JP4448643B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジを記録装置本体側に配置し、このインクカートリッジからインク供給チューブを介して記録ヘッドへインクを供給するようにしたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタは、記録紙等の印刷媒体にインク滴を吐出することにより画像や文字等の印刷データを記録する構成となっており、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式の記録ヘッドを備える。この記録ヘッドは、例えば、記録紙の幅方向に移動可能なキャリッジに設けられる。
【0003】
A0判等の大判の記録紙に記録可能なインクジェットプリンタでは、インク消費量が多いために多量のインクを貯留しておく必要がある。このため、インクカートリッジに大容量のものを使用しなければならない。このようなプリンタにおいて、インクを貯留したインクカートリッジをキャリッジに装着する構成を採ると、キャリッジが重くなり、キャリッジ駆動モータに過大な負荷がかかるだけでなく、装置が無用に大型化してしまう問題がある。従って、インクカートリッジをインクジェットプリンタ本体に装着する、以下のような構成が採られている。
【0004】
図4は、従来のインクジェットプリンタの模式平面図である。インクジェットプリンタ40は、複数のインクカートリッジ41から、キャリッジ47に設けられた記録ヘッド(図示せず)へインクを供給するインク供給チューブ44を備える。キャリッジ47は、キャリッジガイド52に沿って往復移動し、インク供給チューブ44は、キャリッジ47に追従するようになっている。即ち、キャリッジ47が図4(a)に示す位置から、図4(b)に示す位置に移動すると、インク供給チューブ44もこれに伴って移動する。インクカートリッジ41及びキャリッジ47との接続部分であるインク供給チューブ44の非可動部分には、剛体チューブ45が使用される。剛体チューブ45はSUS管等からなる。また、インク供給チューブ44の可動部分には、ポリエチレン等からなる可撓性チューブ46が使用される。このように剛体チューブ45と可撓性チューブ46から構成されるのは、インク供給チューブ44が、インクジェットプリンタ40本体の限られたスペース内で、効率的に、インク供給チューブ44を曲げる必要があるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記可撓性チューブでは、硬度の小さい可撓性チューブを用いると、ガスバリア性が低くなる。このため、チューブ内のインク水分が蒸発する問題や、チューブ内部のインクの脱気度の低下やチューブ内部に気泡が発生するという問題が生じ、信頼性が低下するおそれがあった。
【0006】
これに対して、ガスバリア性を向上させるために、硬度の大きい可撓性チューブを用いることが考えられる。しかし、このようなチューブは、チューブ自体が曲がりにくく、チューブの曲げのための半径を小さくすると、屈曲耐久性が低くなるとともに、キャリッジを駆動させるキャリッジモータの負荷を増大させるおそれがあった。従って、硬度の大きい可撓性チューブを使用した場合は、チューブの曲げを大きく設計しなければならず、記録装置が大型化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、インク供給においてインクのガスバリア性を保ちつつ、インク供給チューブの曲げを容易にすることができる記録装置を提供することにある。また、本発明の目的は、記録装置の小型化を図ることができる記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録装置本体側に設けられたインクカートリッジから、キャリッジに設けられた記録ヘッドへインクを供給するインク供給チューブを備えるとともに、該インク供給チューブは前記キャリッジの主走査方向の往復移動に追従する可動部分を備えたインクジェット式記録装置であって、前記インク供給チューブの可動部分は、硬度の小さい可撓性チューブの一端と硬度の大きい可撓性チューブの一端とが接続された、硬度の異なる2種類以上の可撓性チューブからなり、
