電流フェーズが完了する。機械的調整プロセス41は、その後直ぐに続くベース電流フェーズ35において実行される。
機械的調整プロセス41の初期段階において、即ち時間46において、ワイヤ前進速度Vは、矢印43に従って増加し、溶接ワイヤ13は、時間47において被加工物16に接触するまで搬送される。機械的調整プロセス41における溶接電流Iの強度が調整され、液滴を形成することなく、溶接ワイヤの初期溶解をできるかぎり減少させる。ワイヤ搬送方向の転換が再び起こると直ぐ、機械的調整プロセス41において短絡回路が、短絡回路検出手段を介して制御装置4により認識され、制御装置4が溶接ワイヤ13の距離32の値を零に再設定した後、溶接ワイヤ13は、規定された距離32に到達するまで矢印31に従って再び戻る。この後、次のパルス電流フェーズ34が開始される。被加工物が溶接される場合の、手動の溶接、若しくはロボットの応用において共通するが、この実施の形態の大きな効果として、被加工物16から溶接ワイヤ端部までの距離32が非常に急速に修正され、そのため被加工物16に対する溶接トーチ10の距離が変化する場合においても上記距離32を一定に維持することができることにある。例えば、パルス溶接プロセスを使用する、従来から知られた一般的な手動式溶接では、1分当たり20〜70ヘルツの周波数が用いられる。そのため、ユーザは、溶接トーチ10を均一に移動させることが強要されない。
被加工物16から溶接トーチ10、若しくは溶接ワイヤ端部までの距離が永久的に変化する往復運動が実行される手動の溶接プロセスでは、同様の利点により溶接が改良される。
溶接プロセスのさらに別の実施の形態、特にパルス溶接プロセスが、図10〜13に表されている。
図2〜5に係る実施の形態において説明したので、溶接プロセスの初期フェーズに関して再び詳細に言及しない。
この実施の形態では溶接電流Iが、例えばスプレイアーク溶接プロセス等の溶接プロセスの間、予め与えられた一定の値に制御される。印加された電流Iにより、溶接ワイヤ端部において液滴チェーン48が形成される。ユーザにより以前に調整された期間の後、時間51において機械的調整プロセス41が実行される。その際、溶接電流Iは、機械的調整プロセス41の間、さらに別の材料の移動が起きないように、ベース値36まで下げられる。このベース値36は、溶接ワイヤ13が被加工物16に対して突き刺さることを防止するため溶接ワイヤ端部が僅かに初期溶解するように選択される。同時に、溶接ワイヤ13は、それが被加工物16に接触するまで、上昇したワイヤ搬送速度Vで、被加工物16の方向に搬送さる。時間52での接触による短絡回路のため、溶接電圧Uがブレークダウンする。制御装置4が、被加工物16に対する溶接ワイヤ端部の距離32の値が零に設定されると直ぐ、機械的調整プロセス41における短絡回路が制御装置4により認識される。その後、溶接ワイヤ13は、距離32に到達するまで、矢印31に従って後方移動、即ち被加工物16から溶接トーチ10に向かう動きを行う。そして、再び溶接電流Iは、初期設定値まで上げられ、そして機械的調整プロセス41は時間53において完了する。このとき、溶接プロセスは新たに始まるか、若しくはさらに継続する。
図14〜17に係る実施の形態により、さらに別の変形例が開示されている。ここでは、溶接電流Iが流れる溶接ワイヤ13の長さが、機械的調整プロセス41の間測定される。機械的調整プロセス41は、およそ時間54において開始され、時間59において終了する。これは、この測定されたワイヤの長さが溶接プロセスに大きな影響を与える程明確であり、それにより溶接プロセスのためパラメータを適合することが可能となる。これは、時間55において生ずる短絡回路の発生後、例えば時間57において予め規定された測定電流58を所定の期間印加し、そして溶接ワイヤ13に対する電圧Uが当該時間において測定される。これにより、制御装置4は、全抵抗を計算する。その後、溶接ワイヤ13の既知の特定の抵抗に基づいて、溶接電流が流れる溶接ワイヤ13の長さを制御装置4により計算する。その際、特定の抵抗を直接インプットしても良いし、若しくは溶接ワイヤ13の材料を選択する事により制御装置4によりメモリーから読み込んでも良い。
溶接プロセスを実行する前に、機械的調整プロセス41を実行してもよい。他の実施の形態として、被加工物16から溶接ワイヤ端部、若しくはその後の溶接プロセスのためのコンタクトチューブの端部までの所定の距離32の調整を可能とするために、溶接プロセスの終盤において機械的調整プロセス41を実行してもよい。それにより、溶接トーチ10のコンタクトチューブから溶接ワイヤ端部までの距離32を、その後の溶接手法若しくは続いて行われる溶接手法の開始時において知ることができる。機械的調整プロセス41の結果及び溶接電流が流れる溶接ワイヤ13の長さの決定をロボット制御装置に伝送しても良い。
図1は、溶接機械若しくは溶接装置の概略図である。 図2は、本発明に係る方法の様々な実施の形態の溶接電圧の時間経過を示している。 図3は、対応する溶接電流Iの時間経過を示している。 図4は、ワイヤ搬送速度の対応する時間経過を示している。 図5は、溶接ワイヤの、概略的に表された位置の時間経過を示している。 図6は、本発明の方法の別の実施の形態に係る、電圧Uの時間経過を示している。 図7は、本発明の方法の別の実施の形態に係る、溶接電流Iの時間経過を示している。 図8は、本発明の方法の別の実施の形態に係る、ワイヤ搬送速度Vの時間経過を示している。 図9は、本発明の方法の別の実施の形態に係る、溶接ワイヤの位置の時間経過を示している。 図10は、本発明の方法のさらに別の実施の形態に係る、電圧Uの時間経過を示している。 図11は、本発明の方法のさらに別の実施の形態に係る、溶接電流Iの時間経過を示している。 図12は、本発明の方法のさらに別の実施の形態に係る、ワイヤ搬送速度Vの時間経過を示している。 図13は、本発明の方法のさらに別の実施の形態に係る、溶接ワイヤの位置の時間経過を示している。 図14は、本発明の方法のさらにまた別の実施の形態に係る、電圧Uの時間経過を示している。 図15は、本発明の方法のさらにまた別の実施の形態に係る、溶接電流Iの時間経過を示している。 図16は、本発明の方法のさらにまた別の実施の形態に係る、ワイヤ搬送速度Vの時間経過を示している。 図17は、本発明の方法のさらにまた別の実施の形態に係る、溶接ワイヤの位置の時間経過を示している。