前記キャリッジが主走査方向の移動範囲の最右端または最左端に位置したとき、前記硬度の小さい可撓性チューブがガイド部材に沿って曲げ半径が小さくなるように規制されることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット式記録装置において、前記硬度の小さい可撓性チューブの他端は、前記キャリッジ側との接続部分に接続されていることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット式記録装置において、前記硬度の小さい可撓性チューブの他端は、前記インクカートリッジと接続される非可動部分との接続部分に接続されていることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1の発明によれば、インク供給チューブの可動部分において、硬度の小さい可撓性チューブの一端と硬度の大きい可撓性チューブの一端とが接続された、硬度の異なる2種類以上の可撓性チューブを使用している。このため、硬度の小さい可撓性チューブを使用した部分においては、容易にこのチューブを曲げることができる。従って、チューブを曲げる部分において、硬度の大きい可撓性チューブを使用したものに比べ、チューブの曲げのための半径を小さく設計することが可能となる。よって、インク供給チューブ全体の長さを短くすることができる。また、硬度の小さい可撓性チューブを使用する長さや位置によっては、記録装置を小型化することができる。また、インク供給チューブの可動部分において、硬度の小さい可撓性チューブだけでなく、硬度の大きな可撓性チューブも併用しているため、硬度の小さい可撓性チューブのみを使用するものと比較して、より高いガスバリア性を保つことができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、キャリッジ側との接続部分付近において、硬度の小さい可撓性チューブを使用している。このため、キャリッジ側との接続部分付近において、チューブの曲げのための半径を小さくすることができる。従って、インク供給チューブ全体の長さを短くすることができ、記録装置を小型化することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、インクカートリッジと接続される非可動部分との接続部分付近において、硬度の小さい可撓性チューブを使用している。このため、この非可動部分との接続部分付近において、チューブの曲げの半径を小さくすることができる。従って、インク供給チューブの全体の長さを短くすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタ10の模式平面図である。図5は、インクジェット式記録装置としてのインクジェットプリンタ10の模式概念図である。
【0026】
図5に示すように、インクジェットプリンタ10は、インクカートリッジ11内のインクを、インク供給チューブ14及びキャリッジ17に設けられた圧力ダンパ18を介して、記録ヘッド19へ供給するものである。記録ヘッド19は、インク滴を吐出するノズル開口を備えており、記録紙等の印刷媒体にインク滴を吐出することにより画像や文字等の印刷データの記録を行う。インクジェットプリンタ10は、インクカートリッジ11をキャリッジ17上に搭載させない構成になっている。このような構成のインクジェットプリンタとして、例えば、A0判等の大判の記録紙に印刷可能なプリンタであって、インク消費量が多いために多量のインクを貯留しておく必要があるものがある。このようなインクジェットプリンタでは、多量のインクを貯留したインクカートリッジ11をキャリッジ17上に搭載させると、キャリッジ17が重くなり、キャリッジ駆動モータに過大な負荷がかかってしまうことになる。また、インクカートリッジ11に大容量のものを使用する必要があるため、装置を無用に大型化してしまう問題がある。このため、インクカートリッジ11をキャリッジ17に搭載させない構成となっている。
【0027】
インクカートリッジ11は、インクジェットプリンタ10本体側に配置されたインクカートリッジホルダ13内に収容されている。(なお、本明細書において、インクジェットプリンタ(記録装置)本体側又は本体上とは、インクジェットプリンタ(記録装置)本体内であって、少なくともキャリッジ上ではない範囲をいうものとする。)インクカートリッジ11の内部には、インクパック12が設けられており、インクパック12内にはインクが充填されている。インクカートリッジ11は、インクの色毎に複数設けられており、本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(BK)用の4つのインクカートリッジが設けられている。インクパック12の一端には針装着部20が形成されており、インクカートリッジホルダ13に設けられた針21が針装着部20に装着するように構成されている。針21はインク供給チューブ14の一端と接続されており、圧力ダンパ18に対してインクを供給可能となっている。インク供給チューブ14及び圧力ダンパ18も、各インクカートリッジ11の数とそれぞれ同数が設けられている。インク供給チューブ14の詳細については、後述する。
【0028】
キャリッジ17は、図1に示すように、記録紙の幅方向(主走査方向)と同方向に配置されたキャリッジガイド22に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャリッジ17の移動範囲の最左端は、非印刷領域であり、印刷停止時及びメンテナンス時にキャリッジ17が移動する位置である(図1(a)参照)。また最右端は、印刷時に移動し得る、最左端から最大の距離にある位置である(図1(b)参照)。
【0029】
キャリッジ17の内部には、圧力ダンパ18が取り付けられている。圧力ダンパ18は、キャリッジ17の往復動に伴うインク圧力の変動を抑制するものである。キャリッジ17の下面には記録ヘッド19が設けられており、圧力ダンパ18から記録ヘッド19にインクが供給されるようにインク流路が形成されている。記録ヘッド19は、図示しないフィルタ、インク供給管、圧電振動子、流路ユニット及びノズル開口等を備えている。記録ヘッド19は、圧電振動子によって圧力室を膨張・収縮させることにより、ノズル開口からインク滴を吐出させるものである。
【0030】
図5において、記録ヘッド19の下方には、キャップ23が設けられている。キャップ23は、有底状に形成されており、その上部開口が記録ヘッド19をキャッピングするようになっている。キャップ23は、インクジェットプリンタ10の非印刷領域に配置されており、非記録時に記録ヘッド19のノズル開口を閉じることにより、インクの水分蒸発を防止するとともに、記録ヘッド19のインクを吸引するクリーニング動作を行う。キャップ23の底部は、吸引チューブ24に連通されており、吸引チューブ24の途中に配設された吸引ポンプ25によって、記録ヘッド19からキャップ23側へインクを強制的に吸引するようになっている。吸引ポンプ25により吸引されたインクは、廃液回収ボックス26に回収される。廃液回収ボックス26内には、複数層の廃液吸収材27が設けられており、回収されたインクを貯蔵する。
【0031】
次に、インク供給チューブ14について説明する。
インク供給チューブ14は、非可動部分と可動部分とから構成されている。インク供給チューブ14における非可動部分は、剛体チューブ15a,15bでそれぞれ構成されている。剛体チューブ15a,15bには、ガスバリア性の高い材料として、SUS管が使用されている。剛体チューブ15aは、キャリッジ17の圧力ダンパ18に接続されており、剛体チューブ15bはインクカートリッジ11に接続されている。可動部分は、硬度の異なる2種類の可撓性チューブ16から構成されている。可撓性チューブ16の両端は、剛体チューブ15a,15bにそれぞれ接続されている。可撓性チューブ16において、剛体チューブ15a(キャリッジ17側)との接続部分には硬度の小さい可撓性チューブ16bが、剛体チューブ15b(インクカートリッジ11側)との接続部分には硬度の大きい可撓性チューブ16aがそれぞれ接続されている。可撓性チューブ16a,16bには、ポリエチレンの硬度の大きいものと小さいものがそれぞれ使用されている。キャリッジ17には、その右側面(即ち、インクジェットプリンタ10内において、可撓性チューブ16が配設される側の面)にガイド部材28が備えられている。このガイド部材28は、キャリッジが右側に移動するとき、硬度の小さい可撓性チューブ16bがこのガイド部材28に沿ってガイドされるものである。
【0032】
次に、このプリンタにおける動作について説明する。
まず、インクジェットプリンタ10により、記録紙に印刷を実行する前は、キャリッジ17は、図1(a)に示すように、最左端に置かれている。そして、印刷が開始されると、キャリッジ17がキャリッジガイド22に沿って往復移動する。この際、インクが、インクカートリッジ11からインク供給チューブ14を通して記録ヘッド19に供給され、ノズルから吐出される。
【0033】
キャリッジ17が、図1(b)のように、最右端まで移動したときは、硬度の小さい可撓性チューブ16b部分はガイド部材28に沿って曲がる。このときの曲げ半径は、従来のインク供給チューブ14の曲げ半径よりも小さい。
【0034】
また、長期間使用を停止していた時等は、硬度の小さい可撓性チューブ16b部分においてインクの品質が低下している可能性があるため、メンテナンスを行う。メンテナンス作業は、硬度の小さい可撓性チューブ16b内のインクを吸引ポンプ25により吸引し、記録ヘッド19から排出して、廃液回収ボックス26に貯蔵する。硬度の小さい可撓性チューブ16bは、記録ヘッド19の近くに配置されているため、容易に記録ヘッド19から排出することが可能である。従って、第1の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0035】
(1)上記実施形態では、インク供給チューブ14の可動部分において、硬度の大きい可撓性チューブ16a及び硬度の小さい可撓性チューブ16bの2種類の可撓性チューブを使用している。従って、硬度の小さい可撓性チューブ16bを使用した部分においては、容易にこのチューブを曲げることができる。
【0036】