Claims (19)

  1. 融解する溶接ワイヤ(13)を使用して溶接プロセスを制御する方法であって、
    該溶接プロセスが、電気アーク発生後、複数の異なる溶接パラメータに基づいて調整され、かつ制御装置及び/又は溶接電源により制御される溶接プロセス制御方法において、
    上記溶接ワイヤ(13)をセンサとして用いて、溶接ワイヤの位置を機械的方法により決定する少なくとも1つの機械的調整プロセス(41)を上記溶接プロセス中において実行し、
    上記機械的調整プロセス(41)の間、上記溶接パラメータとして溶接電流(I)が、溶接ワイヤ材料が全く融解しないように制御されることを特徴とする溶接プロセス制御方法。
  2. 上記機械的調整プロセス(41)の間、上記溶接ワイヤ(13)を被加工物(16)に向かって移動させることにより、上記溶接ワイヤ(13)を上記被加工物(16)に接触させることを特徴とする請求項1に記載の溶接プロセス制御方法。
  3. 溶接ワイヤ(13)の融解が防止されながら上記溶接ワイヤ(13)が上記被加工物(16)に接触する直前まで電気アーク(15)が維持されるように、上記溶接パラメータが上記溶接ワイヤ(13)が上記被加工物(16)に向かって移動する間制御されることを特徴とする請求項2記載の溶接プロセス制御方法。
  4. 上記溶接ワイヤ(13)の上記被加工物(16)への接触が、短絡回路の認識により検出されることを特徴とする請求項2又は3記載の溶接プロセス制御方法。
  5. 上記接触を検出後、溶接ワイヤ端部の位置が新たに零に再設定されることを特徴とする請求項4記載の溶接プロセス制御方法。
  6. 上記溶接ワイヤ(13)が、上記被加工物(16)に接触した後後退することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  7. 上記溶接ワイヤ(13)を上記被加工物(16)に接触させた後、上記溶接ワイヤ(13)が上記被加工物(16)から、一定の若しくは調整可能な距離(32)まで、上記被加工物(16)に対して2mm〜6mm後退されることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  8. 上記距離(32)が、上記溶接ワイヤ(13)の後退の間、上記溶接電圧(U)、上記溶接電流(I)若しくは時間(t)により決定されることを特徴とする請求項7記載の溶接プロセス制御方法。
  9. 上記機械的調整プロセス(41)が、ユーザにより選択された設定若しくは一定の初期値により開始されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  10. 上記機械的調整プロセス(41)が、上記溶接電圧(U)の閾値により開始されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  11. 上記機械的調整プロセス(41)が、規定された時間インターバルの終了後、若しくは規定された回数の溶接プロセスパルスの終了後、規定された時間において開始されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  12. 上記ワイヤ前進速度(V)が、上記機械的調整プロセス(41)の間増加することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  13. 上記機械的調整プロセス(41)が、上記溶接プロセスのベース電流フェーズ(35)の間、すなわち上記溶接プロセスの2つのパルス間において実行されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  14. 溶接電流が流れる上記溶接ワイヤ(13)の長さが、上記機械的調整プロセス(41)の間測定されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  15. 上記機械的調整プロセスの間、電気アーク(15)が、上記溶接ワイヤ(13)が上記被加工物(16)から持ち上げられるとき新たに点火されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  16. 上記機械的調整プロセスの間、所望の距離(32)に到達すると上記電気アーク(15)が新たに点火されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  17. 上記溶接プロセスの開始時において、機械的調整プロセス(41)が実行されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  18. 後続の溶接プロセスのため、上記被加工物(16)に対する上記溶接ワイヤ端部までの規定された距離(32)を調整することができるように、上記溶接プロセスの終盤において、機械的調整プロセス(41)が実行されることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
  19. 上記機械的調整プロセス(41)の間決定された上記溶接ワイヤ(13)の位置、及び任意ではあるが溶接電流が流れる溶接ワイヤ(13)の規定された長さが、ロボット制御装置に伝送されることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の溶接プロセス制御方法。
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