これに対して、従来のインク供給チューブ44は、図4に示すように、可動部分が硬度の大きい可撓性チューブ46のみで構成されている。このため、キャリッジ47が最右端に移動したとき、図4(b)に示すように、チューブ自体が曲がりにくく、曲げのための半径が大きくなる。
【0037】
一方、本実施形態では、キャリッジ17側に硬度の小さい可撓性チューブ16bを用いているため、チューブ自体が曲がりやすく、図4(b)の従来のインク供給チューブ44と比べ、曲げのための半径を小さく設計できる。このため、従来のインクジェットプリンタ40と比較して、インクジェットプリンタ10を図1の二点鎖線で示す部分の幅m1だけ小型化することができる。従って、良好なガスバリア性を保持しながら、インク供給チューブ14の長さを短くすることができ、インクジェットプリンタ10を小型化することができる。
【0038】
(2)上記実施形態では、キャリッジ17の右側に、硬度の小さい可撓性チューブ16bの形状を規制するガイド部材28を備えた。このため、硬度の小さい可撓性チューブ16bの折れ曲がりを防止できる。従って、チューブの閉塞、破断を防止することが可能となる。さらに、ガイド部材28をキャリッジ17上に設けたため、ガイド部材28を構成するためのスペースをインクジェットプリンタ10内に別途確保する必要がなくなる。
【0039】
(3)上記実施形態では、硬度の小さい可撓性チューブ16bをキャリッジ17側に設けた。このため、硬度の小さい可撓性チューブ16b内に劣化したインクが生じても、キャリッジ17に備えられた記録ヘッド19からインクを容易に排出できる。従って、インク供給チューブ14内のインクの品質を良好に保持することができる。
【0040】
(4)上記実施形態では、硬度の小さい可撓性チューブ16b部分を記録ヘッド19の近くに設けた。従って、可撓性チューブ16b内の劣化したインクを排出するために、その下流側にある正常なインクの排出量を少なくすることができる。よって、インクの節約をすることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化したインクジェット式記録装置の第2の実施形態を図2に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の硬度の小さい可撓性チューブの位置、ガイド部材の位置を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0041】
図2は、本実施形態のインクジェットプリンタの模式平面図である。図2(a)はキャリッジ17が最左端に位置するときの図、図2(b)はキャリッジ17が最右端に位置する時の図である。硬度の小さい可撓性チューブ16bは、インクカートリッジと接続している非可動部分と接続している。この非可動部分は剛体チューブ15bからなる。また、剛体チューブ15a(キャリッジ17側)と接続されているのは、硬度の大きい可撓性チューブ16aである。ガイド手段としてのガイド部材29は、インクジェットプリンタ10本体上であって、キャリッジガイド22とインクカートリッジ11との間に設けられている。ガイド部材29は、キャリッジ17が図2(a)に示す最左端に移動したときに、硬度の小さい可撓性チューブ16bと当接する位置に設けられている。なお、キャリッジ17には、第1の実施形態のようなガイド部材28は設けられていない。
【0042】
図2(a)に示すように、キャリッジ17が最左端まで移動したときは、硬度の小さい可撓性チューブ16b部分は、インクジェットプリンタ10本体上に設置されたガイド部材29に沿って曲がる。このため、硬度の小さい可撓性チューブ16bの折れ曲がりを防ぐことが可能である。また、このときのインク供給チューブ14の曲げ半径は、従来のインク供給チューブ44の曲げ半径よりも小さい。
【0043】
従って、第2の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、インク供給チューブ14は、硬度の異なる2種類の可撓性チューブ16から構成するようにしたため、硬度の小さい可撓性チューブ16bのみを使用するものと比較して、ガスバリア性を高くすることができる。
【0044】
また、剛体チューブ15bとの接続部分付近において、硬度の小さい可撓性チューブ16bを用いた。このため、キャリッジ17が最左端に移動したときのインク供給チューブ14の曲げ半径を、小さく設計することが可能となる。従って、良好なガスバリア性を保持しながら、チューブ全体の長さを短くすることができる。
【0045】
(6)上記実施形態では、インクジェットプリンタ10本体上に、硬度の小さい可撓性チューブ16bの形状を規制するガイド部材29を備えた。このため、硬度の小さい可撓性チューブ16bの折れ曲がりを防止し、チューブの閉塞、破断を防止することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化したインクジェット式記録装置の第3の実施形態を図3に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態のインク供給チューブの構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0047】
図3は、本実施形態のインクジェットプリンタの模式平面図である。図3(a)はキャリッジ17が最左端に位置するときの図、図3(b)はキャリッジ17が最右端に位置する時の図である。インク供給チューブ14の可動部分では、硬度の小さい可撓性チューブ16bと剛体チューブ15cが交互に複数接続されている。本実施形態では、硬度の小さい可撓性チューブ16bが4本、剛体チューブ15cが3本接続されている。インク供給チューブ14の可動部分の両端は硬度の小さい可撓性チューブ16bから構成されている。このため、可動部分が他段階に折れ曲がり、キャリッジ17の動きに追従する。
【0048】
図3(a)はキャリッジ17が最左端に移動した状態を示している。硬度の小さい可撓性チューブ16bは、インク供給チューブ14の可動部分の両端に配置されているので、このときのインク供給チューブ14の曲げ半径は従来のインク供給チューブ14と比較して小さい。図3(b)はキャリッジ17が最右端に移動した状態を示している。このときのインク供給チューブ14の曲げ半径は、従来のインク供給チューブ44と比較して、小さく設計することが可能である。
【0049】
従って、第3の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(7)上記実施形態では、インク供給チューブは、剛体チューブ15と硬度の小さい可撓性チューブ16bから構成されるようにした。剛体チューブ15は可撓性チューブ16よりガスバリア性が高い。このため、インク供給チューブ14は全体としてガスバリア性を高くすることができる。
【0050】
また、インク供給チューブ14の可動部分の両端は、硬度の小さい可撓性チューブ16bが配設されているため、インク供給チューブ14の曲げ半径を小さく設計することができる。このため、従来のインクジェットプリンタ40と比較して、インクジェットプリンタ10を図3の二点鎖線で示す部分の幅m2及び幅m3分だけ小型化することができる。従って、高いガスバリア性を保持できるとともに、平面における縦方向と横方向に、インクジェットプリンタ10本体を小型化することができる。
【0051】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○第1及び第2の実施形態を組み合わせて構成してもよい。即ち、インク供給チューブ14の可動部分を、硬度の大きい可撓性チューブ16aと、この両端に備えた硬度の小さい可撓性チューブ16bとで構成してもよい。なお、硬度の小さい可撓性チューブ16bは、それぞれ剛体チューブ15a,15bに接続される。また、このように構成したインク供給チューブ14をガイドするガイド部材28,29の両方を設けてもよい。このように構成すれば、インク供給チューブ14における剛体チューブ15a,15bとの接続部分の曲げを容易にすることができる。
【0052】
○第1又は第2の実施形態において、ガイド部材28,29を省略する構成としてもよい。
○第1又は第2の実施形態において、硬度の小さい可撓性チューブ16b自体にガイド部材を備え、硬度の小さい可撓性チューブ16bの形状を規制するようにしてもよい。
【0053】
○第3の実施形態において、ガイド部材28及びガイド部材29の少なくともいずれかを設けて、可撓性チューブ16bの形状を規制するようにしてもよい。なお、この場合、ガイド部材29は、キャリッジ17の移動する位置と重ならない位置に配設するようにする必要がある。
【0054】
○第1又は第2の実施形態において、硬度の異なる3種類以上の可撓性チューブにより構成してもよい。このように構成することで、インク供給チューブ14の曲げられる度合いに応じて、硬度の異なる可撓性チューブを適宜使用したインク供給チューブを得ることができる。
【0055】
○前記各実施形態において、可撓性チューブ16をポリエチレン以外の可撓性を有する材質で構成してもよい。
○前記各実施形態において、インクジェットプリンタ10はA0判等の大判の記録紙に印刷可能なプリンタ等としたが、A0判以外の大きさや材質の記録媒体に印刷可能なインクジェットプリンタに各実施形態の構成を適用してもよい。
【0056】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)請求項1に記載のインクジェット式記録装置において、インク供給チューブの可動部分は、キャリッジ側との接続部分付近及びインクカートリッジと接続される非可動部分との接続部分付近において、硬度の小さい可撓性チューブであることを特徴とするインクジェット式記録装置。
【0057】
従って、この(a)に記載の発明によれば、インク供給チューブの曲げのための半径を小さく設計することができるため、ガスバリア性を保持しながら、チューブの長さを短くし、記録装置の小型化をすることができる。
【0058】
(b)上記(a)に記載のインクジェット式記録装置において、硬度の小さい可撓性チューブの形状を規制するガイド手段を備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
【0059】
従って、(b)の発明によれば、ガイド手段によって、硬度の小さい可撓性チューブの形状を規制することにより、チューブの折れ曲がりを防止し、チューブの閉塞や破断を防止することが可能となる。このため、チューブの耐久性に対する信頼性の低下を防ぐことができる。
【0060】
(c)請求項9に記載のインクジェット式記録装置において、インク供給チューブの可動部分は、硬度の異なる2種類以上の可撓性チューブと剛体チューブからなることを特徴とするインクジェット式記録装置。
【0061】
従って、(c)の発明によれば、剛体チューブや硬度の大きい可撓性チューブが介在することにより、良好なガスバリア性を保持できる。それとともに、硬度の小さい可撓性チューブの介在により、インク供給チューブの曲げのための半径を小さく設計することが可能であり、記録装置を小型化することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、インク供給チューブにおいて硬度の異なるものを組み合わせることにより、ガスバリア性を保ちつつ、インク供給チューブの曲げを容易にすることができる記録装置を提供することができる。また、小型化を図ることができる記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、(a)はキャリッジが最左端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図、(b)はキャリッジが最右端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図。
【図2】本発明の第2実施形態を示し、(a)はキャリッジが最左端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図、(b)はキャリッジが最右端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図。
【図3】本発明の第3実施形態を示し、(a)はキャリッジが最左端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図、(b)はキャリッジが最右端に位置するインクジェットプリンタの模式平面図。
【図4】(a)はキャリッジが最左端に位置する従来のインクジェットプリンタの模式平面図。(b)はキャリッジが最右端に位置する従来のインクジェットプリンタの模式平面図。
【図5】インクジェットプリンタの模式概念図。
【符号の説明】
10 記録装置としてのインクジェットプリンタ
11 インクカートリッジ
14 インク供給チューブ
15 剛体チューブ
16 可撓性チューブ
16a 硬度の大きい可撓性チューブ
16b 硬度の小さい可撓性チューブ
28,29 ガイド手段としてのガイド部材
Claims (3)
- 記録装置本体側に設けられたインクカートリッジから、キャリッジに設けられた記録ヘッドへインクを供給するインク供給チューブを備えるとともに、該インク供給チューブは前記キャリッジの主走査方向の往復移動に追従する可動部分を備えたインクジェット式記録装置であって、
前記インク供給チューブの可動部分は、硬度の小さい可撓性チューブの一端と硬度の大きい可撓性チューブの一端とが接続された、硬度の異なる2種類以上の可撓性チューブからなり、
前記キャリッジが主走査方向の移動範囲の最右端または最左端に位置したとき、前記硬度の小さい可撓性チューブがガイド部材に沿って曲げ半径が小さくなるように規制されることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット式記録装置において、
前記硬度の小さい可撓性チューブの他端は、前記キャリッジ側との接続部分に接続されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット式記録装置において、
前記硬度の小さい可撓性チューブの他端は、前記インクカートリッジと接続される非可動部分との接続部分に接続されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
Priority Applications (1)
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